JP2002080675A - 焼成型ペースト用アクリル系バインダー樹脂組成物 - Google Patents

焼成型ペースト用アクリル系バインダー樹脂組成物

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JP2002080675A
JP2002080675A JP2000272648A JP2000272648A JP2002080675A JP 2002080675 A JP2002080675 A JP 2002080675A JP 2000272648 A JP2000272648 A JP 2000272648A JP 2000272648 A JP2000272648 A JP 2000272648A JP 2002080675 A JP2002080675 A JP 2002080675A
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binder resin
acrylic binder
paste
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JP2000272648A
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Hiroki Ishii
弘樹 石井
Yukihiro Ikegami
幸弘 池上
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量でペーストに高粘度を付与できるととも
に、焼成性にも優れた焼成型ペースト用アクリル系バイ
ンダー樹脂組成物の提供。 【解決手段】 重量平均分子量が1,000,000〜
6,000,000の範囲である熱可塑性アクリル系ポリ
マー(A)100質量部に対して、沸点200℃以上の
芳香族炭化水素含有アルコールが50質量%以上含まれ
る有機溶剤(B)400〜1,900質量部が配合され
た溶解物からなり、温度25℃におけるB型粘度が1
0,000mPa・s以上である焼成型ペースト用アク
リル系バインダー樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Ag、Cu、N
i、Pd等の導体粉体を始めとする各種フィラーをセラ
ミックス基板やコンデンサー等の基材に賦形し焼結させ
るために使用されるペーストの構成成分であるバインダ
ーとして好適に用いられる樹脂組成物に関するものであ
り、さらに詳しくは、少量でペーストに高粘度を付与で
きるとともに、焼成性にも優れた焼成型ペースト用バイ
ンダー樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属や無機物等からなるフィ
ラーをバインダーに分散したペーストを用いて、パター
ンもしくは成形体を作製し、さらに、これを焼成してバ
インダーを熱分解させ、導体部やセラミック成形体を製
造する方法が知られている。このペーストの構成成分で
あるバインダーは、フィラーをつなぎ止めることによっ
て、作製されたパターンや成形体の形状を保持させるた
めに必要となるものであり、フィラーを焼結させる際に
熱分解させるものである。
【0003】したがって、バインダーは、焼成性に優れる
(良好な熱分解性を有し、残渣が残らないこと)ことが
必要である。また、バインダーは、パターンや成形体等
の作製時に用いられる種々の加工方法(ディップ法、ド
クタープレート等によりシート状に成形する方法、スク
リーン印刷する方法等)に対応するために、ペーストに
高粘度を付与できる必要がある。
【0004】特に、ペーストをディップ法やスクリーン印刷
で使用する場合には、さらに、焼結させるフィラー成分
の充填率を上げるため、ペースト中のバインダー量をで
きるだけ少なくする必要がある。そこで、少ないバイン
ダー量でペーストに高粘度を付与させるために、ブチラ
ール樹脂やエチルセルロース等を有機溶剤に溶解させた
溶剤系バインダーが用いられていた。
【0005】ところが、最近の電子材料には、アルミナのよ
うな高温焼成タイプのフィラーやガラス粉体等の低温焼
成可能なフィラーが用いられており、特に低温焼成型の
フィラーを焼結させる場合もしくは金属フィラーの酸化
防止のために不活性ガス雰囲気(還元性雰囲気)中で焼
結させる場合においては、上記のブチラール樹脂やエチ
ルセルロース樹脂のバインダーを使用すると焼成不良に
よってスラッジが発生し、できあがった金属導体やセラ
ミックスの特性が低下するという問題があった。
【0006】そこで、従来のバインダーの欠点を解決するた
めに、焼成性の良いアクリル樹脂を使ったアクリル樹脂
バインダーが提案されている。例えば、特開平10−1
67836号公報には、イソブチルメタクリレートと2
−エチルヘキシルメタクリレート、及びβ位もしくはα
位に水酸基を有するメタクリレートとの共重合体の使用
が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平10−
