JP2002095479A - オーロラ2キナーゼ阻害剤 - Google Patents

オーロラ2キナーゼ阻害剤

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JP2002095479A
JP2002095479A JP2000287928A JP2000287928A JP2002095479A JP 2002095479 A JP2002095479 A JP 2002095479A JP 2000287928 A JP2000287928 A JP 2000287928A JP 2000287928 A JP2000287928 A JP 2000287928A JP 2002095479 A JP2002095479 A JP 2002095479A
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aurora
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Yasuhiro Fujino
泰寛 藤野
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Mitsubishi Tokyo Pharmaceuticals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒトオーロラ2キナーゼ阻害剤を提供する。 【解決手段】本発明のオリゴヌクレオチドは、ヒトオー
ロラ2キナーゼをコードするmRNAを標的とし、かつ
オーロラ2キナーゼ発現を阻害しうるオリゴヌクレオチ
ドであり、有効なヒトオーロラ2キナーゼ阻害剤となり
うる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーロラ2阻害剤
に関する。また本発明は、細胞の異常増殖および腫瘍形
成への関与が示唆されてきた天然に存在する細胞性遺伝
子であるオーロラ2キナーゼ遺伝子の発現を調節するた
めのアンチセンスオリゴヌクレオチド、キメラオリゴヌ
クレオチド、オーロラ2キナーゼ機能を阻害しうる低分
子化合物、それらを有効成分として含有する医薬、抗腫
瘍剤に関する。本発明はまた、オーロラ2キナーゼを阻
害する方法、細胞の異常増殖を阻害するための方法にも
関する。これらの方法は治療的な目的に加えて診断的な
目的でも使用しうる。さらに、本発明はオーロラ2キナ
ーゼ遺伝子の発現に付随する癌以外の病状の処置にも関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】悪性腫
瘍は、癌細胞が多段階的遺伝的変化を経て細胞制御の破
綻を引き起こした結果生じる。典型的な癌細胞は周りの
組織を侵襲する能力および異なる器官部位へ転移する能
力に加え、異常に高度な増殖能を獲得している。過去1
0年以上にわたる研究の結果、人類は細胞***に関わる
様々な遺伝子を発見し、その多くが癌との関わりを持つ
ことを学んだ。多くの癌で、細胞周期を促進する遺伝子
が過剰発現していたり、逆に細胞周期の進行を制御する
遺伝子が欠損する例が知られる。
【0003】オーロラキナーゼ遺伝子ファミリーは現時
点で少なくとも3種類の関連する蛋白質をコードしてい
る遺伝子ファミリーの一員である。オーロラキナーゼ遺
伝子は高度に保存されたセリン−スレオニン−特異的プ
ロテインキナーゼをコードしている。これら3つの酵素
は細胞周期のM期に発現されることからM期の進行に重要
な酵素と考えられている。酵母やショウジョウバエ、線
虫を用いたオーロラ2キナーゼ相同遺伝子の機能阻害実
験からもこの遺伝子ファミリーのM期における重要性が
示唆された。またオーロラ2キナーゼが多くの癌で過剰
発現している事実や、実験的に正常細胞でオーロラ2キ
ナーゼを過剰発現させた場合に細胞が癌化の徴候を示す
事実が明らかになった。ある種の異常増殖状態はオーロ
ラ2キナーゼ発現に付随すると考えられている。例え
ば、癌、腫瘍、過生、肺線維症、脈管形成、乾癬、アテ
ローム、および血管形成術後の狭窄または再狭窄のよう
な血管内の平滑筋増殖のような過増殖障害である。従っ
てオーロラ2キナーゼ発現の阻害に応答すると考えられ
るが、それを直接示唆する実験的証拠は存在しなかっ
た。またオーロラ2キナーゼ遺伝子の発現を調節しうる
物質の組成物を提供することが非常に待望されるがその
ようなものもこれまでに存在しなかった。
【0004】一方、オリゴヌクレオチドは動物およびヒ
トの疾患状態処置の目的で使用する試みがされてきた。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは安全にヒトへ投与さ
れ、ウイルスおよび細胞性遺伝子産物の両方を標的とす
るいくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤の臨
床応用が現在進行中である。例えばホスホロチオエート
オリゴヌクレオチド、ISIS2922はAIDS患者
のサイトメガロウイルス網膜炎に対して有効であること
が示されている。このことからオリゴヌクレオチドが有
用な治療手段であることは確立されていると考えられ
る。
【0005】オーロラ2キナーゼについては、その蛋白
質、遺伝子配列が明らかにされているものの(特表平2
000−502895参照)、未だオーロラ2キナーゼ
阻害剤は得られておらず、本発明は、癌をはじめとする
細胞増殖性疾患の治療、診断、研究に有用なオーロラ2
キナーゼ阻害剤を提供することを課題とする。より具体
的にはオーロラ2キナーゼ遺伝子に対するアンチセンス
