JP2002060935A - ターゲットエロージョン計測を可能としたスパッタリング装置 - Google Patents

ターゲットエロージョン計測を可能としたスパッタリング装置

Info

Publication number
JP2002060935A
JP2002060935A JP2000240953A JP2000240953A JP2002060935A JP 2002060935 A JP2002060935 A JP 2002060935A JP 2000240953 A JP2000240953 A JP 2000240953A JP 2000240953 A JP2000240953 A JP 2000240953A JP 2002060935 A JP2002060935 A JP 2002060935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
erosion
displacement sensor
vacuum
optical displacement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000240953A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Kobayashi
正彦 小林
Bunji Miura
文司 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anelva Corp filed Critical Anelva Corp
Priority to JP2000240953A priority Critical patent/JP2002060935A/ja
Publication of JP2002060935A publication Critical patent/JP2002060935A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空容器の真空を維持したまま、基板処理の
区切りで必要に応じてターゲットの侵食量の変化を、直
接的に、精度よく計測可能なスパッタリング装置を提供
する。 【解決手段】 マグネトロンスパッタ現象を利用して真
空容器内でターゲットに対向配置されている基板上に薄
膜を形成するマグネトロンスパッタリング装置におい
て、前記真空容器に備えられている前記ターゲットの侵
食量を計測する光学式の変位センサーが、前記真空容器
の真空状態を維持したまま、互いに対向して配置されて
いるターゲットと基板との間の空間に、駆動機構によっ
て、挿脱可能とされているスパッタリング装置によって
課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマグネトロンスパッ
タリング装置に関し、特に、スパッタカソードを構成す
るターゲットが侵食されている状況を精度良く確認で
き、ターゲットの利用効率を改善して、ランニングコス
トの大幅な削減を可能にできるスパッタリング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス製造の中で薄膜作成工程
に用いられるスパッタリング装置では、ターゲットエロ
ージョン(侵食量)管理が重要である。
【0003】図6は、真空容器1内の防着シールド6の
内側で、ターゲット裏板3に保持されたターゲット2
と、基板ホルダー21上に載置された処理される基板7
とが対向して配置されている従来技術での一般的なスパ
ッタ装置の断面を示す図である。
【0004】このような従来公知のスパッタ装置でのス
パッタリングは次のように行われている。不図示の真空
ポンプで、排気ポート11を介して真空容器1内が1.
3×10−6Pa〜1.3×10−7Paまで排気され
る。ガス導入孔13からプロセスガス(一般的にアルゴ
ンガス)が真空容器1内へ導入され、マグネット回転モ
ータ5によってマグネット4が回転される。ここで、直
流電源20からターゲット2に電力が印加されてマグネ
トロン放電が発生し、これによって導入されていたプロ
セスガスがイオン化され、ターゲット2がスパッタさ
れ、基板7上に薄膜が形成されるのである。なお、ター
ゲット2が金属ターゲットの場合、ほとんどが直流放電
であるが、絶縁物ターゲットの場合は、RFが一般的に
用いられる。
【0005】ターゲット2のスパッタされる部分は、図
6中、破線200で示すように、不均一に侵食される。
この侵食の強弱はマグネット4の磁場分布形状に依存す
るが、このようにターゲットの侵食を不均一にすること
は、成膜最適化のために故意に行われている。
【0006】このようなターゲット侵食(エロージョ
ン)が進行して、破線200で示される侵食線がターゲ
ット裏板3に達する前に、ターゲット2の交換を行うこ
とになる。
