JP2002103072A - アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法 - Google Patents

アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接に
おいて、めっき層中のアルミが溶接金属へ混入すること
による溶接部の引張強度の低下、およびフェライト粒の
粗大化による疲労強度の劣化を防止できるアルミめっき
鋼板の重ね合わせレーザ溶接を提供する 【解決手段】 アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶
接方法において、アシストガスとして、窒素ガスを50
vol%以上含有し、その他のガスがアルゴンガス、ヘ
リウムガスまたは炭酸ガスのうちの少なくとも1種また
は2種以上である混合ガスを用いるアルミめっき鋼板の
重ね合わせレーザ溶接方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や自動二輪
の部品、家電製品、産業機器等の製造における耐食性に
優れためっき鋼板の溶接方法に関し、詳しくは、アルミ
めっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車や自動二輪の燃料タンク等
の防錆性が必要とされる部材として鉛めっき鋼板が用い
られてきたが、近年、環境問題の点からこれに代わる素
材としてアルミめっき鋼板が使用され、めっき層の劣化
が少ないレーザ溶接を用いて重ね合わせ溶接するように
なってきた。
【0003】従来、アルミめっき鋼板の重ね合わせレー
ザ溶接の溶接では、めっき層中のアルミが溶接金属中に
多量に混入してアルミの局部濃化部や鉄との金属間化合
物を形成し、溶接金属部の引張強度等の機械的特性を低
下させるという問題があった。
【0004】この問題に対して、例えば、特開平9−1
55575号公報では、アルミめっき鋼板のレーザ溶接
部の周囲の重ね合わせ部に隙間を設けてレーザ溶接し、
レーザ溶接時に先に溶融したアルミを逃がすことによっ
て良好なレーザ溶接部強度を得ようとする方法が開示さ
れている。
【0005】また、特開平10−71480号公報で
は、亜鉛やアルミ等のめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶
接する際に、レーザビームを2次元軌跡で特定の走査範
囲内で走査して、溶融金属を撹拌することによりレーザ
溶接部の溶接欠陥を抑制する方法が開示されている。
【0006】特開平10−296472号公報では、ア
ルミめっき鋼板を重ね合わせレーザ溶接する際に、酸素
を多量に含有させたシールドガスを用いることにより、
溶接時に溶融金属中の溶融アルミ、シリコン等の不要成
分を酸化物として、溶融部から排出させることにより、
接合部の強度を高める方法が開示されている。
【0007】しかしながら、これらの従来方法では、レ
ーザ溶接時の溶接金属中のアルミの濃化を抑制して溶接
金属の引張強度を向上させることができるものの、溶接
金属が粗大なフェライト組織となり疲労強度が低下する
ことは抑制できない。例えば、振動がともなう環境で使
用される自動車及び自動二輪用燃料タンク等を製造する
際にアルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接が適用さ
れる場合は、そのレーザ溶接継手部の疲労強度特性の向
上が要求される。
【0008】また、特開平6−79484号公報では、
少なくとも1つの材料が母材よりも低融点の物質からな
る被覆層を有する板材の重ね合わせ溶接において、アシ
ストガスとして不活性ガスまたは窒素ガスに、全体に対
する容積比が5〜30%の酸素ガスを混合した混合ガス
を用いるレーザ溶接方法が記載されている。しかしなが
ら、この溶接方法は、実質的に亜鉛メッキ鋼板のレーザ
溶接を対象とするもので、アシストガス中に酸素ガスを
含有させることを特徴としている。つまり、アシストガ
ス中の酸素によりメッキ層を酸化、燃焼させてレーザビ
ーム照射部からの熱伝導で、メッキ層が気化して生じる
爆発的な現象を防止しようとするもので、レーザ溶接継
手部の引張強度及び疲労強度を向上させることを目的と
する技術でない。
【0009】したがって、アルミめっき鋼板の重ね合わ
せレーザ溶接におけるレーザ溶接継手部の溶接金属の引
張強度とともに疲労強度特性を向上できるレーザ溶接技
術が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術の問題
点に鑑みて、本発明は、アルミめっき鋼板の重ね合わせ
レーザ溶接において、めっき層中のアルミが溶接金属へ
混入することによる溶接部の引張強度の低下、及びフェ
ライト粒の粗大化による疲労強度の劣化を防止できるア
ルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであり、その要旨とするところは、以下の
通りである。
【0012】(1) アルミめっき鋼板の重ね合わせレ
