JP2002088599A - 糸条加工機の運転管理システム - Google Patents

糸条加工機の運転管理システム

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JP2002088599A
JP2002088599A JP2000286776A JP2000286776A JP2002088599A JP 2002088599 A JP2002088599 A JP 2002088599A JP 2000286776 A JP2000286776 A JP 2000286776A JP 2000286776 A JP2000286776 A JP 2000286776A JP 2002088599 A JP2002088599 A JP 2002088599A
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yarn
processing machine
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data
management system
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JP2000286776A
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English (en)
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Tatsuhito Yokoyama
樹人 横山
Kenkichi Nose
健吉 能勢
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Teijin Modern Yarn Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つの糸条特性の検出で各種の異常がオンラ
インで管理でき、さらには品質までオンラインで管理で
きる糸条加工機の運転管理システム。 【解決手段】 糸条加工機の運転状況をオンラインで管
理する糸条加工機の運転管理システムにおいて、加工糸
の形態を測定して、その測定信号を所定のサンプリング
周期でディジタル値の測定データにA/D変換して一定
期間の該測定データを順次記憶すると共に、測定データ
の最新値が予め設定した管理範囲外になった時記憶した
該一定期間の測定データに加えてこの時点から一定期間
の測定データを記憶するデータ収集部と、記憶した全測
定データの平均値を求め、この平均値により異常を検出
する異常処理部とを備えた糸条加工機の運転管理システ
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仮撚加工機、エア
加工機等の糸条加工機の運転状況具体的には断糸発生等
の異常をオンラインで管理する糸条加工機の運転管理シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】仮撚加工機、エアタスラン加工機等の糸
条加工機では、加工工程に加熱装置、加工処理器等が配
置され、糸導が複雑なため、断糸等の異常発生が多く、
この処理に人手を要している。また、品質異常の製品す
なわち加工糸パッケージが出荷されないように、加工糸
パッケージの品質検査を人手により行っており、この面
でも、人手を要する問題がある。その上、加工糸パッケ
ージでの検査はその表層部の検査となり、内層部での品
質異常は検査できないという不可避の問題を持ってい
る。
【0003】この品質管理に対して、特開平7−138
828号公報には延伸仮撚機の品質管理装置として、延
伸仮撚機で加工中の走行糸条の張力を検出して所定値以
上の変動の積算回数、積算時間によりパッケージ品質を
評価する装置が提案されている。
【0004】また、特開平2000−119924号公
報には、エア加工糸のループムラ検出方法として、撮像
手段からなる糸揺れ検出手段により供給ローラと流体噴
