JP2002081360A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP2002081360A
JP2002081360A JP2000270165A JP2000270165A JP2002081360A JP 2002081360 A JP2002081360 A JP 2002081360A JP 2000270165 A JP2000270165 A JP 2000270165A JP 2000270165 A JP2000270165 A JP 2000270165A JP 2002081360 A JP2002081360 A JP 2002081360A
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combustion engine
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Takahiro Suzuki
隆博 鈴木
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動により、点火コイルにて発生した点火用
高電圧を点火プラグに印加するための導電経路の接触抵
抗の変化や導電経路の遮断などが発生し難い点火プラグ
と点火コイルとの接続構造を有する内燃機関用点火装置
を提供する。 【解決手段】 ケーシング部33の前方側の内部には、
点火コイル27の二次巻線の一端に電気的に接続された
接続電極31が備えられており、接続電極31は円筒形
状に形成されると共に、円筒の中心軸に向かう径方向の
弾性力を有する湾曲した形状に形成される弾性部31a
を備える。そして、点火プラグ11の受電端子13をケ
ーシング部33の前方側から挿入して、接続電極31の
円筒部31d内に挿入・配置することで、点火プラグ1
1の受電端子13と接続電極31とが接触し、点火プラ
グ11の受電端子13と点火コイル27の二次巻線の一
端27aとが電気的に接続されて導電経路が形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の気筒に
装着されて混合気を燃焼させるために火花放電を発生す
る点火プラグと、点火プラグに火花放電を発生させるた
めの点火用高電圧を発生する点火コイルとを備えた内燃
機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用等のガソリンエンジンといった
内燃機関は、混合気の燃焼により発生するエネルギを動
力源として運転されており、混合気への着火には、点火
プラグが用いられている。
【0003】一般的に、点火プラグは、絶縁体の軸孔の
先端側に挿設された軸状の中心電極と、一端が絶縁体の
外周に設けられた主体金具に結合され、他端が側方に曲
げ返されてその側面が中心電極の先端部と対向して配置
された接地電極とを備えている。そして、中心電極と接
地電極との間に形成される火花放電ギャップが、燃焼室
内に位置し、火花放電を発生することで混合気に着火す
ることになる。また、点火プラグには、中心電極と電気
的に接続されている軸状の受電端子が、絶縁体の軸孔の
後端側に備えられており、この受電端子に、点火コイル
で発生した点火用高電圧を印加すると、中心電極と接地
電極との間に電位差が生じ、火花放電ギャップにおいて
火花放電が発生する。
【0004】ここで、点火プラグに火花放電を発生させ
るには、点火コイルの二次巻線に発生する点火用高電圧
を点火プラグの受電端子に印加するための導電経路を形
成する必要がある。そして、導電経路を形成するための
点火コイルと点火プラグとの接続構造としては、従来よ
り図8に示すように、点火コイル270の二次巻線の一
端と電気的に接続された導電材からなるコイルスプリン
グSP(コイルばね)の一端を点火プラグ160の受電
端子180の一端部181(後端表面)に圧接させて、
導電経路を確保する接続構造が広く知られている。つま
り、コイルスプリングSPが点火コイル270と点火プ
ラグ160とを電気的に接続する接続電極として機能し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のコ
イルスプリングSPを用いた点火プラグ160と点火コ
イル270との接続構造では、内燃機関の運転に伴う燃
焼室内でのピストン動作や路面状況(路面の凹凸)等に
より内燃機関に振動が及ぶと、コイルスプリングSPと
点火プラグ160の受電端子180との接触状態が不良
となることがある。ここで、内燃機関の振動に伴い点火
コイル270や点火プラグ160にかかる振動の方向
(振動モード)は、燃焼室内でのピストンの上下への動
作等に起因して、殆どが点火プラグ160の軸方向とな
り、即ち受電端子180の一端部181に対して圧接さ
れたコイルスプリングSPの伸縮(圧接)方向と同じ方
向となる。
【0006】そのために、内燃機関に高周波数域の振動
が及ぶと、コイルスプリングSPのバネ定数にもよる
が、コイルスプリングSP自身は、当該コイルスプリン
グSPの伸縮方向と同じ方向にかかる振動による慣性力
に抗することができなくなる。その結果、コイルスプリ
ングSPと受電端子180との間に働く押圧力に変化が
生じて、両者の接触抵抗が変化を生じてしまい、ひいて
はコイルスプリングSPが受電端子から離れて再度接す
るといった繰り返し現象を生じてしまう。このようにコ
イルスプリングSPと点火プラグ160の受電端子18
0の接触不良が発生することがあると、点火コイル27
0と点火プラグ160との導電経路の抵抗値の変化や、
導電経路の断片的な遮断が発生し、点火プラグ160で
の正常な火花放電の発生が妨げられてしまうおそれがあ
る。