【0007】図7は、ターゲット2とターゲット裏板3
の拡大図を示しているが、エロージョンが進行し過ぎた
場合、ターゲット裏板3まで侵食されてしまい、成膜不
良が発生することになる。ターゲット裏板は、通常、冷
却水40からの冷却効率が良好となるように、熱伝導の
良い材質、通常は銅又はアルミ合金で作られており、タ
ーゲット2の材質とは異なっている。そこで、ターゲッ
ト裏板3がスパッタされた場合には、当然、製品不良が
生じてしまうのである。
【0008】図8は、ターゲット裏板3が更に侵食され
た場合を示している。この場合には、侵食が冷却水40
まで到達して水漏れという大事故につながってしまう。
【0009】従来はこうしたエロージョンのモニターを
In−Situで行っていなかった。すなわち、ターゲ
ットエロージョン(ターゲット侵食)を測定する場合に
は、一度真空容器1を大気開放して実際の侵食量を計測
し、最深部がターゲット2の板厚に達する手前でターゲ
ット2の交換を行っていたのである。更に詳細にこの手
順を説明すると以下のようになる。
【0010】新しいターゲットを真空容器(スパッタ容
器)1に装着して、この時の積算電力計の数値を0kW
にセットする。この積算電力計はターゲット2に印加さ
れる直流電源にセットされており、ターゲット2に印加
される電力をモニターするものである。スパッタを重
ね、ある程度の積算電力値に達したら、一度真空容器1
を大気開放して、ターゲット2のエロージョンを測定す
る。この時の最深部のエロージョン深さと、ターゲット
2の厚みから、比例関係でターゲットライフを予測し
て、この時の積算電力値を算出する。最終的に、予想し
た積算電力値が正しいかどうかのチェックを行う。この
時にも、真空容器1を大気開放してエロージョン確認を
行う必要がある。こうした手順は、手間暇がかかるだけ
でなく、真空容器1の開放ごとに防着シールド6の交換
を行い、再排気を行って、さらにターゲット2の表面の
酸化膜を除去するために、ターゲットクリーニングと呼
ばれる製品処理前の事前スパッタを行う必要があり、ス
パッタ装置の稼働率を著しく阻害するものである。
【0011】またこの方式の大きな危険性は、ターゲッ
ト2の板厚を直接計測していない為に、積算電力値がタ
ーゲット初期に0kWとリセットされていない場合に
は、実際より早くターゲットライフに達し、また何らか
の原因でターゲット積算が途中で0kWとリセットされ
てしまうと、実際より長いターゲットライフに時間設定
されたことになり、図7、図8を用いて説明したような
ターゲット裏板飛ばしを行ってしまう点にある。
【0012】一方、真空容器(スパッタ容器)1の真空
を維持したままで別の物理量変化をモニターする方法と
して、スパッタ中のグロー放電の変化をモニターする方
法がある。この方法は、スパッタ中の放電電圧がターゲ
ットの侵食と共に変化することを利用するものである。
この現象はマグネトロン放電では一般に観察され、ター
ゲット表面上の磁場がエロージョンの侵食と共に強くな
り、その為に放電インピーダンスが低下してその結果放
電電圧が低下していく現象である。通常、定電力制御を
行っているため、放電電流は上昇していく。従って、こ
の電圧又は電流値をモニターすることによってターゲッ
トライフを予測できる可能性がある。
【0013】しかし、この方式では、放電電圧の変化が
様々な要因、例えば、放電電力、ガス圧力、T/S(タ
ーゲット基板間距離)などによって、変化しやすいとい
う短所がある。また、ターゲットの裏側に配置したマグ
ネットの磁場のバラツキでも放電電圧は変化してしまう
ので、全く成膜条件を固定して(電力、ガス圧力、T/
S(ターゲット基板間距離など))用いる場合には、エ
ロージョンモニターの可能性はあるが、通常さまざまな
製品条件で処理することが一般的であり、放電電圧はそ
れに応じて変化してしまう。したがって、このような放
電電圧(放電電流)モニターは実用的ではない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を改善し、真空を維持したままで製
品(基板)処理の区切りで必要に応じてターゲットのエ
ロージョン変化(ターゲットの侵食量の変化)を直接的
に逐次モニターし、もってターゲットライフを精度良く
見極めて、ターゲットライフの限界までターゲットを使
用することによって、ターゲットの有効利用を図り、ラ
ンニングコストの大幅な削減が可能なスパッタリング装
置を提供することを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明が提供するスパッタリング装置は、マグネ
トロンスパッタ現象を利用して真空容器内でターゲット
に対向配置されている基板上に薄膜を形成するマグネト
ロンスパッタリング装置において、前記真空容器に備え
られている前記ターゲットの侵食量を計測する光学式の
