JP2002062685A - 静電潜像現像用トナー、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

静電潜像現像用トナー、画像形成方法及び画像形成装置

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JP2002062685A JP2000246807A JP2000246807A JP2002062685A JP 2002062685 A JP2002062685 A JP 2002062685A JP 2000246807 A JP2000246807 A JP 2000246807A JP 2000246807 A JP2000246807 A JP 2000246807A JP 2002062685 A JP2002062685 A JP 2002062685A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触転写方式で画像の中抜け欠陥、転写率低
下及び感光体へのトナーフィルミングの問題が発生しな
いトナー、画像形成方法及び画像形成装置を提供する。 【解決手段】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行っ
て形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有す
る現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方
式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリ
ーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の
画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像
用トナーが、形状係数の変動係数が16%以下、個数粒
度分布における個数変動係数が27%以下及びトナー凝
集率が3〜35%であることを特徴とする画像形成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等に用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単にトナ
ーとも云う)とこれを用いた画像形成方法及び画像形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体(以下、単に感光体とも
云う)の表面に形成したトナー画像を接触転写方式を用
いて紙又はプラスチックのシート状の転写材に転写する
工程では、転写ロール、ドラム或いはベルト等で構成さ
れる転写装置を感光体に弾性的に押圧し、且つバイアス
電圧印加下にトナー画像の転写が転写材に行われる。
【0003】しかし、導電性ゴム等を用いた導電性ゴム
ローラ或いは導電性ゴム上に誘電体層を設けた誘電ロー
ラ等を介して直接転写材に印加し、これにより発生した
電界でトナー画像を転写する接触転写方式では、トナー
画像を転写する工程で文字の中抜け欠陥がしばしば発生
する。これはトナー同士の凝集力或いは流動性と関係が
あり、トナー同士の凝集力が低く、トナーの流動性が良
いものは文字の中抜け欠陥が発生しにくいことが判って
いるが、その他の要因が複雑に関わり、文字の中抜け欠
陥を解決する有効な手段は未だ提案されていないのが現
状である。
【0004】又、感光体から中間転写体へ、中間転写体
から転写材へ電界でトナー画像を転写する転写法では、
転写電流が印加されるため、ある程度の圧力を感光体と
中間転写体の間にかける必要がある。圧力がかけられた
場合、感光体上のトナー画像にも圧力が加わり、トナー
の凝集が発生しやすく文字の中抜けが起こりやすい。
【0005】さらに感光体表面が樹脂で構成されている
場合には、トナーの凝集物と感光体との間でも密着が発
生し、転写材への転写が阻害され、極端な場合は感光体
表面にトナーがフィルム状に固着してしまい画像欠陥が
発生する。公知のトナーは加圧により凝集し易く、現時
点では中抜け欠陥の発生、転写率の低下、感光体へのト
ナーフィルミングを防止することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、
接触転写方式で画像を形成した時、画像の中抜け欠陥、
転写率低下及び感光体へのトナーフィルミングの問題が
発生しないトナー、画像形成方法及び画像形成装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、上記請
求項1〜51の何れか1項に記載の発明を採用すること
により達成される。本発明の課題を解決する手段は以下
の項目を主としたものである。
【0008】(1)感光体上に帯電、像露光を行って形
成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現
像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を
用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニ
ングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像
を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用ト
ナーが、形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分
布における個数変動係数が27%以下及びトナー凝集率
が3〜35%であることを特徴とする画像形成方法。
【0009】(2)感光体上に帯電、像露光を行って形
成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現
像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を
用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニ
ングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像
を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用ト
ナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上、
個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及びト
ナー凝集率が3〜35%であることを特徴とする画像形
成方法。
【0010】(3)感光体上に帯電、像露光を行って形
成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現
像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を
用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニ
ングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像
を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用ト
ナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー
粒子が65個数%以上、形状係数の変動係数が16%以
下及びトナー凝集率が3〜35%であることを特徴とす
る画像形成方法。
【0011】(4)感光体上に帯電、像露光を行って形
成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現
像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中間転写
体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写方式を
用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニ
ングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像
を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用ト
ナーが、形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分
布における個数変動係数が27%以下及びトナー凝集率
が3〜35%であることを特徴とする画像形成方法。
【0012】(5)感光体上に帯電、像露光を行って形
成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現
像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中間転写
体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写方式を
用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニ
ングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像
を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用ト
ナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上、
個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及びト
ナー凝集率が3〜35%であることを特徴とする画像形
成方法。
【0013】(6)感光体上に帯電、像露光を行って形
成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現
像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中間転写
体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写方式を
用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニ
ングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像
を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用ト
ナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー
粒子が65個数%以上、個数粒度分布における個数変動
係数が27%以下及びトナー凝集率が3〜35%である
ことを特徴とする画像形成方法。
【0014】(7)感光体上に帯電、像露光を行って形
成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現
像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を
用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニ
ングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像
を形成する画像形成方法に用いる静電潜像現像用トナー
に於いて、該静電潜像現像用トナーは、形状係数の変動
係数が16%以下、個数粒度分布における個数変動係数
が27%以下及びトナー凝集率が3〜35%であること
を特徴とする静電潜像現像用トナー。
【0015】(8)感光体上に帯電、像露光を行って形
成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現
像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を
用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニ
ングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像
を形成する画像形成方法に用いる静電潜像現像用トナー
於いて、該静電潜像現像用トナーは、角が無いトナー粒
子の割合が50個数%以上、個数粒度分布における個数
変動係数が27%以下及びトナー凝集率が3〜35%で
あることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【0016】(9)感光体上に帯電、像露光を行って形
成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現
像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を
用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニ
ングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像
を形成する画像形成方法に用いる静電潜像現像用トナー
於いて、該静電潜像現像用トナーは、形状係数が1.2
〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上、形
状係数の変動係数が16%以下及びトナー凝集率が3〜
35%であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【0017】(10)前記1〜6項のいずれか1項に記
載の画像形成方法を用い、クリーニング、静電潜像形
成、現像、転写、定着の工程を有することを特徴とする
画像形成装置。
【0018】以下、本発明を更に詳細に説明する。 (1)画像の中抜け発生原因 感光体の表面が樹脂で構成されている場合は、トナーの
凝集物と感光体の間でも密着が発生し、転写材へトナー
の移行が阻害され、極端な場合、密着が強固な部分が全
く転写せず、画像が欠損する現象が起こる。
【0019】この現象は0.1〜2.0mmのライン部
に於いて特に顕著に発生する。これは、ライン部ではエ
ッジ現象により、トナーが多くのり、加圧により凝集が
起こりやすい。この時の転写画像は輪郭部のみが形成さ
れた画像となり、「中抜け」とよばれる画像欠陥が発生
し問題である。
【0020】図1に中抜けの例を示す。図中(a)は中
抜けの無い正常な画像であり、(b)は中抜けの発生し
た問題画像である。 (2)転写率低下 接触転写部で加圧されたトナーは転写材への移行が阻害
され、感光体表面に残り転写率が低下する。転写材へ移
行しなかったトナーは画像形成に役立たないため、転写
率が低くなるほど画像濃度も低くなり問題である。 (3)トナーフィルミングの発生 感光体表面に残ったトナーはクリーニングブレードで除
去することになるが、転写率が低下し、感光体表面に残
るトナーが増えると、クリーニングブレードにより除去
されるトナー量も増え、クリーニングブレードによりト
ナーが感光体表面にこすりつけられる機会が多くなる。
こすりつけられることにより感光体表面にトナーがフィ
ルム状に固着する現象(トナーフィルミング)が発生す
る。トナーフィルミングが発生すると、実写時にカブリ
の画像欠陥が発生し問題である。
【0021】本発明者らは、トナーの形状係数の変動係
数、個数粒度分布における個数変動係数及び凝集率等が
本発明の課題を解決するために重要であることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0022】文字の「中抜け」は、転写の押圧時にトナ
ーが凝集し、転写されずに感光体上に残ることが原因と
推定し、トナー凝集の発生防止について種々検討した。
その結果、トナーの形状及び円形度が均一であればトナ
ー同士の接点が減少し、トナーの角がトナーの隙間に入
り込むという形態も減少するためトナー凝集が発生しな
くなり、中抜けの発生が防止出来ることを見いだした。
【0023】又、90%以上の高い「転写率」を得る方
法についても検討し、転写材を転写部で積極的に押圧支
持する時、間に挟まるトナーの形状及び粒径が均一であ
れば、転写材と感光体の距離が均一にして最小となり所
望の転写電界がかかり高い転写率が得られることを見い
だした。
【0024】さらに、感光体の「トナーフィルミング」
発生を防止する方法についても検討し、トナーの形状及
び円形度が均一であれば、トナーと感光体の付着力が均
等に分散し、一点に応力が集中することがなくなり、感
光体へのトナーフィルミングも防止出来ることを見いだ
した。
【0025】本発明者らは、鋭意検討した結果、トナー
を特定の形状及びその分布、凝集率、角の存在の有無及
び粒度分布を揃えることにより、接触転写方式を用い、
多数枚の画像の形成を行っても文字の「中抜け」が発生
しない、高い「転写率」が確保出来且つ感光体上に「ト
ナーフィルミング」が発生しないことを見いだした。
【0026】本発明者らは鋭意検討した結果、「形状係
数の変動係数」が16%以下であり、「個数粒度分布に
おける個数変動係数」が27%以下であり、「凝集率」
が3〜35%であるトナーを使用することで本発明の問
題を解決出来ることを見いだし、本発明の完成に至った
ものである。すなわち、トナー自体の形状の分布を均一
化すること等により、高い「転写率」を得るとともに、
トナーの凝集を抑制し、転写による「中抜け」画像欠陥
の発生を防止し、「トナーフィルミング」を抑制するこ
とが出来るものである。
【0027】又、本発明者らは鋭意検討した結果、「角
が無いトナー粒子」では、トナーの耐凝集性が向上する
ため形状のバラツキが多少大きくても、同様の効果を発
揮することを見いだした。すなわち、角が無いトナー粒