射ノズルとの間の糸通路で走行中の糸条の糸揺れ状態を
検出することでエア加工糸のループムラを検出する方法
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術は加
工糸の品質管理における前述の問題に対し、有効なもの
であるが、運転異常の管理は考慮されていない。また特
開平2000−119924号公報のものは、撮像手段
が必要であり,これを各錘に設けると設備費面で問題が
あり、特開平7−138828号公報のものは、糸条に
接触して測定する張力検出器を用いる点で、合糸への適
用には問題があり、運転異常から品質管理までオンライ
ンで管理できる新たなオンライン運転管理システムが求
められている。
【0006】本発明は、かかる現状に鑑み為されたもの
で、一つの糸条特性の検出で各種の異常がオンラインで
管理でき、さらには品質までオンラインで管理できる糸
条加工機の運転管理システムを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、糸
条加工機の運転状況をオンラインで管理する糸条加工機
の運転管理システムにおいて、加工糸の形態を測定し
て、その測定信号を所定のサンプリング周期でディジタ
ル値の測定データにA/D変換して一定期間の該測定デ
ータを順次記憶すると共に、測定データの最新値が予め
設定した管理範囲外になった時記憶した該一定期間の測
定データに加えてこの時点から一定期間の測定データを
記憶するデータ収集部と、記憶した全測定データの平均
値を求め、この平均値により異常を検出する異常処理部
とを備えたことを特徴とする糸条加工機の運転管理シス
テムである。
【0008】本発明は、上述の通り、品質に関する加工
糸の太さ、抱合、ばらつき等の多くの情報が得られる加工
糸の形態の測定データに基づいて管理するもので、予め
管理範囲を設定し、常時はこの管理範囲に有るか否かの
みの判断とデータ収集のみとして処理時間を短くして、
この範囲の逸脱時にのみ異常処理を行うことによりオン
ライン処理を可能とし、かつ異常判断はこの逸脱時を中
心にその前後所定期間の測定データの平均値により行う
ことにより、部分断糸、連込み異常等の各種の異常の正
確で安定な検出を実現し、目的を達成したものである。
【0009】本発明は、これらの点から加工糸が2本以
上の糸条を合わせた合糸である場合に特に効果的である
が、単糸の場合にも適用できることはその趣旨から明ら
かである。また、本発明において、異常処理部としては
平均値が予め設定した連込み閾値を越えた場合を連込み
異常、平均値が予め設定した断糸閾値未満になった場合
を断糸発生として検出し、強制断糸処理をする構成が省
力化面,工程の安定化面から好ましい。更には、この異
常処理部は、所定数の測定データが連続して予め設定し
た毛羽閾値を越えた場合を毛羽として検出する毛羽検出
部を備えることがパッケージの品質管理面から好まし
い。
【0010】なお、本発明において、糸条の形態の検出
には、光電センサーが非接触で安定して検出できる点で
好ましい。特に光軸が交差直交した2組の受光素子と発
光素子とを備え、出力の大きい方の出力をセンサー出力
とする2光軸式光電センサーが、複雑な形態の変動を示
す合糸の検出が安定してできる点で好ましい。
【0011】更に、本発明においては、記憶した一定時
間の測定データから品質に関する指標の値を求め記憶し
て、表示する指標監視部を設けることにより、異常から
品質管理まで一つのシステムで実現できる。この際、緊
急処理を要するデータ収集部、異常処理部は優先度の高
い割込み処理で処理し、品質管理部は優先度が普通の定
常処理で行うことがオンライン処理の面から好ましい。
なお、指標としては、一定期間毎にその間に記憶した一
定期間の測定データの標準偏差値をその平均値で割算し
て得られるCV(=標準偏差値÷平均値)、このCVの
一定幅の値域で区分した度数分布等が挙げられる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細をエアタスラ
