JP2002084037A - 発光体、構造体及びその製造方法 - Google Patents

発光体、構造体及びその製造方法

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JP2002084037A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナノメーターからサブミクロンサイズの周期
的な構造を有することで、高度な発光能を有する酸化亜
鉛からなる発光体を提供する。 【解決手段】 基体2と、酸化亜鉛を主成分とする複数
の酸化亜鉛柱1とを有し、該酸化亜鉛柱1は実質的に六
角柱形状であり、前記基体表面に対し実質的に垂直に配
置されてなる発光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発光体、構造体及び
その製造方法に関し、詳しくはナノメーターからサブミ
クロンサイズの周期構造を有する構造体、特に酸化亜鉛
からなる柱状物質が周期配列した発光体、発光素子、レ
ーザー、さらには上記構造を具備する光学素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化亜鉛はワイドギャップ半導
体、圧電特性などの特徴から、レーザーやLEDをはじ
めとする発光素子、蛍光体、導波路、透明電極、圧電素
子、光電変換素子、感光材、有害物質の分解、抗菌、な
どの分野においてを研究が盛んに行われている。たとえ
ば、特開平10−256673号公報において、酸化亜
鉛の薄膜から紫外域のレーザー発振が可能であることが
示された。
【0003】一方、半導体の大きさをナノメーターから
サブミクロンのサイズまで小さくすることにより、電子
の閉じ込めや、表面作用において、特異な電気的、光学
的、化学的性質が期待できる。このような観点から酸化
亜鉛により、ナノサイズの大きさを有し、さらには結晶
性の優れた構造体を、実現をできれば、発光素子、光電
変換機能をはじめとする電気的、光学的、化学的性質の
さらなる向上が期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
ナノサイズの大きさを有し結晶性に優れた酸化亜鉛材料
を、簡便な手法で作成することは難しかった。一般にナ
ノサイズの材料を作成する手法として、フォトリソグラ
フィーをはじめ、電子線露光、X線回折露光などの微細
パターン描画技術をはじめとする半導体加工技術による
作成があげられる。しかし、これらの手法は、歩留まり
の悪さや装置のコストが高いなどの問題があり、簡易な
手法で再現性よく作成できる手法が望まれている。
【0005】また、ナノサイズの微粒子作成手法とし
て、コロイド溶液の塗布と焼成による手法がある。この
手法は、比較的簡易であるが、作成される酸化亜鉛の結
晶性や微粒子形状などに対して、制御性や再現性に課題
がある。
【0006】ナノメーターサイズの構造を有する酸化亜
鉛を構造制御した例としては、上記の特開平10−25
6673号の公報が挙げられ、50nm程度のサイズの
六角柱のナノクリスタル薄膜を用いたときにレーザー発
振閾値が低いことが報告された。
【0007】他には、柱状形状の酸化亜鉛を作製した例
として、大気開放型CVDにより酸化亜鉛のウイスカー
を基板上に成長させた報告があげられる(“Jpn.
J.Appl.Phys.”Vol.38(1999)
L586)。ただし、ウイスカーの径が数ミクロン径以
上と比較的太い。
【0008】これらの方法は、基板がサファイア基板に
限られること、高温の成長条件を用いること、構造の制
御が不十分であることなどの理由から、十分な応用がな
されるにはいたっていない。
【0009】上記を鑑み、本発明の目的は、導電性膜上
にナノメーターからサブミクロンサイズで周期構造を有
する酸化亜鉛からなる構造体を提供することであり、こ
の構造体を発光体として発光素子をはじめとする光学素
子などに応用することである。また、本発明は、上記の
発光体を容易に製造する方法を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明の
以下の構成および製法により解決できる。すなわち、本
発明は、基体と、酸化亜鉛を主成分とする複数の柱状部
材とを有し、該柱状部材は実質的に六角柱形状であり、
前記基体表面に対し実質的に垂直に配置されてなること
を特徴とする発光体である。
【0011】該基体上に周期的に実質的に垂直に配置さ
れた六角柱形状の酸化亜鉛柱を有してなることが好まし
い。該周期的に配置された酸化亜鉛柱の配列周期が、発
光波長より小さいことが好ましい。該酸化亜鉛柱は三角
格子状に配列されることが好ましい。該酸化亜鉛柱は正
六角形状の断面を有し、該周期構造の配列方位が、六角
柱形状の酸化亜鉛柱の柱中心から頂点方向への向きとほ
ぼ等しいことが好ましい。該酸化亜鉛柱は正六角形状の
断面を有し、該周期構造の配列方位が、六角柱形状の酸
化亜鉛柱の柱中心から側面の面中心への向きとほぼ等し
いことが好ましい。該基体は、基板と該基板上の導電性
膜からなることが好ましい。
【0012】該導電性膜は、Pt,CuまたはPdを主
成分とすることが好ましい。該導電性膜は、該基板に対