167836号公報に記載されているアクリル樹脂バイ
ンダーは、同一樹脂量で比較した場合においてブチラー
ル樹脂やエチルセルロース樹脂より熱分解性は優れるも
のの、ディップ塗装やスクリーン印刷に必要とされる高
粘度をペーストに付与させるためにはバインダー量を多
くする必要があった。その結果、得られる焼結体が低密
度化し、金属導体やセラミックスとして充分な特性を得
ることができなかった。
【0008】本発明の目的は、少量でペーストに高粘度を付
与できるとともに、焼成性にも優れた焼成型ペースト用
アクリル系バインダー樹脂組成物を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討を行った結果、特定の重量平均分子量
を有するアクリル系ポリマーと、芳香族炭化水素含有ア
ルコールを主成分とする有機溶剤を用いることによっ
て、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成
した。
【0010】すなわち、本発明は、重量平均分子量が1,0
00,000〜6,000,000の範囲である熱可塑性
アクリル系ポリマー(A)100質量部に対して、沸点
200℃以上の芳香族炭化水素含有アルコールが50質
量%以上含まれる有機溶剤(B)400〜1,900質
量部が配合された溶解物からなり、温度25℃における
B型粘度が10,000mPa・s以上である焼成型ペ
ースト用アクリル系バインダー樹脂組成物に関するもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の焼成型ペースト用アクリ
ル系バインダー樹脂組成物は、温度25℃におけるB型
粘度が10,000mPa・s以上である必要がある。
これは、温度25℃におけるB型粘度が10,000m
Pa・s未満であると、得られる焼成型ペーストの粘度
が不足し、ペーストの加工性が損なわれる傾向にあるた
めである。温度25℃におけるB型粘度は、下限値とし
ては20,000mPa・s以上とすることが好まし
く、上限値としては50,000mPa・s以下とする
ことが好ましい。
【0012】本発明で使用される熱可塑性アクリル系ポリマ
ー(A)の重量平均分子量は、1,000,000〜6,
000,000の範囲である必要がある。これは、重量
平均分子量が1,000,000未満であると、得られる
焼成型ペーストの粘度が不足し、ディップ塗装時等にお
ける作業性や加工性が損なわれる傾向にあり、重量平均
分子量が6,000,000を超えると、ポリマーの有機
溶剤への溶解が困難となる傾向にあるためである。重量
平均分子量は、下限値としては2,000,000以上と
することが好ましく、上限値としては5,000,000
以下とすることが好ましい。
【0013】本発明で使用される熱可塑性アクリル系ポリマ
ー(A)は、炭素数1〜4のアルキル(メタ)アクリレ
ート単量体から選ばれる少なくとも1種(a−1)80
〜100質量%、水酸基を含有する(メタ)アクリレー
ト単量体(a−2)0〜10質量%、その他共重合可能
な単量体(a−3)0〜10質量%を含有するモノマー
混合物(但し、モノマー全体の合計は100質量%とす
る)を共重合して得られるものであるのが好ましい。
【0014】炭素数1〜4のアルキル(メタ)アクリレート
単量体から選ばれる少なくとも1種(a−1)は、モノ
マー混合物の構成成分として80質量%以上含有するこ
とにより、得られる熱可塑性アクリル系ポリマーを用い
た焼成型ペーストに優れた焼成性を付与させることがで
きるものである。より好ましくは90質量%以上であ
る。
【0015】(a−1)成分としては、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アク
リレート等のモノ(メタ)アクリレートを挙げることが
できる。これらは、必要に応じて単独または2種以上を
適宜選択して使用することができる。
【0016】水酸基を含有する(メタ)アクリレート単量体
(a−2)は、モノマー混合物の構成成分として10質
量%以下含有することにより、得られる熱可塑性アクリ
ル系ポリマーを用いた焼成型ペーストの粘性や金属顔料
等の分散安定性を向上させることができるとともに、焼
成型ペーストに優れた熱分解性を付与させることができ
る。(a−2)成分の含有量は、下限値としては0.1
質量%以上とすることが好ましく、上限値としては5重
量%以下とすることが好ましい。
