JP2002051404A - 前後輪駆動車両の駆動制御装置 - Google Patents

前後輪駆動車両の駆動制御装置

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JP2002051404A JP2000232890A JP2000232890A JP2002051404A JP 2002051404 A JP2002051404 A JP 2002051404A JP 2000232890 A JP2000232890 A JP 2000232890A JP 2000232890 A JP2000232890 A JP 2000232890A JP 2002051404 A JP2002051404 A JP 2002051404A
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直樹 内山
Susumu Nakasako
享 中佐古
Kenji Honda
健司 本多
Toshihiko Fukuda
俊彦 福田
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速時における電気モータによるアシスト
を、トルク段差を生じることなく円滑に行うことがで
き、良好な加速性および運転性を確保できる前後輪駆動
車両の駆動制御装置を提供する。 【解決手段】 車両2の目標駆動力FCMDに基づいて
電気モータ4の目標駆動力FCMD_MOTを算出する
モータ目標駆動力算出手段11と、目標駆動力およびモ
ータ目標駆動力に基づいてエンジン3の目標駆動力FC
MD_ENGを算出するエンジン目標駆動力算出手段1
1と、モータ目標駆動力に基づいて電気モータ4を駆動
するモータ駆動手段10、11と、モータ駆動手段によ
る電気モータ4の駆動を、目標駆動力の変化量dFCM
Dが所定値dFCMD_AST以上の場合に許可すると
ともに、所定値未満の場合には、トルクコンバータ5a
の速度比ETRが基準速度比ETR_CTRL1よりも
小さいときに許可するモータ駆動許可手段11と、を備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前輪および後輪の
一方をトルクコンバータを介してエンジンで駆動すると
ともに、他方を電気モータで駆動する四輪駆動状態と、
電気モータによる駆動を停止する二輪駆動状態とに切り
換えて運転されるタイプの前後輪駆動車両の駆動制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、この種の駆動制御装置を、
例えば特願平11−366934号ですでに提案してい
る。この前後輪駆動車両は、前輪をトルクコンバータを
介してエンジンで駆動し、後輪を電気モータで駆動する
タイプのものである。この駆動制御装置では、電気モー
タによる後輪の駆動条件、すなわち四輪駆動の実行条件
の1つとして、トルクコンバータの速度比が用いられて
いる。具体的には、検出されたトルクコンバータの速度
比が所定値以上のときに、電気モータを停止して二輪駆
動を行う一方、所定値未満のときに、電気モータを作動
させて四輪駆動を行うように構成されている。例えば発
進時には、速度比が小さくトルク増幅率が高いことか
ら、低摩擦路などでは前輪がスリップしやすいので、上
記の制御により電気モータを作動させて後輪でアシスト
することによって、発進性を高めることができる。ま
た、アクセルペダルが踏み込まれた加速時には、トルク
コンバータの滑りが大きくなることで、速度比が一時的
に低下するので、このような場合にも、後輪によるアシ
ストが行われることによって、加速性を確保できる。な
お、この四輪駆動状態では、まず車両全体に要求される
総駆動力が決定され、モータ駆動力がその最大出力を上
限値として決定されるとともに、エンジン駆動力は、総
駆動力からモータ駆動力を差し引いた残り分として決定
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した駆動
制御装置では、以下の理由により、加速時にトルク段差
が生じることがあり、この点で改善の余地がある。すな
わち、この駆動制御装置では、上述したように、加速時
におけるトルクコンバータの滑りによる速度比の低下を
想定し、速度比が所定値未満に低下することを条件とし
て、電気モータによるアシストを開始している。しか
し、トルクコンバータの滑りは瞬時には発生せず、徐々
に大きくなるので、速度比が実際に所定値未満まで低下
するのに、すなわち電気モータによるアシストの開始ま
でに、時間遅れを伴う。一方、この間、加速要求に伴っ
て総駆動力は増大し続け、モータ駆動力=0であること
から、エンジン駆動力も総駆動力と同じ値で増大し続け
る。その結果、速度比が所定値未満まで低下した時点
で、大きなモータ駆動力が急激に発生するとともに、こ
のモータ駆動力に等しい分だけ、エンジン駆動力が急激
に大きく減少してしまう。この場合、モータ駆動力の発
生とエンジン駆動力の減少を完全に同期させることは困
難であるため、トルク段差がある程度、発生することは
避けられない。特に、低速状態からの加速時や、減速状
態からの加速時には、アクセルペダルの踏込み量が小さ
い場合でも、総駆動力が大きく増大するため、このよう
な不具合が顕著に現われやすい。
【0004】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、加速時における電気モータによ
るアシストを、トルク段差を生じることなく円滑に行う
ことができ、それにより、良好な加速性および運転性を
確保することができる前後輪駆動車両の駆動制御装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係る発明は、前後の駆動輪の一
方(実施形態における(以下、本項において同じ)前輪
WFL、WFR)をトルクコンバータ5aを介してエン
ジン3で駆動するとともに、他方の駆動輪(後輪WR
