JP2002087233A - 車両用ブレーキの制御装置 - Google Patents

車両用ブレーキの制御装置

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JP2002087233A JP2000278628A JP2000278628A JP2002087233A JP 2002087233 A JP2002087233 A JP 2002087233A JP 2000278628 A JP2000278628 A JP 2000278628A JP 2000278628 A JP2000278628 A JP 2000278628A JP 2002087233 A JP2002087233 A JP 2002087233A
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/32Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration
    • B60T8/321Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to a speed condition, e.g. acceleration or deceleration deceleration
    • B60T8/3255Systems in which the braking action is dependent on brake pedal data

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駐車ブレーキ時の保持トルクを適切にして、
アクチュエータによる無駄なエネルギ消費を回避する。 【解決手段】 本ブレーキの制御装置は、車輪と一体的
に回転する被制動部材(ドラム21)に対し制動部材
(ブレーキシュー22)を押圧することにより、車輪の
回転に抗する回転阻止トルクを付与する電動モータ23
と、ブレーキペダル60の操作量に応じて電動モータに
供給する電流を制御し、サービスブレーキ時の回転阻止
トルクを付与するサービスブレーキ制御手段と、駐車ブ
レーキの作動指示に応じて電動モータに供給する電流を
制御し、駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを付与する駐
車ブレーキ制御手段とを備えている。そして、前記駐車
ブレーキ制御手段は、サービスブレーキ時に加圧力セン
サ26が検出する実際の回転阻止トルクに基づいて、前
記駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駐車ブレーキ作動
時に付与される車輪の回転を阻止するための回転阻止ト
ルクを制御する車両用ブレーキの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の装置は、例えば、実公平2−1
7967号公報に開示されているように、車輪と一体的
に回転する被制動部材(回転体)と、車体側に設けられ
て前記被制動部材に制動トルクを付与する制動部材(摩
擦部材)と、駐車ブレーキの作動・解除を制御する電磁
装置と、前記被制動部材と前記制動部材との間に生じる
摩擦力に対応した応力を検出する応力センサと、駐車ブ
レーキの作動時に前記検出される応力が低下したとき前
記制動トルクが増大するように前記電磁装置を制御する
制御手段とを備えている。これにより、上記装置は、駐
車ブレーキ時の制動トルクの不必要な増大を防止して無
駄なエネルギ消費を回避するとともに、傾斜路での車両
の転がり落ちを最小限としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、車両が転がり始めてから駐車ブレ
ーキの制動トルクを増大しているので、特に傾斜角度が
大きい路面での駐車時に車両が大きく移動してしまうと
いう問題点がある。
【0004】
【本発明の概要】本発明は、上記課題に対処すべくなさ
れたものであり、その特徴は、車輪と一体的に回転する
被制動部材と、前記制動部材に押圧されて前記車輪の回
転に抗する回転阻止トルクを発生する制動部材と、前記
制動部材を前記被制動部材に押圧する力を発生するアク
チュエータと、サービスブレーキ操作量に応じて前記ア
クチュエータを制御し、前記車輪にサービスブレーキ時
の回転阻止トルクを付与するサービスブレーキ制御手段
と、駐車ブレーキの作動要求に応じて前記アクチュエー
タを制御し、前記車輪に駐車ブレーキ時の回転阻止トル
クを付与する駐車ブレーキ制御手段とを備えた車両用ブ
レーキの制御装置であって、前記車輪に加わる回転阻止
トルクを直接検出するトルク検出手段を備えるととも
に、前記駐車ブレーキ制御手段は、前記サービスブレー
キ制御手段により前記アクチュエータが制御されている
ときに前記トルク検出手段により検出された実際の回転
阻止トルクに基づいて、前記駐車ブレーキ時の回転阻止
トルクを設定するように前記アクチュエータの発生する
力を制御してなることにある。
【0005】本発明の他の特徴は、車両に備えられた複
数の車輪の各々に設けられ各車輪と一体的に回転する被
制動部材に対し制動部材を押圧することにより、各車輪
に対し各輪毎の回転に抗する回転阻止トルクを付与する
複数のアクチュエータと、サービスブレーキ操作量に応
じて前記複数のアクチュエータの発生する力を制御し、
前記複数の車輪にサービスブレーキ時の回転阻止トルク
を付与するサービスブレーキ制御手段と、駐車ブレーキ
の作動要求に応じて前記複数のアクチュエータの少なく
とも一つを制御し、同制御されるアクチュエータが設け
られた車輪に駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを付与す
る駐車ブレーキ制御手段とを備えた車両用ブレーキの制
御装置であって、前記複数の車輪の少なくとも一つの車
輪に設けられ同車輪に加わる回転阻止トルクを直接検出
するトルク検出手段を備えるとともに、前記駐車ブレー
キ制御手段は、前記サービスブレーキ制御手段により前
記アクチュエータの発生する力が制御されているときに
前記トルク検出手段により検出された実際の回転阻止ト
ルクに基づいて、前記駐車ブレーキ時の回転阻止トルク
を設定するように前記アクチュエータの少なくとも一つ
を制御してなることにある。
【0006】なお、上記何れかの特徴を備えたブレーキ
の制御装置において、サービスブレーキ制御手段により
制御されるアクチュエータと、駐車ブレーキ制御手段に
より制御されるアクチュエータとは、同一アクチュエー
タであってもよいし、異なるアクチュエータであっても
よい。異なるアクチュエータの例としては、サービスブ
レーキ制御手段により制御されるアクチュエータが電動
モータを含むものであり、駐車ブレーキ制御手段が制御
するアクチュエータが、前記電動モータが備えられた車
輪の制動部材に対して油圧若しくはワイヤケーブル等を
介して、又はこれらを介することなく力を加える電磁弁
装置又は他の電動モータであるものが挙げられる。
【0007】このような特徴を備えたブレーキの制御装
置においては、制動部材が車輪と一体的に回転する被制
動部材に対してアクチュエータにより押圧され、同車輪
の回転に抗する回転阻止トルクが発生する。この回転阻
止トルクは、サービスブレーキ時には例えばブレーキペ
ダルの踏込み量やペダル踏力等のサービスブレーキ操作
量に応じて前記アクチュエータの発生する力が制御され
ることにより変更され、駐車ブレーキ時にはサービスブ
レーキ操作量に応じて前記アクチュエータの発生する力
が制御されているときにトルク検出手段により検出され
た実際の回転阻止トルクに基づいて設定(変更)され
る。
【0008】サービスブレーキ時においてサービスブレ
ーキ操作量に応じて前記アクチュエータの発生する力が
制御されているときにトルク検出手段により検出される
実際の回転阻止トルクは、例えば、車両が走行状態から
停止状態へと移行した時点、又は駐車ブレーキ作動要求
が発生された時点等の所定の時点において車両を停止
