JP2002108221A - 表示板 - Google Patents

表示板

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JP2002108221A
JP2002108221A JP2000355342A JP2000355342A JP2002108221A JP 2002108221 A JP2002108221 A JP 2002108221A JP 2000355342 A JP2000355342 A JP 2000355342A JP 2000355342 A JP2000355342 A JP 2000355342A JP 2002108221 A JP2002108221 A JP 2002108221A
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JP
Japan
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receiving layer
sublimable dye
display panel
color
color tone
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000355342A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Watanabe
澄 渡辺
Takayuki Kobayashi
敬行 小林
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Kawaguchiko Seimitsu Co Ltd
Kawaguchiko Seimitsu KK
Original Assignee
Kawaguchiko Seimitsu Co Ltd
Kawaguchiko Seimitsu KK
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Filing date
Publication date
Application filed by Kawaguchiko Seimitsu Co Ltd, Kawaguchiko Seimitsu KK filed Critical Kawaguchiko Seimitsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇華性染料を用いたカラー着色であって、簡
単な方法で着色色調に濃淡をもたせてカラーバリエーシ
ョンを豊富にする。 【解決手段】 昇華性染料を浸透させてカラー着色を施
した受容層12を表示基板11上に形成した表示板10
において、受容層12に凹部面12bと凸部面12aを
設けて厚みの厚い部分と厚みの薄い部分を形成する。こ
れによって、厚みの厚い部分は濃いカラー色調が得ら
れ、厚みの薄い部分は淡い(薄い)カラー色調が得られ
て濃淡のあるカラー着色が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は昇華性染料を用いて
カラー着色を施した表示板に関する。
【0002】
【従来の技術】各種のパネルや銘板,ラベル等の表示板
に昇華性染料でカラー着色を施すと非常に明るく鮮やか
な色調が得られる。このため、時計用文字板等の表示板
においても昇華性染料でカラー着色を施すことが試みら
れている。
【0003】従来、昇華性染料でカラー着色を施した表
示板は概ね図11に示す構造をとっている。図11は従
来の表示板の要部断面図を示す。図11において、表示
板60は表示基板61と、該表示基板61の上面に形成
した受容層62とで構成され、受容層62は昇華性染料
を浸透させてカラー着色を施しているものである。
【0004】上記表示基板61は金属板やガラス板,耐
熱性の強いプラスチック板などが使用される。また、こ
の表示基板61に装飾を施すためにメッキ,塗装などの
表面処理を施したり、各種の模様などを設けたりするこ
とも行われている。
【0005】この表示基板61の上面に形成する受容層
62は、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂、エポキシ系
樹脂などをバインダとして硬化剤、紫外線吸収剤などを
混ぜ合わせて塗料化し、印刷方法や塗装方法などで形成
したものである。
【0006】上記表示基板61の上面に受容層62を形
成した後、加熱処理を施して受容層62を硬化させる。
例えば、受容層62にポリウレタン樹脂を使用した場合
などは100℃位に加温した加熱装置の中に入れて約1
5〜20分程度加熱する。
【0007】このように受容層62に硬化処理を施した
後に昇華性染料を受容層62に浸透させてカラー着色す
る。昇華性染料を浸透させる方法として2つの方法が選
択できる。
【0008】その1つの方法としては、昇華性染料イン
クを使ってインクジェットプリンタなどで印刷形成した
カラーの転写紙を受容層62の上に載置し、加熱・加圧
の下で受容層の中に転写する方法である。例えば、受容
層にポリウレタン樹脂を使用した場合は、加熱温度略1
80℃、加圧力略10〜20g/cm2の基で約1〜2
分程度加圧すると転写紙の昇華性染料が気化して受容層
62の中に浸透し、受容層62がカラー着色される。
尚、このように転写紙を使って加熱・加圧の下で転写す
