JP2002057413A - セラミックス基板及びその製造方法 - Google Patents
セラミックス基板及びその製造方法Info
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Abstract
おいて、金属回路接合強度を高め、実装ボードへの締着
時のセラミックス基板の割れ等を防止し、また実使用時
の熱強度の高いセラミックス基板とその製造方法を提供
する。 【解決手段】所定の幅D1を有するセラミックス枠3に
セラミックス基板1を載置し、その上にセラミックス板
4、所定の厚みT2を有する重石5を載置しセラミック
ス基板1の焼結温度より低い温度で熱処理することによ
り、周縁部1aが平坦で中央部1bに凹曲面状を有する
セラミックス基板1が得られる。
Description
ックス基板及びその製造方法に関する。
少ないことが要求される。しかし、電子部品用セラミッ
クス基板の中には、図12(a)に示すように、セラミ
ックス基板1に金属回路12が接合されるものがあり、
この金属回路12を接合しその後熱処理する際に金属回
路12の収縮により、図12(b)に示すように金属回
路12側に凹形状の反りが発生しやすく、この反りを相
殺するために、セラミックス基板1をその反対側に故意
に反らすことも行われている。
は、図13(a)(b)(c)に示すように、パワーモ
ジュール等のセラミックス回路基板11において、金属
回路12上に装着してある電子部品14が実使用時発熱
しヒートサイクルがかかる。このため前述の図12
(b)に示すように、金属回路12側に適度に反りがあ
りセラミックス基板1に圧縮応力が残留した状態の方
が、このヒートサイクルに対し基板強度が高く、従って
セラミックス基板1には金属回路12側に凹形状となる
反りを形成する方が好ましいと示している。この反りの
形成方法として、金属板13とセラミックス基板1とを
接合してセラミックス回路基板11を形成した後に、該
セラミックス回路基板11に強制的に荷重を負荷するこ
とによりセラミックス基板1を金属回路12側に凹曲面
状に反らせる方法、またはセラミックス基板1の片面に
ホーニング加工或いは研磨加工を施すことにより反り量
が50〜150μmの範囲となる凹曲面状を形成する方
法を示している。
は図14(a)に示すように、セラミックスグリーンシ
ート2を、全体的な曲面状の反りを有する焼成冶具15
上に載置し焼成することにより、図14(b)に示すよ
うに、焼成後のセラミックス16に全体的な曲面状の反
りを形成する方法を示している。
の発熱の大きい用途においてセラミックス回路基板11
を実装する場合、ヒートシンク銅板への接合時等に発生
する残留応力を増大させ、クラックが発生する問題、あ
るいは、その後、モジュールを使用時の繰り返し加熱冷
却による応力のためにクラックが発生するという問題
や、また、組立時にセラミックス回路基板11を実装ボ
ードにねじで締着固定しようとすると、ねじの僅かな締
着力によってセラミックス基板1が破壊してしまうとい
う問題があった。
基板に反りを付けることが示されているが、基板に反り
を形成する方法として前述の特開平11−330308
号公報のように、セラミックス回路基板11を形成後に
強制的に反りを付ける方法或いはセラミックス基板1を
研磨加工等により反りを付ける方法においてはセラミッ
クス基板1自体に欠陥を与え強度低下の原因となるとい
う課題があった。また、セラミックス回路基板11を実
装ボードにねじで締着固定する際のセラミックス基板1
破壊の対策としてセラミックス基板1自体の強度を向上
することを示しているが、締着部のセラミックス基板1
は曲面状でありその僅かな変形により締着時の応力集中
があるという問題は解決されていなかった。
うに、焼成治具15によりセラミックス16に反りを付
ける方法においても焼成冶具15の繰り返し焼成による
経時的変化により、反りを常に一定の形状、値とするこ
とが困難であった。
クス基板1の反りは、いずれも全体的な曲面状であるた
めに、パワーモジュール用等の金属回路12を形成する
際において、図15に示すように、まずセラミックス基
板1の両主面にろう材17a、17bを印刷し、次に金
属板13a、13bを基板の両主面に張り合わせ荷重を
かけ焼成して接合させるが、このときにセラミックス基
板1の周縁部1aの反りが原因でろう材17aと金属板
13aの間に隙間が発生し接合後、ろう材17a部にボ
イドが発生し、その結果、金属板13とセラミックス基
板1の接合が不十分となる課題があった。
行われたもので、周縁部は平坦で中央部が凹曲面状であ
るセラミックス基板を特徴とする。また、上記セラミッ
クス基板は厚みが1mm以下であり、上記凹曲面状の中
央部の反り量が50〜100μmであり、前記周縁部の
平坦面は基板の長辺方向、短辺方向のいずれの方向にも
5mm以上の幅にわたって存在し、この平坦面は反り量
