JP2002059192A - 熱交換器のケイ酸塩含有スケールの付着防止及び除去方法 - Google Patents

熱交換器のケイ酸塩含有スケールの付着防止及び除去方法

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JP2002059192A
JP2002059192A JP2000244716A JP2000244716A JP2002059192A JP 2002059192 A JP2002059192 A JP 2002059192A JP 2000244716 A JP2000244716 A JP 2000244716A JP 2000244716 A JP2000244716 A JP 2000244716A JP 2002059192 A JP2002059192 A JP 2002059192A
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Takashi Tanaka
孝 田中
Yukinobu Shibata
幸信 柴田
Sho Akeboshi
鍾 明星
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YUTAKA IND
Yutaka Sangyo KK
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SHIBATA TOKI KK
YUTAKA IND
Yutaka Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学剤を使用せずとも、熱交換器のパイプ壁
面へのケイ酸塩を含むスケールの付着を効果的に防止あ
るいは抑制でき、また一旦パイプ壁面に付着したスケー
ルも、熱交換器の停止を必要とすることなく、効果的に
除去することができるシステムを開発すること。 【解決手段】 熱交換器に供給される一次冷却水(熱源
と接触して高温となる水性媒体)及び/又は二次冷却水
の水路の上流側の任意の位置に多数のトルマリン微粒子
と無機質絶縁体とからなるトルマリン成形体を配置する
ことを特徴とする熱交換器のケイ酸塩含有スケールの付
着防止方法及び熱交換器内部に付着したケイ酸塩含有ス
ケールの除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器のケイ酸
塩含有スケールの付着防止方法、そして熱交換器内部に
付着したケイ酸塩含有スケールの除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの工場、特に物質の混合、反応、分
離などの工程を実施する装置設備を有する工場(例、化
学工場)においては、製造(化学反応など)の過程で発
生する熱を吸収した高温の水系媒体を、熱交換器を利用
して回収することが一般的に行なわれている。熱交換器
には各種のタイプがあるが、いずれも、その内部に一次
冷却水(熱源を直接冷却する冷却水で、熱を吸収して高
温となっている)あるいは二次冷却水が通過する細いパ
イプ(管)と、そのパイプの周囲に供給される二次冷却
水あるいは一次冷却水を一時的に保持する容器とから構
成される。
【0003】一般の製造工場において、製造の過程で発
生する熱の吸収は通常、工業用水が使用される。また、
その熱を帯びた高温の工業用水を冷却する、あるいは熱
を回収する目的で使用される水もまた、通常は、工業用
水が用いられる。工業用水には、各種の金属成分、無機
物質、そした有機物質が溶解、分散されている。従っ
て、一次冷却水(高温水)と二次冷却水との熱交換が行
なわれる熱交換器内部のパイプの壁面には、各種の物質
からなるスケールが付着しやすい。なかでも、土や岩石
との接触により工業用水に混入する珪素分に起因するケ
イ酸塩(珪素酸化物を含む)を主成分とするスケール
は、熱伝導率が低いため、その付着は熱交換器の熱交換
機能の大きな低下の原因となる。
