JP2002047316A - 末端にメルカプト基を有するアリルアミン類重合体およびその製造方法 - Google Patents
末端にメルカプト基を有するアリルアミン類重合体およびその製造方法Info
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Abstract
して新しい用途が期待できるアリルアミン類重合体およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(I)、(II−a)および(II−
b) 【化1】 (R1、R2はHまたはC1〜C10のアルキル基、R3はH
または水酸基を有していてもよいC1〜C10のアルキル
基)で表される構成単位、その付加塩および第四級アン
モニウム塩の中から選ばれる少なくとも1種を含み、か
つ末端にメルカプト基を有するアリルアミン類重合体、
並びに、極性溶媒中において、水溶性アゾ系触媒および
チオ酸の存在下に、モノアリルアミン類の付加塩および
/またはジアリルアミン類の付加塩または第四級アンモ
ニウム塩を重合させたのち、加水分解処理して、上記の
末端にメルカプト基を有するアリルアミン類重合体を製
造する方法である。
Description
基を有するアリルアミン類重合体及びその製造方法に関
する。さらに詳しくは、本発明は、末端に官能基である
メルカプト基を有し、機能性重合体として新しい用途が
期待できるモノアリルアミン類重合体やジアリルアミン
類重合体、およびこのものを効率よく製造する方法に関
するものである。
該メルカプト基の反応性の点から、機能性重合体として
様々な用途が期待できる。従来、末端にメルカプト基を
有する重合体の製造方法としては、例えばチオ酢酸など
のチオ酸の存在下に、ラジカル重合可能なモノマーをラ
ジカル重合したのち、得られた重合体を加水分解処理す
る方法が知られている(特公平2−7325号公報)。
この方法は、チオ酸が連鎖移動剤として作用し、重合体
の末端にチオ酸エステルの形で導入され、これをアルカ
リまたは酸で加水分解処理して、末端にメルカプト基を
有する重合体を得る方法である。
モノマーとして、α−オレフィン類、(メタ)アクリル
酸またはそのエステル類、(メタ)アクリルアミドまた
はそのN置換体類、スチレン類、さらには(メタ)アク
リロニトリル、N−ビニルピロリドン、フッ素化モノマ
ーが例示されているが、アリルアミン類については、な
んら言及されていない。アリルアミン類は、一般に、破
壊的連鎖移動によって重合しにくいことが知られてお
り、したがって、これまで、末端にメルカプト基を有す
るアリルアミン類重合体は見出されていないのが実状で
ある。
重合について鋭意研究を重ね、特定のラジカル開始剤を
用い、特定の条件でアリルアミン類を重合させることに
より、高重合度のアリルアミン類重合体が高収率で得ら
れることを見出し、例えば、先に、モノアリルアミンの
無機酸塩を、極性溶媒中において、分子内にアゾ基とカ
チオン性の窒素原子をもつ基とを含むラジカル開始剤の
存在下で重合させるモノアリルアミン重合体の製造方法
(特開昭58−201811号公報)を出願した。
事情のもとで、末端に官能基であるメルカプト基を有
し、機能性重合体として新しい用途が期待できるアリル
アミン類重合体、およびこのものを効率よく製造する方
法を提供することを目的とするものである。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、極性溶媒中に
おいて、水溶性アゾ系触媒とチオ酸の存在下に、モノア
リルアミン類の付加塩および/またはジアリルアミン類
の付加塩または第四級アンモニウム塩を重合させたの
ち、加水分解処理することにより、末端にメルカプト基
を有するアリルアミン類重合体が効率よく得られること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
で表される構成単位およびその付加塩、並びに一般式
(II−a)および(II−b)
していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
で表される構成単位、その付加塩および第四級アンモニ
ウム塩の中から選ばれる少なくとも1種を含み、かつ末
端にメルカプト基を有することを特徴とするアリルアミ
ン類重合体を提供するものである。
アミン類重合体は、本発明に従えば、極性溶媒中におい
て、水溶性アゾ系触媒およびチオ酸の存在下に、一般式
(III)
水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
で表されるモノアリルアミン類の付加塩、および/また
は一般式(IV)
していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。)
で表されるジアリルアミン類の付加塩または第四級アン