して垂直に111方向に配向しているが好ましい。該酸
化亜鉛柱は、該基体に対して垂直にc軸方向に配向して
いることが好ましい。該酸化亜鉛柱は陽極酸化アルミナ
の細孔内に配されることが好ましい。
【0013】また、本発明は、基体と、該基体上に周期
的に直立して配された六角柱形状の酸化亜鉛柱を有して
なることを特徴とする構造体である。該基体は、基板と
該基板上の導電性膜からなることが好ましい。
【0014】さらに、本発明は、基板上に導電性膜を製
膜して基体とする工程と、該基体上に周期的に配列した
円状もしくは楕円状の細孔のパターンを形成する工程
と、該基体上の細孔に亜鉛イオンを含有する溶液中で酸
化亜鉛柱を成長させる工程を有することを特徴とする上
記の発光体の製造方法である。
【0015】該細孔は楕円状であることが好ましい。該
円状もしくは楕円状の細孔のパターンを形成する工程
は、基体上に設けたアルミニウムの表面に細孔形成開始
点を形成する工程と、該アルミニウムを陽極酸化するこ
とで細孔を有する陽極酸化アルミナとする工程を有する
ことが好ましい。
【0016】本発明により、ナノサイズの大きさを有
し、結晶性に優れた酸化亜鉛材料、特にナノサイズの酸
化亜鉛柱を作製できる。これにより高性能の発光体とす
ることができる。特に、数10〜500nm程度の径
の、すなわち極細の酸化亜鉛柱を導電性を有する基板上
に直立して形成することができる。これにより酸化亜鉛
柱と下地電極との電気接続が可能となる。これにより、
サファイアを始めとする高価な単結晶基板を使う必要が
ない。
【0017】さらには、このように酸化亜鉛柱をサブミ
クロンのサイズで周期的に配することでフォトニック結
晶として光学素子への応用を可能とする。特に、特開平
10−256673号公報においても酸化亜鉛柱は六角
柱であるが連続膜であり、本発明においては柱状の酸化
亜鉛が互いに離れて、周期的に配列している点で異な
る。
【0018】フォトニック結晶は、2種類以上の屈折率
(誘電率)の異なる部位を周期的に配列することで、そ
の光学的性質を制御したものである(J.D.Joan
nnopoulous et al.“Photoni
c Crystals”Princeton Univ
ersity Press)。この様な媒質は、半導体
のバンド形成理論において電子波がブラッグ反射されて
エネルギーEと波数kとの分散関係がバンドを形成する
のに類推されるように、光においても波長程度の屈折率
の周期性がフォトニックバンドを生み出す。さらに、そ
の周期構造によっては、光が存在できない波長領域、す
なわちフォトニックバンドギャップが形成される。この
ようなフォトニックバンドを制御するためには、その構
造周期として光の波長程度から光の波長の数分の1のサ
イズを必要とする。
【0019】すなわち、本発明において、酸化亜鉛によ
り光の波長以下のサイズの周期構造(フォトニック結
晶)を作製し、酸化亜鉛の発光スペクトルや分散特性に
対してその周期構造を適宜設計することで、発光素子を
はじめとするさまざまな光学素子として応用することが
期待できる。特に、フォトニックバンドの群速度が小さ
いモードや、欠陥構造に伴う局在モードを利用する事
で、発光素子の高効率化、レーザー素子の発振の低閾値
化、などが可能である。他にも蛍光体として用いる際に
は蛍光寿命の制御に用いることができる。すなわち、柱
状の酸化亜鉛を周期配列してフォトニック結晶として用
いる事で、発光素子の高効率化、レーザー素子の発振の
低閾値化、などが可能である。他にもフォトニック結晶
は、導波路や偏光素子をはじめとする各種光学素子とし
ての応用が期待できる。
【0020】特に、酸化亜鉛は紫外光のバンド端発光
や、酸素欠損や格子間Zn欠陥に伴う緑色発光をする発
光材料として使用しうるが、発光波長に対応した周期構
造(フォトニック結晶)を適用することで、所望の波長
域において高性能の発光素子とすることができる。
【0021】本発明の酸化亜鉛柱を具備する構造体は、
発光素子のほかにも、光電変換素子、光触媒、電界放出
型電子放出素子をはじめ、各種電子デバイスやマイクロ
デバイスなどの機能材料や、構造材料などとして、広い
範囲で応用可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の基体上に酸化亜鉛
柱を配置した構造体(発光体)について、図1から図3
を用いて説明する。
【0023】<構成>図1は、本発明の構造体(発光
体)の一例を示す概念図である。本発明の発光体は、図
1のように、基体2上に直立して発光材料である酸化亜
鉛柱1が周期的に配列してなる。本発明の酸化亜鉛柱1
は、酸素と亜鉛を主成分とし、特に六角柱状の構造を有
する。
【0024】図2は、本発明の酸化亜鉛柱を上方から見
た形状の例を示す概念図である。六角柱を上方からみる
と、図2(a)のように正六角形のものをはじめ、図2
(b)、(c)のような六角形や、図2(d)のような
角の丸い六角形などが挙げられる。
【0025】図3は本発明の酸化亜鉛柱を示す斜視図で
ある。図3(a)のように正六角柱のもの、図3(b)
のように六角柱のもの、図3(c)のように六角柱の角
が丸いもの、図3(d)に示すように先端が錘状の形状
