JP2002092847A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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Abstract
バックアップ用カセットテープの提供を目的とする。 【解決手段】 非磁性支持体上の一面に、少なくとも一
層の下塗層と、磁性層とがこの順に形成し、反対面にバ
ックコート層を有する磁気記録媒体において、磁性層の
厚さが0.01〜0.10μm、該磁性層の厚みむらが1〜
15%とすることにより、高容量の磁気記録媒体が得ら
れる。特に、MRヘッドを使用した場合の再生出力、出
力対ノイズ比が高い。
Description
ス速度、転送速度が高い磁気記録媒体に関し、特に磁気
抵抗効果素子を利用した再生ヘッド(以下、MRヘッ
ド)を使用するデータバックアップ用磁気記録媒体に関
する。
オテープ、コンピユーターテープなど種々の用途がある
が、特にデータバックアップ用テープの分野ではバック
アップ対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1
巻当たり数十GBの記憶容量のものが商品化されてお
り、今後ハードディスクのさらなる大容量化に対応する
ためバックアップテープの高容量化は不可欠である。ま
た、アクセス速度、転送速度を大きくするため、テープ
の送り速度、テープ−ヘッド間の相対速度を高めること
が必要不可欠である。
のためには、テープ全厚を薄くして1巻あたりのテープ
長さを長くすること、磁性層厚さを薄くすることで厚さ
減磁を小さくして記録波長を短くすることと共に、トラ
ック幅を狭くして幅方向の記録密度を高くする必要があ
る。磁性層厚さを薄くすると、磁性層全体が飽和記録さ
れるので、磁性層厚さのばらつきが出力のばらつきに直
結する。また、幅方向の記録密度を高くするとテープか
らの漏れ磁束が小さくなるため、再生ヘッドに微小磁束
でも高い出力が得られるMRヘッドを使用する必要があ
る。さらに、テープの送り速度やテープ−ヘッド間の相
対速度の高速化に対応する磁気テープとしては、非磁性
支持体、下塗層、磁性層の機械的特性の最適化等によ
り、テープとヘッド間のタッチを改良する手段などが必
要となってきている。
知文献としては、例えば特開平11−238225号公
報、特開平2000−40217号公報、特開平200
0−40218号公報などがある。これらの特許公報に
は、磁気記録媒体の磁束(残留磁束密度と厚さの積)を
特定の値に制御してMRヘッドの出力の歪を防止した磁
気記録媒体や、磁性層表面のへこみを特定の値以下にし
てMRヘッドのサーマル・アスペリティを低減した磁気
記録媒体が開示されている。
知の磁気記録媒体は、磁性層の厚さむらのために、MR
ヘッドで再生したときの再生出力の変動が大きく、出力
対ノイズ比(C/N)が小さいという問題があった。
薄くなると磁性層全体が磁化され、磁気抵抗効果型ヘッ
ド(以下、MRヘッド)を用いて再生する場合には、出
力は磁束(残留磁束密度と磁性層厚さの積)に比例する
ため、磁性層の厚さむらがそのまま出力変動になる。し
たがって、磁性層厚さが0.1μmと薄い場合には、磁性