【0017】(a−2)成分としては、例えば、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、1,2−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、1,2−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、1,2−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、1,2−ジヒドロキシ5−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、1,2,3−トリヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、1,2,3−トリヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、1,1,2−トリヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、1,1,2−トリヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等が挙げることができ
る。これらは、必要に応じて単独または2種以上を適宜
選択して使用することができるが、中でも、炭素数2〜
8のアルキル基にヒドロキシル基を1個以上含有する
(メタ)アクリレートが、金属や無機物等からなるフィ
ラーとの分散性を向上させることができる傾向にあり好
ましい。
【0018】その他共重合可能な単量体(a−3)は、焼成
性を著しく低下させないものであれば、モノマー混合物
の構成成分として10重量%以下の範囲で、単独または
2種類以上を適宜選択して使用することができる。
【0019】(a−3)成分としては、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、炭素数5以上のアルキル(メタ)アクリレート、ス
チレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アク
リルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、アリルメタクレート、グリシジルメタク
リレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,3−
ブチレングリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、酢酸ビニル等を挙げることができる。
【0020】本発明で使用される熱可塑性アクリル系ポリマ
ー(A)は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法で
製造することができる。
【0021】本発明で使用される有機溶剤(B)は、沸点2
00℃以上の芳香族炭化水素含有アルコールが50質量
%以上含まれている必要がある。これは、沸点が200
℃以上の芳香族炭化水素含有アルコールの含有量が50
質量%未満であると、熱可塑性アクリル系ポリマー
(A)の溶解性が低下し、溶液中で溶剤とポリマーが相
分離する場合や、ポリマー未溶解物が発生する場合があ
るためである。好ましくは60質量%以上である。
【0022】沸点200℃以上の芳香族炭化水素含有アルコ
ールとしては、例えば、ベンジルアルコール(沸点20
6℃)、フェニルプロピレングリコール(沸点243
℃)、クレゾール(沸点202℃)等を挙げることがで
きるが、中でも、ベンジルアルコールが、熱可塑性アク
リル系ポリマー(A)との溶解物に高粘度を与える効果
が高い傾向にあり、特に好ましい。
【0023】上述の沸点200℃以上の芳香族炭化水素含有
アルコール以外の有機溶剤は、有機溶剤(B)の50質
量%未満となる範囲で、1種類以上を適宜選択して使用
することができ、特に限定されるものではないが、中で
も、沸点150℃以上の有機溶剤が作業性(溶剤の乾燥
を遅らし、ペーストの粘度変化を防ぐ)の点で好まし
い。
【0024】沸点150℃以上の有機溶剤としては、例え
ば、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエー
テルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル
1,3−ペンタジオールモノイソブチレート、イソホロ
ン、3−メトキシブチルアセテート、沸点150℃以上
の芳香族または脂肪族炭化水素、乳酸ブチル、ジブチル
フタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステ
ルまたはジブチルアジペート、ジオクチルアジペート等
のアジピン酸エステル等の可塑剤等を挙げることができ
る。
【0025】本発明の焼成型ペースト用アクリル系バインダ
ー樹脂組成物における有機溶剤(B)の含有量は、アク
リル系ポリマー100質量部に対し、400〜1900
質量部の範囲である必要がある。これは、有機溶剤
(B)が400質量部未満であると、熱可塑性アクリル
系ポリマー(A)が有機溶剤(B)中に均一に溶解せ
ず、不溶解物が生成することによって、ディップ塗装や
スクリーン印刷した際、均一な塗膜を得ることが困難と
なり、1900質量部を超えると、焼成型ペースト用ア
クリル系バインダー樹脂組成物の温度25℃におけるB