【0007】このような問題に対して、コイルスプリン
グのバネ定数を大きくすることも考えられるが、内燃機
関の振動の周波数領域は、数百[Hz]から数十[kH
z]にわたる広範囲となるため、バネ定数を調整するこ
とで内燃機関の高周波数域の振動による影響をキャンセ
ルすることは、現実的にはかなり困難である。
【0008】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、内燃機関の振動の影響によっても点火プラグ
と点火コイルとを接続する導電経路における抵抗値の変
化や導電経路の断片的な遮断などが発生し難く、点火コ
イルにて発生する点火用高電圧を確実に点火プラグの受
電端子に印加することができるように点火プラグと点火
コイルとが接続される内燃機関用点火装置を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、絶縁体の軸孔の
先端側に挿設された軸状の中心電極と、一端が絶縁体の
外周に設けられた主体金具に結合され、他端が中心電極
と対向して火花放電ギャップを形成する接地電極と、絶
縁体の軸孔の後端側に挿設され、中心電極と電気的に接
続される軸状の受電端子とを備える点火プラグと、一次
巻線と二次巻線とを備え、点火プラグの火花放電ギャッ
プにて火花放電を発生させるための点火用高電圧を二次
巻線に発生する点火コイルと、二次巻線の一端と受電端
子とを電気的に接続する接続電極と、を備えた内燃機関
用点火装置であって、接続電極は、受電端子の周方向を
包囲するように形成される筒状部を有しており、この筒
状部には、受電端子の周方向に対して押圧可能な複数の
弾性部が設けられ、受電端子は接続電極の筒状部内に挿
入されて、弾性部が受電端子の外周面に圧接すること
で、二次巻線の一端と受電端子とが電気的に接続される
ことを特徴とする。
【0010】本発明(請求項1)の内燃機関用点火装置
においては、受電端子が接続電極の筒状部内に挿入され
て、その筒状部に形成された複数の弾性部が受電端子の
外周面に圧接することで、点火プラグの受電端子と点火
コイルの二次巻線の一端とが、接続電極を介して接続さ
れるように構成されている。なお、接続電極は、二次巻
線の一端と電気的に接続されている。
【0011】つまり、接続電極は、点火プラグの受電端
子の周方向を包囲する筒状部を有し、さらにその筒状部
には受電端子の周方向(即ち、点火プラグの軸方向と略
直交する向き)に押圧可能な複数の弾性部が設けられて
いることから、従来のように接続電極は点火プラグ(受
電端子)の軸方向に圧縮され、その一端が受電端子に接
触するのではなく、上記弾性部により接続電極は受電端
子に対して点火プラグの軸方向と略直交な向きに接触す
る形態をとる。その結果、内燃機関の運転に伴い点火プ
ラグの軸方向を振動方向とする振動が接続電極に及んだ
場合にも、上記複数の弾性部の伸縮(圧接)方向に対
し、その振動の影響が及び難く、内燃機関の振動の影響
によっても接続電極と受電端子との接触抵抗の変化とい
った接触不良を抑制することができる。
【0012】また、接続電極を構成する筒状部に弾性部
を複数備えることにより、接続電極(弾性部)と受電端
子の外周面との接触面積が大きくなり、点火プラグと点
火コイルとを接続する導電経路における接触抵抗を小さ
くすることができる。さらに、この複数の弾性部が、弾
性力により受電端子に近づくため、より確実に受電端子
と接続電極との接触を維持することができる。
【0013】したがって、本発明(請求項1)の内燃機
関用点火装置によれば、内燃機関の運転により発生する
振動により、接続電極と受電端子との接触不良を抑制で
き、点火プラグと点火コイルとを接続する導電経路にお
ける抵抗値の増大や導電経路の断片的な遮断が発生し難
くなるように点火プラグと点火コイルとの接続を図るこ
とが出来る。
【0014】なお、接続電極の筒状部に設けられた各弾
性部の弾性力は、受電端子の外周面への接触状態を維持
するためには大きくするとよいが、過度に大きくなると
受電端子との脱着作業が困難となる。このため、各弾性
部の弾性力としては、受電端子との接触を維持すること
ができるとともに、受電端子との脱着作業が可能な大き
さとするとよく、3[N/mm]〜50[N/mm]と
することが望ましい。
【0015】そして、上述(請求項1)の内燃機関用点
火装置については、請求項2に記載のように、受電端子
が外周面略円形状に形成されているとよい。つまり、受
電端子は、外周面略円形状に形成されることで点火プラ
グの軸方向に延接された円柱形状となる。それより、こ
の受電端子の外周面に、接続電極の筒状部に設けられた
弾性部が点火プラグの軸方向と略直交する向きに圧接し
つつ、点火プラグの軸方向を振動方向とする振動が発生
した場合に、受電端子の外周面における弾性部(接続電
極)との当接位置は若干変わることがあったとしても、
受電端子と弾性部(接続電極)との接触面積は変化する
ことなく、両者の接触抵抗の変化を有効に抑制すること
ができる。
【0016】また、受電端子には、その軸方向断面形状
(外周形状)が接続電極の軸方向断面形状に沿うように
形成されたものがあるが、こうした受電端子は、製造時
の個体差による寸法の誤差や装着位置の寸法誤差が原因
となり、受電端子と接続電極(弾性部)とが適切な位置
で当接しないおそれがある。これに対して、請求項2に
記載の受電端子は、個体差による寸法誤差等が生じてい
る場合であっても、装着時における接続電極(弾性部)
との当接位置が変わるものの、確実に接続電極との接触
を維持することが出来る。
【0017】したがって、本発明(請求項2)の内燃機
関用点火装置によれば、内燃機関の振動により点火プラ
グの軸方向の振動が発生した場合でも、接続電極と受電