【0004】また、ケイ酸塩を主成分とするスケール
は、熱交換器のパイプの壁面に一旦付着すると、容易に
離脱しにくいため、通常は、そのスケールの除去のため
に定期的に、熱交換器の運転を一旦停止して、作業員の
手による清掃作業を行なうことが必要とされている。し
かしながら、熱交換器の運転を停止を行なう場合には通
常、その熱交換器が付設されている製造設備の全体の停
止が必要となることが多く、熱交換器の清掃作業のため
の運転停止は、工場運営上大きな負担となる。
【0005】これまでに、熱交換器のパイプ壁面のスケ
ール付着防止あるいは一旦付着したスケールの除去の目
的で、縮合リン酸塩、ポリアクリル酸及びその塩、第四
級アンモニウム塩、ポリカルボン酸などの各種の化学剤
が開発されている。しかしながら、化学剤の熱交換器用
水性媒体(一次冷却水あるいは二次冷却水)への添加
は、その水性媒体の大部分については循環使用されるも
のの、その一部は廃水として循環系から除かれるため、
連続的、あるいは繰り返しの化学剤の添加が必要とな
り、そのために要するコストが少なくないという問題が
ある。また、熱交換に利用した循環水の一部を廃水とし
て外部に流すためには、添加した化学剤の除去処理が必
要となることなどの問題がある。
【0006】また、なによりも、これまでに開発されて
きた化学剤は満足できるスケール付着防止あるいはスケ
ール除去効果が得られていないという現状がある。特
に、夏期の気温が高い時期には、熱交換器のパイプ壁面
のスケールの付着が顕著になるが、これまでに知られて
いる化学剤では充分なスケール付着防止効果が得られな
い。また、一旦付着したスケール除去のためには、塩酸
などの強酸や炭酸ナトリウムなどの強アルカリを用いて
の洗浄が有効であると云われているが、この場合にも、
洗浄水の排水処理の問題が残る。
【0007】化学剤を用いることなく、ボイラーなどに
水を供給する水路の周囲に磁場、電磁場発生装置を配置
し、その水路を通過するケイ酸イオンを含有する水に磁
場、電磁場を作用させて水路内の錆および/またはスケ
ールの発生を防止する方法について、特開平2−227
193号に記載がある。しかし、この公開公報に報告さ
れているデータによると、スケールの発生が確認されて
いるのはボイラー内部のみである。また、この方法の採
用に際しては、高価な磁場、電磁場発生装置を購入し
て、水路の周囲に付設する必要があり、多量の工業用水
の処理が必要な工場現場において用いる場合に効率的で
あるということはできない。
【0008】特開平11−319886号公報には、同
じくボイラーへの炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、
シリカなどのスケールの付着を防止するために、アルミ
ナを主成分とし、鉄、マグネシウム、カルシウム、ナト
リウム、カリウムなどの酸化物を含むような自然石を粉
砕、成形、焼結させて得られるセラミックスの焼結体
を、ボイラーに供給する水に接触させる方法が開示され
ている。しかし、この公開公報によると、具体的に如何
なるセラミックスの焼結体が有効であるかの点が明確で
なく、またスケールの付着に有効であったとする具体的
なデータも記載されていない。
【0009】これまでに、トルマリン(電気石)を用い
て水道水などの水の浄化あるいは活性化を実現すること
についての技術が開発されている。トルマリンは自己分
極作用を持ち、水と接触状態で置くとヒドロキシルイオ
ンを発生するなどして、水道水などの水の浄化処理に有
用であることが以前より知られている。但し、トルマリ
ン原石の状態では、その浄化作用が充分でないため、通
常は、トルマリン原石を粉砕して微粒子状にして使用し
ている。また、微粒子状とされたトルマリン粒子の各粒
子間を絶縁性材料にて分離することにより、各トルマリ
ン粒子内で独立して自己分極を発生させ、重量当り、あ
るいは体積当りのトルマリン粒子の水浄化作用を高める
工夫もなされている。このような水処理用のトルマリン