ーザ溶接方法において、アシストガスとして、窒素ガス
を50vol%以上含有し、その他のガスがアルゴンガ
ス、ヘリウムガスまたは炭酸ガスのうちの少なくとも1
種または2種以上である混合ガスを用いることを特徴と
するアルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法。
【0013】(2) 前記アルミめっき鋼板の重ね合わ
せレーザ溶接方法において、さらに、レーザビームを溶
接進行方向またはこれに直角な方向の1次元走査、ある
いは溶接進行方向及びこれに直角な方向の2次元走査を
させるとともに、その走査の範囲がレーザビームの集光
スポット径の0.5〜3倍となるように溶接進行方向に
レーザ溶接することを特徴とする上記(1)に記載のア
ルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法。
【0014】(3) 前記アルミめっき鋼板の重ね合わ
せレーザ溶接方法において、さらに、溶接部の周囲のア
ルミめっき鋼板に板厚の0.1〜0.5倍の間隙を設け
ることを特徴とする上記(1)または(2)の何れかに
記載のアルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細について説明
する。
【0016】図1に、本発明のアルミめっき鋼板の重ね
合わせレーザ溶接を行う場合の実施形態の一例を示す。
また、図2に、本発明の別の実施形態の一例として、ア
ルミめっき鋼板を用いてタンクを作製する場合のフラン
ジ部の重ね合わせレーザ溶接を示す。
【0017】被溶接材である2枚のアルミめっき鋼板
1、2は、それらの一部が互いに密着または所定の間隙
8をもって重なり合った状態で拘束具3a、3b及び4
a、4bにより拘束され、アルミめっき鋼板1、2の重
ね合わせ部は、レーザ照射トーチ6によってアシストガ
ス7を噴射しながらレーザビーム9の照射によって溶接
される。
【0018】図1及び図2に示されるアシストガス7と
して、従来は、ArまたはHeが一般的に用いられてい
た。また、上述のように特開平10−296472号公
報等では、溶接部の強度低下を目的として酸素を多量に
含有させたアシストガスを用いることが知られている。
【0019】これらの従来技術に対して、本発明の第一
の特徴は、アシストガスとして、窒素ガスを50vol
%以上含有するガスを用いることにある。
【0020】従来、窒素ガスは、非常に安価であるにも
関わらず、低炭素鋼板のレーザ溶接の場合にレーザによ
り解離または電離された窒素が溶鋼中に溶解してブロー
ホール欠陥を発生させるため、一般に利用されていなか
った。
【0021】しかしながら、本発明者らの実験等による
検討の結果、アルミめっき鋼板のCO2レーザまたはY
AGレーザ等を用いた重ね合わせレーザ溶接において
は、窒素を多量に含有したアシストガスを用いることに
より、溶融金属のブローホール欠陥の問題がないばかり
か、従来のアルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接時
の溶接金属へのアルミの混入による溶接部強度及び疲労
強度の低下を防止できることがわかった。
【0022】従来、表裏層にアルミめっき層をもつアル
ミめっき鋼板同士を密着して重ね合わせてレーザ溶接す
ると、めっき層中のアルミが溶接金属中で局部的に濃
化、または鉄との金属間化合物を形成して溶接部の引張
強度が低下することが知られている。また、発明者らの
実験結果によれば、溶接金属中に溶けたアルミは、Al
がフェライト生成元素であるために溶接金属を粗大なフ
ェライト粒とし溶接金属の疲労強度も低下させることが
わかった。
【0023】本発明のアルミめっき鋼板の重ね合わせレ
ーザ溶接において、窒素を多量に含有したアシストガス
を用いることにより、溶接金属の引張強度及び疲労強度
を向上することができる理由は、以下のように考えられ
る。
【0024】窒素を多量に含有したガスを噴射させなが
らアルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接を行うこと
により、溶鋼の流動性を改善してアルミの局部濃化を抑
制するとともに、溶融金属中に溶け込んだめっき層中の
アルミを、アシストガスから供給された窒素と反応させ
てアルミ窒化物とし、アルミのフェライト生成能力を失
わせ、結果的に溶接金属の引っ張り強度が向上したもの
と考えられる。また、溶鋼に多量に溶解した窒素はオー
ステナイト生成元素として働くことから溶接金属のフェ
ライト粒の生成と粗粒化を抑制することにより、結果的
に溶接金属の疲労強度が向上したものと考えられる。
【0025】発明者らの実験結果等の検討結果から、以
上の溶接金属の引っ張り強度及び疲労強度の向上効果
は、アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接の際に用
いるアシストガス中の窒素ガス濃度が50vol%以上
の場合に充分発揮されることがわかっている。
【0026】以上から、本発明では、アルミめっき鋼板
