JP2002070618A - 多気筒内燃機関 - Google Patents

多気筒内燃機関

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JP2002070618A
JP2002070618A JP2000252880A JP2000252880A JP2002070618A JP 2002070618 A JP2002070618 A JP 2002070618A JP 2000252880 A JP2000252880 A JP 2000252880A JP 2000252880 A JP2000252880 A JP 2000252880A JP 2002070618 A JP2002070618 A JP 2002070618A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な機関始動性を確保すると共に機関始動
時の未燃燃料の排出量を低減することを可能とする多気
筒内燃機関を提供することである。 【解決手段】 吸気非同期噴射により一部気筒#1だけ
に燃料を供給して一部気筒運転を実施することによって
機関始動を開始し、一部気筒の初爆完了後における所定
機関運転状態となった時には、一部気筒を除く気筒#3
へ吸気同期噴射によって燃料を供給して全気筒運転を実
施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多気筒内燃機関に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な多気筒内燃機関では、気筒毎に
燃料噴射弁を有し、各燃料噴射弁によって各気筒の吸気
ポートへ燃料を噴射するようになっている。燃料噴射弁
は、主に吸気行程以前に燃料噴射を完了する吸気非同期
噴射と、主に吸気行程中に燃料を噴射する吸気同期噴射
とが可能である。
【0003】吸気非同期噴射は、吸気ポート壁面等に付
着させた燃料を吸気流によって気化させて気筒内へ導入
することができるために、気筒内において着火性の良好
な混合気を形成し易い。この一方で、機関始動時のよう
に、吸気管負圧が低く、吸気ポートへの付着燃料が少な
く、機関温度が低い時には、吸気ポートへ比較的多量の
燃料が付着残留することを見越して必要量を大幅に上回
る燃料を噴射しなければならない。吸気同期噴射は、噴
射燃料の大部分を吸気ポート壁面等へ付着する以前に吸
気流と共に気筒内へ導入することが可能であり、機関始
動時においても、必要量を大幅に上回る燃料は必要な
い。しかしながら、主に、液状燃料が気筒内へ導入され
るために、機関温度が低いと、燃料の気化が不十分とな
って着火性の良好な混合気を形成し難い。
【0004】特開平9−32605号公報には、機関始
動開始時において、全気筒を吸気非同期噴射として良好
な混合気を形成することにより確実な着火燃焼を保証
し、始動開始後に、全気筒を吸気同期噴射として運転す
る多気筒内燃機関が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】機関始動時における吸
気非同期噴射においては、前述したように、吸気ポート
壁面等には比較的多量の燃料が付着残留している。それ
により、前述の従来技術によって確実な始動性は確保さ
れるが、始動(完爆)完了後に機関回転数が急上昇して
吸気ポート内の負圧が急激に高まると、付着燃料の多く
が一度に蒸発して気筒内へ導入され、混合気空燃比が過
剰リッチとなるために、多量の未燃燃料が排出される。
機関始動時には、排気系に設けられている触媒装置が十
分に機能しないために、この多量の未燃燃料が十分に浄
化されずに大気中へ放出されることとなる。
【0006】従って、本発明の目的は、良好な機関始動
性を確保すると共に機関始動時の未燃燃料の排出量を低
減することを可能とする多気筒内燃機関を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1に