ン加工機での実施例に基づいて説明する。図1は、実施
例のエアタスラン加工機の1錘の基本構成の説明図で,
実際はこの構成が所定錘並設されている。
【0013】図から明らかなように、本例のエアタスラ
ン加工機は、特開平11−107093号公報等に開示
のものと同様の構成となっている。すなわち、加工され
る芯糸Aと鞘糸Bは、図示省略した給糸スタンドの夫々
のパッケージから断糸処理のための糸カッター1を通し
て給糸される。そして、図に一点鎖線で示す芯糸Aは、
糸カッター1を通った後、糸送り装置7A、糸ガイド8
を経由する糸導でその下方の流体ジェット加工装置4に
供給される。
【0014】一方、図に点線で示す鞘糸Bは、同じく糸
カッター1を通り、その後は糸送り装置7B、加熱用ピ
ン2、糸送り装置7C、糸送り装置7D、糸加熱装置
3、糸送りローラ装置9Aからなる糸導で所定温度に加
熱されて流体ジェット加工装置4に供給される。
【0015】ここで、糸送り装置7A〜7Dは、フィー
ドローラとエプロンベルトで構成され、糸をエプロンベ
ルトでフィードローラに圧接して所定速度で送るように
なっている。また、糸送りローラ装置9A〜9Bは、フ
ィードローラとニップローラとからなり、糸をニップロ
ーラでフィードローラに圧接して所定速度で送るように
なっている。糸加熱装置3には、熱媒体加熱方式による
チューブヒータを内蔵したものを用いた。
【0016】流体ジェット加工装置4に供給された芯糸
Aと鞘糸Bは、ここでジェット噴流で加工されて合糸さ
れ、図で実線で示す所定の加工糸Cとなる。流体ジェッ
ト加工装置4からの加工糸Cは、必要に応じてオイリン
グ装置(図示省略)等でオイルが付与され、巻取機5で
加工糸パッケージ6に形成され、適宜図示省略したドフ
装置により玉揚げされる構成となっている。
【0017】ところで、本例においては、以上の構成の
エアタスラン加工機において、運転状況並びに製品の加
工糸パッケージ6の品質をオンラインで管理するため
に、図示のように、巻取前の糸導に加工糸Cの形態を検
出する糸センサー11を設けている。この糸センサー1
1には、一定速度で走行する糸条の形態が連続的に検出
できるものであればよく、周知の光電式センサー等が適
用できる。
【0018】本例では、この糸センサー11に特開平1
1−350269号公報等で公知の光軸が交差直交した
2組の発光素子と受光素子とからなり、その両出力信号
の内の大きい方をセンサーの測定信号と出力する2光軸
式光電センサーを用いた。そして、同公報に開示された
と同様に光軸の交差部を加工糸Cが通るようにして測定
した。これにより複雑な形態変化を示す加工糸特に合糸
された加工糸においても500デニールまでの加工糸で
加工速度600m/minまでの広い加工条件でその形
態変化が安定して正確に検出でき、異常検出、品質管理
に必要なデータがオンラインで得られることを確認し
た。
【0019】本例の運転管理システムでは、この糸セン
サー11からの測定信号に基づいて運転状況、加工糸の
品質指標をオンラインで連続的に管理している。以下、
図2〜図6によりその詳細を説明する。図2は、本例の
運転管理システムの基本構成のブロック線図、図3はそ
の管理手段のデータ収集部、図4はその異常処理部、図
5はその指標監視部、図6はその表示部のフローチャー
トである。
【0020】本例の運転管理システムは、図2に示すよ
うに、以下の構成となっている。すなわち、糸の形態を
検出する各錘に設けた糸センサー11と、各錘の糸セン
サー11からの測定信号を順次切り替えて出力する走査
回路12と、走査回路12からの測定信号をA/D変換
してディジタル値の測定データに変換するA/D変換回
路13と、A/D変換回路13からの測定データを受け
るインターフェース回路14と、インターフェース回路
14の測定データを読み込み処理するコンピュータ15
とこれに格納した管理手段とからなり、コンピュータ1
5に格納した管理手段の処理結果によりインターフェー
ス回路14を介して該当錘の糸カッター1を作動させて
断糸処理するように構成されている。
【0021】コンピュータ15に格納した管理手段は、