層の厚さむらを15%以下にする必要があるが、従来の
方法で得られる磁性層厚さのむらは、20%程度が限界
であった。
決するため、本発明者らが鋭意検討した結果、磁性層厚
さが0.1μm以下と薄い場合に関して、磁性層の厚みむ
らを低減するためには、遠赤外線加熱によって、下塗層
と磁性層を同時に乾燥すれば良いことが明らかになっ
た。即ち、従来の加熱乾燥法では、熱が表面から伝わる
ために磁性層表面が先に乾燥し、内部から出てくる溶剤
が蒸発する際に、磁性層を乱し、これが磁性層厚さむら
の原因になる。これに対して、遠赤外線加熱で乾燥する
と、下塗層のカーボンブラックや磁性層の磁性粉末が遠
赤外線によって直接加熱されるため、下塗層と磁性層が
同時、且つ均一に乾燥し、磁性層厚さが0.1μm以下と
薄い場合にも、磁性層の厚さむらが15%以下になるこ
とを見出した。
されたものである。すなわち、本発明は、非磁性支持体
上の一面に、少なくとも一層の下塗層と、磁性層とがこ
の順に形成され、反対面にバックコート層を有する磁気
記録媒体において、磁性層の厚さが0.01〜0.10μ
m、磁性層の厚みむらが1〜15%であることを特徴と
する磁気記録媒体(請求項1)と、磁性層の厚さ(d
1)と下塗層(d2)の厚さの比(d2/d1)が10
以上100以下であることを特徴とする磁気記録媒体
(請求項2)と、磁気抵抗効果型素子を利用した再生ヘ
ッドによって磁気記録信号が再生される磁気記録媒体
(請求項3)と、厚さ2〜5μmの非磁性支持体と、厚
さ0.01〜0.1μm、保磁力160〜320kA/m、
長手方向の残留磁束密度と磁性層厚さの積0.0018μ
Tm以上0.04μTm以下の磁性層と、厚さ0.2〜0.8
μmのバックコート層とを有する磁気記録媒体(請求項
4)と、下塗層が、当該下塗層中の全無機粉体の重量を
基準にして、粒径10〜100nmのカーボンブラック
を15〜35重量%、粒径0.05〜0.20μmの非磁性
の酸化鉄を35〜83重量%含有する磁気記録媒体(請
求項5)とに係るものである。
とも一層の下塗層と、厚さが0.01〜0.10μmの磁性
層とがこの順に形成され、反対面にバックコート層を有
する磁気記録媒体において、磁性層の厚みむらを低減す
る方法について検討した結果、非磁性支持体上に、下塗
層を形成し、その上にウエットオンウエットで形成した
磁性層を、遠赤外線乾燥すると、磁性層厚さのむらが、
非常に小さい磁気記録媒体が得られる。磁性層の厚さむ
らは、小さければ小さい程よいが、1%未満の磁性層厚
さむらの実現は難しく、15%を越える磁性層厚さむら
があると、MRヘッドで再生した時の出力変動が大きく
なるので15%以下が好ましい。1〜12%がより好ま
しく、1〜10%がさらに好ましい。磁性層の厚さ(d
1)と下塗層の厚さ(d2)との比(d2/d1)は1
0以上100以下が好ましく、20以上100以下がよ
り好ましく、40以上100以下がさらに好ましい。こ
の範囲が好ましいのは、10未満では耐久性が悪くなる
傾向にあり、100を越えると磁気記録媒体全体の厚さ
が厚くなり、1巻あたりの容量が小さくなるためであ
る。
く、0.02〜0.10μmがさらに好ましく、0.02〜0.
07μmがさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、
磁性層厚さは0.01未満では厚さむらを15%未満にす
ることが難しく、0.10μmを越えると、厚み損失によ
り出力低下が起こるからである。磁性層の保磁力は、1
60〜320kA/mが好ましく、200〜320kA
/mがより好ましい。この範囲が好ましいのは、160
kA/m未満では記録波長を短くすると反磁界減磁で出
力低下が起こり、320kA/mを越えると磁気ヘッド
による記録が困難になるためである。長手方向の残留磁
束密度と磁性層厚さの積0.0018μTm以上0.04μ
Tm以下が好ましく、0.0036μTm以上0.04μT
m以下がより好ましく、0.004μTm以上0.028μ
Tm以下がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、
0.0018μTm未満では、MRヘッドによる再生出力
が小さく、0.04μTmを越えるとMRヘッドによる再
生出力が歪みやすいからである。このような磁性層から
なる磁気記録媒体は、記録波長を短くでき、しかも、M
Rヘッドで再生した時の再生出力を大きくでき、しかも
再生出力の歪が小さく出力対ノイズ比を大きくできるの
で好ましい。
が好ましい。この範囲が好ましいのは、0.2μm未満で
は磁気記録媒体の走行性が悪くなり、0.8μmを越える
と磁気記録媒体の全厚が厚くなり、1巻当たりのテープ
長さが短くなるからである。
量を基準にして、粒径10〜100nmのカーボンブラ
ックを15〜35重量%、粒径0.05〜0.20μmの非
磁性の酸化鉄を35〜83重量%含有させると、ウエッ
トオンウエットで、その上に形成した磁性層の厚さむら
が小さくなるので好ましい。以下、各構成要素について
詳述する。
用途によって異なるが、通常、2〜5μmのものが使用
される。より好ましくは2.5〜4.5μmである。この範
囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは、2μm未満
では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、5μ
mを越えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当たり
の記憶容量が小さくなるためである。
D)は10.13GPa(1000kg/mm2 )以上が好ま
しく、11.14GPa(1100kg/mm2 )以上がより
好ましい。非磁性支持体の長手方向のヤング率10.13
GPa(1000kg/mm2 )以上がよいのは、長手方向
のヤング率10.13GPa(1000kg/mm2 )未満で
は、テープ走行が不安定になるためである。また、ヘリ
キャルスキャンタイプでは、長手方向のヤング率/幅方
向のヤング率(MD/TD)は、0.60〜0.80の特異
的範囲が好ましい。長手方向のヤング率/幅方向のヤン
グ率が、0.65〜0.75の範囲がより好ましい。長手方
向のヤング率/幅方向のヤング率が、0.60〜0.80の
特異的範囲がよいのは、0.60未満または0.80を越え
ると、メカニズムは現在のところ不明であるが、磁気ヘ
ッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき
(フラットネス)が大きくなるためである。このばらつ
きは長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が0.70付
近で最小になる。さらに、リニアレコーディングタイプ
では、長手方向のヤング率/幅方向のヤング率は、0.7
0〜1.30が好ましい。このような特性を満足する非磁
性支持体には二軸延伸の芳香族ポリアミドベースフィル
ム、芳香族ポリイミドフィルム等がある。
(d1)と下塗層(d2)の厚さの比(d2/d1)が
10以上100以下となるように設定するのがよい。2
0以上100以下がより好ましく、40以上100以下
がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、10未満
では、磁性層の厚さむら低減効果が小さく、100を越
えると磁気記録媒体の全厚が厚くなり過ぎてテープ1巻
当たりの記憶容量が小さくなるためである。
ブラック、テープ剛性の制御を目的に酸化鉄を添加す
る。下塗層に、当該下塗層中の全無機粉体の重量を基準
にして、粒径10〜100nmのカーボンブラックを1
5〜35重量%、長軸長0.05〜0.20μm、短軸長5
〜200nmの非磁性の酸化鉄を35〜83重量%含有
させると、ウエットオンウエットで、その上に形成し、
遠赤外線乾燥した磁性層の厚さむらが小さくなるので好
ましい。なお、非磁性酸化鉄は通常針状であるが、粒状
または無定形の非磁性酸化鉄を使用する場合には粒径5
〜200nmの酸化鉄が好ましい。
下、CBとも言う)としては、アセチレンブラック、フ
ァーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。
粒子径が5nm〜200nmのものが使用されるが、粒
径10〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ま
しいのは、カーボンブラックがストラクチャーを持って