微粒子の改良としては、これまでに、下記のような発明
が提案されている。
【0010】特許公報第2710768号(特開平9−
110468号公報)には、トルマリン微粒子をガラス
マトリックスの中に分散させた成形体で、水の浄化処理
に適した成形体が開示されている。特公平7−3898
7号公報には、電気石の微粉間を電気絶縁し固化した電
気石粒状物と、それを用いた水の界面活性化装置が開示
されている。
【0011】特開平11−165167号公報には、ア
ルミナ粉末とトルマリン粉末とから成形した多孔質トル
マリン含有成形体が開示されている。
【0012】特開平9−157000号公報には、水質
改善に有効な、トルマリン微粉末、セラミックス粉末、
そして銀の混合物を焼結してペレット化したトルマリン
セラミックスが開示されている。
【0013】特開平11−89906号公報には、温泉
成分粉末とトルマリン微粉末と、ガラス粉その他のバイ
ンダー粉を混合し、焼結して多孔質体とした浴場用セラ
ミックスが開示されている。
【0014】特開平10−17378号公報には、トル
マリン微粉末とポリエチレンもしくはポリプロピレンの
微粉末との混合体を焼結してえた多孔質トルマリン成形
物が開示されている。特開平11−322469号公報
には、トルマリン粒子を主原料とし、多孔性微粒子(ゼ
オライト)を副原料として、粘着剤および可塑性原料と
混練し、約800℃の低温で焼成して得た多孔性トルマ
リンセラミックス材料が開示されている。
【0015】特開平11−192479号公報には、ト
ルマリン原石、トルマリン成形体などを、水道系に備え
られたカラムに充填して、水のリサイクルを効率化する
発明が開示されている。特開平10−314752号公
報には、電気石の原石、電気石粉末の成形体などの水と
接触してヒドロキシルイオンを発生する材料を金網など
の多孔性容器に収容して貯水槽内の底に静置して、水の
腐敗や臭気の発生を防止するシステムが開示されてい
る。
【0016】上記の特許関連公報に記載されたトルマリ
ンの水浄化作用は、特に限定はされていないものの、水
道水のような本質的に清浄度の高い水の浄化処理に用い
られて、その効果が示されており、清浄性としては遥か
に劣る工業用水における浄化作用についての具体的な検
討はされていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学剤の使
用を必要とすることなく、熱交換器内部のパイプ壁面へ
のケイ酸塩を含むスケールの付着を効果的に防止あるい
は抑制でき、また一旦パイプ壁面に付着したスケール
も、熱交換器の停止を必要とすることなく、効果的に除
去することができるスケール付着防止・除去システムを
開発することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究による
と、トルマリン粒子を無機質絶縁体で分散結合して成形
したトルマリン成形体を、ケイ素成分が多量含まれてい
る工業用水を熱交換器の水性媒体(一次冷却水)として
用いた場合、またそのような工業用水を熱交換器の二次
冷却水として用いた場合に、それらの工業用水の熱交換
器から見て上流側の任意の位置に配置して、工業用水と
常時接触状態に置くと、熱交換器のパイプの壁面(パイ
プ内側面あるいはパイプ外側面)に、ケイ酸塩を含有す
るスケールが付着しにくく、また一旦パイプ壁面に付着
したケイ酸塩を含有するスケールの離脱も促進できるこ
とが判明した。
【0019】従って、本発明は、熱交換器に供給される
一次冷却水(高温水)及び/又は二次冷却水の水路の上
流側の任意の位置に多数のトルマリン微粒子と無機質絶
縁体とからなるトルマリン成形体を配置して、該水路内
を通過する水もしくは該水路内に貯溜された水とと接触
させることを特徴とする熱交換器のケイ酸塩含有スケー
ルの付着防止方法にある。本発明はまた、ケイ酸塩含有
スケールが付着した熱交換器に供給される一次冷却水及
び/又は二次冷却水の水路の上流側の任意の位置に多数
