JP2002096652A - カウンタステア判定装置 - Google Patents

カウンタステア判定装置

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JP2002096652A
JP2002096652A JP2000290488A JP2000290488A JP2002096652A JP 2002096652 A JP2002096652 A JP 2002096652A JP 2000290488 A JP2000290488 A JP 2000290488A JP 2000290488 A JP2000290488 A JP 2000290488A JP 2002096652 A JP2002096652 A JP 2002096652A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カウンタステア状態を早期に判定する。 【解決手段】 電子制御ユニットのカウンタステア判定
部(60)は、実横加速度(RGy)を入力すると共
に、車体速(RVB)と操舵角(θS)とから算出された
計算横加速度(Gy)を入力し、実横加速度の大きさが
計算横加速度の大きさよりも大きいときにカウンタステ
ア状態を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カウンタステア判
定装置に関し、特に、カウンタステア状態を早期に判定
可能なカウンタステア判定装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】車両の左右駆動輪の間に左右輪の
差動を許容する差動装置を装備した車両は旋回性に優れ
るが、いずれか一方の駆動輪がスリップしたときに車両
走行を行えなくなるおそれがある。このため、左右輪の
駆動力伝達経路間に差動制限装置を設け、同装置が発生
する拘束力により左右輪の差動を必要に応じて制限する
ことが知られている。また、四輪駆動車の回頭性と走行
安定性とを両立させるために、前後輪間の差動を許容す
る差動装置と共に差動制限装置を設けることがある。
【0003】一般に、差動制限装置の拘束力により車輪
間の差動を制限すると車両の走行安定性が高まる一方、
拘束力を弱めると車両の回頭性が向上する。そこで、差
動装置と共に差動制限装置を装備した車両では、ドリフ
ト走行などでカウンタステア状態が生じたときに、差動
制限装置により拘束力を発生させて走行安定性を高める
ようにしている。この様に、差動制限装置を適正に動作
させるなどの観点から、カウンタステア状態の判定が必
要になる。
【0004】従来のカウンタステア判定は、例えば特登
2715657号に記載のように、横加速度検出手段が
検出した車両の横加速度から得られる車両の旋回方向と
操舵角検出手段が検出した操舵方向とが一致しない場合
にカウンタステア状態を判定するものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
なカウンタステア判定によれば、いっぱいに切ったステ
アリングハンドルを運転者が中立ハンドル位置まで戻し
たときに初めてカウンタステア状態が判定されるので、
判定遅れが生じ、例えばカウンタステア判定に基づく差
動制限装置の動作が適正に行われずに走行安定性が低下
することがある。
【0006】そこで、本発明は、カウンタステア状態を
早期に判定可能なカウンタステア判定装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
によるカウンタステア判定装置は、横加速度検出手段が
検出した実横加速度の大きさと、車速と操舵角とから横
加速度算出手段が算出した計算横加速度の大きさとに基
づいてカウンタステア状態を検出するカウンタステア判
定手段を備えることを特徴とする。
【0008】実横加速度と計算横加速度との大小関係は
カウンタステア状態の有無によって異なり、従って、実
横加速度の大きさと計算横加速度の大きさとに基づいて
カウンタステア状態を検出可能である。しかも、現時点
での実横加速度を横加速度検出手段により検出でき、ま
