JP2002070327A - 鋼製構造物の補強方法、及び鋼製構造物補強用強化繊維含有材料 - Google Patents

鋼製構造物の補強方法、及び鋼製構造物補強用強化繊維含有材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】強化繊維含有材料による鋼製構造物の補強方法
において、強化繊維含有材料の剥離を防止でき、強化繊
維含有材料の有する強度を最大限に利用した、十分な補
強を簡便に行う補強方法及びそのための強化繊維含有材
料を提供する。 【解決手段】鋼製構造物の表面上に、23℃での引張最
大荷重時伸びが10〜200%、23℃での引張強度が
0.1〜50N/mm2である緩衝材を介して強化繊維含有
材料を設ける工程を含むことを特徴とする鋼製構造物の
補強方法、並びに前記補強方法に用いる強化繊維含有材
料であって、強化繊維糸条が多数本並行して配列してい
るシートを含むことを特徴とする鋼製構造物補強用強化
繊維含有材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、強化繊維シート及
び/又は繊維強化プラスチック板等の強化繊維含有材料
による梁、柱、煙突、管等の鋼製構造物等の構造物の補
強方法、及びそれに用いる強化繊維含有材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、既設の鋼製建築物等の鋼製構造物
等においては、構造部材の経年変化による劣化のため
に、設計時の性能を保持できなくなった構造物や、より
優れた性能を必要とされる構造物が散見されるようにな
ってきた。そのため、これらの構造物を補強、補修する
ことが行われている。具体的にいえば、耐震性能の向上
を目的とした補強や、構造部材の劣化に対する補修、あ
るいは構造物の機能性の向上を目的とした補強などが実
施されている。
【0003】このような鋼製構造物に対する補強技術と
して、鋼製構造物の表面に強化繊維シート及び/又は繊
維強化プラスチック板等の強化繊維含有材料を貼り付
け、この強化繊維含有材料と鋼製構造物とを一体化させ
る補強方法が考えられる。
【0004】このような補強方法を施した鋼製構造物で
は、破断しにくく高い引張強度を有する強化繊維含有材
料と鋼製構造物とが一体となっている限り、強化繊維含
有材料に基づく高い補強効果を得ることができる。しか
しながら、構造物に負荷がかかり変形が発生すると、強
化繊維含有材料が、破断する前に剥離して強化繊維含有
材料と鋼製構造物との一体性が失われ、それにより補強
効果を失い構造物が破壊することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、強化
繊維含有材料による鋼製構造物の補強方法において、強
化繊維含有材料の剥離を防止でき、強化繊維含有材料の
有する強度を最大限に利用した、十分な補強を簡便に行
う補強方法を提供することにある。
【0006】本発明の別の目的は、強化繊維含有材料に
よる鋼製構造物を補強するにあたり、剥離することなく
強度を最大限に発揮し、十分な補強を簡便に行うのに適
合した鋼製構造物補強用強化繊維含有材料を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、鋼製構
造物の表面上に、23℃での引張最大荷重時伸びが10
〜200%、23℃での引張強度が0.1〜50N/mm2
である緩衝材を介して強化繊維含有材料を設ける工程を
含むことを特徴とする鋼製構造物の補強方法が提供され
る。
【0008】また、本発明によれば、前記緩衝材が樹脂
50〜100質量%と充填材0〜50質量%とを含み、前記樹脂
が、硬化させた際の23℃での引張弾性率が0.1〜50N/m
m2である樹脂であることを特徴とする前記鋼製構造物の
補強方法が提供される。
【0009】さらに、本発明によれば、前記緩衝材が、
5℃での引張最大荷重時伸びが10〜200%、5℃で
の引張強度が0.1〜50N/mm2の緩衝材であり、前記
樹脂が、硬化させた際の5℃での引張弾性率が0.1〜50N
/mm2の樹脂であることを特徴とする前記鋼製構造物の補
強方法が提供される。
【0010】さらに、本発明によれば、前記補強方法に
用いる強化繊維含有材料であって、強化繊維糸条が多数
本並行して配列しているシートを含むことを特徴とする
鋼製構造物補強用強化繊維含有材料が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の補強方法では、鋼製構造
物の表面上に、特定の緩衝材を介して強化繊維含有材料
を設ける工程を含む。
【0012】前記緩衝材の材質としては、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂等の樹脂、又はこれらの組み合わせ等
を含有するものを挙げることができる。前記熱硬化性樹
脂としては例えばエポキシ樹脂、メチルメタクリレート
樹脂、メタクリレート樹脂、又はこれらの組み合わせ等