オリゴヌクレオチドを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる状況を鑑
み鋭意研究を重ねた結果、オーロラ2キナーゼ遺伝子の
発現を効率良く調節可能なオリゴヌクレオチド配列を見
出だし本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明によれば、ヒトオーロラ
2キナーゼをコードするmRNAを標的とし、かつオー
ロラ2キナーゼ発現を阻害しうるオリゴヌクレオチド;
8〜50ヌクレオチド長である該オリゴヌクレオチド;
(a)配列表の配列番号6、9、10、12で示される
塩基配列、または(b)配列表の配列番号6、9、1
0、12で示される塩基配列において数個の塩基が置換
・欠失・付加した塩基配列、を含む該オリゴヌクレオチ
ド;ヒトオーロラ2キナーゼをコードするmRNAを標
的とし、標的親和性を増強するように修飾されている少
なくとも1つのヌクレオチドを有する第1の領域および
RNAseHの基質である第2の領域を含むキメラオリ
ゴヌクレオチドであって、オーロラキナーゼ発現を阻害
しうることを特徴とする該キメラオリゴヌクレオチドが
提供される。また、本発明によれば、ヒトオーロラ2キ
ナーゼの機能又は発現を阻害する物質を有効成分として
含むヒトオーロラ2キナーゼ阻害剤;該オリゴヌクレオ
チドを有効成分として含むヒトオーロラ2キナーゼ発現
阻害剤;ヒトオーロラ2キナーゼ機能を阻害しうる低分
子化合物を有効成分として含むヒトオーロラ2キナーゼ
機能阻害剤;薬学的に許容しうる担体中の、該オリゴヌ
クレオチド又は低分子化合物;該オリゴヌクレオチド又
は低分子化合物を含有する医薬、該オリゴヌクレオチド
又は低分子化合物を有効成分として含有する抗腫瘍剤が
提供される。さらに、本発明によれば、ヒトオーロラ2
キナーゼを阻害する方法であって、ヒトオーロラ2キナ
ーゼを発現する組織または細胞を、ヒトオーロラ2キナ
ーゼ発現を阻害しうるオリゴヌクレオチドと接触させる
ことを含む方法;細胞の過増殖を阻害する方法であっ
て、過増殖細胞をヒトオーロラ2キナーゼ発現を阻害し
うるオリゴヌクレオチドと接触させることを含む方法が
提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0009】本発明はオーロラ2キナーゼをコードして
いる核酸を標的とするオリゴヌクレオチドを用いる。オ
リゴヌクレオチドおよびそれがハイブリダイズするその
相補的核酸標的間のこの関係は通常“アンチセンス”と
称されている。選択された核酸標的へのオリゴヌクレオ
チドの設計は多段階過程である。この過程は通常、その
機能が調節されるべき核酸配列を同定することから始ま
る。本発明において、標的はオーロラ2キナーゼをコー
ドしている核酸である。別の表現では、オーロラ2キナ
ーゼ遺伝子またはオーロラ2キナーゼ遺伝子から発現さ
れるmRNAである。設計過程には、所望の効果(遺伝
子発現の調節)が得られるように、オリゴヌクレオチド
との相互作用を起こす核酸配列内の一つまたは複数の部
位の決定が含まれる。一つまたは複数の部位が同定され
たら、標的に十分相補的な(即ち、十分な特異性でハイ
ブリダイズし、所望の調節が得られる)オリゴヌクレオ
チドが選択される。この調節は例えば、本出願の実施例
に教示されるように、蛋白質発現のウェスタンブロット
アッセイのような本分野では日常的な方法により測定し
うる。本出願の実施例に教示されるように、腫瘍細胞増
殖に対する効果も測定可能である。
【0010】本発明の文脈において、“ハイブリダイゼ
ーション”とは、通常相対する核酸鎖または核酸鎖の二
つの領域の相補的塩基間の水素結合(ワトソン−クリッ
ク塩基対形成としても知られている)を意味している。
グアニンおよびシトシンは相補的塩基の例であり、それ
らの間で三つの水素結合が形成されることが知られてい
る。アデニンおよびチミンは相補的塩基の例であり、そ
れらの間で二つの水素結合が形成される。
【0011】“特異的にハイブリダイズ可能”および
“相補的”とは、DNAまたはRNA標的とオリゴヌク
レオチドとの間で安定かつ特異的な結合が起こるように
十分な程度の相補性を示すのに使用される術語である。
特異的にハイブリダイズ可能であるには、オリゴヌクレ
オチドはその標的核酸配列と100%相補的である必要
はないことを理解されたい。標的へのオリゴヌクレオチ
ドの結合が標的分子の正常な機能を妨害できる場合、お
よび特異的結合が望まれる条件下、即ち、インビボアッ
セイまたは治療的処置の場合には生理的条件下、または
インビトロアッセイの場合にはアッセイが実施される条
件下で、非標的配列へのオリゴヌクレオチドの非特異的
結合を避けるために十分な程度の相補性がある場合、オ
リゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能と判断
される。
【0012】本発明の好適な実施態様において、オーロ
ラ2キナーゼをコードしているmRNAを標的とするオ
リゴヌクレオチドが提供される。本発明に従うと、mR
NAは蛋白質をコードするための情報を運ぶコード領域
のみを含むだけでなく、5’−非翻訳領域、3’−非翻
訳領域、5’キャップ領域、イントロン領域およびイン
トロン/エクソンまたはスプライス連結リボヌクレオチ
ドとして知られているような領域を形成する付随するリ
ボヌクレオチドを含むことを当業者は理解するであろ
う。従って、これらの付随するリボヌクレオチド並びに
コードリボヌクレオチドの全部または一部を標的とする
オリゴヌクレオチドを本発明に従って処方することがで