図3に示すデータ収集部と図4に示す異常処理部と、図
5に示す指標監視部と、図6に示す表示部とからなり、
以下のように動作するように構成されている。なお、管
理手段は、図示省略したが、機台の制御装置等とインタ
ーフェース回路14を介して必要な情報の発・受信がで
きるようになっている。
【0022】運転管理システムの管理手段は、図3に示
すデータ収集部において、以下のように各糸センサー1
1からその測定データを収集する。このデータ収集部
は、処理の優先度が最優先レベルのタイマーによる割込
み信号で一定周期で起動するようになっている。本例で
は、この周期は、0.1ミリ秒〜5ミリ秒の間で選定で
きるようになっている。この周期は、加工速度300m
/分の場合での糸長におけるサンプリング間隔では、
0.5mm〜25mmに相当し、形態変動の測定には十
分な小さなサンプリング間隔であり、上記周期で加工速
度600m/分程度までは十分に対応できる。
【0023】データ収集部は起動すると、先ず錘番号セ
ットのステップに入り、最初にデータ収集する錘番号を
例えば第1錘にセットする。そして、先ず、当該錘が巻
取り中か否かを示す巻取フラグの判別ステップに入り、
巻取フラグがONか否かを判別する。
【0024】巻取フラグがONでない[NO」の場合
は、巻取開始の判別ステップに入り、当該錘が巻取開始
したか否かを巻取機からの信号で判別する。巻取開始の
場合は、「YES」の方に進み、巻取フラグセットのス
テップにおいて、巻取フラグをONにセットし、後述の
データ読込みのステップに進む。巻取開始でない「N
O」の場合は、当該錘のデータ収集をスキップし、後述
の全錘終了の判別ステップに進む。
【0025】巻取フラグがONの場合及び上記の巻取開
始の場合は、データ読込みステップに入り、セットされ
た錘番号の錘即ち当該錘具体的には上記の第1錘の糸セ
ンサー11の測定信号を以下のようにして読み込む。す
なわち、走査回路12に第1錘の選択指令を出して第1
錘の糸センサー11を選択してA/D変換回路13に接
続すると共にA/D変換回路13でその測定信号をサン
プリングしてA/D変換し、得られた測定データをイン
ターフェース回路14を介して読み込む。
【0026】そして、次のデータ格納のステップにおい
て、読み込んだ測定データの現在値を異常判別用記憶領
域と指標用記憶領域の両方に記憶する。異常判別用の記
憶は直近の一定時間の間の測定データを順次記憶するリ
ングメモリ方式で記憶するようになっている。指標用の
記憶は、一定時間毎にその間の測定データを記憶するよ
うになっている。本例では、この記憶時間範囲を両記憶
共に各錘について1秒間の測定データを記憶するように
している。本例では割込み周期は2ミリ秒としているの
で、各錘について共に500個の測定データが記憶され
ていることになる。
【0027】以上のデータ格納が終わると、次の指標デ
ータ数の判別ステップに進み、記憶した指標データ数が
所定値本例では上述の500個に達したか否かを判別す
る。500個に達すると、「YES」の方に進み、指標
フラグセットのステップで、後述の指標監視部でその処
理の実行を制御する指標フラグをONにセットする共
に、指標用記憶領域の当該錘の測定データを評価用記憶
領域に保存する。
【0028】この処理後又は記憶した指標データ数が5
00個未満の「NO」の場合は直ちに、異常フラグの判
別ステップに入る。このステップでは、測定データが管
理範囲外になった異常状態でのデータ収集中を示す異常
フラグがONか否かを判別する。そして、異常フラグが
ONでない場合は「NO」の方に進み、上記で格納した
現在値の判別ステップに入る。
【0029】このステップでは、現在値が予め設定した
管理範囲内であるか否かを判別する。管理範囲外の異常
の場合は「NO」の方に進み、異常フラグセットステッ
プにおいて異常フラグをONにセットし、次いで収集デ
ータ退避ステップにおいて、異常判別用記憶領域に記憶
されている500個の測定データを過去分異常判別用記
憶領域に保存する。
【0030】この処理終了後又は現在値が管理範囲内に