が15μm未満であることを特徴とする。
セラミックス枠にセラミックス基板を載置し、該セラミ
ックス基板の中央部に重石を載置して高温で熱処理する
ことにより、上記セラミックス基板の周縁部を平坦とす
るとともに中央部を凹曲面状とすることを特徴とする。
明する。本発明のセラミックス基板1は、図1に示すよ
うに、周縁部1aは平坦で中央部1bが凹曲面状をなし
たものであり、上記セラミックス基板1の厚みTが1m
m以下であり、凹曲面状の中央部1bの反り量Aは50
〜100μmである。
たのは、セラミックス回路基板11形成時の反りの戻り
を考慮すると、金属回路12を形成前の基板の反り量A
は、50μm以上あることが好ましく、一方、反り量A
が100μmを越えると印刷工程或いは組み立て時の押
圧等によりセラミックス基板1の割れが発生しやすくな
るためである。
基板1の長辺方向X並びに短辺方向Yのいずれの方向に
も、図2(b)(c)に示すように、平坦な周縁部1a
の幅Dが5mm以上存在し、さらに、図2(d)に示す
ようにこの周縁部1aはうねりを含む反り量A1が15
μm未満となることが好ましい。その理由は、セラミッ
クス回路基板11を実装ボードにねじで締着固定する場
合に、上記平坦面を利用することにより締着時の部分的
な応力集中を避け基板が破壊することを防止出来るとい
う点と、前述したように、金属板13を基板上に形成さ
れたろう材17と接合する際のボイドの発生が防止出来
る点である。
材質は、電気的絶縁性ならびに耐熱性に優れるセラミッ
クス材料であればいずれを用いてもよく、好ましくはア
ルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素、ガラスセラミッ
クス等であって、これらのセラミックス原料と焼結助
剤、溶剤、バインダー等を含むスラリーまたは粉末を調
整した後ドクターブレード法或いはロールコンパクショ
ン法等の公知の方法によりセラミックスグリーンシート
2を成形する。該グリーンシート2を所定の形状に金型
等で成型した後、所定の温度で焼成しセラミックス基板
1を作製する。
製造方法を詳細に説明する。まず焼結して得られた前述
のセラミックス基板1を、図3(a)に示すように、セ
ラミックス枠3に載置し、上記セラミックス基板1上に
セラミックス板4と重石5を載置し高温で熱処理するこ
とにより、熱処理中にセラミックス基板1の中央部が撓
んで凹曲面状となり、セラミックス基板1の周縁部1a
はセラミックス枠3に支えられているため平坦となる。
1の外径と同一サイズの四角形状で、図3(b)に示す
ように、所定の幅D1をもつ枠状のものである。このセ
ラミックス枠3に載置するセラミックス基板1の数量は
1〜30枚程度の範囲で良いがズレがないようにして載
置し、また重石5は図3(c)に示すように、セラミッ
クス板4の中央に載置する。熱処理温度は前述のセラミ
ックス基板1の焼結温度より低い温度で行う。以上より
得られたセラミックス基板1は周縁部1aの平坦性は維
持したまま中央部1bが凹曲面状となる反り形状を付加
することが出来る。
ラミックス枠3の幅D1で、また中央部1bの凹曲面状
の反り量Aは重石5の厚みT1で自由に調整することが
可能である。
ラミックス基板1を形成する場合には、前記セラミック
ス枠3を複数個連結したものを作製し、セラミックス基
板1並びにセラミックス板4の載置方法は前述と同様で
あるが、重石5はセラミックス枠3のそれぞれの枠の中
央に位置するように載置する。また、セラミックス基板
1には、予め単体に分割するための分割線を入れたもの
を用い熱処理後に各単体に分割するか、或いは熱処理後
にレーザースクライブにて分割用溝を加工し各単体に分
割し、所望のセラミックス基板1を得る。
有量99.6%のアルミナセラミックスのグリーンシー
ト2を成形し、これを金型にて所定の形状に成型した
後、ローラーハースキルン炉で焼成し、厚みTが0.6
35mm、外辺サイズが50mm×70mmのシート状
セラミックス基板1を作製した。
ス基板1をズレが無いようにして20シート重ね焼成用
棚板6で荷重を掛けた状態で1350℃で熱処理を行
い、全体的な反り量Aが50μm以下で5mm当たりの
部分的な凹凸が15μm以下となるようなセラミックス
基板1を作製し、以下の実施例にはこのセラミックス基
板1を用いた。
記セラミックス基板1をズレが無いようにして12枚重
ね棚板6に載置してあるセラミックス枠3に載置し、さ
らにその上にセラミックス板4、重石5、棚板6の順で
載置し、前述と同じく1350℃で熱処理を行い、図5
(b)に示すように周縁部1aに平坦面を有し中央部1
bが凹曲面状となる本発明のセラミックス基板1を作製
した。
ックス枠3の厚みT2は0.1mmで幅D1は表1に示
すように、試料1=3.5mm、試料2=7mm、試料
3=10.5mm、試料4=14mm、試料5=17.
