JP2002054759A - 電磁駆動弁の制御装置 - Google Patents

電磁駆動弁の制御装置

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JP2002054759A
JP2002054759A JP2000245938A JP2000245938A JP2002054759A JP 2002054759 A JP2002054759 A JP 2002054759A JP 2000245938 A JP2000245938 A JP 2000245938A JP 2000245938 A JP2000245938 A JP 2000245938A JP 2002054759 A JP2002054759 A JP 2002054759A
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electromagnet
movable
valve
energy
current
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Yasuhiro Taniguchi
育宏 谷口
Taketoshi Kawabe
武俊 川邊
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Indication Of The Valve Opening Or Closing Status (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動部に対する動摩擦力の変動があっても、
少ない消費電力で弁の開閉を確実に行うと共に、可動子
と電磁石との衝突の衝撃及び騒音を小さくする。 【解決手段】 可動部位置センサ1が検出した可動部の
位置信号に基づいて、可動部速度推定部52は可動部の
速度信号を算出する。損失エネルギ算出部54は、これ
ら位置信号と速度信号に基づいて可動部の損失エネルギ
を算出する。電流制御量演算部51は、これら位置信
号、速度信号、損失エネルギ信号に基づいて電磁石の電
流指令値を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁力と弾性力
により駆動される電磁駆動弁の制御装置に係り、特に内
燃機関の吸排気弁に好適な電磁駆動弁の制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸排気弁の駆動方式におい
て、従来のカムにより弁を駆動するカム駆動方式に代え
て、電磁力により弁を駆動する電磁駆動弁が提案されて
いる。この電磁駆動弁によれば、弁駆動用のカム機構が
不要となることに加えて、内燃機関の動作状態に応じて
吸排気弁の開閉時期を容易に最適化することができ、内
燃機関の出力向上及び燃費の向上を図ることができる。
【0003】このような電磁駆動弁は、通常、軟磁性体
の可動子と、可動子を電磁力で吸引する一対の対向する
電磁石と、可動子を両電磁石の中立位置へ付勢するバネ
とを備え、一対の電磁石に可動子を交互に吸引すること
により、可動子と連動する弁体を開閉駆動している。
【0004】この運動系は、可動子と弁等の可動部の質
量をm、合成バネ係数をkとし、筒内圧や動摩擦がない
と仮定すれば、バネ・マス系の固有振動数f=√(k
/m)で運動する。そして、可動部が両変位端のいずれ
か一方の位置で電磁石に吸引されて静止しているとき
に、バネ力による位置エネルギが最大(または極大)と
なり、運動エネルギは最小の0となる。電磁石の通電が
停止されて、可動部が一方の変位端から他方の変位端へ
向かって動き始めると、可動部は位置エネルギを運動エ
ネルギに変換しながら加速し、両変位端の中央で運動エ
ネルギ及び速度が最大となり、位置エネルギが最小とな
る。その後、運動エネルギを位置エネルギに変換しなが
ら減速し、他方の変位端に達したときに運動エネルギ及
び速度は0となる。
【0005】一方、内燃機関のシリンダ内部では、燃焼
ガスにより筒内圧が発生する。筒内圧はエンジン回転数
や負荷により変動する。筒内圧が変動すると電磁駆動弁
の可動部、特に筒内圧に抗して開弁させる排気弁及びこ
れを駆動する可動子の運動に影響が生じ、弁を開閉動作
させる際に必要な電磁力は変化する。電磁駆動弁は必要
最小限の消費電力で確実に開閉動作させることが望まし
い。
【0006】このため、特開平11−257036号公
報に開示されている従来技術(以下、第1従来技術とす
る)では、筒内圧の大きさを検出もしくは推定して、筒
内圧の大きさに基づいて電磁石に通電する電流値を決定
している。
【0007】また、電磁駆動弁を用いた内燃機関では、
弁もしくは可動部の一部が閉弁時および最大開弁時に電
磁石と激しく衝突すると、騒音・振動が発生し、乗員に
不快感を与えたり、電磁駆動弁の耐久性が低下する。そ
のため、特願平10−359591号、以下第2従来技
術とする)には、電磁駆動弁の可動部の速度を検出し、
検出した速度を電流制御にフィードバックすることによ
り可動部と電磁石との衝突速度を小さくして、衝撃及び
衝突音を低減するとともに、耐久性を高める技術が開示
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、可動部
の運動に影響を及ぼす力としては、筒内圧以外にも可動