が使用できる。前記熱可塑性樹脂としてはナイロン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれらの組み合
わせ等が使用できる。前記緩衝材の材料として樹脂を用
いる場合、当該樹脂を単独で硬化させた際の23℃での
引張弾性率が、0.1〜50N/mm2、さらに好ましくは
0.5〜10N/mm2である樹脂を用いることが好まし
い。前記引張弾性率は、JIS K7113に従い測定すること
ができる。前記緩衝材中の前記樹脂の含有割合は、50〜
100質量%、好ましくは59〜98質量%、さらに好ましくは7
0〜80質量%とすることができる。
【0013】前記緩衝材は、前記樹脂に加えて、緩衝材
形成に際して適切な粘度範囲を維持したりたれを防止す
ること等により構造物への塗布作業を良好にするため
に、本発明の目的を損なわない範囲で適宜充填材、揺変
性付与剤等を含有することもできる。
【0014】該充填材としてはカーボンブラック、炭酸
カルシウム、タルク、珪酸、珪酸塩、無機顔料として知
られる鉛白、鉛丹、黄鉛、二酸化チタン、ストロンチウ
ムクロメート、チタニウムイエロー、その他の顔料等が
挙げられる。前記緩衝材中の前記充填材の含有割合は、
0〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、さらに好ましく
は10〜20質量%とすることができる。
【0015】該揺変性付与剤としては有機系のものと無
機系のものがあるが、無機系のものが好ましく、ヒュー
ムドシリカ、層状粘度鉱物、膨潤性マイカ、合成スメク
タイト、ベントナイト、カーボンブラック、ヘクトライ
ト等を使用することができる。
【0016】前記緩衝材中の前記揺変性付与剤の含有割
合は、0〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、さらに
好ましくは10〜20質量%とすることができる。
【0017】前記緩衝材の23℃での引張最大荷重時伸
びは、10〜200%、好ましくは10〜100%であ
る。さらに、前記緩衝材は、強化繊維含有材料に含まれ
る樹脂又は強化繊維含有材料の貼り付けに用いるマトリ
ックス樹脂より大きい引張最大荷重時伸びを有すること
が特に好ましい。また、前記緩衝材の引張強度は、23
℃において、0.1〜50N/mm2である。前記緩衝材の
引張最大荷重時伸び及び引張強度は、JIS K711
3に従い測定することができる。
【0018】前記緩衝材の23℃での引張最大荷重時伸
び及び引張強度を上記の範囲内とすることにより、強化
繊維含有材料の剥離を防止し、強化繊維含有材料の有す
る強度を最大限に利用することができる。
【0019】前記緩衝材は、さらに、5℃での引張最大
荷重時伸びが10〜200%、5℃での引張強度が0.
1〜50N/mm2であり、且つ前記樹脂が、当該樹脂を単
独で硬化させた際の5℃での引張弾性率が0.1〜50N/m
m2、好ましくは0.5〜10N/mm2であることが好ましい。こ
のように低温においても上記材料特性を維持できる緩衝
材を用いることにより、寒冷な使用条件下においても良
好な補強効果を得ることができる。前記緩衝材として
は、市販品のものを用いることができる。例えば、東邦
アーステック社製のEE50、EE50W、EE60等を用いること
ができる。
【0020】前記緩衝材は、前記鋼製構造物の表面に、
直接若しくは必要に応じて設けるプライマー層等の他の
層を介して、層として設けることができる。層の厚さ
は、特に限定されないが、通常100〜2000μm、
好ましくは200〜1000μmの厚さとすることがで
きる。
【0021】前記緩衝材層は、必要に応じて、表面即ち
強化繊維含有材料側の面を物理的あるいは化学的処理に
より改質し、強化繊維含有材料との密着性を向上させる
ことができる。該物理的処理としては研磨、サンドペー
パー等による目粗し、又は超音波処理等を挙げることが
でき、化学的処理としては、表面を一部酸化、官能基付
加させる方法等を挙げることができる。より具体的には
例えばコロナ処理、プラズマ処理、酸化剤処理等を挙げ
ることができ、これらの処理は、特に前記緩衝材がポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等である場合に好ま
しく適用することができる。
【0022】前記緩衝材層の形成方法としては、(i)液
状の緩衝材の原料を、形成しようとする面上に塗布した
後硬化させる方法、又は(ii)フィルム状等の形状に成形
された前記緩衝材を貼付する方法等を挙げることができ
る。
【0023】前記(i)の方法により緩衝材層を形成する
場合は、緩衝材の原料として、硬化させた際に前記特定
の引張最大荷重時伸び及び引張強度を呈するものを用い
る。具体的には例えば、前に列挙した各種の熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂からなるもの、又はこれらに前記充填
材、揺変性付与剤等を加えたものを挙げることができ