のトルマリン微粒子と無機質絶縁体とからなるトルマリ
ン成形体を配置して、該水路内を通過する水もしくは該
水路内に貯溜された水とと接触させることを特徴とする
熱交換器のケイ酸塩含有スケールの除去方法にもある。
【0020】なお、本発明の熱交換器のスケールの付着
防止と除去方法において、トルマリン成形体を、開口率
が50%以上(特に70%以上)の柔軟な袋状容器(好
ましくは、柔軟で、かつ非導電性)に収容して、熱交換
器の上流側に懸下配置することが好ましい。ただし、一
次冷却水及び/又は二次冷却水が循環系を形成している
場合には、その循環系の水路のいずれの位置において
も、熱交換器の位置は上流側となるため、そのトルマリ
ン成形体の配置する位置については、結果的には限定は
なくなる。ただし、この場合にも、トルマリン成形体
は、袋状容器(好ましくは、柔軟で、かつ非導電性)に
収容して、懸下配置することが好ましい。
【0021】上記袋状容器は特に、非導電性合成繊維製
の網からなる袋と、その形状を保持する機能を持つ金属
製リングとから構成されていることが好ましく、また袋
状容器には懸下用の紐が付けられていることが好まし
い。そして、袋状容器の側面、頂面そして底面のいずれ
もが網状にあることが好ましい。
【0022】本発明の熱交換器のケイ酸塩含有スケール
の付着防止・除去方法において用いるトルマリン成形体
は、多数のトルマリン微粒子が、無機質絶縁体微粒子を
トルマリン微粒子間に介在させ、かつトルマリン微粒子
と無機質絶縁体微粒子とが無機質接着材成分の存在下で
点接着状態で互いに固着されることにより塊状化され
て、多孔質球状体とされている球状のトルマリン塊状物
であることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の熱交換器のケイ酸塩含有
スケールの付着防止及び除去方法の実施に際して用いら
れるトルマリン成形体には特に限定はないが、例えば、
多数のトルマリン微粒子、多数の無機質絶縁体微粒子、
そしてトルマリン微粒子と無機質絶縁体微粒子との総重
量の1〜10%の範囲の量の、600〜950℃の温度
範囲内で融解する無機質接着材を混合する工程;該混合
工程で生成した混合物に有機質接着材水溶液を付与しな
がら塊状物を形成させる工程;そして該塊状物を600
〜950℃に加熱することにより、トルマリン微粒子と
無機質絶縁体微粒子の形状を実質的に維持しながら無機
質接着材を融解もしくは反応させ、次いで冷却する工程
を含む方法を利用して製造することにより得られる上記
の多孔質の球状トルマリン成形体であることが望まし
い。
【0024】上記のトルマリン成形体の好ましい態様を
次に記す。 (1)トルマリン微粒子と無機質絶縁体微粒子との平均
粒径比が、前者1に対して、後者が0.2乃至5の範囲
にある。 (2)トルマリン微粒子と無機質絶縁体微粒子との平均
粒径比が、前者1に対して、後者が0.5乃至2の範囲
にある。 (3)トルマリン微粒子の粒径が1乃至50μmの範囲
にある。 (4)トルマリン微粒子の粒径が3乃至30μmの範囲
にある。
【0025】(5)トルマリン微粒子と無機質絶縁体微
粒子との重量比が、前者1に対して、後者が0.2乃至
5の範囲にある。 (6)無機質絶縁体微粒子が粘土質微粒子である。 (7)無機質絶縁体微粒子の粒径が1乃至50μmの範
囲にある。 (8)無機質絶縁体微粒子の粒径が3乃至30μmの範
囲にある。 (9)無機質接着材成分が600乃至950℃の範囲内
で融解するガラス質材料またはその反応物もしくは分解
物である。 (10)トルマリン成形体の圧縮強度が15kg以上
(特に20kg以上、各球状トルマリン成形体の圧縮強
度の平均値)である。 (11)トルマリン球状成形体の平均径が2〜15m
m、好ましくは4〜15mm、特に4〜10mmの範囲
にある。
【0026】第1図に、上記の球状トルマリン塊状物1
0の内部構造の概念図を示す。第1図は、球状トルマリ
ン成形体の内部構造の一部を拡大した状態で示してい
