JP2002110935A - 薄膜キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜キャパシタ及びその製造方法

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JP2002110935A
JP2002110935A JP2000304549A JP2000304549A JP2002110935A JP 2002110935 A JP2002110935 A JP 2002110935A JP 2000304549 A JP2000304549 A JP 2000304549A JP 2000304549 A JP2000304549 A JP 2000304549A JP 2002110935 A JP2002110935 A JP 2002110935A
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electrode
film capacitor
ferroelectric
dielectric
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Michihito Ueda
路人 上田
Takashi Otsuka
隆 大塚
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜キャパシタにおいて、誘電体薄膜が柱状
構造であると、粒界を経由したリークが大きいという課
題を有していた。 【解決手段】 誘電体薄膜が柱状成長するのは、下地で
ある第1の電極の結晶性を継承して成長しやすいためで
あった。しかし、第1の電極の界面近傍を非晶質にする
ことで、誘電体薄膜は微細グレイン構造を有するように
なる。この効果によって上下電極の粒界を経由したリー
クパスを実質的に長くすることが可能となり、低リーク
の薄膜キャパシタを実現できる。また第1の電極表面近
傍を非晶質化する製造方法として、Pt電極に薄いZr
層を形成し、非酸化雰囲気下での熱処理することで簡便
に表面近傍を非晶質化することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサや、半
導体メモリキャパシタに用いられる薄膜キャパシタとそ
の製造方法に関するもので、特に、コンデンサやキャパ
シタを構成する誘電薄膜が多結晶体の場合に有効な薄膜
キャパシタ及びその電極製造方法を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】少ない電極面積で大きな静電容量値を持
つコンデンサは、携帯端末などに見られるような電気製
品の小型化の要求で、素子サイズを小さくする一方で、
静電容量を確保することが求められる。このような要求
に対して薄膜キャパシタを用いるアプローチがなされて
いる。
【0003】また、このような微小コンデンサへの要求
は一般的な電子部品に留まらず、例えばDRAMなどの
半導体のセルキャパシタにおいても同様である。
【0004】近年、このような微小面積で高容量を保持
するため、薄膜キャパシタにチタン酸バリウム・ストロ
ンチウム(以下BST)といった高誘電率を薄膜で形成
し、これを用いて薄膜キャパシタを形成しようとする動
きが盛んである。
【0005】このような技術の従来例としては、例えば
特開平8−31951号公報に記載の「強誘電体薄膜キ
ャパシタ及びその製造方法」が挙げられる。
【0006】図10は従来技術の薄膜キャパシタの構造
を示すものである。
【0007】酸化したシリコン基板101上に接着層と
してTi膜103をスパッタ法によって約50nm形成
し、200nmの膜厚のPt104をスパッタ法によっ
て形成し第1の電極としている。この時、第1の電極の
構成材料であるPtは非常に結晶化しやすい材料である
ため、基板温度が室温であっても結晶化し、柱状の多結
晶体として薄膜が形成される。
【0008】その後、BST膜105をBSTセラミッ
クスタ−ゲットを用いてO2/Ar混合ガス中で基板温
度を約650℃として約200nmの膜厚に堆積して多
結晶誘電体薄膜を形成する。このとき、従来技術例で
は、多結晶薄膜に生じる短絡経路を埋めるために、一
旦、111のTiO2を堆積した後に、短絡経路以外例
えばドライエッチングなどでを除去し、最後に第2の電
極であるPt上部電極107を堆積してパターニング
し、微小BSTキャパシタを形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術のような構造の薄膜キャパシタでは、誘電体薄膜が柱