端子との接触不良を抑制でき、二次巻線に発生する点火
用高電圧を点火プラグに印加するための導電経路を確保
できる。
【0018】そして、接続電極と受電端子とが離れるの
をより確実に防ぐためには、請求項3に記載のように、
接続電極の筒状部の周囲に、接続電極を受電端子に付勢
する付勢力を有する樹脂層が設けられているとよい。こ
のような樹脂層を設けることで、弾性部が有する弾性力
に加えて樹脂層による付勢力によっても弾性部(接続電
極)が受電端子に付勢されることになり、内燃機関の振
動が発生した場合でも、接続電極の筒状部に設けられた
弾性部による受電端子の外周面への点火プラグの軸方向
と略直交する向きの圧接状態をより確実に維持すること
ができる。また、樹脂層を設けることで、高電圧経路で
ある導電経路と外部機器とを、より確実に絶縁すること
ができる。
【0019】また、受電端子は、請求項4に記載のよう
に、その外周面に導電皮膜が形成されているとよい。つ
まり、受電端子は、点火プラグの製造工程において高温
下(例えば、800〜900[℃])の環境にさらされ
て、表面の一部に絶縁性酸化皮膜が形成されることがあ
り、この絶縁性酸化皮膜の厚み自体にばらつきはあるも
のの受電端子の表面における接続電極(弾性部)との接
触部分となる一部に比較的厚い(例えば、5[μm]以
上)絶縁性酸化皮膜が形成されていると、接続電極と受
電端子との接触抵抗が大きくなってしまう。
【0020】そこで、受電端子の表面に、例えば、金や
銀やニッケルなどの導電性(導電率)の高い金属による
導電皮膜を施すことにより、その導電皮膜が絶縁性酸化
皮膜の薄い部分に接触することになり、接続電極(弾性
部)が受電端子の表面のどの部分で接触する場合でも、
両者の接触抵抗が増大するのを防ぐことができ、そし
て、本発明の接続電極を用いることで、内燃機関の振動
の影響を受けた場合でも、その接触抵抗の値を変化させ
ることなく良好に維持することができる。
【0021】次に、上記(請求項1から請求項4のいず
れか)の内燃機関用点火装置においては、請求項5に記
載のように、点火プラグと点火コイルとが、軸方向に対
して回転不能に構成されるようにするとよい。それによ
り、接続電極が点火プラグと点火コイルとの組付け後や
内燃機関の振動の影響によっても、より安定して受電端
子への接触状態を維持することができる。
【0022】ところで、内燃機関の失火検知やノッキン
グ検知等を行う一手法としてイオン電流を検出する方法
が知られており、イオン電流の検出は、例えば、点火プ
ラグの電極間(中心電極と接地電極との間)に点火用高
電圧とは逆極性の検出用電圧を印加し、電極間に流れる
電流を検出することで行う。そして、点火プラグの電極
間への検出用電圧の印加は、点火コイルの二次巻線と接
続電極と点火プラグの受電端子とからなる導電経路を用
いて行うことが多く、この導電経路を用いてイオン電流
の検出を行う場合、内燃機関の振動の影響により受電端
子と接続電極との接触不良により導電経路の抵抗値の増
加や導電経路の遮断が発生すると、正確にイオン電流を
検出することができなくなる。特に、イオン電流は、微
小な電流であるため、導電経路の抵抗値の僅かな変化が
検出精度に大きく影響を与えることになる。
【0023】そこで、上述(請求項1から請求項5のい
ずれか)の内燃機関用点火装置は、イオン電流検出手段
を備えるとよい。つまり、上述(請求項1から請求項5
のいずれか)の内燃機関用点火装置は、内燃機関の運転
により発生する振動により、接続電極と受電端子との接
触不良を抑制でき、点火プラグと点火コイルとを接続す
る導電経路における抵抗値の増大や導電経路の断片的な
遮断が発生し難くなるように点火プラグと点火コイルと
が接続されている。それにより、イオン電流を検出する
際の検出精度の低下を抑制することが出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、実施例の内燃機関用点火装置1に
おける点火コイルと点火プラグとの接続構造を表す構成
図であり、一部を断面図として表している。
【0025】そして、図1では、中心電極19と接地電
極21との間に形成される火花放電ギャップgにて火花
放電を発生する点火プラグ11と、点火プラグ11にて
火花放電を発生させるための点火用高電圧を発生する点
火コイル27と、の接続構造を表している。以下、点火
プラグ11の軸方向において火花放電ギャップgの形成
される側を先端側(前方側)、これと反対側を後端側
(後方側)とする。
【0026】点火ユニット41は、内部にイグナイタ
(図示せず)等を内蔵していると共にコネクタ45を備
えており、コネクタ45を介して外部機器からの信号の
受信および外部機器への信号の出力を行っている。ま
た、点火ユニット41の前方側には、シリンダヘッド5
1に設けられたプラグホール53に挿入可能な略円筒形
状の絶縁性樹脂材料から成るケーシング部33が一体に
設けられている。このケーシング部33の前方側の内部
には、点火コイル27の二次巻線の一端に電気的に接続
された接続電極31が配置されている。
【0027】また、ケーシング部33の内部には、点火
コイル27が内蔵されており、点火コイル27は、詳細
には図示していないが、中心軸部分に鉄芯(コア)が配
置され、その周囲に二次巻線と一次巻線が同軸上に巻装
されて構成されている。そして、点火コイル27は、二
次巻線の一端27aが導出された状態で、エポキシ樹脂
によりモールドされて構成されている。そして、点火コ
イル27から導出された二次巻線の一端27aが、接続
電極31の接続部31cと接続されることにより、二次
巻線と接続電極31とが電気的に接続されて、二次巻線
にて発生する点火用高電圧を点火プラグ11に印加する