いるため、粒径が10nm以下になるとCBの分散が難
しく、100nm以上では平滑性が悪くなるためであ
る。CB添加量は、CBの粒子径によって異なるが、1
5〜35重量%が好ましい。この範囲が好ましいのは、
15重量%未満では導電性向上効果が乏しく、35重量
%を越えると効果が飽和するためである。粒径15nm
〜80nmのCBを15〜35重量%使用するのがより
好ましく、粒径20nm〜50nmのCBを20〜30
重量%用いるのがさらに好ましい。このような粒径・量
のカーボンブラックを添加することにより電気抵抗が低
減され、静電ノイズの発生やテープ走行むらが小さくな
ると共に、遠赤外線乾燥した磁性層の厚さむらが小さく
なる。
は、針状の場合、長軸長0.05〜0.20μm、短軸長5
〜200nmのものが好ましく、粒状または無定形のも
のでは、粒径5〜200nmが好ましい。なお、針状の
ものが磁性層の配向がよくなるのでより好ましい。添加
量は、35〜83重量%が好ましい。この範囲の粒径
(針状の場合は短軸長)が好ましいのは、粒径5nm未
満では均一分散が難しく、200nmを越えると下塗層
と磁性層の界面の凹凸が増加するためである。この範囲
の添加量が好ましいのは、35重量%未満では塗膜強度
向上効果が小さく、83重量%を越えると反って塗膜強
度が低下するためである。
のヤング率を検討した結果、塗布層のヤング率にも最適
範囲があり、塗布層のヤング率が非磁性支持体の長手方
向と幅方向のヤング率の平均値の40〜100%の範囲
にすると、テープの耐久性が大きく、且つテープ−ヘッ
ド間のタッチがよくなり、磁気ヘッドのトラックの入り
側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が小さ
くなることを見出した。50〜100%の範囲がより好
ましく、60〜90%の範囲がさらに好ましい。この範
囲が好ましいのは40%未満では塗布膜の耐久性が小さ
くなり、100%を越えるとテープ−ヘッド間のタッチ
が悪くなるためである。なお、下塗層と磁性層からなる
塗布層のヤング率の制御には、カレンダ条件による制御
法を用いる。
ング率の80〜99%が好ましい。下塗層ヤング率が磁
性層のそれより低い方がよいのは、下塗層が一種のクッ
ションの作用をするためである。
層に、役割の異なる潤滑剤を使用する。下塗層には全粉
体に対して0.5〜4.0重量%の高級脂肪酸を含有させ、
0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させる
と、テープと回転シリンダとの摩擦係数が小さくなるの
で好ましい。この範囲の高級脂肪酸添加が好ましいの
は、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、
4.0重量%を越えると下塗層が可塑化してしまい強靭性
が失われるからである。また、この範囲の高級脂肪酸の
エステル添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩
擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えると磁性層
への移入量が多すぎるため、テープと回転シリンダが貼
り付く等の副作用があるためである。
重量%の脂肪酸アミドを含有させ、0.2〜3.0重量%の
高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープと回転シ
リンダとの摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範
囲の脂肪酸アミドが好ましいのは、0.2重量%未満では
ヘッド/磁性層界面での直接接触が起りやすく焼き付き
防止効果が小さく、3.0重量%を越えるとブリードアウ
トしてしまいドロップアウトなどの欠陥が発生するから
である。脂肪酸アミドとしてはパルミチン酸、ステアリ
ン酸等のアミドが使用可能である。また、上記範囲の高
級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.2重量%未
満では摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越える
とテープと回転シリンダが貼り付く等の副作用があるた
めである。なお、磁性層の潤滑剤と下塗層の潤滑剤の相
互移動を排除するものではない。
0.01μm以上0.1μm以下が好ましく、0.02μm以
上0.1μm以下がより好ましい。この範囲が好ましいの
は、0.01μm未満では、磁性層の磁束が小さいために
MRヘッドによる再生出力が小さくなり、0.1μmを越
えると、MRヘッド再生出力が歪やすくなるためであ
る。上述のように、長手方向の磁性層の保磁力は、16
0〜320kA/mが好ましく、200〜320kA/
mがより好ましい。この範囲が好ましいのは、160k
A/m未満では記録波長を短くすると反磁界減磁で出力
低下が起こり、320kA/mを越えると磁気ヘッドに
よる記録が困難になるためである。長手方向の残留磁束
密度と磁性層厚さの積0.0018μTm以上0.04μT
m以下が好ましく、0.0036μTm以上0.04μTm
以下がより好ましく、0.004μTm以上0.028μT
m以下がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、0.