る場合は、受容層62の上面を研磨して平滑面に仕上げ
ておくと加圧力が均一となり色ムラのない綺麗なカラー
着色を施すことができる。
【0009】他のもう1つの方法としては、加温した昇
華性染料溶液に受容層62を形成した表示基板61を浸
漬して受容層62に昇華性染料を浸透させる方法であ
る。昇華性染料溶液は染料と親和性のある可塑性で昇華
性染料を配合した溶液で、例えば、ポリエステル樹脂に
昇華性染料を配合した溶液などが選択できる。この昇華
性染料溶液を略100〜120℃位に加温して、受容層
62を形成した表示基板61を溶液中に略1〜2分間程
度浸漬することによって受容層62に昇華性染料が浸透
してカラー着色される。浸漬中は表示基板61を時々揺
することが必要で、揺することによって色調ムラのない
着色が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして施し
たカラー着色は明るくて鮮やかなカラー色調が得られる
ものの、色調に濃淡が乏しく色の変化から見ると単調な
色調になるものとなっていた。転写紙から加熱・加圧の
基で転写してカラー着色する方法では転写紙のカラー色
調に濃淡を付けて形成すれば、濃淡の有るカラー着色を
施すこともできるが、転写紙に濃淡のあるカラー印刷を
施すのにその調色設定に大変手間を要する。また、昇華
性染料溶液に浸漬してカラー着色する方法は濃淡のある
カラー着色を施すことができなかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題に鑑み
て成されたもので、その目的とするところは非常に簡単
な方法で濃淡のあるカラー着色を施し、カラーバリエー
ションを豊富にすることにある。
【0012】この目的を達成するために、本発明の請求
項1に係る発明は、昇華性染料を浸透させてカラー着色
を施した受容層を表示基板上に形成した表示板におい
て、前記受容層は厚みの薄い部分と厚みの厚い部分を有
することを特徴とする。
【0013】受容層の厚みに薄い部分と厚い部分を設け
ることによって、薄い部分は淡いカラー着色(薄いカラ
ー着色)が得られ、厚い部分は濃いカラー着色が得られ
て、これによって濃淡のあるカラー着色が施される。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載の表示板
において、受容層の上面に凹凸を設けて厚みの薄い部分
と厚みの厚い部分を形成したことを特徴とする。
【0015】凹凸として格子形状の凹凸形状、波形状の
凹凸形状など多数の凹凸形状を設けることができる。格
子形状の凹凸形状では凸になった部分は受容層の厚みが
厚くなるので濃いカラー色調が得られ、凹になった部分
は受容層が薄くなるので淡いカラー色調得られる。これ
によって、濃いカラー色調と淡いカラー色調が格子状に
なって現れ、しかもそこに立体感を伴って現れてくる。
また、波形状の凹凸形状では、波の頂点部分は一番受容
層が厚いので一番濃いカラー色調が得られ、谷の部分は
一番受容層が薄いので一番淡いカラー色調が得られる。
しかも、頂点から谷にいくに従って徐々に色調の変わっ
たカラー調色が現れる。そしてそれが連続的に現れる。
【0016】請求項3の発明は、請求項1記載の表示板
において、受容層の上面にテーパ状の傾斜を設けて厚み
の薄い部分と厚みの厚い部分を形成したことを特徴とす
る。
【0017】テーパ状の傾斜を設けることによって、テ
ーパの一番高い部分から一番低い部分に向かって少しず
つ色調の濃さが淡くなっていくカラー色調が現れる。
【0018】請求項4の発明は、請求項2又は3記載の
表示板において、前記凹凸またはテーパ状の傾斜は、前
記昇華性染料を受容層に浸透させた後に設けたことを特
徴とする。
【0019】これによって、受容層が平坦面の状態のと
きに転写紙から昇華性染料を受容層に転写して均一に浸
透させることができるので、凹凸或いはテーパ形状を形
成した後でも昇華性染料の均一な分散密度が得られ、濃
淡が綺麗にでたカラー着色を施すことができ、また、昇
華性染料溶液に浸漬する方法でも同様な効果を得ること
ができ、着色方法の選択の幅が広がる。
【0020】請求項5の発明は、請求項2又は3記載の
表示板において、受容層に設ける凹凸またはテーパ状の
傾斜は、昇華性染料を受容層に浸透させる前に設けたこ
とを特徴とする。
【0021】これによって、昇華性染料溶液に浸漬する
方法で濃淡が綺麗にでたカラー着色を施すことができ、
工程設計に幅を広げることができる。
【0022】請求項6の発明は、請求項1記載の表示板
において、受容層は、表示基板上に形成した凹凸または
テーパ状の傾斜面によって、厚みの薄い部分と厚みの厚
い部分を形成したことを特徴とする。
【0023】このように、予め表示基板自体の表面に凹
凸やテーパ状の傾斜面を形成することで、受容層に凹凸
やテーパ面を形成することなく昇華性染料の濃淡部が形
成され、立体感を伴った色調の濃淡が得られる。表示基
板に施す加工は金型等で様々な形状に形成でき、また、
量産化が可能であることから、受容層に加圧具等を使用
して形成する場合に比べ大量生産する場合に適してい
る。
【0024】請求項7の発明は、請求項1記載の表示板
において、受容層は、その上面及び下面の両面に形成し
た凹凸またはテーパ状の傾斜面によって、厚みの薄い部
分と厚みの厚い部分を形成したことを特徴とする。
【0025】この発明によれば、受容層の上下両面に凹
凸やテーパ状の傾斜面を設けることで昇華性染料の濃淡