状構造を有しているために、粒界を経由してリーク電流
が流れやすいという課題を有していた。
【0010】従来技術では、ピンホール的な欠陥も含
め、このような粒界を経由する短絡経路を一旦TiO2
で被覆する工程を導入しているが、余分なTiO2を除
去する際にBSTにダメージが入り、特性が劣化すると
いう課題を有していた。
【0011】また、特に粒界のような微小な経路はTi
2などの被覆では完全に埋め込むことができず、短絡
の防止には効果があっても、リーク電流の低減には効果
が小さかった。
【0012】これは、BSTが柱状結晶構造を有してい
るためであり、その粒界が上下の電極の最短経路となる
ため、このような構造を有するBSTではどうしてもリ
ークが大きくなってしまうためである。
【0013】しかしながら、BSTは下地の第1の電極
であるPtの配向を引き継いで成長しやすい上、第1の
電極を構成するPtは前述のように容易に結晶化し柱状
結晶となりやすいため、BSTのような多結晶誘電体薄
膜を柱状結晶とならないように堆積することは非常に難
しかった。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本願第1の発明の薄膜キャパシタは、第1の電極
と、第1の電極の上に形成された誘電体薄膜と、誘電体
薄膜の上に形成された第2の電極からなる薄膜キャパシ
タであって、第1の電極の前記誘電体薄膜との界面近傍
が非晶質もしくは粒径が10nm以下の多結晶であるこ
とを特徴とする。
【0015】また本願第2の発明の薄膜キャパシタは、
第1の電極の表面近傍の非晶質もしくは粒径が10nm
以下の多結晶部が、Zr、Hf、Nb、Taの群からな
る元素の少なくとも1種類以上とPtを含有することを
特徴とする。
【0016】また本願第3の発明の薄膜キャパシタの製
造方法は、Ptを含有する薄膜の直上にZr、Hf、N
b、Taの群からなる元素の少なくとも一種類以上を堆
積して反応層を形成した後、非酸化雰囲気下で300℃
以上に加熱することで、第1の電極を形成することを特
徴とする。
【0017】また本願第4の発明の薄膜キャパシタの製
造方法は、本願第1発明の薄膜キャパシタが、ダイナミ
ック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)の容量
部薄膜キャパシタであることを特徴とする。
【0018】また本願第5の発明の薄膜キャパシタの製
造方法は、本願第1発明の薄膜キャパシタが、強誘電体
ゲートメモリ(MFMIS)の強誘電体薄膜キャパシタ
であることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の誘電
体薄膜及びその形成方法について図面を参照しながら説
明する。
【0020】(実施の形態1)図1は本実施例の薄膜キ
ャパシタの構造を示す断面図である。図1において1は
薄膜キャパシタである。3は基板であり、本実施形態1
では例えばSi基板である。5は第1の電極である。7
は誘電体薄膜であり、例えば本実施形態1では柱状構造
ではない多結晶誘電体薄膜であって、材料は例えばチタ
ン酸バリウム・ストロンチウムからなる。9は第2の電
極であり、例えばPt(白金)からなる。
【0021】本実施例の薄膜キャパシタは、キャパシタ
を構成する誘電体薄膜が柱状結晶ではない微細なグレイ
ン構造を有することを特徴とする。例えば本実施例の薄
膜キャパシタにおいては、誘電体薄膜は、直径20nm
程度の微細グレインが重なった構造を有している。本実
施形態1では、誘電体薄膜7を微細グレインとするため
に、第1の電極5の最表面を非晶質化している。
【0022】以下、図2を用いて、本実施例の薄膜キャ
パシタを製造する方法を説明する。
【0023】なお、図2において、図1と同一物には同
一番号を附記し、説明を省略する。図2において、11
はPt薄膜である。13は反応層である。
【0024】(a)例えばスパッタ法により、基板温度5
00℃でPt薄膜を形成する。本実施形態では、例えば
RFマグネトロンスパッタ法により、Arガス中で、圧
力10mTorr(1Torr=133.322Pa)、RFパワー5
0Wで3分間、スパッタを行うことで、膜厚50nmの
Pt薄膜を形成している。
【0025】(b)例えばスパッタ法により、室温でZr
を堆積して反応層13を形成する。本実施の形態では、
例えばRFマグネトロンスパッタ法により、Arガス中
で、圧力10mTorr、RFパワー50Wで30秒
間、スパッタを行うことで、膜厚10nmのZr薄膜を