る。第1図において、斜線を付けた円形の部分11は、
トルマリン微粒子の断面を表わす。隣接する複数のトル
マリン微粒子11は、互いに無機質絶縁体微粒子12に
よって空間的に隔離されている。そして、トルマリン微
粒子11と無機質絶縁体微粒子12とは、その接触点あ
るいは近接点の周囲に固着したガラス質などの無機質接
着材成分13により互いに接合されている。従って、無
機質接着材成分13が配置されていないトルマリン微粒
子11の表面は、空孔に向かって露出している。従っ
て、各々のトルマリン微粒子11は、それぞれの内部で
自己分極し、その露出表面に接する水や水蒸気などに反
応してヒドロキシルイオンなどの活性イオンを発生させ
る。
【0027】上記の球状トルマリン成形体の製造に使用
することのできるトルマリン微粒子については、トルマ
リン微粒子と無機質絶縁体とを含む多孔質トルマリン成
形体であれば、特別な限定はない。すなわち、以前より
トルマリンあるいは電気石として知られている天然の鉱
物を粉砕し、所望により適当な粒子径に揃える分級操作
を施すことによって、上記の球状トルマリン成形体の製
造に用いることのできるトルマリン微粒子を得ることが
できる。ただし、上記の球状トルマリン成形体の製造に
用いるトルマリン微粒子は、その粒径(本明細書では平
均粒径を意味する)が1乃至50μmの範囲にあること
が好ましく、さらに3乃至30μmの範囲にあることが
好ましく、特に5乃至20μmの範囲にあることが好ま
しい。
【0028】無機質絶縁体微粒子としては、たとえば、
各種粘土の粒子、カオリン、アルミナ粒子、二酸化チタ
ン粒子、タルクなどの無機質絶縁体粒子を使用すること
ができる。なお、使用する無機質絶縁体微粒子は、トル
マリン微粒子と混合成形後の塊状化の際の焼成工程にて
融解することなく、自己の形状を大略維持する必要があ
るため、焼成工程の温度にもよるが、その融点(溶融温
度)一般には、700℃以上、好ましくは900℃以
上、そして特に1000℃以上であることが好ましい。
【0029】なお、無機質絶縁体微粒子が、隣接するト
ルマリン微粒子の間の効果的な絶縁を実現させ、かつト
ルマリン微粒子の露出表面の割合を好適なレベルに維持
するためには、トルマリン微粒子の粒径に対する無機質
絶縁体微粒子の粒径の比が、前者1に対して、後者が
0.2乃至5の範囲にあることが好ましく、さらに前者
1に対して、後者が0.5乃至2の範囲にあることが好
ましく、特に前者1に対して、後者が0.8乃至1.2
の範囲にあることが好ましい。従って、無機質絶縁体微
粒子の粒径も、1乃至50μmの範囲にあることが好ま
しく、さらに3乃至30μmの範囲にあることが好まし
く、特に5乃至20μmの範囲にあることが好ましい。
【0030】なお、無機質絶縁体微粒子は、トルマリン
微粒子1重量部に対して、0.2乃至5重量部の範囲の
量で用いることが好ましく、さらに0.5乃至2重量部
の範囲の量で用いることが好ましく、特に0.7乃至
1.5重量部の範囲の量で用いることが好ましい。
【0031】上記の球状トルマリン成形体の製造におい
て、トルマリン微粒子と無機質絶縁体微粒子とのあいだ
の点接触による強固な接合を実現するために、600〜
950℃の温度範囲にて融解するガラス質粉末(例、粉
末ケイ酸バインダ)等の無機質接着材を用いることが好
ましい。また、無機質接着材を多量用いると、トルマリ
ン微粒子の表面に付着する量が多くなって、トルマリン
微粒子の露出表面積が減少するため、無機質接着材は、
トルマリン微粒子と無機質絶縁体微粒子との総重量の1
〜10%(特に、2〜8%)の範囲の量で用いることが
好ましい。そして、トルマリン微粒子に対しては、無機
質接着材は、0.5〜5重量%(特に、1〜4重量%)
の量で用いることが好ましい。
【0032】上記球状トルマリン成形体の製造に際して
は、まず、多数個のトルマリン微粒子、多数個の無機質
絶縁体微粒子、そして粒子状の無機質接着材を、それぞ
れ乾燥状態にて混合し、次いで転動造粒装置(例、パン