た、計算横加速度は現時点での車速および操舵角から迅
速に算出可能であるので、実横加速度および計算横加速
度に基づくカウンタステア状態の検出は、中立操舵位置
へステアリングハンドルが戻るのを待つことなく迅速に
行われ、カウンタステア判定上の遅れを来すおそれがな
い。
【0009】請求項2に記載のカウンタステア判定装置
は、実横加速度の大きさが計算横加速度の大きさよりも
大きいときにカウンタステア状態を検出するものとなっ
ている。一般に、車両はアンダステア傾向を呈する操舵
特性を有し、通常の操舵状況では実横加速度の大きさが
計算横加速度の大きさに等しいかこれよりも小さくな
る。従って、実横加速度の大きさが計算横加速度の大き
さよりも大きいときには、ステアリングハンドルが戻さ
れていると判断でき、この判定条件が成立したときにカ
ウンタステア状態を検出することにより、カウンタステ
ア判定が正確かつ迅速に行われる。
【0010】請求項3に記載のカウンタステア判定装置
は、実横加速度RGy、計算横加速度Gyならびに定数
α、β、γの間にRGy>γかつα×RGy−β>Gy
という関係またはRGy<−γかつα×RGy+β<G
yという関係が成立したときにカウンタステア状態を検
出するものとなっている。ここで、実横加速度RGyと
計算横加速度Gyを座標軸とする操舵状況判定平面を想
定した場合、上記の3つの定数α、β及びγがいずれも
ゼロであれば、この判定平面においてカウンタステア状
態判定域と非カウンタステア状態判定域とが互いに隣り
合うことになり、特に実横加速度RGyや計算横加速度
Gyが小さい操舵領域においてカウンタステア状態の有
無を誤判定するおそれがある。
【0011】請求項3の発明では、定数α、β、γを適
宜の値に設定することにより、カウンタステア状態判定
域が、非カウンタステア状態判定域との境界から遠ざか
るように適度に縮小される。この様にカウンタステア状
態判定域を設定することにより、特に実横加速度RGy
や計算横加速度Gyが小さい領域での誤判定が防止され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
カウンタステア判定装置を説明する。本実施形態のカウ
ンタステア判定装置は、差動制限装置たとえばセンタデ
ィファレンシャル(以下、センタデフという)とその差
動を制限する差動制限装置とを有した車両に搭載され
る。
【0013】図1に示すように、センタデフ1は、エン
ジン4の回転を変速機5を介して入力するリングギア6
と、これと一体回転可能なピニオンギアと、これに噛み
合う一対のサイドギアとを有し、両サイドギアの一方は
フロントディファレンシャル(以下、フロントデフとい
う)2のアウタケーシングに連結されている。また、ア
ウタケーシングの外周に設けられたリングギア10は、
ピニオンギア11及びプロペラシャフト12を介してリ
アディファレンシャル(以下、リアデフという)13に
連結されている。従って、上記一方のサイドギアおよび
フロントデフ2のアウタケーシングの回転が、リングギ
ア10、ピニオンギア11、プロペラシャフト12およ
びリアデフ13を介してドライブシャフト14に伝達さ
れて、左右後輪3Rが回転駆動されるようになってい
る。
【0014】詳細な図示を省略するが、センタデフ1の
他方のサイドギアはフロントデフ2のインナケーシング
に接続され、インナケーシング内に支持された一対のプ
ラネタリギアは、左右のドライブシャフト17の内方端
に形成されたサンギアにそれぞれ噛合している。従っ
て、このサイドギアおよびインナケーシングの回転がプ
ラネタリギアとこれに噛み合うサンギアを経てドライブ
シャフト17に伝達され、左右前輪3Fが回転駆動され
ることになる。この際、プラネタリギアの自転により左
右前輪間の回転差が許容される。
【0015】また、フロントデフ2のアウタケーシング
とインナケーシングとの間には,差動制限手段としての
油圧多板クラッチ(図示略)が設けられ、この油圧多板
クラッチには油圧ユニット20から作動油が供給され
る。油圧多板クラッチは、ソレノイドバルブ21で制御
される作動油供給状態に応じてその係合状態が変化し、
係合状態に応じた拘束トルクを発生して、両ケーシング