を有するものなどが挙げられる。
【0026】本発明の酸化亜鉛柱は、多結晶、単結晶、
アモルファスなどの任意の結晶構造を有することができ
るが、発光能に優れる構造が好ましく、結晶性に優れる
もの、特に単結晶が好ましい。後述の酸化亜鉛の製膜条
件及び下地基板を適当に選択することで、基板に対して
c軸を上向きに向け、配向に優れた酸化亜鉛を成長でき
る。特に、c軸を上向きにした六角柱状の酸化亜鉛を成
長することができる。さらに言えば、酸化亜鉛柱の質、
すなわち結晶性やc軸配向などの観点から、6角形柱状
となるような条件で作製することが好ましくい。このよ
うな観点から、本発明の酸化亜鉛からなる六角柱におい
ては、六角柱の高さ方向にc軸方向とすることができる
こと、さらには六角柱の単結晶となることが好ましい。
【0027】また、このような6角形状の酸化亜鉛柱、
基体に対して方向性を有して配する酸化亜鉛柱から構成
されることが好ましく、たとえば基体に対して実質的に
垂直に形成できる。
【0028】酸化亜鉛柱の形状、サイズは作成条件に依
存するが、太さは数nm〜数μmであり、長さは数10
nm〜数10μm、アスペクト比は1から200程度の
範囲である。
【0029】本発明における酸化亜鉛の組成は、酸素と
亜鉛を主成分とすれば特に限定されない。また、B,A
l,Ga,In,N,P,Asなどをドープすることで
キャリア極性、キャリア密度などを制御することができ
る。さらに、酸素欠損や希土類をはじめとする不純物の
導入により発光準位を制御することもできる。
【0030】基体2としては、サファイア基板、Si基
板、GaN基板、ZnO基板などの任意の単結晶基板や
石英ガラスをはじめとするガラス基板、さらにはこれら
の基板の上に任意の薄膜を形成したものを用いることが
できる。このような基板3上に直接、酸化亜鉛柱1を配
しても良いが、下地に導電性膜4を配することが、導電
性膜を電極とし電気的な接続を可能とし、ガラス基板な
ど安価な基板を用いることができるので好ましい。
【0031】また、上述の酸化亜鉛柱を基体上に2次元
配列して構成することでフォトニック結晶とすることが
できる。フォトニック結晶は、先に説明したように、2
種類以上の屈折率(誘電率)の異なる部位を周期的に配
列させた構造から構成される。このようなフォトニック
バンドを制御するためには、その構造周期として光の波
長程度から光の波長の数分の1のサイズを必要とする。
【0032】本発明の発光体、すなわち酸化亜鉛を周期
的に配したフォトニック結晶においては、その紫外域か
ら可視域の発光を制御するためには100〜400nm
程度の周期構造を必要とする。本発明においては、周期
構造により生じたフォトニックバンド構造により発光波
長における状態密度の減少や分散関係の異方性などで効
果が現れるが、フォトニックバンドギャップが開いてい
ることがより好ましい。2次元フォトニック結晶の周期
構造としては、正方配列や三角格子配列などがあげられ
るが、フォトニックバンドギャップが開くという観点か
ら、図4に示すように、6方向対称でハニカム状に規則
的に配列した三角格子配列の構造が好ましい。このよう
な三角格子配列に、六角柱の酸化亜鉛柱を適用すると、
配列の方位と六角柱の面内方位を制御することで、その
対称性が一致することからより好ましい。たとえば、図
4(a)のように三角格子10の周期方向11を六角柱
(形)の中心12と頂点13を結ぶ方向が一致する配列
や、図4(b)のように六角柱(形)の中心14と側面
(辺)の面中心15の方向と一致させることで、フォト
ニックバンド構造の異方性の増強や、結晶場と輻射場の
方位が合うことに伴う電子−光相互作用を増強を可能と
する。これにより、たとえば発光素子として用いる場合
には、発光効率向上や、発光異方性の増強が可能であ
る。
【0033】<作製方法>次に、本発明の酸化亜鉛から
なる発光体(構造体)の製造方法について説明する。本
発明の酸化亜鉛柱の作製方法としては、MBE法、レー
ザー蒸着法、CVD法、溶液中成長法、スパッタ法、真
空蒸着法などがあげられるが、簡易で低コストであり良
質の酸化亜鉛柱を成長可能な溶液中成長プロセスが好ま
しい。
【0034】すなわち、本発明の酸化亜鉛柱の作製方法
としては、亜鉛イオンを有する溶液からの析出を用いる
ことが好ましい。溶液中での酸化亜鉛成長を用いること
で安価に大面積の上記構造体を作製することができる。
たとえば図10に示すような反応装置を用い、硝酸亜鉛
とDMAB(ジメチルアミンボラン)の水溶液からなる
反応溶液32中に、試料31を浸すことで、酸化亜鉛膜
を形成することが可能である。濃度、温度など適当な条
件を選ぶこと、適当な基体を用いることで上述のような
酸化亜鉛柱を成長させることができる。この際、紫外光
34の照射を行うこともできる。
【0035】また、基板表面に、触媒としてPd、P
t,Cu,Ag,Au,Rh,Irなどの貴金属元素や
Ni,Fe,Coなどの鉄族元素を付与することで、触
媒付与部に選択的に酸化亜鉛を成長させることができ
る。触媒の付与方法としては、上記触媒イオンを含有す
る溶液に浸すことや、触媒となる元素からなる膜を製膜
することなどがあげられる。ただし、酸化亜鉛柱の方向