型粘度を10,000mPa・s以上とするのが困難と
なり、得られる焼成型ペーストの粘度が不足し、ペース
トの加工性が損なわれる傾向にあるためである。有機溶
剤(B)の含有量は、下限値としては700質量部以上
とすることが好ましく、上限値としては1400質量部
以下とすることが好ましい。
【0026】本発明の焼成型ペースト用アクリル系バインダ
ー樹脂組成物は、大気中雰囲気及び/又は不活性ガス雰
囲気中においてもスラッジ等の熱分解残渣の少ないこと
を特徴としており、10℃/minの昇温速度で450
℃までの加熱による焼成条件での熱分解残差を0.5質
量%以下とすることが可能である。
【0027】従来使用されていたエチルセルロース樹脂やブ
チラール樹脂は、450℃以下の低温焼成ではスラッジ
と称する残渣が多く発生する不具合が生じ、さらに不活
性雰囲気中で焼成した場合、さらにスラッジが多く発生
するので、電子材料用等の高純度の品質が必要な部分に
は使用できないという不都合があったが、本発明のアク
リル系バインダー樹脂組成物であれば、このような不都
合がなく、電子材料用等の高純度の品質が必要な部分に
も使用できる。また、熱により酸化反応が進む金属フィ
ラーや熱劣化を起こしやすい金属酸化物、蛍光体等に対
して好適に使用できるものである。
【0028】なお、不活性雰囲気とは、一般的には窒素雰囲
気を意味することが多いが、ここでは、酸素と窒素の混
合ガスの雰囲気であっても良く、ヘリウム、ネオン、ア
ルゴン等の不活性ガスの雰囲気であっても良い。
【0029】本発明の焼成型ペースト用アクリル系バインダ
ー樹脂組成物とともに使用されるフィラーとしては、特
に限定されるものではないが、例えば、アルミナ、ジル
コニア、酸化チタン、チタン酸バリウム等の酸化物系化
合物、窒化アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素当の窒化物
系化合物、銅、銀、ニッケル等の金属、低融点ガラス粉
等のシリカ系粉体、陰極線やPDP等に用いられる各種
蛍光体等を挙げることができる。
【0030】焼成型ペーストの構成成分であるフィラーと本
発明のアクリル系バインダー樹脂組成物の混合比は、フ
ィラー100質量部に対して、バインダー樹脂組成物の
固形分が3〜30質量部の範囲であるのが一般的である
が、フィラーの比重によって最適な混合比が変化するた
め、この範囲に限定されるものではない。また必要に応
じて可塑剤、分散助剤、消泡剤等を焼成型ペーストに添
加してもよい。
【0031】焼成型ペーストの塗工方法としては、高粘度用
途では、ディップ塗装または、スクリーン印刷等を挙げ
ることができ、低粘度用途では、ドクターブレード法や
キャスト法等を挙げることができる。
【0032】以下、実施例により本発明を更に具体的に説明
する。
【0033】
【実施例】実施例中の「部」は「質量部」を示し、
「%」は「質量%」を示す。実施例中の評価方法は、以
下の通りである。
【0034】<焼成性>バインダー樹脂を105℃で約2時
間の乾燥条件で乾燥させ、サンプル量10〜20mgを
アルミ皿にのせ、TG(熱減量分析)で評価した。雰囲
気は、窒素中で昇温速度10℃/minで室温から45
0℃まで昇温した後、室温まで冷却し、残渣の状態を観
察した。 熱減量率(質量%)=(サンプリング質量(mg)−残
渣の質量(mg))/サンプリング質量(mg) ◎:アルミ皿に黒色もしくは、灰色の残渣がなく、完全
に分解していた。 熱減量率99.9質量%以上 ○:アルミ皿に黒色もしくは、灰色の残渣がなく、完全
に分解していた。 熱減量率99.5質量%以上99.9質量%未満 △:アルミ皿に黒色もしくは、灰色の残渣があり、分解
不良物が観察された。 熱減量率97質量%以上〜99.5質量%未満 ×:アルミ皿に黒色もしくは、灰色の残渣があり、分解
不良物が観察された。 熱減量率97質量%未満
【0035】<有機溶剤溶解性>アクリル系ポリマーを攪拌
機及びコンデンサーを備えた2リッターの3つ口フラス
コに入れた有機溶剤中に投入し、100℃に昇温して3
時間攪拌、100℃で3時間保持した後、サンプル量1
0〜20gをガラス板上にのせ約5cm2に塗り広げた
後、目視でアクリル系バインダー樹脂の溶解性を評価し
た。 ○:ガラス板上にのせたサンプルは有機溶剤中に均一に
溶解しており、不溶解物は観察されなかった。。 △:ガラス板上にのせたサンプルに一部不溶解物が観察
された。 ×:ガラス板上にのせたサンプルに不溶解物が多数観察
された。
【0036】<樹脂組成物B型粘度>アクリル系ポリマーを
攪拌機及びコンデンサーを備えた2リッターの3つ口フ
ラスコに入れた有機溶剤中に投入し、100℃に昇温し
て3時間攪拌、100℃で3時間保持した後、サンプル
量約180gをガラス製サンプル瓶(容量200ml)
に入れ、蓋をして25℃の恒温水槽に2時間以上浸漬さ
せた後、B型粘度の測定を行なった。
【0037】<重量平均分子量>GPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフ)を用いて測定した。