部と可動部を滑動可能に支持する固定部との間の動摩擦
力がある。動摩擦力が変動した場合にも可動部の運動は
変化するので、可動子を引き付けるために電磁石に流す
最小の電流値は違ってくる。
【0009】即ち、可動部が、一方の静止位置から他方
の静止位置へ移動する際に、動摩擦力に変動があると、
位置エネルギが運動エネルギに変化するときのエネルギ
損失として熱エネルギに変化するエネルギ量が変化し、
可動部の運動エネルギが変動する。この結果可動部の位
置、速度が変化し、可動部を確実に他方の静止位置まで
引き寄せるための電磁石の最小電流値も変化する。この
動摩擦力は、可動部の温度、摩耗、潤滑剤の粘性、軸の
がたつき等によって変化し、検出するのが難しい。
【0010】このように、第1従来技術では動摩擦力を
考慮せずに、筒内圧だけに着目して電磁石の電流値を決
めていたため、可動部が筒内圧により失ったエネルギ
(以下、損失エネルギ)分を補うことはできるが、動摩
擦力が変動したときの力学的エネルギの損失分の変化を
補うことができない。
【0011】従って、第1従来技術では、動摩擦力が変
動して、筒内圧に応じて電磁石の電流の大きさをチュー
ニングしたときに想定した動摩擦力より大きくなった場
合には、可動子を電磁石まで変位させるのに必要な電磁
力が発生されず、弁の開閉が確実に行われない可能性が
ある。確実に弁を開閉させるために、可動子が電磁石か
ら離れだした場合であっても再度電磁石まで引き付ける
必要があり、そのためには、大電流を流さなくてはなら
ないので、消費電力が著しく増大するという問題点があ
った。その上、電流制御回路が大型化し、搭載スペース
の確保の問題、重量の増大、コストの増大を招いてしま
う。
【0012】また、動摩擦力が変動して、筒内圧に応じ
て電磁石の電流の大きさをチューニングしたときに想定
した動摩擦力より小さくなった場合には、可動子を電磁
石まで変位させるのに必要最小限な電磁力以上の電磁力
を発生させてしまい、消費電力が増大する可能性があ
る。
【0013】さらに、可動子を電磁石に小さい速度で接
触させるための電磁力より大きな電磁力を発生させ、可
動子を電磁石に激しく衝突させて、振動、騒音を招くこ
とがあるという問題点があった。
【0014】次に第2従来技術によるフィードバック制
御で可動部を制御した場合の速度、位置、電流、筒内圧
の応答を図12に示す。フィードバック制御は、可動部
がフィードバック制御開始位置に到達した時点から開始
される。図12の実線は失火して筒内圧が発生してない
場合、破線は筒内圧が発生した場合の応答である。
【0015】例えば筒内圧が発生していない状態を基準
として、フィードバック制御のパラメータをチューニン
グしたとする。筒内圧が発生した場合は、可動部の損失
エネルギは筒内圧が発生しなかった場合に比べて大きく
なり、フィードバック制御開始時の可動部の速度、すな
わち運動エネルギは小さくなっている。そのためフィー
ドバックの働きで、損失エネルギを急速に補うため、大
きな電流が流れる。電磁石の消費電力は電流の2乗に比
例するので、消費電力が著しく増大するという問題点が
あった。その上、電流が大きくなるので、電流制御回路
が大型化し、搭載スペースの確保の問題、重量の増大、
コストの増大を招いてしまう。
【0016】あるいは図13に示すように、筒内圧があ
る場合(破線)を基準としてフィードバック制御のパラ
メータをチューニングすると、失火して筒内圧がなくな
った場合(実線)には、フィードバック制御開始時の可
動部の速度、すなわち運動エネルギは大きいにもかかわ
らず、筒内圧が発生したときの損失エネルギを補う程度
の電流が流れ始める。フィードバックの働きで、この電
流値は小さくなっていくが、電磁力は可動子を押す方向
には作用しないので、弁が電磁石と激しく衝突すること
があるという問題点があった。
【0017】第1従来技術と第2従来技術を組み合わせ
て、フィードバック制御を開始する以前から筒内圧に応
じて電磁石に電流を流しても、動摩擦力が考慮されてい
ないので、可動部が失ったエネルギ(損失エネルギ)を
正確に補うことができないため、同様の問題が発生す
る。
【0018】第1従来技術には筒内圧を筒内圧センサで
検出する技術も開示されている。安価な筒内圧センサを
使うと圧力の検出精度が悪くなる。検出精度の良い筒内
圧センサは高価である。シリンダ内に穴をあけて筒内圧
センサを取り付ける場合には、加工に手間を要する、と
いうセンサに関する問題が生じるだけでなく、筒内圧セ
ンサを用いても、動摩擦力を考慮することはできない。
【0019】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
ものであり、可動部が移動中に筒内圧や動摩擦力によっ
て失った損失エネルギを正確に補うことで、少ない消費
電力で弁の開閉を確実に行うと共に、可動子が電磁石へ
衝突する速度を制御して、可動子と電磁石との衝突の衝
撃及び騒音を小さくすることができる電磁駆動弁の制御
装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、上記課題を解決するため、電磁石と、弾性体と、該
電磁石の発生する電磁力と該弾性体の発生する弾性力と
により駆動される可動子と、該可動子により駆動される
弁とを備えた電磁駆動弁を制御する電磁駆動弁の制御装
置であって、前記可動子または弁である可動部の位置を