を基板に直立させるために、導電性膜として触媒となり
うる材料の連続膜を製膜した基体を用いることが好まし
い。たとえば、Pt、Pd、Cuなどの貴金属の連続膜
を製膜することがあげられる。このように平坦な貴金属
を主成分とした膜を有した基体を用いることで、酸化亜
鉛柱を基板に略垂直に直立したものとすることができる
ので好ましい。さらに、この貴金属基板がたとえば11
1方位などに配向していることが、酸化亜鉛柱の形状ば
らつきや密度ばらつきを少なくする点やから好ましい。
【0036】この貴金属膜は、酸化亜鉛柱を成長後、酸
化亜鉛柱に電流を供給する(電位を印加する)電極とし
て用いることができる。これにより、図1のように、基
体2と、基体に対して方向性を有して配する酸化亜鉛柱
1から構成されることを特徴とする構造体とすることが
できる。
【0037】本発明の、酸化亜鉛柱を周期的に配列する
手法として、まず電子線露光とエッチングの技術を適用
したパターニング手法を用いることが挙げられる。これ
には、あらかじめ基体上に所望のパターンを作製し後、
酸化亜鉛柱を成長することが挙げられる。たとえば周期
的な細孔をパターニングした後に上述の液中成長を行う
ことで、それぞれの細孔から酸化亜鉛柱を成長させるこ
とができる。
【0038】しかしこのような手法は、パターニング形
成において歩留まりの悪さや装置のコストが高いなどの
問題があるため、以下のように自然に形成される規則的
なナノ構造を用いる事が好ましい。たとえば、陽極酸化
アルミナ皮膜などが挙げられる。陽極酸化アルミナは、
陽極酸化という簡易な手法で大面積にわたるアスペクト
の高い2次元周期構造すなわち、2Dフォトニック結晶
を作製できるため最も好ましい。また、その周期サイズ
は作製条件により数10から500nmの範囲で制御で
きるため、可視から紫外域においてフォトニック結晶の
作製に有用である。
【0039】また、また陽極酸化アルミナを適用した製
法を適用することで、簡易な製法で安価にナノメータサ
イズで柱状の酸化亜鉛を作製できる。
【0040】以下に陽極酸化アルミナナノホールについ
て説明する。陽極酸化アルミナナノホールはAl膜やア
ルミ箔、アルミ板などをある特定の酸性溶液中で陽極酸
化することにより作製される(たとえばR.C.Fur
neaux,W.R.Rigby & A.P.Dav
idson“NATURE”Vol.337、P147
(1989)等参照)。図8に陽極酸化アルミナナノホ
ールの概略図を示す。この陽極酸化アルミナ層52は、
Alと酸素を主成分とし、多数の円柱状のナノホール
(細孔)53を有し、そのナノホール53は、基体の表
面にほぼ垂直に配置し、それぞれのナノホールは互いに
平行かつほぼ等間隔に配置している。すなわち、第1の
誘電部位(アルミナ)の中に、柱状形状の第2の誘電部
位(中空)が、ハニカム状に規則的に2次元に配列した
構造(2次元フォトニック結晶としての構造)を有す
る。アルミナナノホールの直径2rは数nm〜数100
nm、間隔2Rは数10nm〜数100nm程度であ
り、陽極酸化条件により制御可能である。また、アルミ
ナナノホール層52の厚さ、ナノホールの深さは、陽極
酸化時間などで制御することができる。これはたとえば
10nm〜500μmの間である。アルミナナノホール
の細孔径2rはエッチングにより広げることが可能であ
る。これにはりん酸溶液などが利用可能である。
【0041】また、2段陽極酸化法や、Al表面にハニ
カム状の凹凸(細孔開始点)を形成してから陽極酸化す
る方法により、細孔配列を規則化する事ができる。(益
田:“OPTRONICS”No.8(1998)21
1頁参照) 細孔開始点を形成する手法としては、スタンパーを用い
る手法や、FIBを照射する手法などが挙げられる。
【0042】本発明の、六角柱形状の酸化亜鉛柱の面内
方向、すなわち、a−b軸方位を制御するためには、パ
ターニングの形を六角形状にすることや単結晶基板を用
い、その方位と周期構造の方位をあわせておくことなど
で実現できる。他にも、円状のパターン(細孔)を用い
る場合には、パターンの形状を楕円状のパターン(細
孔)としておくことで、ある程度の方位を決めることが
できる。陽極酸化アルミナを適用する際の、その細孔形
状は、後述の細孔開始点の形状、配列パターン、陽極酸
化条件などの作製条件である程度の形状制御が可能であ
る。
【0043】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を説明する。
【0044】実施例1および比較例1,2 本実施例はMBEによる酸化亜鉛の成長と、電子線露光
を用いたパターニングにより六角柱の酸化亜鉛が三角格
子配列して形成した例である。
【0045】まず、脱脂洗浄したc面サファイア基板上
に、厚さ200nmの酸化亜鉛膜をMBE法でエピタキ
シャル成長させた。MBE法においてはZn金属とRF
(高周波)酸素ラジカル源を用い、真空中で650℃の
予備加熱後、Zn分圧1×10-4Pa(1×10-6to
rr),O2 流量0.3ml/min(0.3cc
m),RFパワー300W、基板温度550℃の条件下
でZnOの成長を行った。
【0046】引き続き、レジスト膜形成、電子ビーム露