が一段と引き出すことができる。また、上下面に異なっ
た形状の凹凸や傾斜面を形成することで、変化に富んだ
濃淡形状を得ることができる。
【0026】請求項8の発明は、請求項1乃至7のいず
れかに記載の表示板において、受容層の上面側に透明で
平滑面を有する保護膜層を形成したことを特徴とする。
【0027】これによって、カラー着色した受容層をキ
ズなどから保護すると共に、昇華性染料が受容層から放
出することを防止し、更に、濃淡と立体感の現れたカラ
ー色調に沈みがあって奥深さや高級感を感じさせる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下添付図面に基づいて、本発明
の実施の形態を説明する。図1〜3は本発明の第1の実
施形態に係る表示板を示したものである。図1は表示板
の要部断面図、図2はその要部上面図、図3は図1にお
ける受容層の形成方法を説明する説明図である。
【0029】図1より、この表示板10は、表示基板1
1と、その上面に形成されて凸部面12aと凹部面12
bを有して昇華性染料でカラー着色を施された受容層1
2と、この受容層12の上面に形成されて平滑な上面1
3aを有する透明な保護膜層13と、この透明な保護膜
層13の上面に印刷形成された文字,マークなどからな
る指標14とから構成されている。
【0030】表示基板11はアルミ材や真鍮材等の金属
板からなり、その表面にメッキが施されて上面には白色
塗装が施されているものである。表示基板11の反射率
を高めるとカラー着色が非常に明るく鮮やかな色調を呈
する。従って、白色系の表面処理を施すのが好ましいも
のではある。また、この表示基板11に模様などを施し
ても良く、例えば、梨地模様,筋目模様などがあると表
示板としての装飾性も高めることができる。
【0031】受容層12は、本実施の形態では透明なポ
リウレタン樹脂をバインダとして硬化剤、紫外線吸収剤
を配合して塗料化し、表示基板11の上に印刷形成した
ものである。バインダは本実施の形態ではポリウレタン
樹脂を使用したが特に限定するものではなく、アクリル
系,エポキシ系など他の樹脂を選択することもできる。
紫外線吸収剤は昇華性染料が紫外線によって変色し易い
ことから配合するものである。紫外線吸収剤としては、
紫外線の長波長領域まで吸収すると云われているベンゾ
トリアゾール系が好ましく、その中でも特に、2-(3,5-シ
゛-t-フ゛チル-2-ヒト゛ロキシフェニル)ベンゾトリアゾール や 2-(3-t
-フ゛チル-5-メチル-2-ヒト゛ロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾー
ルがサンシャインウエザーメータ試験で著しい効果が得
られているのでこれらを選択するのが好ましい。
【0032】また、受容層12は、その上面が凸部面1
2aと凹部面12bを形成しており段差を持っている。
そして、凹部面12bの受容層の厚みは略20〜30μ
m、凸部面12aの所の厚みは略30〜50μmを有し
ており、略10〜20μmの段差が形成されている。
【0033】上記受容層12には昇華性染料が気化状態
になって浸透していてカラー着色が施されている。昇華
性染料を浸透させる方法は図3に示す方法によって行わ
れる。図3(a)は表示基板11上に受容層12を形成し
た図で、表示基板11上に印刷方法で受容層12を形成
し、その後加熱による受容層12の硬化処理を施して、
上面12pを研磨によって平滑面に仕上げているもので
ある。図3(b)は受容層に昇華性染料を転写する状態を
示した図で、載物台Lの上に図3(a)で示した受容層1
2を形成した表示基板11を載せ、受容層上面12pの
上に昇華性染料インクでカラー印刷した転写紙Mを載置
し、加熱した状態で加圧装置の加圧具Nで転写紙Mを加
圧する。
【0034】転写紙Mは、所望のカラーの昇華性染料イ
ンクを使ってインクジェットプリンタで白紙の上にカラ
ー印刷したものである。
【0035】この転写紙Mを受容層12の上面12pの
上に載せて加熱・加圧の下で転写紙の昇華性染料を受容
層12に転写する。本実施の形態でのポリウレタン樹脂
の場合には、略180℃の温度に加熱した状態で略10
〜20g/cm2の加圧力で略1〜2分間加圧する。こ
こでの加熱温度はバインダの軟化点温度前後に設定する
のが好ましく、加圧力及び加圧時間は昇華性染料を浸透
させる深さによって適宜設定するのが好ましい。このよ
うに、加熱状態で転写紙を加圧するとカラー印刷された
昇華性染料が気化して受容層12にしみ込んでいき、受
容層12がカラー着色される。このとき、昇華性染料の
耐光性を高める面からして表面から少なくとも10μm
深さ以上にまで浸透させるのが好ましく、昇華性染料を
十分に、受容層の奥深くまで浸透させることによって着
色ムラのない綺麗な着色が得られる。
【0036】以上の方法で昇華性染料の転写を行うが、
ここで、転写紙に形成した昇華性染料のカラー印刷はイ
ンクジェットプリンタで形成しているため殆ど目に見え
ないドット状の印刷になっている。従って、加圧状態で
転写すると昇華性染料が主に真下の方向に浸透していく
ので、隣接するドットの昇華性染料が受容層の中で十分
に混合されないでドット状痕となって現れてくることが
起きる。このドット状痕は肉眼では見えないものの拡大
して見ると斑点状になって見える。このドット状痕を消
すために再度加熱を施す。本実施の形態においては25
