JP2002059672A - オフセット印刷用ブランケット - Google Patents

オフセット印刷用ブランケット

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JP2002059672A JP2000248903A JP2000248903A JP2002059672A JP 2002059672 A JP2002059672 A JP 2002059672A JP 2000248903 A JP2000248903 A JP 2000248903A JP 2000248903 A JP2000248903 A JP 2000248903A JP 2002059672 A JP2002059672 A JP 2002059672A
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Hiromasa Okubo
博正 大久保
Toshio Kamata
敏生 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速オフセット印刷において水なし方式であっ
ても使用できて、インキ着肉性、排紙性、洗浄性等にお
いて優れた印刷用ブランケットを提供する。 【解決手段】圧縮性層を有する支持体層と、この支持体
層上に積層された表面印刷層とを含むオフセット印刷用
ブランケットにおいて、前記表面印刷層が動的変化応力
(10Hz,23℃,振幅50μm,チャック間距離2
0mm,初期歪み2mm伸張)を加えたときの弾性率
E' が5〜10MPaである耐油性ゴム組成物からなる
オフセット印刷用ブランケット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオフセット印刷用ブ
ランケットに関し、より詳しくはオフセット輪転印刷機
での高速印刷におけるインキ着肉性、排紙性等が向上し
たオフセット印刷用ブランケットに関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷は、版からの画像をブラ
ンケットに転写し、さらに紙面に印刷する印刷方式であ
って、オフセット印刷機は版胴、ブランケット胴、圧胴
から構成される。このブランケットとしては、従来複数
の基布からなる支持体層上に、合成ゴムからなる表面印
刷層を設けたものが用いられている。従来、オフセット
印刷において、版表面の非画像部へはインキが付着しな
いようにするために、湿し水を供給することが行なわれ
ている。給水ローラにより版表面に湿し水を供給したの
ち、インキローラによりインキを供給することにより、
画像を版表面に形成するためである。この湿し水の供給
量の管理、調整は重要かつ熟練を要する作業として、印
刷品質を左右するポイントになっている。たとえば、湿
し水の量が多過ぎると、インキローラを介して湿し水が
インキ壷に逆流し、インキの乳化が起こり、インキの転
移の悪化を引き起こすことになる。
【0003】近年、従来の湿し水を必要とする平板に代
わって、湿し水を必要としない平板も実用化されてい
る。この方式は、非画像部にシリコンゴムの層を設け、
インキ付着を防止することで画像形成を行なおうとする
ものである。この方式によると、熟練を要する湿し水の
調整、管理の手間がなくなり、印刷機の立ちあがり(新
たな絵柄を印刷する際の原版に近い鮮明な画像を得るた
めの調整)時間の短縮化とそれに伴う損紙の低減による
CRメリット、多品種小ロット印刷への対応が可能、短
納期化、労働時間の短縮、オペレーターの習熟度と経験
の差による印刷物の品質格差の発生防止、品質の安定化
などの効果があることから、高い評価をされている。ま
た、湿し水は通常数%のイソプロピールアルコ−ル(I
PA)等の溶剤を入れて使用するために、有機溶剤を含
んだ印刷廃液が発生し、作業場における臭気発生の問題
もある。水なし方式に代えることにより、このような環
境問題を解決できるメリットもあり、欧米および日本に
おいて積極的に導入しつつある。
【0004】その反面、水なし印刷は湿し水を使用しな
いことから、印刷機に熱がこもりやすく、版表面の温度
が高くなってインキ粘度が低下し、地汚れが起きやすく
なる。それを防止するために粘性の高い専用インキを使