る。かかる樹脂としては、熱硬化性樹脂、特に常温硬化
性の熱硬化性樹脂が、作業性が良好であるため好まし
い。また、2液混合型の樹脂も好ましい。
【0024】緩衝材の原料として常温硬化性の熱硬化性
樹脂を含むものを用いる場合、20℃における可使時間
が好ましくは30分間〜5時間、さらに好ましくは30
分間〜2時間のものが作業性の点で望ましい。また20
℃における塗膜硬化時間が好ましくは1時間〜24時
間、さらに好ましくは1時間〜12時間のものが作業工
程の点で望ましい。緩衝材の原料の設計強度発現時間
は、20℃において通常1〜20日、好ましくは1〜7
日であることが望ましい。緩衝材の原料の粘度はJIS
K6833測定法で20℃において通常50〜1000
000mPa・s、好ましくは5000〜300000mPa
・sであることが、塗布作業上望ましい。
【0025】前記緩衝材の原料の塗布は、緩衝材をロー
ラー刷毛やゴムベラ、金ゴテ等で、緩衝材の厚みが通常
100〜2000μm、好ましくは200〜1000μm
となるように均一に塗布することにより行うことができ
る。
【0026】塗布した緩衝材の原料の硬化は、熱硬化性
樹脂を含む場合は、構造物表面に塗布後に熱ロールやド
ライヤー等で硬化温度まで加熱して行うことができる
が、特に常温硬化性の熱硬化性樹脂を含む場合は、単に
常温で、前記設計強度発現時間にわたり放置することに
より硬化させることもできる。
【0027】前記(ii)の方法により緩衝材層を形成する
場合は、前記緩衝材として、熱可塑性樹脂や可撓性の熱
硬化性樹脂を使用することが好ましい。前記成形された
緩衝材の厚さは、通常100〜2000μm、特に20
0〜1000μmとすることが好ましい。前記成形され
た緩衝材を貼付する方法としては通常知られた方法を適
宜使用することができ、例えば熱による融着、接着剤に
よる接着等が使用できる。前記接着剤としては、緩衝材
層の強度以上の接着強度で貼着することができるものを
用いることが好ましく、具体的には例えば、前記緩衝材
と同一材料系のものを用いることが好ましい。
【0028】本発明の補強方法で用いる前記強化繊維含
有材料は、強化繊維を含む。前記強化繊維としては、炭
素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、
炭化珪素繊維、又はこれらの組み合わせ等を挙げること
ができる。特に、軽量で且つ耐食性があることから、炭
素繊維が好ましい。前記炭素繊維としては、ピッチ系炭
素繊維あるいはPAN系炭素繊維あるいはこれらの組み
合わせを用いることができる。該炭素繊維は、高弾性率
のものを要求される場合には通常日本グラファイトファ
イバーXN60などのピッチ系炭素繊維が使用され、高
強度が要求されるときには通常東レT700SC、東邦
レーヨンUT500、三菱レーヨンTR30などのポリ
アクリロニトリル系炭素繊維が使用される。
【0029】前記強化繊維は、二次元織物、一方向織
物、一方向材等として、前記強化繊維含有材料中に設け
ることができる。
【0030】前記強化繊維含有材料としては、具体的に
は、前記強化繊維を含む強化繊維シート及び/又は繊維
強化プラスチック板を用いることができる。前記強化繊
維含有材料の目付は、通常100〜800g/m2であ
ることが好ましく、強化繊維の一束当たりのフィラメン
ト数は1000〜10000本が好ましく、引張強度は
2000〜5000N/mm2、引張弾性率200〜1
00×103N/mm2のものが好ましい。
【0031】前記強化繊維シートとしては、具体的には
例えば、経糸及び緯糸の一方が前記強化繊維であり、他
方が熱可塑性樹脂含有繊維(熱可塑性樹脂からなる繊
維、又は任意の繊維に熱可塑性樹脂や熱可塑性繊維が付
着した繊維)からなる補助糸であり、該経糸と該緯糸と
が前記熱可塑性樹脂含有繊維中の熱可塑性樹脂により固
着されたクロス状のシート、あるいは前記強化繊維を一
方向に並べ、熱可塑性樹脂を含有する網目状の格子を重
ね、これらを前記熱可塑性樹脂含有繊維中の熱可塑性樹
脂により固着したシート等が使用できる。
【0032】前記強化繊維含有材料としては、強化繊維
糸条が多数本並列して配列しているものを挙げることが
できる。特に、以下に具体的に説明するものを挙げるこ
とができる。
【0033】例えば、図4に示すもの等の、前記強化繊
維糸条がたて方向に配列し、かつ、補助糸が前記強化繊
維糸条に交錯してよこ方向に配列している強化繊維含有
材料を挙げることができる。図4においては、強化繊維
糸条4はたて方向に並行に配列し、よこ方向の補助糸5
と交錯し、一方向性強化繊維織物を形成している。
【0034】また例えば、図5に示すもの等の、前記強
化繊維糸条が実質的に屈曲せずに糸条群を構成し、該糸
条群の両面側に前記強化繊維糸条と交差するよこ方向補
助糸群が位置し、それらよこ方向補助糸群と、前記強化
繊維糸条群に並行するたて方向補助糸群とが織組織をな
して前記強化繊維糸条群を一体に保持している強化繊維
含有材料を挙げることもできる。図5においては、実質