光、現像により、レジストによるマスクパターンを形成
した。マスクパターンは六角形が配列した図4(a)に
示すような形状であり、約200nm径の六角形が三角
格子状に0.3μmの周期で配列してある。また、マス
クパターンの周期構造が酸化亜鉛膜の[1−2 1]方
向となるようにした。引き続き、NH4 OHとH22
からなるエッチャントで酸化亜鉛をウエットエッチし、
さらにレジストを有機溶剤で除去した。
【0047】また、比較例1として、パターニングを行
わないで製膜した酸化亜鉛膜を用意した。また、比較例
2として、マスクパターンが六角形でなく円形のものを
用意した。
【0048】(評価)本実施例1の試料をFE−SEM
観察により露光パタンに準じて六角柱の酸化亜鉛柱が三
角格子配列で形成されていることを確認した。酸化亜鉛
柱サイズは160nmで六角形の角はやや丸みを帯びて
いるが、正六角形状であった。一方で比較例1は平坦な
膜であった。また、比較例2では円柱状の酸化亜鉛が配
列して形成されていた。TEM観察より、サファイア基
板上にエピ成長していることが確認された。
【0049】He−Cdレーザーを励起源(励起波長3
25nm)としたフォトルミネッセンスの測定により、
本実施例及び比較例のサンプルにおいて、波長385n
mのバンド間発光と、酸素欠損に伴う波長500〜55
0nm付近の緑色発光を確認した。
【0050】本実施例1の試料は、比較例1の試料に比
べて発光スペクトルは紫外域の発光が主となっており、
緑色発光が抑制されていた。周期的な構造によりフォト
ニックバンドギャップが形成されることにより、緑色発
光が抑制されたと考えることができる。また、本実施例
1の試料は、比較例2の試料に比べてフォトルミネッセ
ンスの強度が若干大きかった。六角形の形状の周期配列
による効果と考えることができる。
【0051】実施例2および比較例3 本実施例は、電子線露光によるパターニングと、溶液プ
ロセスで酸化亜鉛を選択成長させた例である。図5は本
実施例の発光体の作製工程を示す図である。以下、図5
を用いて説明する。
【0052】工程a)シリコン基板からなる基板3上に
下地導電性膜4としてRFスパッタによりPd膜を10
0nmの厚さに製膜した。下地導電性膜の製膜条件は、
111配向の優れる条件が好ましく、たとえばPd膜を
製膜する際には、RFパワー150W、アルゴンガス圧
0.7Pa(5mtorr)の条件を用いた。ここで
は、RFスパッタを用いたが製膜にはスパッタ法、CV
D法、真空蒸発法などに任意の製膜方法が適用可能であ
る。(図5(a)参照)
【0053】工程b)引き続き、レジスト膜、電子ビー
ム露光、現像により、円形開口が三角格子状に配列した
レジストのレジストマスク7を形成した。開口のサイズ
は50〜400nmの範囲、開口の間隔(周期)は10
0〜500nmの範囲でさまざまな開口径及び配列周期
のパターンを形成した。(図5(b)参照)
【0054】工程c)図10に示す装置を用い、試料を
0.05MZnNO3 、0.05Mジメチルアミンボラ
ン水溶液からなる反応溶液32中で浴温度60℃で、高
圧水銀ランプで紫外線を照射する条件下で、酸化亜鉛柱
1を成長させた。処理時間は30minである。これに
より、酸化亜鉛膜が導電性膜上に選択成長する。(図5
(c)参照)
【0055】工程d)最後に、レジストマスクを有機溶
媒で溶解した。(図5(d)参照)
【0056】比較例3として、導電性膜上にレジストマ
スクを形成せず、酸化亜鉛を成長させたものを用意し
た。
【0057】(評価)本実施例2の試料をFE−SEM
観察により、円形のマスクパタンの中に開口サイズに応
じて、図9(a)に一例を示すように、六角柱の酸化亜
鉛柱が三角格子配列で形成されていることを確認した。
六角柱の形は、図3(a)から(c)のものが混在して
いたが、六角形の角の形は比較的先鋭であった。たとえ
ば、300nm開口のレジストマスクを用いた場合に
は、六角柱のサイズ200〜250nm程度であり、高
さは500nm程度であった。X線回折より、酸化亜鉛
がc軸配向が確認された。
【0058】比較例3おいても、六角柱状の酸化亜鉛が
成長していたが、図9(b)に示すようにそのサイズの
ばらつきが大きく、位置はランダムであった。また、こ
の際、111配向した下地導電膜を用いることで、c軸
に優れ六角柱状のZnOを成長することができた。
【0059】また、特に、適当なマスクの開口サイズを
用いた際に、六角柱の径の形状、サイズの均一性に優
れ、正六角柱に近い形状の酸化亜鉛が多く成長する傾向
が見られた。本実施例においては、開口径として400
nm程度が望ましく、その際のZnO六角柱の径は、3
00nm程度であった。
【0060】He−Cdレーザーを励起源としたフォト
ルミネッセンスの測定により、 本実施例2及び比較例
3の両サンプルにおいて、波長385nmのバンド間発
光と波長500〜550nm付近の緑色発光を確認し
た。マスク開口径200nm、周期250nmの試料に
おいては、比較例3の試料に比べて発光スペクトルは紫
外域の発光が主となっており、緑色発光が抑制されてい
た。フォトニックバンドギャップが形成されることによ
り、緑色発光が抑制されたと考えることができる。