子が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数
変動係数が27%以下であるトナーを使用することで本
発明の完成に至ったものである。
【0028】図2に角が無いトナー(a)及び角がある
トナー(b)、(c)のモデル図を示す。
【0029】さらに、本発明者らは鋭意検討した結果、
特定の形状についてその形状を揃えた場合にも、転写押
圧部におけるトナーと感光体にかかる負荷を均一化する
ことが出来、同様の効果を発揮することを見いだした。
すなわち、形状係数の変動係数が16%以下であり、形
状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65
個数%以上であるトナーを使用することで本発明の目的
を解決することが出来ることを見いだし、本発明に至っ
たものである。
【0030】本発明者らは、「中抜け」及び「トナーフ
ィルミング」が多いトナー粒子について検討を行った結
果、画像形成工程を繰り返した場合には、形が不揃いな
トナー粒子及び角となる部分を有するトナー粒子が「ト
ナーフィルミング」し、転写押圧時に凝集を引き起こす
トナーが「中抜け」画像不良を多く発生する傾向を見い
出した。この理由については明確ではないが、トナー粒
子の形が不揃いである場合には、感光体及びトナーの一
点に応力が集中し、部分的に過大なストレスが加わるこ
とによると推定している。
【0031】又、このようなストレスの加わり方の違い
は、トナー粒子の粒径によっても異なり、粒径の小さい
ものの方が感光体への付着力が高いために、クリーニン
グ部材を減耗しやすい結果となった。トナー粒子径が大
きいものでは、このような減耗は減少するが、解像度等
の画質が低下する問題が発生する。
【0032】以上の観点より検討を加えた結果、形状係
数の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数
変動係数が27%以下、トナー凝集率が3〜35%であ
るトナーを使用することで、転写率、細線再現性に優
れ、高品位な画像を長期にわたって形成することが出来
ることを見いだし、本発明の完成に至ったものである。
【0033】又、角が無いトナー粒子を50個数%以上
とし、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下
に制御することによっても、転写率、細線再現性に優
れ、高品位な画像を長期にわたって形成することが出来
ることを見いだし、本発明の完成に至ったものである。
【0034】さらに、トナーを特定の形状としてその形
状を揃えた場合にも、「トナーフィルミング」及び「中
抜け」画像不良が減少することを見いだした。すなわ
ち、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子
が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%
以下であるトナーを使用することでも、転写率、細線再
現性に優れ、高品位な画像を長期にわたって形成するこ
とが出来ることを見いだし、本発明の完成に至ったもの
である。
【0035】本発明のトナーの形状係数は、下記式
(1)により示されるものであり、トナー粒子の丸さの
度合いを示す。
【0036】式(1) 形状係数=((最大径/2)2
×π)/投影面積 式中、最大径はトナー粒子の平面上への投影像を2本の
平行線ではさんだ時、その平行線の間隔が最大となる粒
子の幅を示す。又、投影面積はトナー粒子の平面上への
投影像の面積を示す。
【0037】形状係数は、走査型電子顕微鏡により20
00倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、次いで
「SCANNING IMAGE ANALYZER」
(日本電子社製)を使用してその写真画像の解析を行い
求めた。形状係数は100個のトナー粒子を解析して求
めたものである。
【0038】前記項目の(1)及び(2)に於いては、
この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子
が65個数%以上とすることが好ましく、より好ましく
は70個数%以上である。
【0039】この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあ
るトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像
剤搬送部材等での摩擦帯電性がより均一となり、過度に
帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面より
トナーがより交換しやすくなるために、現像ゴースト等
の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破砕
しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナーの
帯電性が安定する。
【0040】又、前記項目の(3)に於いては、この形
状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65
個数%以上とすることが必要であり、好ましくは、70
個数%以上である。
【0041】この形状係数を制御する方法は特に限定さ
れるものではない。具体的にはトナー粒子を熱気流中に
噴霧する方法、トナー粒子を気相中に於いて衝撃力によ
る機械的エネルギーを繰り返して付与する方法或いはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法
等により、形状係数を1.0〜1.6、又は1.2〜
1.6にしたトナーを作製し、これを通常のトナー中へ
本発明の範囲内になるように添加して作製する方法があ
る。又、重合法トナーを作製する段階で全体の形状を制
御し、形状係数を1.0〜1.6、又は1.2〜1.6
に調製したトナーを同様に通常のトナーへ添加して作製
する方法がある。
【0042】上記方法の中では重合法トナーが作製方法
として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均
一性に優れる点等で好ましい。
【0043】本発明のトナーの形状係数の変動係数は下
記式(2)から算出される。 式(2) 変動係数=(S/K)×100(%) 式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差
を示し、Kは形状係数の平均値を示す。
【0044】この形状係数の変動係数は16%以下であ
り、好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数
が16%以下であることにより、転写されたトナー層の
空隙が減少して転写率が向上し、「中抜け」及び「トナ
ーフィルミング」が発生しにくくなる。又、帯電量分布
がシャープとなり、画質が向上する。
【0045】重合トナーを作製する時、形状係数及び形
状係数の変動係数を、ロットのバラツキが無く、且つ均
一に制御するには、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融
着、形状制御させる工程で、形成されつつあるトナー粒
子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工
程終了時期を決めるのが好適である。
【0046】モニタリングするとは、インラインに測定
装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制
御をするという意味である。
【0047】即ち、形状等の測定装置をインラインに組
み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合或いは融
着させることで作製する重合法トナーでは、融着等の工
程で逐次サンプリングを実施して形状や粒径を測定し、
所望の形状や粒径になった時点で反応を停止する。
【0048】モニタリング方法としては、特に限定され
るものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−
2000(東亜医用電子社製)を使用することが出来
る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像
処理を行うことで形状をモニタリング出来るため好適で
ある。すなわち、反応装置よりポンプ等を使用し測定サ
ンプルを取り出し、常時モニターし、形状等の測定を行
い、所望の形状等になった時点で反応を停止するもので
ある。
【0049】本発明のトナーの個数粒度分布及び個数変
動係数はコールターカウンターTA−II或いはコールタ
ーマルチサイザー(コールター社製)で測定することが
出来る。本発明に於いてはコールターマルチサイザーを
用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機社
製)にパーソナルコンピューターを接続して行った。
【0050】個数粒度分布及び個数平均粒径は前記コー
ルターマルチサイザーに径100μmのアパーチャーを
セットして測定したデーターからコンピューターを用い
て算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー
粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、
個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。
【0051】トナーの個数粒度分布における個数変動係
数は下記式(3)から算出される。 式(3) 個数変動係数=(S/Dn)×100(%) 式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dn
は個数平均粒径(μm)を示す。
【0052】本発明のトナーの個数変動係数は27%以
下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数
が27%以下であることにより、転写されたトナー層の
空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しに
くくなる。又、帯電量分布がシャープとなり、高い転写
率が得られ画質が向上する。
【0053】本発明の個数変動係数を制御する方法は特
に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力
により分級する方法も使用出来るが、個数変動係数をよ
り小さくするためには液中での分級が効果的である。こ
の液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回
転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる遠心沈
降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し作製する方法
がある。
【0054】特に懸濁重合法によりトナーを作製する場
合、個数粒度分布に於ける個数変動係数を27%以下と
するためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、
重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所
望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すな
わち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサ
ーやホモジナイザー等による機械的な剪断を繰り返し
て、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすること
となるが、このような機械的な剪断による方法では、得
られる油滴の個数粒度分布は広いものとなる。従って、
これを重合して得られるトナーは粒度分布が広いものと
なるため、分級操作が必須となる。
【0055】本発明の角が無いトナー粒子とは、電荷の
集中するような突部又はストレスにより摩耗しやすいよ
うな突部を実質的に有しないトナー粒子を云い、具体的
には以下のトナー粒子を角が無いトナー粒子という。
【0056】すなわち、図2に示すように、トナー粒子
の長径をL、L/10を半径Rとする円で、トナー粒子
周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場
合に、全く円がトナーの外側に実質的にはみださない場
合を「角が無いトナー粒子」という。実質的にはみ出さ
ない場合とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下
をいう。又、トナー粒子の長径とは、トナー粒子の平面
上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行
線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。
【0057】角が無いトナーの測定は次のようにして行
った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大
した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写
真画像を得る。次いでこの写真画像について前記の角の
有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子につ
いて行った。
【0058】本発明のトナーに於いて、角が無いトナー
粒子の割合は50個数%以上が好ましく、70個数%以
上がより好ましい。角が無いトナー粒子の割合が50個
数%以上であることにより、現像剤搬送部材等とのスト
レスにより微細な粒子の発生等がなくなり、いわゆる現
像剤搬送部材表面に対する付着性の過度なトナーの存在
を防止することが出来るとともに、現像剤搬送部材に対
する汚染を抑制することが出来、帯電量もシャープにす
ることが出来る。又、摩耗、破断しやすいトナー粒子及
び電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少するこ
ととなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安
定し、良好な画質を長期にわたって形成することが出来
る。
【0059】角が無いトナーを得る方法は特に限定され
るものではない。具体的には、トナー粒子を熱気流中に
噴霧する方法、トナー粒子を気相中に於いて衝撃力によ
る機械的エネルギーを繰り返して付与する方法或いはト
ナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与するこ
とによって作製する方法等がある。
【0060】又、樹脂粒子を会合或いは融着させること
で形成する重合法トナーに於いては、融着停止段階では
融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でない
が、形状制御工程での温度、撹拌翼の回転数及び撹拌時
間等の条件を適当に制御することにより、角が無いトナ
ーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により
変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点
以上の温度で、高速回転することにより、表面は滑らか
となり、角が無いトナーが形成出来る。
【0061】本発明に用いるトナーの粒径は、個数平均
粒径で好ましくは2.2〜9μmのものが、より好まし
くは3〜8μmのものである。この粒径は、粉砕法によ
りトナー粒子を形成させる場合には粉砕と分級条件によ
り、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には凝集
剤の濃度や有機溶媒の添加量、又は融着時間、さらには
重合体自体の組成により制御することが出来る。
【0062】個数平均粒径が2.2〜9μmであること
により、現像工程に於いて、現像剤搬送部材に対する付
着力の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少
なくすることが出来、現像性を長期に渡って安定化する
ことが出来るとともに、高い転写率が得られ、細線やド
ット等の画質が向上する。
【0063】本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒
径をD(μm)とする時、自然対数lnDを横軸にと
り、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数
基準の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級
に含まれるトナー粒子の「相対度数(m1)と、前記最
頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相
対度数(m2)との和(M)」が70%以上であること
が好ましい。
【0064】「相対度数(m1)と相対度数(m2)と
の和(M)」が70%以上であることにより、トナー粒
子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像
形成工程に用いることにより選択現像の発生を抑制する
ことが出来る。
【0065】前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグ
ラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒
径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.