変位センサーが、前記真空容器の真空状態を維持したま
ま、互いに対向して配置されているターゲットと基板と
の間の空間に、駆動機構によって、挿脱可能とされてい
ることを特徴とするものである。
【0016】前記本発明のスパッタリング装置によれ
ば、真空容器(スパッタ容器)の真空状態を維持したま
ま、駆動機構の働きによって光学式の変位センサーを、
スパッタ処理中は、対向配置されているターゲットと基
板に挟まれたスパッタ空間から退避させ、スパッタ処理
後、必要に応じて、当該変位センサーを前記スパッタ空
間内に移動させ、光学式の変位センサーとターゲットと
の間の距離を直接的に計測することによって、ターゲッ
トの侵食量を直接的に計測することができる。
【0017】例えば、真空容器内の防着シールドに、駆
動機構の働きによって移動する前記変位センサーが通過
可能な開口を設けておき、スパッタ処理中は、当該開口
を通過させて光学式の変位センサーをスパッタ空間から
退避させて防着シールドより外側に位置させておき、ス
パッタ処理後、駆動機構の働きによって前記変位センサ
ーに、防着シールドの前記開口を通過させ、これをスパ
ッタ空間内に移動させることができる。
【0018】なお、このような光学式の変位センサー
の、真空容器の真空状態を維持したままのターゲットと
基板との間の空間への挿脱は、例えば、前記変位センサ
ーにこのような動作を行わせる駆動機構を真空容器の外
部に配置し、当該駆動機構から伸びるセンサー取り付け
軸を、Oリングやベローズ等の真空シール手段を用いて
真空シールを図りつつ前記真空容器に取り付け、このセ
ンサー取り付け軸の真空容器内に伸びている端側に、前
記変位センサーを取り付け、このようにセンサー取り付
け軸に取り付けられた変位センサーが、前記駆動機構か
らの駆動を受けて、ターゲットと基板との間の空間を挿
脱する構成にして実現することができる。
【0019】前記本発明のスパッタリング装置において
は、光学式の変位センサーは、駆動機構によって、ター
ゲットに対して平行に移動してターゲットと基板との間
の空間に挿脱される構成とすることが望ましい。
【0020】ターゲットの不均一な侵食量を正確に計測
することを目的として、光学式の変位センサーの発光部
から出てターゲットに照射された光が、ターゲットで反
射されて戻って来る反射光(拡散反射光)を、当該光学
式の変位センサーの受光部で受けて三角測量の原理にて
ターゲットの侵食量を計測する構成を採用する場合、前
記のように、光学式の変位センサーは、計測すべきター
ゲットに対して平行に移動している必要があるからであ
る。
【0021】また、前記本発明のスパッタリング装置に
おいて、光学式の変位センサーは、駆動機構によって移
動するセンサー取り付け軸に複数個取り付けられている
構成にすると、ターゲットの侵食量を計測する時間を短
縮できるので有利である。
【0022】更に、光学式の変位センサーを真空雰囲気
から遮断された容器に封入し、当該光学式の変位センサ
ーとターゲットとの間を隔てる位置の前記容器の壁部
に、光学的に開放された窓材が備えられている構成を採
用すると、使用する光学式変位センサーの真空雰囲気下
での測定精度が十分でない場合であっても、正確なター
ゲット侵食量の計測を行うことができるので有利であ
る。
【0023】また、図7、図8を用いて説明したような
ターゲット裏板飛ばしが生じることのない、信頼できる
(余裕の持てる)ターゲット侵食量であって、なおかつ
ターゲットの有効利用、ランニングコスト削減を可能に
できるターゲット侵食量を、ターゲットの材質に応じ
て、あらかじめ定めておき、光学式の変位センサーによ
って計測されたターゲット侵食量が当該所定の値に達し
た時に、自動的に、ターゲット交換の時期になったこと
を告知するターゲット交換信号が発生されるように構成
しておくと、信頼できる精度で確実にターゲットの交換
を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好ましい実施の形態を説明する。
【0025】図1は本発明のスパッタリング装置の概略
構成を示す図である。本発明のスパッタリング装置の基
本的な構成は、真空容器の真空状態を維持したまま、タ
ーゲットの侵食量を計測する光学式の変位センサーが、
駆動機構によって、互いに対向して配置されているター
ゲットと基板との間の空間に挿脱可能にして当該真空容
器に備えられている点を除いて、従来公知のスパッタリ
ング装置の基本的構成と同一である。そこで、図1図示
の本発明のスパッタリング装置において、図6図示の従
来のスパッタリング装置と共通する構成要素について
は、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0026】本発明のスパッタリング装置においては、
真空容器の外部に駆動機構10が備えられており、駆動
機構10から真空容器1内に伸び、防着シールド6に設