きる。好適な態様において、オリゴヌクレオチドはヒト
オーロラ2キナーゼ mRNAの翻訳開始部位(AUG
コドン)または5’−または3’−非翻訳領域の配列を
標的とする。妨害されるべきメッセンジャーRNAの機
能には、蛋白質翻訳の部位へのRNAのトランスロケー
ション、RNAからの実際の蛋白質の翻訳、RNAのス
プライシングまたは成熟およびおそらくはRNAにより
行われているであろう独立した酵素活性のような生存の
ためのすべての機能が含まれる。RNA機能のそのよう
な妨害の全体的な効果はオーロラ2キナーゼ蛋白質発現
の妨害を起こすことである。
【0013】本発明はオーロラ2キナーゼ遺伝子発現調
節のためのオリゴヌクレオチドを提供する。このような
オリゴヌクレオチドはオーロラ2キナーゼをコードして
いる核酸を標的とする。しかしながら、オーロラ2キナ
ーゼの他の型の発現を調節するための組成物(オーロラ
2キナーゼ阻害剤)および方法もまた有用性を有してい
ると考えられ、本発明に包含されている。本発明でいう
“阻害”とは、オーロラ2キナーゼの“発現”を阻害す
ること及びオーロラ2キナーゼの“機能”を阻害するこ
ととを指す。“阻害剤”とは、オーロラ2キナーゼを阻
害する物質全般を指すが、中でもオーロラ2キナーゼ機
能の阻害剤としては、例えばオーロラ2キナーゼ蛋白質
に由来するキナーゼ活性に対する低分子化合物、すなわ
ちヒトオーロラ2キナーゼの機能を阻害しうる低分子化
合物が好適である。そのような低分子化合物は、例えば
特表平2000−502895号に記載のスクリーニン
グ法などにより、血清、体液、細胞抽出物などから通常
の方法により同定・単離することにより得ることができ
る。そのようなスクリーニング法とはすなわち、オーロ
ラ2キナーゼのキナーゼ活性の阻害(活性レベルの低
下)、具体的にはオーロラ2キナーゼ基質のリン酸化の
阻害(活性レベルの低下)、さらにはオーロラ2キナー
ゼの結合パートナーの阻害(活性レベルの低下)などを
指標とする測定方法であり、該スクリーニング法により
具体的なオーロラ2キナーゼ阻害剤を得ることができ
る。よって本発明のオーロラ2キナーゼ阻害剤とは、す
なわち、ヒトオーロラ2キナーゼの発現を阻害しうるア
ンチセンスオリゴヌクレオチドのみならず、ヒトオーロ
ラ2キナーゼの機能を阻害しうる低分子化合物をも包含
している。
【0014】本発明の文脈において、“オリゴヌクレオ
チド”とは天然に存在する塩基、糖および糖間(主鎖)
結合からなるヌクレオチドまたはヌクレオシドモノマー
のオリゴマーまたはポリマーを意味している。“オリゴ
ヌクレオチド”はまた、同様に機能する天然に存在しな
いモノマー、またはそれらの一部からなるオリゴマーも
含まれる。そのような修飾または置換オリゴヌクレオチ
ドは、例えば、促進された細胞取り込みおよびヌクレア
ーゼ存在下での増加した安定性のため天然型よりもしば
しば好適である。
【0015】本発明のある種の好適なオリゴヌクレオチ
ドは“キメラオリゴヌクレオチド”である。本発明の文
脈において“キメラオリゴヌクレオチド”または“キメ
ラ”とは、各々少なくとも一つのヌクレオチドから作り
上げられた二つまたはそれ以上の化学的に異なった領域
を含むオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌク
レオチドは典型的には、一つまたはそれ以上の有利な性
質(例えば、ヌクレアーゼ耐性の増加、細胞内への取り
込みの増加、RNA標的に対する結合親和性の増加)を
与える少なくとも一つの修飾されたヌクレオチド領域お
よびRNaseH切断のための基質である領域を含む。
【0016】一つの好適な態様において、キメラオリゴ
ヌクレオチドは、標的結合親和性を増加させるために修
飾された少なくとも一つの領域および通常はRNase
Hのための基質として働く領域を含む。その標的(この
場合、オーロラ2キナーゼをコードしている核酸)に対
するオリゴヌクレオチドの親和性は、オリゴヌクレオチ
ドと標的が解離する温度であるオリゴヌクレオチド/標
的対のTmを測定することにより決定される;解離は分
光学的に検出される。Tmが高いほど標的に対するオリ
ゴヌクレオチドの親和性は強い。
【0017】より好適な態様では、オーロラ2キナーゼ
mRNA結合親和性を増加させるために修飾されたオ
リゴヌクレオチドの領域は、糖の2’位が修飾された少
なくとも一つのヌクレオチド(最も好適であるのは2’
−O−アルキルまたは2’−フルオロ修飾ヌクレオチ
ド)を含む。そのような修飾はオリゴヌクレオチド内に
組み込まれ、これらのオリゴヌクレオチドは与えられた
標的に対し、2’−デオキシオリゴヌクレオチドより高
いTm(即ちより強い標的結合親和性)を有しているこ
とが示された。そのような親和性増加の効果はオーロラ
2キナーゼ遺伝子発現のアンチセンスオリゴヌクレオチ
ド阻害を非常に増強することである。
【0018】RNaseHはRNA:DNAデュープレ
ックスのRNA鎖を切断する細胞性エンドヌクレアーゼ
である;従ってこの酵素の活性化はRNA標的の切断を
生じ、アンチセンス阻害の効率を非常に促進しうる。R
NA標的の切断はゲル電気泳動により容易に確認でき
る。
【0019】別の好適な態様において、ヌクレアーゼ耐
性を増強するためにキメラオリゴヌクレオチドも修飾さ
れる。細胞は核酸を分解しうる種々のエキソ−およびエ
ンド−ヌクレアーゼを含む。多数のヌクレオチドおよび
ヌクレオシド修飾が、これらを取り込んだオリゴヌクレ
オチドを天然のオリゴヌクレオチドよりヌクレアーゼ消
化に対してより耐性とすることが示されている。ヌクレ
アーゼ耐性は、オリゴヌクレオチドを細胞抽出物または