L、WRR)を電気モータ4で駆動する四輪駆動状態
と、電気モータ4による他方の駆動輪の駆動を停止する
二輪駆動状態とに切り換えて運転される前後輪駆動車両
の駆動制御装置であって、車両2の速度(車速Vca
r)を検出する車速検出手段(車輪回転数センサ12、
ECU11)と、アクセル開度θAPを検出するアクセ
ル開度検出手段(アクセル開度センサ16)と、検出さ
れた車速Vcarおよびアクセル開度θAPに基づいて
車両2の目標駆動力FCMDを算出する目標駆動力算出
手段(ECU11、図3のステップ31)と、目標駆動
力FCMDに基づいて電気モータ4の目標駆動力(後輪
目標駆動力FCMD_MOT)を算出するモータ目標駆
動力算出手段(ECU11、図3のステップ33)と、
目標駆動力FCMDおよびモータ目標駆動力に基づいて
エンジン3の目標駆動力(前輪目標駆動力FCMD_E
NG)を算出するエンジン目標駆動力算出手段(ECU
11、図3のステップ35)と、モータ目標駆動力に基
づいて電気モータ4を駆動するモータ駆動手段(モータ
ドライバー10、ECU11)と、トルクコンバータ5
aの速度比ETRを検出する速度比検出手段(クランク
角センサ13、メインシャフト回転数センサ14a、E
CU11)と、所定の基準速度比(アシスト開始基準速
度比ETR_CTRL1)を記憶する基準速度比記憶手
段(ECU11、図7のテーブル)と、検出された速度
比ETRと基準速度比を比較する速度比比較手段(EC
U11、図6のステップ65)と、モータ駆動手段によ
る電気モータ4の駆動を、目標駆動力の変化量dFCM
Dが所定値dFCMD_AST以上の場合に許可すると
ともに、目標駆動力の変化量dFCMDが所定値dFC
MD_AST未満の場合には、速度比比較手段により速
度比ETRが基準速度比よりも小さいと判定されたとき
に許可するモータ駆動許可手段(ECU11、図6のス
テップ65、66)と、を備えていることを特徴とす
る。
【0006】この前後輪駆動車両の駆動制御装置によれ
ば、検出されたアクセル開度および車速に基づいて車両
の目標駆動力が算出され、この目標駆動力に基づいて電
気モータの目標駆動力が算出されるとともに、さらに、
これらの目標駆動力およびモータ目標駆動力に基づいて
エンジンの目標駆動力が算出される。このモータ目標駆
動力に基づき、モータ駆動手段が電気モータを駆動し、
他方の駆動輪を駆動することによって、電気モータによ
りアシストされた四輪駆動状態で運転される。また、ト
ルクコンバータの速度比を検出するとともに、検出され
た速度比と所定の基準速度比を比較する。そして、モー
タ駆動許可手段は、算出した目標駆動力の変化量が所定
値以上の場合には、モータ駆動手段による電気モータの
駆動を許可する一方、目標駆動力の変化量が所定値未満
の場合には、速度比が基準速度比よりも小さいときに、
電気モータの駆動を許可する。
【0007】以上のように、この駆動制御装置によれ
ば、車両の目標駆動力の変化量が所定値以上の場合に
は、トルクコンバータの速度比にかかわらず、電気モー
タの駆動を許可し、アシストモードを実行する。したが
って、低速状態からの加速時や、減速状態からの加速時
に、速度比が基準速度比未満まで低下するのを待たず
に、その変化の遅れに影響されることなく、電気モータ
によるアシストを即座に開始することができる。その結
果、電気モータによるアシストを、モータ駆動力の小さ
な状態で開始し、これを徐々に増大させながら行えると
ともに、それに応じてエンジン駆動力が徐々に減少する
ので、電気モータによるアシストを、トルク段差を生じ
ることなく円滑に行うことができる。
【0008】一方、目標駆動力の変化量が所定値未満の
場合、すなわちトルク段差への影響が小さい場合には、
速度比が基準速度比よりも小さいときに、電気モータの
駆動を許可するので、電気モータによるアシストを、実
際の速度比に応じて適切に行うことができる。以上によ
り、良好な加速性および運転性を確保することができ
る。
【0009】また、前記目的を達成するため、本発明の
請求項2に係る発明は、前後の駆動輪の一方(前輪WF
L、WFR)をトルクコンバータ5aを介してエンジン
3で駆動するとともに、他方の駆動輪(後輪WRL、W
RR)を電気モータ4で駆動する四輪駆動状態と、電気
モータ4による他方の駆動輪の駆動を停止する二輪駆動
状態とに切り換えて運転される前後輪駆動車両の駆動制
御装置であって、電気モータ4の目標駆動力(後輪目標
駆動力FCMD_MOT)を算出するモータ目標駆動力
算出手段(ECU11、図3のステップ33)と、算出
されたモータ目標駆動力に基づいて電気モータ4を駆動
するモータ駆動手段(モータドライバー10、ECU1
1)と、トルクコンバータ5aの速度比ETRを検出す
る速度比検出手段(クランク角センサ13、メインシャ
フト回転数センサ14a、ECU11)と、所定の基準
速度比(アシスト停止基準速度比ETR_CTRL2)
を記憶する基準速度比記憶手段(ECU11、図7のテ
ーブル)と、検出された速度比ETRと基準速度比を比
較する速度比比較手段(ECU11、図6のステップ6
7)と、車両2の走行中にアクセルペダル17が解除状
態から踏込み操作されたか否かを検出する踏込み操作検
出手段(アクセル開度センサ16、ECU11、図6の
ステップ62)と、モータ駆動手段による電気モータ4
の駆動を、踏込み操作検出手段によりアクセルペダル1
7の踏込み操作が検出された場合に許可するとともに、
アクセルペダル17の踏込み操作が検出されていない場
合には、速度比比較手段により速度比ETRが基準速度
比よりも大きいと判定されたときに停止するモータ駆動
許可手段(ECU11、図6のステップ62、66、6
7、69)と、を備えていることを特徴とする。
【0010】この前後輪駆動車両の駆動制御装置によれ
ば、車両の走行中にアクセルペダルが解除状態から踏込
み操作されたか否かを検出する。そして、そのようなア
クセルペダルの踏込み操作が検出された場合には、電気