検出もしくは推定する位置検出手段と、前記可動部の速
度を検出もしくは推定する速度検出手段と、前記検出さ
れた位置と前記検出された速度とに基づいて、前記可動
部が含有する力学的エネルギを算出するエネルギ算出手
段と、前記算出された力学的エネルギに基づいて、前記
電磁石に通電する電流値を制御する電流制御手段と、を
備えたことを要旨とする。
【0021】請求項2記載の本発明は、上記課題を解決
するため、請求項1に記載の電磁駆動弁の制御装置にお
いて、前記エネルギ算出手段は、前記可動子が一方の静
止位置で静止しているときに含有している力学的エネル
ギを基準にして、前記可動部が前記発生された弾性力に
より一方の静止位置から他方の静止位置へ向かって移動
する間に、前記可動部が失った損失エネルギを、前記検
出された位置と前記検出された速度から算出し、前記電
流制御手段は、前記算出された損失エネルギに基づい
て、前記電磁石に通電する電流値を制御することを要旨
とする。
【0022】請求項3記載の本発明は、上記課題を解決
するため、請求項1に記載の電磁駆動弁の制御装置にお
いて、前記エネルギ算出手段は、前記可動子が一方の静
止位置で静止しているときの前記可動部の位置エネルギ
を基準にして、前記可動部が前記発生された弾性力によ
り移動中に前記可動部が失った損失エネルギを、前記検
出された位置と前記検出された速度から検出し、前記電
流制御手段は、前記算出された損失エネルギに基づい
て、前記電磁石に通電する電流値を制御することを要旨
とする。
【0023】請求項4記載の本発明は、上記課題を解決
するため、請求項1に記載の電磁駆動弁の制御装置にお
いて、前記エネルギ算出手段は、前記可動子が一方の静
止位置で静止しているときの前記可動部の位置エネルギ
を基準にして、前記可動部が前記発生された弾性力によ
り移動を開始してから前記電磁石が通電される時点まで
に前記可動部が失った損失エネルギを、前記検出された
位置と前記検出された速度から算出し、前記電流制御手
段は、前記算出された損失エネルギに基づいて、前記電
磁石に通電する電流値を制御することを要旨とする。
【0024】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、位置検
出手段が検出した可動部の位置及び速度検出手段が検出
した可動部の速度から、可動部が含有する力学的エネル
ギを算出し、この力学的エネルギに基づいて電磁石に通
電する電流値を決定するので、動摩擦力の変動によって
可動部の運動が変化しても、その運動変化が力学的エネ
ルギの変化に反映されて電流値が補正される。よって、
最少の消費電力で可動子を電磁石まで確実に引き付け、
かつ可動子が電磁石へ衝突する速度を抑制して、可動子
と電磁石との衝突音を小さくし、弁を安定して開閉動作
させることができる。さらに、筒内圧センサを使わない
ため、制御装置を簡略化できるとともにセンサコストが
増加する問題を解決できる。
【0025】請求項2記載の本発明によれば、算出する
力学的エネルギを可動部が移動する前に含有している力
学的エネルギを基準にして、可動部が弾性力により移動
中に可動部が失う損失エネルギとした。可動部が移動す
る前に含有している力学的エネルギは最大であり、そこ
から可動部が移動し始めて、動摩擦などによりエネルギ
の損失が生じる。本発明によれば、可動部が移動する前
に含有している力学的エネルギを基準とすることで、可
動部が失う損失エネルギの大部分を算出できるので、請
求項1記載の発明の効果に加えて、さらに弁を安定して
開閉動作させることができる。
【0026】請求項3記載の本発明によれば、算出する
力学的エネルギを可動子が一方の静止位置で電磁石に接
触もしくは電磁石付近に保持されているときの可動部の
位置エネルギを基準にして、可動部が弾性力により一方
の静止位置から他方の静止位置へ移動中に可動部が失う
損失エネルギとした。可動部が電磁石に接触もしくは電
磁石付近に保持されているときの位置エネルギは最大で
あり、そこから可動部が移動し始めて、動摩擦などによ
り、エネルギの損失が生じる。本発明によれば、可動部
が失う損失エネルギの大部分を算出できるので、請求項
2記載の発明の効果と同様の効果が得られる。
【0027】請求項4記載の本発明によれば、算出する
力学的エネルギを可動子が一方の静止位置で電磁石に接
触もしくは電磁石付近に保持されているときの可動部の
位置エネルギを基準にして、可動部が弾性力により一方
の静止位置から他方の静止位置へ移動を開始してから電
磁石が通電される時点までに損失するエネルギとした。
可動部が動き始めた直後に損失エネルギを算出すると、
その後の損失エネルギは電流制御量に考慮されない。ま
た、電磁石が通電されてからでは、電磁力により可動部
の運動が助勢されるので、損失エネルギを算出するのは
困難である。本発明によれば、電磁石が通電される直前
までの損失エネルギを算出できるので、請求項2記載の
発明の効果に加えて、さらに弁を安定して開閉動作させ
ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る電磁駆
動弁の制御装置を車両用内燃機関に適用した全体構成を
示す図である。
【0029】同図に示すように、エンジンのシリンダ2
1の上部に固定されたシリンダヘッド20には、吸気弁
または排気弁となる弁23(図1では単一の弁のみを示
す)が設けられている。弁23から上方に伸延する弁軸
