JP2002103575A - インクジェット記録方法、記録装置およびデータ処理方法 - Google Patents

インクジェット記録方法、記録装置およびデータ処理方法

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JP2002103575A JP2000300186A JP2000300186A JP2002103575A JP 2002103575 A JP2002103575 A JP 2002103575A JP 2000300186 A JP2000300186 A JP 2000300186A JP 2000300186 A JP2000300186 A JP 2000300186A JP 2002103575 A JP2002103575 A JP 2002103575A
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聡行 筑間
Naoji Otsuka
尚次 大塚
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勉 ▲高▼橋
Tsutomu Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンド間の走査間隔が一定でない場合でもつ
なぎスジの少ない画像を得ること。 【解決手段】 記録ヘッドのある走査と次の走査の間に
ディレイ等の遅延情報があるか否かを判定し(ステップ
S11)、遅延情報があればつなぎ部近傍の間引き処理
を行う(ステップS15)ことで、バンド間の走査間隔
に応じた適切な間引きが可能となり、つなぎスジを軽減
することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体上に高品
位の画像を得ることができるインクジェット記録方法、
記録装置及びデータ処理方法に関し、詳しくは、記録ヘ
ッドにより、1パス、もしくは複数パスによりカラー記
録を行うインクジェット記録方法、記録装置及びデータ
処理方法に関するものである。
【0002】本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用
紙等、さらには金属等の記録媒体を用いる機器すべてに
適用可能である。具体的な適用機器としては、プリン
タ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機
器等を挙げることができる。
【0003】
【従来の技術】記録装置による記録媒体上への記録にお
いて、高速で印字したいとするユーザーのニーズは高ま
ってきている。高速化を重視した印字を行う際には、高
画質を実現するために用いられているマルチパス印字の
際のパス数を減らすといった方法が有効である。ここで
印字のパス数とは、1ラインを完成させるのに必要なキ
ャリッジの走査回数のことである。
【0004】これは、記録ヘッドの吐出口の数がある一
定値である関係上、パス数が多いほど一回の紙送り量は
小さくなり、逆にパス数を少なくするほど一回の紙送り
の量を大きくすることができるからである。例えば、2
パスによる印字が行われているところを1パスで印字す
ることが可能であれば、単純には約2倍の高速化が図れ
ることになる。すなわち、パス数が少なくなればなるほ
ど所定領域(例えば、1枚)の記録に要するキャリッジ
のスキャン回数は減り、かつ、一回の紙送り量は大きく
なり、結果的に1枚を印字するのにかかる時間は短くな
る。
【0005】記録液(インク)を吐出する複数の吐出口
を持つ記録ヘッドを、吐出口の配列方向とほぼ垂直な方
向に走査して印字を行う関係上、1パスで印字を行なう
場合には、1度の走査により図23のように帯状の画像
領域(バンド)が形成されることになる。
【0006】このように1パスで印字を行う際には、1
バンドの領域を1度の走査で形成するため、1度に被記
録媒体上へ打ち込む記録インクのデューティー(比率)
が1バンドの領域を複数回の走査で形成するマルチパス
印字よりも多くなる。このため記録媒体や、記録液の性
質により程度の差は異なるものの、1パス印字では印字
デューティーの高い部分においてパス間(バンド間)の
黒スジ発生は、顕著なものとなる。
【0007】この弊害は、複数の異なる記録インク(シ
アン、マゼンタ、イエローなど)を吐出する記録ヘッド
が主走査方向に配置される、所謂横並びと呼ばれている
形態のヘッド構成において、さらに大きいものとなる。
これは各色のつなぎ位置が同じ場所に発生するためであ
る。横並びの記録ヘッドの模式図を図6に示す。
【0008】以上のような、バントとバンドの境界部に
生じる黒スジは、つなぎスジとかバンディングとも呼ば
れており、このつなぎスジが生じると、印字品位は実使
用に耐えがたいレベルとなることがある。
【0009】このため、このようなつなぎスジをなくし
て、1パスにおいて高画質化を図る方法が提案されてい
る。
【0010】例えば、特開平11ッ188898号公報
には、シリアルスキャン方式において、記録ヘッドが主
走査方向に繰り返し走査して1バンド分ずつ画像を記録
するときに、その1バンド分ずつの記録領域のつなぎ目
部分にスジを発生させないようにする方法が記載されて
いる。すなわち、記録ヘッドの1回の走査により記録さ
れる1バンドの少なくとも第1ラスタ及び最終ラスタの
一方を予め定めた個数のドットからなる複数の単位領域
に分割し、画像データに基づいて、各単位領域内の着目
した色のインク吐出量(デューティー)と、単位領域内
の他のインク吐出量との合計に応じて、着目したインク
の吐出量を低減させるよう間引いて印字を行うという方
法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法では、例えば、普通紙のようなつなぎスジの発生しや
すい記録媒体における印字においては、つなぎスジを低
減させる精度が十分とはいえず、印字された画像につな
ぎスジが目立つ場合があった。
【0012】本発明者らの検討によれば、つなぎスジの
発生の程度は、バンド端部のデューティーに依存する
他、バンド間での印字時間差により影響を受けるところ
が大きいことが判明した。例えば、印字の途中において
排紙スミアの防止や、ヘッドの過昇温防止などために印
字スキャン間にディレイを入れる制御をかけると、ディ
レイが入ったところでのつなぎスジは、通常の印字スピ
ードで連続的に印字を行っていたところよりも顕著とな
る。このため、ディレイを考慮することなく通常の印字
スピードを想定して設定されたつなぎ処理では、つなぎ
スジの発生を充分低減させることができず、さらなる印
字品位の向上が望まれる。
【0013】また、キャリッジのスキャン幅が大きけれ
ば、その両端においても時間差が生じる。例えば、キャ
リッジの速度が8インチ/秒だとすると、A4フルペー
ジ(8インチ)で1走査に1秒かかる。この時間差によ
り、往復印字を行った場合は、最大2秒の時間差が生じ
ることになり、つなぎスジの発生の程度が異なることが
ある。
【0014】本発明は、上述した問題点を解消するため
になされたものであり、その目的とするところは、バン
ド間の走査間隔が一定でない場合でもつなぎスジの少な
い画像を得ることができるインクジェット記録装置、記
録方法およびデータ処理方法を提供することにある。
【0015】また、本発明の他の目的は、1パス双方向
で印字する場合でもつなぎスジの少ないカラー画像を得
ることができるインクジェット記録装置、記録方法およ
びデータ処理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の目的を達
成するため、記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に走
査しつつ複数の吐出口からインクを吐出させて記録媒体
にバンド単位で記録を行うインクジェット記録装置にお
いて、前記記録ヘッドのある走査と次の走査によって記
録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部が記録される
のに要する時間に関連する走査間隔情報を取得する取得
手段と、この取得手段によって取得される走査間隔情報
に基づいて、前記つなぎ部近傍へ打ち込むインクの量を
低減させる低減手段とを有することを特徴とする。
【0017】また、本発明は記録ヘッドを記録媒体に対
して相対的に走査しつつ複数のインクを吐出させて記録
媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、前
記記録ヘッドのある走査と次の走査によって記録媒体に
記録されるバンド同士のつなぎ部が記録されるのに要す
る時間に関連する走査間隔情報を取得する取得手段と、
前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバ
ンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる各単位領
域毎に、当該単位領域に打ち込まれるべき各インクの量
の相対関係を示す相対情報を獲得する獲得手段と、この
獲得手段により獲得された各単位領域毎の相対情報と、
当該単位領域に打ち込まれるべき各インクの量を示す量
情報に基づいて、当該単位領域内のつなぎ部近傍に打ち
込むインクの量を低減する低減率を各インク毎に決定す
る決定手段と、前記取得手段により取得した走査間隔情
報が示す走査間隔が所定時間以上のとき、前記つなぎ部
近傍へ打ち込む各インクの量を、前記決定手段によって
決定されたインク毎の低減率に基づいて低減させる低減
手段とを有することを特徴とする。
【0018】上記構成によれば、走査間隔情報に基づい
てつなぎ近傍の記録データに間引き処理を行うことによ
り、バンド間の走査間隔が一定でない場合でもつなぎス
ジの少ない画像を得ることができる。
【0019】また、つなぎ近傍の記録データの数(描画
するドット数)から、単位領域(着目領域)の色域(色
相と彩度)を判定し、この色域に応じて、使用インク
毎、記録位置毎に間引きランクの設定ができる。このよ
うにして設定された間引きランクを用いて、各インク毎
に間引き処理を行うことにより、1パス印字におけるバ
ンド間において発生するつなぎスジの程度を緩和させる
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、複
数の記録ヘッドを有するシリアルプリンタを例に説明す
る。
【0021】本発明の一実施形態では、1バンド分のデ
ータのうち、つなぎ部分近傍を、ある単位領域に区分
し、各領域毎に各色のドット数をカウントし、各色毎の
ドットカウント値から着目している領域の色域を判定す
る。そして、この色域において、各色毎のドットカウン
ト値の和により得られる各単位領域毎のドットカウント
値(もしくは印字デューティ)と、あらかじめ与えてお
く間引きランクグラフから、各色毎に間引き処理領域
(特に、バンドの下端部)の間引きランクを決定し、SM
S間引き処理を実行する。以下、このつなぎ処理を通常
つなぎ処理という。
【0022】本実施の形態では、通常つなぎ処理と同様
に、走査間隔情報に基づいても、つなぎ部近傍におい
て、間引き処理領域(特に、次のバンドの上端部)の間
引きランクを各インク毎に指定し、SMS間引き処理を実
行する。以下、このつなぎ処理を遅延間引き処理とい