の重ね合わせレーザ溶接の際に用いるアシストガスとし
て、窒素ガスを50vol%以上、好ましくは窒素ガス
を65vol%以上含有し、その他のガスがアルゴンガ
ス、ヘリウムガスまたは炭酸ガスのうちの少なくとも1
種または2種以上である混合ガスを用いることが必要で
ある。アシストガス中の窒素濃度が50vol%未満に
なると、上記の溶接金属の引っ張り強度及び疲労強度の
向上効果が充分に発揮されない。
【0027】また、本発明で使用するレーザ溶接時のア
シストガス中の窒素源として、空気を用いることができ
る。空気は、その組成として、通常、窒素が約80vo
l%含まれており、上記の本発明の窒素濃度範囲を満た
しており、空気をアシストガスとして用いることにより
上記の溶接金属の引っ張り強度及び溶接部強度の向上効
果が充分得られる。また、空気を、アルゴンガス、ヘリ
ウムガスまたは炭酸ガスのうちの少なくとも1種または
2種以上と混合してアシストガスとして用いる場合に
は、アシストガス中の窒素による上記の溶接金属の引っ
張り強度及び溶接部強度の向上効果を充分得るために、
アシストガス中の空気の含有量を70vol%以上、好
ましくは85vol%以上とする必要がある。
【0028】また、本発明では、上記の窒素ガスを50
vol%以上含有するアシストガスを用いるとともに、
さらに、レーザビームを溶接進行方向またはこれに直角
な方向の1次元走査、あるいは溶接進行方向及びこれに
直角な方向の2次元走査させ、かつその走査の範囲がレ
ーザビームの集光スポット径の0.5〜3倍となるよう
に溶接進行方向にレーザ溶接するビームを走査しながら
アルミめっき鋼板をレーザ溶接することで溶接部の引っ
張り強度及び疲労強度をさらに向上できる。
【0029】これは、窒素ガスを50vol%以上含有
するアシストガスを用いるとともに、溶接中にレーザビ
ームを走査することによって溶接金属の溶融池を撹拌す
ることによって、溶融金属中の溶融アルミの局部的濃化
を抑制し、溶融金属中の溶解アルミと溶解窒素とのアル
ミ窒化物の形成及びアルミ窒化物の分散化を促進すると
ともに、溶接金属組織の均質化を促進するためである。
【0030】このような効果を充分得るためには、溶接
中のレーザビームの走査の範囲をレーザビームの集光ス
ポット径の0.5〜3倍とする必要があり、レーザビー
ムの集光スポット径の0.5倍未満では、溶融金属の撹
拌が不十分なためアルミの局部的濃化を充分に防止でき
ず、レーザビームの集光スポット径の3倍を超えると溶
接時にスパッタが飛散し、またレーザビームの貫通能力
が低下するので必要溶融深さが得られない。
【0031】レーザビームの走査方向は溶接進行方向に
対し直角または平行とし、そして走査法は等速往復運動
または単振動とすることができる。溶接進行方向に直角
かつ等速往復運動の1次元走査とする場合、ビームの中
心は図4のような軌跡を描くこととなる。また、レーザ
ビームの基準軸を中心とした円運動の2次元走査とする
場合、ビームの中心は図5のような軌跡を描くこととな
る。
【0032】本発明では、上記の窒素ガスを50vol
%以上含有するアシストガスを用いるとともに、さら
に、溶接部の周囲のアルミめっき鋼板に板厚の0.1〜
0.5倍の間隙を設けてレーザ溶接することで溶接部の
引っ張り強度及び疲労強度をさらに向上できる。
【0033】これは、窒素ガスを50vol%以上含有
するアシストガスを用いるとともに、溶接部の周囲のア
ルミめっき鋼板に板厚の0.1〜0.5倍の間隙を設け
てレーザ溶接することによって、前述の溶接金属中への
窒素溶解によるフェライト結晶粒の粗粒化の抑制ととも
に、低融点のアルミを間隙から逃がすことにより溶接金
属中のアルミの局部的濃化を効果的に抑制するためであ
る。
【0034】本発明において、溶接部の周囲のアルミめ
っき鋼板の隙間を板厚の0.1〜0.5倍としたのは、
0.1倍未満では、低融点のアルミを間隙から逃がして
溶接金属中のアルミの局部的濃化を抑制する充分な効果
を得られず、0.5倍を超えると、隙間への溶融金属の
流れ込みによるアンダービードの問題が生じるためであ
る。
【0035】
【実施例】以下に本発明の効果を以下の実施例により説
明する。
【0036】図6に実機試験に用いた被接合材であるア
ルミめっき鋼板のレーザ溶接継手の平面図と側面図を示
す。図6に示した片面当たり目付量30gr/m2で両
面に溶融めっきされた板厚0.8mmのアルミめっき鋼
板1、2の重ね合わせ部を表1または表2に示すシール
ドガス、重ね合わせ部の隙間8、レーザビームの走査条
件、溶接速度でCO2レーザまたはYAGレーザにより
溶接し、溶接継手の引っ張り強度及び疲労強度を評価し
た。
【0037】なお、レーザ溶接条件としては、CO2
ーザの場合は、レーザ発振出力を5kW、溶接速度を3
m/minとし、YAGレーザの場合は、レーザ発振出
力を3kW、溶接速度を2m/minの一定条件とし
た。また、レーザビームの焦点距離は、レーザビームを
走査する場合は、250mm、走査しない場合は、20
0mmとした。
【0038】CO2レーザ、YAGレーザともにレーザ
ビームは、鋼板直上に集光し、その集光スポット径は約