の相対回転を規制するものとなっている。すなわち、油
圧多板クラッチの完全開放時(拘束トルク0)にはフロ
ントデフ2のアウタケーシング及びインナケーシングが
回転規制されることなく、50:50の比率で前輪3F
側と後輪3R側へのトルク配分が行われる。一方、油圧
多板クラッチの完全係合時(拘束トルク最大)には両ケ
ーシングが回転規制されて、前後輪3F,3Rの接地荷
重に応じた比率でトルク配分が行われる。
【0016】車室内には、マイクロプロセッサなどから
構成された4WD用ECU(電子制御ユニット)31が
図示しないエンジン・変速機用ECUやABS用ECU
と共に設置されている。ECU31の入力側には、前後
左右輪3F,3Rの車輪速VFL,VFR,VRL,V
RRをそれぞれ検出する車輪速センサ32と、車両に作
用する前後方向加速度Gxを検出する前後加速度センサ
33と、車両に作用する実横加速度RGyを検出する横
加速度センサ34と、車体速RVBを検出する車体速セ
ンサ35と、エンジン4のスロットル開度TPSを検出
するスロットルセンサ36と、ステアリング操舵角θs
を検出する操舵角センサ37とが接続されている。ま
た、ECU31の出力側には、ソレノイドバルブ21が
接続されている。
【0017】差動制限に関連して、ECU31は、図2
及び図3に示す前後差回転拘束トルク設定部41、前後
G比例拘束トルク設定部42、加速対応拘束トルク設定
部43、減速対応拘束トルク設定部44および最終拘束
トルク設定部45のそれぞれの機能を奏するものとなっ
ている。後述のように、設定部41〜44で設定された
拘束トルクTv,Tx,Ta,Tbから最終拘束トルクTfi
nalが設定され、この最終拘束トルクTfinalに応じて油
圧多板クラッチが発生する拘束トルクが制御される。す
なわち、設定部41〜45は、油圧ユニット20、ソレ
ノイドバルブ21および油圧多板クラッチを含む差動制
限装置の制御部を構成している。
【0018】前後差回転拘束トルク設定部41は、旋回
時の車両挙動を適正にすべく、前後輪回転差に基づいて
前後差回転拘束トルクTvを設定するものである。この
拘束トルク設定部41の前輪平均処理部51では左右前
輪3Fの車輪速VFL,VFRが平均化されて前輪車輪
速VFが算出され、後輪平均処理部52では左右後輪3
Rの車輪速VRL,VRRが平均化されて後輪車輪速V
Rが算出される。更に、実前後差回転算出部53では、
後輪車輪速VRから前輪車輪速VFが減算され、実前後
差回転ΔVcdが算出される。
【0019】また、推定車体速算出部54では、車輪速
VFL,VFR,VRL,VRRのうち2番目に小さい
車輪速が表す現在の車体速が、前後加速度センサ33に
て検出され現時点以降の車体速変化を表す前後加速度G
xで補正され、推定車体速VBが算出される。理想前後差
回転算出部55では、図2の算出部55ブロック内に概
略的に示したマップに従い推定車体速VBと操舵角セン
サ37にて検出された操舵角θsとから理想前後差回転
ΔVhcが算出される。このマップにおいて、理想前後差
回転ΔVhcは、推定車体速VBが所定値未満の低速域で
は負側に設定される一方、所定値以上の高速域では正側
に設定され、また、操舵角θsが大であるほどΔVhcの
絶対値が操舵角θsの増大につれて大きな値をとるよう
に設定されている。つまり、低速域での旋回時には円滑
な旋回を図るために後輪車輪速VRを前輪車輪速VFよ
りも小さくする一方、高速域での旋回時には後輪3Rを
スリップさせて良好な回頭性を実現するために後輪車輪
速VRを前輪車輪速VFよりも大きくするものになって
いる。
【0020】次に、ΔVc設定部56では、実前後差回
転ΔVcdと理想前後差回転ΔVhcとに基づき下表から差
ΔVcが設定される。
【0021】
【表1】
【0022】表1における差ΔVcの設定は、センタデ
フ1の拘束トルクが実前後差回転ΔVcdを0とする方向
にしか作用しない点を考慮した上で、実前後差回転ΔV
cdを理想前後差回転ΔVhcに可能な限り接近させること
を企図している。つまり、表1に示す状況及びのよ
うに理想前後差回転ΔVhcと実前後差回転ΔVcdとが同
符号であると共にΔVcdがΔVhcよりも大のときには、