う。
【0023】ここで、上記形態において以下のポイント
につき補足する。
【0024】(走査間隔情報)遅延間引き処理で用いる
走査間隔情報は、定着を向上させて排紙スミアを防止し
たり、ヘッドの過昇温防止などのために印字スキャン間
にディレイを入れる場合の遅延時間や、印字データ量に
依存するデータ転送時間や印字データ作成のためのデー
タ処理時間の情報を含んでいる。さらには、キャリッジ
走査に要する時間に起因してスキャン間の時間差を考慮
するための、印字位置とスキャン方向の情報も走査間隔
情報に含まれる。あるいは、1スキャンの印字データの
長さであっても良い。
【0025】即ち、ある走査と次の走査のつなぎ部分が
印字されるのに要する時間に直接的、間接的に関連する
情報は、直接時間情報でなくても本発明の走査間隔情報
に含まれるものである。
【0026】(間引き処理位置)通常間引き処理を行う
領域は図5に示した様に、印字を行う1スキャンのう
ち、給紙側数ラスタ(例えば、4ラスタ)とする。給紙
側を間引くことにしたのは、排紙側のほうが給紙側より
も相対的に記録媒体に対するマージン(余白)が大きい
からである。給紙側を間引くことにすることで,一つの
パラメータにより排紙側を間引くよりも相対的に多くの
記録媒体をサポートすることができる。
【0027】遅延間引き処理を行う領域は、印字を行う
1スキャンのうち、排紙側数ラスタ(例えば、4ラス
タ)とする。排紙側を間引くことにしたのは、遅延時間
は一般にはある走査を行う直前に確定するので、後打と
なる走査で間引く場合はつなぎ部が排紙側になるからで
ある。
【0028】また、間引きを数ラスタにわたって行なう
際、その中でラスタ毎、あるいは数ラスタ単位(ここで
は、2ラスタ単位で上下2つ)で間引きの度合い(ここ
では、ランクグラフ)を独立に設定することで、例え
ば、つなぎに近い部分ほど間引きレベルを上げるように
設定することで、間引きの精度すなわち間引き処理の精
度を上げることができる。
【0029】(ドットカウント領域)ドットカウントを
行う領域は、通常間引き処理も遅延間引き処理の場合
も、図5に示すように、つなぎ部を跨いだ16ドットラ
16ラスター(ドット)の領域としている。詳細は後述
するが、間引き領域よりも大きい領域とし、かつ、つな
ぎ部を跨いで両バンドの印字データをドットカウントす
ることで、つなぎ部におけるにじみの状況を適切に把握
することが可能となる。
【0030】なお、通常間引き処理も遅延間引き処理の
場合も、同じ領域をドットカウントしているが、通常間
引き処理で先行するバンドのつなぎ部で間引きが行われ
た場合は、再度ドットカウントを行っている。また、遅
延時間が短い場合、遅延によるつなぎスジは発生しない
ため、遅延間引き処理は必要なく、当然ドットカウント
も必要ない。
【0031】(間引き処理方法)本実施形態において
は、SMS(シーケンシャル マルチスキャン)間引き処
理と呼ばれる間引き方式を用いて、印字データの間引き
処理を実行する。間引き処理方法としては他に、パター
ンマスクによる方法や、誤差拡散(ED)といった方法が
考えられる。
【0032】しかし、パターンマスクによる方法は、図
24に示すように例えば、同図(a)に示した千鳥配列
の間引きマスクを用いるときに(白抜き部分の画素デー
タを間引く)、同図(b−1)、(b−2)のような打ち
込み量の等しい印字データをそれぞれ処理すると、処理
後のデータは(c−1)、(c−2)となり、ラで示され
た格子にあった印字データの間引きが行われる。この二
つの図からわかるように、パターンマスクによる方法は
構成が簡単ではあるが、同じ記録インクの打ち込み量
(デューティー)のデータに対して、印字データの配列
によっては間引きマスクと印字データとが干渉を起こし
てしまうため、間引き量を均等に制御できない場合が生
じる。
【0033】またEDによる方法であるが、これの一例と
しては以下のような操作が考えられる。 ・量子化された画像データの処理を行う画素に印字すべ
きデータがあれば、あらかじめ求めたノズル補正値に基
づいて多値の値を割り当てる ・周囲の画素からの誤差を加算する ・所定のしきい値と比較して画素の印字データを間引く
かどうかを決める ・その判定により発生した誤差を算出する ・その誤差を周囲の所定の画素へ振り分ける ・量子化された画像データの処理を行う画素に印字すべ
きデータがなければ、周囲の画素からの誤差を取得し、
それを周囲の所定の画素に振り分ける。 ・誤差を振り分ける画素は、つなぎスジ処理の走査方向
の画素と、それ以外に処理中の画素のデータ列からみ
て、次に処理を行うデータ列の画素のうち、少なくとも
1つの画素に誤差を振り分ける。
【0034】しかしこのような処理は適正な間引きが行
える反面、1パス印字を行おうとした際には、現在のよ
うな高密度ノズルヘッドにおいてはノズルの数が多く、
印字データの処理が間に合わなくなる場合が発生するこ
とが容易に想像できる。データ処理待ちの状態になる
と、印字データ待ちによるキャリッジ停止という現象を
引き起こし、1パス印字を行うことによる印字の高速化
という目的に反することになる。
【0035】このため、本実施形態においては間引き量
の均等制御と高速処理を達成するため、SMS間引き処理
を採用することとした。ここで、SMS間引き処理とは、
印字データがあるたびに、カウンタ(レジスタ)により
指定されるカウント値(特定のビット、例えばMSB)を
読み、それが1ならば印字データを間引かず(印字が行
なわれる)、一方、カウンタ値が0であるなら印字デー
タを間引く(印字が行われない)。そして、カウンタを
右へ一つ移動(ビットをシフト)する。また、カウンタ
は一番右まで移動すると再び一番左へと戻る(サイクリ
ックにシフトする)。この処理を印字データが来る毎に
繰り返すことで、間引きドットを確定して(間引き処理
して)行く処理方法である。以上のように、印字データ
のあるドットに対してのみ間引きか非間引きかを決定す
るので、印字データのパターンに同調することはない。
【0036】(間引きテーブル)使用するインクの記録
媒体上への印字順番により印字端部における発色が異な
る。記録インクの記録媒体への浸透の一例を模式的に図
25に示す。ただし、記録インクの浸透の様子は、用い
る記録インクや記録媒体、環境、印字を行う記録インク
間の印字時間差等により異なる。
【0037】ここでは、先に打たれる記録インク231
の下に、後に印字される記録インク232が潜り込む状
態を示してある。このように、通常、記録媒体上の同一
位置に記録された異なる記録インクは、完全に交じり合
って発色しているわけではなく、図25( a )にあるよ
うな状態となって発色している。この際、図25( b )
に円で示した印字端部233は印字内部234と発色が
異なり、後に打たれた記録インクの発色が強いことがわ
かる。これによってもつなぎスジは悪化している。この
ため、先に印字を行った記録インクと、後から印字を行
う記録インクとで同じ間引き率を用いても、端部におけ
る色の違いは解消することができない。そこで、本実施
形態においては、インクが記録媒体に付着する順序を考
慮して間引率を決定してる。
【0038】次に、本実施形態における間引率を決定す
るための間引きランクグラフの一例を図10(a)に示
す。この間引きランクグラフは間引きの対象となるイン
ク毎に、ドットカウント領域のドットカウント数に応じ
た間引きランクを示している。
【0039】間引きランクグラフは、スタートドット
数、ドット間隔、MAXランクの三個の数値による組み合
わせにより指定する。また、間引きランクは予め指定し
ておくことにし、例えば、本発明においては間引き率と
して、0%、12.5%、25%、37.5%、50%、62.5%、75
%、7.5%、100%の9段階を設定する。
【0040】それぞれのパラメータの説明をすると、ま
ずスタートドット数であるが、これは間引き率12.5%
(間引きランク1)を使用し始めるときのトータルドッ
トカウント値を意味する。ドット間隔とは、次の間引き
率(12.5%の次ならば25%)に移行するまでのドットカウ
ント数、すなわち、同じ間引き率を使用するドットカウ
ントの範囲を意味する。MAXランクとは最大間引き率の
ことであり、これを超えた間引き率を選択することな
く、間引き率がMAXランクに達したら、その後ドット間
隔分のドットカウント値がきても、間引き率を上げるこ
とはせずに、MAXランクの間引き率を保持することを意
味する。
【0041】このように3つのパラメータにより設定で
きるようにすると例えば、スタートドット数3ビット(8
段階)、ドット間隔3ビット(8段階)、MAXランク2ビッ
ト(4段階)のように一本の間引きランクグラフを1バイ
ト(8ビット)で表現できる。
【0042】各パラメータの分解能を高めるためには、
パラメータのビット数を多くしても良い。あるいは、ビ
ット数はそのままとし、これにさらに、間引きランクグ
ラフ共通のオフセットをスタートドット数、ドット間
隔、MAXランクの各々に対し1バイトずつで与えることに
よっても、パラメータのより精度の高い設定が行える。
【0043】こうして、間引きランクグラフを設定する
のに必要なデータ量を少なくすることができる。以上の
ようにデータ量を削減することは、本実施形態において
非常に重要である。というのも、1パスのように印字ス
ピードが速い印字モードにおいて、本実施形態のよう
な、つなぎ処理を行うためには、ソフトで実施すること
は難しく、ハードでの実施が望ましいからである。これ
はソフトでデータ処理を行うと、キャリッジでの印字ス
ピードにデータの生成が間に合わず、印字データ待ちが
生じるためである。このため、ハードすなわちゲートア
レイでの実施が望ましいが、必要なデータ数がゲート数
に直接効いてくるため、データ数は少ないほど回路規模
の点で望ましいのである。
【0044】間引きランクの他の一例を図10( b )
に示す。これは先の間引きランクグラフで傾きを途中で
変更したいような場合に有効である。
【0045】先の間引きランクを記述するために必要な
3つのパラメータの他に、二つ目の傾きを規定するため
に、変更の開始点を示す変更ドット数とそれ以降の傾き
を規定するドット間隔2とを持たせるものである。この
ようなパラメータ設定を行えばより精度の高い処理が可
能となる。
【0046】(色域判定)使用するインクと記録媒体と
の関係により、印字を行った際に記録媒体上での挙動が
異なり、また、色によりつなぎスジの見え方、及び、間
引いたときのつなぎスジへの効き方は異なる。
【0047】例えば、白から、青そしてUC(アンダーカ
ラー、YMCの混色)に向かうようなグラデーションに
おいては、青に向かうところではシアンインクとマゼン
タインクを用いて印字をしており、青のMAXになった時
点でシアン、マゼンタはそれぞれベタ印字のデータ(最
大デューティーのデータ)となっている。この状態で
は、つなぎスジを緩和させるためにシアン、マゼンタに
対してある程度高率の間引きを適用する。
【0048】これと同じ間引きパラメータを用いて白か
ら赤、そしてUCに向かうグラデーションを印字する場合
を考える。赤のMAXからUCに向かうポイントにおいては
じめてシアンインクを使用し始めることになる。この点
での打ち込み量は、マゼンタ、イエローそれぞれの最大
デューティーのデータであり、先の白ッ青ッ黒のグラデー