19の上部には、リテーナ17が固定され、リテーナ1
7とシリンダヘッド20との間には弁23を閉弁側に付
勢するバネ15が設けられている。
【0030】またシリンダヘッド20の上部には電磁弁
のケースとなるハウジング25が立設されている。ハウ
ジング25の内部には、閉弁側電磁石11と、開弁側電
磁石12とが所定の間隔をあけて上下に対向する位置に
固定されている。これら閉弁側電磁石11と開弁側電磁
石12との間には、可動子13が可動子軸部材18によ
り上下に滑動可能に支持されている。
【0031】閉弁側電磁石11より上部の位置には、可
動子軸部材18にリテーナ16が固定され、ハウジング
25の天井内面とリテーナ16との間には、可動子13
を開弁側に付勢するバネ14が設けられている。
【0032】またハウジング25の天井部には、可動部
の位置を検出し、位置信号を出力するレーザ変位計等を
用いた可動部位置センサ1が設けられ、この位置信号
は、電磁駆動弁の制御装置である制御装置5に伝えられ
るようになっている。
【0033】さらに制御装置5は、エンジン制御ECU
6から開弁指令/閉弁指令が伝達され、制御装置5は閉
弁側電磁石電流制御部2及び開弁側電磁石電流制御部3
に対して電流目標値を出力するようになっている。制御
装置5はマイクロプロセッサ等により構成する。
【0034】閉弁側電磁石電流制御部2及び開弁側電磁
石電流制御部3は、それぞれ入力された電流目標値に応
じたPWM制御により電源部4から各電磁石11,12
へ電流を供給することにより電磁石を制御できるように
なっている。
【0035】図2は本発明に係る電磁駆動弁の制御装置
の実施形態を示す構成図である。同図において、制御装
置5は、可動部位置センサ1が出力する位置信号と電磁
石電流制御部2,3が出力する電流信号とエンジン制御
ECU6が出力する開弁指令、閉弁指令とに基づいて電
磁石11,12が発生する電磁力を推定する発生電磁力
推定部53と、位置信号と発生電磁力推定部53が出力
する電磁力信号とに基づいて可動部が移動する速度を推
定する可動部速度推定部52と、位置信号と可動部速度
推定部52が出力する速度信号とに基づいて可動部の損
失エネルギを算出する損失エネルギ算出部54と、損失
エネルギと位置信号と速度信号とエンジン制御ECU6
が出力する開弁指令、閉弁指令とに応じて閉弁側電磁石
電流制御部2または開弁側電磁石電流制御部3に通電す
べき電流の指令値を演算する電流制御量演算部51を備
えている。
【0036】可動部位置センサ1、閉弁側電磁石電流制
御部2、開弁側電磁石電流制御部3、エンジン制御EC
U6は図1で説明した構成要素と同じ構成要素である。
【0037】請求項1から請求項4の構成要素と図2の
構成要素との対応は、以下の通りである。可動子または
弁である可動部の位置を検出する位置検出手段は可動部
位置センサ1に相当する。可動部の速度を検出または推
定する速度検出手段は可動部速度推定部52、発生電磁
力推定部53に相当する。検出された位置と推定された
速度から、可動部の力学的エネルギを算出するエネルギ
算出手段は損失エネルギ算出部54に相当する。さら
に、算出されたエネルギに基づいて、電磁石に通電する
電流値を制御する電流制御手段は電流制御量演算部5
1、閉弁側電磁石電流制御部2及び開弁側電磁石電流制
御部3に相当する。
【0038】次に、図1、図2を参照して、電磁駆動弁
および電磁駆動弁の制御装置の動作を説明する。可動子
13はバネ14,15に懸吊されており、閉弁側電磁石
11及び開弁側電磁石12が通電していないとき、閉弁
側電磁石11と開弁側電磁石12の概略中央に位置する
ように、それぞれのバネ14,15の寸法が設定されて
いる。また、閉弁及び開弁に要する時間が所望の時間と
なるように、それぞれのバネ14,15のバネ係数が設
定されている。
【0039】ここで、バネ14,15と、弁23及び可
動子13を含む可動部とで構成されるバネ・マス系の固
有振動数fは、バネ14とバネ15との合成バネ係数
をk、可動部の合計慣性質量をmとすると、f=√
(k/m)であることが知られている。
【0040】さてエンジン始動前の初期動作において、
上記固有振動数fに対応する周期で閉弁側電磁石11
と開弁側電磁石12に交互に通電する。そして、可動部
を共振させることにより徐々に可動部の振幅を増大さ
せ、初期動作の最終段階で、例えば閉弁側電磁石11に
可動子13が吸着され、この吸着状態が保持される。
【0041】次に、エンジンの始動時または通常の稼働
時には、例えば弁を開く時はまず閉弁側電磁石11の電
流が切られ、可動部はバネの力により下方に移動を開始
する。シリンダ21内の筒内圧や動摩擦力などによるエ
ネルギ損失のため、バネの力だけで弁全開位置まで可動
子13を移動させることはできない。そこで、可動子1
3が開弁側電磁石12に近づき、電磁力が有効となる位
置zで、損失エネルギ算出部54により可動部の損失
エネルギを算出し、電流制御量演算部51により損失エ
ネルギに基づいた電流値が開弁側電磁石12に通電さ
れ、可動子13の運動を助勢する。
【0042】次に、可動子13が開弁側電磁石12に接
触する付近の位置zからは、可動子13が開弁側電磁
石12に衝突する衝撃を緩和させるため、電流制御量演
算部51により可動部の位置に応じて可動部の目標速度
を生成し、可動部の速度を目標速度に追従させるフィー