的に屈曲を有しない強化繊維糸条4を一方向に互いに並
行且つシート状に引き揃えてなる糸条群イのシート面の
両側によこ糸補助糸5の糸条群ハが位置し、それらよこ
糸補助糸群と、強化繊維糸条群と並行するたて方向補助
糸6の糸条群ロとが織組織をなして糸条群を一体に保持
し、一方向性強化繊維織物を形成している。
【0035】さらに例えば、図6に示すもの等の、二方
向性強化繊維織物であるシートを含む強化繊維含有材料
を挙げることもできる。図6においては、たて方向に多
数本の強化繊維糸条4が並行に配列し、よこ方向にも強
化繊維糸条7がたて方向の強化繊維糸条4と直交するよ
うに並行に配列した、二方向性強化繊維織物が形成され
ている。たて方向の強化繊維糸条4とよこ方向の強化繊
維糸条7とは一本交互に交錯し、平組織を形成してい
る。
【0036】さらに例えば、図7に示すもの等の、前記
強化繊維糸条がバインダーで支持体に接着されてなるシ
ートを含む強化繊維含有材料を挙げることもできる。図
7においては、たて方向に多数本の強化繊維糸条4が並
行に配列し、これら強化繊維糸条は、その片側に位置し
ているメッシュ状の支持体8とバインダー9によって接
着されている。バインダーの材質としては、特に限定さ
れないが、後述するマトリックス樹脂の材料と同様のも
のを用いることができる。バインダーの付着量は、強化
繊維重量100重量部に対して3〜7重量部とすること
ができる。
【0037】前記各種の強化繊維含有材料の例におい
て、強化繊維糸条4は、補助糸5と、低融点ポリマー等
からなる固着部材10により固着されていてもよい。固
着部材10は、例えば図4に示した通りよこ方向の糸に
含まれていてもよく、たて方向の糸条4に含まれていて
もよい。前記低融点ポリマーの材質は、特に限定されな
いが、ナイロン、共重合ナイロン、ポリエステル、塩化
ビニリデン、塩化ビニル、ポリウレタン、又はこれらの
組み合わせ等を挙げることができる。特に、共重合ナイ
ロンが好ましい。
【0038】前記補助糸5の材質としては、ガラス繊維
が好ましい。
【0039】前記繊維強化プラスチック板としては、二
次元織物、一方向織物、一方向材等の形態の前記強化繊
維に樹脂を含む材料を含浸し、加熱硬化して板状に成形
したもの等を挙げることができる。
【0040】前記繊維強化プラスチック板に含まれるマ
トリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹
脂、又はこれらの組み合わせ等を使用することができ
る。前記熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、メチルメ
タクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、又はこれらの
組み合わせ等が使用でき、前記熱可塑性樹脂としてはナ
イロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれ
らの組み合わせ等が使用できるが、密着性の良好なもの
が望ましい。
【0041】本発明の補強方法において、前記強化繊維
含有材料は、前記緩衝材を介して前記鋼製構造物の表面
上に設ける。ここで前記強化繊維含有材料は、前記緩衝
材表面に直接設けてもよく、必要に応じて下塗り層等の
他の層を介して設けても良い。また、本発明の補強方法
では、前記強化繊維含有材料の層上に、必要に応じてさ
らに上塗り層、仕上げ層等の他の層を設けることができ
る。具体的には例えば、強化繊維含有材料として強化繊
維シートを用いた場合、強化繊維シートの貼付に先立ち
下塗り層としてマトリックス樹脂材料を塗布し、強化繊
維シートの貼付後に上塗り層としてマトリックス樹脂材
料を塗布することにより、強化繊維シートとマトリック
ス樹脂とが複合した層を形成し、高い強度を得ることが
できる。また、強化繊維含有材料として繊維強化プラス
チック板を用いた場合、接着剤を用いて緩衝材表面に繊
維強化プラスチック板を貼付することができる。
【0042】前記強化繊維含有材料の層の厚さは、特に
限定されない。また、前記強化繊維含有材料としては、
その破断時伸びが好ましくは0.5〜3.0%、特に好ましく
は0.6〜2.0であるものを用いることができる。
【0043】本発明の補強方法を適用する前記鋼製構造
物としては、特に限定されないが、柱、梁、煙突、管等
の各種の構造物を挙げることができ、既設の建築物のみ
ならず、工場等で生産する型鋼、鋼管等、建築物となる
前の構造物をも含む。また、本発明において、補強と
は、劣化していない鋼製構造物の補強のみならず、劣化
した鋼製構造物の補修をも含む。
【0044】本発明の補強方法の具体的な施工方法とし
ては、前記鋼製構造物の表面上に、前記プライマー層、
前記緩衝材の層、前記下塗り層、前記強化繊維含有材料
の層、上塗り層、仕上げ層等の各層を、順次形成する方
法が挙げられる。これら各層のうち、緩衝材層及び強化
繊維含有材料層は必須に形成され、他の層は必要に応じ
て形成することができる。これらの各層の形成は、通常