モニウム塩を重合させたのち、加水分解処理することに
より、製造することができる。
するアリルアミン類重合体は、構成単位として、一般式
(I)
一般式(II−a)および(II−b)
アンモニウム塩の中から選ばれる少なくとも1種を含む
ものである。すなわち、前記各単位を1種のみ有する単
独重合体であってもよいし、前記各単位を2種以上含む
共重合体であってもよく、また、この共重合体はランダ
ム、ブロックのいずれであってもよい。
いて、R1およびR2は、それぞれ水素原子または炭素数
1〜10のアルキル基を示し、それらはたがいに同一で
も異なっていてもよい。該炭素数1〜10のアルキル基
としては、炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各
種ブチル基を、さらにはシクロヘキシル基を好ましく挙
げることができる。また、この一般式(I)で表される
構成単位の付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩などが挙げら
れる。
で表される構成単位において、R3は水素原子または水
酸基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を
示す。この水酸基を有していてもよい炭素数1〜10の
アルキル基としては、特に水酸基を有していてもよい炭
素数1〜4のアルキル基、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル
基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル
基、3−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
で表される構成単位の付加塩としては、例えば塩酸塩、
臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩な
どが挙げられ、第四級アンモニウム塩としては、例えば
N,N−ジメチルアリルアンモニウムクロリド、N,N
−ジエチルアリルアンモニウムクロリド、N,N−ジプ
ロピルアリルアンモニアムクロリド、N,N−ジブチル
アリルアンモニウムクロリド、N,N−メチルベンジル
アリルアンモニウムクロリド、N,N−エチルベンジル
アリルアンモニウムクロリド、およびこれらのクロリド
類に対応するブロミド類、ヨージド類、メチルサルフェ
ート類などを挙げることができる。
ミン類重合体においては、分子量は、通常500〜20
000、好ましくは1000〜10000の範囲であ
る。したがって、SH当量値は、通常0.05〜2me
q/gの範囲、好ましくは0.1〜1meq/gの範囲
となる。前記の構成単位を有し、かつ末端にメルカプト
基を有するアリルアミン類重合体は、以下に示す本発明
の方法により、効率よく製造することができる。
において、水溶性アゾ系触媒とチオ酸の存在下に、モノ
アリルアミン類の付加塩および/またはジアリルアミン
類の付加塩または第四級アンモニウム塩を重合させる。
ましい。この水系溶媒としては、例えば水、無機酸(塩
酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸)、有機酸水溶液、無機
酸塩(塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウムな
ど)水溶液等が挙げられる。
にアゾ基とカチオン性窒素をもつ基とを有するラジカル
重合開始剤が好ましく、このようなラジカル重合開始剤
としては、従来公知の化合物の中から、任意に選択して
用いることができ、中でも一般式(V) R4−N=N−R5 …(V) [式中のR4とR5の少なくとも一方がアミノヒドロカル
ビル基、アミジニルヒドロカルビル基およびシアノアミ
ノヒドロカルビル基の中から選ばれるカチオン化しうる
窒素原子を含む基で、残りはヒドロカルビル基またはシ
アノヒドロカルビル基であり、R4とR5は、これらが一
緒になって一般式(VI)
る窒素原子を含む基であり、共有結合(a)および(b)はそ
れぞれアゾ基の窒素原子と結合してアゾ基を含む環を形
成している。)で示される単一のアルキレン基を形成し
てもよい。]で表されるアゾ化合物の無機酸塩または有
機酸塩が、合成の容易さなどの点で実用に供される。
中で、アミノヒドロカルビル基としては、例えばアミノ
アルキル基、アミノアリール基、アミノアルカリール
基、アミノアラルキル基などが挙げられ、アミジニルヒ
ドロカルビル基としては、例えばアミジニルアルキル
基、アミジニルアリール基、アミジニルアルカリール
基、アミジニルアラルキル基などが挙げられ、シアノア
ミノヒドロカルビル基としては、例えばシアノアミノア
ルキル基、シアノアミノアリール基、シアノアミノアル
カリール基、シアノアミノアラルキル基などが挙げられ