用する必要があり、その結果、従来のブランケット(水
あり印刷で一般的に使用されているブランケット)を用
いて印刷すると、インキの流動性がないために、インキ
着肉性や紙離れ性が悪くなること、スラーが発生しやす
くなること、ブランケット表面上ヘインキがパイリング
しやすくなること、ブランケットの洗浄性が悪いこと、
などの問題点がある。
【0005】今日では、水なし印刷に限らず、水あり印
刷においても、印刷機の高速化を実現するためには、乾
燥速度の早いインキが使用される傾向にあり、この種の
インキはその中に含有される溶剤が乾燥したり、またブ
ランケット表面ゴムへの浸透速度が速いため、使用中に
粘性が高くなり、前述したような水なし印刷の場合と同
様な問題が生じてくる。さらには、水あり印刷でも、印
刷中の湿し水の量を極力減らし、水なし印刷のメリット
を活かそうとする場合においても同様なことが起こり得
る。
【0006】このような状況を考慮して、これまでに次
のような印刷用ブランケットが提案されている。特開平
8−300845号公報には、表面ゴム層を2層に構成
し、外側のゴム層の硬度を内側のゴム層よりも軟らかく
することによって、インキ着肉性を高めようとするブラ
ンケットが提案されている。しかし、このように表面ゴ
ム層を2層にすることは、構造を複雑化するものであ
り、コスト高をまねくことにもなる。
【0007】次に、特許第3023907号特許公報に
は、表面ゴム層に遠赤外線セラミックスを配合したブラ
ンケットが記載されており、これは、その表面より放射
される遠赤外線によって湿し水のクラスター状態が変化
し、わずかな湿し水でも印刷することと、湿し水が減る
ことで悪化する紙離れ性が遠赤外線セラミックを配合す
ることで改良することを意図したものである。ここで
は、ベタ着肉性を改良することは言及されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、高速オ
フセット印刷において、版表面の非画像部へのインキ付
着を実用的に防止し、ベタ着肉性、排紙性等を向上させ
ることは、水あり印刷および水なし印刷のいずれにおい
ても、まだ解決すべき課題が残されている。そこで本発
明の目的は、上記の課題を解決し、オフセット輪転印刷
機での高速印刷時における印刷性能が向上したオフセッ
ト印刷用ブランケットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、圧縮性層を有する支持体層と、この支
持体層上に積層された表面印刷層とを含むオフセット印
刷用ブランケットにおいて、その表面印刷層の力学的特
性に着目して研究を進めた結果、本発明を完成するに至
ったものである。すなわち、本発明は、以下のオフセッ
ト印刷用ブランケットに関する。
【0010】1)圧縮性層を有する支持体層と、この支
持体層上に積層された表面印刷層とを含むオフセット印
刷用ブランケットにおいて、前記表面印刷層が動的変化
応力(10Hz,23℃,振幅50μm,チャック間距
離20mm,初期歪み2mm伸張)を加えたときの弾性
率E' が5〜10MPaである耐油性ゴム組成物からな
ることを特徴とするオフセット印刷用ブランケット。 2)前記表面印刷層における耐油性ゴムの割合が50〜
75重量%である上記1)項記載のオフセット印刷用ブ
ランケット。
【0011】3)水なし印刷用である上記1)項または
2)項記載のオフセット印刷用ブランケット。本発明の
オフセット印刷用ブランケットは、前記特性の表面印刷
層を有することから、高粘性のインキを使用する場合で
あっても、紙面に押しつぶして転移させ、ベタ着肉性を
高めると共に、排紙性も向上する。この印刷用ブランケ
ットは、表面印刷層を構成する耐油性ゴムの割合を50
重量%以上にすることによりベタ着肉性が良好になり、
またこの割合を75重量%以下にすることで洗浄性が良
好になる。インキはゴムに対して親和性があるため、着
肉性と洗浄性は相反する関係にあることから、上記2)
のオフセット印刷用ブランケットのように、表面印刷層
における耐油性ゴムの割合を50〜75重量%とするの
が好ましい。
【0012】本発明の印刷用ブランケットは、上記3)
のように、水なし印刷等高粘性インキを使用しても、ベ
タ着肉性に優れ、排紙性も向上する。印刷の高速化に伴
う乾燥速度の早いインキのであっても好適に使用でき