0℃×10分の加熱処理を施している。このようにする
と受容層の中で気化した昇華性染料の対流が起こり、隣
接するドット染料の十分な混ざり合いが起きてドット状
痕は消えると共に綺麗な外観カラーが得られる。
【0037】図3(c)は、昇華性染料でカラー着色され
た受容層12の上面に凹凸面を形成する場合の図であ
る。載物台Lの上にカラー着色した受容層12を有する
表示基板11を載せ、受容層12の上方から格子状に凹
凸を形成した加圧具Sで加熱の下で加圧する。ここでの
加熱温度はバインダの軟化点前後の温度に加熱して、ゆ
っくりと加圧を行うのが良い。このような方法を取るこ
とによって図3(d)に示す凸部面12aと凹部面12b
が形成された受容層12を得る。この受容層12は最後
に比較的低い加熱を施して硬化処理を施す。本実施例の
形態においては100℃の温度で30分間の加熱処理を
施して硬化処理を行っている。このように硬化処理を施
すと昇華性染料が外部に放出していくことを防止する。
【0038】透明な保護膜層13は、本実施の形態にお
いては、ポリウレタン樹脂をバインダとして硬化剤、紫
外線吸収剤を配合して塗料化し、受容層12の上に印刷
方法で形成したものである。バインダは特に限定するも
のではないが、受容層12との密着性を考えれば受容層
12と同じバインダを選択するのが好ましい。また、紫
外線吸収剤は受容層12に配合したものと同じものでも
良く、前述したように、特に 2-(3,5-シ゛-t-フ゛チル-2-ヒト゛ロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾールや 2-(3-t-フ゛チル-5-メチル-2-ヒト
゛ロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールが耐光性に効果
が良いものとして選択できる。
【0039】この透明な保護膜層13は常温状態で2日
間位放置して十分硬化させる。加熱による強制硬化を施
すと昇華性染料が対流を起こして保護膜層13の中に浸
透してくることが起きる。昇華性染料が保護膜層13に
しみ込んでくると色調ムラや鮮明さに影響を及ぼし綺麗
なカラーが得られない。また、保護膜層13の上面13
aは研磨によって光沢のある平滑面に仕上げられる。
【0040】最後に、任意の指標14を印刷で形成して
表示板10を得る。
【0041】上記構成する表示板にあって、転写紙Mに
形成したカラー印刷された昇華性染料を受容層12に加
熱・加圧の下で転写するとき、受容層12の上面12p
を平滑面に仕上げた後で行っている。このため、受容層
への加圧力は受容層のどの部分にも均一に作用するの
で、昇華性染料が均一に受容層12に浸透して着色ムラ
のない均一なカラー色調が得られる。更にまた、昇華性
染料のドット状痕を消すのにかなり高温の加熱処理を施
すため、受容層12の中で昇華性染料の対流が起こり、
良くこの染料が混ざり合って更に均一なカラー色調が得
られる。
【0042】受容層12に浸透した昇華性染料は気化し
た状態で浸透している。しかも、10〜20g/cm2
の加圧力の下で1〜2分間加圧すると、気化した昇華性
染料が表示基板11に届くほどかなり深い位置にまで浸
透する。そして、受容層12の上面が平坦な状態にあっ
ては、どの位置をとっても浸透している気化した昇華性
染料の量は同じであるから同じ濃さの色調になる。
【0043】受容層12の上面に段差を持った状態で凸
部面12aと凹部面12bを形成すると、凸部面12a
の所は受容層が厚くなり、凹部面12bの所は受容層が
薄くなる。この凸部及び凹部は、前述したように凹凸の
ある加圧具でゆっくり加圧しながら形成するので、凹部
の所の昇華性染料が浸透した受容層が凸部の方に流動し
て凸部及び凹部が形成される。従って、凸部面12aの
所は凹部面12bの所より厚い分だけ気化した昇華性染
料の量が多く存在する。このため、受容層の厚い凸部面
12aの所はカラー色調が濃くなり、受容層の薄い凹部
面12bの所はカラー色調が淡く(薄く)なる。同じカラ
ーの色合いであっても厚さによって、即ち、昇華性染料
の浸透している量によってカラーの濃淡が現れてくる。
【0044】図1及び図2より、凹凸を格子状に形成し
たところの凸部面12aの所は濃い色調のカラーが現
れ、一方、凹部面12bの所は淡い(薄い)色調のカラー
が現れてくる。このように、同じ色合いのカラーであっ
ても受容層の厚い部分と薄い部分を形成することによっ
て、濃淡が入り交じったカラー色調が現れて装飾性を豊
かにする。
【0045】更に、昇華性染料の浸透した受容層12の
硬化処理を施し、昇華性染料が外部に逃げ出すのを防止
する。そして更に、透明な保護膜層13を設けることに
よって損傷に対する保護のみならず、この透明で光沢の
ある保護膜層13を介してカラー着色された受容層12
を見ると、カラー着色の境界線輪郭が非常にはっきりと
見えて明るく鮮やかな色調を呈する。また、濃淡の伴っ
たカラー色調の凹凸が尚更その立体感を出現させると共
に、カラー色調が沈みをもって奥深く見えてきて高級感
を感じさせる。
【0046】また、受容層12と透明な保護膜13に対
し、特に効果の高い紫外線吸収剤を分散してあることに
より耐光性が非常に良く、着色したカラー色調がいつま
でも維持できて寿命を長持ちさせる。
【0047】次に、図4及び図5に第2の実施の形態に
おける表示板を示す。図4は第2の実施の形態に係る表
示板の要部断面図、図5は図4における受容層の形成方