両者の差に等しい拘束トルクΔVcを発生させることで
両者を一致させ、状況及びのように理想前後差回転
ΔVhcと実前後差回転ΔVcdとが同符号であると共にΔ
VcdがΔVhcよりも小のときには、拘束トルクΔVcを
発生させると却って両者の差が増大するためΔVc=0
とし、また、状況及びのように理想前後差回転ΔV
hcと実前後差回転ΔVcdとが異符号のときには、実前後
差回転ΔVcdを0にする拘束トルクΔVcを発生させて
ΔVcdをΔVhcに接近させるものとなっている。
【0023】拘束トルク算出部58は、ΔVc設定部5
6で設定された差ΔVcをC/S補正部57を介して入
力する。拘束トルク算出部58では、そのブロック中に
示したマップに基づいて差ΔVcから前後差回転拘束ト
ルクTvが算出される。このマップにおいて、差ΔVcが
0である付近に不感帯が設けられ、また、差ΔVcの絶
対値が大きいほど前後差回転拘束トルクTvが増加する
ように設定されている。
【0024】一方、横G推定部59では、操舵角センサ
37にて検出された操舵角θsと車体速センサ35にて
検出された車体速RVB(より一般的には車速)とに基
づき計算横加速度Gyが算出される。また、カウンタス
テア判定部(以下、C/S判定部という)60では、こ
の計算横加速度Gyと横加速度センサ34にて検出され
た実横加速度RGyとに基づき現在の操舵状況がカウン
タステア状態であるか否かが判定される。C/S判定部
60は、横加速度検出手段としての横加速度センサ34
と横加速度算出手段としての横G推定部59と共に、カ
ウンタステア判定装置を構成している。
【0025】車両は一般にアンダステア傾向を呈する操
舵特性を有し、従って、通常の操舵状況では実横加速度
RGyの大きさ(絶対値)が計算横加速度Gyの大きさ
よりも小さくなるとの認識の下で、本実施形態では、実
横加速度RGyの大きさが計算横加速度Gyの大きさよ
りも大きいときに、好ましくは、実横加速度RGy、計
算横加速度Gyならびに定数α、βおよびγの間にRG
y>γかつα×RGy−β>Gyという第1の関係また
はRGy<−γかつα×RGy+β<Gyという第2の
関係が成立したときにカウンタステア状態を検出するよ
うにしている。ここで、定数α、βおよびγは、適宜の
値に設定され、C/S判定部60に内蔵のメモリに予め
格納される。定数α、βおよびγの全てが値ゼロに設定
されることはない。
【0026】さて、図4に示すように、実横加速度RG
yおよび計算横加速度Gyを横軸および縦軸にとった操
舵状況判定平面を想定すると、上記第1および第2の関
係は、図4に斜線を施して示す第1および第2カウンタ
ステア状態判定域において成立するといえる。定数α=
1、β=γ=0の場合、カウンタステア状態判定域は、
実横加速度RGyが正の領域では図4に示す直線L1
(Gy=RGy)の下側において直線L1と縦軸とで囲
まれる領域に対応し、また、RGyが負の領域では直線
L1の上側において直線L1と縦軸とで囲まれる領域に
対応し、非カウンタステア状態判定域に隣り合う。この
様な判定域と比べ、本実施形態の第1及び第2カウンタ
ステア状態判定域は、直線L1および縦軸から遠ざかる
ように適度に縮小され、これにより誤判定を防止するよ
うにしている。
【0027】カウンタステア状態の有無の判定にあた
り、C/S判定部60は、図5に示すカウンタステア判
定ルーチンを実行する。この判定ルーチンにおいて、C
/S判定部60は、現時点での実横加速度RGyを表す
横加速度センサ34出力を読み込むと共に内蔵のメモリ
から判定基準値としての定数γを読み出し、実横加速度
RGyが判定基準値γよりも大きいか否かを判別する
(ステップS1)。RGy>γであることがステップS
1で判別されると、横G推定部59から計算横加速度G
yを読み込む一方、実横加速度RGyに定数αを乗じた
値から定数βを減じることにより判定パラメータα×R
Gy−βを算出し、次に、この判定パラメータ値が計算
横加速度Gyよりも大きいか否かを判別する(ステップ
S2)。
【0028】ステップS2での判別結果が否定であれ
ば、現在の操舵状況が、図4に示す第1非カウンタステ