型造粒機)などの造粒装置を用いて、生成した混合物に
有機質接着材水溶液を、例えば霧状にして付与しながら
球状の塊状成形体を形成させる。この造粒工程で、無機
質接着材粒子は、主としてトルマリン微粒子と無機質絶
縁体微粒子との接合点もしくは近接点の周囲に局在する
ようになる。なお、必要に応じて、この塊状成形体の形
成工程で、トルマリン微粒子、無機質絶縁体微粒子、あ
るいは無機質接着材粒子を補充添加してもよい。
【0033】上記の塊状物の製造工程で用いる有機質接
着材水溶液は、自己支持性で、かつ後の焼成工程の開始
後の無機質接着材の溶融による固着の前までを塊状形態
を維持できるようにするための成形用接着材水溶液であ
って、例えば、CMC(カルボキシメチルセルロース)
の5〜10重量%水溶液などが用いられる。塊状成形体
は平均径が2〜15mmの球状とすることが好ましい。
【0034】上記の工程で得られた塊状成形体は、次い
で加熱炉に入れられ、通常は、およそ3〜15時間かけ
て、600〜950℃(好ましくは、700〜950
℃)の温度にまで加熱され、次いでトルマリン微粒子と
無機質絶縁体微粒子の成形体の形状を実質的に維持しな
がら通常は、30分〜2時間焼成され、主としてトルマ
リン微粒子と無機質絶縁体微粒子との近接点周囲に局在
する無機質接着材を融解もしくは反応させる。焼成され
た塊状成形体は次いで、加熱内で冷却され、さらに加熱
炉から取り出して、室温にまで冷却され、目的の球状ト
ルマリン成形体(平均径が好ましくは2〜15mm)が
得られる。
【0035】本発明に従う熱交換器のケイ酸塩含有スケ
ールの付着防止方法及び/又は除去方法の実施に際して
は、第2図に示すような、柔軟な非導電性の合成繊維製
網21と、その形状を保持するための金属リング22と
から形成される袋状の多孔性容器(側面と底面そして頂
部が共に開口していて、開口率が50%以上、特に70
%以上であることが好ましい)23に収容して、第3図
に示すように、化学反応装置などの熱発生源30に一次
冷却水水路を介して連結した熱交換器31に二次冷却水
を供給する水循環系により連結された水路に設けられた
貯水池(あるいは、水貯蔵タンク)32などの内部に、
容器に付けられた紐24によって、貯水池32の上部に
架けられている橋状通路33に吊り下げて懸下状態で配
置することが好ましい。
【0036】熱交換器について特に限定はないが、蛇管
式、開放液膜式、二重管式、多管式などの管型の熱交換
器、そしてプレート式、ジャケット式、スパイラル式な
どの板型の熱交換器が一般的に用いられる。また、熱交
換器のパイプ部分は通常、鉄製であるが、ステンレスや
銅などの他の金属材料から形成されているのある。
【0037】なお、トルマリン成形体を詰めた袋状多孔
性容器23は、第3図に示されているように、工業用水
を貯蔵するタンクあるいは工業用水の循環処理を行なう
ためのフラッシュ塔(クーリング塔)34の内部などで
も、同様にそれらの内部に懸下状態、あるいは底部に、
流出されないように留めた状態で配置することもでき
る。特に、貯水池あるいは水貯蔵タンクなどに吊り下げ
状態で配置されたトルマリン成形体容器23は、水の移
動によって揺れ、位置を変えるため、新たに流入する水
とトルマリン成形体との接触が増加し、また通常の工業
用水で発生しやすいスラッジ、藻などの固形汚染物がト
ルマリン成形体表面に付着し、堆積することを効果的に
防ぐことができる。
【0038】なお、長期間の使用により、トルマリン成
形体容器中のトルマリン成形体の表面にスラッジ、藻な
どの固形汚染物が堆積した場合には、その容器の紐を掴
んで揺り動かすなどの洗浄操作を行なうことによって、
固形汚染物を容易に取り除くことができる。
【0039】
【実施例】[実施例1−球状トルマリン成形体の製造]
トルマリン微粉末(中国産、純度:約100%、325
メッシュパス、平均粒径:約7μm)50重量部、粘土
粉末(蛙目粘土の乾燥粉末、325メッシュパス、平均
粒径:約7μm)45重量部、そしてケイ酸ソーダ粉末