記載の多気筒内燃機関は、吸気非同期噴射により一部気
筒だけに燃料を供給して一部気筒運転を実施することに
よって機関始動を開始し、前記一部気筒の初爆完了後に
おける所定機関運転状態となった時には、前記一部気筒
を除く気筒へ吸気同期噴射によって燃料を供給して全気
筒運転を実施することを特徴とする。
【0008】また、本発明による請求項2に記載の多気
筒内燃機関は、請求項1に記載の多気筒内燃機関におい
て、前記一部気筒を除く気筒への燃料供給は、吸気同期
噴射から吸気非同期噴射へ移行することを特徴とする。
【0009】また、本発明による請求項3に記載の多気
筒内燃機関は、請求項2に記載の多気筒内燃機関におい
て、前記一部気筒を除く気筒への燃料供給は、吸気同期
噴射から燃料噴射時期が徐々に早められて吸気非同期噴
射へ移行することを特徴とする。
【0010】また、本発明による請求項4に記載の多気
筒内燃機関は、請求項2又は3に記載の多気筒内燃機関
において、前記一部気筒を除く気筒への燃料供給は、機
関回転数がアイドル回転に安定するまでに吸気同期噴射
から吸気非同期噴射へ移行することを特徴とする。
【0011】また、本発明による請求項5に記載の多気
筒内燃機関は、請求項1から4のいずれかに記載の多気
筒内燃機関において、前記所定機関運転状態は、機関始
動完了に対応する運転状態であることを特徴とする。
【0012】また、本発明による請求項6に記載の多気
筒内燃機関は、請求項1から5のいずれかに記載の多気
筒内燃機関において、機関始動開始から設定期間内に前
記所定機関運転状態とならない時には前記全気筒運転が
実施されることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明による多気筒内燃機
関の気筒内概略縦断面図である。同図において、1は気
筒上部略中心に配置された点火プラグであり、2はピス
トンである。3は吸気弁4を介して気筒内へ通じる吸気
ポートであり、5は排気弁6を介して気筒内へ通じる排
気ポートである。各気筒の吸気ポート3には燃料噴射弁
7が配置されている。
【0014】燃料噴射弁7は、通常の機関運転状態にお
いて、主に吸気行程以前に燃料噴射を終了する吸気非同
期噴射を実施する。吸気非同期噴射は、燃料を吸気ポー
ト3の壁面及び吸気弁4の傘裏等に付着させ、この付着
燃料を機関温度を利用してある程度を気化させると共
に、吸気行程となって気筒内への吸気流が発生すると、
この吸気流によっても気化させ、また、吸気行程後半に
吸気ポート1内が負圧となると、この負圧によっても気
化が促進される。こうして、気化燃料が気筒内へ導入さ
れるために、気筒内には十分に均質化された混合気を形
成することができ、良好な燃焼を実現することができ
る。
【0015】このような吸気非同期噴射を機関始動時に
実施する場合において、特に、初回の噴射燃料は、吸気
ポート壁面等への付着燃料が少なく、機関温度も低く、
また、クランキングの低回転では吸気行程後半に吸気ポ
ート内に発生する負圧も低いために、大部分が吸気ポー
ト壁面等へ付着残留することとなる。それにより、これ
を見越して多量の燃料を噴射しなければならない。しか
しながら、気筒内には主に気化燃料が導入されるため
に、着火性の良好な混合気が形成され、確実な始動性が
確保される。
【0016】この一方で、吸気ポート壁面等には比較的
多量の燃料が付着残留しているために、始動(完爆)完
了後に機関回転数が急上昇して吸気ポート内の負圧が急
激に高まると、付着燃料の多くが一度に蒸発して気筒内
へ導入され、混合気空燃比が過剰リッチとなるために、
多量の未燃燃料が排出されることとなる。機関始動時に
は、排気系に設けられている触媒装置が十分に機能しな
いために、この多量の未燃燃料が十分に浄化されずに大
気中へ放出されてしまう。
【0017】本実施形態では、この問題を解決するため
に、吸気非同期噴射により一部気筒だけに燃料を供給し
て一部気筒運転を実施することによって機関始動を開始
し、機関始動完了時には、一部気筒を除く気筒へ吸気同
期噴射によって燃料を供給して全気筒運転を実施するよ