(駐車)状態に維持するための回転阻止トルクを適切に
表す。
【0009】従って、上記特徴によれば、駐車ブレーキ
時の回転阻止トルクが適切な値となるので、アクチュエ
ータに無駄な仕事をさせることなく、確実に駐車状態を
維持することが可能なる。さらに、上記他の特徴を備え
たブレーキ制御装置によれば、トルク検出手段の数を低
減することができる。
【0010】また、上記他の特徴を備えたブレーキの制
御装置においては、前記検出された実際の回転阻止トル
クと前記車両の各輪に対する荷重配分とから前記トルク
検出手段の備えられていない車輪の回転阻止トルクを推
定し、同推定された回転阻止トルクに基づいて前記駐車
ブレーキ時の回転阻止トルクを設定するように前記アク
チュエータの発生する力を制御することが好適である。
【0011】荷重配分は各車両毎に固有の値であるか
ら、予め計測により求めておくことができるので、トル
クセンサが備えられていない車輪の回転阻止トルクを簡
単に且つ高精度に求めることができるからである。
【0012】また、上記何れかの特徴を備えたブレーキ
の制御装置において、前記駐車ブレーキ制御手段は、前
記制動部材又は前記被制動部材の温度に応じて前記駐車
ブレーキ時のアクチュエータの発生する力を変更するよ
うに構成されることが好適である。
【0013】制動部材又は被制動部材の温度が変化する
と、これらの部材間の摩擦係数が変化し、又はこれらの
部材が熱収縮することから、同一の力で同制動部材を被
制動部材に押圧しても回転阻止トルクが異なるからであ
る。
【0014】また、上記何れかの特徴を備えたブレーキ
の制御装置において、前記駐車ブレーキ制御手段は、前
記車両の重量に応じて前記駐車ブレーキ時の回転阻止ト
ルクを変更するように前記アクチュエータの発生する力
を制御することが好適である。
【0015】駐車中に乗員数又は積載量が変動すること
で車両重量が変動すると、車両を停止させておくために
必要な回転阻止トルクが変動するからである。
【0016】また、上記何れかの特徴を備えたブレーキ
の制御装置において、前記駐車ブレーキ制御手段は、前
記駐車ブレーキの作動指示要求が発生された時点で検出
された前記実際の回転阻止トルクに基づいて、前記駐車
ブレーキ時の回転阻止トルクを設定するように前記アク
チュエータの発生する力を制御することが好適である。
【0017】駐車ブレーキの作動要求は、車両が走行状
態から停止状態へと移行した直後であってサービスブレ
ーキによるブレーキ作動がなされている場合に発生され
ることが通常であるため、駐車ブレーキの作動要求が発
生された時点での実際の回転阻止トルクは同車両を停止
状態に維持するに必要な回転阻止トルクを求めるのに適
切な値となっているからである。
【0018】また上記何れかの特徴を備えたブレーキの
制御装置において、前記駐車ブレーキ制御手段は、前記
車両が停止しているときに検出された前記実際の回転阻
止トルクに基づいて、前記駐車ブレーキ時の回転阻止ト
ルクを設定するように前記アクチュエータの発生する力
を制御することが好適である。
【0019】これは、車両が走行状態から停止状態へと
移行する直前に駐車ブレーキの作動指示がなされる場合
があり得る、及び車両が完全に停止していない時点での
実際の回転阻止トルクは同車両を停止状態に維持するに
必要な回転阻止トルクより大きくなるという知見に基づ
いており、上記構成のようにすれば、より適切な実際の
回転阻止トルクに基づいて車両を停止状態に維持するの
に必要な回転阻止トルクを求めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車両用ブレー
キの制御装置の各実施形態について、図面を参照しなが
ら説明する。
【0021】図1には、第1実施形態に係る車両用ブレ
ーキの制御装置を含む電動ブレーキ装置の全体が示され
ている。この電動ブレーキ装置は、左右前輪FL,FR
に設けられた電動ディスクブレーキ10と、左右後輪R
L,RRに設けられた電動ドラムブレーキ20と、電気
制御装置30と、駆動回路40と、サービスブレーキ用
のブレーキ操作部材としてのブレーキペダル60とを含
んでいる。
【0022】電動ディスクブレーキ10は、車輪と一体
的に回転する被制動部材であるディスクロータ(図示省
略)と、車体側部材であるマウンティングブラケットに
回転不能に保持されるとともに前記ディスクロータに対
して所定のクリアランス(間隔)を有するように配設さ
れた制動部材としてのブレーキパッド(図示省略)と、
供給される電流に応じた力を発生する直流電動モータ1
1と、制動部材の位置Xを検出する位置センサ12と、
加圧力センサ13とを含んでいて、電動モータ11の発
生する力によりブレーキパッドをディスクロータに向け
て移動(押動)させて当接させ、さらに同ブレーキパッ
ドを同ディスクロータに押圧することで車輪の回転を抑
制する制動トルク(車輪の回転に抗する回転阻止トル
ク)を発生するようになっている。
【0023】上記位置センサ12は、電動モータ11の
回転位置を検出することで同電動モータ11により駆動
される制動部材の位置Xを検出するようになっている。
上記加圧力センサ13は、前記ブレーキパッドが前記デ
ィスクロータに実際に押圧される際の力と同一の力で押
圧される部材に取付けられた歪センサからなっていて、
同歪センサが検出した歪量から実際の加圧力P(実加圧
力P)を検出するようになっている。
【0024】電動ドラムブレーキ20は、車輪と一体的
に回転する被制動部材であるドラム21と、車体側部材
であるバッキングプレートに回転不能に保持されるとと
もに前記ドラム21に対して所定のクリアランス(間
隔)を有するように配設された制動部材としてのブレー
キシュー22と、供給される電流に応じた力を発生する
直流電動モータ23と、駐車ブレーキ時に作動する切替
用モータ24と、ブレーキシュー22の位置Xを検出す
る位置センサ25と、加圧力センサ26とを含んでい
て、電動モータ23の発生する力によりブレーキシュー
22をドラム21の内周面に向けて移動(押動)させて
当接させ、さらに同ブレーキシュー22を同ドラム21
の内周面に押圧することで車輪の回転を抑制する制動ト
ルク(車輪の回転に抗する回転阻止トルク)を発生する
ようになっている。
【0025】この電動ドラムブレーキ20は、図2に詳
細を示すようにデュオサーボ型のものであり、図示しな
い車体側部材に回転不能に取り付けられるとともに円板
状を成したバッキングプレート200と、そのバッキン
グプレート200に設けられ、概して円弧状を成した一
対のブレーキシュー202a,202b(図1において
は符号22で表している。)と、内周面に摩擦面204
を備えて車輪と共に回転するドラム206(図1におい
ては符号21で表している。)と、一対のシュー202
a,202bの一端部同士を拡開させる電動アクチュエ
ータ300とを含んでいる。
【0026】一対のブレーキシュー202a,202b
は、それぞれ、互いに対向する一端部において、バッキ
ングプレート200に固定されたアンカピン208に係
合させられることによって、ドラム206と共に回転す
ることを防止された状態で回動可能に保持されている。
【0027】また、一対のブレーキシュー202a,2
02bは、他端部同士がストラット210によって連結
され、同ストラット210によって一方のシューに作用
する力が他方のシューに伝達されるようになっている。
なお、一対のブレーキシュー202a,202bは、シ
ューホールドダウン装置212a,212bによってバ
ッキングプレート200にそれの面に沿って移動可能と
されている。
【0028】一対のブレーキシュー202a,202b
の他端部同士は、図に示すように、スプリング214に
より互いに接近する向きに付勢されており、一端部は各
シューリターンスプリング215a,215bによりア
ンカピン208に向かって付勢されている。また、一端
部には、ストラット216、リターンスプリング218
も設けられている。
【0029】各ブレーキシュー202a,202bの外