法を示す説明図である。
【0048】図4より、この表示板20は、表示基板2
1と、表示基板21の上面に形成された昇華性染料でカ
ラー着色された受容層22と、受容層22の上面に形成
された透明で平滑面を有する保護膜層23と、保護膜層
23の上に印刷された文字,数字,マーク,模様などの
指標24とから構成される。この表示板20の構造で前
述の図1で説明した第1の実施の形態に係る表示板10
の構造と異なるところは受容層22の形状である。本実
施の形態での受容層22は山形の形状をしており、山の
頂点22aと谷の底点22bを有している。そして、山
の頂点22aと谷の底点22bとに一定の段差を持って
いるものである。
【0049】上記昇華性染料によってカラー着色された
受容層22の形成方法を図5に基づいて説明する。図5
(a)は、表示基板21の上面に透明な受容層22を塗装
方法や印刷方法で形成した図を示している。表示基板2
1は金属板にメッキや塗装などの表面処理が施されたも
のである。透明な受容層22は、前述した第1の実施形
態と同様、透明なポリウレタン樹脂をバインダとして硬
化剤、紫外線吸収剤を配合して塗料化し、印刷方法で表
示基板21上に形成したものである。
【0050】図5(b)は、受容層22の上面に山形の形
状を形成する図である。載物台L上に受容層22を形成
した表示基板21を載せ、上方から山形の形状をした加
圧具Sで加熱を施しながらゆっくりと受容層22を加圧
する。これによって加圧具Sの山形の形状が受容層22
の上面側に転写され、図5(c)に示す山形の形状をした
受容層22が得られる。ここでの加圧方法は、前述した
第1の実施形態での受容層12に凹凸面を形成する加圧
方法と同じであるのでその詳細説明は省略する。
【0051】次に、上述した方法によって山形の形状を
形成した受容層22を表示基板21と共に、所望のカラ
ー昇華性染料溶液の中に浸漬する(浸漬図は省略す
る)。浸漬方法は、表示基板21を保持する引っかけ具
を用い、表示基板21を引っかけて保持した引っかけ具
を加温状態の昇華性染料溶液の浴槽に浸漬する。浸漬中
は時々溶液を攪拌する。
【0052】上記昇華性染料溶液は、染料と親和性のあ
る可塑性で昇華性染料を配合した溶液で、例えば、ポリ
エステル樹脂に昇華性染料を配合した溶液などが選択で
きる。この昇華性染料溶液を略100〜120℃に加温
して、略1〜2分間浸漬すると、昇華性染料が受容層2
2に浸透してカラー着色される。
【0053】浸漬方法を用いると、受容層がどんな形状
であっても浸透した昇華性染料の量は単位体積当たりほ
ぼ同じ量になる。従って、厚みの厚い所は昇華性染料が
多く存在し、厚みの薄い所は少ない。そして、昇華性染
料が多く存在する所(部位)は濃いカラー色調となり、
少ない所(部位)は淡い(薄い)カラー色調を示す。
【0054】本実施形態においては、受容層22の山の
頂点22aが一番厚くなるので濃いカラー色調を示し、
谷の底点22bに向かって徐々に厚みが薄くなっていく
のでカラー色調が徐々に淡くなっていき、谷の底点22
bが一番厚みが薄いので一番淡いカラー色調となる。そ
してまた、谷の底点22bから山の頂点22aに向かっ
て徐々に厚みを増していくので淡い色調から徐々に濃い
色調に変わっていき、山の頂点22aで一番濃い色調と
なる。そして、この色調の変化が連続的に繰り返され
る。このように、同じ色合いのカラー色調であっても厚
みの変化に伴って濃淡さが連続的に微妙に変化するカラ
ー色調が得られる。この山の形状をストライプ状に形成
したり、リング状に形成したり、或いは十字状に形成す
ることによってカラー模様も変わり、色々な装飾バリエ
ーションを楽しむことができる。また、本実施の形態に
おいては山形の形状に形成したが、波形の形状であって
も殆ど同じ作用をもたらす。
【0055】ここで、山の頂点22aと谷の底点22b
との段差は一定の段差が必要である。数μの段差である
と色調の濃淡が顕著に現れてこない。受容層の厚みによ
っても異なるが、受容層の厚みの少なくとも1/3以上
の段差があればかなり濃淡のはっきりした色調が現れ
る。例えば、受容層の厚みを30〜40μmとすれば1
0〜20μmの段差があれば濃淡がはっきりと現れる。
【0056】上記浸漬方法によって受容層22をカラー
着色したものは、受容層22の表層部にしみ込んでいる
昇華性染料が比較的早く抜け出し易い。そこで、洗浄を
した後に再度図5(d)に示すように加熱の下で加圧す
る。図5(d)は加圧具Sを使って、位置を合わせて、山
形の形状をした受容層22の上面を押圧する状態を示し
たものである。例えば、ポリウレタン樹脂バインダを使
用した場合には受容層22を略180℃の温度に加熱
し、略10〜20g/cm2 の加圧力で略1〜2分間加
圧する。このように、加熱・加圧処理を行うと表層部の
昇華性染料が更に奥の方に浸透していき、長い期間に渡
って昇華性染料が抜け出さない。
【0057】更に、加熱・加圧処理をした後受容層の硬
化処理を行う。この受容層の硬化処理は、本実施形態で
は前述の第1の実施形態と同じで、100℃の温度で3
0分間の加熱処理を施して硬化処理を行っている。
【0058】透明な保護膜層23は上記硬化処理を施し
た後に形成する。この保護膜層23は、前述した第1の
実施形態で説明した保護膜層と同じであるので、その詳
細な説明は省略する。
【0059】透明な保護膜層23を形成した後、常温状
態の中で2日間程度放置して十分硬化させ、その後上面