5mmの5種類を用い、重石5の厚みT1は上記試料全
て0.1mmとし、また重石5の長辺寸法Lは上記セラ
ミックス枠3の幅D1にそれぞれ対応させ、3.5m
m、7mm、10.5mm、14mm、17.5mmと
し、重石5の短辺寸法はセラミックス基板1の長辺寸法
と重石5の長辺寸法Lの比率に合わせ、それぞれ2.5
mm、5mm、7.5mm、10mm、14mmとし
た。ここで得られた基板の反り量A、周縁部1aの平坦
面の幅D、その周縁部1aの平坦面の反り量A1につい
て、各試料毎12シートのセラミックス基板1の平均値
を表1に示す。
のいずれのセラミックス基板1においても中央部1bに
50〜100μmの範囲内の凹曲面状の反りが形成さ
れ、また、周縁部1aの平坦面はセラミックス枠3の幅
D1と関係があり、周縁部1aには平坦面が形成され、
その平坦面の幅Dを5mm以上とするには、セラミック
ス枠3の幅D1を7mm以上とすればよいことが解っ
た。また、上記周縁部1aの平坦面の反り量A1は、全
ての試料が15μm未満を満足しており、これは本実施
例で使用したセラミックス基板1を事前に図4で示した
ように一旦平坦となるように熱処理で矯正したためであ
る。
た試料1〜5の各基板の両主面にAg−Cu系の活性金
属含有ろう材ペーストをスクリーン印刷法により塗布し
乾燥した後、基板の凹面側主面に厚み0.3mmの金属
回路12用Cu板を、基板の凸面側主面に厚み0.15
mmの金属放熱用Cu板を接触配置し重石を載せ、真空
中で熱処理しセラミックス基板1とCu板の接合体を得
た。
トを回路パターンに印刷し硬化させた後、エッチング液
を用いてパターン外のCu板を除去した。次にCuパタ
ーン間の不要ろう材17を除去した後、レジストを除去
した。これらを超音波探知装置にてろう材17部分のボ
イドの調査を行った。得られたセラミックス回路基板1
1の反り量A、ならびにボイドの発生有無についてその
結果を表2に示す。尚、ボイドについては裸眼目視で確
認できないものを○、確認できるものを×とした。
クス基板1の試料1〜5のいずれも、セラミックス回路
基板11を形成した状態において、その反りは金属回路
12用Cu板側が凹曲面状となる反りであって、回路形
成前のセラミックス基板1の反り量Aに対し各試料共反
りが40μm減少し、セラミックス回路基板11での好
ましい反り量Aである0を越え100μm以下の範囲内
であった。
へのボイドの発生の有無については、セラミックス基板
1の周縁部1aの平坦面の幅Dが2mmである試料1で
ボイドカ゛発生していたものの、上記周縁部1aの平坦面
の幅Dが5mm以上である試料2〜5においてはボイド
の発生はなかった。
件を見出すために、セラミックス枠3の厚みT2と重石
5の厚みT1をそれぞれ変えた場合について実験を行っ
た。セラミックス枠3の幅D1は7mmとし、その厚み
T2を0.1mm、0.25mm、0.38mm、0.