は、鋼製構造物の表面に近い層から順に形成することが
できるが、緩衝材層及び教化繊維含有材料層を含む複合
物を予め形成し、それを鋼製構造物の表面に貼りつける
ことによって行うこともできる。
【0045】前記強化繊維含有材料層として強化繊維シ
ートを用いた場合の本発明の補強方法の例を、図1に示
す施工例を参照して、以下により具体的に説明する。
【0046】まず、必要に応じて、鋼製構造物の表面1
1に対し、洗浄等の前処理を行う。
【0047】前記洗浄の方法としては、ディスクサンダ
ー、サンドブラスト、高圧洗浄、ウエス、有機溶剤等で
取り除く方法等を用いることができる。
【0048】前記洗浄等を必要に応じて施した後、必要
に応じて強化繊維含有材料の貼付位置等の参照とするた
めの墨出しを行うことができる。
【0049】次に、構造物表面にローラー刷毛等でプラ
イマーを塗布し、乾燥させ、プライマー層12を形成す
る工程を行う。
【0050】前記プライマーとしては、構造物表面及び
緩衝材層との接着性が良好なもの、例えば溶剤型エポキ
シ樹脂あるいは無溶剤型エポキシ樹脂等を使用すること
ができる。前記プライマーの混合粘度は、20℃におい
て通常1〜10000mPa・s、好ましくは10〜5
000mPa・sであることが、作業性の点で好まし
い。
【0051】前記プライマーの塗布に際しての使用温度
は、通常−10℃〜50℃であることが好ましい。前記
プライマーの塗布量は、通常0.01〜1kg/m2
好ましくは0.1〜0.5kg/m2であることが望ま
しい。
【0052】前記プライマーを乾燥させる時間は、20
℃において通常1〜24時間、好ましくは1〜12時間
であることが望ましい。
【0053】プライマー層12を形成した後、その上に
緩衝材層13を、上に述べた方法等により形成し、さら
に必要に応じて緩衝材表面を物理的あるいは化学的処理
により改質し、次に、必要に応じて下塗り層14として
のマトリックス樹脂材料等を塗布する工程を行う。
【0054】前記マトリックス樹脂材料としては、熱硬
化性樹脂、常温硬化性樹脂、又はこれらの組み合わせ等
を含むものを使用することができるが、作業性の点で常
温硬化性樹脂を含むものが好ましい。前記熱硬化性樹脂
としてはエポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、メ
タクリレート樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用で
き、前記熱可塑性樹脂としてはナイロン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、又はこれらの組み合わせ等が使用
できるが、緩衝材との密着性の良好なものが望ましい。
【0055】前記マトリックス樹脂材料は、前記樹脂に
加えて、塗布に際して適切な粘度範囲を維持したりたれ
を防止するために、本発明の目的を損なわない範囲で適
宜充填材、揺変性付与剤等を含有することもできる。
【0056】該充填材としてはカーボンブラック、炭酸
カルシウム、タルク、珪酸、珪酸塩、無機顔料として知
られる鉛白、鉛丹、黄鉛、二酸化チタン、ストロンチウ
ムクロメート、チタニウムイエロー、その他の顔料等が
挙げられる。
【0057】該揺変性付与剤としては有機系のものと無
機系のものがあるが、無機系のものが好ましく、ヒュー
ムドシリカ、層状粘度鉱物、膨潤性マイカ、合成スメク
タイト、ベントナイト、カーボンブラック、ヘクトライ
ト等を使用することができる。
【0058】前記マトリックス樹脂材料中の前記充填材
及び/又は揺変性付与剤の含有割合は、1〜20質量%
であることが好ましい。
【0059】前記マトリックス樹脂材料として前記常温
硬化性樹脂を含むものを用いる場合、20℃における可
使時間が好ましくは30分間〜5時間、さらに好ましく
は30分間〜2時間のものが作業性の点で望ましい。ま
た20℃における塗膜硬化時間が好ましくは1時間〜2
4時間、さらに好ましくは1時間〜12時間のものが作
業工程の点で望ましい。
【0060】前記マトリックス樹脂材料の設計強度発現
時間は20℃において通常1〜20日、好ましくは1〜
7日であることが望ましい。また、粘度は20℃におい
て通常10〜100000mPa・s、好ましくは10
0〜50000mPa・sであることが、含浸性及び脱
泡性がよいため望ましい。
【0061】前記下塗り層としてのマトリックス樹脂材
料を塗布する工程は、前記マトリックス樹脂材料をロー
ラー刷毛やゴムベラ等で、塗布量が通常0.1〜2kg
/m 2、好ましくは0.2〜1kg/m2の範囲となるよ
うに均一に塗布することにより行うことができる。
【0062】次に、下塗り層14上に、強化繊維シート
15を貼り付ける工程を行う。本工程は、下塗り層14
の塗布直後に強化繊維シートを前記墨出し位置に沿って
貼り付け、好ましくはシートの表面を強化繊維方向に、
さらに好ましくはシートの中心部から端部に強化繊維方
向に沿ってゴムベラ、熱ロール、脱泡ロール等でしご