を研磨して光沢のある平滑面に仕上げる。そして最後
に、指標24を印刷などで形成して表示板20を得る。
【0060】本実施形態のように、受容層22の上面を
山形の形状にすることによって、着色したカラー色調の
濃淡が、濃から淡に、淡から濃にと順次微妙な変化をも
って変わり、しかもそれが連続的に繰り返されるカラー
色調が得られる。
【0061】更に、受容層22及び透明な保護膜層23
に紫外線吸収剤を分散させているので耐光性に優れ、長
期間変色の起こらないカラー色調が維持できる。また、
昇華性染料を受容層22の奥深くまで浸透させ、受容層
22及び透明な保護膜層23の硬化処理を十分施してい
るので昇華性染料が抜け出ることが殆どない。また、光
沢のある透明な保護膜層23によってカラー色調が明る
く鮮やかにくっきりと見えると共に、深く沈んだ感じに
見えて高級感を感じさせる。
【0062】次に、図6に示すものは第3の実施形態に
係る表示板の断面図である。本実施形態での表示板30
の構成は、前述した第1の実施形態の表示板10及び第
2の実施形態の表示板20と全く同じ構成部材からな
る。本実施形態において前述のものと相違するところ
は、受容層32の上面がテーパ状の傾斜面を形成してい
るところである。受容層32の中央部が一番厚く、その
部位に頂点32aを有し、外周に行くにしたがって厚み
が薄くなってなだらかな傾斜面32cとなっている。そ
して、外縁部32bの厚みが最も薄くなっている。
【0063】受容層32の上面にテーパ状の傾斜面を形
成する方法や昇華性染料での着色方法は前述した第1の
実施形態、あるいは第2の実施形態と同じ方法が採用で
きるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、表示
板30を構成する表示基板31、透明な保護膜層33及
び指標34も前述した第1の実施形態、あるいは第2の
実施形態と同じであるので、同様に詳細な説明は省略す
る。
【0064】図6に示したように、中央部が一番厚く、
外周に行くにしたがって薄くなるテーパ状の傾斜面形状
を有した受容層32にあっては、中央部の頂点32aの
部位が一番濃いカラー色調を示し、外縁部32bの一番
薄い部位が一番淡い(薄い)カラー色調を示す。そし
て、頂点32aから外周に行くにしたがって濃さがだん
だん薄れていき、外縁部32bで一番淡くなる。このよ
うに、外周に行くにしたがってカラー色調が淡くなるの
も、カラーバリエーションの一つとして興味を引きつけ
るものである。
【0065】また、本実施形態では中央部が一番厚いテ
ーパ形状を説明したが、逆に、外縁部が一番厚く、中央
部が一番薄いテーパ形状のものは外周に行くに従ってカ
ラー色調が濃く現れてくる。
【0066】図7及び図8に第4の実施形態における表
示板を示す。図7は第4の実施形態に係る表示板40の
要部断面図、図8は図7における表示板40の形成方法
を示す説明図である。表示板40は、受容層42の下面
に現れる凹凸模様を表示基板41上に設けた凹凸面によ
って実現したものである。この凹凸面は表示基板41形
成時に予め作りこんでおく。受容層42は、前記形成さ
れた表示基板41の凹凸面に形成される。この受容層4
2を着色する際には、上記実施形態で説明したように、
一般的に転写方法あるいは浸漬方法のうちのいずれかの
方法が用いられる。転写方法を用いた場合は、転写紙等
で転写した後、浸透させた染料を受容層内部で十分拡散
させて単位体積あたりの染料の分布密度を均一にする必
要がある。一方の浸漬方法による場合では、昇華性染料
溶液の中に浸漬させて行うため、受容層の形状に関わら
ずに着色が容易で染料の浸透も均一になる。このような
方法で着色された受容層42の上面に保護膜層43及び
各種指標44が形成される。表示基板41は上記第1〜
第3の実施形態の受容層と同様に、その上面が凸部面4
1aと凹部面41bを形成しており、一定の段差を持っ
ている。前記凹部面41bと凸部面41aの段差は、受
容層42の中で最も厚い部分の厚みの少なくとも1/3
以上に設定するのが好ましい。なお、各部の材質及び構
成部材は上記第1及び第2の実施形態と同様であるので
詳細は省略する。
【0067】次に、図8に基づいて前記表示板40の形
成方法を説明する。図8(a)は表示基板41を形成する
工程において、その表面に予め凸部面41a及び凹部面
41bからなる複数の凹凸模様を施したものである。こ
のような凹凸模様は金型成形機等を用いて形成される。
受容層42は図8(b)に示すように、前記形成された
表示基板41の凹部面41bを埋め込むようにしながら
凸部面41aの上に一定の厚みになるように印刷して形
成する。図8(c)は前記形成された受容層42に昇華性
染料を転写方法によって着色する場合の工程を示した図
で、載物台Lの上に図8(b)で示した受容層42を形成
した表示基板41を載せ、受容層42の上に昇華性染料
インクでカラー印刷した転写紙Mを載置し、加熱した状
態で加圧装置の加圧具Nで転写紙Mを加圧する。転写方
法の詳細については、図3の第1の実施形態で説明した
のと同様であるので省略する。なお、本実施例の受容層
42においては、凹凸があるために前記転写した後の染
料が均一に浸透しない場合があるため、前記転写した後
に染料を対流させ十分に拡散して単位体積あたりの染料
分布密度を均一にする必要がある。この転写が終了した
後、受容層42の上面に透明な保護膜層43並びに各種