0018μTm未満では、MRヘッドによる再生出力が
小さく、0.04μTmを越えるとMRヘッドによる再生
出力が歪みやすいからである。このような磁性層からな
る磁気記録媒体は、記録波長を短くでき、しかも、MR
ヘッドで再生した時の再生出力を大きくでき、しかも再
生出力の歪が小さく出力対ノイズ比を大きくできるので
好ましい。
金属粉末、六方晶バリウムフェライト粉末が使用され
る。強磁性鉄系金属粉末、六方晶バリウムフェライト粉
末の保磁力は、160〜320kA/mが好ましく、飽
和磁化量は、強磁性鉄系金属粉末では、120〜200
A・m2/kg(120〜200emu/g)が好ましく、
130〜180A・m2/kg(130〜180emu/
g)がより好ましい。六方晶バリウムフェライト粉末で
は、50〜70A・m2/kg(50〜70emu/g)が
好ましい。なお、この磁性層の磁気特性と、強磁性粉末
の磁気特性は、いずれも試料振動形磁束計で外部磁場1.
28MA/m(16kOe)での測定値をいうものであ
る。
長軸長としては、0.03〜0.2μmが好ましく、0.03
〜0.18μmがより好ましく、0.04〜0.15μmがさ
らに好ましい。この範囲が好ましいのは、平均長軸長が
0.03μm未満となると、磁性粉の凝集力が増大するた
め塗料中への分散が困難になり、0.2μmより大きい
と、保磁力が低下し、また粒子の大きさに基づく粒子ノ
イズが大きくなるからである。また、六方晶バリウムフ
ェライト粉末では、同様な理由により、板径5〜200
nmが好ましい。なお、上記の平均長軸長、粒径は、走
査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影した写真の粒子サイ
ズを実測し、100個の平均値により求めたものであ
る。また、この強磁性鉄系金属粉末のBET比表面積
は、35m2/g以上が好ましく、40m2/g以上がより
好ましく、50m2/g以上が最も好ましい。六方晶バリ
ウムフェライト粉末のBET比表面積は、1〜100m2
/g以上が好ましく用いられる。
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレ
イン酸共重合体、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアク
リレート共重合体、ニトロセルロースなどの中から選ば
れる少なくとも1種とポリウレタン樹脂との組み合わせ
がある。中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアク
リレート共重合樹脂とポリウレタン樹脂を併用するのが
好ましい。ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウ
レタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリ
エステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタ
ン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタンなどが
ある。
2 M,P=O(OM)3 、O−P=O(OM)2 ,[M
は水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩]、OH、
NR' R''、N+ R''' R''''R''''' [R' 、R''、
R''' 、R''''、R''''' は水素または炭化水素基]、
エポキシ基を有する高分子からなるウレタン樹脂等の結
合剤が使用される。このような結合剤を使用するのは、
上述のように磁性粉等の分散性が向上するためである。
2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一
致させるのが好ましく、中でも−SO3 M基どうしの組
み合わせが好ましい。
部に対して、7〜50重量部、好ましくは10〜35重
量部の範囲で用いられる。特に、結合剤として、塩化ビ
ニル系樹脂5〜30重量部と、ポリウレタン樹脂2〜2
0重量部とを、複合して用いるのが最も好ましい。
れる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤
を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、トリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソ
シアネート類とトリメチロ―ルプロパンなどの水酸基を