周面には、それぞれ、摩擦係合部材としてのブレーキラ
イニング219a,219bが保持され、それら一対の
ブレーキライニング219a,219bがドラム206
の内周面204に摩擦係合させられることにより、ブレ
ーキライニング219a,219bとドラム206との
間に摩擦力が発生するようになっている。本実施形態に
おいては、ストラット210がアジャスト機構を備えた
ものであり、ブレーキライニング219a,219bの
摩耗に応じてブレーキライニング219a,219bと
ドラム内周面204との隙間が調整できるようになって
いる。
【0030】各ブレーキシュー202a,202bは、
それぞれリム224a,224bとウェブ222a,2
22bとを含み、ウェブ222aにはレバー230の一
端部がピン232を介して回動可能に設けられている。
レバー230とウェブ222a、及びウェブ222bの
互いに対向する部分にはそれぞれ切欠が設けられてい
る。前記ストラット216は、これらの切欠に係合して
いる。
【0031】レバー230の他端部には、電動モータ2
3を含む電動アクチュエータ300が連結されていて、
サービスブレーキ用のブレーキペダル60が操作される
と、電動モータ23(電動アクチュエータ300)の駆
動によってレバー230が回動させられ、ブレーキシュ
ー202aがストラット216と同ブレーキシュー20
2a及びレバー230との係合点を支点としてドラム内
周面204に向けて押動させられるとともに、ブレーキ
シュー202bがドラム内周面204から反力を受けた
ストラット216によりドラム内周面204に向けて押
動させられるようになっている。即ち、電動モータ23
の回動により、一対のブレーキシュー202a,202
bが拡開させられ、摩擦係合部材(ブレーキライニング
219a,219b)がドラム206の内周面204に
押し付けられて同摩擦係合部材がドラム内周面204に
摩擦係合させられ、これらの間に摩擦力が発生させられ
て車輪の回転が抑制されることにより、車輪に制動トル
クTが付与されるようになっている。
【0032】なお、上記構造においては、一方のシュー
202bにおいて生じた摩擦力に基づくつれまわり力
と、電動アクチュエータ300によるブレーキ作動力D
(一対のシュー202a,202bを拡開させる拡開力
であると考えることができる。)とが他端部からストラ
ット210を介して他方のシュー202aの他端部に伝
達されるようになっている。この結果、他方のシュー2
02aは、前記つれまわり力と前記拡開力との和により
ドラム内周面204に押し付けられ、一方のシュー20
2bより大きな摩擦力が生じる。このように、一方のシ
ュー202bの出力が他方のシュー202aの入力とな
り、しかも、二重のサーボ効果が得られるため、デュオ
サーボ型ドラムブレーキにおいては、大きな制動トルク
を得ることができる。
【0033】アンカピン208には、前記加圧力センサ
26として、同アンカピン208に加わる荷重を検出す
る歪センサ312が取り付けられている。上述したよう
に、デュオサーボ型の電動ドラムブレーキ20において
は、一方のシューにおいて生じた摩擦力に基づくつれま
わり力と電動アクチュエータ300による拡開力とがス
トラット210を介して他方のシューの他端部に伝達さ
れ、他方のシューは、このつれまわり力と拡開力との和
によりドラム206に押し付けられることとなる。そし
て、他方のシューのサーボ作用により他方のシューにス
トラット210を介して伝達された力がさらに増大させ
られてアンカピン208に作用する。その結果、アンカ
ピン208に加わる荷重に基づいて制動トルクを求めれ
ば、デュオサーボ型電動ドラムブレーキ20において生
じる実際の制動トルクT(実制動トルクT)を検出する
ことができる。この実制動トルクTは、車輪が回転して
いる場合、及び坂路上等に車両があって車輪に回転しよ
うとするトルクが加わっている場合には、制動部材とし
てのシュー202a,202b(ブレーキライニング2
19a,219b)が被制動部材としてのドラム206
に実際に押圧される力(実加圧力P)を表す。また、実
制動トルクは、車輪の回転に抗する実際の回転阻止トル
ク(実回転阻止トルク)と云うこともできるので、加圧
力センサ26は回転阻止トルクを検出するトルク検出手
段を構成していることになる。
【0034】電動アクチュエータ300は、図3に示し
たように、上記電動モータ23と、同電動モータ23の
回転運動を作動軸302の往復直線運動に変換する駆動
部304とからなっている。電動モータ23は、同電動
モータ23の回転位置を検出することで前記シュー20
2a(202b)の位置Xを検出する上記位置センサ2
5を内蔵している。なお、前記ブレーキシュー202a
(202b)の位置Xは、バッキングプレート200等
の固定されたギャップセンサ等により直接検出してもよ
い。
【0035】駆動部304のハウジング306には電動
モータ23が組付けられ、同ハウジング306及び電動
モータ23は前記バッキングプレート200に固定され
ている。電動モータ23の回転軸23aにはピニオン3
08が固定されている。ピニオン308は第1減速ギヤ
310と噛合され、その第1減速ギヤ310は第2減速
ギヤ312と噛合されている。第2減速ギヤ312は軸
方向にネジ孔(図示省略)が形成された出力軸部312
aを有している。
【0036】前記作動軸302は、ハウジング306に
回転不能、かつ軸方向に移動可能に支持されていて、そ
の一端に前記レバー230に連結される連結部302a
を有し、他端にウォーム部302bを有している。ウォ
ーム部302bは、前記出力軸部312aと螺合してい
る。
【0037】前記ハウジング306内には、図3及び図
4に示したように、作動軸302からから出力軸部31
2aを介して入力される外力によるピニオン308の一
方向の回転(作動軸302が図1において左方向に移動
して制動トルクを低下させる方向の回転に相当する。)
を阻止するとともに、他方向の回転を許容する回転防止
機構320が設けられている。
【0038】回転防止機構320は、切替用モータ32
2と規制ギヤ324とからなっている。切替用モータ3
22は前記ハウジング306に組み付けられていて、同
切替モータ322の回転軸にはピニオン322aが備え
られている。規制ギヤ324は、前記第1減速ギヤ31
0を固定するシャフト310aに同軸に回転可能に支持
されている。
【0039】規制ギヤ324は、図4に示したように、
前記切替用モータ322のピニオン322aと噛合する
ための第1噛合部324aと、前記電動モータ23のピ
ニオン308と噛合するための第2噛合部324bとを
有している。第2噛合部324bは第1噛合部324a
から外側に円弧状に突出している。規制ギヤ324は切
替用モータ322の作動により回動され、図5に示す前
記ハウジング306内に形成された第1及び第2の規制
壁306a,306bにより所定角度で回動が規制され
るようになっている。
【0040】このように構成された回転防止機構320
は、図5に示したように、前記切替用モータ322によ
り規制ギヤ324の第2噛合部324bをピニオン30
8と噛合しない位置に配置し、これによりピニオン30
8の自由な回転を許容する。その一方、図6に示したよ
うに、前記切替用モータ322により前記規制ギヤ32
4の第2噛合部324bをピニオン308と噛合する位
置に配置し、同図6においてピニオン308に反時計回
り方向(矢印B方向)の回転力が作用したときに同第2
噛合部324bの端面を第1の規制壁306aに当接さ
せ、これによりピニオン308の矢印B方向の回転を阻
止する。
【0041】再び、図1を参照すると、電気制御装置3
0は、図示しないメモリ及びCPUを有するマイクロコ
ンピュータ31を含み同メモリ内に格納されたプログラ
ムを実行するとともに、上記位置センサ12,25と、
上記加圧力センサ13,26と、図示しない変速機の出
力軸の回転を検出することにより車両の速度(以下、車
速と云う。)SPDを検出する車速センサ51と、駐車ブ
レーキの作動を制御するために運転者により操作されて