ドバック制御を開始する。可動部の目標速度は可動子1
3が開弁側電磁石12に接近するにつれて小さくなるよ
うに生成させる。可動部の速度は可動部速度推定部52
により推定する。可動部速度推定部52は、オブザーバ
として構成されている。
【0043】図9に実施形態の全体の流れを表すフロー
チャートを示す。このフローチャートで表されるルーチ
ンは制御周期毎に実行される。
【0044】まず、可動部位置センサ1により可動部の
位置を検出し(ステップS10)、オブザーバである可
動部速度推定部52により可動部の移動速度を検出する
(ステップS20)。次いで、可動部が位置zに到達
しているか否かを判定する(ステップS31)。
【0045】可動部が位置zに到達するまでは、可動
部はバネの力で移動する。可動部が位置zに到達した
時点が判定されると(ステップS31,S30)、可動
部の位置と速度から可動部の損失エネルギを算出し(ス
テップS40)、損失エネルギに基づいて電流指令値の
大きさを決定する(ステップS60)。
【0046】次いで、可動部の位置がz以上か判定す
る(ステップS70)。可動部の位置が所定位置z
上、所定位置z未満のときは、損失エネルギに基づい
た電流指令値を電磁石電流制御部に出力する(ステップ
S100)。電流制御により電磁石の電磁力を発生さ
せ、可動部を制御する(ステップS110)。
【0047】可動部の位置が所定位置z以上になる
と、位置に応じて目標速度を生成し(ステップS8
0)、可動部の速度を目標速度にフィードバック制御す
るための電磁石の電磁力指令値を電流制御量演算部51
により演算し、電磁力指令値と可動部の位置から電流指
令値を非線形補償により算出して電磁石電流制御部2、
3に出力する(ステップS90)。電流制御により電磁
石11、12の電磁力を発生させ、可動部を制御する
(ステップS110)。
【0048】以下、損失エネルギの算出方法、損失エネ
ルギに基づいた電流制御、目標速度の生成とフィードバ
ック制御、オブザーバによる可動部速度の推定について
詳しく説明する。
【0049】〔損失エネルギの算出方法〕可動部が筒内
圧や動摩擦力によって失う力学的エネルギである損失エ
ネルギは、損失エネルギ算出部54により算出する。
【0050】可動部の力学的エネルギEは、可動部の位
置zと可動部の速度Vから(1)式のように計算する。
可動部の力学的エネルギEは、運動エネルギと位置エネ
ルギの和となる。以下、力学的エネルギを単にエネルギ
とも略す。
【0051】
【数1】 ここで、zは可動子13の中立位置である。可動部の
位置zの座標は、可動子が閉弁側電磁石に接触する位置
を原点として開弁側電磁石方向が正となるようにとって
ある。mは可動部の合計慣性質量、kは合成バネ係数で
ある。
【0052】合成バネ係数kは経年変化により変わる可
能性があるが、電磁駆動弁の初期化時に可動部の振幅の
減衰率などから同定して求めることも可能である。
【0053】合計慣性質量mは可動子部材18と弁軸1
9が分離したときには小さくなる。弁軸19等の熱膨張
によって弁が閉じなくなるのを防止するため、可動子部
材18と弁軸19を別体として形成し、可動子部材18
と弁軸19の間にバルブクリアランスと呼ばれる間隙が
設けられている。弁23が弁座24に着座したときに、
可動子部材18と弁軸19が分離し、可動子はさらに間
隙の長さ分だけ移動して電磁石に接触する。間隙の長さ
は数百μm程度であり、可動部のストロークは約1cm
程度である。可動部が移動中に可動子部材18と弁軸1
9が分離しているのは1ストロークの中でわずかであ
り、可動部のエネルギの計算に誤差はほとんど生じな
い。
【0054】開弁時には、可動部が移動中に可動子部材
18と弁軸19が合体して、その衝撃により可動部のエ
ネルギが変化する。本発明では、この衝撃によって、エ
ネルギが変化した後のエネルギを算出する。したがっ
て、(1)式及び下記の式により可動部のエネルギを正
確に計算することができる。
【0055】可動部が移動を始める前に、可動子13が
電磁石に接触した状態で、可動部が含有しているエネル
ギEは、位置エネルギのみとなり、
【数2】 式(2)となる。可動子13が電磁石に接触した状態か
ら移動したときに、可動部が筒内圧や動摩擦力によって
失う全エネルギEpcは、(1)式、(2)式から
【数3】 EPC=E−E …(3) (3)式となる。
【0056】図3は可動部の位置と速度の関係を表す図
である。可動部のある位置zにおける速度をVとす
ると、ある位置zにおいて可動部が失う全エネルギE
pc
【数4】 となる。
【0057】このように、損失エネルギ算出部54は可
動部の位置zと速度Vを入力して、可動部が失う全
エネルギEpc1(損失エネルギ)を出力する。
【0058】zは損失エネルギの算出位置であり、請
求項2の発明では通電開始位置と等しく選ぶ。通電開始
位置となるzは、図3に示すように中立位置zを超
えて電磁力が有効となる位置に設定する。電磁力は可動
子と電磁石の間のギャップ(閉弁時の可動部位置とz
の差)が大きいと有効にならない。したがって、通電開
始位置となるzは電磁力が有効になる範囲で設定す
る。
【0059】図4に損失エネルギ算出部54の動作を説
明するフローチャートを示す。このフローチャートで表
されるルーチンは制御周期毎に実行される。
【0060】まず、可動部の位置を検出し(ステップS
10)、オブザーバにより可動部の移動速度を検出する