64mmの4種類とし、重石5の長辺寸法Lは7mmと
し、その厚みT1を0.1mm、0.25mm、0.3
8mm、0.64mmの4種類として、他の条件は実施
例1と同様にして熱処理を行った。尚、表3に示すよう
に、重石5の厚みT1を0.1mmとしセラミックス枠
3の厚みT2を変えたものを試料11〜14に、同様に
重石5の厚みT1を0.25mmとしたものを試料15
〜17に、重石5の厚みT1を0.38mmとしたもの
を試料18〜19、重石5の厚みT1を0.64mmと
したものを試料20とした。
と同じく、周縁部1aは平坦で中央部1bは凹曲面状の
反りが形成されていて、各試料の反り量Aは表3に示
す。
1mmでセラミックス枠3の厚みT2をそれぞれ変えて
いるものの熱処理後のセラミックス基板1の反り量Aは
ほぼ同じ値であった。このことは、重石5の厚みT1が
0.25mmである試料15〜17と試料18〜19で
も同じであり、以上のことより、セラミックス基板1の
中央部1bの凹曲面状の反り量Aを制御するためには、
重石5の厚みT1を調整すれば良いことが解る。尚、本
発明者はこの実験の前に、上記反り量Aを左右するのは
セラミックス枠3の厚みT2であると仮定しそのテスト
を実施したものの相関が見られず、この結果を踏まえて
実施例3を行ったものである。
0μmとするためには重石5の厚みT1を0.1mmと
しセラミックス枠3の厚みT2はいずれでも良いことが
判る。ただし、セラミックス枠3を繰り返し使用するこ
とを考慮すると、上記厚みT2は0.38mm以上とす
ることが強度的に好ましい。
はセラミックス基板1が1シートの単体としての場合で
あったが、分割用の分割線加工等を施した2個取りシー
トの場合についての実施例を以下に説明する。
ックス基板1は、図6に示すように、その中央に分割線
18が施されていて、上記セラミックス基板1のX方向
からの断面図は図7に示すように、凹曲面状が二つあ
り、Y方向の断面図は図8に示すように単一の凹曲面状
となっている。(尚、ここでは周縁部1aの平坦面も実
施例1と同様に形成するが説明を割愛する。)その製造
方法は、図9に示すように、セラミックス枠3を2個取
り用の形状とし、また図10に示すように、セラミック
ス板4に載置する重石5は図9で示したセラミックス枠
3の空間部3aの中央に位置するようにセラミックス板
4に載置した。使用したセラミックス基板1は、その中
央に金型で分割線18が施されているものを、実施例1
と同様に熱処理で一旦平坦にしたものである。
に示すように前述のセラミックス枠3、セラミックス板
4、重石5を用い棚板6に載置しまた、重石5の上にも
棚板6を載置し熱処理した。
完了し、このセラミックス基板1の中央部の分割線18
を分割することにより、本発明である周縁部1aは平坦
で中央部1bに凹曲面状の反りを有するセラミックス基
板1が得られた。実際の量産に於いては本実施例による
方が効率的である。
の製造方法によれば、周縁部は平坦で中央部が凹曲面状
となるセラミックス基板を精度よく形成することが可能
で、周縁部の平坦面の幅ならびに中央部の凹曲面状の反
り量を自由に調整出来る。
パワーモジュール用等のセラミックス回路基板として用
いることによりセラミックス基板とろう材を介して接合
する金属回路間に発生するボイドを低減出来、また、接
合前のセラミックス基板に50μm〜100μmの範囲
で反りを付けることにより、耐ヒートサイクルに優れた
セラミックス回路基板を形成出来る。さらに周縁部に平
坦面を有するためにセラミックス回路基板を実装ボード
へねじ等で締着する際に、この平坦面を利用することに
より締着時の応力集中によるセラミックス基板の割れ等
が防止出来る。
で、(b)はX方向の断面図、(c)はY方向の断面
図、(d)は周縁部の部分拡大断面図である。
である熱処理方法を示す断面図で、(b)はセラミック
ス枠の平面図、(c)はセラミックス板と重石の平面図
である。
法を示す断面図である。
を示す熱処理前の断面図で、(b)は熱処理後の断面図
である。
図である。
向の断面図である。
向の断面図である。
である。
の平面図である。
基板の製造方法を示す熱処理前の断面図で、(b)は熱
処理後の断面図である。
の断面図である。
図で、(b)は金属回路側からみた平面図、(c)は金
属板側からみた平面図である。
面図で、(b)は得られた曲面状のセラミックスの断面
図である。
断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】周縁部は平坦で中央部が凹曲面状であるこ
とを特徴とするセラミックス基板。 - 【請求項2】厚みが1mm以下であり、上記凹曲面状の
中央部の反り量が50〜100μmであることを特徴と
する請求項1記載のセラミックス基板。 - 【請求項3】前記周縁部の平坦面は基板の長辺方向、短
辺方向のいずれの方向にも5mm以上の幅にわたって存
在し、この平坦面は反り量が15μm未満であることを
特徴とする請求項2記載のセラミックス基板。 - 【請求項4】セラミックス枠にセラミックス基板を載置
し、該セラミックス基板の中央部に重石を載置して高温
で熱処理することにより、上記セラミックス基板の周縁
部を平坦とするとともに中央部を凹曲面状とすることを
特徴とするセラミックス基板の製造方法。
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