駐車ブレーキ作動指示信号PKBを発生する駐車ブレーキ
操作スイッチ52と、運転者によるブレーキペダル60
のペダル踏力Fを検出する踏力センサ53と、同ブレー
キペダル60の操作ストロークSTを検出するストロー
クセンサ54と、モータ電流センサ55と、4輪FL,
FR,RL,RRにそれぞれ設けられ各輪の車輪速Vw
を検出する車輪速センサ56とが接続されていて、これ
らからの信号を入力するようになっている。このうち、
駐車ブレーキ操作スイッチ52は、駐車ブレーキ作動の
作動指示がなされているとき(駐車ブレーキの作動要求
が発生しているとき)駐車ブレーキ作動指示信号PKBの
値を「1」(ハイレベル信号)とし、同駐車ブレーキ作
動が解除されているとき(駐車ブレーキの作動要求が消
滅しているとき)同駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値
を「0」(ローレベル信号)とするように構成されてい
る。
【0042】駆動回路40は、入力側が電気制御装置3
0に、出力側が電動モータ11,23、及び切替用モー
タ24に接続されるとともに電源としての車両のバッテ
リ(図示省略)と接続されたスイッチング回路であっ
て、電気制御装置30からのデューティ比を表す指令信
号に応じた電流を各々の電動モータ11,23に供給す
るとともに同電気制御装置30からの指令に基づいて所
定の小電流を切替用モータ24に供給するようになって
いる。駆動回路40と電動モータ11,23の電流供給
ラインには上記モータ電流センサ55が接続されてい
る。なお、モータ電流センサ55は、電動モータ11,
23に実際に供給された実供給電流I(デューティ比を
考慮して得られた値)を検出するようになっていて、検
出される実供給電流Iは、電動モータ11,23の発生
する力(実加圧力P)と近似した値を示す。
【0043】ところで、本実施形態においては、実加圧
力Pが目標加圧力P*と等しくなるように制御される。
目標加圧力P*は、後述するようにサービスブレーキ目
標加圧力PF*と駐車ブレーキ目標加圧力PP*のうち何れ
か大きい方となる。そこで、先ず、駐車ブレーキ目標加
圧力PP*の決定方法について説明する。駐車ブレーキ目
標加圧力PP*とは、駐車ブレーキ操作スイッチ52が操
作されて駐車ブレーキ作動要求が発生している間に目標
加圧力P*として使用される加圧力Pの目標値である。
【0044】駐車ブレーキ目標加圧力PP*は、車両を確
実に停止させておくことのできる値であればよい。駐車
ブレーキ目標加圧力PP*が過度に大きいと、電動モータ
23に多くの電流を供給する必要が生じ、無駄なエネル
ギを消費することになるからである。そこで、本ブレー
キの制御装置においては、車両を駐車(停止)状態に維
持するために必要なトルク(駐車ブレーキ時における車
輪の回転を阻止するトルクであって、以下、車両保持ト
ルクSHTと云う。)を推定し、この車両保持トルクSHTに
基づいて駐車ブレーキ目標加圧力PP*を決定する。車両
保持トルクSHTは、走行中の車両をサービスブレーキに
より停止したときの制動トルク(保持トルク)SHT0を基
礎として求めることができる。
【0045】ところで、運転者は、走行している車両を
停車させるとき、ブレーキペダル60を操作してサービ
スブレーキを作動させて車両を停止させ、ブレーキペダ
ル60の操作を維持した状態にて駐車ブレーキ操作スイ
ッチ52を操作し、これにより駐車ブレーキを作動させ
る。特に、坂道駐車時等、車両を駐車(停止)状態に維
持するためにトルクが必要な場合には、上記運転操作を
行う確率が高い。
【0046】そこで、本実施形態においては、「ブレ
ーキペダル60が踏込まれていてペダル踏力Fが「0」
でない(又はペダルストロークSTが「0」でない)、
且つ車速SPDが「0」であり(車両が停止してお
り)、且つ駐車ブレーキ操作スイッチ52が操作さ
れ、駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値が「0」から
「1」へと変化した直後である」という条件が成立した
ときに、実制動トルク(実際の回転阻止トルク)を検出
する加圧力センサ26の検出値に基づいて車両保持トル
クSHTの計算を行う。なお、上記条件は、単独、又は
ととの組合せ、又はととの組合せとすることも
できる。
【0047】次に、上記車両保持トルクSHTの具体的な
求め方について説明する。上記車両が走行状態から停止
状態へと移行した時点における車両保持トルクSHT0は、
同車両が停止した時点において各車輪が受け持っている
保持トルクの総和であり、左右前輪FL,FRと左右後
輪RL,RRとに分ければ、左右前輪FL,FRが受け
持つ保持トルクFHTと左右後輪RL,RRが受け持つ保
持トルクRHTとの和である。一方、駐車中において乗員
の増加又は荷物等の積み込み等により車両重量が増大す
ると、駐車中の車両保持トルクSHTは車両重量の変化に
相当する分だけ増大する。この車両重量の変化に相当す
る車両保持トルクの増大分の最大値をHHTとすると、車
両保持トルクSHTは下記数1にて表される。
【0048】
【数1】SHT=FHT+RHT+HHT
【0049】第1実施形態のブレーキの制御装置におい
ては、駐車ブレーキ作動時に左右後輪RL,RRの電動
モータ23にのみ電流が流され同後輪のブレーキのみが
作動し、左右前輪FL,FRの電動モータ11には電流
が流されないようになっている。
【0050】また、駐車ブレーキ目標加圧力PP*を考慮
するときには、上記車両保持トルクSHTに対応する加圧
力に加え、駐車中における制動部材及び被制動部材の温
度変化等に伴う摩擦係数の変化、及びこれらの部材の温
度変化による収縮等を考慮する必要がある。同一の加圧
力により制動部材を被制動部材に押圧していても車輪の
回転を阻止するトルクが変化するからである。
【0051】そこで、上記摩擦係数の変化及び部材の収
縮等の影響分を補う後輪1輪分の加圧力補償分をPMARGI
Nとするとともに、上記左右前輪FL,FRが受け持つ
保持トルクFHT、左右後輪RL,RRが受け持つ保持ト
ルクRHT、及び駐車中の車両重量の変化に相当するトル
ク分HHTに対応する後輪1輪分の加圧力を、それぞれPFH
T、PRHT、及びPHHTとすると、後輪1輪に対する駐車ブ
レーキ目標加圧力PP*は下記数2で表される。
【0052】
【数2】PP*=PFHT+PRHT+PHHT+PMARGIN
【0053】以下、数2における各項の実際の求め方に
ついて説明する。
【0054】「左右前輪FL,FRが受け持つ保持ト
ルクFHTに対応する加圧力PFHT」 左右前輪FL,FRが受け持つ保持トルクFHT(前輪2
輪分)は、車両が走行状態から停止状態へと移行した時
点における左右前輪FL,FRに各々設けられたトルク
センサの検出値の和(又はこれらのトルクセンサのうち
の何れか一つの検出値の2倍の値)として求めることが
できる。また、左右前輪FL,FRにトルクセンサが設
けられておらず、左右後輪RL,RRの各々にトルクセ
ンサが設けられている本第1実施形態の場合、前記保持
トルクFHTは、左右後輪RL,RRの各トルクセンサ
(加圧力センサ26)の検出値の和(又はこれらのトル
クセンサのうちの何れか一つの検出値の2倍の値)とし
て求められる左右後輪RL,RRの保持トルクRHT(後
輪2輪分)と、車両の各輪の荷重配分(この場合には、
前後軸重配分)とに基づいて推定する。即ち、左右前輪
FL,FRが受け持つ荷重と左右後輪RL,RRが受け
持つ荷重の比がa:b(実験によれば、a:b≒7:
3)であるとすると、左右前輪FL,FRの保持トルク
FHTを下記数3により求める。
【0055】
【数3】FHT=RHT×(a/b)
【0056】そして、左右前輪FL,FRが負担してい
た保持トルクFHTを左右後輪RL,RRにて受け持つた
めに必要な後輪1輪分の加圧力PFHTは、下記数4により
求められる。下記数4の右辺において値「2」により除
するのは、駐車ブレーキ時に回転阻止トルクを発生する
車輪が後輪の2輪だからである。また、k1は保持トルク