ションの場合の青から黒に向かうところと等しいため、
シアンおよびマゼンタに対して先に使用した高い間引き
率を用いて間引きを行うことになる。このため、データ
が入りはじめで、まばらな状態にしかドットが配置され
ていないシアンのドットを大量に抜いてしまうため、シ
アンドットの抜けが目立つといった弊害が発生する。
【0049】このように、従来用いられていた端部近傍
における単位領域に付与されるインクの総量に加えて、
単位領域の色相と彩度の情報と、どの記録インクを用い
て印字を行うの情報を得て、その情報に応じた間引き率
を設定できるようにすることが、カラー画像を形成する
場合におけるつなぎ処理を行う上では必要となる。これ
を実現するため、本実施形態では各色のドットカウント
値から、着目領域(単位領域)の色相および彩度の判定
を行うこととした。以下では、色相と彩度を合わせて色
域と言う。
【0050】以上の実施形態によれば、つなぎ近傍の記
録データの数(描画するドット数)から、着目領域の色
域を判定し、この色域に応じて使用インク毎、記録位置
毎に間引きランク(間引きの程度)の設定ができ、この
ように設定された間引きランクを用いて、各インク毎に
間引き処理を行うことにより、1パス印字におけるバン
ド間において発生するつなぎスジの程度を緩和させるこ
とができる。
【0051】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳
細に説明する。なお、各図において、同一符号で示す要
素はそれぞれ同一または対応する要素とする。
【0052】(第1実施例)本発明の第1実施例は、複
数の記録ヘッドにより記録媒体上に記録インクを用いて
印字を行い画像を形成する記録方式に関するものであ
る。まず、通常つなぎ処理について説明し、その後本実
施形態の特徴である遅延つなぎ処理について説明する。
【0053】(記録装置の構成例)図1は本発明を適用
したインクジェット記録装置の実施例の要部構成を示す
模式的斜視図である。図1において、複数(3個)のヘ
ッドカートリッジ1A,1B,1Cがキャリッジ2に交換可能に
搭載されている。各カートリッジ1A〜1Cのそれぞれに
は、記録ヘッド部を駆動する信号を受けるためのコネク
ターが設けられている。なお以下の説明では上記記録手
段1A〜1Cの全体または任意の1つを指す場合、単に記録
手段(記録ヘッドまたはヘッドカートリッジ)1で示す
ことにする。
【0054】上記複数のカートリッジ1は、それぞれ異
なる色のインクで記録するものであり、それらのインク
タンク部には例えばシアン、マゼンタ、イエローなどの
異なるインクが収納されている。各記録手段1はキャリ
ッジ2に位置決めして交換可能に搭載されており、キャ
リッジ2には、上記コネクターを介して各記録手段1に駆
動信号等を伝達するためのコネクターホルダー(電気接
続部)が設けられている。
【0055】キャリッジ2は、主走査方向で装置本体に
設置されたガイドシャフト3に沿って移動方向に案内指
示される。そしてキャリッジ2は、主走査モーター4によ
り、モータプーリー5、従動プーリー6、及びタイミング
ベルト7を介して駆動され、その位置及び移動を制御さ
れる。用紙やプラスチック薄板等の記録材8は、2組の
搬送ローラーの回転により記録ヘッド1の吐出口面と対
向する位置(記録部)を通して搬送(紙送り)される。
なお記録材8は、記録部において平坦な記録面を形成で
きるように、その裏面をプラテン(不図示)により指示
されている。この場合、キャリッジ2に搭載された各カ
ートリッジ1は、それらの吐出口面がキャリッジ2から下
方へ突出して上記2組の搬送ローラー対の間で記録材8と
平坦になるように保持されている。
【0056】前記記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用
してインクを吐出するインクジェット記録手段であっ
て、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
たものである。また前記記録ヘッド1は前記電気熱変換
体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰
による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用
して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うもので
ある。本実施例に用いる複数のヘッドのノズル構成を図
6に示す。
【0057】図2は、前記記録ヘッド1のインク吐出部1
3の主要部構造を部分的に示す模式的斜視図である。図
2において記録材8と所定の隙間(約0.5〜2[mm]程度)
をおいて対面する吐出口面21には、所定のピッチ(ここ
では、360dpi)で複数(ここでは、256)の吐
出口22が形成され、共通液室23を各吐出口22とを連通す
る各流路24の壁面に沿ってインク吐出量のエネルギーを
発生するために電気熱変換体(発熱抵抗体など)25が配設
されている。本例においては、記録ヘッド1は前記吐出
口22がキャリッジ2の走査方向と交差する方向に並ぶよ
うな位置関係で、該キャリッジ2に搭載されている。こ
うして画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気
熱変換体25を駆動(通電)して、流路24内のインクを膜沸
騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口22からイ
ンクを吐出させる記録ヘッド1が構成されている。
【0058】図3は、図1に示したインクジェットプリ
ント装置における制御回路の概略構成例を示す。
【0059】図3において、コントローラ100は主制
御部であり、例えばマイクロ・コンピュータ形態のCP
U101、プログラムや所要のテーブルその他の固定デ
ータを格納したROM103、画像データを展開する領
域や作業用の領域等を設けたRAM105を有する。さ
らに、走査間隔情報として遅延時間をカウントするため
のタイマー106を有しており、排紙スミア対策のため
のディレイと、記録ヘッドが過昇温した場合に冷却のた
めのディレイを計測している。
【0060】ホスト装置110は、画像データの供給源
(プリントに係る画像等のデータの作成、処理等を行う
コンピュータとする他、画像読み取り用のリーダ部等の
形態であってもよい)である。画像データ、その他のコ
マンド、ステータス信号等は、インタフェース(I/
F)112を介してコントローラ100と送受信され
る。
【0061】操作部120は操作者による指示入力を受
容するスイッチ群であり、電源スイッチ122、プリン
ト開始を指示するためのスイッチ124、吸引回復の起
動を指示するための回復スイッチ126等を有する。
【0062】ヘッド・ドライバ140は、プリント・デ
ータ等に応じてプリント・ヘッド1の吐出ヒータ25を
駆動するドライバである。ヘッド・ドライバ140は、
プリントデータを吐出ヒータ25の位置に対応させて整
列させるシフト・レジスタ、適宜のタイミングでラッチ
するラッチ回路、駆動タイミング信号に同期して吐出ヒ
ータを作動させる論理回路素子の他、ドット形成位置合
わせのために駆動タイミング(吐出タイミング)を適切
に設定するタイミング設定部等を有する。
【0063】プリント・ヘッド1には、サブヒータ14
2が設けられている。サブヒータ142はインクの吐出
特性を安定させるための温度調整を行うものであり、吐
出ヒータ25と同時にプリント・ヘッド基板上に形成さ
れた形態および/またはプリント・ヘッド本体ないしは
ヘッド・カートリッジに取り付けられる形態とすること
ができる。
【0064】モータ・ドライバ150は主走査モータ1
52を駆動するドライバであり、副走査モータ162は
プリント媒体8を搬送(副走査)するために用いられる
モータであり、モータ・ドライバ160はそのドライバ
である。
【0065】(印字データ処理)図4は、通常間引き処
理を行う場合の1走査分の印字データ受信から印字デー
タ処理終了までを示すフローチャートである。
【0066】ステップS1では、各色のインクに対応す
る1走査の印字に必要な量の印字データを受信する。1
走査の印字には1バンド分のデータに加え、次のバンド
のドットカウント領域分のデータが必要となる。ここ
で、1バンドとは1回のキャリッジ走査において形成され
る印字領域のことである。
【0067】印字データの受信後、単位領域、ここで
は、図5に示した16ドットラ16ラスターの領域毎
に、ステップS2でドットカウント、ステップS3で色
域判定、ステップS4で間引きランク決定、ステップS
5でSMS間引き処理を行う。ステップS6では、上記
の処理を1バンド分終了するまで繰り返す。1バンド終
了後、ステップS7では1バンドを印字する。以下に、
各処理の詳細について説明する。
【0068】(ドットカウント)本実施例において、ドッ
トカウントを行う領域はバンドのつなぎ部分を含む16
ラスター分の幅とする。
【0069】ドットカウントは、本実施例に用いる記録
装置が搭載している記録インク全て、すなわち、シア
ン、マゼンタ、イエローの各色の2値データにおいて行
い、それぞれから得られたドットカウント数の総和を、
ドットカウントの結果のドットカウント値(もしくはト
ータルドットカウント値)とする。
【0070】ここでドットカウント値について補足する
と、「ドットカウント値が1である」とは、1画素にドット
が一つ存在する状態であり、2なら1画素にドットが二つ
存在する状態であることを示している。
【0071】ドットカウントは、つなぎ部近傍の分割さ
れた領域において実施し、その大きさとしては、排紙方
向に16ラスター、キャリッジ走査方向に16ドット分の
大きさの領域(以下「ドットカウント単位領域」とも表記
する。)とする。このため、トータルドットカウント値
の最大値は、16(ラスター)ラ16(ドット)ラ3(色数)
=768となる。
【0072】本実施例の処理は、このドットカウントに
より得られるトータルドットカウント値から、間引きラ
ンクを決定、SMS間引き処理実施という流れで行う。ま
た、各色のドットカウント値から単位領域に打ち込まれ
る各インクの量の相対関係を示す相対情報を獲得するこ
とが可能となり、この相対情報から単位領域の色域(色
相と彩度)を判定している。
【0073】このような処理を、1バンド分全てにおい
て繰り返し行い、さらに1ページ分の全てのバンドに対
して処理を行うことで、印字データを生成する。
【0074】このため例えば、1バンドを形成するの
に、360dpi、A4フルスキャン(8インチ)の場合
には、360(dpi)ラ8(インチ) 6=180となり、180回の
計算を行うことになる。
【0075】ここでトータルドットカウント値として、
本実施例においては単純にシアン、マゼンタ、イエロー
のドットカウント値の総和としているが、色によってつ
なぎスジの発生への影響度が違う場合には各色毎に重み
をつけても良い。例えば、イエローインクが入るとつな
ぎスジの程度は悪化するのようなら、イエローのドット
カウント値だけドットカウント値に対して重み付けして
もよいし(例えばイエローのドットカウント値のみ1.2
倍する)、また色により吐出量が異なる(例えばある色
だけ吐出量が大きい)などの条件があるならば、それも