ある「YES」の場合は直ちに、全錘終了か否かの判別
ステップに入る。そして、この判別ステップにおいて、
全錘のデータ収集が終わったか否かを錘番号で判別す
る。全錘終了の「YES」の場合は本処理を出て、次の
割込みタイミングまで休止する。一方、全錘未完了の
「NO」の場合は、錘番号繰上げステップに入り、処理
する錘番号を1繰上げ、巻取フラグの判別ステップに戻
り、次錘例えば第2錘のデータ収集に進む。
【0031】このように、データ収集部は、異常判別用
として常時直近の一定時間本例では1秒間のデータを保
持すると共に、糸センサー11の測定データが一旦管理
範囲外になると更にその後の一定時間本例では1秒間の
測定データを記憶するようになっている。また、指標用
としては所定時間本例では1秒間毎にその間の測定デー
タを繰り返し記憶するようになっている。
【0032】ところで、前述の異常フラグの判別ステッ
プで異常フラグがONの場合は、「YES」の方に進
み、異常データ数の判別ステップに入る。このステップ
では、現在値が管理範囲外となった異常発生時点以後に
収集記憶した異常用データ数が1秒間に相当する500
個に達したか否かを判別する。未達の「NO」の場合
は、錘番号繰上げステップに入り、次錘のデータ収集に
進む。
【0033】500個に達すると「YES」の方即ち当
該錘の異常用データ収集は終了となり、図3のA点即ち
図4に示す異常処理部に入り、当該錘について収集した
データに基づいて当該錘について以下の異常処理を行
う。先ず平均演算ステップに入り、過去分の異常判別用
記憶領域と現在の異常判別用記憶領域に記憶した当該錘
の本例では1000個の測定データの平均値を求める。
このように本発明では、瞬時値が管理範囲を逸脱した前
後のデータの平均値を用いるようにしているので、瞬時
値を中心にその前後の状況を反映した正確な検出が可能
となる。
【0034】次いで、連込みの判別ステップに入り、合
糸加工での問題異常の一つである隣接錘等の余分の糸条
の当該錘への混入である連込み異常の有無を判断する。
この判断は今求めた平均値を予め設定した連込み閾値と
比較することにより行う。そして、平均値が連込み閾値
を越えている場合は連込み異常発生と判断し、図の「Y
ES」の方に進む。そして、異常処理ステップに進み、
当該錘についてその糸カッター1を動作させて強制断糸
して糸端を保持する断糸処理を行うと同時に、巻取機を
停止する。そして、巻取フラグリセットのステップに入
り、巻取フラグをOFFにする。
【0035】その後、異常データ格納のステップに入
り、当該錘の錘管理ファイルに異常内容すなわち連込み
異常、その発生時刻、並びこの前後の上述の1000個
の測定データを格納する。なお、この連込み閾値は、実
テスト等による経験値を用いる。また、この平均値によ
る判別により、安定して正確な検出ができることを確認
した。
【0036】一方、平均値が連込み閾値以下の場合は、
連込み異常無しと判断して、「NO」の方に進み、断糸
の判別ステップに入る。このステップでは、合糸の場合
に特有の一部の糸条のみが断糸する部分断糸を含む断糸
発生の有無を判別する。この判別は、該平均値と予め設
定した断糸閾値とを比較することにより行っている。そ
して、平均値が断糸閾値未満の場合を断糸発生として
「YES」の方に進み、連込み異常発生の場合と同様に
異常処理ステップに入り、同様の断糸処理、巻取機停止
を行い、巻取フラグリセットステップにおいて巻取フラ
グをOFFにし、異常データ格納ステップにおいて同様
のデータ格納を行う。なお、この断糸閾値も実テスト等
による経験値を用いるが、その値は部分断糸を検出でき
るものとする。また、この平均値による判別により部分
断糸も安定して正確に検出できることを確認した。
【0037】平均値が断糸閾値以上の場合は断糸発生無
しとして「NO」の方に進み、次の毛羽発生の判別ステ
ップに入る。このステップでは、品質異常で重要な毛羽
発生の有無を判別する。この判別は、先に記憶して10
00個の各測定データを予め設定した毛羽閾値と比較す
ることにより行っている。本例では、連続して所定数の