複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート
類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ま
しい。これらの架橋剤は、結合剤100重量部に対し
て、通常10〜50重量部の割合で用いられる。より好
ましくは15〜35重量部である。
することができる。これらの研磨材としては、α−アル
ミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セ
リウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、
窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、
二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以
上のものを単独または組合せで使用することができる
が、これらの中でもアルミナは高硬度で少量の添加量で
ヘッドクリーニング効果に優れるため特に好ましい。研
磨材の粒径としては、0.01〜0.1μmと薄い磁性層で
は、通常平均粒径で0.002〜0.15μmとすることが
好ましく、粒径0.005〜0.10μmがより好ましい。
添加量は強磁性粉末に対して5〜20重量%が好まし
い。より好ましくは8〜18重量%である。
表面潤滑性向上を目的に従来公知のカーボンブラック
(CB)を添加することができるが、これらのCBとし
ては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サー
マルブラック等を使用できる。粒子径が5nm〜200
nmのものが使用されるが、粒径10nm〜100nm
のものが好ましい。この範囲が好ましいのは、粒径が5
nm以下になるとCBの分散が難しく、200nm以上
では多量のCBを添加することが必要になり、何れの場
合も表面が粗くなり、出力低下の原因になるためであ
る。添加量は強磁性粉末に対して0.2〜5重量%が好ま
しい。より好ましくは0.5〜4重量%である。
層には走行性向上を目的に、厚さ0.2〜0.8μmの従来
公知のバックコートを使用できる。この範囲が良いの
は、0.2μm未満では、走行性向上効果が不充分で、0.
8μmを越えるとテープ全厚が厚くなり、1巻当たりの
記憶容量が小さくなるためである。カーボンブラック
(CB)としては、アセチレンブラック、ファーネスブ
ラック、サーマルブラック等を使用できる。通常、小粒
径カーボンと大粒径カーボンを使用する。小粒径カーボ
ンには、粒子径が5nm〜200nmのものが使用され
るが、粒径10nm〜100nmのものがより好まし
い。この範囲がより好ましいのは、粒径が10nm以下
になるとCBの分散が難しく、粒径が100nm以上で
は多量のCBを添加することが必要になり、何れの場合
も表面が粗くなり、磁性層への裏移り(エンボス)原因
になるためである。大粒径カーボンとして、小粒径カー
ボンの5〜15重量%、粒径300〜400nmの大粒
径カーボンを使用すると、表面も粗くならず、走行性向
上効果も大きくなる。小粒径カーボンと大粒径カーボン
合計の添加量は無機粉体重量を基準にして60〜98重
量%が好ましく、70〜95重量%がより好ましい。表
面粗さRaは3〜8nmが好ましく、4〜7nmがより
好ましい。
的に、粒子径が0.1μm〜0.6μmの酸化鉄を添加する
のが好ましく、0.2μm〜0.5μmがより好ましい。添
加量は無機粉体重量を基準にして2〜40重量%が好ま
しく、5〜30重量%がより好ましい。
は、1巻当たりの容量が大きく、MR再生ヘッドを使用
した場合の再生出力、出力対ノイズ比が高く、ハードデ
ィスクドライブのバックアップ用テープとして、信頼性
も高く、特に優れている。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例、比較例の部は重量部を示す。
ニーダで混練したのち、(2)を加えて攪拌の後サンド
ミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに
(3)を加え攪拌・濾過した後、下塗層用塗料とした。
これとは別に、上記の磁性層用塗料成分(1)をニーダ
で混練したのち、サンドミルで滞留時間を45分として
分散し、これに磁性層用塗料成分(2)を加え攪拌・濾
過後、磁性塗料とした。上記の下塗層用塗料を、芳香族
ポリアミドフイルム(厚さ3.9μm、MD=11GP
a、MD/TD=0.70、商品名:ミクトロン、東レ社
製)からなる支持体上に、乾燥、カレンダ後の厚さが1.