考慮に入れてもよいことはもちろんである。
【0076】以上のようなドットカウント処理によれ
ば、1バンドのうちつなぎ部近傍(すなわちノズル端
部)にある小領域のデータ処理ですむので、処理にかか
る負荷は小さく、1パスのようにスピードを重視する関
係上、その処理に当てられる時間が短い場合においても
十分処理することができる。
【0077】また、つなぎ部を跨いだ16ドットラ16
ドットの領域をドットカウント単位領域とした理由につ
いて説明する。
【0078】この場合、トータルドットカウント値の最
大値は、16ラ16ラ3(色数)=768となる。また、1
バンドを形成するのに、360dpiでは上述のとおり
180回、600dpi、A4フルスキャン(約8イン
チ)の場合には、600(dpi)×8(インチ)÷1
6=300となり、300回の計算を行うことになる。
具体的には、図5に示すように、レングス設定の全範囲
に対して、ドットカウント単位領域毎にドットカウント
を順次行い、全ドットカウント単位領域に対して計算を
行うことにより、1バンド分のドットカウントを完成す
ることができる。
【0079】このようにつなぎ部を跨いだ領域をドット
カウント単位領域とすることにより、つなぎ部前後の印
字ドットの状態を把握することができる。つまり、つな
ぎスジが発生しやすいインク打ち込みがなされているか
を判断することができ、より高精度なつなぎスジ処理を
実施することが可能である。1バンド内のみでドットカ
ウントを行う場合には、その領域内でのつなぎスジの要
因となるインクにじみの量を想定することはできるが、
次のバンドへの影響度を把握することはできない。次の
バンドのつなぎ部近傍のインク量によりつなぎスジの発
生具合は異なる。例えば、次のバンドにある程度のイン
クがある場合は、相互のインクにじみによりつなぎスジ
は発生しやすくなるが、インクが少ない場合は、先打ち
のバンドのインクにじみは発生する可能性はあるもの
の、つなぎスジになる可能性は少ない。
【0080】つなぎスジの発生メカニズムに関して、図
13を用いて説明する。
【0081】先打ちのバンドのインクが多少にじんだ状
態で定着が促進しているところに、次のバンドの記録が
行われる。そこで、次のバンド内のインクが紙内部もし
くは表面に浸透していく過程で、先打ちのバンド領域内
に次のバンドに新たに打ち込まれたインクが引き寄せら
れていくと考えられる。このとき、つなぎ部に何ら処理
を施していないと、同図(a)に示すように、バンド間
のつなぎ部のインク量が多くなってしまい、つなぎ部の
濃度が他の部分より上がってしまうのがつなぎスジ発生
の原因であると想定される。
【0082】従って、このようなつなぎスジの発生を抑
制するためには、同図(b)に示すようにつなぎスジ処
理を施し、先後どちらかのバンドのインク量を低減させ
る、つまり印字データを間引くことが有効である。ま
た、前後のどちらかのバンドでも良いし、双方のバンド
に関して間引き処理を行っても良いのである。
【0083】以上のように、つなぎスジの発生要因は、
つなぎ部の前後のバンドのインク量に起因するものであ
り、つなぎ部を跨いだ領域をドットカウント単位領域と
することは、つなぎスジ処理の制御効率を向上させ、有
効なつなぎ処理を実施することが可能となる。
【0084】また、つなぎ部の前後において、ドットカ
ウントの際に、先打ちのバンドとの後打ちのバンドとで
重み付けをしても良い。例えば、つなぎスジ発生は先打
ちのバンドのインク量に起因する傾向が高ければ、先打
ちバンドのドットカウント値を1.2倍する等して、先打
ちバンドのインク量に敏感な制御を実施するのも有効と
考えられる。
【0085】(色域判定)色域選択のフローチャートを
図7に示す。
【0086】まず、ステップS2で各色のドットカウン
トを行う。ある単位領域におけるドットカウント値の一
例を図8に、また、本実施例に用いる色域の区分を図9
に示す。
【0087】図8の例では、ドット数の多い順に、マゼ
ンタ、シアン、イエローとなっている。ここで、シア
ン、マゼンタ、イエローのうち最も少ないイエローの部
分は一般にUC(アンダーカラー:Under Color)と呼ば
れる部分であり、二番目に多いシアンからUCを引いた部
分が2次色(D2とも表記する。本例では青)、一番多い
マゼンタから二番目に多いシアンを引いたものが1次色
(D1とも表記する。本例ではマゼンタ)である。これら
D1,D2,UCをステップS31で計算する。
【0088】これらD1、D2、UCのうちで最も大きい値
を取るものを判定することで、着目しているドットカウ
ント領域(単位領域)が図9の中でどの色域にあるかを
決定する(ステップS32)。本例においてはD1が三
つのうちで最も大きいため、ドットカウント領域はシア
ンの中にある、という判定を行うことになる。
【0089】なお、D1、D2、UCで、最も大きいもの
が2つ、あるいは3つ存在した場合には、色域としては、
UC、D2、D1の順番(UCとD2が同じならUC、D1とD2
が等しいならD2となり、実際はD1が使用されることはな
い。)で採用することにする。
【0090】(間引きランクグラフ)図10に間引きラ
ンクを決定するための間引きランクグラフの一例を示
す。
【0091】ここで、図10は縦軸に間引きランク(間
引き率に対応)、横軸にトータルドットカウント値を取
る。すなわち、ドットカウントにより得られた単位領域
のトータルドットカウント値から、データの間引き率(S
MSでいうところのカウント値)の指定を行う。
【0092】本実施例においては間引き率として0%、1
2.5%、25%、37.5%、50%、62.5%、75%、87.5%、1
00%の9段階を設定する。このときのカウンタ値を図1
1に示す。また本実施例における間引きランクグラフの
指定方法は、上述のとおり、スタートドット数、ドット
間隔、MAXランクの三個の数値による組み合わせにより
指定する。これら3つそれぞれのパラメータが間引きラ
ンクグラフのどこに対応するかも図10において合わせ
て示すことにする。
【0093】本実施例においては上記のように3つのパ
ラメータ(スタートドット数、間引き間隔、MAXラン
ク)により間引きランクグラフを決定することにした
が、特にこの方法に限定する必要はないことはもちろん
である。本実施例のような間引きランクグラフの決定だ
と、トータルドットカウント数と間引き率との関係が線
形にしかできないので、間引きランクグラフそのものの
形を規定するようにしてもよい。また間引き率も上に挙
げた9段階に限定する必要もなく、必要に応じて間引き
率の段階を増減させてよい。
【0094】実際に、本実施例に用いる通常間引き処理
における間引きランクグラフの一例を、図12に実線で
示す。上述のとおり、間引きランクグラフは各色域毎に
適切なものが設定されており、図12にはある1つの色
域(シアン)での例を示している。
【0095】本実施例においては、異なるインク毎(シ
アン、マゼンタ、イエロー)に間引きランクをそれぞれ
指定するものとし、各間引き領域を排紙方向(副走査方
向)に二つ分割し、各領域に独立した間引きランクグラ
フを設定している。そのため、図12では6つの間引き
ランクグラフ(シアンupper、シアンlower、マゼンタup
per、マゼンタlower、イエローupper、イエローlower)
を本実施例においては設定している。
【0096】また、図12 においては、色域判定によ
り判定された色域(本実施例においてはシアン)に対す
るグラフのみを示したが、実際にはこの組み合わせが、
さらにマゼンタ、イエロー、UCに対しても存在する。
【0097】このように異なるインク毎に間引きランク
グラフを設定することで、インクによる記録媒体上での
挙動の違いや、異なるインク間での明度や彩度の違いに
よるスジの見え方の差などに起因して生じる、使用イン
クの違いによるつなぎスジの程度差に対応することがで
きる。
【0098】また、間引きランクグラフを色毎に設定で
きるので、つなぎ部において記録媒体への打ちこみ順に
より生じる端部での色の変化に対応することができる。
ここで、端部での色の変化とは先に図25を用いて説明
したように、記録媒体への記録インクの打ちこみの時間
差や記録媒体の性質により挙動は異なるが、本実施例の
ような横並びの記録ヘッドのように時間差がごく短い場
合において、例えば普通紙上の同一位置にシアン、マゼ
ンタの順番で記録を行うと、後に打たれるマゼンタの縁
取りのようなものができるというものである。このよう
な端部での色の変化がある場合に、記録インク毎に間引
きを変えることにより、すなわち先のシアン、マゼンタ
の打ちこみ順において、マゼンタの間引きをシアンより
も上げることで、つなぎ部のスジの程度をより良好な状
態にすることができる。
【0099】(間引き処理領域)本実施例においては、図
5を用いて説明したように、1バンドのうち給紙側4ラス
ター分を処理することにし、主走査方向には16ドット分
の領域を処理領域として指定する。さらに、処理を行う
4ラスターを、さらに排紙側2ラスター(upperとも表
記)、給紙側2ラスター(lowerとも表記)という2ヶ所
の領域に分割し、その各々について、間引きランクを決
定できるように、異なる間引きランクグラフを用意す
る。
【0100】図5からもわかるように、本実施例で用い
ている間引き領域とドットカウント領域は、同一の領域
ではなく、ドットカウント領域の一部が間引き領域とな
っている。このように、間引き領域とドットカウント領
域は一致している必要はない。
【0101】これは、つなぎスジの発生がつなぎ部のみ
で起きている単純な現象ではなく、相互のバンド間での
インクにじみや、つなぎ部から数ラスタ離れた部分から
のインクのにじみ出しがドットのつながり状態に応じ
て、連鎖的に伝わると考えられる。例えば、つなぎ部の
4ラスター分のみインクが打ち込まれる場合と、つなぎ
部から8ラスター分にインクが打ち込まれる場合とで
は、つなぎスジの状態は異なる。後者の方が重度のつな
ぎスジとなる。これはつなぎ部から数ラスタ離れた部分
からのにじみが徐々に伝わってきて、つなぎ部のインク
量は比較的多くなるために、よりつなぎスジが発生しや
すくなったためである。従って、ドットカウント領域は
間引き領域より大きく取ることが望ましく、前記のイン
クにじみの連鎖的な伝わりを考慮した領域とするのがよ
り好ましい。本実施例では間引き領域の2倍の領域をド
ットカウント領域としている。
【0102】また、間引き領域に関しては、つなぎスジ
処理を効果的に実施するために、ある程度の大きさの領
域を間引き領域にする必要はある。逆に極端に大きすぎ
ると、間引き処理によっては間引いたことによる濃度低
下を引き起こしてしまい、画像弊害である白スジを誘発
する場合がある。これらの要因と、インクの特性から適
切な間引き領域の幅が決定される。本実施例では、4ラ
スター(600dpiで約0.17mmの幅)を間引き領域としてい
るが、つなぎスジ抑制の効果があり、且つ、白スジ誘発
しない範囲の幅である。
【0103】本実施例においては、間引き処理領域とし
て、4ラスターを用意しそのうちを2分割することとして
いるが、4ラスターそれぞれに対して、つまり、4分割
して間引きランクグラフを指定できるようにしてももち
ろんよい。
【0104】このように、間引き領域内をさらに分割
し、その各々に対して独立に間引きテーブルを指定でき