23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.
92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.
38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.
07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.
53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を
示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の
測定条件に従って、コールターマルチサイザーにより測
定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介
してコンピュータに転送し、コンピュータに於いて、粒
度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0066】測定条件 (1)測定アパーチャー径:100μm (2)サンプル調製:電解液(ISOTON R−11
(コールターサイエンティフィックジャパン社製))5
0〜100mLに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて
撹拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この
系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより測
定液を調製する。
【0067】本発明のトナーの凝集率は3〜35%であ
り、好ましくは8〜22%であり、より好ましくは9〜
18%である。3%未満であるとトナーの流動性が良す
ぎて機内にトナーが飛散し機内汚れを発生し好ましくな
い。又35%を越えると「中抜け」が発生したり、「転
写率」が低下したりして好ましくない。
【0068】凝集率とは、下記測定方法で篩上に残った
トナー質量を下記式(4)にあてはめ求めたものであ
る。
【0069】凝集率の測定は、予めトナーを20℃、5
0%RHの環境下に12時間以上放置し、同環境にてパ
ウダーテスター(ホソカワミクロン社製)に目開き篩
1:45μm、篩2:75μm、篩3:150μmの3
段の試験篩をセットし押さえバー、ノブナットで固定
し、振り幅1mmに設定し、次いでトナー2gを秤量
し、一番上の篩3に乗せ、90秒間振動を加え、篩上の
量を求めることにより行う。
【0070】式(4) 凝集率=A+B+C A=篩3上に残ったトナー質量×100/2 B=篩2上に残ったトナー質量×100/2×3/5 C=篩1上に残ったトナー質量×100/2×1/5 (トナー)本発明に好ましく用いられるトナーは、懸濁
重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量
体を乳化重合し、微粒の重合粒子を作製し、その後に、
有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で作製する
ことが出来る。会合の際にトナーの構成に必要な離型剤
や着色剤等の分散液と混合して会合させて調製する方法
や、単量体中に離型剤や着色剤等のトナー構成成分を分
散した上で乳化重合する方法等があげられる。ここで会
合とは樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを
示す。
【0071】即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応
じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構
成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンド
グラインダー、超音波分散機等で重合性単量体に各種構
成材料を溶解或いは分散させる。この各種構成材料が溶
解或いは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有し
た水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザー等を使用
しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。そ
の後、撹拌機構が後述の撹拌翼である反応装置へ移し、
加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分
散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥すること
で本発明のトナーを調製する。
【0072】尚、本発明に於ける水系媒体とは、少なく
とも水が50質量%以上含有されたものを示す。
【0073】又、本発明のトナーを作製する方法として
樹脂粒子を水系媒体中で会合或いは融着させて調製する
方法も挙げることが出来る。この方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば、特開平5−2652
52号公報や特開平6−329947号公報、特開平9
−15904号公報に示す方法を挙げることが出来る。
すなわち、樹脂粒子と着色剤等の構成材料の分散粒子、
或いは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以
上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用い
て分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析
させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点
温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に
粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量
に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、撹拌しながら
粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状
態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、トナーを
形成することが出来る。なお、ここに於いて凝集剤と同
時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
【0074】樹脂を構成する重合性単量体として使用さ
れるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、
p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン
誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタ
クリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリ
ル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アク
リル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチ
レン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピ
オン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニ
ルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビ
ニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニ
ルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これ
らビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用するこ
とが出来る。
【0075】又、樹脂を構成する重合性単量体としてイ
オン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが
さらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン
酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有す
るもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイ
ン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエ
ステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォ
ン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3
−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリ
レート等が挙げられる。
【0076】さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビ
ニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることも出来る。
【0077】これら重合性単量体はラジカル重合開始剤
を用いて重合することが出来る。この場合、懸濁重合法
では油溶性重合開始剤を用いることが出来る。この油溶
性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン
−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、
ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオ
キサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、ク
メンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキ
サイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペル
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイ
ド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,
4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、
トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等の過酸
化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始
剤等を挙げることが出来る。
【0078】又、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラ
ジカル重合開始剤を使用することが出来る。水溶性重合
開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾ
ビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げるこ
とが出来る。
【0079】分散安定剤としては、リン酸三カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メ
タケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることが出来
る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチル
セルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナ
トリウム等の界面活性剤として一般的に使用されている
ものを分散安定剤として使用することが出来る。
【0080】本発明に用いられるトナーに於いて優れた
樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好
ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガ
ラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであ
り、軟化点は高化式フローテスターで測定することが出
来る。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均
分子量(Mn)で1000〜100000、質量平均分
子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ま
しい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5
〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0081】使用される凝集剤としては特に限定される
ものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使
用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリ
ウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価
の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアル
カリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、
鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具
体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸
マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることが出来る。
これらは組み合わせて使用してもよい。
【0082】これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加す
ることが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物
の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が
発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、
乳化された成分及び分散剤自体によって大きく変化する
ものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学 1
7、601(1960)日本高分子学会編」等に記述さ
れており、詳細な臨界凝集濃度を求めることが出来る。
又、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩
を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位
を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度とし
て求めることも出来る。
【0083】本発明に用いられる凝集剤の添加量は、臨
界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃
度の1.2倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添
加することがよい。
【0084】無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対し
て無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明に於い
ては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノー
ル、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニト
リル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げ
ることが出来る。特に、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノールが好ましい。
【0085】この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤
を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%
が好ましい。
【0086】尚、形状を均一化させるためには、着色粒
子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以上
の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好まし
いが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが好
ましい。この理由としては、極性基が存在している重合
体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発揮
するために、形状の均一化が特に図られやすいものと考
えられる。
【0087】本発明に用いられるトナーは樹脂と着色剤
を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤で
ある離型剤や荷電制御剤等を含有することも出来る。さ
らに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対
して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添
加したものであってもよい。
【0088】本発明に用いられるトナーに使用する着色
剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を
任意に使用することが出来、カーボンブラックとしては
チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレン
ブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用
される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強
磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグ
ネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まな
いが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマン
ガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイス
ラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用い
る事が出来る。
【0089】染料としてはC.I.ソルベントレッド
1、同49、同52、同58、同63、同111、同1
22、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同7
7、同79、同81、同82、同93、同98、同10
3、同104、同112、同162、C.I.ソルベン
トブルー25、同36、同60、同70、同93、同9
5等を用いることが出来、又これらの混合物も用いるこ
とが出来る。顔料としてはC.I.ピグメントレッド
5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、
同139、同144、同149、同166、同177、
同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ3
1、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同1
7、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグ
リーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60
等を用いることが出来、これらの混合物も用いることが
出来る。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、
概ね10〜200nm程度が好ましい。
【0090】着色剤の添加方法としては、乳化重合法で
調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集さ
せる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重
合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とす
る方法等を使用することが出来る。なお、着色剤は重合
体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻
害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用す
ることが好ましい。
【0091】さらに、定着性改良剤としての低分子量ポ
リプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や
低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0092】荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、
且つ水中に分散することが出来るものを使用することが
出来る。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又
は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級
アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金
属塩或いはその金属錯体等が挙げられる。
【0093】尚、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒
子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500
nm程度とすることが好ましい。
【0094】いわゆる重合性単量体中に着色剤等のトナ
ー構成成分を分散或いは溶解したものを水系媒体中に懸
濁し、次いで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法トナ
ーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れを制
御することによりトナー粒子の形状を制御することが出
来る。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有する
トナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中での
媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で水系
媒体中に存在している油滴が次第に高分子化することで
油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を行う
ことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となった粒
子が得られる。又、形状係数が1.2より小さい球形の
トナー粒子を形成させる場合には、反応容器中での媒体
の流れを層流として、粒子の衝突を避けることにより球
形の粒子が得られる。この方法により、トナー形状の分
布を本発明の範囲内に制御出来るものである。
【0095】懸濁重合法に於いては、特定の撹拌翼を使
用することで、乱流を形成することが出来、形状を容易
に制御することが出来る。この理由として、明確では無
いが一般的に使用されている図3に示される様な撹拌翼
の構成が一段の場合には、撹拌槽内に形成される媒体の
流れが撹拌槽の下部より上部への壁面を伝って動く流れ
のみになる。そのため、従来では一般的に撹拌槽の壁面
等の邪魔板を配置することで乱流を形成し、撹拌の効率
を増加することがなされている。しかし、この様な装置
構成では、乱流が一部に形成されるものの、むしろ乱流
の存在によって流体の流れが停滞する方向に作用し、結
果として粒子に対するズリが少なくなるために、形状を
制御することができない。
【0096】好ましく使用することのできる撹拌翼を備
えた撹拌槽について図を用いて説明する。
【0097】図3は従来よく用いられた撹拌翼を備えた
撹拌槽の一例を示す概要図である。図4はより好ましい
撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示す概要図である。撹拌
槽の外周部に熱交換用のジャケット1を装着した縦型円
筒状の撹拌槽2内の中心部に回転軸3を垂設し、該回転
軸3に撹拌槽2の底面に近接させて配設された下段の撹
拌翼4と、より上段に配設された撹拌翼5がある。上段
の撹拌翼5は、下段に位置する撹拌翼4に対して回転方
向に先行した交差角αをもって配設されている。本発明
に於いては交差角αは90度未満がよい。この交差角の
下限は特に限定されるものでは無いが、5°程度以上、
好ましくは10度以上あればよい。これを上面断面図で
示したのが図5である。もし3段以上の場合は、それぞ
れ隣接している撹拌翼間で交差角αが90度未満であれ
ばよい。
【0098】この構成とすることで、上段に配設されて
いる撹拌翼によりまず媒体が撹拌され、下側への流れが
形成される。次いで、下段に配設された撹拌翼により、
上段の撹拌翼で形成された流れがさらに下方へ加速され
るとともにこの撹拌翼自体でも下方への流れが別途形成
され、全体として流れが加速されて進行するものと推定
される。この結果、乱流として形成された大きなズリ応
力を有する流域が形成されるために、トナーの形状を制
御できるものと推定される。
【0099】尚、図4中、矢印は回転方向を、7は上部
材料投入口を8は下部材料投入口を表す。又、9は撹拌
を有効にするための乱流形成部材である。
【0100】図5は図4の上面断面図である。ここに於
いて撹拌翼の形状については、特に限定はないが、方形
板状のもの、翼の一部に切り欠きのあるもの、中央部に
一つ以上の中孔部分、いわゆるスリットがあるもの等を
使用することが出来る。
【0101】図6は撹拌翼の形状の概要図を示す。図6
中(a)は撹拌翼に中孔部のないもの、(b)は中央に
大きな中孔部6があるもの、(c)は横長の中孔部6が
あるもの、(d)は縦長の中孔部6があるものである。
又、これらは上段と下段で中孔部6が異なるものを用い
ても、同一のものを用いても良い。
【0102】又、この撹拌翼の構成として使用すること
ができる好ましい構成の例を図7〜11に示す。
【0103】図7は下段の撹拌翼にスリットを有すると
共に端部に折り曲げと突起を有する撹拌槽の概要図を示
す。
【0104】図8は撹拌翼の端部に突起及び又は端部に
折り曲げ部を有する撹拌槽の概要図を示す。
【0105】図9は撹拌翼の構成が3段である撹拌槽の
概要図を示す。図10は上段の撹拌翼に空隙があり下段
の撹拌翼の端部に折り曲げと突起を有する撹拌槽の概要
を示す。
【0106】図11は上段の撹拌翼の端部に突起と下段
の撹拌翼の端部に折り曲げを有する撹拌槽を示す。な
お、撹拌翼の端部における折り曲げ部の角度は5〜45
度程度が好ましい。
【0107】これら折り曲げ部や上部或いは下部への突
起を有する構成を持つ撹拌翼は、乱流を効果的に発生す
るものである。
【0108】なお、上記の構成を有する上段と下段の撹
拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、撹拌翼の
間に間隙を有していることが好ましい。この理由として
は明確では無いが、その間隙を通じて媒体の流れが形成
されるため、撹拌効率が向上するものと考えられる。但
し、間隙としては、静置状態での液面高さに対して0.