単離ヌクレアーゼ溶液とともにインキュベートし、通常
はゲル電気泳動により、時間に関して残存する無傷のオ
リゴヌクレオチドの程度を測定することにより測定され
る。ヌクレアーゼ耐性を増強するように修飾されている
オリゴヌクレオチドは非修飾オリゴヌクレオチドより長
く無傷のままで残る。ヌクレアーゼ耐性を増強または与
えるための種々のオリゴヌクレオチド修飾が示されてい
る。現在のところ、少なくとも一つのホスホロチオエー
ト修飾を含むオリゴヌクレオチドがより好適である。
【0020】いくつかの場合、標的結合親和性を増強さ
せるオリゴヌクレオチド修飾はまた、独立してヌクレア
ーゼ耐性を増強しうる。本発明において意図されるいく
つかの好適なオリゴヌクレオチドの特定の例において
は、ホスホロチオエート、ホスホトリエステル、メチル
ホスホネート、短鎖アルキルまたはシクロアルキル糖間
結合または短鎖ヘテロ芳香環またはヘテロ環式糖間(”
主鎖”)結合が含まれているであろう。最も好適なもの
はホスホロチオエートおよびCH2−NH−O−CH2、
CH2−N(CH3)−O−CH2(メチレン(メチルイ
ミノ)またはMMI主鎖として知られている)、CH2
−O−N(CH2)−CH2、CH2−N(CH3)−N
(CH2)−CH2およびO−N(CH3)−CH2−CH
2主鎖(ここでホスホジエステルはO−P−O−CH2で
ある)を含むものである。モルホリノ主鎖構造を有する
オリゴヌクレオチドもまた好適である。別の好適な態様
においては、蛋白質−核酸またはペプチド−核酸(PN
A)主鎖のようにオリゴヌクレオチドのホスホジエステ
ル主鎖がポリアミド主鎖に置き換えられてもよく、塩基
はポリアミド主鎖のアザ窒素原子に直接または間接的に
結合されている。他の好適なオリゴヌクレオチドは下記
の基の一つを2’位に含むアルキルおよびハロゲン−置
換糖部分を含んでいてもよい:OH、SH、SCH3、
F、OCN、OCH3OCH3、OCH3O(CH2)nC
H3、O(CH2)nNH2またはO(CH2)nCH3(式
中nは1から約10である);C1からC10低級アルキ
ル、置換低級アルキル、アルカリールもしくはアラルキ
ル;Cl;Br;CN;CF3;OCF3;O−,S−,
もしくはN−アルキル;O−,S−,もしくはN−アル
ケニル;SOCH3;O2CH3;ONO2;NO2;N3;
NH2;ヘテロシクロアルキル;ヘテロシクロアルカリー
ル;アミノアルキルアミノ;ポリアルキルアミノ;置換
シリル;RNA切断基;コレステリル基;コンジュゲー
ト;レポーター基;インターカレーター;オリゴヌクレ
オチドの薬動力学的特性を改良する基;オリゴヌクレオ
チドの薬力学的特性を改良する基および同様な特性を有
する他の基。オリゴヌクレオチドはペントフラノシル基
の代わりにシクロブチルのような糖模倣物を有していて
もよい。他の好適な態様では少なくとも一つの修飾塩基
型またはイノシンのような“万能塩基”を含んでいるで
あろう。
【0021】本発明のオリゴヌクレオチドは、好適には
約8から約50のヌクレオチド長である。本発明の文脈
においては8から50モノマーを有する上記のような天
然に存在しないオリゴマーを含むことを理解されたい。
【0022】本発明で用いられる好適なオリゴヌクレオ
チドの塩基配列としては、実施例にも示す通り、配列表
の配列番号4、5、6、7、8、9、10、12、14
で示されるものであり、特に好ましくは配列表の配列番
号6、9、10、12で示される塩基配列である。本発
明のオリゴヌクレオチドには、オーロラ2キナーゼの発
現を阻害する機能を損わない範囲で、数個(例えば2〜
6個程度)の塩基が置換・欠失・付加したものも含まれ
る。
【0023】本発明に従って使用されるオリゴヌクレオ
チドはよく知られた固相合成技術により作製することが
できる。そのような合成の装置はApplied Bi
osystemsを含むいくつかの会社から売り出され
ている。そのような合成のために他の手段を用いてもよ
い;ホスホロチオエートおよびアルキル化誘導体のよう
な他のオリゴヌクレオチドを製造するために同様の技術
を使用することもよく知られている。また、蛍光標識、
ビオチニル化またはコレステロール修飾オリゴヌクレオ
チドのような他の修飾オリゴヌクレオチドを合成するた
めに、同様の技術およびビオチン、フルオレセイン、ア
クリジンまたはソラーレン修飾アミダイトおよび/また
は制御細孔ガラス(CPG)(Glen Resear
ch,Sterling VA)のような市販品として
入手可能な修飾アミダイトおよびCPG産物の使用もよ
く知られている。
【0024】本発明の方法においては、組織または細胞
をオリゴヌクレオチドと接触させる。本発明の文脈にお
いて、組織または細胞を一つまたは複数のオリゴヌクレ
オチドと“接触”させるとは、インビトロまたはエクス
ビボで細胞懸濁液または組織試料へオリゴヌクレオチド
を加えるか(通常は液体担体中で)、または動物内の細
胞または組織にオリゴヌクレオチドを投与することを意
味している。治療、好ましくは癌の治療のため、細胞の
過増殖を阻害する方法および異常な増殖性状態を処置す
る方法が提供される。治療組成物、抗腫瘍剤の処方およ
び続いての投与は本分野の技術範囲であると考えられ
る。
【0025】一般に、治療、好ましくは癌の治療のため
には、本発明に従ったオリゴヌクレオチドを、医薬とし
て受容可能な担体中、特定の疾患の性質、その重態度お
よび患者の全体の状態に依存して変化するであろう用量
および期間、そのような治療が必要と思われる患者に投
与する。
【0026】本発明の医薬(組成物)は、局所または全
身処置が望まれるか、または処置される領域に依存して