うになっている。
【0018】一部気筒運転において比較的滑らかな運転
を実現するために、運転する一部気筒は、互いに点火順
序が連続しない半数の気筒とすることが好ましい。例え
ば、#1−#3−#4−#2の点火順序を有する四気筒
内燃機関では、#1気筒及び#4気筒又は#2気筒及び
#3気筒である。
【0019】図2は、#1気筒及#4気筒だけによって
機関始動を開始して、所定機関運転状態となった時に#
2気筒及び#3気筒の運転を開始した場合の機関回転数
の変化を示すタイムチャートであり、図3は、#1気筒
と#3気筒との燃料噴射時期の関係を示すタイムチャー
トである。図3において、”排”は排気行程を、”吸”
は吸気行程を、それぞれ示している。また、#4気筒及
び#2気筒の燃料噴射時期は省略したが、#4気筒の燃
料噴射時期は#1気筒と同様であり、#2気筒の燃料噴
射時期は#3気筒と同様である。図2及び図3を以下に
説明する。
【0020】時刻T0においてクランキングが開始さ
れ、その後に#1気筒及び#4気筒には、吸気非同期噴
射、例えば、排気行程での燃料噴射を実施する。初回の
燃料噴射量Aは、大部分が吸気ポート等への付着燃料と
なるために、必要量を大幅に上回る量である。その後の
燃料噴射量Bは、一部の燃料が吸気ポート等へ付着残留
するが、前回の付着燃料の一部が気化して気筒内へ導入
されるために、ほぼ必要量とすることができる。
【0021】#1気筒への初回の燃料供給によって、#
1気筒では燃焼が開始され、#1気筒の膨張行程となる
時刻T1において、機関回転数は上昇し始める。その
後、#4気筒、#1気筒、#4気筒と燃焼を繰り返し、
機関回転数は、上昇を続けて時刻T2においてN1に達
する。この機関回転数N1は、二気筒での始動中におけ
る所定の燃料噴射量、燃料噴射時期、及び点火時期によ
ってもたらし得る最大回転数であり、二気筒運転では、
それ以上に回転上昇させることはできない。こうして、
始動が完了する。
【0022】この始動完了までにおいて、#1気筒及び
#4気筒では、吸気非同期噴射によって気筒内には良好
な混合気が形成され、確実な始動性を確保することがで
きる。機関回転数がN1に達すると、#2気筒及び#3
気筒へ吸気同期噴射によって燃料が供給される。主に吸
気行程中に燃料を噴射する吸気同期噴射は、噴射燃料の
大部分を気筒内へ導入することが可能であるために、こ
の初回の燃料噴射量A’は、吸気非同期噴射における初
回の燃料噴射量Aに比較して少なくすることができる。
しかしながら、その後の燃料噴射量Bに比較して、確実
な着火燃焼をもたらすために、多少の増量がされてい
る。燃料噴射量Bは、吸気非同期噴射の初回を除く燃料
噴射量と同じである。
【0023】こうして、#3気筒での燃焼が開始され、
#3気筒の膨張行程となる時刻T3において、機関回転
数はN1から上昇し始める。その後、吸気非同期噴射の
#4気筒、吸気同期噴射の#2気筒、吸気非同期噴射の
#1気筒と燃焼を繰り返し、機関回転数は、時刻T4に
おいて、二気筒運転での始動時の最大回転数N1と同様
に全気筒運転における最大回転数N2に達する。
【0024】最大回転数N2に達する直前において、吸
気行程後半における吸気ポート内の負圧が非常に高くな
り、これまで、吸気非同期噴射を実施していた#1気筒
及び#4気筒では、比較的多量の壁面付着燃料が一度に
蒸発して気筒内へ導入されるために、燃焼空燃比が過剰
リッチとなって、比較的多量の未燃燃料を排出すること
となるが、吸気非同期噴射の実行が二気筒のみであるこ
とと、時刻T2に至る間にも壁面付着燃料が吸気負圧の
上昇によって気化していることにより、この未燃燃料の
排出は従来に比較して低減される。また、#2気筒及び
#3気筒では、吸気同期噴射によって、吸気ポート壁面
等へ付着している燃料量は僅かであり、このように燃料
空燃比が過剰リッチとなることはなく、未燃燃料の排出
量は僅かである。
【0025】吸気同期噴射は、機関始動時のように、機
関温度が低くて吸気ポート内の負圧も低い時には、主に