る。水あり印刷に対しても勿論有用である。本発明にお
ける弾性率E' は、前記のとおり、試験周波数10H
z、試験温度23℃、試験振幅25μm、チャック間距
離24mm、初期歪み2mm伸張の動的応力変化を加え
て測定され値を示す。測定試料としては、作製したブラ
ンケットの表面印刷層(ゴム層)のみをスライスしてシ
ート状に取りだして測定に供した。また、測定機器には
レオロジー社製の粘弾性スペクトロメータ(型番「DV
E−V4」)を使用した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のオフセット印刷用
ブランケットを、その一例を示した図1を参照しつつ実
施の形態を説明する。本発明のオフセット印刷用ブラン
ケット10は、表面印刷層20と、複数の基布層(補強
層)34,35を積層してなる支持体層30とを有する
とともに、この支持体層30の内部に多孔質の弾性部材
からなる少なくとも1層の圧縮性層32を有するもので
ある。
【0014】本発明のオフセット印刷用ブランケット1
0において、表面印刷層の弾性率E' は5〜10MPa
であり、好ましくは6〜9MPaである。弾性率E' を
上記範囲に設定することにより、ベタ着肉性、排紙性、
洗浄性が良好であり、またスラーの発生がよく抑えられ
る。ベタ着肉性は、弾性率E'が上記の範囲を上回ると
良好ではない。弾性率E'が上記の範囲を下回るとき、
スラー発生がみられ、洗浄性が悪くなる。
【0015】本発明の印刷用ブランケットにおいて、表
面印刷層20は、耐油性ゴム材料に、所定量の加硫剤、
加硫促進剤および必要に応じて充填剤等を配合し、これ
をトルエン、メチルエチルケトン等に溶解させて上記の
ゴム糊として、後述する支持体層30上に所定の厚みに
なるまでブレードコーティングすることによって作製さ
れる。表面印刷層20に用いる耐油性ゴム材料として
は、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)の
他、クロロプレンゴム(CR)、ポリウレタンゴム
(U)等の合成ゴムがあげられ、さらにこれらの混合物
や前記合成ゴムと多硫化ゴムとの混合物なども使用可能
である。
【0016】表面印刷層の弾性率E' は、その作製に用
いるゴム材料、充填剤の種類や量、加硫の程度などを適
宜選択することにより上記の範囲に設定される。例え
ば、充填剤である含水シリカを比較的多く配合したり、
あるいは含水シリカが少ないものは熱硬化型フェノール
レジンで補う、などの方法によって弾性率E'を上記範
囲に設定することができる。表面印刷層20の表面粗さ
は特に限定されないが、10点平均粗さRzで1.0μ
m以下であるのが好ましい。表面印刷層20の表面粗さ
が上記範囲を超えると、印刷された網点の形状が乱れる
などして、印刷品質が低下するという問題が生じる。な
お、上記表面粗さは印刷品質の観点から小さいほど好ま
しい。
【0017】また、表面印刷層20の厚みも特に限定さ
れないが、通常、0.05〜2.0mm、好ましくは
0.1〜0.6mm、より好ましくは0.2〜0.4m
mの範囲で設定するのが適当である。表面印刷層20の
厚みが上記範囲を下回ると、基布の模様が印刷画像に現
れるおそれがある。逆に厚みが上記範囲を超えると、印
刷時のひずみが大きくなりすぎて印刷品質が低下するお
それがある。支持体層30は、複数層の基布層(補強
層)34,35と、少なくとも1層の圧縮性層32とを
積層したものである。
【0018】基布層34,35は、綿、ポリエステル、
レーヨン等の織布または不織布からなる基布にゴム糊を
含浸させたものであって、なかでも伸び取り加工を施し
た織布が好ましい。基布層用ゴム糊には、例えばアクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム
(ACM)、クロロプレンゴム(CR)等のゴム材料
に、所定量の加硫剤、加硫促進剤および必要に応じて増
粘剤等を配合したものが用いられる。
【0019】基布層の厚みは特に限定されないが、通
常、0.15〜0.5mm、好ましくは0.25〜0.
45mmの範囲で設定するのが適当である。また、支持
体層30全体の厚みは、後述する圧縮性層32の厚み等
に応じて設定されるものであるが、通常1.45〜1.