多くの方法で投与されるであろう。局所(目、膣、直
腸、鼻孔内を含む)、経口または例えば、静脈内滴注、
静脈注射または皮下、腹腔内もしくは筋肉内注射による
非経口で投与されるであろう。局所投与のための処方に
は、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、座
剤、スプレー、水剤および散剤が含まれるであろう。通
常の医薬担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤など
が必要であるかまたは望ましいであろう。被覆コンドー
ム、グローブなどもまた有用である。経口投与のための
組成物には散剤または顆粒剤、懸濁剤または水または非
水媒質溶液剤、カプセル剤、サッシェ剤または錠剤が含
まれる。増粘剤、芳香剤、希釈剤、乳化剤、分散補助剤
または結合剤も望ましいであろう。
【0027】非経口投与のための処方には無菌水溶液が
含まれ、それは緩衝剤、希釈剤および他の適当な添加物
を含んでいてもよい。そのような医薬担体に加えて、オ
リゴヌクレオチドの取り込みを容易にするためにカチオ
ン性液体が処方に含まれていてもよい。取り込みを容易
にするそのような組成物の一つはリポフェクチン(BR
L,Bethesda MD)である。投与用量は処置
されるべき状態の重度および応答度に依存し、処置進行
は治療が達成されるかまたは疾患状態の軽減が達成され
るまで数日から数カ月続く。至適投与計画は体内の薬剤
蓄積の測定から計算しうる。当業者は容易に至適投与
量、投与法および繰り返し頻度を決定しうる。至適投与
量は個々のオリゴヌクレオチドの相対的有効性に依存し
て変化するであろうが、一般的にはインビトロおよびイ
ンビボの動物実験からのEC50に基づいて計算しう
る。例えば、化合物の分子量(オリゴヌクレオチド配列
および化学構造から導かれる)およびIC50のような
有効量(実験的に求められる)が与えられると、mg/
kgでの投与量が計算される。
【0028】本発明はまた、癌、乾癬または血管狭窄ま
たはアテロームのような過増殖性疾患を有すると疑われ
る患者からの組織または他の試料の異常増殖状態の診断
にも適している。細胞増殖を阻害する本発明のオリゴヌ
クレオチドの能力は、そのような状態を診断するために
用いられる。多くのアッセイが本発明を用いて計画でき
るが、そのようなアッセイは一般にそのような阻害を検
出および通常は定量化しうるように選択された条件下で
組織試料を本発明のオリゴヌクレオチドと接触させるこ
とを含んでいるであろう。
【0029】同様に、本発明は有効な処置計画が設計し
うるように、他の病因を有する腫瘍からオーロラ2キナ
ーゼ付随性腫瘍を区別するために使用しうる。本発明の
オリゴヌクレオチドはまた研究目的にも使用されるであ
ろう。従って、オリゴヌクレオチドにより示される特異
的ハイブリダイゼーションはアッセイ、精製、細胞生成
物の調製および当業者により認められるであろう他の方
法論で使用されるであろう。
【0030】本発明のオリゴヌクレオチドはまたオーロ
ラ2キナーゼ発現の検出および診断に有用である。例え
ば、ポリヌクレオチドキナーゼによる5’末端の32P標
識により放射性標識オリゴヌクレオチドを製造しうる。
次に、放射性標識オリゴヌクレオチドをオーロラ2キナ
ーゼ発現が疑われる組織または細胞試料と接触させ、試
料を洗浄して非結合オリゴヌクレオチドを除去する。試
料に残存している放射活性は結合されたオリゴヌクレオ
チドを示しており(それはオーロラ2キナーゼの存在を
示している)、シンチレーションカウンターまたは他の
通常の手段により定量しうる。放射性標識オリゴを用い
て組織のオートラジオグラフィーを実施し、研究、診断
または治療の目的でオーロラ2キナーゼ発現の局在化、
分布または量を決定することができる。そのような研究
においては、組織切片を放射性標識オリゴヌクレオチド
で処理し、上記のように洗浄し、次にオートラジオグラ
フィー法に従って写真乳化剤へ暴露する。現像すると乳
化剤はオーロラ2キナーゼを発現している範囲に銀粒子
のイメージを与える。銀粒子の定量によりオーロラ2キ
ナーゼ発現を検出することができる。オーロラ2キナー
ゼ発現の蛍光検出のための類似のアッセイは、放射性標
識の代わりにフルオレセインまたは他の蛍光性標識とコ
ンジュゲートさせた本発明のオリゴヌクレオチドを用い
て開発することができる。そのようなコンジュゲート
は、蛍光標識アミダイトまたはCPG(例えば、Gle
n Research、Sterling VAから入手
可能なフルオレセイン標識アミダイトおよびCPG。G
len Research、Sterling VAの1
993年のDNA研究用製品カタログp.21を参照さ
れたい)を使用した固相合成の間にルーチン的に製造さ
れる。各々のこれらのアッセイの様式は本分野では既知
である。当業者は本発明の技術に従って容易にこれらの
既知のアッセイをオーロラ2キナーゼ発現の検出に適用
でき、オーロラ2キナーゼ発現を検出する新規かつ有用
な手段が提供される。
【0031】
【実施例】<実施例1>図1に示した合計15種類のオ
リゴヌクレオチドをGenbankのHomo sapiens ser
ine/threonine kinase 15 (STK15) mRNA配列(ACCESSIO
N NM_003600)を用いて設計した。15種類全てにつ
いてホスホロチオエート体を合成した。オリゴヌクレオ
チドをゲル電気泳動により解析し、ほぼ100%が完全
長物質であることを確認した。
【0032】<実施例2>オーロラ2キナーゼ蛋白質発
現阻害活性をもつオリゴヌクレオチドのスクリーニング