形成している。
【0026】(c)例えばファーネスアニール炉で、窒素
雰囲気下で400℃、10分の熱処理を施し、Pt薄膜
11と反応層13を反応させ第1の電極5を形成する。
【0027】(d)例えばMOCVD法によりBST薄膜
を30nm堆積して誘電体薄膜7を形成する。
【0028】(e)例えばスパッタ法により、第2の電極
を形成する。本実施形態では、例えばRFマグネトロン
スパッタ法により、基板温度400℃、Arガス中で、
圧力10mTorr、RFパワー50Wで6分間、スパ
ッタを行うことで、膜厚100nmのPt薄膜を形成し
ている。
【0029】以上の製造工程により薄膜キャパシタを形
成する。
【0030】次に、図2に示した製造工程で誘電体薄膜
であるBSTのグレインサイズを微細化できる原理につ
いて以下、図3、図4を用いて説明する。
【0031】図3は図2の(a)の段階のPt薄膜の結晶
状態、図4は図2(c)の段階の第1の電極の結晶状態に
対応するX線回折分析(以下XRD)結果を示す図であ
る。
【0032】図3の結果から、最初に堆積されたPt薄
膜は(111)配向の良質な結晶が得られている。Pt
はこのように容易に結晶化し、また配向も(111)に
揃うことが一般的に知られている。一方、図4の処理が
終了した後には、ZrやZr-Pt合金に起因するXR
Dのピークが認められないばかりか、Ptのピークも消
失していることが理解される。このようにXRDで回折
ピークが見られないことから、少なくともPtはZrと
反応してグレインサイズが10nm以下の微細構造の多
結晶か、または非晶質に変化していることが理解され
る。
【0033】このように、本発明者らは、PtとZrが
金属状態であるとき、薄膜状態であれば400℃という
低い温度であっても混合反応が進行し、しかも進行後の
Pt-Zr合金は結晶化がほとんど進行せず非晶質であ
ることを発見した。このような反応は300℃以上で進
行することが実験的に判明しているが、反応を高速で安
定にするため、本実施形態1では400℃で反応を進行
させている。
【0034】また、反応層13の厚みについては、厚さ
が50nmを超えると反応後の第1の電極の表面に面荒
れが生じ、膜剥がれが発生する場合があった。このた
め、反応層13の厚みは50nm以下が望ましい。本実
施形態1では、第1の電極の表面の平坦性を維持するた
め、反応層を極力薄くし、例えば膜厚10nmとしてい
る。このように薄い反応層であっても、Pt薄膜の表面
が非晶質化する為、同様の効果が得られる。
【0035】以上のように、Pt表面近傍の(本実施形
態ではPt薄膜の膜厚方向全体に渡る)反応による非晶
質化処理により、次に堆積するBSTはPtによる結晶
成長の制約を受けずに結晶化するため、成膜初期過程に
おいて形成された「核」を中心に成長が進行する。この
ようなメカニズムにより、BSTグレインの微細化を実
現することが可能である。BSTのグレインを微細化す
ることで、上下電極間のBST粒界の経路が長くなり、
これによりリーク電流を低減することが可能であった。
例えば膜厚30nmのBSTキャパシタにおいて、+1
V印加時のリーク電流密度を3×10-7[A/cm2]から
5×10-8[A/cm2]に大幅に低減することが可能であ
った。また、微細なグレインが積み重なって膜を形成す
るため、例えばピンホールなどの短絡不良を大幅に低減
することが可能であった。
【0036】以上、本実施例の薄膜キャパシタ及びその
製造方法によれば、第1の電極のPt最表面を非晶質化
し、その上にBSTを形成することで、第1の電極のP
t電極の結晶性による影響を受けずに微細なグレインの
BSTを形成することを可能とするものである。BST
のグレインを微細化することで、上下電極間のBST粒
界の経路が長くなり、これによりリーク電流を低減する
ことが可能である上、ピンホールによる短絡不良も大幅
に低減できるものである。
【0037】なお、本実施形態では、Pt最表面の非晶
質化を実施するのにZrの場合を示したが、同系列の元
素でも同様の機能がある。例えば、Hf、Nb、Taな
どはいずれもPt最表面の非晶質化が実現され、同様に
低リークの薄膜キャパシタを実現することが可能であ
る。
【0038】(実施の形態2)以下、本発明の第2の実
施形態の薄膜キャパシタについて図面を参照しながら説
明する。
【0039】図5は、本実施形態2の誘電体膜を用いた
DRAMのメモリセルのみを抜き出して示す断面図であ
る。図5に示すように、Si基板21上には活性領域を
取り囲む素子分離22が形成されており、この活性領域