ための導電経路を形成する。
【0028】そして、点火コイル27は、外部からの指
令によりイグナイタにて一次巻線の通電・遮断が行われ
ると、点火プラグ11にて火花放電を発生させるための
点火用高電圧を二次巻線の両端に発生する。ここで、ケ
ーシング部33の前方側部分を拡大するとともに、内部
を透視したときの接続電極31を表した斜視図を図2に
示す。また、図4に、接続電極31の展開図(図4
(a))と、側面図(図4(b))を示す。
【0029】図4(a)に示すように、円筒形状の接続
電極31は展開すると長方形形状となり、縦長形状のス
リット31bが複数設けられることで、縦長形状の弾性
部31aが複数形成される。そして、長方形の一辺31
fの側の弾性部31aとその対辺31eの側の弾性部3
1aとを重ね合わせて、図4(b)に示すような円筒部
(筒状部)31dが形成される。このとき、円筒部31
dの内径は、後述する点火プラグ11の受電端子13の
外径よりも大きく形成される。また、接続電極31は、
二次巻線の一端が接合される接続部31cを一体に備え
ている。
【0030】そして、接続電極31にて円筒部31dが
形成されるとき、複数の弾性部31aのそれぞれは、円
筒部31dの中心軸(図4(b)において点線で記載)
に向かう径方向の弾性力を有するように湾曲した形状に
形成される。なお、接続電極31の円筒部31dに設け
られた各弾性部31aの弾性力は、後述する受電端子1
3の外周面への接触状態を確実に維持することができ、
また、受電端子13との脱着作業が可能となるように、
3[N/mm]〜50[N/mm]の範囲内に設定され
ている。
【0031】また、図1に示すように、点火プラグ11
は、絶縁体15の軸孔の先端側に挿設された軸状の中心
電極19と、絶縁体15の外周に設けられた主体金具1
7に結合され、他端が側方に曲げ返されてその側面が中
心電極19の先端部と対向して火花放電ギャップgを形
成する接地電極21と、絶縁体15の軸孔の後端側に挿
設されると共に中心電極19と電気的に接続される受電
端子13と、を備えている。そして、受電端子13は、
外周面略円形状の軸状に形成されるとともに、その表面
には、金によるメッキが施されている。
【0032】そして、図2に示すように、受電端子13
の後方側をケーシング部33の前方側から挿入して、接
続電極31の円筒部31d内に挿入・配置することで、
点火プラグ11の受電端子13と接続電極31とが接触
し、点火プラグ11の受電端子13と点火コイル27の
二次巻線の一端27aとが電気的に接続されることにな
る。このとき、接続電極31の円筒部31dに設けられ
た複数の弾性部31aのそれぞれが、受電端子13の外
周面に対して、点火プラグの軸方向と略直交する向きに
圧接する状態となる。
【0033】なお、本実施例において実際に点火プラグ
11の受電端子13と接続電極31とを接続する際に
は、図1に示すようにシリコンゴムから成る略円筒状の
樹脂層35を用いているが、図2では、樹脂層35の図
示は省略している。そして、点火プラグ11の受電端子
13と接続電極31とを接続する際の接続手順、および
本実施例の内燃機関用点火装置1の内燃機関への装着手
順について以下に説明する。
【0034】まず、内燃機関のシリンダヘッド51に設
けられたプラグホール53に点火プラグ11を挿入す
る。そして、プラグレンチなどの締め付け工具を主体金
具17に形成された六角部17aにあてがいつつ点火プ
ラグ11を回転させることにより、主体金具17の外周
に設けられた螺合溝17bにより点火プラグ11を内燃
機関に装着する。
【0035】他方、点火コイル27およびその点火コイ
ル27の二次巻線の一端に接続された接続電極31を内
蔵するケーシング部33の先端側に樹脂層35を装着す
ると共に、ケーシング部33の付け根部分にプラグホー
ル53への水滴などの侵入を防ぐためのグロメット43
を装着する。また、このとき、樹脂層35の後方側の内
面に形成された出力端子接触部35bがケーシング部3
3を挟持する状態で、樹脂層35とケーシング部33と
が装着される。
【0036】そして、樹脂層35およびグロメット43
が装着されたケーシング部33をプラグホール53に挿
入し、樹脂層35が六角部17aの後端部から受電端子
13に至る絶縁体15を覆うように、点火プラグ11に
樹脂層35を装着する。なお、点火プラグ11から抜け
落ちることがないように、樹脂層35の内面には、絶縁
体15を挟持する弾性力を有する絶縁体接触部35aが
内面に形成されている。
【0037】これにより、点火プラグ11とケーシング
部33とが装着されて、このとき点火プラグ11の受電
端子13と接続電極31(弾性部31a)とが接触す
る。そして、点火プラグ11の受電端子13と点火コイ
ル27の二次巻線の一端27aとが電気的に接続される
ことになり、点火コイル27の二次巻線に発生する点火
用高電圧を点火プラグ11に印加するための導電経路が
形成される。
【0038】以上、説明したように、本実施例の内燃機
関用点火装置における点火プラグ11と点火コイル27
との接続構造によれば、接続電極31が、点火プラグ1
1の受電端子13の周方向を包囲する円筒部31dを有
し、その円筒部31dには、受電端子13の周方向(即
ち、点火プラグ11の軸方向と略直交する向き)に押圧
可能な弾性部31aが設けられていることから、この弾
性部31aにより接続電極31は受電端子13に対し、
点火プラグ11の軸方向と略直交な向きに接触する形態
をとる。このため、内燃機関の振動に伴い、点火プラグ
11の軸方向を振動方向とする振動が発生した場合に
も、上記複数の弾性部31aの伸縮(圧接)方向に対
し、その振動の影響が及び難く、受電端子13の外周面
における接続電極31の当接位置は変わるものの、受電