をウエスタンブロット解析により行った。ヒトHeLa細胞
を10%ウシ胎児血清含有DMEM培地で培養した。細胞は
60mm培養皿に70%コンフルエントにてプレーティ
ングし、翌日以下の手順によりオリゴヌクレオチド処理
した。
【0033】まずプレートを4mlのOpti−MEM
無血清培地で洗浄した。次に1%リポフェクチン、20
0nMオリゴヌクレオチド含有Opti−MEM無血清
培地1mlで処理し、4時間後に2mlの10%ウシ胎児血
清含有DMEM培地を追加し培養を続けた。オリゴヌクレオ
チド処理24時間後に細胞を回収し蛋白質試料を取得し
た。蛋白質試料を10%アクリルアミドゲル電気泳動によ
り分離し,セミドライ方式の転写装置により電気泳動的
にPVDF膜に転写した。5%脱脂粉乳緩衝液でPVDF膜をブ
ロッキング処理した。1次抗体に抗オーロラ2キナーゼ
モノクローナル抗体、2次抗体にHRP標識した抗マウスI
gG抗体を使用し、化学発光によりX線フイルムを感光し
た。現像したX線フイルム上のオーロラ2キナーゼ蛋白
質のシグナルを定量した。
【0034】200nMの濃度での15種類のオリゴヌ
クレオチドの1回目のスリーニング結果を%コントロー
ル値としてグラフ化し図2に示した。その結果、sas 0
6、sas 09、sas 10、sas 12、はオーロラ2キナー
ゼ蛋白質の発現を少なくとも50%以上阻害した。sas
10は80%以上の阻害を示し最も高活性であった。
【0035】2回目の確認試験のX線フイルムの結果を
図3に示した。コントロールであるオーロラ1キナーゼ
蛋白質やGAPDH蛋白質の発現量にほとんど影響をあ
たえることなく、オーロラ2キナーゼ蛋白質の発現を特
異的に阻害していることが容易に確認できる。
【0036】<実施例3>15種類のオリゴヌクレオチ
ドのオーロラ2キナーゼ蛋白質の発現阻害活性とHeLa細
胞増殖抑制活性の相関を検討した。
【0037】96ウェルプレートにHeLa細胞をプレーテ
ィングし、翌日1%リポフェクチン存在下、種々の濃度
のオリゴヌクレオチドで処理し、4時間後に10%ウシ
胎児血清含有DMEM培地を追加し培養を続けた。オリゴヌ
クレオチド処理72時間後に細胞の生存率をXTTアッ
セイにより定量した。
【0038】このデータをもとに15種類のオリゴヌク
レオチドのHeLa細胞増殖抑制活性をIC50で数値化
し、グラフを図4に示した。実施例2で得られた図2の
結果と合わせた2次元プロットをて図5に示した。その
結果、オーロラ2キナーゼ蛋白質の発現阻害活性が強い
オリゴヌクレオチドほど、HeLa細胞増殖抑制活性が強い
という傾向を確認した。
【0039】<実施例4>最も高活性であったsas 10に
対するミスマッチオリゴヌクレオチドを作成して、sas1
0のオーロラ2キナーゼ蛋白質発現阻害活性が特異的で
あること検証した。図6にsas 10と3種類のミスマッチ
オリゴヌクレオチド(sas 10.1、sas 10.2 、sas 1
0.3)の配列を示した。ミスマッチ塩基(図6のsas 1
0.1、sas10.2 、sas 10.3の太字で示した塩基)
はオリゴヌクレオチドの中央部に塩基組成の変化を最小
限にとどめつつ、配列のみを変化させる形で導入した。
これら4種類のオリゴヌクレオチドのオーロラ2キナー
ゼ蛋白質発現阻害活性を実施例2と同様の実験により検
討した。
【0040】ヒトHeLa細胞を10%ウシ胎児血清含有DM
EM培地で培養した。細胞は60mm培養皿に70%コン
フルエントにてプレーティングし、翌日以下の手順によ
りオリゴヌクレオチド処理した。プレートを4mlのO
pti−MEM無血清培地で洗浄した。次に1%リポフ
ェクチン、200nMオリゴヌクレオチド含有Opti
−MEM無血清培地1mlで処理し、4時間後に2mlの1
0%ウシ胎児血清含有DMEM培地を追加し培養を続けた。
オリゴヌクレオチド処理24時間後に細胞を回収し蛋白
質試料を取得した。
【0041】蛋白質試料を10%アクリルアミドゲル電気
泳動により分離し,セミドライ方式の転写装置により電
気泳動的にPVDF膜に転写した。5%脱脂粉乳緩衝液でPV
DF膜をブロッキング処理した。1次抗体に抗オーロラ2
キナーゼモノクローナル抗体、2次抗体にHRP標識した
抗マウスIgG抗体を使用し、化学発光によりX線フイルム
を感光した。
【0042】X線フイルムの結果を図7に示した。設計
の意図通りにミスマッチ塩基の数を増加させるにつれ
て、オーロラ2キナーゼ蛋白質発現阻害活性が低下する
ことが容易に確認できる。これによりsas 10のオーロラ
2キナーゼ蛋白質発現阻害活性が高度に特異的であるこ
とが証明された。また4つのミスマッチ塩基を導入した
sas 10.3ではオーロラ2キナーゼ蛋白質発現阻害活性
をほとんどもたないことが確認できる。
【0043】<実施例5>塩基組成が全く同一で、中央
部の4塩基の配列のみが異なることによりオーロラ2キ
ナーゼ蛋白質発現阻害活性が大きく異なる、sas 10、sa
s 10.3の2つのオリゴヌクレオチドを用いて、16種
類のヒト腫瘍細胞株に対する増殖抑制効果を検討した。
【0044】実施例3と同様の手順により、96ウェル
プレート上で各細胞株を種々の濃度のオリゴヌクレオチ
ドで処理し、4時間後に10%ウシ胎児血清含有DMEM培
地を追加し培養を続けた。オリゴヌクレオチド処理72
時間後に細胞の生存率をXTTアッセイにより定量し
た。sas 10とsas 10.3のXTTアッセイ値の差が最大
となるオリゴヌクレオチド濃度は、多くの細胞株におい
て300nM付近であった。
【0045】sas 10.3のXTTアッセイ値を100%