液状燃料が気筒内へ導入されるために、気筒内に形成さ
れる混合気は燃料気化が不十分で確実に着火燃焼させる
ことが難しい。それにより失火が発生すれば、多量の未
燃燃料を排出することとなる。本実施形態では、#2気
筒及び#3気筒において、吸気同期噴射によって燃焼を
開始するが、この時には、#1気筒及び#4気筒によっ
て始動が完了していて機関回転数の上昇に伴って吸気ポ
ート内の負圧がある程度高められているために、燃料気
化状態を比較的良好にすることができ、混合気の確実な
着火燃焼を実現可能である。
【0026】こうして、本実施形態によれば、吸気非同
期噴射によって燃焼を開始する#1気筒及び#3気筒だ
けからは、時刻T4において比較的多量の未燃燃料が排
出されることとなるが、全気筒から比較的多量の未燃燃
料が排出される場合に比較して、十分に未燃燃料の排出
量を低減することができる。また、前述したように、良
好な機関始動性も確保することができる。
【0027】時刻T4において、最大回転数N2に達し
た後は、これまで吸気同期噴射を実施していた#2気筒
及び#3気筒では、燃料噴射時期が徐々に早められ、排
気行程中に燃料噴射を開始して吸気行程中に燃料噴射を
終了するようにされる。排気行程中に噴射された燃料
は、吸気ポート壁面等に付着するが、この時には、機関
温度も上昇しており、また、吸気行程後半における吸気
ポート内の負圧も高いために、付着燃料は良好に気化し
て気筒内へ導入されると共に、吸気行程中に噴射された
燃料も、この負圧によって気化し易く、このような燃料
噴射によって気筒内には比較的良好な混合気を形成する
ことができる。
【0028】各気筒の初回の増量燃料によって、機関回
転数は、最大回転数N2に達するが、その後は、徐々に
低下し、時刻T5においてアイドル回転数N3に安定す
る。#2気筒及び#3気筒の燃料噴射は、時刻T5以降
においては、#1気筒及び#4気筒と同様な完全な吸気
非同期噴射とされる。前述したように、吸気非同期噴射
は、吸気同期噴射に比較して、混合気の燃料気化状態が
良好となるために、良好な燃焼を実現可能である。#2
気筒及び#3気筒では、燃料噴射時期を徐々に早めて吸
気同期噴射から吸気非同期噴射へ移行することによっ
て、燃焼を徐々に良好にし、違和感のない運転を実現す
ることができる。機関回転数がアイドル回転に安定する
時には、吸気非同期噴射による全気筒運転が実施され、
各気筒の燃焼が一様となって安定したアイドル回転及び
その後の良好な機関加速等を実現可能となる。
【0029】もちろん、機関回転数がアイドル回転に安
定するまでに、#2気筒及び#3気筒への燃料供給を、
吸気同期噴射から吸気非同期噴射へ急に移行させるよう
にして良く、この場合には、吸気非同期噴射への移行に
際して、一部の燃料が吸気ポート壁面等に付着残留する
ことを考慮して噴射燃料を増量することが好ましい。
【0030】本実施形態において、#2気筒及び#3気
筒へ吸気同期噴射によって燃料供給を開始する時期、す
なわち、全気筒運転を開始する所定機関運転状態となっ
た時には、機関回転数が、#1気筒及び#4気筒だけの
燃焼による最大回転数N1に達した直後とした。この時
期は、機関始動完了時期であり、この時期の判断には、
機関回転数を監視して予め設定したN1に達したことを
使用することができる。また、機関回転数に対応して変
化する吸気ポート内の負圧を監視することによっても判
断可能である。また、単位時間当たりの機関回転数変化
量又は負圧変化量を検出して、この変化量が設定値より
小さくなったことを、この時期判断に使用することもで
きる。
【0031】#1気筒及び#4気筒による一部気筒運転
での始動完了時は、吸気ポート内の負圧が比較的高くな
り、吸気同期噴射による#2気筒及び#3気筒の運転開
始時期としては最適である。しかしながら、これは、本
発明を限定するものではなく、少なくとも#1気筒及び
#4気筒の初爆終了後であれば、クランキング時に比較
して吸気ポート内の負圧は高められ、吸気同期噴射によ
っても比較的良好な燃焼が可能となり、気筒全体からの