モータの駆動を許可する一方、踏込み操作が検出されて
いない場合には、速度比が基準速度比よりも大きいとき
に、電気モータの駆動を停止する。
【0011】このように、アクセルペダルOFFの減速
状態からアクセルペダルが踏み込まれ、加速された場合
には、トルクコンバータの速度比にかかわらず、電気モ
ータの駆動を許可するので、この場合においても、電気
モータによるアシストを、速度比変化の遅れに影響され
ることなく、加速直後から開始でき、モータ駆動力を小
さな状態から徐々に増大させることができる。したがっ
て、電気モータによるアシストを、トルクコンバータの
速度比変化の遅れに起因するトルク段差を生じることな
く、円滑に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の好ましい実施形態を説明する。図1は、本発明によ
る駆動制御装置1を適用した前後輪駆動車両(以下「車
両」という)2の概略構成を示している。同図に示すよ
うに、この車両2は、左右の前輪WFL、WFR(以
下、総称する場合は「WF」という)をエンジン3で駆
動するとともに、左右の後輪WRL、WRR(以下、総
称する場合は「WR」という)をモータ4で駆動するも
のである。
【0013】エンジン3は、車両2の前部に横置きに搭
載されており、トルクコンバータ5aを有する自動変速
機5、およびフロントディファレンシャル6を介して、
前輪WFに接続されている。
【0014】モータ4は、その駆動源であるバッテリ7
に接続されるとともに、電磁クラッチ8およびリヤディ
ファレンシャル9を介して、後輪WRに接続されてい
る。モータ4がバッテリ7で駆動され、かつ電磁クラッ
チ8が接続されているときに、後輪WRがモータ4で駆
動される。このとき、車両2は、モータ4によりアシス
トされた四輪駆動状態になる。一方、モータ4がバッテ
リ7で駆動されていないときや、電磁クラッチ8が遮断
されているときには、車両2は二輪駆動状態になる。な
お、モータ4は比較的小型のものであり、車速Vcar
が大きい高速運転時には、モータ4が後輪WRに追随し
て回転することが困難になるため、電磁クラッチ8が遮
断されるようになっている。モータ4の出力は、最大1
2kWの範囲内で任意に変更することが可能である。一
方、モータ4は、車両2の制動エネルギにより回転駆動
されているとき(減速回生モード)などに発電を行い、
発電した電力(回生エネルギ)をバッテリ7に充電する
ジェネレータとしての機能を有している。このバッテリ
7の充電残量SOCは、検出されたバッテリ7の電流・
電圧値に基づき、後述するECU11によって算出され
る。
【0015】モータ4は、モータドライバー10を介し
て、ECU11に接続されており、モータ4の駆動モー
ドおよび減速回生モードなどの切換え、駆動モード時に
おける最大出力の設定や駆動トルク、ならびに減速回生
モード時における回生量(充電量)などは、ECU11
で制御されるモータドライバー10によって、制御され
る。電磁クラッチ8の接続・遮断もまた、そのソレノイ
ド(図示せず)への電流の供給・停止がECU11で制
御されることによって、制御される。
【0016】左右の前輪WFL、WFRおよび後輪WR
L、WRRには、磁気ピックアップ式の車輪回転数セン
サ12がそれぞれ設けられており、これらの車輪回転数
センサ12から、各車輪回転数N_FL、N_FR、N
_RL、N_RRを表すパルス信号がECU11にそれ
ぞれ出力される。ECU11は、これらのパルス信号か
ら、前輪速度V_FF、後輪速度V_RRや車速Vca
rなどを算出する。
【0017】また、エンジン3のクランクシャフト(図
示せず)には、所定のクランク角ごとにクランクパルス
信号CRKを出力するクランク角センサ13が、自動変
速機5のメインシャフト5bおよびカウンタシャフト
(図示せず)には、それらの回転数Nm、Ncount
erを表すパルス信号を出力する磁気ピックアップ式の
メイン・カウンタシャフト回転数センサ14a、14b
が、それぞれ設けられており、これらの信号もまた、E
CU11に出力される。ECU11は、クランクパルス
信号CRKに基づいてエンジン回転数NEを算出すると
ともに、このエンジン回転数NEとメインシャフト回転
数Nmから、トルクコンバータ5aの速度比ETRを算
出する(ETR=Nm/NE)。また、モータ4にはそ
の回転数Nmotを表すパルス信号を出力するレゾルバ
によるモータ回転数センサ15が設けられており、この
信号もECU11に出力される。
【0018】また、ECU11には、アクセル開度セン
サ16から、アクセルペダル17のON/OFFを含む
開度(アクセル開度)θAPを表す検出信号が入力され
る。ECU11にはさらに、ブレーキのマスタシリンダ
(図示せず)に取り付けたブレーキ圧センサ19からブ
レーキ圧PBRを表す検出信号が、操舵角センサ20か
らハンドル(図示せず)の操舵角θSTRを表す検出信
号が、シフト位置センサ21から自動変速機5のシフト
レバー位置POSIを表す検出信号が、加速度センサ2
2、23から前後の車輪WF、WRの加速度GF、GR
を表す検出信号が、それぞれ入力される。
【0019】上記ECU11は、RAM、ROM、CP
UおよびI/Oインターフェースなどからなるマイクロ
コンピュータ(いずれも図示せず)で構成されている。
ECU11は、上述した各種センサからの検出信号に基
づいて、車両2の走行状態を検出し、制御モードを判定
するとともに、その結果に基づいて、車両2の目標駆動
力FCMD、前輪目標駆動力FCMD_ENGおよび後
輪目標駆動力FCMD_MOTを算出する。そして、算
出した前輪目標駆動力FCMD_ENGに基づく駆動信
号DBW_THを、DBW式のアクチュエータ24に出
力することによって、スロットル弁25の開度(スロッ
トル弁開度θTH)を制御し、エンジン3の駆動力を制
御する。また、後輪目標駆動力FCMD_MOTに基づ
くモータ要求トルク信号TRQ_MOTをモータドライ
バー10に出力することによって、モータ4の駆動力を