(ステップS20)。可動部の位置が所定位置zに到
達したかどうかを判定し(ステップS30)、到達した
時点でVに速度検出値を代入し(ステップS40)、
とVから(4)式に基づいて可動部の損失エネル
ギを算出する(ステップS50)。
【0061】
【0062】〔損失エネルギに基づいた電流制御及び目
標速度の生成とフィードバック制御〕次に、図5,図
6,図7を参照して、損失エネルギに基づいた電流制御
及び目標速度の生成とフィードバック制御を説明する。
図5は損失エネルギEpc1に基づいた電流指令値I
の算出方法の一例である。図5に示すように電流指令値
は、損失エネルギに概略比例して決定される。
【0063】図6は電流制御量演算部51の動作を説明
するためのブロック図である。
【0064】図6において、電流制御量演算部51は、
開弁または閉弁のいずれの動作を制御するかによって可
動子の運動方向に応じた位置信号を切り替える位置信号
切替SW101と、損失エネルギに基づいて電流指令値
を算出する電流指令値算出部103と、可動子が位置す
る領域毎に電流指令値を切り替える電流指令値切替SW
105と、電流指令値を閉弁側または開弁側のいずれの
電磁石電流制御部へ出力するかを切り替える通電電磁石
切替SW107と、可動部の目標速度を生成する目標速
度生成部109と、目標速度と速度信号との差分を計算
する減算器111と、開弁動作と閉弁動作で作用する電
磁力の方向を切り替える電磁力指令値切替SW113
と、可動子と電磁石間のギャップに応じて電磁力の非線
形を補償する電磁力非線形補償部115と、コイル巻数
の逆数を乗算する乗算器117と、開弁/閉弁でギャッ
プ方向を切り替えるギャップ信号切替SW119とを備
えている。
【0065】電流制御量演算部51には、エンジン制御
ECU6から開弁指令及び閉弁指令が入力され、可動部
位置センサから位置信号、可動部速度推定部52から速
度信号、損失エネルギ算出部54から損失エネルギ値が
それぞれ入力される。そして、電流制御量演算部51
は、閉弁側電磁石電流制御部2または開弁側電磁石電流
制御部3へ電流指令値を出力する。
【0066】電流指令値切替SW105は、可動子の位
置信号zの区間に応じて、電流指令値を切り替えるもの
である。即ち、0≦z<zの区間では、可動部が移動
し始めてから位置zに到達するまでは電流指令値は0
となり、電磁石に電流は流さない。z≦z<zの区
間、即ち可動部が位置zに到達した時点から可動子の
速度制御が始められる位置であるzまでは、損失エネ
ルギに比例した電流指令値Iが出力されて、電磁石電
流制御部により、電磁石に通電する電流値が電流指令値
に制御される。
【0067】z≦zの区間、即ち可動子13が電磁石
に接触する付近の位置zに達した後は、可動部の速度
を精度良く制御するために、速度のフィードバック制御
に切り替える。可動部の目標速度r(z)は、位置zに
応じて目標速度生成部109で生成させる。
【0068】前記生成された目標速度と可動部速度推定
部52が出力する速度信号との差に制御ゲインをかけて
電磁力指令値fが算出される。制御ゲインは開弁時に
はK i*、閉弁時には−Ki*となる。開弁、閉弁の判
断はエンジン制御ECU6が出力する開弁指令、閉弁指
令によってなされる。
【0069】電磁力非線形補償部115により、前記算
出された電磁力指令値fと、可動子と電磁石間のギャ
ップから目標アンペアターン値Aを算出し、目標アン
ペアターン値Aをコイル巻数ntで除算すれば、電流
指令値iとなる。
【0070】エンジン制御ECU6が出力する開弁指
令、閉弁指令に応じて、電流指令値が開弁側電磁石電流
制御部3へ送信されるか閉弁側電磁石電流制御部2へ送
信されるかが選択される。可動部の位置座標は、可動子
が閉弁側電磁石に接触する位置を原点として開弁側電磁
石方向が正となるようにとってあるため、可動子と電磁
石間のギャップは、開弁時には可動子の開弁側電磁石か
ら閉弁側電磁石までのストロークSから可動部の位置
信号zを差し引いた値となる。また、開弁時とは逆に、
閉弁時の可動子及び電磁石間のギャップは可動部の位置
となる。
【0071】図7は、図6の目標速度生成部109の目
標速度の生成方法を説明する図である。可動部の位置及
び速度を示す平面上で、可動部が位置zに到達した点
a(z,V)から、可動部を停止させる位置z
点b(z,V)までを直線で結んだ軌道を目標速度
とする。すなわち、目標速度は(5)式となる。V
可動部が位置zに到達したときの速度であり、オブザ
ーバの速度推定値を用いる。
【0072】
【数5】 例えば、zを可動子13が電磁石に接触する位置と等
しく選び、Vを0.02m/sと選ぶと、可動子が電
磁石に接触するときの目標速度は0.02m/sとな
る。また、zを可動子13が電磁石に接触する以前の
位置と等しく選び、Vを0と設定すると、可動子は電
磁石から離れた位置に保持されることを目標とした制御
が行われ、可動子13の電磁石への衝突音はなくなる。
【0073】次に可動部の速度を目標速度r(z)へ追
従させるフィードバック制御系を構成について説明す
る。
【0074】
【数6】 (6)式による電磁力指令値fと可動子、電磁石間の
ギャップから電磁力非線形補償により電流指令値を求め
る。電磁力非線形補償は、電磁力とギャップに応じて目
標アンペアターン値Aを出力する。目標アンペアター