端子13と接続電極31との接触抵抗の変化といった接
触不良を抑えることができ、点火コイル27の二次巻線
に発生する点火用高電圧を点火プラグ11に確実に印加
することができる。
【0039】また、点火プラグ11の長手方向に対して
垂直な方向の振動が発生した場合には、中心軸へ向かう
径方向の弾性力を有する複数の弾性部31aのいずれか
が受電端子13に接触することになり、二次巻線の一端
と受電端子との電気的な接続を維持することができ、導
電経路を確保することができる。
【0040】さらに、接続電極31を構成する円筒部3
1dに弾性部31aが複数備えられるため、接続電極3
1(弾性部31a)と受電端子13の外周面との接触面
積が大きくなり、点火プラグ11と点火コイル27とを
接続する導電経路における抵抗値を小さくすることがで
きる。また、複数の弾性部31aは、円筒部31dにて
同心円状に配置されると共に弾性部31aが有する弾性
力により受電端子13に当接するため、より確実に受電
端子13と接続電極31との接触を維持することができ
る。
【0041】次に、第2実施例として、点火プラグと点
火コイルとが軸方向に対して回転不能に構成された内燃
機関用点火装置における点火プラグと点火コイルとの接
続構造について説明する。そして、図3は、第2実施例
の内燃機関用点火装置3の構成図であり、一部を断面図
として表している。
【0042】図3に示すように、内燃機関用点火装置3
は、中心電極19と接地電極21との間に形成される火
花放電ギャップgにて火花放電を発生する点火プラグ1
1と、点火プラグ11にて火花放電を発生させるための
点火用高電圧を発生する点火コイル27と、点火コイル
27を内部に備えるケーシング部33と、シリコンゴム
から成る略円筒状の樹脂層35と、点火コイル27およ
びケーシング部33を内部に備えると共に、先端部が点
火プラグ11の六角部17aと嵌合可能に形成された略
円筒状のハウジング37と、コネクタ45を介して外部
機器からの信号の受信および外部機器への信号の出力を
行い、外部からの指令に応じて点火コイル27への通電
・遮断の制御を行うイグナイタを内蔵した点火ユニット
41とを備えており、点火プラグ11と点火コイル27
とが軸方向に対して回転不能に構成されている。
【0043】なお、点火プラグ11、点火コイル27、
樹脂層35、接続電極31は、それぞれ前述の実施例
(以下、第1実施例という)に示した点火プラグ11、
点火コイル27、樹脂層35、接続電極31と同様に構
成されている。そして、第1実施例と同一の構成要素に
ついては、同一符号で表している。
【0044】そして、点火プラグ11の受電端子13
と、接続電極31とを接続する場合には、第1実施例と
同様に、図2に示すように、受電端子13の後方側をケ
ーシング部33の前方側から挿入して、接続電極31の
円筒部31d内に挿入・配置する。このとき、第1実施
例と同様に、接続電極31の円筒部31dに設けられた
複数の弾性部31aのそれぞれが受電端子13の外周面
に対して、点火プラグの軸方向と略直交する向きに圧接
する状態となる。
【0045】また、第2実施例においては、ケーシング
部33が点火ユニット41とは別体に構成されており、
ケーシング部33、点火コイル27、接続電極31はハ
ウジング37の内部に備えられている。また、図示はし
ないが、点火ユニット41には上述の受電端子13と同
様の形状の端子が備えられており、ケーシング部33の
後方側には、上述の接続電極31と同様の形状の電極が
備えられており、点火ユニット41とケーシング部33
とを接続することで、端子と電極とが電気的に接続され
る。
【0046】さらに、ハウジング37は、強磁性体から
なり、先端部37aが点火プラグ11の六角部17aと
嵌合可能な形状(断面が六角形)に形成され、後端部3
7bが締め付け工具(レンチなど)と嵌合可能な形状
(断面が六角形)に形成されている。このように、構成
されるハウジング37は、点火プラグ11を内燃機関に
装着する際に、プラグレンチ等の締め付け工具と同様の
役割を果たすことになる。なお、点火プラグ11の内燃
機関への装着方法については後述する。
【0047】ここで、上述した各構成要素を用いて、本
第2実施例の内燃機関用点火装置3を組み立てる手順、
および内燃機関への装着手順について説明する。まず、
点火コイル27およびその点火コイル27の二次巻線の
一端に接続された接続電極31を内蔵するケーシング部
33の先端側に樹脂層35を嵌合し、ケーシング部33
と樹脂層35とを連結する。
【0048】他方、点火プラグ11を先端部37a側の
開口部からハウジング37の内部に挿入し、点火プラグ
11における主体金具17の六角部17aとハウジング
37の先端部37aとを嵌合する。このあと、ハウジン
グ37の先端部37aにおける側面の少なくとも一箇所
を内側に加締めて、側面に内側へ向かう突起を形成する
ことにより、ハウジング37と点火プラグ11(詳細に
は六角部17a)とを軸方向に対して回転不能な構成と
する。
【0049】続いて、連結されたケーシング部33およ
び樹脂層35を、後端部37b側の開口部からハウジン
グ37の内部に挿入し、樹脂層35が点火プラグ11の
主体金具17における六角部17aの後端部から受電端
子13に至る絶縁体15を覆うように、点火プラグ11
に樹脂層35を装着するとともに、ケーシング部33を
ハウジング37の内部に配置させる。
【0050】このとき、第1実施例と同様に、接続電極
31の円筒部31dの内部に点火プラグ11の受電端子
13が挿入され、円筒部31dに形成された複数の弾性
部31aがこの受電端子13の外周面に点火プラグ11
の軸方向と略直交する方向に圧接することにより、接続