制御する。
【0020】図2は、ECU11で実行される制御処理
のメインフローを示すフローチャートである。このプロ
グラムは、所定時間(例えば10ms)ごとに実行され
る。この制御処理ではまず、ステップ21(「S21」
と図示。以下同じ)において車両2の状態を検出する。
具体的には、前述した各種センサで検出されたパラメー
タ信号を読み込み、これらに基づき、所定の演算を行う
とともに、車両2が前進、後退および停止のいずれの走
行状態にあるかを判定する。
【0021】次いで、ステップ21で検出された、自動
変速機5のシフトレバー位置POSIおよびアクセルペ
ダル17のON/OFF状態、ならびに車両2の走行状
態から、車両2の制御モードを判定する(ステップ2
2)。具体的には、制御モードを、車両2が前進状態ま
たは後退状態でアクセルペダル17がONのときに前進
駆動モードまたは後退駆動モード(以下、まとめて「駆
動モード」という)と判定し、車両2が前進状態または
後退状態でアクセルペダル17がOFFのときに前進減
速回生モードまたは後退減速回生モード(以下、まとめ
て「減速回生モード」という)と判定し、車両2が停止
状態のときに停止モードと判定する。制御モードが減速
回生モードのときには、原則として、回生制動トルクを
利用したバッテリ7の充電が行われる。
【0022】次に、ステップ22で判定された制御モー
ドに応じて、車両2全体の目標駆動力FCMD、前輪目
標駆動力FCMD_ENGおよび後輪目標駆動力FCM
D_MOTを算出する(ステップ23)。これについて
は後述する。
【0023】次いで、電磁クラッチ8のON/OFF制
御を実行する(ステップ24)。具体的には、車速Vc
ar、およびモータ4と後輪WRとの差回転数に基づい
て、電磁クラッチ8をONまたはOFFするかを判定す
るとともに、その判定結果に基づいて電磁クラッチ8を
ON/OFF制御する。
【0024】次に、ステップ23で算出した後輪目標駆
動力FCMD_MOTと、ステップ24で制御した電磁
クラッチ8のON/OFF状態に基づいて、モータ4の
要求トルクTRQ_MOTを算出し(ステップ25)、
これに基づく駆動信号をモータドライバー10に出力す
ることによって、モータ4の駆動力を制御する。
【0025】次いで、ステップ23で算出した前輪目標
駆動力FCMD_ENGに基づいて、アクチュエータ出
力値DBW_THを算出し(ステップ26)、これに基
づく駆動信号をアクチュエータ24に出力し、スロット
ル弁開度θTHを制御することで、エンジン3の駆動力
を制御し、本プログラムを終了する。
【0026】図3は、図2のステップ23で実行される
駆動力算出サブルーチンを示す。この制御処理ではま
ず、判定された制御モードに従い、車両2全体の目標駆
動力FCMDを演算する(ステップ31)。この目標駆
動力FCMDは、例えば、検出された車速Vcarおよ
びアクセル開度θAPに応じ、図4に一例を示すテーブ
ルを検索することによって、算出される。図4には、ア
クセル開度θAPが0deg、5degおよび80de
gのときのテーブル値が代表的に示されており、目標駆
動力FCMDは、アクセル開度θTHが大きいほど大き
く、また車速Vcarが大きいほど小さくなるように設
定されている。なお、アクセル開度θAP=0degの
ときのテーブル値は、シフトレバー位置がD4相当のラ
インを表しており、この場合、目標駆動力FCMDは、
負値として算出される。
【0027】次に、定速走行時の充電モード要求判定を
実行する(ステップ32)。具体的には、車速Vcar
およびバッテリ7の充電残量SOCに応じて、基準駆動
力を求めるとともに、この基準駆動力と、ステップ31
で算出した目標駆動力FCMDとの関係から、車両2が
バッテリ7の充電を行うべきクルーズ走行状態にあるか
否かを判定し、その判定結果が肯定のときに、制御モー
ドがクルーズ充電モードとされ、バッテリ7への充電が
行われる。
【0028】次いで、後輪目標駆動力FCMD_MOT
を演算する(ステップ33)。この演算は、図2のステ
ップ22および上記ステップ32で判定された制御モー
ド(駆動、減速回生、クルーズ充電および停止のいずれ
か)に従い、制御モード別に行われる。その詳細につい
ては後述する。
【0029】次に、上記ステップ33で算出した後輪目
標駆動力FCMD_MOTに所定のフィルタ処理を施し
た(ステップ34)後、前輪目標駆動力FCMD_EN
Gを次式(1)によって演算し(ステップ35)、本プ
ログラムを終了する。 FCMD_ENG =FCMD−FCMD_MOT−FENG_OFF・・・(1) ここで、FENG_OFFは、エンジン引きずり量(負
値)である。このように、前輪目標駆動力FCMD_E
NGは、基本的に、目標駆動力FCMDから後輪目標駆
動力FCMD_MOTを差し引いた値として設定され
る。
【0030】図5は、図3のステップ33で実行される
後輪目標駆動力FCMD_MOTの算出サブルーチンを
示している。前述したように、この後輪目標駆動力FC
MD_MOTの演算は、決定された制御モード別に行わ
れる。すなわち、制御モードが減速回生モードであるか
否かを判別し(ステップ41)、減速回生モードのとき
には、後輪目標駆動力FCMD_MOTとして、減速回
生用後輪目標駆動力を算出する(ステップ42)。この
減速回生用後輪目標駆動力は、基本的に、車両2の目標
駆動力FCMD(負値)から、エンジン2のエンジンブ
レーキ力(負値)を差し引いた値(負値)、すなわち制
動力として算出される。
【0031】前記ステップ41の答がNOのときには、
制御モードがクルーズ充電モードであるか否かを判別し
(ステップ43)、クルーズ充電モードのときには、後
輪目標駆動力FCMD_MOTとして、クルーズ充電用
後輪目標駆動力を算出する(ステップ44)。このクル
ーズ充電用後輪目標駆動力は、基本的に、車両2の目標
駆動力FCMDから、車速Vcarおよび充電残量SO
Cに応じて求めた基準駆動力を差し引いた値(負値)と