るようにすることにより、つなぎスジの強さに応じてよ
り適切な間引き率および、間引き領域の設定ができるよ
うになる。
【0105】前記のようにつなぎスジの発生は、単純な
つなぎ部のみの現象ではなく、数ラスター離れた部分か
らのインクのにじみ出しがドットのつながり状態に応じ
て、連鎖的に伝わることが要因と考えられる。従って、
つなぎ部のみを処理するのではなく、その近傍をインク
にじみの観点から処理した方が、より効果的であると考
えられる。当然のことながら、つなぎ部の1ラスターも
しくは2ラスターが最もつなぎスジの誘発原因となって
いる。更に、そこから1ラスタ離れた領域、2ラスタ離
れた領域、3ラスター離れた領域、と距離に応じて、つ
なぎスジに影響する度合いが変化する。つなぎスジ近傍
では、ある領域のラスターがつなぎスジ発生の要因とな
っているが、ラスター毎に影響度が異なるのである。
【0106】この点から、間引き領域内を1ラスタもし
くは2ラスター毎に、別々に間引きランクを決定し、そ
のラスターに適した間引き処理を行うことが重要であ
る。更にはつなぎスジ部からの距離に応じて、間引きラ
ンクを決定することにより、つなぎスジ処理の精度をよ
り向上させることができ、ラスター毎の間引き量を更に
適正化できるために、今まで以上の高精度なつなぎスジ
処理を行うことが可能となる。
【0107】(SMS間引き処理)SMS間引き処理とは、印
字データがあるたびに、カウンタ(レジスタ)により指
定されるカウント値(特定のビット、ここではMSB)
を読み、1ならば印字データの印字を行いカウンタを右
に一つ移動(シフト)する。カウンタ値が0であるな
ら、印字データの間引きを行いカウンタを右へ一つ移動
する。カウンタは一番右まで移動すると再び一番左へと
戻る。この処理を印字データがくるたび繰り返すこと
で、間引きドットを確定して行く処理方法である。
【0108】SMS間引きについて、より具体的に図14
および図15を用いて説明する。図14および図15に
おいて、印字データのうち、印字データを?で、また、
印字するデータがないところをラで示した。また注目し
ているデータを太字で示した。カウンタ値については、
印字を行うところを1で、印字データを間引くところを
0で示し、カウンタにより指定されているカウンタ値を
太字で示した。
【0109】図14(a)において、1つ目の印字デー
タは?であり、カウンタ値が0であるので、1つ目のデー
タは間引かれる。そのため、処理後の1つ目の印字デー
タはラとなり、またカウンタは右へ一つ移動する(同図
(b))。次のデータは印字しないので、ラそのままで
あり、カウンタも移動することなくそのままの位置に残
る(同図(c))。3つ目の印字データでは、カウンタ
値が1であるので、印字データはそのまま残り、カウン
タが右へと一つ移動される。このようにして、印字デー
タは4個に1個の割合で間引かれることになる(同図
(d))。
【0110】また図15では、間引き処理領域が4ラス
タであることから、主走査方向に8ドット、排紙方向に4
ラスターの領域(本実施例での間引き処理領域の主走査
方向に半分にした領域)での間引き処理前と間引き処理
後のデータを、間引きランクを排紙側2、給紙側4とした
場合について示した。説明のため、図15(a)にある
ように、排紙側のほうから第1ラスタ、第2ラスタ、第3
ラスタ、第4ラスタと呼ぶことにする。
【0111】ここで、SMS間引き処理は排紙側のラスタ
から、ラスタ毎に行うものとし、1つのラスタの処理を
したら、次のラスタの処理に移ることにする。このとき
SMSカウンタは間引きレベルが変わっても初期位置には
戻さないものとしてある。また、SMSカウンタは本実施
例においては間引き処理領域が1バンド内での隣の領域
に移っても初期位置に返すことはせず、カウンタ位置は
1バンド内においては保存する。また、異なるバンドの
処理に移った場合には、カウンタ位置を初期位置に返す
ことにする。
【0112】またカウンタの1バンドのはじめ処理領域
での初期位置は、ランダムに指定することにする。その
結果、第1ラスタから第4ラスタは同図(b)〜(e)
に示すように処理がなされ、全体としては同図(f)に
示すようになる。
【0113】以上のように、本実施例の通常間引き処理
によれば、つなぎ近傍の記録データの数(描画するドッ
ト数)から、着目領域の色域を判定し、この色域に応じ
て、使用インク毎に間引きランクを設定できる。このよ
うに設定された間引きランクにより各インク毎に間引き
処理を行うことにより、1パス印字におけるバンド間で
のつなぎスジの発生の程度を緩和させることができる。
【0114】(遅延間引き処理)次に、本実施例の特徴
である遅延間引き処理について説明する。排紙スミア
や、ヘッド過昇温制御、もしくは、予備吐等の通常の印
字時とは異なる制御が入る場合に、その遅延時間情報か
ら、通常間引き処理とは別に独立して、つなぎ処理制御
を行う。この遅延つなぎ処理のフローチャートを図16
に示す。なお、このフローチャートには図4で説明した
通常間引き処理を併せて記載してある。
【0115】あるバンドを印字する際、ステップS1で
そのバンドを印字するために1走査分の印字データを受
信する。この時、このバンドに先行するバンドを印字し
てからの遅延情報の有無をステップS11で判断する。
ここでは、タイマー106のカウント値が所定値、例え
ば0.8秒以下の場合は遅延なしと判断する。この所定
値は、遅延によるつなぎスジが現れる時間の下限値とす
ればよい。
【0116】ステップS11で遅延情報がない場合はス
テップS2へ進み、先に説明した通常間引き処理を行う
が、遅延情報がある場合はステップS12へ進み、遅延
間引き処理を行う。
【0117】ステップS12のドットカウントおよびス
テップS13の色域判定は、通常つなぎ処理と同様に行
う。但しドットカウント領域については、図17に示す
位置において行う。
【0118】この間引き処理領域に対して、間引きラン
クグラフの設定を行う方法も通常つなぎ処理と同様とす
る。また、遅延情報が入ってきたときに実施する遅延つ
なぎ処理領域と、データ量のみにより制御を行うつなぎ
処理領域(以下「通常つなぎ処理領域」とも表記)の関係
も合わせて図17に示す。なお、あるバンドの通常ドッ
トカウント領域と次のバンドの遅延ドットカウント領域
は同じ領域としている。
【0119】ステップS14で行う間引きランクの決定
も通常間引き処理と同様であるが、間引きランクグラフ
は図12(a)〜(f)の点線で示すものを用いる。図
から理解されるように、遅延間引き処理に用いるランク
グラフは、通常間引き処理のそれよりもランクが低く
(間引率が低く)設定され、つなぎ部に近いupper領域
の方がlower領域よりもランクが高く設定されている。
ここでは、lower領域では間引き処理を行わない(ラン
ク0)としている。
【0120】このように、通常のつなぎ処理とは独立し
て、遅延時間情報があるときのみ間引き処理を行う遅延
つなぎ処理を設けることで、遅延により生じるつなぎス
ジの悪化にも対応することができるようになる。
【0121】これは通常のつなぎ処理とは独立に処理す
ることになるので、通常つなぎ処理と、遅延つなぎ処理
とを別のタイミングで行うことができる。このためCPU
での処理を行う上で、効率良く処理を行うことができ
る。
【0122】また、各々別のパラメータ設定をできるな
ど別処理として扱えるため自由度が高くかつシンプルな
構成といえる。
【0123】さらにまた、本実施例ではデータの読込み
領域を印字を行う1バンド分よりも大きい領域としたの
で、つなぎ部近傍において読込みが複数回行われる領域
が存在する。そして、通常つなぎ処理と遅延つなぎ処理
でドットカウント領域を共通化してカウント回路を共有
した。しかしながら、通常つなぎ処理と遅延つなぎ処理
でドットカウント領域を別にして、遅延つなぎ処理用の
ドットカウント領域は遅延情報がある場合のみ、ドット
カウントを行ってもよい。この場合、1バンド内の上端
部を遅延つなぎ領域、下端部を通常つなぎ領域とすれ
ば、1バンド分のデータの読み込みでドットカウントが
可能となる。
【0124】ここで、時間差がある場合、つなぎスジが
顕著になる原因について説明する。時間差が少ない場合
には、先打ち側のインクが紙に定着しきっておらず、後
打ちのインクは先打ち側の部分で紙面表面にあまり定着
することができない。
【0125】一方、スキャン間に時間差が発生している
場合には、先打ちのインクは紙に定着している。このた
め、すでに先打ちのインクが定着しているところに更に
重ねて後打ちのインクが定着するため、濃度が高くなる
ものと考えられる。
【0126】以上の原理により、走査間に時間差のある
方がつなぎスジの程度が悪化するのではないかと考えら
れえる。これはマルチパス印字のほうが1パス印字より
も濃度が高くなるのと同じ現象と思われる。
【0127】本実施例においては、遅延間引きランクを
0.8秒以上の1セット持つことにしてあるが、遅延時
間のレベル毎、例えば、0.8秒未満(遅延間引き処理
なし)、0.8秒以上2秒未満(遅延間引きランク
1)、2秒以上3秒未満(遅延間引きランク2)、3秒
以上(遅延間引きランク3)のように数段階にレベルを
設定し、その各々に対して間引きランクグラフを設定で
きるようにしても良い。このような設定を行えば、遅延
時間に対しより適切な対応を取ることができる。上述の
場合、遅延間引きランク2はランク1よりも間引ランク
が高く(間引率が高く)なるよう設定することが望まし
い。
【0128】また、遅延つなぎ処理領域での間引きデー
タ取得(間引きランク決定)までの処理は、通常つなぎ
処理とともに常に行っておき、実際に間引き処理を行う
かどうかのみ遅延情報の有り無しに応じることとしても
良い。
【0129】本実施例の制御方法によれば、何らかの制
御の割り込みにより印字ディレイが発生した場合におい
ても、通常のつなぎ処理とは独立した遅延つなぎ処理を
行うことができ、これにより、バンド間での印字遅延に
より生じるつなぎスジの悪化にも対応することができる
ようになり、バンド間でのつなぎスジの発生の程度を緩
和させることができるようになる。
【0130】(第2実施例)本発明の第2実施例は、第
1実施例と同様に、複数の記録ヘッドにより被記録媒体
上に記録インクを用いて印字を行い画像を形成する記録
方式に関するものである。
【0131】本実施例に用いる記録装置の構成、間引き
処理領域、SMS間引き処理は前述の第1実施例と同じで
ある。
【0132】(ドットカウント)本実施例におけるドッ
トカウント単位領域は、上記実施例1と同様とする。本
実施例に用いるヘッド構成を図18( a )に示す。
【0133】この構成では、黒のノズル数を、カラーの
ノズル数の倍以上とし、黒のみのデータの際には黒ノズ
ルをフルに使って印字スピードをあげている。また、黒
カラー混在のデータにおいては黒カラー間のブリードを
防止するため、黒の使用ノズル数を減らし、黒とカラー
の印字においては少なくとも1スキャンのブランクを与
えることを行う。以上のような構成での、黒のみのデー
タの印字を行う場合の模式図を図18( b )に、黒、
カラー混在のデータを印字した状態を図18(c )に示
している。
【0134】つなぎスジが発生しやすいのは、記録媒体
上へインク量を多く吐出するカラーの印字時においてで
ある。その際に黒の印字は、本実施例のようなノズル構