コントロール値として、300nMにおけるsas 10の%
コントロール値のグラフを図8に示した。その結果、こ
こで使用したヒト腫瘍細胞株全てがsas 10により増殖抑
制されることが容易に確認できる。
【0046】
【発明の効果】本発明はヒトオーロラ2キナーゼ阻害
剤、すなわち、ヒトオーロラ2キナーゼをコードしてい
る核酸を標的とし、かつオーロラ2キナーゼ発現を阻害
しうるオリゴヌクレオチド及びヒトオーロラ2キナーゼ
機能を阻害する低分子化合物を提供する。本発明のオリ
ゴヌクレオチドは診断および治療の両方に有用であると
考えられる。
【0047】本発明はまた、ヒトオーロラ2キナーゼの
異常発現を阻害する方法、細胞の過増殖を阻害する方
法、異常な増殖的状態の処置法をも提供する。これらの
方法は、オーロラ2キナーゼ発現および過増殖が連携し
ているため、治療および診断の両方に有用であると考え
られる。これらの方法はまた、例えば種々の細胞機能お
よび生理学的過程および状態におけるオーロラ2キナー
ゼ発現の役割を検出および決定するための、およびオー
ロラ2キナーゼ発現に付随する状態を診断するための道
具としても有用である。これらの方法は、治療的におよ
び臨床的研究および診断の道具としても有用であると考
えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンチセンスオリゴヌクレオチドの設計。 (1)GenbankのHomo sapiens s
erine/threonine kinase 15
(STK15) mRNA配列(ACCESSION
NM_003600)を5’非翻訳領域、翻訳領域、
3’非翻訳領域に分類し模式的に示した。15種類のオ
リゴヌクレオチド各々の標的部位を示した。 (2)15種類のオリゴヌクレオチド各々の名称、塩基
配列、配列番号の対応を一覧表として示した。
【図2】15種類のオリゴヌクレオチド各々のオーロラ
2キナーゼ蛋白質発現阻害活性をグラフ化した。横軸に
オリゴヌクレオチドの名称、縦軸にウエスタンブロット
の結果から算出したオリゴヌクレオチド濃度200nM
における%コントロール値を示した。オーロラ2キナー
ゼ蛋白質発現を50%以上阻害したオリゴヌクレオチド
を星印1つで、80%以上阻害したオリゴヌクレオチド
を星印2つで示した。
【図3】高活性オリゴヌクレオチドを中心としたオーロ
ラ2キナーゼ蛋白質発現阻害の確認実験であるウエスタ
ンブロットの結果を示した。左側2レーン(lipof
ectin(−), ODN(−) )はオリゴヌクレオ
チド無処理の陰性対照である。オリゴヌクレオチド処理
によりオーロラ2キナーゼの蛋白質発現が効率良く阻害
されているのに対し、陰性対照であるオーロラ1キナー
ゼ蛋白質やGAPDH蛋白質の発現はほとんど影響を受
けていない。
【図4】15種類のオリゴヌクレオチド各々のHeLa
細胞増殖抑制活性をグラフ化した。横軸にオリゴヌクレ
オチドの名称、縦軸にXTTアッセイの結果から算出し
たHeLa細胞に対するIC50値を示した。sas
10が最も高いHeLa細胞増殖抑制活性を示した。
【図5】15種類のオリゴヌクレオチド各々のオーロラ
2キナーゼ蛋白質発現阻害活性を%コントロール値とし
て縦軸に、またHeLa細胞増殖抑制活性をIC50値
として横軸に2次元プロットした。グラフ中の番号はオ
リゴヌクレオチド名称中の番号に対応する。オーロラ2
キナーゼ蛋白質発現阻害活性が強いほどHeLa細胞増
殖抑制活性も強いという相関傾向が認められる。
【図6】最も高活性であったsas 10に対するミス
マッチオリゴヌクレオチド3種類を設計した。ミスマッ
チ塩基は図中に太字で示してあり、オリゴヌクレオチド
の中央部に塩基組成の変化を最低限にとどめる形で導入
した。
【図7】ミスマッチオリゴヌクレオチドのオーロラ2キ
ナーゼ蛋白質発現阻害活性の確認実験であるウエスタン
ブロットの結果を示した。右レーン(ODN(−) )
はオリゴヌクレオチド無処理の陰性対照である。設計の
意図通りにミスマッチの導入数が増えるに従ってオーロ
ラ2キナーゼ蛋白質発現阻害活性は低下してゆき、sa
s 10.3ではオリゴヌクレオチド無処理の陰性対照と
ほぼ同レベルであった。
【図8】16種類のヒト腫瘍細胞株に対するsas 1
0の増殖抑制効果を検討した。横軸には16種類のヒト
腫瘍細胞株を左側から感受性の高い順に示した。縦軸に
はsas 10.3処理を100%コントロールとして、
オリゴヌクレオチド濃度300nMにおけるsas 1
0の%コントロール値を示した。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Mitsubishi-Tokyo Pharmaceuticals, Inc.(三菱東京製薬株式会社) <120> オーロラ2キナーゼ阻害剤 <130> YK00019 <160> 15 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 cccaaggacc caagtcttcc 20 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 2 cccacccgtc ggctcccacc 20 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 3 ctccgccact ccgaccagcc 20 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 4 caaggcagcg ccaaggacac 20 