測定データが毛羽閾値を越える場合を毛羽として検出
し、毛羽発生と判断している。そして、毛羽発生の場合
は「YES」の方に進み、異常処理は行わずに、異常デ
ータ格納ステップに入り、前述の断糸等の場合と同様に
毛羽発生に伴うデータ格納を行う。なお、毛羽は品質管
理面からは加工糸パッケージの中の毛羽の個数、各毛羽
の大きさ等で総合的に管理するのが好ましく、従って本
例ではその判断に必要なデータ収集と提示のため上記処
理としている。しかし、毛羽の発生数が所定数を越えた
場合は異常として、断糸等同様に自動的に異常処理する
構成も、生産の省力化面からは効果的で、適用できる。
【0038】毛羽閾値を越える測定データが無い「N
O」の場合は単なる瞬時変動で異常無しとして、あるい
は上述のどれかの異常が発生した場合でその異常データ
格納の処理後は、異常フラグリセットのステップに入
り、異常フラグをオフにする共に過去分の異常用記憶領
域をクリアする。これで、当該錘の異常処理は終了し、
第3図のB点に戻り、全錘終了の判別ステップに進む。
このように、速やかな断糸処理を含む異常処理の必要な
異常処理部は、データ比較の簡単な処理のみとしてデー
タ収集部と連続して最優先レベルの優先度で処理するよ
うにしている。
【0039】以上のように、本例では、異常発生前後の
所定時間の測定データを記憶して、その平均値により異
常発生の最終判断をするようにしているので、非常に信
頼性の高い異常検出が実現された。また、異常の分類
は、所定時間の測定データの収集後纏めて1回の処理で
行い、その他は瞬時値の現在値が管理範囲内か否かのみ
の処理でデータ収集するようにしており、短いサンプリ
ング周期で処理でき、高速のオンライン管理が実現さ
れ、緊急な処置が必要な断糸処理等が問題なく実現され
た。このように、本発明は、正確で信頼性が高く、即応
性に優れた糸加工機のオンライン運転管理システムを実
現するものである。
【0040】一方、指標監視部は上記のデータ収集部で
収集記憶された測定データに基づいて品質指標本例では
目視検査との相関を確認した後述の指標CVを求め、監
視するように図5に示す構成となっている。この指標監
視部は、割込み処理より優先度の低いレベルで処理さ
れ、機台の運転開始で起動する。
【0041】そして、先ず錘番号セットのステップに入
り、ここで錘番号を最初に処理する錘例えば機台の第1
錘にセットする。次いで、運転中の判別ステップに進
み、機台が運転中か否かを判別し、運転中でない停止の
場合は「NO」の方に進み、処理を終了する。すなわ
ち、本例では運転中であれば下記する指標監視処理を繰
り返し実行し、運転停止時のみ処理を終了するようにし
ている。
【0042】そして、運転中の場合は「YES」の方に
進み、以下の指標監視処理を行う。先ず、指標フラグの
判別ステップに入り、当該錘の指標フラグがONすなわ
ち指標用データの収集が完了したか否かを判別する。未
完了の場合は、「NO」の方に進み、錘番号繰上げステ
ップに入り,錘番号を繰り上げ、全錘終了の判別ステッ
プに進む。
【0043】このステップでは、全錘終了したか否かを
錘番号で判別する。そして、全錘が終了していない場合
は、「NO」の方に進み、前述の運転中の判別ステップ
に戻り、次錘の処理に進む。一方、全錘終了の場合は、
「YES」の方に進み、前述の錘番号セットステップに
戻り、最初の錘から処理を行う。すなわち、運転中であ
る限り、指標監視処理は順次各錘について実行するよう
になっている。
【0044】ところで、前述の通り、データ収集部で収
集記憶した指標用データのデータ数が500個になると
指標フラグはONになるので、この判別ステップでは
「YES」となり、以下の指標監視処理が実行される。
すなわち、この指標監視処理は、500個のデータ収集
毎、すなわちほぼ1秒周期で実行される。
【0045】先ず、平均演算ステップに入り、保存した
1秒間の500個の測定データの平均値を求める。次い
で、標準偏差演算ステップに進み、該測定データの標準
偏差値を求める。そして、次のCV演算ステップにおい