【0061】マスク開口径200nm、周期250nm
の試料を用い、YAG第3高調波で励起しフォトルミネ
ッセンスの測定を行い、液体窒素温度において、レーザ
ー発振閾値を評価したところ、本実施例3の方が、比較
例3に比べてレーザー発振閾値が低かった。本実施例3
においては、フォトニック結晶としての群速度低下の効
果によりレーザー発振閾値の低下がはかられたものと考
える。
【0062】実施例3,4 本実施例は、下地導電性膜にPt(実施例3)、及びC
u(実施例4)を用いた以外は、実施例2と同様であ
る。
【0063】実施例2においてはマスク開口径が400
nm程度において、酸化亜鉛柱の形状均一性が優れた
が、下地導電膜としてPtを用いた本実施例においては
開口径として200nm程度を用いた際に形状均一性が
望ましく、下地導電膜としてCuを用いた際には開口径
として100nm程度を用いた場合に好ましかった。そ
れぞれにおいて、ZnO六角柱の径は150nm、60
nm程度であった。すなわち、下地導電性膜を適切なも
のを選ぶことで、さまざまなサイズにおいて形状均一性
に優れた酸化亜鉛柱を成長させることができた。
【0064】本実施例3においてマスク開口径200n
m、周期250nmの試料を用い、YAG第3高調波で
励起しフォトルミネッセンスの測定を行い、液体窒素温
度において、レーザー発振閾値を評価したところ、本実
施例3の方が、実施例2に比べて閾値が低かった。
【0065】さらに本実施例4においてマスク開口径1
00nm、周期150nmの試料を用い、He−Cdレ
ーザーを励起源としたフォトルミネッセンスの測定をお
こなったところ実施例2に比べて、フォトルミネッセン
スの強度が強かった。
【0066】実施例5 本実施例は、マスクパタンを円形状のかわりに楕円形状
とした以外は実施例3と同様である。楕円の長短軸比は
3:4とした。
【0067】本実施例においては、図9(c)のよう
に、六角柱の向きが、中心軸と頂点を結ぶ方向を楕円開
口の長軸方向にあわせる傾向が見られた。すなわち、酸
化亜鉛柱が六角柱が向きをそろえて配列していた。X線
回折より、酸化亜鉛のc軸配向、面内配向が確認され
た。本実施例の試料のフォトルミネッセンス強度を評価
したところ、実施例3に比べて若干高かった。
【0068】実施例6 酸化亜鉛柱の配列形成のために、陽極酸化アルミナを用
いた例である。図6および図7は本実施例の発光体の作
製工程を示す図である。以下、図6および図7を用いて
説明する。
【0069】工程a)石英ガラスからなる基板3上に下
地導電性膜4としてRFスパッタによりPd膜を100
nmの厚さに製膜後、さらにDCスパッタによりアルミ
膜8を1μm製膜した。下地導電性膜の製膜条件は、1
11配向の優れる条件が好ましく、たとえば、RFパワ
ー150W、アルゴンガス圧0.7Pa(5mtor
r)の条件を用いた。ここでは、RFスパッタ及びDC
スパッタを用いたが製膜には、CVD法、真空蒸発法な
どに任意の製膜方法が適用可能である。(図6(a)参
照)
【0070】工程b)次に、陽極酸化の前工程として、
アルミの表面に陽極酸化の細孔開始点9となるよう凹凸
を作製しておく。この表面加工により、アルミナの細孔
配列を規則的なものとする事ができる。この凹凸は、陽
極酸化アルミナの細孔配列に対応して、ハニカム状に形
成されていることがアスペクト比の大きいナノホールを
作製するうえで好ましい。この細孔開始点(凹部)の形
成方法としては、集束イオンビーム(FIB)を照射す
る手法、AFMを始めとするSPMを用いて行う手法、
特開平10−121292号公報で開示されたプレスパ
ターニングを用いて凹みを作成する手法、レジストパタ
ーン作成後エッチングにより凹みを作る手法などを用い
ることが挙げられる。
【0071】これらの中でも、集束イオンビーム照射を
用いる手法は、レジスト塗布、電子ビーム露光、レジス
ト除去といったような手間のかかる工程は不必要であ
り、直接描画で所望の位置に短時間で細孔開始点を形成
することが可能であることや、被加工物に圧力をかける
必要がないので、機械的強度が強くない被加工物に対し
ても適用可能であるなどの観点から特に好ましい。
【0072】本実施例においてはGaの集束イオンビー
ムを照射することで用い、200nm間隔のハニカム配
列にドット状の開始点を形成した。ここで集束イオンビ
ーム加工のイオン種はGa,加速電圧は30kV、イオ
ンビーム径は100nm、イオン電流は300pA、各
ドットの照射時間は10msecとした。(図6(b)
参照)
【0073】工程c)次に、上記アルミ膜を陽極酸化法
することにより陽極酸化アルミナ5作製する。図11
中、40は恒温槽であり、41は試料、42はPt板の
カソード、43は電解質、44は反応容器であり、45
は陽極酸化電圧を印加する電源、46は陽極酸化電流を
測定する電流計、47は試料ホルダーである。図では省
略してあるが、このほか電圧、電流を自動制御、測定す
るコンピュータなどが組み込まれている。試料41およ
びカソード42は、恒温水槽により温度を一定に保たれ
た電解質中に配置され、電源より試料、カソード間に電
圧を印加することで陽極酸化が行われる。陽極酸化に用
いる電解質は、たとえば、シュウ酸、りん酸、硫酸、ク