5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅である。
【0109】さらに、撹拌翼の大きさは特に限定される
ものでは無いが、全撹拌翼の高さの総和が静置状態での
液面高さの50〜100%、好ましくは60〜95%が
よい。
【0110】又、懸濁重合法に於いて層流を形成させる
場合に使用される撹拌翼及び撹拌槽の一例を図4に示
す。撹拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障
害物を設けないことが特徴である。撹拌翼の構成につい
ては、前述の乱流を形成させる場合に使用される撹拌翼
と同様に、上段の撹拌翼が、下段の撹拌翼に対して回転
方向に先行した交差角αを持って配設された、多段の構
成とすることが好ましい。
【0111】この撹拌翼の形状については、乱流を形成
させないものであれば特に限定されないが、図4の方形
板状のもの等、連続した面により形成されるものが好ま
しく、曲面を有していてもよい。
【0112】一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合或いは
融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器内
の媒体の流れ及び温度分布を制御することで、さらには
融着後の形状制御工程に於いて加熱温度、撹拌回転数、
時間を制御することで、トナー全体の形状分布及び形状
を任意に変化させることが出来る。
【0113】即ち、樹脂粒子を会合或いは融着させる重
合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の
温度分布を均一化することができる撹拌翼及び撹拌槽を
使用して、融着工程及び形状制御工程での温度、回転
数、時間を制御することにより、本発明の形状係数及び
均一な形状分布を有するトナーを形成することが出来
る。この理由は、層流を形成させた場で融着させると、
凝集及び融着が進行している粒子(会合或いは凝集粒
子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加速された
層流に於いては撹拌槽内の温度分布が均一である結果、
融着粒子の形状分布が均一になると推定される。さら
に、その後の形状制御工程での加熱、撹拌により融着粒
子は徐々に球形化し、トナー粒子の形状を任意に制御出
来る。
【0114】樹脂粒子を会合或いは融着させる重合法ト
ナーに使用される撹拌翼及び撹拌槽としては、前述の懸
濁重合法に於いて層流を形成させる場合と同様のものが
使用でき、例えば図11に示すものが使用出来る。撹拌
槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を設
けないことが特徴である。撹拌翼の構成については、前
述の懸濁重合法に使用される撹拌翼と同様に、上段の撹
拌翼が、下段の撹拌翼に対して回転方向に先行した交差
角αを持って配設された、多段の構成とすることが好ま
しい。
【0115】この撹拌翼の形状についても、前述の懸濁
重合法に於いて層流を形成させる場合と同様のものが使
用でき、乱流を形成させないものであれば特に限定され
ないが、図4の方形板状のもの等、連続した面により形
成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0116】又、本発明のトナーには、外添剤として無
機微粒子や有機微粒子等の微粒子を添加して使用するこ
とが出来る。外添剤を添加することによりトナーの流動
性の向上、帯電特性維持等をはかることが出来る。
【0117】この無機微粒子としては、シリカ、チタニ
ア及びアルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、
さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチ
タンカップリング剤等によって疎水化処理されているこ
とが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定され
るものでは無いが、疎水化度(メタノールウェッタビリ
ティー)が40〜95のものが好ましい。メタノールウ
ェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評
価するものである。この方法は、内容量200mLのビ
ーカー中に入れた蒸留水50mLに、測定対象の無機微
粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液
体中に浸せきされているビュレットから、ゆっくり撹拌
した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下
する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタ
ノールの量をa(mL)とした場合に、下記式(5)に
より疎水化度が算出される。
【0118】 式(5) 疎水化度=(a/(a+50))×100 外添剤の添加量としては、好ましくはトナー中に0.1
〜5.0質量%、より好ましくは0.5〜4.0質量%
である。又、外添剤としては種々のものを組み合わせて
使用してもよい。
【0119】次に、本発明に係る数値について、従来知
られているトナーの数値を説明する。この数値は作製方
法により異なるものである。
【0120】粉砕法により作製したトナーの場合、形状
係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子は60個
数%程度である。このものの形状係数の変動係数は20
%程度である。又、粉砕法では破砕を繰り返しながら粒
径を小さくするために、トナー粒子に角部分が多くな
り、角が無いトナー粒子の割合は30個数%以下であ
る。従って、形状を揃えて、角が無く、丸みのあるトナ
ーを得ようとする場合には、形状係数を制御する方法と
して前記した様に熱等により球形化する処理が必要とな
る。又、個数粒度分布における個数変動係数は、粉砕後
の分級操作が1回である場合には、30%程度であり、
個数変動係数を27%以下とするためには、さらに分級
操作を繰り返す必要がある。
【0121】懸濁重合法により作製したトナーの場合、
従来は層流中に於いて重合されるため、ほぼ真球状のト
ナー粒子が得られ、例えば特開昭56−130762号
公報に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.