して算出される。
【0032】前記ステップ43の答がNOのときには、
制御モードが停止モードであるか否かを判別し(ステッ
プ45)、停止モードのときには、後輪目標駆動力FC
MD_MOTを値0に設定する(ステップ46)。
【0033】また、前記ステップ45の答がNOのと
き、すなわち制御モードが駆動モードのときには、モー
タ4によるアシストを実行するか否かを判定する(ステ
ップ47)とともに、その判定結果に従って、駆動用後
輪目標駆動力FCMD_MOTを算出し(ステップ4
8)、本プログラムを終了する。
【0034】図6は、上記ステップ47で実行されるア
シスト実行判定サブルーチンを示している。この制御処
理ではまず、車速Vcarに応じて、アシスト開始基準
速度比ETR_CTRL1およびアシスト停止基準速度
比ETR_CTRL2を検索する(ステップ61)。図
7は、このための基準速度比テーブルの一例を示してい
る。同図に示すように、アシスト開始基準速度比ETR
_CTRL1は、アシスト停止基準速度比ETR_CT
RL2に対して、一定のヒステリシスETR_HISS
(例えば5%)を付与したものであり、これにより、後
述するトルクコンバータ5aの速度比ETRに応じたア
シストの開始と停止の間の制御ハンチングが回避され
る。また、このテーブルでは、両基準速度比ETR_C
TRL1、2は、車速Vcarが小さいほど、モータ4
によるアシストが実行されやすいよう、より大きな値に
設定されている。
【0035】図6に戻り、前記ステップ61に続くステ
ップ62では、前回の制御モードが減速回生モードまた
は停止モードであったか否を判別する。この答がNOの
ときには、前回時にモータ4によるアシストが実行され
ていたか否かを判別する(ステップ63)。
【0036】この答がNOで、前回時にアシストが実行
されていないときには、アシストの開始条件が成立して
いるか否かを判定する。まず、ステップ64において、
後輪速度V_RRがそのアシスト開始上限車速V_4W
D_ON(例えば60km/h)以下であるか否かを判
別する。このアシスト開始上限車速V_4WD_ON
は、電磁クラッチ8の接続上限値に相当する。したがっ
て、この答がNO、すなわちV_RR>V_4WD_O
Nのときには、そのまま本プログラムを終了し、引き続
きアシストを禁止する。
【0037】前記ステップ64の答がYES、すなわち
V_RR≦V_4WD_ONのときには、次の条件のい
ずれかが満たされているか否を判別する(ステップ6
5)。 トルクコンバータ5aの速度比ETRが、ステップ
61で求めたアシスト開始基準速度比ETR_CTRL
1以下(ETR≦ETR_CTRL1) 前輪WFがスリップ中である(F_MPWR_UP
=1) 目標駆動力変化量dFCMDが、その所定値dFC
MD_AST(例えば70kgf/0.01sec)以
上(dFCMD≧dFCMD_AST) ここで、のF_MPWR_UPは、前輪WFがスリッ
プしていると判定されるのに応じてモータ4が出力アッ
プ中であるときに「1」にセットされるモータ出力アッ
プフラグである。また、の目標駆動力変化量dFCM
Dは、目標駆動力FCMDの今回値と前回値との差であ
る。
【0038】このステップ65の答がYES、すなわち
上記の条件〜のいずれもが満たされていないときに
は、そのまま本プログラムを終了し、引き続きアシスト
を禁止する。
【0039】一方、ステップ65の答がYES、すなわ
ち上記の条件〜のいずれかが満たされているときに
は、アシストの開始条件が成立しているとして、アシス
トを許可・開始し(ステップ66)、本プログラムを終
了する。このように、目標駆動力変化量dFCMDが所
定値dFCMD_AST以上のときには、トルクコンバ
ータ5aの速度比ETRにかかわらず、アシストが許可
・開始され、四輪駆動状態に移行する。これにより、加
速時に、速度比ETRの変化の遅れに影響されることな
く、アシストを即座に開始することができる。
【0040】一方、前記ステップ63の答がYES、す
なわち前回時にアシストが実行されていたときには、ア
シストの停止条件が成立しているか否かを判定する。ま
ず、ステップ67において、トルクコンバータ5aの速
度比ETRが、ステップ61で求めたアシスト停止基準
速度比ETR_CTRL2より大きくかつ100%以下
であり、かつモータ出力アップフラグF_MPWR_U
Pが「0」であるか否かを判別する。この答がNO、す
なわちETR≦ETR_CTRL2が成立し、または前
輪WFがスリップしているときには、ステップ68に進
み、後輪速度V_RRが、アシスト停止上限車速V_4
WD_OFF(例えば65km/h)よりも大きいか否
かを判別する。このアシスト停止上限車速V_4WD_
OFFは、前述したアシスト開始上限車速V_4WD_
ONに対してヒステリシスを与えたものである。このス
テップ68の答がNO、すなわちV_RR≦V_4WD
_OFFのときには、そのまま本プログラムを終了し、
引き続きアシストを実行する。
【0041】一方、前記ステップ67またはステップ6
8の答がYES、すなわちETR_CTRL2<ETR
≦100%で且つ前輪WFがスリップしていないか、ま
たはV_RR>V_4WD_OFFのときには、アシス
トの停止条件が成立しているとして、アシストを停止し
(ステップ69)、二輪駆動状態に移行するようにし
て、本プログラムを終了する。
【0042】一方、前記ステップ62の答がYES、す
なわち前回の制御モードが減速回生モードまたは停止モ
ードであったときには、前記ステップ66に進み、アシ
ストを許可する。すなわち、アクセルペダル17がOF
F状態にある減速回生モードから、アクセルペダル17
が踏み込まれることによって駆動モードに移行した場合
には、トルクコンバータ5aの速度比ETRにかかわら
ず、無条件にアシストが許可され、四輪駆動状態に移行
する。これにより、減速状態からの加速時に、速度比E
TRの変化の遅れに影響されることなく、アシストを即
座に実行することができる。