ロム酸溶液などが挙げられる。
【0074】アルミナナノホールの細孔間隔すなわち構
造周期は、陽極酸化電圧とほぼ次式(1)の相関を有す
るため、開始点配列(間隔)に対応して陽極酸化電圧を
設定する事が望ましい。
【0075】
【数1】
【0076】アルミナナノホールの厚さは、アルミ膜の
膜厚や陽極酸化の時間によって制御する事ができる。た
とえば全膜厚をすべてアルミナナノホールに置換する事
や、所望のアルミ膜を残す事もできる。
【0077】さらにアルミナナノホール層を酸溶液(た
とえばりん酸溶液)中に浸す処理(ポアワイド処理)に
より、適宜ナノホール径を広げることができる。酸濃
度、処理時間、温度を制御することにより所望のナノホ
ール径を有するアルミナナノホールとすることができ
る。
【0078】本実施例においては、陽極酸化の電解液と
して0.3Mリン酸浴を用い、80Vの陽極酸化を行っ
た。ポアワイド処理として、25℃のりん酸溶液5w
t.%中に80分浸すことでナノホール径を約160n
mに広げた。(図7(c)参照)
【0079】工程d)実施例2と同様な手法で細孔の底
から酸化亜鉛柱1を成長させた。ただし、ZnNO3
濃度を0.02Mとし、浴温度は70℃、反応時間は2
時間とした。(図7(d)参照) (評価)本実施例6の試料をFE−SEM観察により陽
極酸化アルミナの細孔の中に細孔サイズに準じて六角柱
の酸化亜鉛柱が三角格子配列で形成されていることを確
認した。六角柱の形は、図3(a)から(c)のものが
混在していたが、六角形の角の形は比較的先鋭であっ
た。
【0080】また、本実施例6の酸化亜鉛柱は高さが1
μm程度有しており、アスペクト比の高い酸化亜鉛柱を
配列形成することができた。また、簡易な手法で、大面
積の配列パターンを形成することができた。
【0081】He−Cdレーザーを励起源としたフォト
ルミネッセンスの測定により、両サンプルにおいて、波
長385nmのバンド間発光と波長500〜550nm
付近の緑色発光を確認した。
【0082】本実施例6の試料は、比較例3の試料に比
べて発光スペクトルは紫外域の発光が主となっており、
緑色発光が抑制されていた。フォトニックバンドギャッ
プが形成されることにより、緑色発光が抑制されたと考
えることができる。
【0083】本実施例6の試料を、He雰囲気中で40
0℃、1時間の熱処理を行い、さらに100nm厚さ相
当量のAgを蒸着した後、真空装置内に設置し、10-6
Paまで排気後、液体窒素温度まで冷却し、対向したL
aB6 からなる電子銃より電子を放出させ、加速電圧1
0〜50keVに加速された電子ビームを照射すると、
390nm付近の紫外域においてレーザー発振させるこ
とができた。レーザー発振閾値として10〜15A/c
2 程度であった。
【0084】一方、比較例3において同様な評価を行っ
たところ、発振閾値として20〜40A/cm2 程度で
あった。本実施例6の発光体を用いる事で、閾値電流密
度の低減が図られた。さらに、レーザー発振波長幅が狭
く、レーザー発振モード数が低減されていた。本実施例
においては、群速度低下の効果によりレーザー発振閾値
の低下がはかられたものと考える。
【0085】実施例7 本実施例2乃至実施例4で作製した試料を、2%H2
98%Heの還元雰囲気中で600℃、10minの熱
処理を行うことで、酸化亜鉛柱における酸素組成量を減
じ、導電率を高めた後、電子放出能を評価した。
【0086】試料を真空装置内に設置し、10-6Paま
で排気後、対向したアノード板に電圧を印可することで
電子放出量を評価した。アノードと試料間の距離は2m
m、電圧は5kVとした。実施例4のCuを下地に用
い、もっとも細い径の酸化亜鉛柱を配列形成した試料の
電子放出能がもっとも優れ、電子放出量は4μA/cm
2 程度であった。すなわち、本実施例の手法により、ナ
ノサイズの酸化亜鉛柱が配列した電子放出素子を作製で
きることがわかった。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、以
下の効果がある。本発明の発光体および構造体によれ
ば、 1)基体上に、結晶性に優れ、ナノサイズの径を有する
酸化亜鉛柱を配置することで、高効率の発光体とするこ
とができた、 2)さらには、このように酸化亜鉛柱をサブミクロンの
サイズで周期的に配置することでフォトニック結晶とし
て発光素子を始めとする光学素子への応用を可能とす
る、効果がえられた。
【0088】また、本発明の製造方法によれば、 3)溶液中での酸化亜鉛成長を用いることで安価に大面
積の上記構造体を作製することができる、 4)また陽極酸化アルミナを適用した製法を適用するこ
とで、簡易な製法で安価に基体上に周期的に柱状の酸化
亜鉛を配置した構造体を作製できた、 効果がえられた。
【0089】本発明の酸化亜鉛柱を用いた発光体は、蛍
光体、表示装置などに用いることができる。さらには、
本発明の酸化亜鉛柱は、電子デバイスやマイクロデバイ
スなどの機能材料や構造材料などとして、広い範囲で利
用可能であり、特に機能材料の例としては光電変換素
子、光触媒素子、電子放出材料などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化亜鉛柱を配置した発光体(構造