き、マトリックス樹脂材料を強化繊維の中に含浸させ、
且つ強化繊維中の空気を追い出し平滑に仕上げることに
より行うことができる。
【0063】前記強化繊維シート15の貼り付け工程の
際、シートの長さが長すぎると作業が困難であるため、
強化繊維シートを適度の長さに切断し、継ぎ重ねて貼り
付けることができる。この場合、強度を確保するため
に、継ぎ重ね部分は、強度を確保する方向に100mm
以上重なるよう貼り付けることが好ましい。
【0064】次に、強化繊維シート上に、上塗り層16
としてのマトリックス樹脂材料等を塗布する工程を行
う。本工程は、前記下塗り工程で使用したものと同様の
マトリックス樹脂材料等を用い、ローラー刷毛やゴムベ
ラ等で通常0.05〜2kg/m2、好ましくは0.1
〜1kg/m2の塗布量により均一に塗布することによ
って行うことができる。
【0065】前記各工程において、繊維の膨れ、皺、よ
れ等が発生したら直ちに修正することが好ましい。ま
た、汚れの付着、降雨等からの保護を十分に行うことが
好ましい。
【0066】最後に、仕上げ工程を行う。本工程は、上
塗り層上に、ウレタン樹脂あるいはフッ素樹脂等の耐候
性塗料又はポリマーセメント系材料を塗布し保護層17
を形成することによって行うことができる。
【0067】以上において説明した施工例では、1層の
強化繊維シートのみを設けたが、本発明の補強方法で
は、2層以上の強化繊維シートを設けることもできる。
2層以上の強化繊維シートは、前記下塗り工程、強化繊
維シートの貼り付け工程、及び上塗り工程を必要な回数
だけ繰り返すことにより設けることができる。
【0068】次に、前記強化繊維含有材料層として繊維
強化プラスチック板を用いた場合の本発明の補強方法の
例を、図2に示す施工例を参照して説明する。
【0069】まず、図1に示した施工例と同様に、必要
に応じて、鋼製構造物の表面31の前処理、墨出し、プ
ライマー層32の形成、層表面の不陸の調整等を行った
後、緩衝材層33を形成し、必要に応じて緩衝材表面の
改質及び下塗り層(図示せず)の塗布を行った後、接着
剤を用い、前記緩衝材層33の面上に前記繊維強化プラ
スチック板35を貼り付け、さらにその上に仕上げ層
(保護層)37を形成することにより、本発明の補強方
法を行うことができる。
【0070】繊維強化プラスチック板35を貼り付ける
ための接着剤としては、緩衝材層と繊維強化プラスチッ
ク板との接着強度が十分に緩衝材の引張強度以上になる
ような接着剤を用いることが好ましい。
【0071】該接着剤としては、熱硬化性樹脂、常温硬
化性樹脂等の樹脂を含むものを使用することができる
が、作業性の点で常温硬化性樹脂を含むものが好まし
い。前記熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂、メチルメ
タクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、又はこれらの
組み合わせ等が使用でき、前記熱可塑性樹脂としてはナ
イロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はこれ
らの組み合わせ等が使用できる。前記接着剤は、前記樹
脂に加えて、塗布に際して適切な粘度範囲を維持したり
たれを防止するために、本発明の目的を損なわない範囲
で適宜充填材、揺変性付与剤等を含有することもでき
る。
【0072】該充填材としてはカーボンブラック、炭酸
カルシウム、タルク、珪酸、珪酸塩、無機顔料として知
られる鉛白、鉛丹、黄鉛、二酸化チタン、ストロンチウ
ムクロメート、チタニウムイエロー、その他の顔料等が
挙げられる。
【0073】該揺変性付与剤としては有機系のものと無
機系のものがあるが、無機系のものが好ましく、ヒュー
ムドシリカ、層状粘度鉱物、膨潤性マイカ、合成スメク
タイト、ベントナイト、カーボンブラック、ヘクトライ
ト等を使用することができる。
【0074】前記接着剤中の前記充填材及び/又は揺変
性付与剤の含有割合は、1〜20質量%であることが好
ましい。
【0075】前記接着剤として前記常温硬化性樹脂を含
むものを用いる場合、20℃における可使時間が好まし
くは30分間〜5時間、さらに好ましくは30分間〜2
時間のものが作業性の点で望ましい。また20℃におけ
る塗膜硬化時間が好ましくは1時間〜24時間、さらに
好ましくは1時間〜12時間のものが作業工程の点で望
ましい。
【0076】前記接着剤は、ローラー刷毛やゴムベラ等
で、塗布量が通常0.05〜3kg/m2、好ましくは
0.2〜2kg/m2の範囲になるよう均一に塗布する
ことができる。
【0077】以上において説明した施工例では、1層の
繊維強化プラスチック板のみを設けたが、本発明の補強
方法では、2層以上の繊維強化プラスチック板を設ける
こともできる。2層以上の繊維強化プラスチック板は、
前記接着剤により繊維強化プラスチック板を貼り付ける
工程を必要な回数だけ繰り返すことにより設けることが
できる。
【0078】