けられている開口6aを通過して、互いに対向配置され
ているターゲット2と基板7との間の空間(スパッタ空
間)にまで伸びる変位センサー取り付け軸8の端側に、
光学式の変位センサー9が取り付けられている。
【0027】駆動機構10からの駆動を受けて、変位セ
ンサー取り付け軸8の端側に取り付けられている変位セ
ンサー9は、スパッタ処理中、スパッタ空間から退避さ
れ、防着シールド6の開口6aを通過して防着シールド
6より外側に位置しており(不図示)、スパッタ処理
後、開口6aを通過してスパッタ空間内に移動し(図
1)、ターゲット2の侵食量(エロージョン)を計測す
ることになる。
【0028】このような変位センサー取り付け軸8の動
作を、真空容器1の真空状態を維持したまま行う必要が
あるので、駆動機構10には真空シール手段としてのベ
ローズ(不図示)を付属させて真空容器1の真空シール
を図る必要がある。
【0029】また、図2に示すように、Oリング31を
用いて、変位センサー取り付け軸8を滑らせて移動させ
る方式でも同一の性能が得られる。ただしこの場合、真
空容器1外からのスローリークも考えられるので、この
ようにして駆動機構10を設計する場合には注意が必要
である。
【0030】ここで、本発明のスパッタリング装置に光
学式の変位センサーの一例として採用されている変位セ
ンサー9の原理を図4を用いて説明する。
【0031】変位センサー9の内部には発光部9aと、
受光部9bが配置されている。発光部9aとしては半導
体レーザー発光素子が一般的に用いられている。また受
光部9bは光位置検出素子から構成されており、侵食量
は三角測量の原理で測定される。すなわち、発光素子9
aからでた光102は、計測すべき物体100に照射さ
れて、反射される。この反射光(拡散反射と呼ばれる)
を受光部9bで検出するのであるが、計測すべき物体1
00の位置が、図4中、破線100で示す位置から、実
線100で示す位置にまで変化すると、これに伴って、
反射光は符号101aから符号101bで示される状態
へと変化する。これに応じて、受光部9bでの検出位置
が相違してくるので、これを利用して計測すべき物体の
形状変位を検出するのである。
【0032】図4で示される前記の形態の市販されてい
る光学式変位センサーでの測定分解能は50ミクロン以
下であるため、ターゲットのエロージョン(侵食量)計
測は十分である(エロージョン測定精度は0.1mm程
度で十分)。
【0033】次に、本発明のスパッタリング装置におけ
るターゲット2のエロージョン(侵食量)計測について
説明する。
【0034】駆動機構10を駆動させて、変位センサー
取り付け軸8を移動させ、取り付け軸8の端側に取り付
けられている変位センサー9を、スパッタ空間から退避
させ、防着シールド6の開口6aを通過させて、防着シ
ールド6より外側に位置させる(不図示)。
【0035】不図示の真空ポンプで、排気ポート11を
介して真空容器1内を1.3×10−6Pa〜1.3×
10−7Paまで排気する。次に、ガス導入孔13から
プロセスガス(一般的にアルゴンガス)を真空容器1内
へ導入し、真空容器1内の圧力を1.3×10−1Pa
台にする。マグネット回転モータ5によってマグネット
4を回転させ、直流電源20(この実施例では、負の直
流電源)からターゲット2に電力を印加し、マグネトロ
ン放電を発生させ、導入されていたプロセスガスをイオ
ン化し、ターゲット2をスパッタし、基板7上に薄膜を
形成させる。
【0036】製品(基板7)の処理が進むにつれて、タ
ーゲット2はマグネット4の漏れ磁場30のターゲット
2と並行すなわち水平磁場が一番強い部分で、最も深い
エロージョンが進行することになる。
【0037】一定の枚数(例えば100枚から200枚
程度)の基板処理が終了したら、駆動機構10を駆動さ
せて、変位センサー取り付け軸8を移動させ、取り付け
軸8の端側に取り付けられている変位センサー9を、防
着シールド6の開口6aを通過させてスパッタ空間内に
移動させ、ターゲット2とセンサー9間の距離を直接的
に測定して、ターゲット2の侵食量を計測する。センサ
ー9は、駆動機構10によって駆動され、図2中、両方
向矢示で示すように、変位センサー取り付け軸8が移動
することに伴い、ターゲット2の直径上をターゲット2
から一定距離離れて移動し、ターゲット侵食量の最も大
きい最深部を測定する。
【0038】この際、図4を用いて説明した前述の三角
測量の原理に基づいてエロージョン(ターゲット侵食
量)を計測するならば、変位センサー9は、図1図示の
ように、ターゲット2に並行して移動するように構成し
ておかねばならない。
【0039】この操作を基板群処理ごとに繰り返し、タ
ーゲット侵食量の最深部とターゲット裏板3との距離が
所定の数値に達したならば、変位センサー9に接続され
ている信号変換機12(図1)から所定の信号(ターゲ