体)を示す概念図である。
【図2】本発明の酸化亜鉛柱を示す概念図である。
【図3】本発明の酸化亜鉛柱を示す斜視図である。
【図4】本発明の発光体における酸化亜鉛柱の配列を示
す概念図である。
【図5】本発明の実施例2の発光体の作製工程を示す工
程図である。
【図6】本発明の実施例6の陽極酸化アルミナを用いた
発光体の作製工程を示す工程図である。
【図7】本発明の実施例6の陽極酸化アルミナを用いた
発光体の作製工程を示す工程図である。
【図8】本発明における陽極酸化アルミナを示す概略図
である。
【図9】本発明の実施例2,比較例3,実施例5の酸化
亜鉛柱の構造の一例を示す図である。
【図10】本発明の溶液プロセスによる酸化亜鉛成長装
置を示す概略図である 。
【図11】陽極酸化装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 酸化亜鉛柱 2 基体 3 基板 4 導電性膜 5 陽極酸化アルミナ 6 細孔 7 レジストマスク 8 アルミ膜 9 細孔開始点 10 三角格子 11,16 周期方向 12,14 六角柱(形)の中心 13 頂点 15 面中心 30 恒温槽 31 試料 32 反応溶液 33 反応容器 34 紫外光 40 恒温槽 41 試料 42 カソード 43 電解質 44 反応容器 45 電源 46 電流計 47 試料ホルダー 51 アルミ(膜) 52 陽極酸化アルミナ 53 細孔(ナノホール) 54 バリア層

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と、酸化亜鉛を主成分とする複数の
    柱状部材とを有し、該柱状部材は、実質的に六角柱形状
    であり、且つ、前記基体表面に対し実質的に垂直に配置
    されてなることを特徴とする発光体。
  2. 【請求項2】 前記酸化亜鉛を主成分とする複数の柱状
    部材は、実質的に周期的に配置されてなることを特徴と
    する請求項1に記載の発光体。
  3. 【請求項3】 該周期的に配置された酸化亜鉛柱の配列
    周期が、発光波長より小さいことを特徴とする請求項2
    に記載の発光体。
  4. 【請求項4】 該酸化亜鉛柱は三角格子状に配列される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発
    光体。
  5. 【請求項5】 該酸化亜鉛柱は実質的に正六角形状の断
    面を有し、該周期構造の配列方位が、六角柱形状の酸化
    亜鉛柱の柱中心から頂点方向への向きとほぼ等しいこと
    を特徴とする請求項2乃至4のいずれかの項に記載の発
    光体。
  6. 【請求項6】 該周期構造の配列方位が、六角柱形状の
    酸化亜鉛柱の柱中心から側面の面中心への向きとほぼ等
    しいことを特徴とする請求項5に記載の発光体。
  7. 【請求項7】 該基体は、基板と該基板上の導電性膜か
    らなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項
    に記載の発光体。
  8. 【請求項8】 該導電性膜は、Pt,CuまたはPdを
    主成分とすることを特徴とする請求項7に記載の発光
    体。
  9. 【請求項9】 該導電性膜は、該基板に対して垂直に1
    11方向に配向していることを特徴とする請求項8に記
    載の発光体。
  10. 【請求項10】 該酸化亜鉛柱は、該基体に対して垂直
    にc軸方向に配向していることを特徴とする請求項1乃
    至9のいずれかの項に記載の発光体。
  11. 【請求項11】 該酸化亜鉛柱は陽極酸化アルミナの細
    孔内に配されることを特徴とする請求項1乃至10のい
    ずれかの項に記載の発光体。
  12. 【請求項12】 基体と、該基体上に周期的に直立して
    配された六角柱形状の酸化亜鉛柱を有してなることを特
    徴とする構造体。
  13. 【請求項13】 該基体は、基板と該基板上の導電性膜
    からなることを特徴とする請求項12に記載の構造体。
  14. 【請求項14】 基板上に導電性膜を製膜して基体とす
    る工程と、該基体上に周期的に配列した円状もしくは楕
    円状の細孔のパターンを形成する工程と、該基体上の細
    孔に亜鉛イオンを含有する溶液中で酸化亜鉛柱を成長さ
    せる工程を有することを特徴とする請求項1乃至13の
    いずれかに記載の発光体の製造方法。
  15. 【請求項15】 該細孔は楕円状であることを特徴とす
    る請求項14に記載の発光体の製造方法。
  16. 【請求項16】 該円状もしくは楕円状の細孔のパター
    ンを形成する工程は、基体上に設けたアルミニウムの表
    面に細孔形成開始点を形成する工程と、該アルミニウム
    を陽極酸化することで細孔を有する陽極酸化アルミナと
    する工程を有することを特徴とする請求項14または1
    5に記載の発光体の製造方法。
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