る。また、ヒドロカルビル基としては、例えばアルキル
基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基などが
挙げられ、シアノヒドロカルビル基としては、例えばシ
アノアルキル基、シアノアリール基、シアノアルカリー
ル基、シアノアラルキル基などが挙げられる。
レン基としては、例えば直鎖状アルキレン基、アルキル
アルキレン基、アリールアルキレン基などが挙げられ
る。
開始剤の例としては、2,2′−ジアミジニル−2,
2′−アゾプロパン・塩酸塩、2,2′−ジアミジニル
−2,2′−アゾブタン・塩酸塩、2,2′−ジアミジ
ニル−2,2′−アゾペンタン・塩酸塩、2,2′−ビ
ス(N−フェニルアミジニル)−2,2′−アゾプロパ
ン・塩酸塩、2,2′−ビス(N−フェニルアミジニ
ル)−2,2′−アゾブタン・塩酸塩、2,2′−ビス
(N,N−ジメチルアミジニル)−2,2′−アゾプロ
パン・塩酸塩、2,2′−ビス(N,N−ジメチルアミ
ジニル)−2,2′−アゾブタン・塩酸塩、2,2′−
ビス(N,N−ジエチルアミジニル)−2,2′−アゾ
プロパン・塩酸塩、2,2′−ビス(N,N−ジエチル
アミジニル)−2,2′−アゾブタン・塩酸塩、2,
2′−ビス(N−ジn−ブチルアミジニル)−2,2′
−アゾプロパン・塩酸塩、2,2′−ビス(N−ジn−
ブチルアミジニル)−2,2′−アゾブタン・塩酸塩、
3,3′−ビス(N,N−ジn−ブチルアミジニル)−
3,3′−アゾペンタン・塩酸塩、アゾ−ビス−N,
N′−ジメチレンイソブチルアミジン・塩酸塩;2,
2′−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジエチルアミノ)
−ブチロニトリル・塩酸塩、2,2′−アゾ−ビス(2
−メチル−4−ジメチルアミノ)−ブチロニトリル・塩
酸塩、2,2′−アゾ−ビス(2−メチル−4−ジエチ
ルアミノ)−ブチロニトリル・塩酸塩、2,2′−アゾ
−ビス(2−メチル−4−ジエチルアミノ)−ブチロニ
トリルまたは2,2′−アゾ−ビス(2−メチル−4−
ジメチルアミノ)−ブチロニトリルを、ジメチル硫酸ま
たはp−トルエンスルホン酸メチルなどで四級化して得
た第4アンモニウム塩型アゾニトリル;3,5−ジアミ
ジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸
塩、3−メチル−3,4−ジアミジニル−1,2−ジア
ゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3−エチル−3,5
−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン
・塩酸塩、3,5−ジメチル−3,5−ジアミジニル−
1,2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3,6
−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1−シクロヘキセン
・塩酸塩、3−フェニル−3,5−ジアミジニル−1,
2−ジアゾ−1−シクロペンテン・塩酸塩、3,5−ジ
フェニル−3,5−ジアミジニル−1,2−ジアゾ−1
−シクロペンテン・塩酸塩などが挙げられる。
(VII)
アルキル基、R10およびR11は、それぞれ独立に、一般
式(VIII)
ン基)で示されるヒドロキシアルキルアミド基またはヒ
ドロキシアルキルエステル基を示す。]で表される化合
物も用いることができる。
示される低級アルキル基としては、炭素数1〜10の飽
和または不飽和のアルキル基が挙げられ、このアルキル
基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、ま
た、1つ以上の炭素原子がO、SまたはNによって置換
されていてもよい。例えば、R6〜R9は炭素数2〜9の
アルコキシアルキル基などであってもよい。
で、R6〜R9がいずれもメチル基であって、R10および
R11として、一般式(VIII)におけるZがエチレン基で
あるものが好ましく、特に2,2′−アゾビス[2−メ
チル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド]が好適である。
で用いてもよいし、2種以上を組みわせて用いてもよ
く、また、その使用量は、モノマーに対して1〜20モ
ル%が好ましく、3〜15モル%がさらに好ましい。
合物を指し、このようなものとしては、例えばチオ酢
酸、チオプロピオン酸、チオ酪酸、チオ吉草酸などを挙
げることができるが、これらの中で、チオ酢酸が、重合
体末端のチオ酸エステルの加水分解性が良好であること
などから、特に好適である。
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、
その使用量は、用いる水溶性アゾ系触媒に対して、0.