内にはDRAMのメモリセルトランジスタとなるMOS
トランジスタが設けられている。MOSトランジスタ
は、Si基板21の上に設けられた絶縁ゲート34と、
Si基板21内における絶縁ゲート34の両側に位置す
る領域に形成されたソース・ドレイン拡散層33とによ
り構成されている。また、基板上には、シリコン酸化膜
からなる第1の層間絶縁膜25が堆積されており、この
第1の層間絶縁膜25の上に、メモリセルの容量部が設
けられている。この容量部は、第1の実施形態に記載の
薄膜キャパシタの構造からなる。そして、容量部の第1
の電極5は、第1の層間絶縁膜5を貫通するプラグ29
によってメモリセルトランジスタのソース・ドレイン拡
散層33の一方に接続されている。なお、図1の破線に
示すように、第1の層間絶縁膜25の上に堆積された第
2の層間絶縁膜30の上にはDRAMのビット線31が
設けられており、このビット線31は、第1,第2の層
間絶縁膜25,30を貫通するプラグ32によってソー
ス・ドレイン拡散層33の他方に接続されている。
【0040】ここで、本実施形態におけるDRAMメモ
リセルの製造工程について、図6(a)〜(d)を参照
しながら説明する。なお、図6において図5と同一部に
は同一番号を附記して説明を省略する。
【0041】図6(a)に示す工程において、Si基板
21の上に、LOCOS法などを用いて、活性領域を囲
む素子分離22を形成する。さらに、基板上にシリコン
酸化膜及びポリシリコン膜を堆積した後、これらをパタ
ーニングして、活性領域の上にゲート酸化膜及びゲート
電極からなる絶縁ゲート34を形成する。そして、この
絶縁ゲート34をマスクとしてSi基板11内にヒ素イ
オンを注入して、Si基板21内における絶縁ゲート3
4の両側に位置する領域にソース・ドレイン拡散層33
を形成する。さらに、基板上に、例えば減圧化学気相成
長法によりSiO2 からなる第1の層間絶縁膜25を
約200nmの厚みで堆積する。さらに、第1の層間絶
縁膜25のリフローまたはCMPなどによる平坦化を行
なった後、第1の層間絶縁膜25にソース・ドレイン拡
散層33の一方に到達するコンタクト窓を開口する。そ
して、例えば減圧化学気相成長法により多結晶シリコン
を成膜した後、異方性を強めてドライエッチングするこ
とにより、コンタクト窓にポリシリコンを埋め込んで、
プラグ29を形成する。
【0042】次に、図6(b)に示す工程において、基
板上に、図1で説明した製造方法により表面近傍を非晶
質化した電極を形成する。その後、例えばMOCVD装
置を用いて、基板上に誘電体薄膜であるBST膜7xを
堆積する。すなわち、β−ジケトン系有機金属錯体であ
るBa(DPM)2 、Sr(DPM)2 、Ti(O−i
Pr)2 (DPM)2 をn−酢酸ブチルにそれぞれ0.
1mol/Lの濃度で溶解して作成した液体材料を混合
した後、この混合体を220℃に昇温して気化し、この
気化された原料ガスをArガスによって搬送すること
で、反応炉内に原料ガスを導入する。そして、反応炉内
においては、圧力5Torr(1T0rr=133.322Pa)、酸
素分圧25%の雰囲気下で、例えば450℃に加熱した
基板上で原料ガスを反応させることにより、第1の電極
16xの上にBSTからなる誘電体薄膜7xを形成す
る。
【0043】次に、図6(b)に示す状態で、基板を7
00℃に約1分間保持し、BST膜の結晶化のための熱
処理を行なう。
【0044】次に、図6(c)に示す工程において、基
板上にスパッタ法を用いて、Ptを100nmの厚みで
堆積することにより、誘電体薄膜7xの上に第2の電極
9xを形成する。
【0045】次に、図6(d)に示す工程において、第
1の電極5x,誘電体薄膜7x,及び第2の電極9xを
パターニングすることにより、第1の電極5,誘電体薄
膜7及び第2の電極9からなる容量部を形成する。この
容量部内の第1の電極5は、プラグ29によって、メモ
リトランジスタのソース・ドレイン拡散層33の一方に
接続されている。
【0046】その後の工程の図示は省略するが、第2の
層間絶縁膜の堆積、コンタクト窓の形成及び埋め込み、
ビット線の形成などの工程を行なって、DRAMのメモ
リセルを形成する。
【0047】本実施形態2のDRAMにおいては、容量
部の第1の電極の表面近傍を非晶質化することで、次に
例えばMOCVD法で形成した誘電体薄膜であるBST
薄膜のグレインサイズを小さくすることが可能である。
このため、BSTのリーク電流量を小さくすることが可
能であり、DRAMのリフレッシュサイクルを長くする
ことが可能である。このことはDRAMの動作速度にお