【0043】図11は、これまでに説明した制御処理に
よって得られる加速時における駆動力の推移の一例を、
同じ状況での従来の場合の例とともに、模式的に表した
ものである。すなわち、低速状態あるいは減速状態か
ら、時刻t1においてアクセルペダル17が踏み込ま
れ、加速状態に入ったとする。この場合、同図(b)に
示す従来例では、前述したように、トルクコンバータ5
aの変速比ETRが所定値未満に低下することがアシス
ト開始の条件になっているとともに、変速比ETRが実
際に変化するのに時間がかかるため、時刻t1から遅れ
た時刻t2で初めてアシストが開始される。そして、こ
の間、加速要求に伴ってエンジン目標駆動力FCMDが
増大し続けるため、アシストの開始時に、大きなモータ
目標駆動力FCMD_MOTが急激に発生するととも
に、それに等しい分だけ、エンジン目標駆動力FCMD
_ENGが急激に大きく減少することで、トルク段差が
発生してしまう。
【0044】これに対して、同図(a)に示す本実施形
態の例では、低速状態からの加速の場合には、目標駆動
力変化量dFCMDが所定値dFCMD_AST以上に
なり、図6のステップ65がYESになることによっ
て、また、アクセルペダル17がOFFの減速状態から
の加速の場合には、減速回生モードから駆動モードへの
移行となり、ステップ62の答がYESになることによ
って、いずれの場合にも、そのときの速度比ETRにか
かわらず、アシストが許可される(ステップ66)。こ
れにより、速度比ETRの変化の遅れに影響されること
なく、アシストを加速開始時の時刻t1直後から開始す
ることができる。その結果、モータ4によるアシスト
を、モータ目標駆動力FCMD_MOTが小さな状態で
開始し、これを徐々に増大させながら行えるとともに、
それに応じてエンジン駆動力FCMD_ENGが徐々に
減少するので、モータ4によるアシストを、トルク段差
を生じることなく円滑に行うことができる。なお、同図
中のFCMD_MOT_Fは、図3のステップ34によ
るフィルタ処理がなされた後の後輪目標駆動力を表して
いる。
【0045】図8および図9は、図5のステップ48で
実行される駆動用後輪目標駆動力の算出サブルーチンを
示している。この制御処理では、図6のサブルーチンに
よるアシスト実行の判定結果に従って、駆動用後輪目標
駆動力FCMD_MOTを算出する。まず、車速Vca
rに応じて、移行タイマ作動時間TM_RR_DRV_
STPを検索する(ステップ81)。この移行タイマ作
動時間TM_RR_DRV_STPは、後述するよう
に、アシストの実行状態から停止状態に移行した際に後
輪目標駆動力FCMD_MOTを徐々に減少させる時間
に相当する。図11は、このための移行タイマ作動時間
テーブルの一例を示している。このテーブルでは、移行
タイマ作動時間TM_RR_DRV_STPは、車速V
carが大きいほど、より小さな値に設定されている。
これは、車速Vcarが大きいほど、後輪目標駆動力F
CMD_MOTが小さいためである。
【0046】図8に戻り、前記ステップ81に続くステ
ップ82では、図6のサブルーチンにおいてアシストを
実行すべきと判定されているか否かを判定する。この答
がYESのときには、次のステップ83〜85におい
て、アシスト実行時用の後輪目標時FCMD_MOTを
算出する。まず、車両2の目標駆動力FCMDからモー
タ引きずり量FMOT_OFF(回転抵抗、負値)を差
し引いた値(FCMD−FMOT_OFF)が、モータ
2の最大駆動力FMAX_DRVよりも小さいか否かを
判別する(ステップ83)。この答がYES、すなわち
(FCMD−FMOT_OFF)値が、モータ4の最大
駆動力FMAX_DRVの範囲内にあるときには、この
値を後輪目標駆動力FCMD_MOTとして設定する
(ステップ84)。一方、ステップ83の答がNO、す
なわち(FCMD−FMOT_OFF)≧FMAX_D
RVのときには、後輪目標駆動力FCMD_MOTをモ
ータ最大駆動力FMAX_DRVに設定した(ステップ
85)後、後述するステップ90に進む。
【0047】一方、前記ステップ82の答がNO、すな
わちアシストを実行しないときには、次のステップ86
〜89において、アシスト停止時用の後輪目標時FCM
D_MOTを算出する。まず、移行タイマTM_RR_
DRVのタイマ値が、値0より大きく、かつ前記ステッ
プ81で求めた移行タイマ作動時間TM_RR_DRV
_STP以下であるか否かを判別する(ステップ8
6)。この答がYES、すなわちアシストの停止後、移
行タイマ作動時間TM_RR_DRV_STPが経過し
ていないときには、後輪目標駆動力FCMD_MOT
を、スロープ状に徐々に減少させるために、これを次式
(2)によって算出する(ステップ87)とともに、移
行タイマTM_RR_DRVをインクリメントする(ス
テップ88)。 FCMD_MOT =FCMD_MOT_OLD+(FCMD_MOT_2WD−FCMD_ MOT_OLD)/(TM_RR_DRV_STP−TM_RR_DRV +1) ・・・(2)
【0048】ここで、FCMD_MOT_OLDは、後
輪目標駆動力の前回値、FCMD_MOT_2WDは、
アシスト停止時用の後輪目標駆動力計算値、右辺の分母
(TM_RR_DRV_STP−TM_RR_DRV+
1)は、移行タイマTM_RR_DRVの作動残り時間
(減算残り回数)を表す。すなわち、式(2)による演
算により、このタイマの作動時間中の各ループにおい
て、そのときの後輪目標駆動力計算値FCMD_MOT
_2WDと後輪目標駆動力の前回値FCMD_MOT_
OLDとの差をタイマの作動残り時間で除した値を、F
CMD_MOT_OLD値に随時、加算することによっ
て、後輪目標駆動力FCMD_MOTは、スロープ状に
徐々に減少し、移行タイマ作動時間TM_RR_DRV
_STPの経過時に、最終的に後輪目標駆動力計算値F
CMD_MOT_2WDに達する。これにより、アシス
ト停止時用の後輪目標駆動力FCMD_MOTを、それ