1μmとなるように塗布し、この下塗層上に、さらに上
記の磁性塗料を磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理後
の磁性層の厚さが0.08μmとなるようにウエットオン
ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤおよび遠
赤外線を用いて乾燥し、磁気シートを得た。なお、磁場
配向処理は、ドライヤ前にN−N対抗磁石(5kG)を
設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75
cmからN−N対抗磁石(5kG)を2基50cm間隔で設
置して行った。塗布速度は100m/分とした。
ルで滞留時間45分として分散した後、ポリイソシアネ
ート15部を加えてバックコート層用塗料を調整し濾過
後、上記で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾
燥、カレンダ後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、
乾燥した。
ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧1
50kg/cmの条件で鏡面化処理し、磁気シートをコアに
巻いた状態で70℃で72時間エージングしたのち、1
/2幅に裁断し、これを200m/分で走行させながら
磁性層表面をラッピングテープ研磨、ブレード研磨そし
て表面拭き取りの後処理を行い、磁気テープを作製し
た。この時、ラッピングテープにはK10000、ブレ
ードには超硬刃、表面拭き取りにはトレシーを用い、走
行テンション30gで処理を行った。上記のようにして
得られた磁気テープを、カートリッジに組み込み、コン
ピュータ用テープを作製した。
と同様にして実施例2〜8のコンピュータ用テープを作
製した。
と同様にして比較例1〜4のコンピュータ用テープを作
製した。
に評価結果を示す。 <磁性層厚み(d1)および下塗層厚み(d2)>厚み
の測定は、磁気テープを樹脂埋めし、それをダイヤモン
ドカッターで切り出し、その断面を透過型電子顕微鏡で
観察して厚みを測定し、その平均値から磁性層厚み(d
1)および下塗層厚み(d2)を求めた。
性層厚み(d1)を求めるときの厚みの最大値M(ma
x)、最小値をM(min)とし、次式のように定義する。 磁性層厚みむら(%)=|M(max)−M(min)|/d1
×100
は、光干渉三次元表面粗さ計を用いて測定した。
力対ノイズは、薄手テープ用に改造したLTOドライブ
を用いて記録(記録波長0.37μm)・再生することに
よって求めた。再生出力と出力対ノイズは、比較例1の
テープを0dBとした時の値である。
から明らかなように、磁性層の厚さが0.01〜0.10μ
m、磁性層の厚みむらが1〜15%である本発明の磁気
記録媒体は、記憶容量が高い優れた磁気記録媒体であ
る。特に、MRヘッドを使用した場合の再生出力、出力
対ノイズ比が高く、ハードディスク等のバックアップテ
ープとして優れている。
Claims (5)
- 【請求項1】 非磁性支持体上の一面に、少なくとも一
層の下塗層と、磁性層とがこの順に形成され、反対面に
バックコート層を有する磁気記録媒体において、前記磁
性層の厚さが0.01〜0.10μm、前記磁性層の厚みむ
らが1〜15%であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 磁性層の厚さ(d1)と下塗層(d2)
の厚さとの比(d2/d1)が10以上100以下であ
る、請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 磁気抵抗効果型素子を利用した再生ヘッ
ドによって磁気記録信号が再生される、請求項1または
2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 厚さが2〜5μmの非磁性支持体と、保
磁力160〜320kA/m、長手方向の残留磁束密度
と厚さとの積が0.0018μTm以上0.04μTm以下
の磁性層と、厚さ0.2〜0.8μmのバックコート層とを
有する請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項5】 下塗層は、当該下塗層中の全無機粉体の
重量を基準にして、粒径10〜100nmのカーボンブ
ラックを15〜35重量%、粒径0.05〜0.20μmの
非磁性の酸化鉄を35〜83重量%含有する請求項1な
いし4のいずれかに記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000283248A JP2002092847A (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | 磁気記録媒体 |
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JP (1) | JP2002092847A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004006229A1 (ja) * | 2002-07-05 | 2004-01-15 | Hitachi Maxell, Ltd. | 磁気テープ |
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-
2000
- 2000-09-19 JP JP2000283248A patent/JP2002092847A/ja active Pending
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