6の範囲にあるトナー粒子が20個数%程度となり、又
形状係数の変動係数も18%程度となり、更に角が無い
トナー粒子の割合も85個数%程度となる。又、個数粒
度分布における個数変動係数を制御する方法で記した様
に、重合性単量体の大きな油滴を、機械的な剪断を繰り
返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくする
ため、油滴径の分布は広くなり、従って得られるトナー
の粒度分布は広く、個数変動係数は32%程度と大きい
ものであり、個数変動係数を小さくするためには分級操
作が必要である。
【0122】樹脂粒子を会合或いは融着させることで形
成する重合法により作製したトナーの場合、例えば特開
昭63−186253号公報に記載されたトナーでは、
形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子は6
0個数%程度であり、又形状係数の変動係数は18%程
度であり、更に角が無いトナー粒子の割合は55個数%
程度である。さらに、トナーの粒度分布は広く、個数粒
度分布における個数変動係数は30%であり、個数変動
係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0123】(感光体)本発明に用いられる感光体は、
導電性支持体上に感光層を設けてなる構成であって、感
光層は下引き層と表面層から成り、表面層は電荷発生層
と電荷輸送層から成り、該感光層の表面層が平均分子量
10,000〜100,000のポリカーボネートを含
有するものである。好ましくは感光体が表面保護層を有
し、且つ該表面保護層が架橋構造を有するシロキサン樹
脂を含有するものであり、より好ましくは前記シロキサ
ン樹脂を含有する表面保護層が電荷輸送性の構造単位を
架橋構造の一部に含むものである。
【0124】表面層のバインダー樹脂としては、平均分
子量10,000〜100,000のポリカーボネート
を用いると耐トナーフィルミング性等の点で好ましい。
ポリカーボネートの平均分子量が10,000未満の場
合は表面層の膜強度が弱くなり、100,000を越え
ると表面層が不均一になり好ましくない。
【0125】シロキサン樹脂を含有する表面保護層は感
光体の寿命を延ばすと共に、トナーフィルミングされに
くく耐トナーフィルミング性の観点からも好ましい。
【0126】本発明に用いられる感光体の層構成は、特
に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷
発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を
有する単層型感光層)等の感光層とその上に保護層を塗
設した構成をとるのが好ましい。又、前記電荷発生層、
電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各層が複数
の層から構成されていてもよい。
【0127】感光層に含有される電荷発生物質(CG
M)としては、例えばフタロシアニン顔料、多環キノン
顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナク
リドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリウム染料、
シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、
キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色
素等が挙げられ、これらの電荷発生物質(CGM)は単
独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われ
る。
【0128】前記感光層に含有される電荷輸送物質(C
TM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリ
ジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベン
ジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、
アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビ
ニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質
(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0129】単層構成の感光層及び積層構成の場合の電
荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有され
るバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテ
ート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マ
レイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール
等が挙げられる。
【0130】本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダー樹脂との割合は質量比で1:5〜5:1
が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ま
しく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0131】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は質量比で3:1〜1:3が好ま
しい。
【0132】電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特
に10〜40μmが好ましい。又、電荷輸送層が複数設
けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μ
m以下が好ましく、且つ電荷輸送層の上層の下に設けら
れた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0133】架橋構造を有するシロキサン系樹脂層は、
前記電荷輸送層を兼ねても良いが、好ましくは電荷輸送
層もしくは電荷発生層或いは単層型の電荷発生・輸送層
等の感光層の上に、これらとは別層として設けるのがよ
い。この場合、前記感光層と本発明の樹脂層の間に接着
層を設けるのが更に良い。
【0134】本発明に用いられる導電性支持体の材料と
しては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、
ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベ
ルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられ
る。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが
好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された
薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0135】本発明に用いられる電荷輸送性能を有する
構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹
脂を形成するための架橋性(硬化性ともいう)シロキサ
ン樹脂は公知の方法により、即ち、水酸基或いは加水分
解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造される。
該有機ケイ素化合物は下記一般式(A)〜(D)のいず
れかの構造を有している。
【0136】
【化1】
【0137】式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直
接結合した形の有機基を表し、Zは水酸基又は加水分解
性基を表す。
【0138】上記一般式中のZが加水分解性基の場合
は、加水分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチ
ルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキ
シ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メ
トキシエトキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示される
ケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニ
ル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ
−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキ
シプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メ
タ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3
−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、
ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプ
ロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−
β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ
基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプ
ロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチル
エチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換ア
ルキル基等を挙げることができる。又、R1〜R6はそれ
ぞれの有機基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0139】本発明に用いられる電荷輸送性能を有する
構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹
脂を形成する硬化性シロキサン樹脂の原料として用いら
れる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結
合している加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素
化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4
のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4
では高度に架橋反応を進めることが可能である。従っ
て、これらをコントロールすることにより得られる塗布
層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来
る。
【0140】又、前記硬化性樹脂の原料としては前記有
機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で加水分
解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分解縮合
物を用いることもできる。
【0141】尚、硬化性シロキサン樹脂とは前記の如
く、予め有機ケイ素化合物を重合させシロキサン結合を
有するオリゴマー、ポリマーとしたものである。そして
さらに重合や架橋反応により3次元網目構造を形成し、
硬化する能力を持つ樹脂を意味する。即ち、シロキサン
結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解反応とその後
の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ、その結果
生成したシロキサン樹脂を意味する。
【0142】又、前記表面層は硬化性シロキサン樹脂中
に水酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカ
を含ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ
樹脂層としてもよい。
【0143】電荷輸送性能の定義としては、通常のTi
me−Of−Flight法の電荷輸送能を検知できる
公知の方法にて、電荷輸送に起因する検出電流が得られ
るものとして表現することがきる。
【0144】本発明に於いて、電荷輸送性能を有する構
造単位とはこの部分構造自体が電子或いは正孔のドリフ
ト移動度を有する性質を示すもの(電荷輸送能付与基)
である。本発明に用いるシロキサン樹脂は、電荷輸送物
質として用いられる化合物(以後電荷輸送性化合物又は
CTMとも云う)を部分構造として有しているか、これ
と反応して部分構造とすることが出来る樹脂である。
【0145】上記電荷輸送性化合物としは、例えば正孔
輸送型CTM:キサゾール、オキサジアゾール、チアゾ
ール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イ
ミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾ
ン、ベンジジン、ピラゾリン、スチルベン、アミン、オ
キサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、
キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、
アミノスチルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン
などの化学構造を有するものである。
【0146】一方、電子輸送型CTMとしては、無水コ
ハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリ
ット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テト
ラシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベン
ゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニ
トロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロ
ルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナ
フトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラ
キノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラ
キノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニト
ロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレ
ニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ
−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニト
リル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安
息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリ
チル酸、フタル酸、メリット酸等の構造を有する。
【0147】好ましい電荷輸送能付与基は、前記の如き
通常用いられる電荷輸送性化合物を含み、該電荷輸送性
化合物を構成する炭素原子を介して或いは該電荷輸送性
化合物を部分構造として有する化合物の炭素原子を介し
て下記一般式中Yの連結原子又は連結基を介して硬化性
シロキサン樹脂中に組み込まれているか、あるいは組み
込まれるものである。
【0148】
【化2】
【0149】Xは電荷輸送能付与基であって、該付与基
を構成する炭素原子を介して式中のYと結合する基、Y
は隣接する結合原子(SiとC)を除いた2価以上の原
子又は基である。但し、Yが3価以上の原子の時は上式
中のSiとC以外のYの結合手は結合が可能な前記硬化
性樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他
の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0150】又、上記一般式で示される化合物におい
て、Y原子として、特に酸素原子(O)、硫黄原子
(S)、窒素原子(N)が好ましい。窒素原子(N)の
場合は、NRとなり、Rは水素原子または1価の有機基
を表す。
【0151】電荷輸送付与基Xは上記一般式中では1価
の基として図示されているが、シロキサン硬化性樹脂と
反応させる電荷輸送性化合物が2つ以上の反応性官能基
を有している場合は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリ
ンク基として接合してもよく、単にペンダント基として
接合していてもよい。
【0152】前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞ
れ電荷輸送能を有する化合物中に導入された水酸基、メ
ルカプト基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有
する有機珪素化合物との反応によって形成され、硬化性
シロキサン樹脂中に電荷輸送化合物を部分構造として取
り込む連結基である。
【0153】次に水酸基、メルカプト基、アミン基を有
する電荷輸送性化合物についてさらに具体的に説明す
る。