【発明の効果】本発明の補強方法は、鋼製構造物の表面
上に特定の緩衝材を介して強化繊維含有材料を設けるの
で、鋼製構造物と強化繊維含有材料とを安定に一体化さ
せ、強化繊維含有材料の剥離を防止でき、強化繊維含有
材料の有する強度を最大限に利用した、十分な補強を簡
便に行うことができる。従って、柱、梁、煙突、管等の
既存の鋼製構造物の補強、補修等に適用でき、構造物の
強度やエネルギー吸収性能を向上させることができる。
【0079】本発明の鋼製構造物補強用強化繊維含有材
料は、前記本発明の補強方法に用いることにより、剥離
することなく強度を最大限に発揮し、十分な補強を簡便
に行うことができる。
【0080】
【実施例】以下において実施例及び比較例を参照して本
発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0081】
【実施例1】鋼製の試験体に、緩衝材及び強化繊維シー
トを用いた本発明の補強方法を適用し、その補強方法を
試験した。
【0082】試験体として図3に示す200mm×10
0mm×2000mmの寸法を有し、載荷点及び支点部
分を5.5mm厚の鋼板22で補強した梁用のI鋼21を使
用した。この試験体の底面23の、長さ1600mm
(中央部)、幅全面にわたり、エポキシ系のプライマー
を塗布しプライマー層(図示せず)を形成した後、エポ
キシ系の緩衝材(エポキシ樹脂、商品名トーホーダイト
EE50、株式会社東邦アーステック製、硬化時におけ
る23℃での引張最大荷重時伸び95%(JISK71
31により測定)、引張強度1.4N/mm2(JIS
K7131により測定)、5℃における引張最大荷重
時伸び65%、引張強度6.5N/mm2)を膜厚が500
μmとなるように塗布し緩衝材層24を形成し、さらに
強化繊維シート25(商品名HT300、日石三菱
(株)製)を、強化繊維の方向が長手方向となるよう、
エポキシ系の常温硬化樹脂により、5層重ねて接着させ
て貼り付けた。
【0083】強化繊維シートを貼り付けた後1週間以上
養生した後、図3に示す通り支点26を当て、支点間距
離1800mmの単調載荷を負荷し、静的載荷試験を実
施した。測定された破壊荷重及び最大変位を表1に示
す。
【0084】
【実施例2】鋼製の試験体に、緩衝材及び繊維強化プラ
スチック板を用いた本発明の補強方法を適用し、その補
強方法を試験した。
【0085】試験体として、実施例1で用いたものと同
一の梁用のI鋼を用いた。また繊維強化プラスチック板
としては、TUプレートTYPE−S(商品名、日石三
菱株式会社製)を用いた。
【0086】前記試験体の底面の、長さ1600mm
(中央部)、幅全面にわたり、実施例1で用いたものと
同一のエポキシ系プライマーを塗布しプライマー層を形
成した後、エポキシ系の緩衝材(エポキシ樹脂、商品名
トーホーダイトEE50、株式会社東邦アーステック
製、硬化時における23℃での引張最大荷重時伸び95
%(JIS K7131により測定)、引張強度1.4
N/mm2(JIS K7131により測定))を膜厚
が500μmとなるように塗布し緩衝材層を形成し、さ
らに前記繊維強化プラスチック板を、強化繊維の方向が
長手方向となるよう、実施例1と同一のエポキシ系の常
温硬化樹脂により接着させて、5枚重ねて貼り付けた。
【0087】繊維強化プラスチック板を貼り付けた後1
週間以上養生した後、図3に示す通り支点間距離180
0mmの単調載荷を負荷し、静的載荷試験を実施したと
ころ、良好な補強効果が得られた。
【0088】
【表1】
【0089】
【比較例1】実施例1で用いたものと同一の試験体であ
って、何ら補強を施さなかったものについて、実施例1
と同様の静的載荷試験を行った。結果を表2に示す。
【0090】
【比較例2】緩衝材層を形成しなかった以外は、実施例
1と同様の静的載荷試験を行った。結果を表2に示す。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】緩衝材及び1層の強化繊維シートを設けた本発
明の補強方法の施工例を模式的に示す断面図である。
【図2】緩衝材及び1枚の強化繊維プラスチック板を設
けた本発明の補強方法の施工例を模式的に示す断面図で
ある。
【図3】実施例1及び2において行った本発明の補強方
法の適用及び補強効果の試験における載荷の態様を説明
する模式図である。図3Aは試験体を側面から見た立面
図であり、図3Bは試験体を長さ方向に垂直な面に沿っ
て切断した断面図である。図3中において、長さを示す
数値の単位は全てmmである。
【図4】本発明の補強方法に用いる、本発明の鋼製構造
物補強用強化繊維含有材料の例を示す斜視図である。
【図5】本発明の補強方法に用いる、本発明の鋼製構造
物補強用強化繊維含有材料の別の例を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の補強方法に用いる、本発明の鋼製構造
物補強用強化繊維含有材料のさらに別の例を示す平面図
である。
【図7】本発明の補強方法に用いる、本発明の鋼製構造