電極31と受電端子13とが接続される。このようにし
て、点火プラグ11の受電端子13と、点火コイル27
の二次巻線の一端とが電気的に接続され、点火コイル2
7の二次巻線に発生する点火用高電圧を点火プラグ11
に印加するための導電経路が形成される。
【0051】これにより、ケーシング部33(点火コイ
ル27)、樹脂層35、ハウジング37および点火プラ
グ11を一体状態に組み合わせ、組立体が形成される。
そして、組立体におけるハウジング37の後端部37b
に締め付け工具(レンチなど)を嵌合した状態で、組立
体をプラグホール53の内部に挿入する。そして、締め
付け工具により組立体を回転させることにより、点火プ
ラグ11の主体金具17の外周に設けられた螺合溝17
bにより、組立体を内燃機関に装着する。
【0052】なお、プラグホール53への水滴などの侵
入を防ぐためのグロメット43、および外部との信号の
送受信を行う点火ユニット41は、組立体を内燃機関に
装着した後に装着し、これにより内燃機関用点火装置3
が完成する。次に、第3実施例として、本発明の点火プ
ラグと点火コイルとの接続構造を適用した組立体のう
ち、点火プラグに螺合溝(ネジ溝)が設けられておら
ず、かつ点火コイルと点火プラグとが回転不能に一体化
されたものについて説明する。
【0053】図5は、第3実施例の内燃機関用点火装置
5の構成図であり、一部を断面図として表している。図
5に示すように、内燃機関用点火装置5は、中心電極1
9と接地電極21との間に形成される火花放電ギャップ
gにて火花放電を発生する点火プラグ11と、点火プラ
グ11にて火花放電を発生させるための点火用高電圧を
発生する点火コイル27と、点火コイル27を内部に備
える絶縁性樹脂材料からなるケーシング部33と、シリ
コンゴムから成る略円筒状の樹脂層35と、点火コイル
27およびケーシング部33を内部に備えると共に、先
端部37aが点火プラグ11の六角部17aと嵌合可能
に形成された略円筒状のハウジング37と、コネクタ4
5を介して外部機器からの信号の受信および外部機器へ
の信号の出力を行い、外部からの指令に応じて点火コイ
ル27への通電・遮断の制御を行う点火ユニット41
と、を備えている。
【0054】なお、点火コイル27、樹脂層35、ケー
シング部33、点火ユニット41、接続電極31は、そ
れぞれ前述の第1実施例に示した点火コイル27、樹脂
層35、ケーシング部33、点火ユニット41、接続電
極31と同様に構成されている。そして、第1実施例と
同一の構成要素については、同一符号で表している。な
お、図5に示す点火ユニット41は、図1に示す点火ユ
ニット41とは外形が異なるが、動作内容は同じであ
る。
【0055】また、第3実施例の内燃機関用点火装置5
を組み立てる手順については、第2実施例と同様であ
る。そして、点火プラグ11の受電端子13と、接続電
極31とを接続する場合には、第1実施例と同様に、図
2に示すように、受電端子13の後方側をケーシング部
33の前方側から挿入して、接続電極31の円筒部31
d内に挿入・配置する。このとき、第1実施例と同様
に、接続電極31の円筒部31dに設けられた複数の弾
性部31aのそれぞれが受電端子13の外周面に対し
て、点火プラグの軸方向と略直交する向きに圧接する状
態となる。
【0056】ここで、本第3実施例の内燃機関用点火装
置5を組み立てる手順、および内燃機関への装着手順に
ついて説明する。まず、点火コイル27およびその点火
コイル27の二次巻線の一端に接続された接続電極31
を内蔵するケーシング部33の先端側と樹脂層35とを
連結する。なお、本実施例では、ケーシング部33と点
火ユニット41とが予め一体に構成されている。
【0057】他方、点火プラグ11を、先端部37a側
の開口部からハウジング37の内部に挿入し、点火プラ
グ11における主体金具17の六角部17aとハウジン
グ37の先端部37aとを嵌合する。このあと、ハウジ
ング37の先端部37aにおける側面の少なくとも1箇
所を内側に加締めて、側面に内側へ向かう突起を形成す
ることにより、ハウジング37と点火プラグ11(詳細
には六角部17a)とを軸方向に対して回転不能な構成
とする。
【0058】続いて、連結されたケーシング部33(点
火ユニット41含む)および樹脂層35を、後端部37
b側の開口部からハウジング37の内部に挿入し、樹脂
層35が点火プラグ11における主体金具17の六角部
17aの後端部から受電端子13に至る絶縁体15を覆
うように、点火プラグ11に樹脂層35を装着すると共
に、ケーシング部33をハウジング37の内部に配置さ
せる。このとき、第1実施例と同様に、接続電極31の
円筒部31dの内部に点火プラグ11の受電端子13が
挿入され、円筒部31dに形成された複数の弾性部31
aがこの受電端子13の外周面に点火プラグ11の軸方
向と略直交する方向に圧接することにより、接続電極3
1と受電端子13とが接続される。このようにして、点
火プラグ11の受電端子13と、点火コイル27の二次
巻線の一端とが電気的に接続され、点火コイル27の二
次巻線に発生する点火用高電圧を点火プラグ11に印加
するための導電経路が形成される。
【0059】ここで、第3実施例の点火プラグ11は、
主体金具17のうち、六角部17aよりも前方側に位置
する最も径大の径大部17cよりも更に前方側の先端部
17dの外周には、螺合溝(第2実施例における螺合溝
17b)が設けられておらず外周面略円筒形状とされて
いる。なお、この点火プラグ11が装着されるシリンダ
ヘッド51のプラグホール53のうち、主体金具17の
先端部が位置する部分には同じく螺合溝が形成されてお
らず、それにより、点火プラグ11はプラグホール53
に対して遊嵌状に挿入可能となる。