【0154】水酸基を有する電荷輸送性化合物は、通常
用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有して
いる化合物である。即ち、代表的には有機ケイ素化合物
と結合して、シロキサン系樹脂層を形成することが出来
る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げること
ができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷
輸送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であれば
よい。
【0155】X−(R7−OH)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送能付与基、 R7:結合手、各置換または無置換のアルキレン基或い
はアリーレン基、 m:1〜5の整数である。
【0156】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を
電荷輸送能付与基(X)として有し、Xを構成する炭素
原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、アリ
ーレン基を介して水酸基を有する化合物である。
【0157】本発明では感光体上に帯電、像露光を行っ
て形成した静電潜像を、現像剤にて現像し形成したトナ
ー画像を接触転写方式を用いて転写材に転写しその後分
離、定着及びクリーニングの各工程を繰り返して、多数
枚の画像が形成される。
【0158】(転写ロール)感光体表面から転写材への
トナー画像の転写は、転写ロールを感光体に弾性的に押
圧し、且つバイアス電圧印加下にトナー画像の転写が行
われる。前記転写ロールとしては、ゴム或いは多孔性発
泡体等から成る弾性体が用いられる。例えば(1)ブリ
ヂストン社製イオン導電タイプ、(2)ブリヂストン社
製電子導電タイプ、(3)トーヨーポリマー社製発泡ウ
レタンルビセルタイプ、(4)住友ゴム工業社製イオン
導電タイプ、(5)住友ゴム工業社製EPDMタイプ、
(6)住友ゴム工業社製エピクロロヒドリンタイプ、
(7)イノアックコーポレーション社製ENDURイオ
ン導電タイプ、(8)タイガースポリマー社製発泡シリ
コーンタイプ、(9)北辰工業社製発泡ウレタンタイ
プ、(10)信越ポリマー社製発泡シリコーンタイプ或
いは(11)日東工業社製カーボンブラック含有ルビセ
ル発泡タイプ等の各種タイプの転写ロールが挙げられる
が、好ましくは発泡タイプのものである。
【0159】本発明に用いられる画像形成方法では、感
光体表面のトナー画像を転写材へ良好に転写をするに
は、感光体に対する転写ロールの押圧力は2.5〜10
0kPaが好ましく、10〜80kPaがより好まし
い。
【0160】前記押圧力が2.5〜100kPaである
と、トナー画像の転写が十分となり、又感光体表面へト
ナー中の離型剤が転写されることを防止出来、画像欠陥
の発生も防止出来る。又、転写ロールの押圧解除の際の
衝撃が小さくなり、転写ズレによる画像欠陥を防止し、
感光体の損傷等も防止出来る。
【0161】又、前記転写ロールに求められる特性とし
ては、例えば反発弾性率、電気抵抗、表面硬度等が重要
である。
【0162】前記転写ロールの弾性体の反発弾性率とし
ては、好ましくは30〜70%である。前記反発弾性が
30〜70%であるとトナー画像の転写に十分な感光体
への押圧力が得られるので、良好な転写率が得られ、且
つ転写時の衝撃が小さく出来るので、転写ズレ等の画像
欠陥の発生を防止出来る。なお前記反発弾性率はJIS
K7311の測定法により測定される。
【0163】又、前記転写ロールはトナー画像転写のた
めのバイアス電圧印加を可能とするため適度の導電性が
必要であり、下記測定法で測定した電気抵抗値が1×1
3〜1×1013Ωであることが好ましい。
【0164】測定法 直径16mm、長さ310mmの回転軸の上に肉厚4m
mの弾性体をもうけた転写ロールを、直径30mmのア
ルミニウム素管に17kPaの力で押圧し、20℃、5
0%RHの環境下で、転写ロールの回転軸とアルミニウ
ム素管間の電気抵抗値を測定する。
【0165】又前記弾性体のアスカーC硬度計による表
面硬度は20〜70度が好ましい。アスカーC硬度が2
0〜70度の硬度を有する弾性体からなる転写ロール
は、転写が適正に行われ、転写ズレ等の画像欠陥が発生
せず好ましい。
【0166】本発明の多数枚の画像を形成する画像形成
方法に用いた画像形成装置を図に基づいて説明する。
【0167】尚、本発明の多数枚の画像を形成する画像
形成方法とは、感光体上に帯電、像露光を行って形成し
た静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤
にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を用い
て転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニング
を行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形
成する画像形成方法を云う。
【0168】図12は転写ロールを用いた画像形成装置
の一例を示す概略構成図である。図12に於いて感光体
10は矢印方向に回転する有機感光体であり、11は前
記感光体に一様な帯電を付与する帯電器であり、帯電器
はコロナ放電器、ローラ帯電器、磁気ブラシ帯電器であ
ってもよい。12はアナログ像露光又は半導体レーザ
ー、発光ダイオード等を用いたデジタル像露光光であ
り、該像露光光により感光体上に静電潜像が形成され
る。この静電潜像は体積平均粒径2.2〜9μmの微粒
子トナーを含有する現像剤を収納する現像器13により
接触又は非接触で現像されて、前記感光体上にトナー画
像が形成される。
【0169】前記トナー画像はタイミングを合わせて搬
送された転写材P上に転写ロール15により直流バイア
ス印加下、感光体への押圧力2.5〜100kPa、好
ましくは10〜80kPaで転写される。
【0170】前記転写ロール15へバイアス印加する直
流バイアスの電源16は、好ましくは定電流電源又は定
電圧電源であり、前記定電流電源の場合は5〜15μA
であり、定電圧電源の場合は絶対値で400〜1500
Vである。
【0171】前記転写ロール15により画像が転写され
た転写材Pは感光体10から分離極14により分離され
図示しない定着器へと搬送されて加熱定着される。
【0172】転写後の感光体表面は、クリーニングブレ
ード17によりクリーニングされ、その後除電ランプ
(PCL)18で除電されて次の画像形成に備えられ
る。なお19は給紙ローラであり、20は定着器であ
る。
【0173】(中間転写体)感光体から転写材へトナー
画像の転写は、中間転写体を用いる方式でも行うことが
出来る。即ち、各々4色の現像剤ごとに画像形成部(画
像形成ユニット)を設け、各画像形成部に於いて各感光
体に各色ごとの可視画像を形成し、これら可視画像を中
間転写体に順次転写し、一括して転写材(通常は普通紙
であるが、転写可能なものであれば特に限定はない)に
転写後、定着してカラー画像を得る方式にも好ましく用
いることが出来る。
【0174】複数色の画像を画像形成部にて形成し、こ
れを同一中間転写体に順次重ねて転写するようにした画
像形成方法を図に基づいて説明する。
【0175】図13は中間転写体(転写ベルト)を用い
た画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0176】図13に於いて、カラー画像を得るため画
像形成装置は、複数個の画像形成ユニットを備え、各画
像形成ユニットにてそれぞれ色の異なる可視画像(トナ
ー画像)を形成し、該トナー画像を同一中間転写体に順
次重ねて転写するような画像形成方法である。
【0177】ここでは、第1、第2、第3及び第4の画
像形成ユニットPa,Pb,Pc及びPdが並設されて
おり、該画像形成部はそれぞれ静電潜像形成体である感
光体1a,1b,1c及び1dを具備している。
【0178】感光体1a、1b、1c及び1dはその外
周側に潜像形成部2a,2b,2c及び2d、現像部3
a,3b,3c及び3d、転写放電部4a,4b,4c
及び4d、クリーニング部材及びゴムブレードを有する
クリーニング器5a,5b,5c及び5d、帯電器6
a,6b,6c及び6dが配置されている。
【0179】このような構成にて、先ず、第1画像形成
ユニットPaの感光体1a上に潜像形成部2aによって
原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成
される。該潜像は現像部3aのイエロートナーを含有す
る現像剤で可視画像とされ、転写放電部4aにて、転写
ベルト21に転写される。
【0180】一方、上記のようにイエロートナー画像が
転写ベルト21に転写されている間に、第2画像形成ユ
ニットPbではマゼンタ成分色の潜像が感光体1b上に
形成され、続いて現像部3bでマゼンタトナーを含有す
る現像剤で可視画像とされる。この可視画像(マゼンタ
トナー画像)は、上記の第1画像形成ユニットPaでの
転写が終了した転写ベルトが転写放電部4bに搬入され
たときに、該転写ベルト21の所定位置に重ねて転写さ
れる。
【0181】以下、上記と同様な方法により第3,第4
の画像形成ユニットPc,Pdによってシアン成分色、
ブラック成分色の画像形成が行われ、上記同一の転写ベ
ルト上に、シアントナー画像、ブラックトナー画像が重
ねて転写される。このような画像形成プロセスが終了し
た時点で、転写ベルト21上に多色重ね合せ画像が得ら
れる。一方、転写が終了した各感光体1a,1b,1c
及び1dはクリーニング器5a,5b,5c及び5dに
より残留トナーが除去され、引き続き行われる次の潜像
形成のために供せられる。
【0182】尚、前記画像形成装置では、転写ベルト2
1が用いられており、図13に於いて、転写ベルト21
は右側から左側へと搬送され、その搬送過程で、各画像
形成ユニットPa,Pb,Pc及びPdにおける各転写
放電部4a,4b,4c及び4dを通過し、各色転写画
像が転写される。
【0183】転写ベルト21が第4画像形成ユニットP
dを通過すると、AC電圧が分離除電放電器22dに加
えられ、転写ベルト21は除電され、転写材Pにトナー
像が一括転写される。その後転写材Pは定着装置23に
入り、定着され、排出口25から排出される。
【0184】尚、図中、22a、22b、22c及び2
2dは分離除電放電器である。又、トナー像の転写を終
えた転写ベルト21は、ブラシ状クリーニング部材とゴ
ムブレードを併用したクリーニング器24により、転写
残トナーがクリーニングされて、次の画像形成に備えら
れる。
【0185】尚、前記した如く、搬送ベルトの如き長尺
の転写ベルト21を用いて、その上に多色重ね合わせ像
を作り、それを転写材に一括転写する構成にしても、そ
の画像形成ユニットにそれぞれ独立した転写ベルトを具
備させ、それから転写材へ、順次各転写ベルトから転写
する構成にしてもよい。
【0186】尚、前記転写ベルトとしては、例えばポリ
イミド、ポリエーテル、ポリアミド或いはテトラフルオ
ロエチレン・パーフルオロビニルエーテル共重合体等の
表面抵抗が1014Ω以上で、厚さ20μm程度の高抵抗
フィルムの上に、フッ素系又はシリコン系樹脂に導電剤
を添加して表面抵抗を105〜108Ωとした5〜15μ
m厚の離型層を設けて成るエンドレスフィルムが用いら
れる。
【0187】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明するが、
本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0188】〈トナーの作製〉 (トナー作製1:乳化重合会合法)20L容器にn−ド
デシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0Lを
入れ撹拌溶解した。この溶液に、リーガル330R(キ
ャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に
加え、1時間よく撹拌した後に、サンドグラインダー
(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。こ
の分散液を「着色剤分散液1」とした。又、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交
換水4.0Lからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液
A」とした。
【0189】ノニルフェノールポリエチレンオキサイド
10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0L
からなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とした。
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0L
に溶解した溶液を「開始剤溶液C」とした。
【0190】温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付
けた100LのGL(グラスライニング)反応釜に、ワ
ックスエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロ
ピレンエマルジョン:数平均一次粒子径120nm、固
形分濃度29.9質量%)3.41kgと「アニオン界
面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」
全量とを入れ、撹拌を開始した。撹拌翼の構成は図4の
構成とした。次いで、イオン交換水44.0Lを加え
た。次いで、加熱を開始し、液温度が75℃になったと
ころで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その
後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン1
2.1kg、アクリル酸n−ブチル2.88kgとメタ
クリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン5
48gをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了
後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を
行った。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停
止し、ポールフィルターで濾過し、この濾液を「ラテッ
クスA」とした。
【0191】尚、「ラテックスA」中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は57℃、軟化点は121℃、質量平均分子
量は1.27万、質量平均粒径は120nmであった。
【0192】又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解した
溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とした。又、ノニ
ルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物
0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶液
を「ノニオン界面活性剤溶液E」とした。
【0193】過硫酸カリウム(関東化学社製)200.
7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始
剤溶液F」とした。
【0194】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛
形バッフルを付けた100LのGL反応釜(撹拌翼の構
成は図10)に、ワックスエマルジョン(数平均分子量
3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒
子径120nm、固形分濃度29.9質量%)3.41
kgと「アニオン界面活性剤溶液D」全量と「ノニオン
界面活性剤溶液E」全量を入れ、撹拌を開始した。次い
で、イオン交換水44.0Lを投入した。次いで、加熱
を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤
溶液F」を添加した。次いで、スチレン11.0kg、
アクリル酸n−ブチル4.00kg、メタクリル酸1.
04kg及びt−ドデシルメルカプタン9.02gをあ
らかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度
を72℃±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。
次いで、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱
撹拌を行った。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹
拌を停止した。ポールフィルターで濾過し、この濾液を
「ラテックスB」とした。
【0195】尚、「ラテックスB」中の樹脂粒子のガラ
ス転移温度は58℃、軟化点は132℃、質量平均分子
量は24.5万、質量平均粒径は110nmであった。
【0196】塩析剤としての塩化ナトリウム5.36k
gをイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナ
トリウム溶液G」とした。
【0197】フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gを
イオン交換水1.00Lに溶解した溶液を「ノニオン界
面活性剤溶液H」とした。
【0198】温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒
径及び形状のモニタリング装置を付けた100LのSU
S反応釜(撹拌翼の構成は図10)に、上記で作製した
「ラテックスA」20.0kg、「ラテックスB」5.