5〜3.0当量が好ましく、0.8〜2.5当量が特に
好適である。
して、一般式(III)
る。)で表されるモノアリルアミン類の付加塩、および
/または一般式(IV)
されるジアリルアミン類の付加塩または第四級アンモニ
ウム塩が用いられる。
アミン類の付加塩の例としては、モノアリルアミン、N
−メチルアリルアミン、N−エチルアリルアミン、N−
プロピルアリルアミン、N−シクロヘキシルアリルアミ
ン、N,N−ジメチルアリルアミン、N,N−ジエチル
アリルアミン、N,N−ジプロピルアリルアミン、N,
N−ジシクロヘキシルアリルアミン、N,N−(メチ
ル)シクロヘキシルアリルアミン、N,N−(エチル)
シクロヘキシルアリルアミンなどの塩酸塩、臭化水素酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩などが挙げら
れる。
ルアミン類の付加塩の例としては、ジアリルアミン、N
−メチルジアリルアミン、N−エチルジアリルアミン、
N−プロピルジアリルアミン、N−ブチルジアリルアミ
ン、N−2−ヒドロキシエチルジアリルアミン、N−2
−ヒドロキシプロピルジアリルアミン、N−3−ヒドロ
キシプロピルジアリルアミンなどの塩酸塩、臭化水素酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩などが挙げら
れる。また、一般式(IV)で表されるジアリルアミン類
の第四級アンモニウム塩の例としては、塩化ジアリルジ
メチルアンモニウム、臭化ジアリルジメチルアンモニウ
ム、沃化ジアリルジメチルアンモニウム、メチル硫酸ジ
アリルジメチルアンモニウム、塩化ジアリルジエチルア
ンモニウム、臭化ジアリルジエチルアンモニウム、沃化
ジアリルジエチルアンモニウム、メチル硫酸ジアリルジ
エチルアンモニウム、塩化ジアリルメチルベンジルアン
モニウム、臭化ジアリルメチルベンジルアンモニウム、
沃化ジアリルメチルベンジルアンモニウム、メチル硫酸
ジアリルメチルベンジルアンモニウム、塩化ジアリルエ
チルベンジルアンモニウム、臭化ジアリルエチルベンジ
ルアンモニウム、沃化ジアリルエチルベンジルアンモニ
ウム、メチル硫酸ジアリルエチルベンジルアンモニウム
などが挙げられる。
から1種を選び単独重合させてもよいし、2種以上を選
び共重合させてもよい。重合温度は特に制限はないが、
30〜90℃の範囲が好ましく、特に40〜80℃の範
囲が好ましい。
テル基を加水分解してメルカプト基を導入するが、本発
明においては、この加水分解処理には、塩酸などの酸
を、使用したチオ酸に対して、実質上化学量論的量添加
して、20〜60℃程度の温度で行うことが好ましい。
基を有するアリルアミン類重合体は、付加塩および/ま
たは第四級アンモニウム塩を形成しているので、公知の
方法により、付加塩および/または第四級アンモニウム
塩の形で取り出し、精製してもよいし、所望により、ア
ルカリで処理したのち、遊離の形で取り出し、精製して
もよい。さらに、このようにして精製された遊離の形の
重合体に、所望の酸を付加させ、完全付加塩または部分
付加塩にすることができる。
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
びに片末端メルカプト(SH)基の定量および分子量の
算出は、下記の方法に従って行った。
型高速液体クロマトグラフを使用し、ゲル・パーミエー
ション・クロマトグラフィー(GPC法)によって測定
した。溶離液流路ポンプは日立L−6000、検出器は
ショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器、カ
ラムはアサヒパックの水系ゲル濾過タイプのGS−22
0HQ(排除限界分子量3,000)とGS−620H
Q(排除限界分子量200万)とをダブルに接続したも
のを用いた。サンプルは溶離液で0.5g/100ml
の濃度に調整し、20μlを用いた。溶離液には、0.