未燃燃料の排出量を低減すると共に良好な始動性を確保
することができる。また、#1気筒及び#4気筒による
一部気筒運転での始動完了から暫く時間経過すると、機
関回転数は多少低下して吸気ポート内の負圧も多少低く
なるが、それでも、吸気同期噴射によって比較的良好な
燃焼が実現され、吸気同期噴射による#2気筒及び#3
気筒の運転を開始可能である。
【0032】こうして、吸気非同期噴射による一部気筒
の初爆終了後の予め定められた所定機関運転状態となっ
たことを、機関回転数又は吸気ポート内の負圧を監視す
ることによって判断した際に、一部気筒を除く気筒へ吸
気同期噴射によって燃料を供給して全気筒運転を開始す
るようにすれば良いが、粗悪燃料やその他の要因によっ
て、一部気筒運転では、所定機関運転状態に達せずに、
全気筒運転を開始することができないことも考えられ
る。従って、一部気筒の始動開始から所定期間経過した
時には、所定機関運転状態に達しなくても全気筒運転を
強制的に開始するようにすることが好ましい。
【0033】また、本実施形態では、#2気筒及び#3
気筒への吸気同期噴射を、全気筒運転における最大回転
数N2まで実施するようにした。もし、それ以前に吸気
非同期噴射へ移行すると、最大回転数N2となる以前に
#2気筒及び#3気筒においても吸気ポート壁面等への
燃料付着がもたらされ、最大回転数N2となった時に、
この付着燃料が一度に蒸発して、これら気筒の未燃燃料
の排出量を増加させることとなる。
【0034】しかしながら、全気筒運転開始に際して#
2気筒及び#3気筒へ一度でも吸気同期噴射を実施すれ
ば、始めから吸気非同期噴射を実施する場合に比較し
て、最大回転数N3となるまでのこれら気筒の吸気ポー
ト壁面等への付着燃料量を少なくすることができ、これ
は、機関始動時における全気筒からの未燃燃料の排出量
を低減することを可能とする。
【0035】また、本実施形態において、#2気筒及び
#3気筒への燃料供給は、吸気同期噴射から吸気非同期
噴射へ移行するようにしたが、もちろん、アイドル回転
で安定した時にも吸気同期噴射を継続するようにしても
良い。さらに、#1気筒及び#4気筒への燃料供給は、
始動性を確保するために、少なくとも初爆完了までは、
吸気非同期噴射とする必要があるが、その後は、機関回
転数の上昇に伴って吸気ポート内の負圧が上昇するため
に、吸気同期噴射としても比較的良好な燃料が可能であ
る。
【0036】また、所定機関運転状態となって全気筒運
転を開始する時に、#1気筒及び#4気筒への燃料供給
を吸気非同期噴射から吸気同期噴射へ切り換え、全気筒
を吸気同期噴射で運転するようにしても良い。その後、
好ましくは全気筒運転での最大回転数N2となった後
に、全気筒を吸気同期噴射から吸気非同期噴射へ徐々に
又は急に移行させるようにしても良い。
【0037】このように、機関始動性を確保した上で、
吸気非同期噴射の気筒数及び運転機会(噴射回数)を減
少させることは、機関始動時における未燃燃料の排出量
を低減するのに有利である。
【0038】図3において、説明を簡単にするために、
#1気筒の吸気非同期噴射及び#3気筒の吸気同期噴射
は、初回に限り、それぞれ燃料噴射量を増量(A及び
A’)するようにし、その後は、吸気非同期噴射及び吸
気同期噴射でも同じ燃料噴射量(B)としたが、もちろ
ん、吸気非同期噴射及び吸気同期噴射において、初回の
燃料増量後に、徐々に燃料噴射量を減少させるようにし
ても良い。また、初回後の燃料噴射量を、吸気非同期噴
射及び吸気同期噴射で異ならせるようにしても良い。
【0039】
【発明の効果】このように、本発明による多気筒内燃機
関によれば、吸気非同期噴射により一部気筒だけに燃料
を供給して一部気筒運転を実施することによって機関始
動を開始し、一部気筒の初爆完了後における所定機関運
転状態となった時には、一部気筒を除く気筒には、吸気
同期噴射によって燃料を供給して全気筒運転を実施する
ようになっている。それにより、一部気筒では、吸気非
同期噴射による良好な燃焼によって機関始動性を確保