を加圧力に変換するための係数である。この係数K1
は、制動部材と被制動部材の間の摩擦係数によっても変
化するが、同摩擦係数が取り得る値のうちの最小値近傍
の値とすることにより一定値として扱うことができる。
【0057】
【数4】PFHT=FHT×k1/2
【0058】「左右後輪RL,RRが受け持つ保持ト
ルクRHTに対応する加圧力PRHT」 左右後輪RL,RRが受け持つ保持トルクRHT(後輪2
輪分)は、車両が走行状態から停止状態へと移行した時
点における左右後輪RL,RRに各々設けられたトルク
センサ(加圧力センサ26)の検出値の和(又はこれら
のトルクセンサのうちの何れか一つの検出値の2倍の
値)として求められる。また、本第1実施形態とは異な
り、左右後輪RL,RRにトルクセンサが設けられてお
らず、左右前輪FL,FRの各々にトルクセンサが設け
られている場合、前記保持トルクRHTは、前輪側の各ト
ルクセンサの検出値の和(又はこれらのトルクセンサの
うちの何れか一つの検出値の2倍の値)として求められ
る前輪側の車輪のFL,FRの保持トルクFHT(前輪2
輪分)と、車両の各輪の荷重配分(この場合には、前後
軸重配分)とに基づいて、例えば下記数5により推定す
ることができる。
【0059】
【数5】RHT=FHT×(b/a)
【0060】そして、左右後輪RL,RRが負担してい
た保持トルクRHTを左右後輪RL,RRにて受け持つた
めに必要な後輪1輪分の加圧力PHHTは、下記数6により
求められる。下記数6の右辺において値「2」により除
するのは、駐車ブレーキ時に回転阻止トルクを発生する
車輪が後輪の2輪だからである。
【0061】
【数6】PRHT=RHT×k1/2
【0062】「車両重量の変化に相当する必要トルク
の増大分の最大値HHTに対応する加圧力PHHT」 この加圧力PHHTは、車両の最大積載量と乗車定員重量の
和をΔM、車輪タイヤ径をR、考えられる路面の最大勾
配(路面の傾斜角度)をθとするとき、下記数7により
求められる。下記数7の右辺において値「2」により除
するのは、駐車ブレーキ時に回転阻止トルクを発生する
車輪が後輪の2輪だからである。
【0063】
【数7】PHHT=ΔM×R×sinθ/2
【0064】「摩擦係数の変化及び部材の収縮等の影
響分を補う加圧力補償分PMARGIN」 この加圧力補償分PMARGINは、制動部材又は被制動部材
の温度を検出する温度センサを備える場合には、同温度
センサにより検出される温度が高いほど小さくなるよう
に(検出された温度に応じて)決定することができる。
これらの部材の温度が高いほど、前記摩擦係数が大きい
からである。また、制動部材及び被制動部材の温度は車
両停止後の経過時間に応じて減少するから、上記加圧力
補償分PMARGINを車両停止後の経過時間に応じて大きく
なるように決定することができる。本第1実施形態にお
いては、これらの変化の最大値を考慮した一定値として
加圧力補償分PMARGINを予め決定しておく。以上によ
り、左右後輪RL,RRの1輪分の駐車ブレーキ目標加
圧力PP*が求められる。
【0065】次に、上記車両用ブレーキの制御装置の作
動について説明する。図7は、マイクロコンピュータ3
1が左後輪RLのブレーキ制御のために実行するプログ
ラムの作動を機能ブロック図により示したものである。
マイクロコンピュータ31は、右後輪RRについても全
く同様の作動を行う。なお、図7には、理解を容易にす
るため、前記プログラム以外のもの(例えば、電動モー
タ23、ブレーキ、ブレーキペダル60、踏力センサ5
3等の各種センサ)が併せて示されている。
【0066】先ず、運転者がブレーキペダル60を操作
せず(踏み込んでおらず)、且つ駐車ブレーキ操作スイ
ッチ52の操作により駐車ブレーキを作動させていない
場合から説明する。このとき、踏力センサ53の検出す
る踏力Fは「0」であり、駐車ブレーキ操作スイッチ5
2の出力する駐車ブレーキ作動指示信号PKBの値も
「0」となっている。
【0067】マイクロコンピュータ31は、ブロックB
1により、上記ペダル踏力Fが「0」か否かを判定する
ことによりサービスブレーキによる制動要求があるか否
か、及び駐車ブレーキ作動指示信号PKBが「0」である
か否かを判定することにより駐車ブレーキによる制動要
求があるか否かを判定している。そして、ペダル踏力F
及び駐車ブレーキ作動指示信号PKBが共に「0」である
と判定すると、即ち、サービスブレーキ及び駐車ブレー
キによる制動要求がないと判定すると、スイッチSW1
の可動接点をaに接続する。これにより、電動モータ2
3には電流が供給されることはなく、制動部材であるブ
レーキシュー202a,202bは初期位置に維持され
て被制動部材と離間しているため、制動トルクは発生し
ない。
【0068】次に、車両の走行中において、運転者が車
速を低下させるためにブレーキペダル60を踏込んだ場
合について説明する。この場合、踏力センサ53はペダ
ル踏力Fを発生する。これにより、ペダル踏力Fは
「0」でなくなるので、マイクロコンピュータ31はブ
ロックB1により制動要求があると判定する。また、マ
イクロコンピュータ31は、ブロックB1により、制動
部材が被制動部材に当接して押圧されていると設計上考
えられる位置にあるか否かを、位置センサ25の検出す
る制動部材の位置Xが「制動部材と被制動部材との距離
が設計上「0」となると考えられるときの基準位置X
0」より大きいか否かにより判定している。そして、マ
イクロコンピュータ31は、前記制動要求があり、且
つ、制動部材の位置Xが基準位置X0より小さいと判定
した場合(制動部材と被制動部材とが離間していると判
定した場合)にはスイッチSW1の可動接点を固定接点
cに接続する。
【0069】このとき、マイクロコンピュータ31は、
メモリに記憶されているブロックB2に示した制動部材
の位置Xに対するデューティ比Dutyを規定するテーブル
と制動部材の実際の位置Xとに基づいてデューティ比Du
tyを決定する。そして、マイクロコンピュータ31は、
スイッチSW1の可動接点が固定接点cに接続されてい
るから、決定したデューティ比Dutyを有する信号を図1
に示した駆動回路40に与える。この結果、前記デュー
ティ比Dutyに応じた電流が電動モータ23に流され、制
動部材が被制動部材側に押動されて行く。
【0070】かかる状態が継続すると、制動部材が被制
動部材に当接するため、マイクロコンピュータ31は、
位置センサ25の検出する制動部材の位置Xが前記基準
位置X0より大きいと判定し、スイッチSW1の可動接
点を固定接点bに接続する。
【0071】このとき、マイクロコンピュータ31は、
メモリに記憶されているブロックB3に示したテーブル
と検出されたペダル踏力Fとに基づいてサービスブレー
キ目標加圧力PF*を決定する。ブロックB3に示したテ
ーブルは、ペダル踏力Fとサービスブレーキ目標加圧力
PF*との関係を規定するものであって、同ペダル踏力F
と同サービスブレーキ目標加圧力PF*は略比例関係を有
している。
【0072】また、マイクロコンピュータ31は、ブロ
ックB4により、駐車ブレーキ目標加圧力PP*を決定し
ている。即ち、マイクロコンピュータ31は、駐車ブレ
ーキ操作スイッチ52が操作されて駐車ブレーキ作動指
示信号PKBの値が「1」となったとき(駐車ブレーキ作
動要求があったとき)は駐車ブレーキ目標加圧力PP*を
上述した方法に基づいて決定し、駐車ブレーキ作動指示
信号PKBの値が「0」となったときは同駐車ブレーキ目
標加圧力PP*を「0」とする。現時点においては、駐車
ブレーキ操作スイッチ52は操作されておらず、駐車ブ
レーキ作動指示信号PKBの値は「0」であるので、マイ
クロコンピュータ31は駐車ブレーキ目標加圧力PP*の
値を「0」とする。
【0073】次いで、マイクロコンピュータ31は、ブ
ロックB5により、上記のように決定されたサービスブ
レーキ目標加圧力PF*と駐車ブレーキ目標加圧力PP*の
中から最大の値(大きい値)を有するものを選択して目
標加圧力P*とする。この場合、駐車ブレーキブレーキ