【0060】また、本第3実施例の内燃機関用点火装置
5においては、ハウジング37の外周面の所定部位に、
シリンダヘッド51に対して着脱自在に装着することが
可能なフランジ部39が形成されている。ここで、フラ
ンジ部39を詳細に説明するために、フランジ部39を
中心に拡大した斜視図を図6に示す。図6に示すよう
に、フランジ部39は、ハウジング37の外周面から等
間隔にて複数個(本第3実施例では3個)径方向外向き
に突出した形態で設けられている。ここで、このフラン
ジ部39は、第1板面39aと第2板面39bとを有
し、両者は一体に連結されている。
【0061】第1板面39aは、シリンダヘッド51に
予め設けられた断面形状が略L字形状である複数個(本
第3実施例では3個)の取り付け部55と嵌合される部
分にあたる。また、第2板面39bは、第1板面39a
に対して略垂直に立設しており、第1板面39aによる
シリンダヘッド51の取り付け部55への嵌合時に、取
り付け部55に当接して第1板面39aの移動を制限す
る役目を果たす。
【0062】更に、第1板面39aのうち、第2板面3
9bが立設される側の略半分を占める板面39cは、他
方の略半分を占める境界部分を境に僅かに図中上方向に
反った形態で構成され、第1板面39aがシリンダヘッ
ド51の取り付け部55に嵌合される時または嵌合後
に、シリンダヘッド51に対して押圧作用を発揮する弾
性部分として機能する。この弾性部分(板面39c)に
より、内燃機関用点火装置5が燃焼室57の方向(図5
参照)に付勢される(換言すれば、点火プラグの軸方向
前方側に向かって付勢される)ことになる。
【0063】次に、本第3実施例の内燃機関用点火装置
5をシリンダヘッド51に装着する手順について説明す
る。まず、シリンダヘッド51のプラグホール53に、
上述した手順により組み立てられた内燃機関用点火装置
5を点火プラグ11の側から挿入する。このとき、内燃
機関用点火装置5は、点火プラグ11における主体金具
17の先端部17dに螺合溝が形成されていないことか
ら、プラグホール53に対して遊嵌状に挿入される。そ
して、ハウジング37に形成されるフランジ部39の第
1板面39aがシリンダヘッド51の一端面に当接する
まで内燃機関用点火装置5を挿入した後、点火プラグの
軸方向を中心に内燃機関用点火装置5を回動させ、その
回動を第2板面39bが取り付け部55に当接するまで
行い、フランジ部39と取り付け部55とを嵌合させ
る。
【0064】このとき、内燃機関用点火装置5は、フラ
ンジ部39を形成する第1板面39aの一部である弾性
部分(板面39c)により(図6参照)、燃焼室57の
方向(点火プラグの軸方向前方側)に、例えば、20
[N/mm2 ]の力で付勢されるように調整されてい
る。このようにして、内燃機関用点火装置5はシリンダ
ヘッド51に装着されることになる。
【0065】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様を採ることができる。例えば、上述した各実施
例において、点火ユニット41の内部にイオン電流検出
回路を備えることができる。ここで、イオン電流検出回
路(イオン電流検出部)を備えた内燃機関用点火装置の
電気回路図の一例を図7に示す。なお、内燃機関用点火
装置としては、第3実施例にて説明したものを用いるこ
ととする。
【0066】図7に示すように、内燃機関用点火装置5
は、一次巻線L1に電気エネルギ(例えば電圧12V)
を供給する直流電源装置(バッテリ)111と、一次巻
線L1と二次巻線L2とを備えた点火コイル27と、一
次巻線L1と直列接続されたイグナイタとしてのnpn
型トランジスタからなる主制御用トランジスタ115
と、二次巻線L2とともに閉ループを形成して中心電極
19と接地電極21との間に火花放電を発生する点火プ
ラグ11と、二次巻線L2および点火プラグ11からな
る閉ループ上に設けられて、イオン電流の大きさに比例
した第1検出電圧Vioを出力するイオン電流検出回路
129と、イオン電流検出回路129から出力される第
1検出電圧Vioに基づきイオン電流信号Sioを出力
するイオン電流変換回路141と、点火プラグ11に火
花放電を発生させるために主制御用トランジスタ115
に対して点火指令信号IGを内燃機関の運転状態に基づ
いて出力し、また、イオン電流変換回路141からのイ
オン電流信号Sioが入力される内燃機関制御用の電子
制御装置(以下、ECUと呼ぶ)121と、を備えてい
る。
【0067】そして、ECU121が、主制御用トラン
ジスタ115を駆動制御して、一次巻線L1への通電・
遮断を行うことで、二次巻線L2の両端に点火用高電圧
を発生させ、点火プラグ11の電極19−21間に火花
放電を発生させる。次に、イオン電流検出回路129
は、一端が接地されたイオン電流検出抵抗131と、こ
のイオン電流検出抵抗131の接地側とは反対側の端部
に直列接続されたコンデンサ135と、カソードが接地
されるとともにアノードがイオン電流検出抵抗131と
コンデンサ135との接続点に接続されて、イオン電流
検出抵抗131に並列接続されたダイオード133と、
カソードがコンデンサ135におけるイオン電流検出抵
抗131との接続側とは反対側の端部と接続され、アノ
ードが接地されたツェナーダイオード137とを備えて
構成されている。このように構成されたイオン電流検出
回路129は、コンデンサ135とツェナーダイオード
137との接続点が二次巻線L2に接続されており、イ
オン電流検出抵抗131とコンデンサ135との接続点
がイオン電流変換回路141に接続されている。
【0068】そして、イオン電流検出回路129では、
火花放電が発生した直後においては、二次巻線L2から