ア状態判定域に属していると判断して、判定フラグCS
Hを非カウンタステア状態を表す値0に設定する(ステ
ップS3)。一方、ステップS2での判別結果が肯定で
あれば、現在の操舵状況が、図4に示す第1カウンタス
テア状態判定域に属していると判断して、フラグCSH
をカウンタステア状態を表す値1に設定する(ステップ
S4)。
【0029】また、ステップS1で実横加速度RGyが
定数γよりも大きくないと判別した場合、C/S判定部
60は、実横加速度RGyが定数γの符号を反転した値
−γよりも小さいか否かを判別し(ステップS5)、こ
の判別結果が肯定であれば、実横加速度RGyに定数α
を乗じた値に定数βを加えることにより判定パラメータ
α×RGy+βを算出し、次に、この判定パラメータ値
が計算横加速度Gyよりも小さいか否かを判別する(ス
テップS6)。
【0030】ステップS5またはステップS6の判別結
果が否定であれば、現在の操舵状況が、図4に示す第2
非カウンタステア状態判定域に属していると判断して、
判定フラグCSHを非カウンタステア状態を表す値0に
設定する(ステップS7)。一方、ステップS6での判
別結果が肯定であれば、現在の操舵状況が、図4に示す
第2カウンタステア状態判定域に属していると判断し
て、フラグCSHをカウンタステア状態を表す値1に設
定する(ステップS4)。
【0031】上記の判定では、計算横加速度Gyよりも
大きな横加速度RGyが発生している場合に、カウンタ
ステア状態にあると推定されてカウンタステア判定(フ
ラグCSH=1)が下され、逆の場合に非カウンタステ
ア判定(CSH=0)が下される。また、この判定に際
して、既述のように適度に縮小したカウンタステア状態
判定域を用いるので、特に実横加速度RGyや計算横加
速度Gyが小さい操舵領域における操舵状況についての
誤判定防止が図られる。
【0032】図2を再び参照すると、C/S補正部57
は、非カウンタステア判定時(CSH=0)にはΔVc
設定部56から入力された差ΔVcをそのまま拘束トル
ク算出部58に出力する一方、カウンタステア判定時
(CSH=1)には操舵角θsに基づいて算出された理
想前後差回転ΔVhcが不適切となるため、差ΔVcに代
えて実前後差回転ΔVcdを出力する。
【0033】そして、拘束トルク算出部58では、その
ブロック内に示したマップに従って差ΔVcに応じた前
後差回転拘束トルクTvが算出される。以下、図3を参
照して、ECU31の差動制限制御部の説明を続ける。
前後G比例拘束トルク設定部42は、前後G拘束トルク
Txを前後加速度Gxに従って算出するものであり、そ
の拘束トルク算出部71では、図3の算出部71のブロ
ック内に示したマップに従い、前後加速度Gxに応じた
前後G拘束トルクTxが算出される。このマップにおい
て、前後加速度Gxの増加に伴って前後G拘束トルクTx
が増加するように設定され、スリップ防止ひいては走行
安定性向上が図られる。
【0034】拘束トルク算出部71に後段に配されたス
イッチ72は、前後差回転拘束トルク設定部41の推定
車体速算出部54が推定車体速VBを推定中であればオ
ンされ、拘束トルク算出部71からの前後G拘束トルク
Txがそのまま最終拘束トルク設定部45に出力され、
一方、推定車体速算出部54が推定車体速VBの推定を
完了していればオフされて、前後G拘束トルクTxに代
えて値0が最終拘束トルク設定部45に出力される。
【0035】つまり、本実施形態では、推定車体速算出
部54が推定車体速VBを推定中であって、4輪スリッ
プ中と推測されるときには、拘束トルクTvに代えて前
後G拘束トルクTxを用いるようにしている。加速対応
拘束トルク設定部43は、急発進時などにおける後輪3
Rの初期スリップを防止するための加速対応拘束トルク
Taを算出するものであり、同設定部43の拘束トルク
算出部81では、そのブロック中に示したマップに従
い、スロットルセンサ36にて検出されたスロットル開
度TPSと推定車体速算出部54にて算出された推定車
体速VBとから加速対応拘束トルクTaが算出され、フィ
ルタ82を経て最終拘束トルクTfinal設定部に出力さ
れる。
【0036】図示を省略するが、上記のマップにおい