目標加圧力PP*の値は「0」であるから、サービスブレ
ーキ目標加圧力PF*が目標加圧力P*とされる。
【0074】次いで、マイクロコンピュータ31は、メ
モリに記憶されているブロックB6に示したテーブルと
前記ブロックB5により決定された目標加圧力P*とに
基づいて供給電流I*を求め、決定された供給電流I*
とメモリに記憶されているブロックB7に示したテーブ
ルとからデューティ比Dutyを求める。このとき、スイッ
チSW1の可動接点が固定接点bに接続されているか
ら、上記ブロックB7により求められたデューティ比Du
tyを有する信号が図1に示した駆動回路40に与えら
れ、同デューティ比Dutyに応じた電流が電動モータ23
に流される。この結果、制動部材が被制動部材に目標加
圧力P*に応じた力で押圧され、制動トルクが発生す
る。
【0075】実加圧力Pは、加圧力センサ26により検
出される。しかしながら、加圧力センサ26はアンカピ
ン208に取付けられた歪センサであって、実際の制動
トルクTを検出するものであるから、車速が「0」であ
る場合は実加圧力Pに応じた出力を発生し得ない。
【0076】そこで、マイクロコンピュータ31は、ブ
ロックB1により、加圧力センサ26が加圧力Pを検出
し得る状態にあるか否かを、車速SPDが基準車速SPD0
(即ち、「0」)より大きいか否かにより判定し、車速
SPDが基準車速SPD0より大きく加圧力センサ26が実加
圧力Pを検出し得る状態であると判定した場合にはスイ
ッチSW2を閉成する。これにより、加圧力Pがフィー
ドバック制御され、実際の加圧力Pが目標加圧力P*に
近づくように前記デューティ比Dutyが変更される。この
場合、加圧力センサ26は実制動トルクTを検出するも
のであるから、実制動トルクTが目標加圧力P*と等価
な関係にある目標制動トルクT*に等しくなるようにフ
ィードバック制御されていることになる。
【0077】なお、上記フィードバック制御によるデュ
ーティ比Dutyは、目標加圧力P*と実際の加圧力Pとの
差に基づいて決定されるようにしても、同差の微分値に
基づいて決定されるようにしても、積分値に基づいて決
定されるようにしてもよく、実際の差、微分値、積分値
の2つ以上に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0078】他方、マイクロコンピュータ31は、加圧
力センサ26が加圧力Pを検出し得ない状態にあると判
定した場合にはスイッチSW2を開成する。これによ
り、不正確な値に基づく加圧力Pのフィードバック制御
が禁止され、加圧力Pのフィードフォワード制御が実行
される。なお、車速センサ51の分解能により極めて小
さい車速SPDを精度良く検出できない場合には、同車速
センサ51の検出車速SPDが「0」でない基準車速SPD0
以下となったときにスイッチSW2を開成して加圧力P
のフィードバック制御を禁止してもよい。
【0079】次に、図8及び図9を参照しながら、駐車
ブレーキ操作スイッチ52が操作されて、駐車ブレーキ
作動指示信号PKBの値が「1」とされたとき(即ち、駐
車ブレーキ作動要求があるとき)、上記ブロックB4に
より駐車ブレーキ目標加圧力PP*がどのように求められ
るかについて説明する。図8及び図9は、それぞれ平坦
路及び降坂路を走行している場合にサービスブレーキに
より車両を停止させ、次いで駐車ブレーキを作動させた
際の後輪側の車輪RLの目標加圧力P*と同輪RLのト
ルクセンサ26が検出する実制動トルク(回転阻止トル
ク)Tを示している。両図において、目標加圧力P*は
実線、実制動トルクTは破線により示されている。
【0080】図8に示したように、平坦路走行中の時刻
t0にてブレーキペダル60の踏込みが開始され踏力F
が上昇すると目標加圧力P*が上昇し、これに伴い電動
モータ23に流される電流が増大する。この結果、実制
動トルクTが上昇するので、車両の速度は低下する。こ
のため、時刻t1にてブレーキペダル60の踏込み力が
若干だけ弱められる。従って、目標加圧力P*は下降
し、これに伴い電動モータ23に流される電流が減少
し、実制動トルクTも低下する。時刻t2までは車速SP
Dが上記基準車速SPD0よりも大きいので、スイッチSW
2は閉成されていて加圧力Pのフィードバック制御が行
われる。
【0081】そして、車速SPDが基準車速SPD0以下とな
る時刻t2直前において、実制動トルクTは急激に減少
する。この時点で、加圧力センサ26の出力値が実加圧
力Pを示さなくなるため、SW2は開成され加圧力Pの
フィードフォワード制御となる。その後、時刻t2にて
車両が停止するため、実制動トルクTは「0」になる。
平坦路においては、車両を停止状態に維持するために制
動トルク(回転阻止トルク)が必要ないからである。
【0082】そして、時刻t3にておいて駐車ブレーキ
操作スイッチ52が操作されると、上記ブロックB4に
より上記数2に従って駐車ブレーキ目標加圧力PP*が決
定される。この場合、加圧力PFHT,PRHTは共に「0」で
あるから、駐車ブレーキ目標加圧力PP*は、車両重量の
変化分を補う加圧力PHHTと、摩擦係数の変化及び部材の
収縮等の影響分を補う加圧力補償分PMARGINとの和とな
る。
【0083】また、この時点においては、踏力センサの
検出するペダル踏力Fは「0」であるから、サービスブ
レーキ目標加圧力PF*は「0」である。従って、ブロッ
クB5により上記駐車ブレーキ目標加圧力PP*が目標加
圧力P*として選択され、同目標加圧力P*に応じた電
流が電動モータ23に供給される。なお、マイクロコン
ピュータ31は、上記ブロックB1の機能により、駐車
ブレーキ作動指示信号PKBの値が「1」のとき、制動部
材の実際の位置Xが前記基準位置X0より大きければス
イッチSW1の可動接点を固定接点bに接続し、制動部
材の実際の位置Xが前記基準位置X0より小さければ同
スイッチSW1の可動接点を固定接点cに接続してい
る。
【0084】かかる状態にて所定時間が経過すると、駐
車ブレーキ目標加圧力PP*に応じた加圧力が制動部材に
加わる。このとき、マイクロコンピュータ31は、図5
に示した切替用モータ24に電流を流して規制ギヤ32
4を同図5において時計回り方向に回動させ、図6に示
すように、同規制ギヤ324の第2噛合部324bをピ
ニオン308と噛合する位置に配置し、その後切替用モ
ータ24の電流を遮断する。同時に、マイクロコンピュ
ータ31は、電動モータ23への電流供給を停止する。
この結果、ピニオン308の矢印B方向の回転が阻止さ
れて、駐車ブレーキ時に車輪の回転を阻止しようとする
力(保持トルク)が維持されるとともに、電動モータ2
3,切替用モータ24への電流供給が停止されて、無駄
な電力消費が抑制される。以上が、平坦路における本実
施形態の作動である。
【0085】次に、降坂走行時における作動について説
明する。図9に示したように、降坂路走行中の時刻t0
にてブレーキペダル60の踏込みが開始され踏力Fが上
昇すると目標加圧力P*が上昇し、これに伴い電動モー
タ23に流される電流が増大する。この結果、実制動ト
ルクTが上昇するので、車両の速度は低下する。このた
め、時刻t1にてブレーキペダル60の踏込み力が若干
だけ弱められ、目標加圧力P*は下降し、これに伴い電
動モータ23に流される電流が減少し、実制動トルクT
も低下する。時刻t2までは車速SPDが上記基準車速SPD
0よりも大きいので、スイッチSW2は閉成されていて
加圧力Pのフィードバック制御が行われる。
【0086】そして、車速SPDが基準車速SPD0以下とな
る時刻t2直前において、実制動トルクTは急激に減少
する。この時点で、加圧力センサ26の出力値が実際の
加圧力Pを示さなくなるため、SW2は開成され加圧力
Pのフィードフォワード制御となる。その後、車両は時
刻t2にて停止する。ここまでの作動は、平坦路走行中
と同様である。
【0087】時刻t2で車両が停止したとき、実制動ト
ルクTは所定の値(「0」でない)となる。降坂路にお
いては、車両を停止状態に維持するために所定の回転阻
止トルク(保持トルク)が必要だからである。なお、こ