いて有利なだけでなく、デバイスとしての消費電力を抑
制することが可能であり、産業上、極めて有用なもので
ある。
【0048】また、一般にDRAMの容量部において
は、第1の電極の形状を複雑化して表面積を大きくし、
実効的なキャパシタンスを大きくすることが行われる
が、このような複雑形状の電極の場合には、特に下地を
継承せずに誘電体薄膜を形成できる本発明の薄膜キャパ
シタの製造方法は有効である。
【0049】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0050】図7は、本実施形態の薄膜キャパシタを用
いた強誘電体メモリ(以下、FeRAMと表記する)の
メモリセルのみを抜き出して示す断面図である。図7に
示すように、Si基板21上には活性領域を取り囲む素
子分離22が形成されており、この活性領域内にはFe
RAMのメモリセルトランジスタとなるMOSトランジ
スタが設けられてる。MOSトランジスタは、Si基板
21の上に設けられた絶縁ゲート34と、Si基板21
内における絶縁ゲート34の両側に位置する領域に形成
されたソース・ドレイン拡散層33とにより構成されて
いる。また、基板上には、シリコン酸化膜からなる第1
の層間絶縁膜25が堆積されており、この第1の層間絶
縁膜25の上に、メモリセルの容量部が設けられてい
る。この容量部は、第1の層間絶縁膜25の上に、第1
の実施形態で説明した製造方法で形成した、表面近傍を
非晶質化したPt膜からなる第1の電極5と、第1の電
極5の上に設けられた厚み300nm程度の強誘電体膜
であるタンタル酸ストロンチウム・ビスマス(以下、S
BTと表記する)からなる誘電体薄膜41と、誘電体薄
膜41の上に設けられた第2の電極9とにより構成され
ている。そして、容量部の第1の電極5は、第1の層間
絶縁膜25を貫通するプラグ29によってメモリセルト
ランジスタのソース・ドレイン拡散層33の一方に接続
されている。なお、図7の破線に示すように、第1の層
間絶縁膜25の上に堆積された第2の層間絶縁膜30の
上にはビット線31が設けられており、このビット線3
1は、第1,第2の層間絶縁膜25,30を貫通するプ
ラグ32によってソース・ドレイン拡散層33の他方に
接続されている。
【0051】本実施形態においても、実施形態2と同様
の効果により、誘電体薄膜41のリーク電流を低減する
ことができる。特に、FeRAMにおいては、第1の電
極5と第2の電極9との間の電位差により強誘電体膜で
ある誘電体薄膜41の分極方向を変化させて情報の書込
みを行い、かつ、第2の電極9と第1の電極5との間に
所定の電圧を印加した際に流れる電流値を測定すること
により情報の読出しを行う。この時、誘電体薄膜41の
リーク電流が小さいことによって、書込み・読出し時の
電圧印加時の漏れ電流を低減できるため、各セルの電力
消費を低減することが可能である。また、リークが小さ
いことで、検出電流の誤差も小さくなり、読出信号の”
1”、”0”判定のマージンも大きくとることができ
る。
【0052】以上のように、本実施形態の製造方法の強
誘電体膜を用いることにより、電力消費量が小さく、読
出信号のマージンの広いFeRAMを実現することが可
能である。
【0053】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0054】図8は本実施形態の強誘電体ゲートメモリ
(以下、MFMISと表記する)のメモリセルの部分の
みを抜き出して示す断面図である。
【0055】図8において51はMFMISである。S
i基板53上には活性領域を取り囲む素子分離55が形
成されている。この活性領域内にはメモリセルトランジ
スタとなるMFMISトランジスタが設けられている。
MFMISトランジスタは、Si基板53の上に設けら
れたSiO2などからなるゲート絶縁膜59と、その上
に設けられた多結晶シリコンなどからなる電極61と、
その上に設けられた実施形態1に記載の薄膜キャパシタ
からなる構造を有する。薄膜キャパシタは第1の電極5
とその上に形成した誘電体薄膜である強誘電体層63
と、その上に形成した第2の電極9からなっている。電
極61と第1の電極5は電気的に等電位となっており、
合わせてフローティング電極91を形成している。な
お、本実施形態においては強誘電体層63は例えば厚さ
200nmのチタン酸ビスマスからなっている。ゲート
絶縁膜59の両側に位置する領域にはソース・ドレイン
拡散層57が形成されている。また、基板上には、シリ
コン酸化膜からなる層間絶縁膜67が堆積されている。