ン値Aをコイル巻数ntで除算すれば電流指令値i
となる。電磁石電流制御部により電磁石に通電する電流
を前記算出された電流指令値に制御する。
【0075】
【数7】 電磁力非線形補償は、電磁力、可動子と電磁石の間のギ
ャップに応じてアンペアターン値を出力する。電磁力非
線形補償は、電磁力マップの入出力の逆関数として作成
することができる。図10に示すように電磁力マップ
は、アンペアターン値(電流×コイル巻数nt)と可動
子−電磁石の間のギャップに応じて電磁力に出力する。
電磁力マップは、電磁石と可動子の形状や材質などによ
り決まるマップであり、電磁力を実測して作成する。電
磁力マップは磁場解析などの手段により作成することも
できる。
【0076】〔オブザーバによる可動部速度の推定〕次
にオブザーバによる可動部速度の推定方法について説明
する。
【0077】損失エネルギの算出及びフィードバック制
御に必要である可動部の速度は、発生電磁力推定部53
により電磁石が発生している電磁力を推定した値及び可
動部の位置から可動部速度推定52により推定する。
【0078】発生電磁力推定部53は、エンジン制御E
CU6が出力する開弁指令、閉弁指令と可動部の位置信
号に応じて電磁力信号を出力する。発生電磁力推定部5
3には上で説明した電磁力マップが使われる。電磁力マ
ップは、アンペアターン値(電流×コイル巻数)、可動
子と電磁石の間のギャップに応じて電磁力を出力する。
ここで、可動子と電磁石間のギャップは、開弁時には可
動子の開弁側電磁石から閉弁側電磁石までのストローク
から可動部の位置信号zを差し引いた値となる。ま
た、閉弁時には、可動子及び電磁石間のギャップは可動
部の位置となる。アンペアターン値は電流値にコイル巻
数ntをかけることによってもとめられる。この電流値
には、開弁時には開弁側電磁石の電流制御部の電流信号
が、閉弁時には閉弁側電磁石の電流制御部の電流信号が
用いられる。
【0079】可動部速度推定部52にはオブザーバを用
いる。可動部の運動方程式は
【数8】 と表せる。ここで、fは電磁力、zは可動部の位置、m
は合成慣性質量、kは合成バネ係数、cは粘性係数、d
は外乱である。(8)式を状態方程式に変換すると、
【数9】 図8に実施形態の制御のタイムチャートを示す。可動部
が位置zに到達した時点tで、位置と速度から可動
部の損失エネルギEpc1を算出する。次に損失エネル
ギに対して電流指令値Iを決定し、電流を指令値I
に制御する。可動部が位置zに到達した時点t
ら、目標速度をr(z)として可動部の速度をフィード
バック制御する。
【0080】次に実施形態の効果について説明する。
【0081】本発明の実施形態によれば、内燃機関の吸
排気のための弁を、弾性力と電磁力で駆動する電磁駆動
弁の制御装置において、可動子が電磁石に接触している
ときの可動部の位置エネルギを基準にして可動部が弾性
力により移動してから電磁石が通電される時点までに可
動部が筒内圧や動摩擦力によって失った損失エネルギを
算出し、該損失エネルギに基づいて決定された電流を電
磁石に通電し、可動子が電磁石に接触する直前からは、
可動部の速度を目標速度へ追従させるフィードバック制
御を開始する構成としたため、次に示す効果が得られ
る。
【0082】(1)第1従来技術では動摩擦力を考慮し
ていないため、動摩擦力が変動すると可動部の位置と速
度の応答が変化し、弁が確実に開閉動作されないのを防
止するために大電流を流す大型の電流制御回路を必要と
したり、可動子と電磁石が激しく衝突して騒音を発生す
る場合があったが、本実施形態では、動摩擦力も考慮し
て可動部の損失エネルギを算出し、該損失エネルギに基
づいて電磁石の電流値を決定するため、筒内圧だけでな
く動摩擦力によって消費した可動部の運動エネルギも正
確に補うことができ、可動子と電磁石が激しく衝突させ
ないで、弁を確実に開閉動作させることができる。
【0083】(2)図11に第2従来技術によりフィー
バック制御のみで可動部を制御した場合(破線)と、本
発明によりフィードバック制御を開始する以前から損失
エネルギに応じて電磁石に通電して可動部を制御した場
合(実線)の比較を示す。フィードバック制御は、可動
部が所定の位置に到達した時点から開始される。本発明
では電流のピーク値が低く、その分長い時間通電してい
る(フィードバック制御開始以前からも通電しているた
め)。すなわち、筒内圧や動摩擦力によって消費した可
動部の運動エネルギを徐々に補っている。第2従来技術
では電流のピーク値が高く、その分短い時間通電してい
る。すなわち、筒内圧や動摩擦力によって消費した可動
部の運動エネルギを急速に補っている。よって、本実施
形態においては、電磁石に通電する電流のピーク値が第
2従来技術における電流のピーク値よりも小さくなるた
め、電流制御回路を小さく簡略化することができる。フ
ィードバック制御開始点を同じ時刻にしても、第2従来
技術ではフィードバック制御開始以前には電流を流さな
いため、フィードバック制御時の電流のピーク値が大き
くなる。
【0084】(3)第2従来技術では、電磁石に大電流
が流れる。消費電力は電流の2乗に比例するため、大電
流が流れると消費電力が増大する。本実施形態では、電
磁石に流れる電流は小さいので、消費電力を小さくする
ことができる。
【0085】(4)第1従来技術では筒内圧センサが用
いられていたが、本実施形態では第2従来技術と同様に
筒内圧センサを用いないで制御装置が構成されるため、