成では、カラーの印字に先立って行われ、カラー印字時
にはすでに黒の印字は完了し、記録媒体へ定着している
ので、黒インクのつなぎスジへの寄与は少ない。
【0135】以上により、本実施例においては、黒イン
クのドットカウントは行わずに、カラーインク(シア
ン、マゼンタ、イエロー)のみのドットカウントによ
り、つなぎ処理を行うこととした。
【0136】(色域判定)本実施例における色域の区分
を図19に示す。このときの色域選択方法の一例を説明
する。
【0137】まず、色相方向の選択方法を示す。ここ
で、色相方向とは、図19の一番外側の円周上において
どこにあるか、すなわち1次色か、2次色か、その中間か
の判定である。
【0138】図20( a )において、横軸に1次色のド
ットカウント値を、縦軸に2次色のドットカウント値を
示す。1次色、2次色、その中間の分割方法は、1次色の
ドットカウント値を2で割ったものと、2次色のドットカ
ウント値との比較を行い、1次色を2で割ったものの方が
大きいならば、色相は1次色にする。
【0139】また1次色のドットカウント値と、2次色の
ドットカウント値を2で割ったものとの比較を行い、2次
色のドットカウント値を2で割ったものの方が大きいな
らば、色相は2次色に、またそれ以外のときは中間の色
相にあるとする。
【0140】次に、彩度方向すなわち図19で中心に近
いか、円周に近いかその中間かの判定を行う。
【0141】図20( b )において、横軸に1次色と2次
色のドットカウント値の和を、縦軸にUCのドットカウン
ト値を示す。彩度方向の分割方法は、1次色と2次色のド
ットカウント値の和を2で割ったものと、UCの値との比
較を行い、1次色と2次色のドットカウント値の和を2で
割ったものの方が大きいならば、彩度は一番円周に近い
側となりこの領域をドットカウント領域の色域として決
定できる。
【0142】1次色と2次色のドットカウント値の和を2
で割ったものと、UCの値との比較を行い、UCの値のほう
が大きく、かつUCの値を2で割ったものと、1次色と2次
色のドットカウント値の和との比較を行い、UCの値を2
で割ったものの方が大きいならば、彩度は一番中心に近
い側となりこの領域をドットカウント領域の色域として
決定でき、それ以外はその中間の領域として決定するこ
とができる。
【0143】以上、色相、彩度の決定方法をより簡単に
表現すると以下のようになる。 (色相方向) D1/2 > D2 ならば、1次色領域 D2/2 > D1 ならば、2次色領域 上記以外 ならば、中間色相領域 (彩度方向) (D1+D2)/2 > UC ならば、高彩度領域(円周側) UC > (D1+D2)/2 ならば、低彩度領域(中心側) 上記以外 ならば、中間彩度領域 このように、色域を細かく分割することにより、インク
によるつなぎスジの程度差により対応しやすくなり、ま
た、使用する色毎のつなぎスジの挙動の違いにも対応し
やすくなる。
【0144】(間引きランクグラフ)本実施例に用いる
間引きランクグラフの組み合わせの一例を図21に示
す。
【0145】本実施例では、図19に示した色域のうち
7つの領域(シアン、マゼンタ、イエロー、青、緑、
赤、UC)について使用するインク毎の間引きランクをそ
れぞれ指定することにし、それ以外の中間領域の間引き
ランクグラフについては、この7つの領域のグラフから
計算によって算出することにする。このため、ランクグ
ラフのデータ量を低減することが可能となる。
【0146】グラフの算出方法であるが、その一例とし
ては、色相方向の中間領域には1次色と2次色の平均を、
彩度方向の中間領域では高彩度と低彩度の間引きランク
の高いものを取ることとしている。
【0147】本実施例において用意する間引きランクグ
ラフの本数であるが、インク毎(シアン、マゼンタ、イ
エロー)に間引きランクを指定し、間引き領域を2分割
することも考えると、7(色域)ラ3(インク数)ラ2(間
引き領域の分割数)=42本必要になる。
【0148】このうち、例えば上記色域判定で着目して
いるドットカウント領域が青であると判定されたなら、
実際に使うのは42本のうち色域が青用の間引きランク
グラフとなる。これを取り出して図21に実線で示し
た。また、同様に色域が赤用のランクグラフを図22に
実線で示す。
【0149】先の実施例と同様に、遅延間引き処理で用
いるランクグラフを図21,22ともに破線で示した。
いずれもlower領域では遅延間引きを行わず、upper領域
でのみ遅延間引きを行なう。
【0150】通常間引き処理では、この間引きランクグ
ラフとトータルドットカウント数によりSMS間引き処理
に使用する間引きランクを決定する。一方、遅延間引き
処理においては、さらに遅延時間情報が0.8秒以上の
時のみ遅延間引き処理を行う。
【0151】このように、間引きランクグラフを、分割
された色域全てに対して指定するのではなく、基本とな
る物を指定して、その中間の領域に対しては計算でグラ
フを算出することにすれば、データ量を減らすことがで
きる。
【0152】遅延間引き処理と通常間引き処理において
ランク決定後は実施例1と同様に単位領域に対してSM
S間引きを行い、以上を1バンド分行った後、1走査分
の記録を行う。
【0153】ここで、先に説明した白から、青そしてUC
(アンダーカラー、YMCの混色)に向かうようなグラ
デーションにおける通常間引き処理について、図21を
参照して説明する。
【0154】青に向かうところではシアンインクとマゼ
ンタインクを用いて印字をしており、青のMAXになった
時点でシアン、マゼンタはそれぞれベタ印字のデータ
(最大デューティーのデータ)、つまり本例では512
となっている。この状態では、その単位領域の色域は当
然青であり、図21を参照すれば、つなぎスジを緩和さ
せるためにシアンlowerに対してはランク5(同図
(a))、マゼンタlowerに対してはランク6(同図
(c))の高率の間引きを適用する。一方、白から赤、
そしてUCに向かうグラデーションを印字する場合を図2
2を参照して説明する。赤のMAXからUCに向かうポイン
トにおいてはじめてシアンインクを使用し始めることに
なる。この点での打ち込み量は、マゼンタ、イエローそ
れぞれの最大デューティーのデータであり、先の白ッ青ッ
黒のグラデーションの場合の青から黒に向かうところと
等しい512であり、色域は当然赤である。そのため、
図22を参照すればシアンlowerに対してはランク3
(同図(a))、マゼンタlowerに対してはランク5
(同図(c))の間引き率を用いて間引きを行うことに
なる。このとき、データが入りはじめで、まばらな状態
にしかドットが配置されていないシアンのドットはラン
ク3の比較的低い間引きが施されるため、シアンドット
の抜けが目立つといった弊害は発生しない。
【0155】なお、上記、第1、第2実施例においてドッ
トカウント単位領域として16ドット(主走査方向)ラ16
ラスター(副走査方向)というものを使用しているが、特
にこの大きさにこだわる必要はなく、単位領域の大きさ
は、つなぎスジの程度や、データの処理にかかる負荷、
出力解像度等などの諸要因により決定することが望まし
い。
【0156】さらにドットカウントを行う部分である
が、第1,2実施例においては例えば図5に示したよう
に、両方のバンド間でのつなぎ部をまたいだ領域でドッ
トカウントを行ったが、これに限定されるものではな
い。先の走査の下端部のみを対象としてもよいし、つな
ぎ部に対し、後の走査の上端部にてドットカウント値を
算出しこれにより処理を行うこととしてもよい。
【0157】SMS間引き処理を行う部位も特に先の走査
の下端部に限るというものではなく、後の走査の上端、
あるいはその両方すなわち、バンド間のつなぎ部をまた
いだ領域で行うとしてももちろんよい。
【0158】このようなドットカウント領域もしくは、
SMS間引き処理領域は、使用する記録媒体と、記録イン
クの組み合わせ等により随時最適と思われる部分を指定
できるほど望ましい。そのため、用いる記録媒体に応じ
て、ドットカウント領域とSMS間引き処理領域、もしく
はそのいずれかを適時変更するのも望ましい処理であ
る。
【0159】これとともに、区分する色域数であるが、
本発明においては、2種類のパターンを示したが、この2
つに限定されるものでないことはもちろんである。
【0160】また、本発明においては基本的に1パスに
よる印字を想定してあるが、これは1パスにおいて、つ
なぎスジの発生が最も顕著であるからである。しかし、
マルチパス印字時においてもつなぎスジは程度の差こそ
あるものの発生する。そのため、マルチパス用に、パス
数に応じた間引きランクグラフを用意しておき、それを
用いてマルチパス印字時においても間引き処理を行うこ
とも有効である。
【0161】つなぎスジは、記録媒体上での記録インク
のにじみによるところがあるので、例えば高温多湿の環
境においては記録インクのにじみ具合は大きくなりつな
ぎは厳しくなる(より目立つ)。そこで、使用する外部
環境に応じて、間引きランクグラフや、間引き領域を変
更する閾値を複数持っておき、可変できるようにするこ
とは有効である。
【0162】上記実施例の構成では、使用する記録イン
クはシアン、マゼンタ、イエロー、黒としているが、通
常の所謂レギュラーインクを希釈したフォトインクと呼
ばれるものを用いるシステムにおいても本提案は使用す
ることができる。
【0163】さらに、上述の実施例では各インクの打ち
込み量に関するデータとしてY,M,Cの2値データの
形態を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定され
るものではない。インクの打ち込み量に対応するデータ
であれば、R,B,Gの多値データであってもよい。こ
の場合、インク量はデータの間引きによって低減するの
ではなく、多値のデータに低減係数をかけても良い。
【0164】また、走査間隔情報としては、キャリッジ
走査方向の印字データ長を取得して、これによりつなぎ
部分の印字時間間隔を求めても良い。これは、キャリッ
ジ走査自体にも時間を要するため、キャリッジ走査速度
や記録媒体の幅によっては走査間隔がつなぎスジの生じ
る時間となる場合があるからである。さらに、双方向印
字を行う場合は、記録位置と走査方向によっては大幅な
時間間隔が生じるため、これらの情報から印字時間間隔
を求めても良い。これらの場合、上述の実施例のように
1バンドを複数の単位領域に分割している場合は、単位
領域毎に遅延間引きランクを変更することが容易とな
り、1バンド内での遅延間引き処理を行うことが可能と
なる。
【0165】さらに、本実施例は色域を判定し、これに
基づいて間引き処理を行っているが、本発明はこれに限
定されるものではない。単につなぎ部分の印字デューテ
ィーに基づいて間引き処理を行うものにおいて、さらに
走査間隔情報に基づいて間引き処理を行うもでも良く、
さらには、単に走査間隔情報に基づいて間引き処理を行
うものでもよい。
【0166】また、上記実施例では図26(a)に示す
ように、先打ち下端で通常間引き処理、後打ち上端で遅
延間引き処理を行ったが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0167】すなわち、同図(b)に示すように先打ち
下端での通常および遅延一括処理や、同図(c)に示す
ように後打ち上端での通常および遅延一括処理であって