指標44を載置して表示板40が完成する。
【0068】上記第4の実施形態では凹凸面を形成した
表示基板40の構成とその形成工程について述べたが、
前記凹凸面の他にいくつかの山谷を有したテーパ状の傾
斜面を形成することによって受容層の濃淡を表現するこ
ともできる。この場合は傾斜を持たせた金型等を用いて
表示基板に加工を施す。
【0069】次に、受容層の上下両面に凹凸やテーパ状
の傾斜面を設けた表示板を図9及び図10に基づいて説
明する。図9は第5の実施形態に係る表示板の要部断面
図、図10は図9における表示板50の形成方法を示す
説明図である。
【0070】図9より、この表示板50は、表示基板5
1と、表示基板51の上面に形成された昇華性染料でカ
ラー着色された受容層52と、受容層52の上面に形成
された透明で平滑面を有する保護膜層53と、保護膜層
53の上に印刷された文字,数字,マーク,模様などの
指標54とから構成される。図9に示すように、本実施
形態の受容層52は、その下面側が表示基板51に設け
た凸部面51a及び凹部面51bの形状に沿った凹凸面
を成し、上面側は山形の傾斜面52cを形成している。
このように、受容層52の上下両面に異なった模様を形
成し、厚みに関しても厚い部分と薄い部分が形成できる
ので、変化に富んだ色の濃淡が現れる。
【0071】このような表示板50は図10に示すよう
な方法で形成される。図10(a)は表示基板51を形成
する工程において、その表面に予め凸部面51a及び凹
部面51bからなる凹凸模様を施したものである。この
ような凹凸模様は金型成形機等を用いて形成される。受
容層52は図10(b)に示すように、前記形成された
表示基板51の凹部面51bを埋め込むようにしなが
ら、表面が平坦で一定の厚みになるように印刷して形成
する。図10(c)は前記形成された受容層52の上面に
山形の傾斜面を形成する状態を示した図で、載物台Lの
上に図10(b)で示した受容層52を形成した表示基板
51を載せ、上方から山形の形状をした加圧具Sで加熱
を施しながらゆっくりと受容層52の上面を加圧する。
これによって加圧具Sの山形の形状が受容層52の上面
側に転写され、図10(d)に示す頂点52aから外縁部
52bにかけてなだらかに傾いた傾斜面52cを有した
山形形状の受容層52が得られる。ここでの加圧方法
は、前述した第1の実施形態での受容層12に凹凸面を
形成する加圧方法と同じであるので詳細説明は省略す
る。次に、上述した方法によって山形に形成した受容層
52を表示基板51と共に、所望のカラー昇華性染料溶
液の中に浸漬する(図示せず)。その後洗浄して再度図
10(e)のように加圧具Sを用いて受容層52の上面
を加熱・加圧して昇華性染料の浸透を促進させる。前記
示した浸漬及び加圧に関しては図5で示した第2の実施
形態と同様であるので詳細は省略する。最後に図10
(f)に示すように受容層52の上面に透明な保護膜層
53並びに各種指標54を載置して表示板50が完成す
る。
【0072】上記図7及び図8に示す第4の実施形態や
図9及び図10に示す第5の実施形態では、受容層4
2,52の下面側に凹凸を設ける手段として表示基板4
1,51の表面を凹凸状に直接加工した。このような凹
凸を設ける他の手段として表示基板41,51の表面は
平坦で、この上に反射率を高めるための白色塗装した凹
凸状の部材を配するといった構成をとることも可能であ
る。
【0073】以上、受容層の凹凸形状として、第1の実
施形態では凸面部と凹面部を持つ形状、第2の実施形態
では山形の形状を説明した。また、第3の実施形態では
テーパ形状を持つものについて説明した。一方、第4の
実施形態では、表示基板自体に凹凸やテーパ状の傾斜を
設け、また、第5の実施形態では表示基板及び受容層の
両面に凹凸やテーパ状の傾斜を設けることで受容層の濃
淡を出させた。しかしながら、本発明は上記の形状にこ
だわらない。受容層に厚みの厚い所と薄い所があって、
そこに段差(厚みの寸法差)が発生している形状であれ
ば、いかなる形状でも適用できるものである。
【0074】上記第1〜第5の実施形態において示した
ような昇華性染料でカラー着色して利用できる表示板と
しては、各種のパネルや銘板、ラベル、シールなどが対
象となる。また、時計用の表示板や各種計器類の表示板
なども対象とすることができるものである。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る表示
板では、昇華性染料でカラー着色を施す受容層あるいは
表示基板に凹凸の段差を設けて厚みの厚い所と薄いとこ
ろを形成することによって、同じカラーの色合いでも濃
いカラー色調と淡い(薄い)カラーの色調を出現させる
ことができる。また、濃いカラーの色調から徐々に淡い
カラーの色調に変化するカラー色調を出現させることが
できる。
【0076】また、受容層あるいは表示基板にテーパ状
の傾斜面を設けることによって、濃いカラーの色調から
徐々に淡いカラーの色調に変化するカラー色調を出現さ
せることができる。以上のことから、凹凸形状やテーパ
の傾斜面形状などを自由に変えて任意の濃淡模様の出た
カラー着色を施すことができるので、カラー着色のバリ
エーションを豊富に設計することができる。
【0077】更に、受容層の凹凸は、凹凸形状を有する
加圧具で加熱の下で加圧することによって形成されるの
で、加工方法としては非常に簡単にでき、コスト的にも
安く製造できる。
【0078】また、受容層の凹凸形状,テーパ形状は昇