【0038】[実施例1]攪拌機及びコンデンサーを備えた
2リッターのセパラブルフラスコに純水750部、ポリ
ビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1700)
2.0部を溶解させ、硫酸ナトリウム2.5部を加えた
中に、メチルメタクリレート200部、イソブチルメタ
クリレート300部、過酸化ベンゾイル0.5部のモノ
マー混合物を投入し、500rpmで激しく攪拌して懸
濁状態にし、80℃に昇温し、4時間80℃で保持し、
重合を終了した。得られた懸濁物を脱水・乾燥(40
℃、24時間)してビーズ状ポリマー(A1)を得た。
【0039】得られたポリマー(A1)100部を攪拌機及
びコンデンサーを備えた2リッターの3つ口フラスコに
入れたベンジルアルコール900部中に投入し、100
℃に昇温して3時間攪拌、100℃で3時間保持して、
焼成型ペースト用アクリル系バインダー樹脂組成物(C
1)を製造した。
【0040】[実施例2〜8]実施例1と同様の方法により、
表1及び表2に示す焼成型ペースト用アクリル系バイン
ダー樹脂組成物(C2〜C8)を製造した。
【0041】得られた各実施例のバインダー樹脂の評価結果
を表1および表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表中の記号は以下の通りである。 iBMA:イソブチルメタクリレート nBMA:ノルマルブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート
【0044】
【表2】
【0045】表中の記号は以下の通りである。 iBMA:イソブチルメタクリレート nBMA:ノルマルブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート
【0046】[比較例1〜4]実施例1と同様の方法により、
表1及び表2に示す焼成型ペースト用アクリル系バイン
ダー樹脂組成物(C9〜C12)を製造した。実施例1
と同様にして、表3に示す各種アクリル系バインダー樹
脂組成物を得た。得られた各比較例のバインダー樹脂の
評価結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】表中の記号は以下の通りである。 iBMA:イソブチルメタクリレート nBMA:ノルマルブチルメタクリレート MMA:メチルメタクリレート
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、少量でペーストに高粘度を付与できるとともに、焼
成性にも優れた焼成型ペースト用アクリル系バインダー
樹脂組成物を提供するものであり、工業上非常に有益な
ものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が1,000,000〜
    6,000,000の範囲である熱可塑性アクリル系ポリ
    マー(A)100質量部に対して、沸点200℃以上の
    芳香族炭化水素含有アルコールが50質量%以上含まれ
    る有機溶剤(B)400〜1,900質量部が配合され
    た溶解物からなり、温度25℃におけるB型粘度が1
    0,000mPa・s以上である焼成型ペースト用アク
    リル系バインダー樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性アクリル系ポリマー(A)が炭
    素数1〜4のアルキル(メタ)アクリレート単量体から
    選ばれる少なくとも1種(a−1)80〜100質量
    %、水酸基を含有する(メタ)アクリレート単量体(a
    −2)0〜10質量%、その他共重合可能な単量体(a
    −3)0〜10質量%を含有するモノマー混合物(但
    し、モノマー全体の合計は100質量%とする)の共重
    合物である請求項1記載の焼成型ペースト用アクリル系
    バインダー樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 有機溶剤(B)に含まれる沸点200℃
    以上の芳香族炭化水素含有アルコールが、ベンジルアル
    コールである請求項1または2記載の焼成型ペースト用
    アクリル系バインダー樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 大気中雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲
    気中において10℃/minの昇温速度で450℃まで
    の加熱による焼成条件での熱分解残渣が、0.5質量%
    以下である請求項1〜3のいずれかに記載の焼成型ペー
    スト用アクリル系バインダー樹脂組成物。
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