ット交換信号)が発生されるようにしておき、この信号
が発生された時に、ターゲット2を交換するようにして
おけば、図7、図8を用いて説明されたようなターゲッ
ト裏板飛ばしが生じることのない、信頼できる(余裕の
持てる)ターゲット侵食量であって、なおかつターゲッ
トの有効利用、ランニングコスト削減を可能にできる状
態でターゲットの交換を行うことができる。
【0040】具体的なライフエンドでのエロージョンの
深さは、ターゲット厚さ12mmのアルミニウムの場
合、約10mm、またターゲット厚さ7mmのTiター
ゲットで約5mm程度である。材料によるターゲットの
厚みの違いは、アルミニウム材の場合は熱伝導が良い為
厚くできるが、Tiの場合は熱伝導が悪い為に薄くせざ
るを得ない理由からきている。すなわち、材料がTiの
場合にはアルミニウムと同程度の厚さではプラズマから
の熱を吸収しきれずに、ターゲット表面温度が上昇して
熱ダメージを受けるのである。したがってスパッタ材料
の熱伝導の差によってターゲット厚みが異なる。
【0041】なお、本発明のスパッタリング装置におい
て、防着シールド6に開ける開口6aは、なるべくプラ
ズマに影響しない程度とすることが望ましい。開口6a
を開けることによってプラズマの均一性が乱れる場合に
は、シールド6に開口6aを均等に複数個あけてプラズ
マの均一性を保つことが可能である。
【0042】図1を参照して説明した実施の形態では、
光学式変位センサー9が一個のみ変位センサー取り付け
軸8に取り付けられていたが、図3に示すように、複数
の変位センサー9a〜9dを変位センサー取り付け軸8
に取り付けることによって、ターゲット侵食量の測定時
間を短縮し、効率の向上を図ることができる。
【0043】なお、図4を用いて説明した光学式変位セ
ンサー9を真空雰囲気で用いた場合、半導体レーザーの
発熱が冷却され難く、温度上昇を起こし、特性の劣化が
生じたり、受光部の温度上昇に伴い、計測誤差が大きく
なるおそれがあり得る。
【0044】このような場合には、図5に図示した形態
を採用することによって、正確な計測を可能にすること
ができる。図5図示の形態では、光学式の変位センサー
9は真空雰囲気から遮断された気密な小さな容器100
に封入され、容器100の内部は大気状態となってい
る。また気密な容器100の、変位センサー9とターゲ
ット2との間を隔てる位置の壁部には、光学的に開放さ
れた窓材である光学窓101が設置されており、レーザ
光を透過させる構造となっている。このような構成を採
用すると、光学式変位センサー9の発光及び受光部が真
空雰囲気に晒されることなく測定可能となる為、安定性
が格段に向上する。
【0045】以上、添付図面を参照して本発明の好まし
い実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限
定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握
される技術的範囲において種々の形態に変更可能であ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明のスパッタリング装置によれば、
真空容器の真空状態を維持したまま、基板処理の区切り
で、直接的にターゲットのエロージョン測定を行うこと
が可能となる。また、従来の方式で必要とされていたエ
ロージョン確認工程が大幅に短縮され、また、従来の方
式における積算電力値による間接測定の誤操作によるタ
ーゲット裏板飛ばしという大事故を未然に防ぐことがで
きる。
【0047】更に、ターゲットライフを精度良く見極め
て、ターゲットライフの限界までターゲットを有効に利
用し、ランニングコストの低減による生産性向上に大幅
に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置の概略構成を説明
する断面図。
【図2】本発明のスパッタリング装置におけるセンサー
取り付け軸の真空容器への挿入部を説明する部分拡大
図。
【図3】複数の変位センサーが取り付けられているセン
サー取り付け軸の端側を表す図。
【図4】本発明のスパッタリング装置に採用される光学
式変位センサーの一例の原理を説明する図。
【図5】本発明のスパッタリング装置に採用される気密
容器に封入された光学式変位センサーの一例を説明する
断面図。
【図6】従来のスパッタリング装置の概略構成を説明す
る断面図。
【図7】ターゲットの侵食状態を説明する部分拡大図。
【図8】ターゲットの侵食が進行した際のターゲット侵
食状態を説明する部分拡大図。
【符号の説明】