2kg、「着色剤分散液1」0.4kg、及びイオン交
換水20.0kgを入れ撹拌した。次いで、40℃に加
温し、「塩化ナトリウム溶液G」、イソプロパノール
(関東化学社製)6.00kg、「ノニオン界面活性剤
溶液H」をこの順に添加した。その後、10分間放置し
た後に、昇温を開始し、液温度を60分かけ85℃まで
昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間加熱撹拌して塩
析/融着させながら粒径成長させた。次に純水2.1L
を添加して粒径成長を停止させ「融着粒子分散液」を作
製した。
【0199】温度センサー、冷却管、粒径及び形状のモ
ニタリング装置を付けた5Lの反応容器(撹拌翼の構成
は図7)に、上記で作製した「融着粒子分散液」5.0
kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、0.5〜15時
間加熱撹拌して形状制御した。その後、40℃以下に冷
却し撹拌を停止した。次に遠心分離機を用いて、遠心沈
降法により液中にて分級を行い、目開き45μmの篩い
で濾過し、この濾液を「会合液」とした。次いで、ヌッ
チェを用いて、会合液よりウェットケーキ状の「非球形
状粒子」を濾取した。その後、イオン交換水で洗浄し
た。
【0200】この「非球形状粒子」をフラッシュジェッ
トドライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、次
いで流動層乾燥機を用いて60℃の温度でさらに乾燥さ
せ「着色粒子」を作製した。得られた「着色粒子」の1
00質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキ
サーにて外添混合して乳化重合会合法による「トナー」
を作製した。
【0201】前記塩析/融着段階及び形状制御工程のモ
ニタリングに於いて、撹拌回転数及び加熱時間を制御す
ることにより、形状及び形状係数の変動係数を制御し、
さらに液中分級により、形状係数の変動係数、個数粒度
分布における個数変動係数及び凝集率を任意に調整し
て、表1及び2に示す「トナー1〜50」を作製した。
【0202】
【表1】
【0203】
【表2】
【0204】(トナー作製2:乳化重合会合法)トナー
作製1に於いて、着色剤をカーボンブラックの代わりに
ベンジジン系イエロー顔料を1.05kg使用した他は
同様にして、表3に示す「トナー51〜59」を作製し
た。
【0205】(トナー作製3:乳化重合会合法)トナー
作製1に於いて、着色剤をカーボンブラックの代わりに
キナクリドン系マゼンタ顔料を1.20kg使用した他
は同様にして、表3に示す「トナー60〜68」を作製
した。
【0206】(トナー作製4:乳化重合会合法)トナー
作製1に於いて、着色剤をカーボンブラックの代わりに
フタロシアニン系シアン顔料を0.60kg使用した他
は同様にして、表3に示すトナー69〜77を作製し
た。
【0207】
【表3】
【0208】(トナー作製5:懸濁重合法)2L容器に
スチレン165g、n−ブチルアクリレート35g、カ
ーボンブラック10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属
化合物2g、スチレン−メタクリル酸共重合体8g及び
パラフィンワックス(mp=70℃)20gを入れ、6
0℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)
にて12000rpmで均一に溶解、分散した。これに
重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロ
ニトリル)10gを加えて溶解し、「重合性単量体組成
物」を調製した。次いで、イオン交換水710gに0.
1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TKホモミ
キサーにて13000rpmで撹拌しながら1.0M塩
化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを
分散させた「懸濁液」を調製した。この「懸濁液」に前
記「重合性単量体組成物」を添加し、TKホモミキサー
にて10000rpmで20分間撹拌し、重合性単量体
組成物を「造粒」した。その後、撹拌翼の構成を図6
(b)とした反応装置を使用し、75〜95℃にて5〜
15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶
解除去し、次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により
液中にて分級を行い、次いで濾過、洗浄、乾燥させ「着
色粒子」を作製した。得られた「着色粒子」の100質
量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーに
て外添混合して懸濁重合法による「トナー」を作製し
た。
【0209】前記重合時にモニタリングを行い、液温
度、撹拌回転数、及び加熱時間を制御することにより、
形状及び形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級
により、形状係数の変動係数、個数粒度分布における個
数変動係数及び凝集率を任意に調整して、表4に示す
「トナー78〜83」を作製した。
【0210】
【表4】
【0211】(トナー作製6:懸濁重合法)トナー作製
5に於いて、撹拌翼の構成を図7としたこと、及び遠心
分離機を用いた液中での分級を行わなかった他は同様に
して、表4に示す「トナー84」を作製した。
【0212】 〈感光体の作製〉 (感光体1の作製) 《下引き層》 チタンキレート化合物(TC−750、松本製薬株式会社製) 30g シランカップリング剤(KBM−503、信越化学株式会社製) 17g 2−プロパノール 150mL を混合溶解し「下引き層塗布液」を調製した。この塗布
液を用いて径60mmの円筒型のアルミニウム支持体上
に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.5μmの「下引き層」
を形成した。
【0213】 《電荷発生層》 Y型チタニルフタロシアニン 60g シリコーン変性ブチラール樹脂 700g (X−40−1211M、信越化学株式会社製) t−ブタノール 1600mL 2−メトキシメチルペンタノン 400mL を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、「電荷
発生層塗布液」を調製した。この塗布液を前記「下引き
層」の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの「電
荷発生層」を形成した。
【0214】 《電荷輸送層》 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−(4−β− 225g フェニルスチリルフェニル)−p−トルイジン) ビスフェノールZ型ポリカーボネート 300g (平均分子量50,000) 酸化防止剤(化合物1) 6g ジクロロメタン 2000mL
【0215】
【化3】
【0216】を混合し、溶解して「電荷輸送層塗布液」
を調製した。この塗布液を前記「電荷発生層」の上に浸
漬塗布法で塗布した後、100℃で60分間乾燥を行
い、膜厚25μmの「電荷輸送層」を形成し「感光体
1」を作製した。
【0217】(感光体2の作製)感光体1と同様に「電
荷発生層」までを形成した。
【0218】 《電荷輸送層》 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−(4−β− 225g トリルスチリルフェニル)−p−アニシジン) ビスフェノールZ型ポリカーボネート 300g (平均分子量30,000) 酸化防止剤(化合物1) 6g ジクロロメタン 2000mL を混合し、溶解して「電荷輸送層塗布液」を調製した。
この塗布液を前記「電荷発生層」の上に浸漬塗布法で塗
布した後、100℃で60分間乾燥を行い、膜厚25μ
mの「電荷輸送層」を形成し「感光体2」を作製した。
【0219】(感光体3の作製)感光体1の「電荷発生
層」上に感光体1の「電荷輸送層塗布液」を浸漬塗布法
で塗布した後、100℃で60分間乾燥を行い、膜厚2
3μmの「電荷輸送層」を形成した。
【0220】 《表面保護層》 メチルメトキシシラン 182g 電荷輸送物質(化合物2) 40g 酸化防止剤(化合物3) 1g 2−プロパノール 225g 2%酢酸 106g コロイダルシリカ 106g ジブチル錫アセテート 1g
【0221】
【化4】
【0222】を混合し、「表面保護層用塗布液」を調製
した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円形量規制塗
布装置により厚さ2μmの層を形成した後、100℃で
60分間加熱硬化を行い、架橋構造を有する「シロキサ
ン系表面保護層」を形成し「感光体3」を作製した。
【0223】〈転写ロール〉転写ロールとしては下記
「転写ロール1及び2」を用いた。
【0224】 前記転写ロール1及び2の印加電圧は−1000Vとし
た。
【0225】〈転写ベルト〉転写ベルトとしては下記
「転写ベルト」を用いた。
【0226】「転写ベルト」は、ポリイミドフィルム
(表面抵抗1014Ω、厚さ20μmの高抵抗フィルム)
の上に、フッ素系樹脂に導電剤を添加して表面抵抗を7
×10 6Ωとした10μmの厚さの離型層を設けてなる
エンドレスフィルム。
【0227】〈現像剤の作製〉「トナー1〜84」の各
々とシリコーン樹脂で被覆した65μmの「フェライト
キャリア」を、トナー/キャリア=50g/950gの
割合で混合して、評価用の「現像剤1〜84」を作製し
た。
【0228】〈評価〉 1.転写ロールを用いた高速プリンターでの評価 評価は、コニカ株式会社製の高速プリンター「Siti
os 7075」(プリント速度75枚/min)を用
いて行った。
【0229】(評価方法)前記「トナー1〜50、78
〜84」、前記「現像剤1〜50、78〜84」を用
い、ベタ黒、中間調、文字及び白紙部があるB4版オリ
ジナル画像(10%被覆率画像)を前記プリンターに前
記「感光体1〜3」と前記「転写ロール1及び2」を取
り付けた改造機で連続プリントし、100万枚目の「転
写率」、「中抜けの発生」及び「トナーフィルミングの
発生」の評価を行った。クリーニングユニットから回収
されたトナーは現像器に戻さず、袋に取った。
【0230】(評価結果) 「転写率」下記式(6)により転写率(%)を求めた。
【0231】式(6)転写率(%)={1−(回収トナ
ーの質量/消費トナーの質量)}×100 「中抜けの発生」文字の中抜けの発生の有無を目視にて
観察した。
【0232】評価基準は 中抜けの発生無し ○ 中抜けの発生有り × 「トナーフィルミングの発生」感光体表面にトナーフィ
ルミングの発生の有無を目視にて観察した。
【0233】評価基準は トナーフィルミングの発生無し ○ トナーフィルミングの発生有り × 評価結果を表5、6に示す。
【0234】
【表5】
【0235】
【表6】
【0236】2.転写ベルトを用いたカラープリンター
での評価 前記「トナー60〜77」、前記「現像剤60〜77」
を用い、ベタ黒、中間調、文字及び白紙部があるB4版
オリジナル画像(10%被覆率画像)を図13に示した
「転写ベルトを用いた画像形成装置」に前記「感光体
3」と前記「転写ベルト」を取り付け、連続コピーし、
50万枚目の「転写率」、「中抜けの発生」及び「トナ
ーフィルミングの発生」の評価を行った。クリーニング
ユニットから回収されたトナーは現像器に戻さず、袋に
取った。
【0237】(評価結果) 「転写率」前記式(6)により転写率(%)を求めた。
【0238】「中抜けの発生」文字部の中抜けの発生の
有無を目視にて観察した。
【0239】評価基準は 中抜けの発生無し ○ 中抜けの発生有り × 「トナーフィルミングの発生」感光体表面にトナーフィ
ルミングの発生の有無を目視にて観察した。
【0240】評価基準は トナーフィルミングの発生無し ○ トナーフィルミングの発生有り × 評価結果を表7に示す。
【0241】
【表7】
【0242】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明は上記問
題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするとこ
ろは、接触転写方式で画像の中抜け欠陥、転写率低下及
び感光体へのトナーフィルミングの問題が発生しないト
ナー、画像形成方法及び画像形成装置を提供することが
出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】中抜けの例。
【図2】角が無いトナー及び角があるトナーのモデル
図。
【図3】従来よく用いられた撹拌翼を備えた撹拌槽の一
例を示す概要図。
【図4】より好ましい撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示
す概要図。
【図5】図4の上面断面図。
【図6】撹拌翼の形状の概要図。
【図7】下段の撹拌翼にスリットを有すると共に端部に
折り曲げと突起を有する撹拌槽の概要図。
【図8】撹拌翼の端部に突起及び又は端部に折り曲げ部
を有する撹拌槽の概要図。
【図9】撹拌翼の構成が3段である撹拌槽の概要図。
【図10】上段の撹拌翼に空隙があり下段の撹拌翼の端
部に折り曲げと突起を有する撹拌槽の概要図。
【図11】上段の撹拌翼の端部に突起と下段の撹拌翼の
端部に折り曲げを有する撹拌槽の概要図。
【図12】転写ロールを用いた画像形成装置の一例を示
す概略構成図。
【図13】転写ベルトを用いた画像形成装置の一例を示
す概略構成図。
【符号の説明】
1 熱交換用のジャケット 2 撹拌槽 3 回転軸 4 下段の撹拌翼 5 上段の撹拌翼 6 中孔部 10 感光体 11 帯電器 12 像露光光 13 現像器 14 分離極 15 転写ロール 16 バイアス電源 17 クリーニングブレード 18 除電ランプ 19 給紙ローラ 20 定着器 P 転写材 Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成ユニット 1a、1b、1c、1d 感光体 2a、2b、2c、2d 潜像形成部 3a、3b、3c、3d 現像部 4a、4b、4c、4d 転写放電部 5a、5b、5c、5d クリーニング器 6a、6b、6c、6d 帯電器 21 転写ベルト 22a、22b、22c、22d 分離除電放電器 23 定着装置 24 クリーニング器 25 排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/09 G03G 9/08 361 381 (72)発明者 山崎 弘 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H005 AA15 AA21 AB03 AB06 EA05 2H068 BA58 BB25 BB33 BB44 BB52 BB57 FA04 FB13 FC11

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行っ
    て形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有す
    る現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方
    式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリ
    ーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の
    画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像
    用トナーが、形状係数の変動係数が16%以下、個数粒
    度分布における個数変動係数が27%以下及びトナー凝
    集率が3〜35%であることを特徴とする画像形成方
    法。
  2. 【請求項2】 静電潜像現像用トナーが、形状係数が
    1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以
    上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 静電潜像現像用トナーが、形状係数が
    1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以
    上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方
    法。
  4. 【請求項4】 静電潜像現像用トナーが、角が無いトナ
    ー粒子の割合が50個数%以上であることを特徴とする
    請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径が
    2.2〜9μmであることを特徴とする請求項1〜4の
    何れか1項に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径をD
    (μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、こ
    の横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の
    粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含ま
    れる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)
    と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電
    潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項1〜
    5の何れか1項に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 静電潜像現像用トナーは重合性単量体を
    水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請求
    項1〜6の何れか1項に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水系
    媒体中で会合させて得られることを特徴とする請求項1
    〜7の何れか1項に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行っ
    て形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有す
    る現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方
    式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリ
    ーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の
    画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像
    用トナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以
    上、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及
    びトナー凝集率が3〜35%であることを特徴とする画
    像形成方法。
  10. 【請求項10】 静電潜像現像用トナーが、形状係数が
    1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以
    上であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方
    法。
  11. 【請求項11】 静電潜像現像用トナーが、形状係数が
    1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以
    上であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方
    法。
  12. 【請求項12】 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径
    が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項9〜1
    1の何れか1項に記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径を