0.5mmであった。溶接ビード5が10mm長の重ね
合わせ部の先端から5mmの位置に形成されるように溶
接した。
【0039】表1及び表2中に示された静的引張強度
は、母材強度の90%以上のものを良好(○)、90%未
満80%以上をやや不良(△)、80%以下を不良(×)と
して判定した。また、レーザ溶接継手の疲労試験は、荷
重比0(=最低荷重/最高荷重)、周波数1Hzの完全片
振りで行い、2万回振動したときの疲労強度を求めた。
【0040】表1及び表2中に示された疲労強度は、シ
ールドガスとして純Arを使用し、鋼板を隙間を設けず
に密着させて重ね合わせ溶接した場合のレーザ溶接継手
の2万回疲労強度を1.0とし、この疲労強度に対する
相対的な疲労強度を示す。
【0041】表1は、CO2レーザを用いた場合のレー
ザ溶接継手の試験結果を示す。また、表2には、YAG
レーザをを用いた場合のレーザ溶接継手の試験結果を示
す。
【0042】表1及び表2から、シールドガス、重ね合
わせ部の隙間、レーザビームの走査範囲が本発明の範囲
内である発明例(表1のNo.4〜8、表2のNo.7
〜11)は、本発明の範囲から外れる比較例(表1のN
o.1〜3、表2のNo.1〜6)に比べて溶接金属の
静的引張強度及び疲労強度がともに優れたレーザ溶接継
手が得られた。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、アルミめっき鋼板の重
ね合わせレーザ溶接において、溶接金属の静的引張強度
及び疲労強度をともに向上させることができ、自動車産
業上利するところ甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ
溶接方法の実施形態の一例を示す模式図である。
【図2】本発明のアルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ
溶接方法の実施形態の一例を示す模式図である。
【図3】本発明のレーザビームの走査を行わない場合の
実施形態の一例を示す模式図である。
【図4】本発明のレーザビームの走査を行う場合の走査
パターンの実施形態の一例を示す模式図である。
【図5】本発明のレーザビームの走査を行う場合の走査
パターンの実施形態の一例を示す模式図である。
【図6】本発明の溶接継手を示す図であり、(a)は平
面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1、2 アルミめっき鋼板 3、3a、3b 拘束具 4、4a、4b 拘束具 5 溶接ビード(溶接部) 6 レーザ照射トーチ 7 アシストガス 8 重ね合わせ部の間隙 9 レーザビーム 10レーザビーム軌跡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 康信 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 田中 隆 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 小原 昌弘 大分市大字西ノ州1番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内 (72)発明者 近藤 正恒 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4E068 CE02 DA14 DB01 DB15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶
    接方法において、アシストガスとして、窒素ガスを50
    vol%以上含有し、その他のガスがアルゴンガス、ヘ
    リウムガスまたは炭酸ガスのうちの少なくとも1種また
    は2種以上である混合ガスを用いることを特徴とするア
    ルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記アルミめっき鋼板の重ね合わせレー
    ザ溶接方法において、さらに、レーザビームを溶接進行
    方向またはこれに直角な方向の1次元走査、あるいは溶
    接進行方向及びこれに直角な方向の2次元走査をさせる
    とともに、その走査の範囲がレーザビームの集光スポッ
    ト径の0.5〜3倍となるように溶接進行方向にレーザ
    溶接することを特徴とする請求項1に記載のアルミめっ
    き鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記アルミめっき鋼板の重ね合わせレー
    ザ溶接方法において、さらに、溶接部の周囲のアルミめ
    っき鋼板に板厚の0.1〜0.5倍の間隙を設けること
    を特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の
    アルミめっき鋼板の重ね合わせレーザ溶接方法。
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