て、加速対応拘束トルクTaは、スロットル開度TPS
の増加に伴って増加すると共に推定車体速VBの増加に
伴って減少するように設定され、急発進時などにおける
初期スリップが抑制される。減速対応拘束トルク設定部
44は、急減速時において車両姿勢の安定性を確保する
ための減速対応拘束トルクTbを算出するものである。
同設定部44の拘束トルク算出部91では、そのブロッ
ク内に示したマップに従い、前後加速度Gxから減速対
応拘束トルクTbが算出される。このマップにおいて、
減速度の増加に伴って減速対応拘束トルクTbが増加す
るように設定され、減速時の車両姿勢の安定化が図られ
る。
【0037】又、K2算出部92では、そのブロック中
に示したマップに従って操舵角θsと推定車体速VBとか
ら補正係数K2が算出される。図示を省略するが、マッ
プにおいて、補正係数K2は操舵角θsの増加に伴って減
少するように設定され、これにより減速対応拘束トルク
Tbを減少補正して回頭性を確保している。補正係数K2
はC/S補正部93を経て乗算部94に入力され、乗算
部94では減速対応拘束トルクTbに補正係数K2が乗算
される。C/S補正部93では、C/S判定部60でカ
ウンタステア判定(CSH=1)されたときには、操舵
角θsに基づいて設定される補正係数K2がカウンタステ
アによって不適切になるので、補正係数K2を強制的に
値1に設定して補正係数K2による補正を禁止する。
【0038】一方、K3算出部96では、そのブロック
内にマップに従い、操舵角センサ37からの操舵角θs
を微分処理部95で微分処理して得た操舵角速度Dθs
から補正係数K3が算出される。このマップにおいて、
補正係数K3は、操舵角速度Dθsが所定値以上の領域で
は操舵角速度Dθsの増加に伴って補正係数K3が減少す
るように設定され、従って、急操舵時には減速対応拘束
トルクTbが減少補正されて回頭性が確保される。補正
係数K3はフィルタ97及びC/S補正部98を経て乗
算部99に入力され、乗算部99では減速対応拘束トル
クTbに補正係数K3が乗算され、補正済みの減速対応拘
束トルクTbは最終拘束トルクTfinal設定部に出力され
る。
【0039】C/S補正部98では、カウンタステア判
定時(CSH=1)、すなわち、操舵角速度Dθsに基
づいて設定される補正係数K3がカウンタステアによっ
て不適切になるときには、補正係数K3が強制的に値1
に設定される。次に、最終拘束トルク設定部45の最大
値選択部101では、前後差回転拘束トルクTvと前後
G比例拘束トルクTxとの大きい側が選択される。4輪
スリップに伴い前後差回転拘束トルクTvに制御ハンチ
ングが発生するおそれがある場合には、前後G比例拘束
トルクTxが選択されることになる。
【0040】選択された拘束トルクTvまたはTxは、加
算部102において、加速対応拘束トルクTaおよび減
速対応拘束トルクTbに加算される。この結果得た最終
拘束トルクTfinalは、リミッタ103において、油圧
多板クラッチ19で実現可能な最大拘束トルクに制限さ
れ、最終拘束トルクTfinalとして出力される。そし
て、ECU31では、最終拘束トルクTfinalに対応す
るデューティ率が図示しないマップから設定され、この
設定デューティ率に基づいてソレノイドバルブ21が作
動して油圧ユニット20から油圧多板クラッチ19への
作動油供給量を制御する。その結果、油圧多板クラッチ
19の係合状態が調整されて、拘束トルクが最終拘束ト
ルクTfinalに制御される。
【0041】そして、拘束トルク制御に際して、本実施
形態のカウンタステア判定装置によりカウンタステア状
態の有無が正確かつ迅速に検出され、カウンタステア判
定時には、カウンタステアによって不適切となる制御情
報たとえば操舵角θsに基づく拘束トルク算出を回避す
ることにより、適正な拘束トルクを迅速に発生させて走
行安定性が確保される。
【0042】本発明は上記実施形態に限定されるもので
なく、種々に変形可能である。例えば、上記実施形態で
は、差動装置および差動制限装置を備えた車両に本発明
を適用した場合について説明したが、本発明のカウンタ
ステア判定装置をこの種の車両と共に適用することは必