    D(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、
    この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準
    の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含
    まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)
    と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電
    潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項9〜
    12の何れか1項に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 静電潜像用トナーは重合性単量体を水
    系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請求項
    9〜13の何れか1項に記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 静電潜像用トナーは樹脂粒子を水系媒
    体中で会合させて得られることを特徴とする請求項9〜
    14の何れか1項に記載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行
    って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有
    する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写
    方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びク
    リーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚
    の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現
    像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にある
    トナー粒子が65個数%以上、形状係数の変動係数が1
    6%以下及びトナー凝集率が3〜35%であることを特
    徴とする画像形成方法。
  17. 【請求項17】 静電潜像現像用トナーが、角が無いト
    ナー粒子の割合が50個数%以上であることを特徴とす
    る請求項16に記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径
    が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項16又
    は17に記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径を
    D(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、
    この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準
    の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含
    まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)
    と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電
    潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項16
    〜18の何れか1項に記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 静電潜像現像用トナーは重合性単量体
    を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請
    求項16〜19の何れか1項に記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水
    系媒体中で会合させて得られることを特徴とする請求項
    16〜20の何れか1項に記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 請求項1、9及び16の何れか1項に
    記載の画像形成方法を用い、クリーニング、静電潜像形
    成、現像、転写、定着の工程を有することを特徴とする
    画像形成装置。
  23. 【請求項23】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行
    って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有
    する現像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中
    間転写体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写
    方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びク
    リーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚
    の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現
    像用トナーが、形状係数の変動係数が16%以下、個数
    粒度分布における個数変動係数が27%以下及びトナー
    凝集率が3〜35%であることを特徴とする画像形成方
    法。
  24. 【請求項24】 静電潜像現像用トナーが、形状係数が
    1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以
    上であることを特徴とする請求項23に記載の画像形成
    方法。
  25. 【請求項25】 静電潜像現像用トナーが、形状係数が
    1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以
    上であることを特徴とする請求項23に記載の画像形成
    方法。
  26. 【請求項26】 静電潜像現像用トナーは、角が無いト
    ナー粒子の割合が50個数%以上であることを特徴とす
    る請求項23〜25の何れか1項に記載の画像形成方
    法。
  27. 【請求項27】 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径
    が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項23〜
    26の何れか1項に記載の画像形成方法。
  28. 【請求項28】 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径を
    D(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、
    この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準
    の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含
    まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)
    と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電
    潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項23
    〜27の何れか1項に記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 静電潜像現像用トナーは重合性単量体
    を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請
    求項23〜28の何れか1項に記載の画像形成方法。
  30. 【請求項30】 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水
    系媒体中で会合させて得られることを特徴とする請求項
    23〜29の何れか1項に記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行
    って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有
    する現像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中
    間転写体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写
    方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びク
    リーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚
    の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現
    像用トナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%
    以上、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下
    及びトナー凝集率が3〜35%であることを特徴とする
    画像形成方法。
  32. 【請求項32】 静電潜像現像用トナーが、形状係数が
    1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以
    上であることを特徴とする請求項31に記載の画像形成
    方法。
  33. 【請求項33】 静電潜像現像用トナーが、形状係数が
    1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以
    上であることを特徴とする請求項31に記載の画像形成
    方法。
  34. 【請求項34】 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径
    が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項31〜
    33の何れか1項に記載の画像形成方法。
  35. 【請求項35】 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径を
    D(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、
    この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準
    の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含
    まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)
    と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電
    潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項31
    〜34の何れか1項に記載の画像形成方法。
  36. 【請求項36】 静電潜像現像用トナーは重合性単量体
    を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請
    求項31〜35の何れか1項に記載の画像形成方法。
  37. 【請求項37】 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水
    系媒体中で会合させてなることを特徴とする請求項31
    〜36の何れか1項に記載の画像形成方法。
  38. 【請求項38】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行
    って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有
    する現像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中
    間転写体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写
    方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びク
    リーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚
    の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現
    像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にある
    トナー粒子が65個数%以上、個数粒度分布における個
    数変動係数が27%以下及びトナー凝集率が3〜35%
    であることを特徴とする画像形成方法。
  39. 【請求項39】 静電潜像現像用トナーが、角が無いト
    ナー粒子の割合が50個数%以上であることを特徴とす
    る請求項38に記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径
    が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項38又
    は39に記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径を
    D(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、
    この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準
    の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含
    まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)
    と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電
    潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和
    (M)が70%以上であることを特徴とする請求項38
    〜40の何れか1項に記載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 静電潜像現像用トナーは重合性単量体
    を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請
    求項38〜41の何れか1項に記載の画像形成方法。
  43. 【請求項43】 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水
    系媒体中で会合させてなることを特徴とする請求項38
    〜42の何れか1項に記載の画像形成方法。
  44. 【請求項44】 請求項23、31又は38の何れか1
    項に記載の画像形成方法を用い、クリーニング、静電潜
    像形成、現像、転写、定着の工程を有することを特徴と
    する画像形成装置。
  45. 【請求項45】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行
    って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有
    する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写
    方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びク
    リーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚
    の画像を形成する画像形成方法に用いる静電潜像現像用
    トナーに於いて、該静電潜像現像用トナーは、形状係数
    の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数変
    動係数が27%以下及びトナー凝集率が3〜35%であ
    ることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  46. 【請求項46】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行
    って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有
    する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写
    方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びク
    リーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚
    の画像を形成する画像形成方法に用いる静電潜像現像用
    トナーに於いて、該静電潜像現像用トナーは、角が無い
    トナー粒子の割合が50個数%以上、個数粒度分布にお
    ける個数変動係数が27%以下及びトナー凝集率が3〜
    35%であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  47. 【請求項47】 電子写真感光体上に帯電、像露光を行
    って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有
    する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写
    方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びク
    リーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚
    の画像を形成する画像形成方法に用いる静電潜像現像用
    トナーに於いて、該静電潜像現像用トナーは、形状係数
    が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%
    以上、形状係数の変動係数が16%以下及びトナー凝集
    率が3〜35%であることを特徴とする静電潜像現像用
    トナー。
  48. 【請求項48】 前記電子写真感光体が導電性支持体上
    に感光層を設けてなる構成であって、且つ該感光層の表
    面層が平均分子量が10,000〜100,000のポ
    リカーボネートを含有することを特徴とする請求項1、
    9、16、23、31及び38のいずれか1項に記載の
    画像形成方法。
  49. 【請求項49】 前記電子写真感光体が表面保護層を有
    し、且つ該表面保護層には架橋構造を有するシロキサン
    樹脂を含有することを特徴とする請求項1、9、16、
    23、31及び38のいずれか1項に記載の画像形成方
    法。
  50. 【請求項50】 前記シロキサン樹脂を含有する表面保
    護層には電荷輸送性の構造単位を架橋構造の一部に含む
    ことを特徴とする請求項1、9、16、23、31及び
    38のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  51. 【請求項51】 請求項48〜50のいずれか1項に記
    載の画像形成方法を用い、クリーニング、静電潜像形
    成、現像、転写、定着の工程を有することを特徴とする
    画像形成装置。
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