85mm、好ましくは1.55〜1.75mmの範囲で
設定される。なお、基布層の積層数は、製品に要求され
る特性等に応じて適宜設定すればよく、通常1〜5層で
あるのが好ましい。
【0020】なお、本発明においては、上記支持体層3
0における基布に代えて、例えばポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエ
ーテルスルフォン(PES)、ナイロン等の合成樹脂製
のフィルムや、あるいはアルミニウム、ステンレス等の
金属の薄板を用いることもできる。圧縮性層32を構成
するゴムとしては特に限定されないが、例えばアクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴム
(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム
(U)等の、インキや洗浄液に対する耐性を有する耐油
性のゴムが好適に使用される。
【0021】圧縮性層32は、上記ゴム材料に、所定量
の加硫剤、加硫促進剤等を配合し、さらに、後述する発
泡剤あるいは中空微粒子等の充填剤を必要に応じて配合
したものが用いられる。また、発泡剤や中空微粒子に代
えて食塩を配合したものを用いてもよい。圧縮性層32
に使用するゴムの硬度は特に限定されないが、JIS
A硬度で40〜80°、好ましくは45〜75°、より
好ましくは50〜70°の範囲に調整するのが適当であ
る。圧縮性層32の硬度が上記範囲を下回ると、圧縮性
層32、ひいてはオフセット印刷用ブランケット10自
体の復元性が低下してヘタリが生じたり、印刷に必要な
印圧が得られなくなるおそれがある。逆に硬度が上記範
囲を超えると、圧縮性が低下して印圧の調整が不十分に
なるおそれがある。
【0022】圧縮性層32の厚みは特に限定されない
が、通常、0.1〜0.8mm、好ましくは0.2〜
0.5mmの範囲で設定するのが適当である。圧縮性層
32の厚みが上記範囲を下回ると、圧縮性が低下して印
圧の調整が不十分になるおそれがある。逆に厚みが上記
範囲を超えると、印刷時のひずみが大きくなりすぎて印
刷品質が低下するおそれがある。圧縮性層32は、前述
のように多孔質の弾性部材からなるものであって、該層
内部の各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造のもの
と、各気孔が互いに連通した連続気孔構造のものとがあ
る。本発明ではこのいずれの構造であってもよく、両方
の構造を併用してもよい。
【0023】上記のうち独立気孔構造の圧縮性層は、例
えば加熱分解してガスを発生する発泡剤を未加硫のゴム
中に分散して、ゴムの加硫と同時に発泡させる方法や、
あるいはゴム中に中空微粒子を分散させる方法(マイク
ロバルーン法)によって形成される。一方、連続気孔構
造の圧縮性層は、未加硫のゴム中に食塩等の抽出可能な
粒子を分散し、加硫後に、ゴムの性質に影響を及ぼさな
い溶媒(食塩の場合は水)により上記粒子を抽出する方
法(リーチング法)によって形成される。
【0024】圧縮性層32内の気孔の割合(以下、「気
孔率」という)は特に限定されないが、通常、30〜7
0%、好ましくは35〜60%、より好ましくは40〜
55%の範囲に調整するのが適当である。圧縮性層32
の気孔率が上記範囲を下回ると、圧縮性が低下して印圧
の調整が不十分になるおそれがある。逆に気孔率が上記
範囲を超えると、復元性が低下してヘタリが生じたり、
印刷に必要な印圧が得られなくなるおそれがある。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
さらに具体的に説明する。 実施例1〜6、比較例1および2 (オフセット印刷用ブランケットの作製)下記の条件に
て、図1に示すオフセット印刷用ブランケットを作製し
た。 (i) 表面印刷層20の作製 表面印刷層用ゴム糊としては、表1に示すように、耐油
性ゴムであるアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、含水シリカ、熱硬化型フェノールレジン、加硫
剤、加硫促進剤、充填剤等の成分を同表に示す割合で混
合し、この配合物をトルエンに重量比1:1で溶解させ
たものを用いた。
【0026】
【表1】
【0027】上記支持体層30上に、表3に示した表面
印刷層用ゴム糊をブレードコーティング法にて糊引き
し、乾燥させて、厚さ0.3mmの表面印刷層20を形
成した。 (ii)支持体層30の作製 基布として綿布、ポリエステルおよびレーヨンの繊維を
組み合わせてなる混紡織物を用いた。この基布に含浸さ
せるゴム糊には、表2に示すように、耐油性ゴムである
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)に加硫
剤、加硫促進剤、充填剤等の成分を同表に示す割合で混
合し、この配合物をトルエンに重量比1:1で溶解させ
たものを用いた。
【0028】
【表2】
【0029】上記基布上に、表1に示した基布層用ゴム
糊を糊引きして、ゴム糊によるゴムの厚みを0.01m
mに調整した。こうして得られた3枚の基布をロールで
圧着させて基布層34(各基布層の厚みは0.3mm)
を得た。次いで、表3に示すように、NBRに加硫剤、
加硫促進剤、充填剤等の成分を同表に示す割合で混合
し、この配合物をトルエンに重量比1:1で溶解させ、
さらにアクリロニトリル系樹脂中空微粒子(松本油脂製
薬社製の商品名「F−100D」、粒径30〜150μ
m)および/または食塩粒子(粒径1〜50μm)を混
合して、圧縮性層用ゴム糊を得た。
【0030】なお、表3に、上記食塩粒子によって得ら
れる連続気孔の気孔率(連続気孔率、体積%)と、上記
中空微粒子によって得られる独立機構の気孔率(独立気
孔率、体積%)を示した。この気孔率は、上記圧縮性層
を含むブランケットを後述する方法で加硫した後、圧縮
性層全体の体積における気孔部分の体積の割合を百分率
で表したものである。
【0031】
【表3】
【0032】上記表3に示した圧縮性層用ゴム糊を、前
記(i) 「支持体層30の作製」と同様な方法で作製した
基布層35(1層)に糊引きし、乾燥させた。得られた
圧縮性層32の厚さは0.4mmであった。次いで、こ
の圧縮性層32および基布層35を、上記の基布層34
上に図1に示す層構成となるように貼り合わせて、支持
体層30を作製した。 (iii) 加硫・成形 上記(i) および(ii)の方法によって得られた未加硫の積
層体を、圧力2kg/cm2、温度150℃で30分
間、加硫・成形した。加硫後、ブランケット厚みが1.