の所定の値は、左右後輪RL,RRの2輪が受け持つ保
持トルクRHTの1/2である。
【0088】通常、運転者は、時刻t2にて車両が停止
した後も時刻t3にて駐車ブレーキ操作スイッチ52を
操作するまでブレーキペダル60の踏力Fを同一に維持
する。そして、時刻t3にて駐車ブレーキ操作スイッチ
52を操作すると、ブレーキペダル60の踏込みを終了
する。マイクロコンピュータ31は、この時刻t3にお
いて、上記数4,数6及びトルクセンサとして機能する
加圧力センサ26の検出する加圧力P(回転阻止トル
ク)から加圧力PFHT,PRHTを求めるとともに、数2に従
って、これらの加圧力の和に車両重量の変化分を補う加
圧力PHHTと、摩擦係数の変化及び部材の収縮等の影響分
を補う加圧力補償分PMARGINとを加えて駐車ブレーキ目
標加圧力PP*を求める。
【0089】一方、時刻t3直後においては、踏力セン
サの検出するペダル踏力Fは「0」となり、サービスブ
レーキ目標加圧力PF*は「0」であるので、ブロックB
5により上記駐車ブレーキ目標加圧力PP*が目標加圧力
P*として選択され、同目標加圧力P*に応じた電流が
電動モータ23に供給される。これにより、実加圧力P
が目標加圧力P*となると、マイクロコンピュータ31
は、図8により説明した平坦路の場合と同様に、切替モ
ータ24に所定時間だけ小電流を供給して規制ギヤ32
4の第2噛合部324bをピニオン308と噛合する位
置に配置し、その後電動モータ23への電流供給を停止
する。以上が、降坂路における本実施形態の作動であ
る。
【0090】次に、左右前輪FL,FRのブレーキを制
御するためのプログラムについて説明する。左右前輪F
L,FRについては、駐車時に電動モータ11に電流が
供給されない。従って、左右前輪FL,FRのブレーキ
制御プログラムは、上記図7に示した駐車ブレーキ目標
加圧力PP*を決定するブロックB4及び最大値選択ブロ
ックB5を削除するとともに、電動モータ23を電動モ
ータ11に、位置センサ25を位置センサ12に、加圧
力センサ26を加圧力センサ13に置換したものとして
示される。作動については、上記後輪側車輪RL,RR
に対する作動から明らかであるので説明を省略する。
【0091】以上説明したように、上記第1実施形態に
係るブレーキの制御装置は、駐車ブレーキ作動要求があ
ったとき、車両が停止に至ったときの制動トルク(サー
ビスブレーキ時の回転阻止トルク)に基づいて車両保持
トルク(駐車ブレーキ時の回転阻止トルク)を求め、同
保持トルクを左右後輪RL,RRに発生させる。従っ
て、保持トルクが過大とならないので電動モータ23に
供給する電流を小さくでき、無駄なエネルギー消費を回
避することができる。また、駐車ブレーキ目標加圧力PP
*と等しい加圧力Pが得られた後は、規制ギヤ324に
より必要な保持トルクを維持し、電動モータ23及び切
替モータ24に電流を供給しないので、長時間に渡る駐
車時においてもバッテリの消耗を招かないという効果を
奏する。
【0092】また、上記実施形態の左右後輪RR,RL
のブレーキ制御に関しては、加圧力センサ26が実制動
トルクTを検出しているから、摩擦係合部材としてのブ
レーキライニング219a,219bとドラム206の
内周面との摩擦係数が変化した場合であっても、実制動
トルクを狙いとした値に制御することができる。
【0093】次に、本発明による車両用ブレーキの制御
装置の第2実施形態について、同装置の全体を概略的に
示した図10を参照しながら説明する。
【0094】このブレーキの制御装置は、左右前輪F
L,FRについて電動ディスクブレーキ10に代わる液
圧式ディスクブレーキ装置70を備えるとともに、同液
圧式ディスクブレーキ装置70に付随する装置を備えて
いる点においてのみ第1実施形態と相違している。従っ
て、以下、第1実施形態と同一構成部分については、同
一の符号を付して説明を省略する。
【0095】液圧式ブレーキ装置70は、左右前輪F
L,FRにそれぞれ制動力を付与するための液圧ブレー
キ71を備えている。これらの液圧ブレーキ71は、車
体側部材であるマウンティングブラケットに回転不能に
保持された摩擦係合部材としてのブレーキパッドをホイ
ールシリンダ72の作動により車輪と共に回転するディ
スクロータに摩擦係合させることによって、車輪の回転
を抑制するようになっている。
【0096】ブレーキペダル60の操作ロッド60a
は、タンデムマスタシリンダ61に接続されている。タ
ンデムマスタシリンダ61は、ブレーキ油を蓄えたオイ
ルタンク62にそれぞれ連通した各液室61aにブレー
キペダル60の操作量(ペダル踏力F,ペダルストロー
クST)に応じた液圧を発生するようになっている。各
液室61aは、上記ホイールシリンダ72の各々と接続
されている。
【0097】次に、かかる装置の作動について説明する
と、左右後輪RL,RRに対しては、上記第1実施形態
の左右後輪RL,RRに対するブレーキ制御と全く同様
の制御が電気制御装置30により行われ、これらに制動
トルクが発生させられる。また、左右前輪FL,FRに
対しては、ブレーキペダル60のペダル踏力Fに対応し
たブレーキ油圧がタンデムマスタシリンダ61から各ホ
イールシリンダ72に供給されることにより、制動トル
クが発生させられる。
【0098】また、駐車ブレーキ時の保持トルクは、第
1実施形態と同様に、左右後輪RL,RRの電動ドラム
ブレーキ20によって発生させられる。駐車ブレーキ目
標加圧力PP*についても、第1実施形態と全く同様に決
定される。
【0099】このように、液圧式ブレーキ装置と電気式
ブレーキ装置とが併用された第2実施形態に係るブレー
キ装置においても、駐車ブレーキ作動要求があったとき
に車両が停止に至ったときの制動トルク(サービスブレ
ーキ時の回転阻止トルク)に基づいて車両保持トルク
(駐車ブレーキ時の回転阻止トルク)を求め、同保持ト
ルクを左右後輪RL,RRに発生させる。従って、保持
トルクが過大とならなないので電動モータ23に供給す
る電流を小さくでき、無駄なエネルギー消費を回避する
ことができる。なお、第2実施形態においては、踏力セ
ンサ53に代えて、又は踏力センサ53と組合せて、マ
スタシリンダ61の液圧を検出するマスタシリンダ圧検
出センサをサービスブレーキ操作量の検出センサとして
採用してもよい。
【0100】以上、説明したように、本発明の各実施形
態によれば、電気式ブレーキ装置による駐車時の保持ト
ルクが適切な値とされるため、駐車ブレーキ性能が良好
に維持されるとともに無駄なエネルギ消費を抑制するこ
とができる。
【0101】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採
用することができる。例えば、上記第1,第2実施形態
においては、左右後輪RL,RRに設けられた加圧力セ
ンサ26の出力に基づいて駐車ブレーキ目標加圧力PP*
を決定していたが、実制動トルクを検出し得るトルクセ
ンサを左右前輪FL,FRに設け、これから駐車ブレー
キ目標加圧力PP*を決定してもよい。また、左右前輪F
L,FR、及び左右後輪RL,RRの何れかに設けられ
対応する車輪に付与される実トルクを検出するトルクセ
ンサの何れか一つの検出値から駐車ブレーキ目標加圧力
PP*を決定してもよい。
【0102】また、上記実施形態においては、電動アク
チュエータの動力源として直流電動モータ11,23が
採用されていたが、共に超音波モータとしたり、前輪側
は超音波モータ、後輪側はDCモータ、又は前輪側はD
Cモータ、後輪側は超音波モータとすることができる。
【0103】また、電動アクチュエータは、同電動アク
チュエータにより制動部材(摩擦係合部材)が被制動部
材に押し付けられることでブレーキが作動させられるも
のであればよい。従って、電動アクチュエータは、ホイ
ールシリンダと、同ホイールシリンダの液圧を電気的に
制御可能な電磁制御弁装置とを含むアクチュエータによ
り構成することもできる。更に、各車輪に使用されるブ
レーキは、ディスクブレーキであってもドラムブレーキ
であってもよい。