1 真空容器 2 ターゲット 3 ターゲット裏板 4 マグネット 5 マグネット駆動モータ 6 防着シールド 6a 防着シールドに開けられたセンサー導入孔 7 基板 8 センサー取り付け軸 9 変位センサー 9a 発光素子 9b 受光素子 10 駆動機構 11 排気ポート 12 信号変換機 13 ガス導入孔 20 電源 21 基板ホルダー 30 磁場 31 真空シール用のOリング 40 冷却水 50 ターゲット2からスパッタされた粒子 60 ターゲット裏板3からスパッタされた粒子 100 気密容器 101 光学窓 200 ターゲットの侵食形状 300 絶縁石

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネトロンスパッタ現象を利用して真
    空容器内でターゲットに対向配置されている基板上に薄
    膜を形成するマグネトロンスパッタリング装置におい
    て、前記真空容器に備えられている前記ターゲットの侵
    食量を計測する光学式の変位センサーが、前記真空容器
    の真空状態を維持したまま、互いに対向して配置されて
    いるターゲットと基板との間の空間に、駆動機構によっ
    て、挿脱可能とされていることを特徴とするスパッタリ
    ング装置。
  2. 【請求項2】 光学式の変位センサーは、駆動機構によ
    って、ターゲットに対して平行に移動して前記ターゲッ
    トと基板との間の空間に挿脱されることを特徴とする請
    求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 光学式の変位センサーは、駆動機構に取
    り付けられているセンサー取り付け軸に複数個取り付け
    られていることを特徴とする請求項1又は2記載のスパ
    ッタリング装置。
  4. 【請求項4】 光学式の変位センサーは真空雰囲気から
    遮断された容器に封入され、当該光学式の変位センサー
    とターゲットとの間を隔てる位置の前記容器の壁部に
    は、光学的に開放された窓材が備えられていることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のスパッタ
    リング装置。
  5. 【請求項5】 光学式の変位センサーによって計測され
    たターゲットの侵食量が所定の値に達した時にターゲッ
    ト交換信号が発生されることを特徴とした請求項1乃至
    4のいずれか一項記載のスパッタリング装置。
JP2000240953A 2000-08-09 2000-08-09 ターゲットエロージョン計測を可能としたスパッタリング装置 Withdrawn JP2002060935A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000240953A JP2002060935A (ja) 2000-08-09 2000-08-09 ターゲットエロージョン計測を可能としたスパッタリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000240953A JP2002060935A (ja) 2000-08-09 2000-08-09 ターゲットエロージョン計測を可能としたスパッタリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002060935A true JP2002060935A (ja) 2002-02-28

Family

ID=18732230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000240953A Withdrawn JP2002060935A (ja) 2000-08-09 2000-08-09 ターゲットエロージョン計測を可能としたスパッタリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002060935A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8968536B2 (en) 2007-06-18 2015-03-03 Applied Materials, Inc. Sputtering target having increased life and sputtering uniformity
US9127362B2 (en) 2005-10-31 2015-09-08 Applied Materials, Inc. Process kit and target for substrate processing chamber
JP2017025351A (ja) * 2015-07-15 2017-02-02 株式会社アルバック 温度測定方法及びスパッタリング装置
JP2020169352A (ja) * 2019-04-02 2020-10-15 株式会社アルバック マグネトロンスパッタリング装置用のカソードユニット