し、一部気筒を除く気筒では、一部気筒の初爆完了によ
って吸気ポート内の発生する負圧により吸気同期噴射で
も比較的良好な燃焼が実現されると共に、吸気非同期噴
射に比較して吸気ポート壁面等への付着燃料を低減する
ことができ、全気筒運転によって機関回転数が上昇して
吸気ポート内の負圧が高まっても、一部気筒では吸気ポ
ート壁面等への付着燃料が一度に蒸発して燃焼空燃比が
過剰リッチとなるが、これは全気筒のうちの一部気筒だ
けであり、一部気筒を除く気筒では、燃料空燃比がそれ
ほどリッチとなることはなく、機関始動時の全気筒から
の未燃燃料の排出量を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多気筒内燃機関の気筒内概略縦断
面図である。
【図2】図1の多気筒内燃機関の機関始動時における機
関回転数変化を示すタイムチャートである。
【図3】図1に多気筒内燃機関の機関始動時における燃
料噴射を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…点火プラグ 3…吸気ポート 5…排気ポート 7…燃料噴射弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 AA03 BA13 BA15 CA01 CA03 DA09 DA10 EA07 EA11 EC01 FA11 FA33 3G092 AA05 BB10 CA07 CA09 CB05 EA01 EA03 EA09 EA16 EA17 EA22 FA15 FA31 GA01 GA04 HA05Z HC07Z HE01Z 3G301 HA07 JA00 JA21 KA01 KA07 MA18 MA22 MA25 NA08 NE01 NE11 NE21 NE23 PA07Z PC10Z PE01Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気非同期噴射により一部気筒だけに燃
    料を供給して一部気筒運転を実施することによって機関
    始動を開始し、前記一部気筒の初爆完了後における所定
    機関運転状態となった時には、前記一部気筒を除く気筒
    へ吸気同期噴射によって燃料を供給して全気筒運転を実
    施することを特徴とする多気筒内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記一部気筒を除く気筒への燃料供給
    は、吸気同期噴射から吸気非同期噴射へ移行することを
    特徴とする請求項1に記載の多気筒内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記一部気筒を除く気筒への燃料供給
    は、吸気同期噴射から燃料噴射時期が徐々に早められて
    吸気非同期噴射へ移行することを特徴とする請求項2に
    記載の多気筒内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記一部気筒を除く気筒への燃料供給
    は、機関回転数がアイドル回転に安定するまでに吸気同
    期噴射から吸気非同期噴射へ移行することを特徴とする
    請求項2又は3に記載の多気筒内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記所定機関運転状態は、機関始動完了
    に対応する運転状態であることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかに記載の多気筒内燃機関。
  6. 【請求項6】 機関始動開始から設定期間内に前記所定
    機関運転状態とならない時には前記全気筒運転が実施さ
    れることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載
    の多気筒内燃機関。
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