須ではない。また、差動制限装置と共にカウンタステア
判定装置を用いる場合においても、差動制限装置および
差動制限制御部は実施形態のものに限定されない。
【0043】また、上記実施形態では、カウンタステア
状態の検出に供される関係式における3つの定数α、β
およびγを適宜の正の値に設定した場合について説明し
たが、この様に設定することは必須ではなく、3つの定
数の全てが値ゼロをとらないように設定すれば良い。
【0044】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明では、実横加速
度の大きさと車速と操舵角とから算出された計算横加速
度の大きさとに基づいてカウンタステア状態を検出する
ので、迅速かつ正確にカウンタステア状態を検出でき、
カウンタステア判定結果に基づいて実施される各種制御
処理を適正に行える。
【0045】請求項2に記載の発明では、実横加速度の
大きさが計算横加速度の大きさよりも大きいときにカウ
ンタステア状態を検出するので、カウンタステア状態を
正確かつ迅速に検出できる。請求項3に記載の発明で
は、実横加速度RGy、計算横加速度Gyならびに定数
α、β、γの間に所定の関係が成立したときにカウンタ
ステア状態を検出するので、特に横加速度が小さい領域
での誤検出を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カウンタステア判定装置が搭載される車両の駆
動系と共に示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態によるカウンタステア判定
装置をなすカウンタステア判定部を差動制限装置の制御
部の一部と共に示すブロック図である。
【図3】差動制限装置の制御部の残部を示すブロック図
である。
【図4】カウンタステア判定部によるカウンタステア状
態検出原理を説明するための操舵状況判定平面を示す図
である。
【図5】カウンタステア判定部が実施するカウンタステ
ア判定ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
31 電子制御ユニット 34 横加速度センサ(横加速度検出手段) 35 車体速センサ(車速検出手段) 37 操舵角センサ(操舵角検出手段) 54 推定車体速算出部 59 推定横加速度推定部(横加速度算出手段) 60 カウンタステア判定部(カウンタステア判定手
段)
フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC50 DA02 DA23 DA29 DB11 DC32 3D036 GA22 GB04 GC03 GD04 GE04 GG35 GG42 GG44 GH23 3D043 AA03 AA10 AB17 EA03 EA14 EA18 EA23 EA42 EA43 EB09 EE06 EE12 EE18 EF02 EF06 EF13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実横加速度を検出する横加速度検出手段
    と、 車速と操舵角とから計算横加速度を算出する横加速度算
    出手段と、 前記実横加速度の大きさと前記計算横加速度の大きさと
    に基づいてカウンタステア状態を検出するカウンタステ
    ア判定手段とを備えることを特徴とするカウンタステア
    判定装置。
  2. 【請求項2】 前記実横加速度の大きさが前記計算横加
    速度の大きさよりも大きいときに前記カウンタステア状
    態を検出することを特徴とする請求項1に記載のカウン
    タステア判定装置。
  3. 【請求項3】 前記実横加速度RGy、前記計算横加速
    度Gyならびに定数α、βおよびγの間にRGy>γか
    つα×RGy−β>Gyという関係またはRGy<−γ
    かつα×RGy+β<Gyという関係が成立したときに
    前記カウンタステア状態を検出することを特徴とする請
    求項2に記載のカウンタステア判定装置。
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