(低温焼結ガラス質形成バインダ)5重量部を混合し、
この混合物をパン型造粒機に入れ、回転造粒した。この
回転造粒の際に、カルボキシメチルセルロース(CM
C)水溶液(セロゲンWSC(市販品)、濃度:約7
%)を造粒物に適宜噴霧して、造粒成形体とした。
【0040】次いで、得られた造粒成形体を加熱炉に入
れ、8時間かけて700℃にまで加熱し、次いで該温度
で1.5時間加熱焼成し、その後、加熱を停止し、加熱
炉中で8時間放冷した。そして、加熱炉から取り出し、
球状のトルマリン成形体を得た。得られたトルマリン成
形体は、多数のトルマリン微粒子が、粘土粉末をトルマ
リン微粒子間に介在させ、かつトルマリン微粒子と粘土
粉末とがガラス質によって点接触状態にて互いに固着さ
れることにより塊状化されて、多孔質の球状体(平均粒
径:6mm)を形成していた。また、得られた多孔質球
状体の圧縮強度(1個の球状体の圧縮強度(測定法:鋼
鉄製の二枚の板の間に多孔質球状体を挟み、1mm/分
の速度で加圧し、球状体が破壊した際の重量を測定す
る)の平均値)は約35kgであった。
【0041】[実施例2−トルマリン成形体による熱交
換器内部のスケール除去とスケール付着防止効果の確
認]化学工場の化学反応装置に反応熱の除去用として付
設されている熱交換器の二次冷却水の循環系水路に備え
られていて、その工場用水に通常のポリリン酸塩系のス
ケール防止剤を添加使用していたが、循環系の熱交換器
内部のパイプ壁に多量のケイ酸塩含有スケールが付着し
ていた循環系を評価対象にした。
【0042】実施例1で製造した球状トルマリン成形体
を第2図に示した構造を持つ化学繊維製の網袋状容器に
充填し、第3図に示すようにして熱交換器31に水路を
介して連結している貯水池32内に吊り下げ、またフラ
ッシュ塔34の底部にも係留状態で配置した。そして、
該配管中を以前通り工場用水を連続して通過させ、熱交
換器の運転を続けた。1ヶ月経過のち、熱交換器内部の
状態を調べたところ、ケイ酸塩含有スケールの大部分が
除去されていた。
【0043】上記の状態を確認したのち、さらに1ヶ月
間連続運転し、経過のち、熱交換器内部の状態を調べた
ところ、ケイ酸塩含有スケールの付着量の増加は見られ
なかった。トルマリン成形体容器中の球状トルマリン成
形体の状態を調べたところ、破壊はなく、またトルマリ
ン成形体表面へのスラッジや藻などの固体汚染物の付着
も少なかった。
【0044】
【発明の効果】本発明に従って、多数のトルマリン微粒
子と無機質絶縁体とを含む多孔質トルマリン成形体を、
化学工場などの化学反応装置で発生する熱を除去あるい
は回収するために備えられている水性媒体を熱交換媒体
とする熱交換系に、高温となった一次冷却水、あるいは
その高温一次冷却水が冷却された水、もしくは熱交換器
に供給される二次冷却水に接触させることによって、熱
交換器内部に付着しているケイ酸塩を含有するスケール
の効率的な除去が可能となり、またスケール除去後にお
いても、スケールの新たな付着が効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱交換器のケイ酸塩含有スケールの付
着防止方法及び/又は除去方法の実施において有利に用
いられる球状トルマリン成形体の内部構造を模式的に示
す図である。
【図2】本発明の熱交換器のケイ酸塩含有スケールの付
着防止方法及び/又は除去方法の実施において有利に使
用される球状トルマリン成形体の容器(柔軟な非導電性
の合成繊維製網と金属リングとから構成される袋状多孔
性容器)の斜視図(球状トルマリン成形体が収容されて
いる)である。
【図3】第2図の球状トルマリン成形体を収容した容器
を熱交換器に循環供給される熱交換用の工業用水の循環
系に配置して、トルマリン成形体を水に接触させるよう
にした状態を示す模式図である。