て、下記式により指標CVを求める。
【0046】
【数1】CV=標準偏差値÷平均値
【0047】次いで、CVの判別ステップに入り、求め
たCV値を予め設定したCV閾値と比較する。そして、
この値がCV閾値以上の場合にCV異常として「YE
S」の方に進み、CV異常データ格納ステップに入り、
異常内容としてCV異常を、その発生時刻、CV値と共
に錘別異常ファイルに格納する。
【0048】この処理後又はCV閾値未満の「NO」の
場合は直ちに、CVデータ格納ステップに入り、錘別C
VファイルにCV値とその測定時刻具体的には処理時刻
を格納する。次いで、巻取終了の判別ステップに入り、
当該錘の加工糸パッケージが満巻等により巻取終了にな
ったか否かを判別する。この判別は巻取機からの信号等
で行う。そして、巻取中の場合は、「NO」の方に進
み、当該錘の指標監視処理を終了し、前述の錘番号繰上
げステップに戻る。
【0049】一方、当該加工糸パッケージが満巻等によ
り巻取終了となった「YES」の場合は、巻取フラグリ
セットのステップに入り、巻取フラグをリセットする。
次いで、パッケージファイル作成のステップに入り、当
該加工糸パッケージの表示に必要なデータを集約したパ
ッケージファイルを作成する。本例では、錘別異常ファ
イル、錘別CVファイルからこれらに格納された指標C
Vの巻き始めからの時系列データ、CV異常、毛羽発生
の巻き始めからの時系列発生分布等を集約したパッケー
ジファイルを作成するようにしている。この処理後は、
「NO」の場合と同様に、錘番号繰上げステップに戻
る。
【0050】以上により、全錘で処理したパッケージに
ついて、品質管理に必要なCV、毛羽のデータがパッケ
ージ毎に集約されて保存される。そして、本例の管理シ
ステムは、その管理手段の表示部により、この結果を要
求に応じて表示するようにしている。本例の表示部は、
図6に示すように構成されている。
【0051】コンピュータ15のキーボード等の入力装
置から入力された表示要求があると起動して、先ず表示
設定ステップに入り、表示したい内容、例えば錘、パッ
ケージの範囲等を設定させる。この設定は、所定フォー
マットの設定表を表示し、これに入力させるようにして
いる。本例では、錘範囲、パッケージの範囲、表示内容
を指定できるようにしている。表示内容は、指定パッケ
ージの毛羽発生の時系列分布、件数等、CVの履歴、平
均値、度数分布、累積度数分布等、全異常の集計、時系
列分布等が指定表示できるようになっている。
【0052】そこで、入力が終わると、データ抽出処理
のステップに入り、指定された表示に必要なデータの抽
出と処理を行う。すなわち、指定された錘、パッケージ
のデータをパッケージファイルから読み出し、内容に応
じた処理例えばCVの平均値であれば、パッケージ毎の
平均値を求め、所定の記憶領域に格納する。そして、表
示ステップに入り、指定された表示方法例えばグラフで
コンピュータ15の液晶表示器等の表示装置に表示す
る。次いで、表示終了の判別ステップに入り、入力装置
からの表示終了の要求の有無を判断する。表示終了の要
求がある場合は、終了処理ステップで表示の終了処理を
し、表示部は処理を終了する。
【0053】以上、本例では、処理遅れを許されないデ
ータ収集部は最優先の割り込み処理に処理し、確実なデ
ータ収集を確保すると共に、処理に時間的な遅れが許さ
れる品質監視部はそれより低い優先レベルで、表示部は
必要時のみ処理するようにしており、安価のマイコン程
度のコンピュータで十分処理できる。
【0054】以上、本発明をエアタスラン加工機に適用
した例に基づいて説明したが、本発明はかかる実施例に
限定されるものでないことは、その趣旨から明らかであ
る。例えば、合糸の加工の場合に効果的であるが、単糸
の加工の場合にも適用できる。加工法もエアタスラン加
工のみでなく、仮撚加工等にも適用できる。
【0055】
【発明の効果】以上の通り、本発明は、従来困難であっ
た糸条加工機特に合糸の加工の際のオンラインでの運転
管理を品質管理も含めて実現したものであって、糸加工
工程の安定生産、その品質管理においてパッケージの巻