98mmになるように仕上げ研磨して、オフセット印刷
用ブランケットを得た。上記の実施例および比較例で作
製した印刷用ブランケットを後述の方法で、弾性率E’
の測定と、ベタ着肉性、スラー、排紙性および洗浄性を
評価した。それらの結果は前記の表1に示すとおりであ
る。
【0033】前記表1に示されるように、実施例1〜
6、比較例1および2の結果から、表面印刷層の弾性率
E’が5〜10MPaの範囲のとき、ベタ着肉性、排紙
性が良好である。また、実施例2〜5の結果から、耐油
性ゴムの割合が50〜75重量%のときにベタ着肉性が
とりわけ良好である。この割合が50重量%未満ではベ
タ着肉性がやや劣る傾向にあり、また75重量%を越え
ると洗浄性が劣ってくる傾向がある。
【0034】<評価方法>印刷試験は、ブランケットを
オフセット印刷機(リョービ社製560型)の転写胴シ
リンダに巻き付け、ベタと網点をコート紙に印刷して行
った。印刷条件は、次のとおりである。 印刷速度:10,000枚/時 インキ:大日本インキ化学工業製の「ドライオカラーア
ーティス」(水なし印刷用インキ) 版:東レ製の水なし平板 湿し水:使用せず (1)弾性率E' の測定 上記各実施例および比較例で作製したオフセット印刷用
ブランケットから表面印刷層のみをスライスしてシート
状に取りだし、弾性率E' を測定した。測定条件は前述
のとおりである。 (2)ベタ着肉性 画像解析によってベタ部の濃度分布を調べ、その標準偏
差を求めることによりベタ着肉性を評価した。この標準
偏差値が小さいほど良好である。 (3)スラー 印刷方向への網点の流れ具合(楕円度)をスラーゲージ
により縦横の線幅比(横線幅/縦線幅)を求めることに
より評価した。この線幅比が小さいほど良好である。 (4)排紙性 総ベタで印刷したコート紙を10枚重ねたときのカール
高さを測定した。カール高さが低いほど排紙性(紙離れ
性)は良好である。 (5)洗浄性 総ベタ5,000枚の全面ベタ印刷後、大日本インキ化
学工業製洗浄液ダイクリーンを用いて表面を洗浄し、洗
浄性を観察した。印刷前にブランケット表面に幅50μ
mで深さが100μm、200μmの2種の溝を、ブラ
ンケットの全長さにわたって刻み、上記印刷および洗浄
後、溝の中へのインキの残り具合いを観察し、下記の3
段階で評価した。
【0035】 ○ すべての深さの溝にインキがない洗浄レベルを示
す。 △ 200μm以下の溝にのみインキ残りが見られる洗
浄レベルを示す。 × どちらの溝にもインキ残りが見られる洗浄レベルを
示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオフセット印刷用ブランケットの一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 オフセット印刷用ブランケット 20 表面印刷層 30 支持体層 32 圧縮性層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮性層を有する支持体層と、この支持体
    層上に積層された表面印刷層とを含むオフセット印刷用
    ブランケットにおいて、前記表面印刷層が動的変化応力
    (10Hz,23℃,振幅50μm,チャック間距離2
    0mm,初期歪み2mm伸張)を加えたときの弾性率
    E' が5〜10MPaである耐油性ゴム組成物からなる
    ことを特徴とするオフセット印刷用ブランケット。
  2. 【請求項2】前記表面印刷層における耐油性ゴムの割合
    が50〜75重量%である請求項1記載のオフセット印
    刷用ブランケット。
  3. 【請求項3】水なし印刷用である請求項1または2記載
    のオフセット印刷用ブランケット。
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