華性染料を浸透させた後に形成しているので、形成後も
受容層に浸透した昇華性染料の分散密度は、どの部位を
取ってもほぼ同じ位の量になっている。このため、カラ
ー色調の濃淡は受容層の厚みにのみ影響を受けるので、
所望の濃淡を得るのに管理し易い。また、昇華性染料溶
液への浸漬方法、転写紙からの転写方法、いずれの着色
方法も選択できるので選択の幅が広がる。
【0079】また、受容層に設ける凹凸の段差やテーパ
状の傾斜は、その下に形成される表示基板に形成するこ
とによっても実現することができる。このため、予め表
示基板に凹凸やテーパ状の傾斜面を形成しておいて、そ
の上から受容層を被覆することで、受容層に加工を加え
ることなく昇華性染料の濃淡表現が可能となる。このよ
うな凹凸やテーパ状の傾斜等の加工は表示基板に施す方
が比較的容易であり、金型等を用いれば均一なものを大
量生産することができる。したがって、同一品質のもの
を量産する場合に適している。一方、受容層にこのよう
な加工を施す場合は、加圧具に加える力を適宜に調整す
ることで、微妙な濃淡が可能となる。
【0080】また、昇華性染料溶液への浸漬による着色
方法を使えば、受容層の凹凸形状,テーパ形状は昇華性
染料を浸透させる前に形成しても、濃淡のある所望のカ
ラー着色を得ることができる。これによって、工程設計
の幅を広げることができる。
【0081】また、透明な保護膜層を設けたことによっ
て、受容層を損傷から保護するばかりでなく、受容層か
らの昇華性染料の放出を防止して長期間に渡って綺麗な
カラー色調を保持する。更にまた、濃淡のあるカラー色
調に立体感を感じさせると共に、カラー色調に沈みのあ
る奥深さや高級感を感じさせる。
【0082】また、本発明においては、受容層や透明な
保護膜層に卓越した紫外線吸収剤を分散させているので
昇華性染料の耐光性も良く、長期間に渡って初期品質が
維持されることは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示板の要部断
面図である。
【図2】図1における表示板の要部上面図である。
【図3】図1における受容層の形成工程を示す説明図で
ある。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る表示板の要部断
面図である。
【図5】図4における受容層の形成工程を示す説明図で
ある。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る表示板の断面図
である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る表示板の断面図
である。
【図8】図7における表示板の形成工程を示す説明図で
ある。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る表示板の断面図
である。
【図10】図9における表示板の形成工程を示す説明図
である。
【図11】従来の表示板の要部断面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50 表示板 11,21,31,41,51 表示基板 12,22,32,42,52 受容層 12a,41a,51a 凸部面 12b,41b,51b 凹部面 13,23,33,43,53 保護膜層 22a 山の頂点 22b 谷の底点 32a,52a 頂点 32b,52b 外縁部 32c,52c 傾斜面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇華性染料を浸透させてカラー着色を施
    した受容層を表示基板上に形成した表示板において、 前記受容層は厚みの薄い部分と厚みの厚い部分を有する
    ことを特徴とする表示板。
  2. 【請求項2】 前記受容層は、その上面に凹凸を設けて
    厚みの薄い部分と厚みの厚い部分を形成したことを特徴
    とする請求項1記載の表示板。
  3. 【請求項3】 前記受容層は、その上面にテーパ状の傾
    斜を設けて厚みの薄い部分と厚みの厚い部分を形成した
    ことを特徴とする請求項1記載の表示板。
  4. 【請求項4】 前記凹凸またはテーパ状の傾斜は、前記
    昇華性染料を受容層に浸透させた後に設けたことを特徴
    とする請求項2又は3記載の表示板。
  5. 【請求項5】 前記凹凸またはテーパ状の傾斜は、前記
    昇華性染料を受容層に浸透させる前に設けたことを特徴
    とする請求項2又は3記載の表示板。
  6. 【請求項6】 前記受容層は、表示基板上に形成した凹
    凸またはテーパ状の傾斜面によって、厚みの薄い部分と
    厚みの厚い部分を形成したことを特徴とする請求項1記
    載の表示板。
  7. 【請求項7】 前記受容層は、その上面及び下面の両面
    に形成した凹凸またはテーパ状の傾斜面によって、厚み
    の薄い部分と厚みの厚い部分を形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の表示板。
  8. 【請求項8】 前記受容層の上面側に透明で平滑面を有
    する保護膜層を形成したことを特徴とする請求項1乃至
    7のいずれかに記載の表示板。
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