もよい。一括処理のため、処理の高速化や簡易化が図れ
る利点がある。
【0168】反面、同図(b)の方法では遅延時間の情
報を印字前に取得することが前提となる。しかし、遅延
が発生する原因はさまざまある。スキャン間ディレイ
や、スミア制御ならばデータの先読みにより時間を予測
することは可能であるが、昇温や、データ転送待ちある
いは量子化処理待ち等による遅延の場合は、その遅延が
果たしてどのくらいとなるのか正確に把握するのは難し
い。
【0169】遅延も終わった状態で処理を行う同図
(c)という方法も考えられるが、後打ち上端の処理
は、先打ち下端の処理に比べて、使用する紙により影響
を大きく受け、処理を有効に実施することが難しい。
【0170】同図(a)の方法ならば、遅延時間を取得
するための先読みの必要が無く、また遅延が発生した場
合にだけ通常の処理とは独立に処理することができるな
どから、他の方法に比べて実施に向いているといえるこ
の様に通常つなぎ処理を行う領域を上記のように給紙側
とするのではなく、排紙側とした場合でも、本発明のよ
うな処理は行うことができる。この場合には一度通常つ
なぎ処理を行った領域に対し場合によってはさらに処理
をかけることで可能である。このときの処理領域や間引
きパラメータは、通常処理と遅延処理とで同じにする必
要は特にないのはもちろんである。
【0171】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が
達成できるからである。
【0172】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。
【0173】この方式は所謂オンデマンド型、コンティ
ニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オン
デマンド型の場合には、液体(インク)が保持されてい
るシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体
に、記録情報に対応していて、書く沸騰を超える急速な
温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印可する
ことによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果
的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内
の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、
収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出さ
せて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号を
パルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行わ
れるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明
の米国特許第4313124号明細書に記載されている
条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが出来
る。
【0174】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に記載されているような吐出口、液路電気熱変換体の
組合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59ッ123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59ッ138461号公報に基づいた構成とし
ても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッド
の形態がどのようなものであっても、本発明によれば記
録を確実に効率よく行うことが出来るようになるからで
ある。
【0175】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0176】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定出来るので、好ましい
ものである。これらを具体的にあげれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あ
るいは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱
素子或いはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備
加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出手段をあげ
ることができる。
【0177】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたもののほか、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個設けられるものであっても
良い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個によるかのいずれでも
良いが、異なる色の複数カラー、または、混色によるフ
ルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置
にも本発明はきわめて有効である。
【0178】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以上で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30?以上70?以下の範囲内
で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にある
ように温度制御するものが一般的であるから、使用記録
信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。
加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめる
ことで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防
止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するイ
ンクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録
信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インク
が吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすで
に固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によ
ってはじめて液化する性質のインクを使用する場合も本
発明は適用可能である。このような場合のインクは、特
開昭54ッ56847号公報あるいは特開昭60ッ712
60号公報に記載されるような、多孔質シート凹部また
は貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、
電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよ
い。本発明においては、上述した各インクに対してもっ
とも有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもの
である。
【0179】さらに加えて、本発明インクジェット方式
の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像
出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合
わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0180】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、走
査(バンド)間の走査間隔情報に基づいて境界部近傍にお
けるインクの間引き量を決定しているので、走査間隔が
一定でなくてもバンド間でのつなぎスジの発生を緩和す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるインクジェット記録
装置の概略構成を一部破断で示す斜視図である。
【図2】図1に示した記録ヘッドの主要部の構造を模式
的に示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るインク・ジェット
・プリント装置における制御回路の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図4】本発明の第1実施例における処理の手順を示す
フローチャートである。
【図5】本発明の第1実施例における印字データのドッ
トカウントを行う領域と間引きを行う領域を説明する図
である。
【図6】本発明の第1実施例における記録ヘッドの構成
を示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施例における色域判定の手順を
示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施例におけるある単位領域にお
けるドットカウント値の一例を示す模式図である。
【図9】本発明の第1実施例における色域の区分の一例
を示す図である。
【図10】本発明の第1実施例における間引きランクグ
ラフの一例である。
【図11】本発明の第1実施例におけるSMS処理のカ
ウンタ値の一例である。
【図12】本発明の第1実施例における間引きランクグ
ラフの一例である。
【図13】バンドのつなぎ部ににじみが生じる原理を説
明する図である。
【図14】本発明の第1実施例におけるSMS処理によ
る印字データの処理を説明するため図である。
【図15】本発明の第1実施例におけるSMS処理によ
る印字データの処理を説明するため図である。
【図16】本発明の第1実施例における遅延間引き処理
の手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第1実施例における間引き領域を説
明するための図である。
【図18】本発明の第2実施例における記録ヘッドの構
成を示す模式図である。
【図19】本発明の第2実施例における色域の区分の一
例を示す図である。
【図20】本発明の第2実施例における色域内での分割
方法の一例を説明するための図である。
【図21】本発明の第2実施例における間引きランクグ
ラフの一例である。
【図22】本発明の第2実施例における間引きランクグ
ラフの一例である。
【図23】本発明の実施の形態におけるバンドおよび境
界部を説明するための概念図である。
【図24】本発明の実施の形態におけるマスクによる間
引き処理を説明するための概念図である。