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 5 aacaagcagt atcctacagg 20 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 6 agatcggtcc atgatgcctc 20 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 7 taaactgttc caagtggtgc 20 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 8 ctccaaggct ccagagatcc 20 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 9 ctcaaggatt tctccccctg 20 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 10 ggaggttaag gcacacctgc 20 <210> 11 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 11 cctccagatt atgaaccagt 20 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 12 agagtggtca ctttccccac 20 <210> 13 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 13 ttaccaggct tcgccaaccc 20 <210> 14 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 14 actagaaacc caatcaggcc 20 <210> 15 <211> 20 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 15 ctgtatccca agcaaatccc 20
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 C12N 9/99 C12N 9/99 15/00 ZNAA

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトオーロラ2キナーゼをコードするm
    RNAを標的とし、かつオーロラ2キナーゼ発現を阻害
    しうるオリゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 8〜50ヌクレオチド長である請求項1
    記載のオリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 以下の(a)または(b)の塩基配列を
    含む請求項1又は2記載のオリゴヌクレオチド。 (a)配列表の配列番号6、9、10、12で示される
    塩基配列。 (b)配列表の配列番号6、9、10、12で示される
    塩基配列において数個の塩基が置換・欠失・付加した塩
    基配列。
  4. 【請求項4】 ヒトオーロラ2キナーゼをコードするm
    RNAを標的とし、標的親和性を増強するように修飾さ
    れている少なくとも1つのヌクレオチドを有する第1の
    領域およびRNAseHの基質である第2の領域を含む
    キメラオリゴヌクレオチドであって、オーロラキナーゼ
    発現を阻害しうることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載のキメラオリゴヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 ヒトオーロラ2キナーゼの機能又は発現
    を阻害する物質を有効成分として含むヒトオーロラ2キ
    ナーゼ阻害剤。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかのオリゴヌク
    レオチドを有効成分として含むヒトオーロラ2キナーゼ
    発現阻害剤。
  7. 【請求項7】 ヒトオーロラ2キナーゼ機能を阻害しう
    る低分子化合物を有効成分として含むヒトオーロラ2キ
    ナーゼ機能阻害剤。
  8. 【請求項8】 薬学的に許容しうる担体中の、請求項1
    乃至7のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド又は低分
    子化合物。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載のオリ
    ゴヌクレオチド又は低分子化合物を含有する医薬。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載のオ
    リゴヌクレオチド又は低分子化合物を有効成分として含
    有する抗腫瘍剤。
  11. 【請求項11】 ヒトオーロラ2キナーゼを阻害する方
    法であって、ヒトオーロラ2キナーゼを発現する組織ま
    たは細胞を、ヒトオーロラ2キナーゼ発現を阻害しうる
    オリゴヌクレオチドと接触させることを含む方法。
  12. 【請求項12】 細胞の過増殖を阻害する方法であっ
    て、過増殖細胞をヒトオーロラ2キナーゼ発現を阻害し
    うるオリゴヌクレオチドと接触させることを含む方法。
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