以前のアシスト実行時の値からスロープ状に徐々に減少
させることができる。
【0049】一方、前記ステップ86の答がNO、すな
わちアシストの停止後、移行タイマ作動時間TM_RR
_DRV_STPが経過したときには、アシスト停止時
用の後輪目標駆動力計算値FCMD_MOT_2WDを
そのまま後輪目標駆動力FCMD_MOTとして設定す
るとともに、移行タイマTM_RR_DRVを値0にリ
セットした(ステップ89)後、ステップ90以降に進
む。
【0050】このステップ90以降では、重量配分率を
考慮した後輪目標駆動力FCMD_MOTのリミット処
理を行う。まず、ステップ90において、車重(FR_
DYN_WT+RR_DYN_WT)、路面勾配SLO
PE_ANGおよび車両2の重心高Hight_Wtを
互いに乗算した値を、ホイールベースWheel_ba
seで割ることによって、荷重移動量dWtを算出す
る。ここで、FR_DYN_WT、RR_DYN_WT
は、それぞれ前輪側重量、後輪側重量である。また、路
面勾配SLOPE_ANGは、停止時に求められたもの
であり、例えば、前後輪の車輪回転数N_FL、N_F
RおよびN_RL、N_RRがともに値0で、かつブレ
ーキペダルが操作されている場合に、前後の加速度セン
サ22、23の出力を積分することによって算出・推定
される。
【0051】次に、後輪側重量RR_DYN_WTとス
テップ90で算出した荷重移動量dWtとの和(RR_
DYN_WT+dWt)を、車重(FR_DYN_WT
+RR_DYN_WT)で割ることによって、後輪最大
重量配分率DRV_AST_maxを算出する(ステッ
プ91)。次いで、算出した後輪最大重量配分率DRV
_AST_maxを目標駆動力FCMDに乗算した値か
ら、モータ引きずり量FMOT_OFFを差し引いた値
を、後輪駆動力制限値FCMD_MOT_DRV_MA
Xとして算出する(ステップ92)。
【0052】次いで、前記ステップ84などで算出した
後輪目標駆動力FCMD_MOTが、後輪駆動力制限値
FCMD_MOT_DRV_MAX以上であるか否かを
判別する(ステップ93)。この答がYES、すなわち
FCMD_MOT≧FCMD_MOT_DRV_MAX
のときには、後輪目標駆動力FCMD_MOTを後輪駆
動力制限値FCMD_MOT_DRV_MAXに設定す
る(ステップ94)一方、NOのときには、ステップ9
4をスキップして、後輪目標駆動力FCMD_MOTを
保持し、本プログラムを終了する。
【0053】以上のように、本実施形態によれば、低速
状態からの加速の場合には、目標駆動力変化量dFCM
Dが所定値dFCMD_AST以上になることによっ
て、また、アクセルペダル17がOFFの減速状態から
の加速の場合には、減速回生モードから駆動モードに移
行することによって、いずれの場合にも、そのときの速
度比ETRにかかわらず、アシストが許可される。した
がって、速度比ETRの変化の遅れに影響されることな
く、アシストを加速直後から開始することができる。そ
の結果、モータ4によるアシストを、モータ目標駆動力
FCMD_MOTの小さな状態で開始し、これを徐々に
増大させながら行えるので、モータ4によるアシスト
を、トルク段差を生じることなく円滑に行うことがで
き、したがって、良好な加速性と運転性を確保すること
ができる。
【0054】なお、本発明は、説明した実施形態に限定
されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、実施形態は、前輪をエンジンで駆動し、後輪を
モータで駆動するタイプの前後輪駆動車両に、本発明を
適用した例であるが、本発明は、これに限らず、エンジ
ンおよびモータによる駆動を前後輪逆に行う車両にも、
同様に適用することが可能である。さらに、実施形態で
は、モータ4と後輪WRの間を接続・遮断するクラッチ
として、電磁クラッチ8を用いているが、伝達容量を制
御可能なクラッチであればよく、例えば油圧式多板クラ
ッチを採用してもよい。また、大型モータを用いて後輪
WRと直結し、電磁クラッチ8を省略することも可能で
ある。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1による
前後輪駆動車両の駆動制御装置によれば、加速時に、ト
ルクコンバータの速度比変化の遅れに影響されることな
く、電気モータによるアシストを即座に開始できるの
で、電気モータによるアシストを、トルク段差を生じる
ことなく円滑に行うことができ、それにより、良好な加
速性と運転性を確保することができる。また、請求項2
による前後輪駆動車両の駆動制御装置によれば、アクセ
ルペダルOFFの減速状態からアクセルペダルが踏み込
まれ、加速された場合に、電気モータによるアシスト
を、トルクコンバータの速度比変化の遅れに影響される
ことなく、加速直後から開始でき、したがって、請求項
1と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による駆動制御装置を適用
した前後輪駆動車両の概略構成図である。
【図2】駆動力制御のメインフローを示すフローチャー
トである。
【図3】駆動力算出サブルーチンのフローチャートであ
る。
【図4】目標駆動力テーブルの一例を示す図である。
【図5】後輪目標駆動力の算出サブルーチンのフローチ
ャートである。
【図6】アシスト実行判定サブルーチンのフローチャー
トである。
【図7】基準速度比テーブルの一例を示す図である。
【図8】駆動用後輪目標駆動力の算出サブルーチンのフ
ローチャートである。
【図9】図8のサブルーチンの残りの部分を示すフロー
チャートである。
【図10】移行タイマ作動時間テーブルの一例を示す図
である。
【図11】本実施形態による加速時の動作例を、従来例
とともに示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 駆動制御装置 2 車両(前後輪駆動車両) 3 エンジン 4 電気モータ 5a トルクコンバータ 10 モータドライバー(モータ駆動手段) 11 ECU(車速検出手段、目標駆動力算出手段、モ