流れ込む二次電流i2(放電電流)は、コンデンサ13
5,ダイオード133を通過する経路を通って流れる。
このあと、二次巻線L2における点火用高電圧が低下し
て火花放電が終了し、点火用高電圧による二次電流i2
が流れなくなると、充電されたコンデンサ135の放電
により、コンデンサ135,二次巻線L2,点火プラグ
11,イオン電流検出抵抗131の順にイオン電流Ii
oが流れる。このとき、イオン電流検出抵抗131の両
端電圧は、イオン電流Iioの大きさに比例することか
ら、第1検出電圧Vioはイオン電流Iioに比例した
値を示し、イオン電流変換回路141は、第1検出電圧
Vioに基づきイオン電流信号SioをECU121に
出力する。なお、ECU121は、イオン電流信号Si
oの解析処理を行うことで、例えば、失火判定やノック
判定などを行っている。
【0069】そして、ECU121では、これらの判定
結果に基づき、内燃機関の点火時期や燃料供給量などを
総合的に制御する。このように、イオン電流を検出する
場合、二次巻線L2と点火プラグ11とを接続する導電
経路における抵抗値の変化が検出精度に大きく影響を与
えるが、本発明の点火プラグと点火コイルの接続構造を
用いることで、導電経路の抵抗値の変化を抑えることが
でき、イオン電流の検出精度を向上させることができ
る。
【0070】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様を採ることができる。例えば、上述した実施例
においては、点火コイル27がケーシング部33の内部
に配置されているものが示されているが、点火コイルを
点火ユニット41に内蔵するようにしても良い。
【0071】つまり、点火コイルをケーシング部33の
内部に配置する場合、プラグホールの大きさによって配
置スペースが制限されるため、点火コイルとして使用可
能なものが限定されるが、点火ユニットに内蔵する場合
には、大きさの制約が緩くなり、比較的大きい形状の点
火コイルを使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例である内燃機関用点火装置の構成
図である。
【図2】 点火コイルの二次巻線の一端に電気的に接続
された接続電極と、点火プラグの受電端子との接続構造
を拡大した斜視図である。
【図3】 第2実施例である内燃機関用点火装置の構成
図である。
【図4】 (a)は接続電極の展開図であり、(b)は
接続電極の円筒形状時の側面図である。
【図5】 第3実施例である内燃機関用点火装置の構成
図である。
【図6】 第3実施例の内燃機関用点火装置を構成する
ハウジングに形成されたフランジ部を中心に拡大した斜
視図である。
【図7】 イオン電流検出回路を備えた内燃機関用点火
装置の電気回路図である。
【図8】 従来の点火コイルと点火プラグとの接続構造
を表す構成図である。
【符号の説明】
1,3,5…内燃機関用点火装置、11…点火プラグ、
13…受電端子、15…絶縁体、17…主体金具、19
…中心電極、21…接地電極、27…点火コイル、31
…接続電極、31a…弾性部、31d…円筒部(筒状
部)、33…ケーシング部、35…樹脂層、37…ハウ
ジング、129…イオン電流検出回路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体の軸孔の先端側に挿設された軸状
    の中心電極と、一端が前記絶縁体の外周に設けられた主
    体金具に結合され、他端が前記中心電極と対向して火花
    放電ギャップを形成する接地電極と、前記絶縁体の軸孔
    の後端側に挿設され、前記中心電極と電気的に接続され
    る軸状の受電端子とを備える点火プラグと、 一次巻線と二次巻線とを備え、前記点火プラグの火花放
    電ギャップにて火花放電を発生させるための点火用高電
    圧を前記二次巻線に発生する点火コイルと、 前記二次巻線の一端と前記受電端子とを電気的に接続す
    る接続電極と、 を備えた内燃機関用点火装置であって、 前記接続電極は、前記受電端子の周方向を包囲するよう
    に形成される筒状部を有しており、この筒状部には、前
    記受電端子の周方向に対して押圧可能な複数の弾性部が
    設けられ、前記受電端子は前記接続電極の筒状部内に挿
    入されて、前記弾性部が前記受電端子の外周面に圧接す
    ることで、前記二次巻線の一端と前記受電端子とが電気
    的に接続されること、 を特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 前記受電端子は、外周面略円形状に形成
    されていること、 を特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記接続電極の筒状部の周囲に、前記接
    続電極を前記受電端子に付勢する付勢力を有する樹脂層
    が設けられていること、 を特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関
    用点火装置。
  4. 【請求項4】 前記受電端子の外周面に導電皮膜が形成
    されていること、 を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    内燃機関用点火装置。
  5. 【請求項5】 前記点火プラグと前記点火コイルとが、
    軸方向に対して回転不能に構成されていること、 を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の
    内燃機関用点火装置。
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