【符号の説明】 10 球状トルマリン成形体 11 トルマリン微粒子 12 無機質絶縁体微粒子 13 無機質接着材成分 21 非導電性の合成繊維製網 22 金属リング 23 柔軟な袋状多孔性容器 24 容器の紐 30 熱発生源 31 熱交換器 32 循環水(二次冷却水)の貯水池 33 橋状通路 34 フラッシュ(クーリング)塔

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器に供給される一次冷却水及び/
    又は二次冷却水の水路の上流側の任意の位置に多数のト
    ルマリン微粒子と無機質絶縁体とからなるトルマリン成
    形体を配置して、該水路内を通過する水もしくは該水路
    内に貯溜された水と接触させることを特徴とする熱交換
    器のケイ酸塩含有スケールの付着防止方法。
  2. 【請求項2】 トルマリン成形体を、開口率50%以上
    の柔軟な非導電性の袋状容器に収容して、該袋状容器を
    一次冷却水及び/又は二次冷却水の水路の上流側に懸下
    して配置することを特徴とする請求項1に記載のケイ酸
    塩含有スケールの付着防止方法。
  3. 【請求項3】 袋状容器が非導電性合成繊維製の網から
    なる袋と、その形状を保持する機能を持つ金属製リング
    とから構成されていることを特徴とする請求項2に記載
    のケイ酸塩含有スケールの付着防止方法。
  4. 【請求項4】 袋状容器の側面、頂面そして底面のいず
    れもが網状にあることを特徴とする請求項2もしくは3
    に記載のケイ酸塩含有スケールの付着防止方法。
  5. 【請求項5】 トルマリン成形体が、多数のトルマリン
    微粒子が、無機質絶縁体微粒子をトルマリン微粒子間に
    介在させ、かつトルマリン微粒子と無機質絶縁体微粒子
    とが無機質接着材成分の存在下で点接着状態で互いに固
    着されることにより塊状化されて、多孔質球状体とされ
    ている球状トルマリン塊状物であることを特徴とする請
    求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載のケイ酸塩含
    有スケールの付着防止方法。
  6. 【請求項6】 ケイ酸塩含有スケールが付着した熱交換
    器に供給される一次冷却水及び/又は二次冷却水の水路
    の上流側の任意の位置に多数のトルマリン微粒子と無機
    質絶縁体とからなるトルマリン成形体を配置して、該水
    路内を通過する水もしくは該水路内に貯溜された水と接
    触させることを特徴とする熱交換器のケイ酸塩含有スケ
    ールの除去方法。
  7. 【請求項7】 トルマリン成形体を、開口率50%以上
    の柔軟な非導電性の袋状容器に収容し、該容器を一次冷
    却水および/または二次冷却水の水路の上流側に懸下す
    ることを特徴とする請求項6に記載のケイ酸塩含有スケ
    ールの除去方法。
  8. 【請求項8】 袋状容器が非導電性合成繊維製の網から
    なる袋と、その形状を保持する機能を持つ金属製リング
    とから構成されていることを特徴とする請求項7に記載
    のケイ酸塩含有スケールの除去方法。
  9. 【請求項9】 袋状容器の側面、頂面そして底面のいず
    れもが網状にあることを特徴とする請求項7もしくは8
    に記載のケイ酸塩含有スケールの除去方法。
  10. 【請求項10】 トルマリン成形体が、多数のトルマリ
    ン微粒子が、無機質絶縁体微粒子をトルマリン微粒子間
    に介在させ、かつトルマリン微粒子と無機質絶縁体微粒
    子とが無機質接着材成分の存在下で点接着状態で互いに
    固着されることにより塊状化されて、多孔質球状体とさ
    れている球状トルマリン塊状物であることを特徴とする
    請求項6乃至9に記載のケイ酸塩含有スケールの除去方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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