制御装置を小型化、低価格化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される電磁駆動弁の構成を示す概
念図である。
【図2】実施形態の構成図である。
【図3】実施形態において損失エネルギの算出方法を説
明するための位置/速度位相面における可動部の軌跡を
示すグラフである。
【図4】実施形態の損失エネルギ算出部のフローチャー
トである。
【図5】実施形態の損失エネルギに基づいた電流指令値
の決定方法を説明するグラフである。
【図6】実施形態の電流制御量演算部のブロック図であ
る。
【図7】実施形態の目標速度の生成を説明する図であ
る。
【図8】実施形態の制御の流れを示す応答図である。
【図9】実施形態の全体フローチャートである。
【図10】実施形態の発生電磁力推定部のブロック図で
ある。
【図11】実施形態の効果を説明する図である。
【図12】第2従来技術の問題点を説明する図である。
【図13】第2従来技術の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 可動部位置センサ 2 閉弁側電磁石電流制御部 3 開弁側電磁石電流制御部 5 制御装置 6 エンジン制御ECU 51 電流制御量演算部 52 可動部速度推定部 53 発生電磁力推定部 54 損失エネルギ算出部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16K 37/00 F16K 37/00 Z Fターム(参考) 3G018 AB09 AB19 BA38 CA12 DA35 DA41 DA45 EA22 EA31 EA32 FA01 FA06 FA07 GA01 GA03 GA14 GA18 GA31 GA33 GA37 3G092 AA11 DA01 DA02 DA03 DF05 DG09 EA01 EA02 EA03 EA04 EA22 EC02 EC06 FA06 FA11 FA12 FA13 FA14 FA25 GA01 GA03 GA08 HA13X HA13Z 3H065 AA01 BA01 BA04 BB11 CA01 CA03 CA07 3H106 DA07 DA25 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 DD03 EE04 FB02 FB07 FB46 KK17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁石と、弾性体と、該電磁石の発生す
    る電磁力と該弾性体の発生する弾性力とにより駆動され
    る可動子と、該可動子により駆動される弁とを備えた電
    磁駆動弁を制御する電磁駆動弁の制御装置であって、 前記可動子または弁である可動部の位置を検出もしくは
    推定する位置検出手段と、 前記可動部の速度を検出もしくは推定する速度検出手段
    と、 前記検出された位置と前記検出された速度とに基づい
    て、前記可動部が含有する力学的エネルギを算出するエ
    ネルギ算出手段と、 前記算出された力学的エネルギに基づいて、前記電磁石
    に通電する電流値を制御する電流制御手段と、 を備えたことを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記エネルギ算出手段は、前記可動子が
    一方の静止位置で静止しているときに含有している力学
    的エネルギを基準にして、前記可動部が前記発生された
    弾性力により一方の静止位置から他方の静止位置へ向か
    って移動する間に、前記可動部が失った損失エネルギ
    を、前記検出された位置と前記検出された速度から算出
    し、 前記電流制御手段は、前記算出された損失エネルギに基
    づいて、前記電磁石に通電する電流値を制御することを
    特徴とする請求項1に記載の電磁駆動弁の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記エネルギ算出手段は、前記可動子が
    一方の静止位置で静止しているときの前記可動部の位置
    エネルギを基準にして、前記可動部が前記発生された弾
    性力により移動中に前記可動部が失った損失エネルギ
    を、前記検出された位置と前記検出された速度から検出
    し、 前記電流制御手段は、前記算出された損失エネルギに基
    づいて、前記電磁石に通電する電流値を制御することを
    特徴とする請求項1に記載の電磁駆動弁の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記エネルギ算出手段は、前記可動子が
    一方の静止位置で静止しているときの前記可動部の位置
    エネルギを基準にして、前記可動部が前記発生された弾
    性力により移動を開始してから前記電磁石が通電される
    時点までに前記可動部が失った損失エネルギを、前記検
    出された位置と前記検出された速度から算出し、 前記電流制御手段は、前記算出された損失エネルギに基
    づいて、前記電磁石に通電する電流値を制御することを
    特徴とする請求項1に記載の電磁駆動弁の制御装置。
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