ータ目標駆動力算出手段、エンジン目標駆動力算出手
段、モータ駆動手段、速度比検出手段、基準速度比記憶
手段、速度比比較手段、モータ駆動許可手段、踏込み操
作検出手段) 12 車輪回転数センサ(車速検出手段) 13 クランク角センサ(速度比検出手段) 14a メインシャフト回転数センサ(速度比検出手
段) 16 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段、踏
込み操作検出手段) 17 アクセルペダル WFL、WFR 前輪 WRL、WRR 後輪 Vcar 車速 θAP アクセル開度 FCMD 目標駆動力 FCMD_MOT 後輪目標駆動力(モータ目標駆動
力) FCMD_ENG 前輪目標駆動力(エンジン目標駆動
力) dFCMD 目標駆動力変化量 dFCMD_AST 目標駆動力変化量の所定値 ETR トルクコンバータの速度比 ETR_CTRL1 アシスト開始基準速度比(基準速
度比) ETR_CTRL2 アシスト停止基準速度比(基準速
度比)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60K 41/00 301 F02D 29/02 D F02D 29/02 B60K 9/00 E (72)発明者 中佐古 享 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 本多 健司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 福田 俊彦 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D041 AA31 AA53 AB01 AC01 AC08 AC15 AD04 AD31 AE03 AE04 AF01 3D043 AA01 AB17 EA03 EA06 EA11 EA33 EA42 EB07 EB12 EB13 EE02 EE03 EE06 EF12 EF14 3G093 AA01 AA03 AA05 AA07 BA15 CA07 CB04 DA06 DB11 EA02 EA09 EC01 FA07 5H115 PG04 PI16 PI29 PU01 PU25 QE08 QE10 QI04 QI09 QN03 QN12 QN23 RB08 RE03 SE04 SE05 SJ12 TB01 TB02 TB03 TE02 TE03 TI02 TI06 TO02 TO07 TO10 TO21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後の駆動輪の一方をトルクコンバータ
    を介してエンジンで駆動するとともに、他方の前記駆動
    輪を電気モータで駆動する四輪駆動状態と、当該電気モ
    ータによる前記他方の駆動輪の駆動を停止する二輪駆動
    状態とに切り換えて運転される前後輪駆動車両の駆動制
    御装置であって、 前記車両の速度を検出する車速検出手段と、 アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、 前記検出された車速およびアクセル開度に基づいて前記
    車両の目標駆動力を算出する目標駆動力算出手段と、 前記目標駆動力に基づいて前記電気モータの目標駆動力
    を算出するモータ目標駆動力算出手段と、 前記目標駆動力および前記モータ目標駆動力に基づいて
    前記エンジンの目標駆動力を算出するエンジン目標駆動
    力算出手段と、 前記モータ目標駆動力に基づいて前記電気モータを駆動
    するモータ駆動手段と、 前記トルクコンバータの速度比を検出する速度比検出手
    段と、 所定の基準速度比を記憶する基準速度比記憶手段と、 前記検出された速度比と前記基準速度比を比較する速度
    比比較手段と、 前記モータ駆動手段による前記電気モータの駆動を、前
    記目標駆動力の変化量が所定値以上の場合に許可すると
    ともに、前記目標駆動力の変化量が所定値未満の場合に
    は、前記速度比比較手段により前記速度比が前記基準速
    度比よりも小さいと判定されたときに許可するモータ駆
    動許可手段と、 を備えていることを特徴とする前後輪駆動車両の駆動制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前後の駆動輪の一方をトルクコンバータ
    を介してエンジンで駆動するとともに、他方の前記駆動
    輪を電気モータで駆動する四輪駆動状態と、当該電気モ
    ータによる前記他方の駆動輪の駆動を停止する二輪駆動
    状態とに切り換えて運転される前後輪駆動車両の駆動制
    御装置であって、 前記電気モータの目標駆動力を算出するモータ目標駆動
    力算出手段と、 当該算出されたモータ目標駆動力に基づいて前記電気モ
    ータを駆動するモータ駆動手段と、 前記トルクコンバータの速度比を検出する速度比検出手
    段と、 所定の基準速度比を記憶する基準速度比記憶手段と、 前記検出された速度比と前記基準速度比を比較する速度
    比比較手段と、 前記車両の走行中にアクセルペダルが解除状態から踏込
    み操作されたか否かを検出する踏込み操作検出手段と、 前記モータ駆動手段による前記電気モータの駆動を、前
    記踏込み操作検出手段により前記アクセルペダルの前記
    踏込み操作が検出された場合に許可するとともに、前記
    アクセルペダルの前記踏込み操作が検出されていない場
    合には、前記速度比比較手段により前記速度比が前記基
    準速度比よりも大きいと判定されたときに停止するモー
    タ駆動許可手段と、 を備えていることを特徴とする前後輪駆動車両の駆動制
    御装置。
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