物補強用強化繊維含有材料のさらに別の例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
4:たて方向の強化繊維糸条 5:よこ方向の補助糸 6:たて方向の補助糸 7:よこ方向の強化繊維糸条 8:支持体 9:バインダー 10:固着部材 イ:炭素繊維糸条群 ロ:たて方向の補助糸群 ハ:よこ方向の補助糸群 11,31:鋼製構造物表面 12,32:プライマー層 13,33:緩衝材層 14:下塗り層 15:強化繊維シート 35:繊維強化プラスチック板 16:上塗り層 17,37:仕上げ層(保護層) 21:試験体 22:補強用の鋼板 23:試験体底面 24:緩衝材層 25:強化繊維含有材料層(5層) 26:支点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 101/00 C08L 101/00 B29K 701:00 B29K 701:00 (72)発明者 小牧 秀之 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 2E176 AA07 BB29 4F072 AA04 AA06 AA07 AA08 AA09 AB06 AB09 AB10 AB27 AB28 AB29 AD04 AD09 AD23 AD41 AD43 AD44 AJ03 AJ04 AK05 AL09 AL17 4J002 BB031 BB121 BG061 CD001 CG001 CK021 CL001 DA036 DE136 DE156 DE236 DJ006 DJ046 FD016 FD200 GL00 4L048 AA03 AA05 AA48 AB27 AC09 AC18 BA01 BA02 CA01 DA30 DA41

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製構造物の表面上に、23℃での引張
    最大荷重時伸びが10〜200%、23℃での引張強度
    が0.1〜50N/mm2である緩衝材を介して強化繊維含
    有材料を設ける工程を含むことを特徴とする鋼製構造物
    の補強方法。
  2. 【請求項2】 前記緩衝材が樹脂50〜100質量%と充填材
    0〜50質量%とを含み、前記樹脂が、硬化させた際の2
    3℃での引張弾性率が0.1〜50N/mm2である樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の鋼製構造物の補強方法。
  3. 【請求項3】 前記緩衝材が、5℃での引張最大荷重時
    伸びが10〜200%、5℃での引張強度が0.1〜5
    0N/mm2の緩衝材であり、前記樹脂が、硬化させた際の
    5℃での引張弾性率が0.1〜50N/mm2の樹脂であることを
    特徴とする請求項2記載の鋼製構造物の補強方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の補強
    方法に用いる強化繊維含有材料であって、強化繊維糸条
    が多数本並行して配列していることを特徴とする鋼製構
    造物補強用強化繊維含有材料。
  5. 【請求項5】 前記強化繊維糸条がたて方向に配列し、
    かつ、補助糸が前記強化繊維糸条に交錯してよこ方向に
    配列している請求項4記載の鋼製構造物補強用強化繊維
    含有材料。
  6. 【請求項6】 前記強化繊維糸条が実質的に屈曲せずに
    糸条群を構成し、該糸条群の両面側に前記強化繊維糸条
    と交差するよこ方向補助糸群が位置し、それらよこ方向
    補助糸群と、前記強化繊維糸条群に並行するたて方向補
    助糸群とが織組織をなして前記強化繊維糸条群を一体に
    保持している請求項4記載の鋼製構造物補強用強化繊維
    含有材料。
  7. 【請求項7】 二方向性強化繊維織物であるシートを含
    む請求項4記載の鋼製構造物補強用強化繊維含有材料。
  8. 【請求項8】 前記強化繊維糸条がバインダーで支持体
    に接着されてなるシートを含む請求項4記載の鋼製構造
    物補強用強化繊維含有材料。
  9. 【請求項9】 前記強化繊維糸条がその長さ方向に線状
    又は点状に延びる固着部材を含んでおり、該固着部材が
    互いに直交する糸とその交点において接着しているシー
    トを含む請求項5〜7のいずれか1項記載の鋼製構造物
    補強用強化繊維含有材料。
  10. 【請求項10】 よこ方向補助糸が固着部材を含んでお
    り、その固着部材により前記強化繊維糸条がその交点に
    おいて互いに接着されているシートを含む請求項5又は
    6に記載の鋼製構造物補強用強化繊維含有材料。
  11. 【請求項11】 補助糸がガラス繊維である請求項5又
    は6に記載の鋼製構造物補強用強化繊維含有材料。
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