【図25】本発明の実施の形態における被記録媒体上で
の記録インクを説明するための概念図である。
【図26】本発明の間引き処理領域を説明するための図
である。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C ヘッドカートリッジ 2 キャリッジ 4 主走査モータ 8 記録媒体 13 記録ヘッド部 22 吐出口 100 コントローラ 101 CPU 103 ROM 105 RAM 106 タイマー 110 ホスト装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 錦織 均 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 ▲高▼橋 勉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA08 EB11 EB29 EB38 EB58 EC71 FA10

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に
    走査しつつ複数の吐出口からインクを吐出させて記録媒
    体にバンド単位で記録を行うインクジェット記録装置に
    おいて、前記記録ヘッドのある走査と次の走査によって
    記録媒体に記録されるバンド同士のつなぎ部が記録され
    るのに要する時間に関連する走査間隔情報を取得する取
    得手段と、 この取得手段によって取得される走査間隔情報に基づい
    て、前記つなぎ部近傍へ打ち込むインクの量を低減させ
    る低減手段とを有することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  2. 【請求項2】 前記取得手段は、前記記録ヘッドがある
    走査と次の走査の間で休止している遅延時間を走査間隔
    情報として取得することを特徴とする請求項1記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記取得手段は、記録位置と前記記録ヘ
    ッドが走査する方向の情報を走査間隔情報として取得す
    ることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録
    装置。
  4. 【請求項4】 前記取得手段は、前記記録ヘッドが走査
    するバンドのデータ量の情報を走査間隔情報として取得
    することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
    録装置。
  5. 【請求項5】 前記低減手段は、取得した走査間隔情報
    が示す走査間隔が所定時間以上のとき、記録前記つなぎ
    部近傍へ打ち込むインクの量を低減させることを特徴と
    する請求項1記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記低減手段は、取得した走査間隔情報
    が示す走査間隔が長いほど、記録前記つなぎ部近傍へ打
    ち込むインクの量を多く低減させることを特徴とする請
    求項1記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に
    走査しつつ複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を
    行うインクジェット記録装置において、 前記記録ヘッドのある走査と次の走査によって記録媒体
    に記録されるバンド同士のつなぎ部が記録されるのに要
    する時間に関連する走査間隔情報を取得する取得手段
    と、 前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバ
    ンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる各単位領
    域毎に、当該単位領域に打ち込まれるべき各インクの量
    の相対関係を示す相対情報を獲得する獲得手段と、 この獲得手段により獲得された各単位領域毎の相対情報
    と、当該単位領域に打ち込まれるべき各インクの量を示
    す量情報に基づいて、当該単位領域内のつなぎ部近傍に
    打ち込むインクの量を低減する低減率を各インク毎に決
    定する決定手段と、 前記取得手段により取得した走査間隔情報が示す走査間
    隔が所定時間以上のとき、前記つなぎ部近傍へ打ち込む
    各インクの量を、前記決定手段によって決定されたイン
    ク毎の低減率に基づいて低減させる低減手段とを有する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記獲得手段は、各インクの量を2値の
    データの数をカウントすることで取得し、 前記決定手段は、インクの量を低減する低減率として2
    値データの間引率を決定し、前記低減手段は、前記間引
    率に基づいて2値データを間引くことを特徴とする請求
    項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に
    走査しつつ複数のインクを吐出させて記録媒体に記録を
    行うインクジェット記録方法において、 前記記録ヘッドのある走査と次の走査によって記録媒体
    に記録されるバンド同士のつなぎ部が記録されるのに要
    する時間に関連する走査間隔情報を取得し、 前記記録ヘッドの走査によって記録媒体に記録されるバ
    ンド同士のつなぎ部近傍を複数に分割してなる各単位領
    域毎に、当該単位領域に打ち込まれるべき各インクの量
    の相対関係を示す相対情報を獲得し、 獲得された各単位領域毎の相対情報と、当該単位領域に
    打ち込まれるべき各インクの量を示す量情報に基づい
    て、当該単位領域内のつなぎ部近傍に打ち込むインクの
    量を低減する低減率を各インク毎に決定し、 取得された走査間隔情報が示す走査間隔が所定時間以上
    のとき、前記つなぎ部近傍へ打ち込む各インクの量を、
    決定されたインク毎の低減率に基づいて低減させること
    を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 記録ヘッドを用い、記録インクを被記
    録媒体に吐出して印字を行う記録装置であって、 通常つなぎ処理手段と、 遅延時間を取得する手段と 遅延つなぎ処理手段とを備えたことを特徴とする記録装
    置。
  11. 【請求項11】 前記通常つなぎ処理手段として、 前記記録ヘッドの1回の走査により記録できる1バンド
    分のデータのうち、つなぎ部近傍にある印字データを、
    あらかじめ定められた画素数により形成される単位領域
    に分割し、各単位領域内のデータ数を獲得する通常獲得
    手段と、 前記獲得手段により獲得される各色毎のデータ数から、
    注目している単位領域が、いかなる色域にあるかを判定
    する通常色域判定手段と、 間引き処理を実行する領域を指定する通常間引き領域設
    定手段と、 前記獲得手段により得られるデータ数と、前記色域判定
    手段により判定された色域とに応じて間引きランクを設
    定する通常設定手段と、 前記設定手段により設定された間引きランクに応じて、
    印字データに間引き処理を実行する通常間引き処理手段
    と、を備えたことを特徴とする請求項10に記載の記録
    装置。
  12. 【請求項12】 前記遅延つなぎ処理手段として、前記
    通常つなぎ処理手段とは別に独立して、 前記記録ヘッドの1回の走査により記録できる1バンド
    分のデータのうち、つなぎ部近傍にある印字データを、
    あらかじめ定められた画素数により形成される単位領域
    に分割し、各単位領域内のデータ数を獲得する遅延獲得
    手段と、 前記獲得手段により獲得される各色毎のデータ数から、
    注目している単位領域が、いかなる色域にあるかを判定
    する遅延色域判定手段と、 間引き処理を実行する領域を指定する間引き領域設定手
    段と、 前記獲得手段により得られるデータ数と、前記色域判定
    手段により判定された色域とに応じて間引きランクを設
    定する遅延設定手段と、 前記設定手段により設定された間引きランクに応じて、
    印字データに間引き処理を実行する遅延間引き処理手段
    と、を備えたことを特徴とする請求項10または11に
    記載の記録装置。
  13. 【請求項13】 前記遅延つなぎ処理手段は、前記遅延
    情報が得られたときにのみ、前記遅延つなぎ処理を行う
    ことを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記
    載の記録装置。
  14. 【請求項14】 前記通常つなぎ処理手段と、前記遅延
    つなぎ処理手段とにおいて、データ獲得手段、ならびに
    色域判定手段を共有することを特徴とする請求項10な
    いし13のいずれかに記載の記録装置。
  15. 【請求項15】 前記遅延つなぎ処理手段において、遅
    延時間に応じて、前記遅延設定手段により設定される間
    引きランクを変更することを特徴とする請求項10ない
    し14のいずれかに記載の記録装置。
  16. 【請求項16】 前記遅延つなぎ処理手段として、前記
    通常つなぎ処理手段とは別に独立して、 記録ヘッドを用い、記録インクを被記録媒体に吐出して
    印字を行う記録装置であって、1バンド分のデータを作
    成するのに必要な領域のデータを読込みの読み込みを行
    うデータ読み込み手段と、 前記読込み手段のうち、記録ヘッドの1回の走査により
    記録できる1バンド分のデータのなかで、次の走査との
    つなぎの部分となる領域近傍の印字データを、あらかじ
    め定められた画素数により形成される単位領域に分割
    し、各単位領域内のデータ数を獲得する獲得手段と、 前記獲得手段により獲得される各色毎のデータ数から、
    注目している単位領域が、いかなる色域にあるかを判定
    する色域判定手段と、 間引き処理を実行する領域を指定する間引き領域設定手
    段と、 前記獲得手段により得られるデータ数と、前記色域判定
    手段により判定された色域とに応じて間引きランクを設
    定し、さらに前記印字データの被記録媒体上の位置と、
    その際の印字方向に応じて、間引きランクの変更を行え
    る設定手段と、 前記設定手段により設定された間引きランクに応じて、
    印字データに間引き処理を実行する間引き処理手段と、 を備えたことを特徴とする請求項10または11に記載
    の記録装置。
  17. 【請求項17】 前記遅延つなぎ処理手段において、環
    境温度情報を取得する環境温度情報取得手段を備え、前
    記環境温度情報取得手段により得られる環境温度に応じ
    て、前記遅延設定手段により設定される間引きランクを
    変更することを特徴とする請求項10ないし16のいず
    れかに記載の記録装置。
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