【0104】また、上記第1実施形態においては、サー
ビスブレーキ時に制御されるアクチュエータと駐車ブレ
ーキ時に制御されるアクチュエータは、何れも電動モー
タ23という同一のアクチュエータであったが、これら
は異なるアクチュエータであってもよい。即ち、例え
ば、サービスブレーキ時に制御されるアクチュエータを
電動モータ23とし、駐車ブレーキ時に制御するアクチ
ュエータを前記レバー230にケーブルを介して、又は
同レバー230に直接に接続された別の電動モータとし
てもよい。
【0105】また、上記各実施形態においては、車両重
量の変化分を一定値として加圧力PHHTを求めたが、車両
のサスペンションストローク等から車両重量を推定し、
同車両重量の推定値に応じて同加圧力PHHTを可変として
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキ
の制御装置を含む電動ブレーキ装置の全体図である。
【図2】 図1に示した電動ドラムブレーキを示す断面
図である。
【図3】 図2に示した電動アクチュエータの1−1断
面図である。
【図4】 図2に示した電動アクチュエータに備えられ
た回転防止機構の斜視図である。
【図5】 回転防止機構を示す、図3の2−2断面図で
ある。
【図6】 回転防止機構を示す、図3の2−2断面図で
ある。
【図7】 図1に示したマイクロコンピュータが実行す
るプログラムの機能ブロック図である。
【図8】 平坦路走行時における目標加圧力と実制動ト
ルクの変化を示すタイムチャートである。
【図9】 降坂路走行時における目標加圧力と実制動ト
ルクの変化を示すタイムチャートである。
【図10】 本発明の第2実施形態に係る車両用ブレー
キの制御装置を含む電動ブレーキ装置の全体図である。
【符号の説明】
10…電動ディスクブレーキ、11…直流電動モータ、
12…位置センサ、13…加圧力センサ、20…電動ド
ラムブレーキ、21…ドラム、22…ブレーキシュー、
23…直流電動モータ、24…切替モータ、25…位置
センサ、26…加圧力センサ(トルクセンサ)、30…
電気制御装置、31…マイクロコンピュータ、52…駐
車ブレーキ操作スイッチ、53…踏力センサ、60…ブ
レーキペダル、70…液圧式ディスクブレーキ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 直樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3D046 BB02 CC06 EE01 EE02 HH02 HH03 HH15 HH29 HH52

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪と一体的に回転する被制動部材と、 前記制動部材に押圧されて前記車輪の回転に抗する回転
    阻止トルクを発生する制動部材と、 前記制動部材を前記被制動部材に押圧する力を発生する
    アクチュエータと、 サービスブレーキ操作量に応じて前記アクチュエータの
    発生する力を制御し、前記車輪にサービスブレーキ時の
    回転阻止トルクを付与するサービスブレーキ制御手段
    と、 駐車ブレーキの作動要求に応じて前記アクチュエータの
    発生する力を制御し、前記車輪に駐車ブレーキ時の回転
    阻止トルクを付与する駐車ブレーキ制御手段とを備えた
    車両用ブレーキの制御装置であって、 前記車輪に加わる回転阻止トルクを直接検出するトルク
    検出手段を備えるとともに、 前記駐車ブレーキ制御手段は、前記サービスブレーキ制
    御手段により前記アクチュエータの発生する力が制御さ
    れているときに前記トルク検出手段により検出された実
    際の回転阻止トルクに基づいて、前記駐車ブレーキ時の
    回転阻止トルクを設定するように前記アクチュエータの
    発生する力を制御してなることを特徴とするブレーキの
    制御装置。
  2. 【請求項2】車両に備えられた複数の車輪の各々に設け
    られ各車輪と一体的に回転する被制動部材に対し制動部
    材を押圧することにより、各車輪に対し各輪毎の回転に
    抗する回転阻止トルクを付与する複数のアクチュエータ
    と、 サービスブレーキ操作量に応じて前記複数のアクチュエ
    ータの発生する力を制御し、前記複数の車輪にサービス
    ブレーキ時の回転阻止トルクを付与するサービスブレー
    キ制御手段と、 駐車ブレーキの作動要求に応じて前記複数のアクチュエ
    ータの少なくとも一つを制御し、同制御されるアクチュ
    エータが設けられた車輪に駐車ブレーキ時の回転阻止ト
    ルクを付与する駐車ブレーキ制御手段とを備えた車両用
    ブレーキの制御装置であって、 前記複数の車輪の少なくとも一つの車輪に設けられ同車
    輪に加わる回転阻止トルクを直接検出するトルク検出手
    段を備えるとともに、 前記駐車ブレーキ制御手段は、前記サービスブレーキ制
    御手段により前記アクチュエータの発生する力が制御さ
    れているときに前記トルク検出手段により検出された実
    際の回転阻止トルクに基づいて、前記駐車ブレーキ時の
    回転阻止トルクを設定するように前記アクチュエータの
    少なくとも一つを制御してなることを特徴とするブレー
    キの制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の車両用ブレーキの制御装
    置において、 前記駐車ブレーキ制御手段は、前記検出された実際の回
    転阻止トルクと前記車両の各輪に対する荷重配分とから
    前記トルク検出手段の備えられていない車輪の回転阻止
    トルクを推定し、同推定された回転阻止トルクに基づい
    て前記駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを設定するよう
    に前記アクチュエータの発生する力を制御してなること
    を特徴とするブレーキの制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載
    の車両用ブレーキの制御装置において、 前記駐車ブレーキ制御手段は、前記制動部材又は前記被
    制動部材の温度に応じて前記駐車ブレーキ時のアクチュ
    エータの発生する力を変更するように構成されたことを
    特徴とするブレーキの制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載
    の車両用ブレーキの制御装置において、 前記駐車ブレーキ制御手段は、前記車両の重量に応じて
    前記駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを変更するように
    前記アクチュエータの発生する力を制御してなることを
    特徴とするブレーキの制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載
    の車両用ブレーキの制御装置において、 前記駐車ブレーキ制御手段は、前記駐車ブレーキの作動
    要求が発生した時点で検出された前記実際の回転阻止ト
    ルクに基づいて、前記駐車ブレーキ時の回転阻止トルク
    を設定するように前記アクチュエータの発生する力を制
    御してなることを特徴とするブレーキの制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載
    の車両用ブレーキの制御装置において、 前記駐車ブレーキ制御手段は、前記車両が停止している
    ときに検出された前記実際の回転阻止トルクに基づい
    て、前記駐車ブレーキ時の回転阻止トルクを設定するよ
    うに前記アクチュエータの発生する力を制御してなるこ
    とを特徴とするブレーキの制御装置。
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