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9127362B2 (en) 2005-10-31 2015-09-08 Applied Materials, Inc. Process kit and target for substrate processing chamber
US10347475B2 (en) 2005-10-31 2019-07-09 Applied Materials, Inc. Holding assembly for substrate processing chamber
US11658016B2 (en) 2005-10-31 2023-05-23 Applied Materials, Inc. Shield for a substrate processing chamber
US8968536B2 (en) 2007-06-18 2015-03-03 Applied Materials, Inc. Sputtering target having increased life and sputtering uniformity
JP2017025351A (ja) * 2015-07-15 2017-02-02 株式会社アルバック 温度測定方法及びスパッタリング装置
JP2020169352A (ja) * 2019-04-02 2020-10-15 株式会社アルバック マグネトロンスパッタリング装置用のカソードユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101413693B1 (ko) 자전관 스퍼터링 타겟 내 부식의 예측 및 보상
US8855949B2 (en) Plasma processing device and method of monitoring discharge state in plasma processing device
US5993615A (en) Method and apparatus for detecting arcs
JP2007165512A (ja) プラズマ処理装置
JP2009152304A (ja) プラズマ処理装置
JP2002060935A (ja) ターゲットエロージョン計測を可能としたスパッタリング装置
US20070068796A1 (en) Method of using a target having end of service life detection capability
US6080292A (en) Monitoring apparatus for plasma process
JP2011049567A (ja) 分割可能な電極及びこの電極を用いたプラズマ処理装置ならびに電極交換方法
JP2008088500A (ja) スパッタリング装置
US20140183036A1 (en) In Situ Sputtering Target Measurement
US6338779B1 (en) Arc monitoring
CN115436409A (zh) 一种测量等离子体推进器不同区域壁面侵蚀率的方法
JP4830260B2 (ja) 膜厚検出方法
JP3731027B2 (ja) 真空容器の漏洩検出方法及び成膜品質監視装置及び連続式真空成膜装置
JP5258834B2 (ja) スラブの寿命検出方法およびそのシステム
KR20060100028A (ko) 정전척 모니터링 시스템
JP4575586B2 (ja) 成膜装置
JPH1030178A (ja) スパッタリング方法及び装置
US11823964B2 (en) Deposition system and method
JP4474015B2 (ja) 絶縁物作製用スパッタリング装置
JPH0313572A (ja) スパッタリング装置
JPH07283281A (ja) ターゲットの寿命判断方法及びスパッタ装置
JP2005019763A (ja) ドライエッチング装置
JPH0754140A (ja) スパッタリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081212

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20081212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20081225

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20081225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090909

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20100722