MFMISトランジスタの第2の電極9は、層間絶縁膜
67を貫通するプラグ73によって図示しない配線に接
続されている。また、ソース・ドレイン拡散層57も同
様に層間絶縁膜67を貫通するプラグ71によって図示
しない配線に接続されている。
【0056】図9(a),(b)は、本実施形態の強誘
電体膜を用いたMFMISの動作原理を説明するため
に、メモリセルの部分のみを拡大して示す断面図であ
る。なお、以下の説明はいわゆるN型トランジスタ相当
の動作について説明するが、P型についても同様に動作
することは言うまでもない。
【0057】Si基板53は電気的に接地されており、
強誘電体膜63は、第2の電極9に直前に印加されてい
た電界の向きに応じて、図9(a)または図9(b)の
「+」,「−」で示すいずれかの状態に分極している。
そして、強誘電体層63の分極状態により、図に示すよ
うな電荷の配置が生じ、最終的に誘起電荷がSi基板5
3の表面付近の領域に誘起される。図9(a)に示す状
態においては、第2の電極9に印加される電圧が正から
0に変化することにより、Si基板53の表面付近の領
域には、この変化をうち消すような負の誘起電荷が生じ
るため、ソース部55aとドレイン部55bの間に電位
差を与えると、ドレイン電流IDが流れる。しかしなが
ら、図9(b)に示す状態においては、第2の電極9に
印加される電圧が負から0に変化することにより、Si
基板53の表面付近の領域には、この変化をうち消すよ
うな正の誘起電荷が生じるため、ソース部55aとドレ
イン部55bの間に電位差を与えてもドレイン電流ID
は流れなくなる。従って、このドレイン電流IDの有無
によって強誘電体膜63の分極状態を識別することが可
能となり、強誘電体膜63を不揮発性の情報記憶部とし
て用いることができる。
【0058】本実施形態においても、第1の実施形態の
説明と同様の原理により、強誘電体膜63のリーク電流
を低減することができる。特に、MFMISにおいて
は、フローティング電極91にも電荷が誘起されてお
り、これに対応してSi基板53表面近傍に電荷が誘起
されるが、強誘電体膜63のリーク電流が大きいと、フ
ローティング電極91へ電荷が流れ込むために蓄積した
電荷が消滅してしまい、記憶情報が長期保持できないと
いう致命的な不具合が発生する。
【0059】本実施形態の製造方法によって形成される
強誘電体膜を情報記憶部として利用することにより、記
憶保持時間を大幅に改善したMFMISを実現すること
が可能である。例えば本実施の形態4のMFMISで
は、記憶保持の時間を、従来の数100分から数100
0分まで大幅に改善することが可能であった。
【0060】なお、本実施形態では強誘電体ゲートメモ
リとして導電体/強誘電体/導電体/絶縁体/半導体構造の
MFMIS型について説明したが、導電体/強誘電体/絶
縁体/半導体構造のいわゆるMFIS構造においても、
強誘電体層のリーク低減により同様の効果があることは
言うまでもない。
【0061】
【発明の効果】以上、本願第1の発明の薄膜キャパシタ
は、第1の電極の最表面を非晶質化し、その上に誘電体
薄膜を形成することで、電極の結晶性による影響を受け
ずに微細なグレインの誘電体薄膜を形成することを可能
とするものである。誘電体薄膜のグレインを微細化する
ことで、上下電極間の粒界の経路が長くなり、これによ
りリーク電流を低減することが可能である上、ピンホー
ルによる短絡不良も大幅に低減できるものである。
【0062】また、本願第2の発明の薄膜キャパシタ
は、第1の電極が、Zr、Hf、Nb、Taの群からな
る元素の少なくとも1種類以上とPtを含有する材料か
らなることを特徴とし、容易に非晶質構造の電極を提供
するものである。
【0063】また本願第3の発明の薄膜キャパシタの製
造方法は、Ptを含有する薄膜の直上にZr、Hf、N
b、Taの群からなる元素の少なくとも一種類以上を堆
積して反応層を形成した後、非酸化雰囲気下で300℃
以上に加熱することで、少なくとも電極の最表面近傍を
非晶質とする、第1の発明の薄膜キャパシタの製造方法
を提供するものであり、比較的簡便な製造方法であるに
もかかわらず、表面の平坦性を維持しつつ安定に非晶質
化を実現できる製造方法である。
【0064】また本願第4の発明の薄膜キャパシタの製
造方法は、本願第1発明の薄膜キャパシタを、DRAM
の容量部薄膜キャパシタとして製造することで、例えば
誘電体薄膜であるBST薄膜のグレインサイズを小さく
することが可能である。これにより、BSTのリーク電
流量を小さくすることが可能であり、DRAMのリフレ
ッシュサイクルを長くすることが可能である。このこと