き始めから満巻きまでの品質保証ができる品質管理の実
現、その省力化、更には安定生産に大きな寄与を為すも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本例を適用したエアタスラン加工機の
基本構成の説明図である。
【図2】図2は、本例の運転管理システムの基本構成の
ブロック線図である。
【図3】図3は、そのデータ収集部のフローチャート図
である。
【図4】図4は、その異常処理部のフローチャート図で
ある。
【図5】図5は、その指標管理部のフローチャート図で
ある。
【図6】図6は、その表示部のフローチャート図であ
る。
【符号の説明】
1 糸カッター 2 加熱用ピン 3 糸加熱装置 4 流体ジェット加工装置 5 巻取機 6 加工糸パッケージ 7A〜7D 糸送り装置 8 糸ガイド 9A〜9B 糸送りローラ装置 11 糸センサー 12 走査回路 13 A/D変換回路 14 インターフェース回路 15 コンピュータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸条加工機の運転状況をオンラインで管
    理する糸条加工機の運転管理システムにおいて、加工糸
    の形態を測定して、その測定信号を所定のサンプリング
    周期でディジタル値の測定データにA/D変換して一定
    期間の該測定データを順次記憶すると共に、測定データ
    の最新値が予め設定した管理範囲外になった時記憶した
    該一定期間の測定データに加えてこの時点から更に一定
    期間の測定データを記憶するデータ収集部と、記憶した
    全測定データの平均値を求め、この平均値により異常を
    検出する異常処理部とを備えたことを特徴とする糸条加
    工機の運転管理システム。
  2. 【請求項2】 加工糸が2本以上の糸条を合わせた合糸
    である請求項1記載の糸条加工機の運転管理システム。
  3. 【請求項3】 異常が合糸される糸条の一部の糸条が断
    糸する部分断糸を含む断糸発生又は/及び余分の糸条が
    合糸される連込み異常である請求項2記載の糸条加工機
    の運転管理システム。
  4. 【請求項4】 異常処理部が平均値が予め設定した連込
    み閾値を越えた場合を連込み異常、平均値が予め設定し
    た断糸閾値未満になった場合を断糸発生として検出し、
    強制断糸処理をする請求項3記載の糸条加工機の運転管
    理システム。
  5. 【請求項5】 異常処理部が、更に所定数の測定データ
    が連続して予め設定した毛羽閾値を越えた場合を毛羽と
    して検出する毛羽検出部を備える請求項1〜4記載のい
    ずれかの糸条加工機の運転管理システム。
  6. 【請求項6】 糸条の形態を光電センサーで検出する請
    求項1〜5に記載のいずれかの糸条加工機の運転管理シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 光電センサーが光軸が直交した2組の受
    光素子と発光素子とを備え、出力の大きい方の出力をセ
    ンサー出力とする2光軸式光電センサーである請求項6
    記載の糸条加工機の運転管理システム。
  8. 【請求項8】 記憶した一定期間の測定データから品質
    に関する指標を求めて記憶し、表示する指標監視部を備
    えた請求項1〜7記載のいずれかの糸条加工機の運転管
    理システム。
  9. 【請求項9】 指標が一定期間毎に記憶した一定期間の
    測定データの標準偏差値をその平均値で割算して求めた
    CV(=標準偏差値÷平均値)又は/及びCVの一定幅
    の値域で区分した度数分布である請求項8記載の糸条加
    工機の運転管理システム。
  10. 【請求項10】 糸条加工機がエア加工機又は仮撚加工
    機である請求項1〜9記載のいずれかの糸条加工機の運
    転管理システム。
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