はDRAMの動作速度において有利なだけでなく、デバ
イスとしての消費電力を抑制することが可能であり、産
業上、極めて有用なものである。
【0065】また本願第5の発明の薄膜キャパシタの製
造方法は、本願第1発明の薄膜キャパシタが、MFMI
Sの強誘電体薄膜キャパシタとして製造することで、フ
ローティング電極にも保持した電荷情報のリーク電流に
よる消失速度を遅くすることが可能であり、記憶情報の
保持時間を大幅に改善できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の薄膜キャパシタの
構造を示す断面図
【図2】同実施の形態1の薄膜キャパシタの製造方法説
明図
【図3】同実施の形態1における誘電体薄膜グレインサ
イズの微細化原理説明図
【図4】同実施の形態1における誘電体薄膜グレインサ
イズの微細化原理説明図
【図5】本発明の第2の実施の形態の薄膜キャパシタを
用いたDRAMの断面構造図
【図6】同実施の形態2のDRAM製造方法説明図
【図7】本発明の第3の実施の形態の薄膜キャパシタを
用いたFeRAMの断面構造図
【図8】本発明の第4の実施の形態の薄膜キャパシタを
用いたMFMISの断面構造図
【図9】同実施の形態4のMFMISの動作原理説明図
【図10】従来技術例の薄膜キャパシタの構造を示す断
面図
【符号の説明】
1 薄膜キャパシタ 3 基板 5 第1の電極 7 誘電体薄膜 9 第2の電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/792 Fターム(参考) 5F001 AA17 AD12 5F083 AD21 AD49 FR02 FR07 GA01 GA06 JA13 JA14 JA17 JA38 JA60 MA06 MA17 PR21 PR22 PR33 PR40 5F101 BA62 BD02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極と、前記第1の電極の上に形
    成された誘電体薄膜と、前記誘電体薄膜の上に形成され
    た第2の電極からなる薄膜キャパシタであって、 前記第1の電極の前記誘電体薄膜との界面近傍が非晶質
    もしくは粒径が10nm以下の多結晶であることを特徴
    とする薄膜キャパシタ。
  2. 【請求項2】 前記第1の電極が少なくともPtを含有
    する材料からなることを特徴とする請求項1に記載の薄
    膜キャパシタ。
  3. 【請求項3】 前記誘電体薄膜が、ペロブスカイト構造
    を有する材料からなることを特徴とする請求項1に記載
    の薄膜キャパシタ。
  4. 【請求項4】 前記誘電体薄膜が、Ba,Sr,Ti,P
    b,Zr,La,Bi,Ta,Nb,Y,Mnの群に含まれる
    元素のいずれか2種以上を含むことを特徴とする請求項
    3に記載の薄膜キャパシタ。
  5. 【請求項5】 前記非晶質もしくは粒径が10nm以下
    の多結晶が、Zr、Hf、Nb、Taの群に含まれる元
    素の少なくとも1種類以上とPtを含有することを特徴
    とする請求項1に記載の薄膜キャパシタ。
  6. 【請求項6】 Ptを含有する薄膜の直上にZr、H
    f、Nb、Taの群に含まれる元素の少なくとも一種類
    以上を堆積して反応層を形成した後、非酸化雰囲気下で
    300℃以上に加熱することで、前記第1の電極を形成
    することを特徴とする薄膜キャパシタの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記反応層の厚さが、50nm以下であ
    ることを特徴とする請求項6に記載の薄膜キャパシタの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の薄膜キャパシタを容量
    部薄膜キャパシタとしたダイナミック・ランダム・アク
    セス・メモリ(DRAM)。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の薄膜キャパシタを強誘
    電体薄膜キャパシタとした強誘電体メモリ(FeRA
    M)。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の薄膜キャパシタを強
    誘電体薄膜キャパシタとした強誘電体ゲートメモリ(M
    FMIS)。
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