4mol/lの塩化ナトリウム水溶液を使用した。カラ
ム温度は30℃で、流速は1.0ml/分で実施した。
標準サンプルとして分子量106、194、440、6
00、1470、4100、7100、10300、1
2600、23000などのポリエチレングリコールを
用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に重合体のM
wを求めた。
および分子量の算出 片末端メルカプト基の定量はヨウ素の標準液の一定過量
を試料に加えた後、残余のヨウ素をチオ硫酸ナトリウム
の標準液で逆滴定するヨウ素酸化滴定で求め、その値か
ら分子量を算出した。すなわち、精製した重合体を50
mlメスフラスコに約0.1g秤量し、蒸留水40ml
を加え、撹拌・溶解し、この重合体溶液に0.1N−ヨ
ウ素溶液を1mlメスピペットで正確に約0.9ml入
れた。そしてこの溶液に標線まで蒸留水を加え、50℃
で2時間、撹拌した。この試料に澱粉溶液数滴加え、
0.01N−チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、青色
が、ちょうど消えるところで終了した。また、SH当量
値(eq/g)から分子量を算出した。
アミン類水溶液20mmolとチオ酢酸(対モノマー1
0〜20mol%)を入れ、次いで、2,2′−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)塩酸塩(ABAP)(対モ
ノマー5〜10mol%)を加え、60℃で72時間静
置重合を行なった。重合終了後、GPC法により重合収
率及びMwを求めた。その結果を表1に示した。
%塩酸を加え、40℃で24時間かけて加水分解を行な
った。加水分解後の重合体は濃縮し、イソプロパノール
(IPA)で再沈して1G5ガラスフィルターでろ別
し、40℃で72時間以上真空乾燥を行なった。再沈で
得られた試料はヨウ素酸化滴定により末端基定量を行な
い、分子量を求めた。その結果を表1に示した。
にチオ酢酸4.57g(対モノマー5mol%)を加え
た。その溶液の内温が60℃に達したところで約50r
pmの撹拌速度下で開始剤としてABAP16.27g
(対モノマー5mol%)を一括で添加し、重合を開始
した。72時間後重合を終了し、GPC法により重合収
率及びMwを求めた。その結果、重合収率は96%でM
wは5,000であった。
の35重量%塩酸を加え、40℃で24時間かけて加水
分解を行なった。加水分解後、溶液の一部を取り出して
濃縮し、IPAで再沈して1G5ガラスフィルターでろ
別し、40℃で72時間以上真空乾燥を行なった。再沈
で得られた試料はヨウ素酸化滴定により末端基定量を行
ない、その結果、SH当量値は2.26×10-1meq
/gであり、分子量は4,400であった。
gにチオ酢酸3.23g(対モノマー5mol%)を加
えた。その溶液の内温が60℃に達したところで約50
rpmの撹拌速度下で開始剤としてABAP11.53
g(対モノマー5mol%)を一括で添加し、重合を開
始した。72時間後重合を終了し、GPC法により重合
収率及びMwを求めた。その結果、重合収率は84%で
Mwは6,000であった。実施例7と同様に加水分解
を行ない、ヨウ素酸化滴定によりSH当量値は1.73
×10-1meq/gであり、分子量は5,800であっ
た。
ド(DADMAC)水溶液808.38gにチオ酢酸
2.85g(対モノマー5mol%)を加えた。その溶
液の内温が60℃に達したところで約50rpmの撹拌
速度下で開始剤としてABAP10.17g(対モノマ
ー5mol%)を一括で添加し、重合を開始した。72
時間後重合を終了し、GPC法により重合収率及びMw
を求めた結果、重合収率は92%でMwは6,100で
あった。実施例7と同様に加水分解を行ない、滴定は困
難であったがヨウ素酸化滴定によりSH当量値は1.3
9×10-1meq/gであり、分子量は7,200であ
った。
Cl)水溶液389.82gにチオ酢酸9.51g(対
モノマー5mol%)を加えた。その溶液の内温が60
℃に達したところで約50rpmの撹拌速度下で開始剤
としてABAP33.90g(対モノマー5mol%)
を一括で添加し、重合を開始した。72時間後重合を終
了し、GPC法により重合収率及びMwを求めた結果、
重合収率は95%でMwは2,100であった。実施例
7と同様に加水分解を行ない、ヨウ素酸化滴定によりS
H当量値は4.47×10-1meq/gであり、分子量
は2,200であった。
ト基を有するアリルアミン類重合体(モノアリルアミン
類やジアリルアミン類の単独重合体または共重合体)
を、収率よく製造することができる。このアリルアミン
類重合体は、末端に官能基であるSH基を有するので、
機能性重合体として新しい用途が期待できる。
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子また
は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表される構
成単位およびその付加塩、並びに一般式(II−a)およ
び(II−b) 【化2】 (式中、R3は水素原子または水酸基を有していてもよ
い炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表される構
成単位、その付加塩および第四級アンモニウム塩の中か
ら選ばれる少なくとも1種を含み、かつ末端にメルカプ
ト基を有することを特徴とするアリルアミン類重合体。 - 【請求項2】 SH当量値が0.05〜2meq/gで
ある請求項1に記載のアリルアミン類重合体。 - 【請求項3】 極性溶媒中において、水溶性アゾ系触媒
およびチオ酸の存在下に、一般式(III) 【化3】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子また
は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表されるモ
ノアリルアミン類の付加塩、および/または一般式(I
V) 【化4】 (式中、R3は水素原子または水酸基を有していてもよ
い炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表されるジ
アリルアミン類の付加塩または第四級アンモニウム塩を
重合させたのち、加水分解処理することを特徴とする、
請求項1または2に記載のアリルアミン類重合体の製造
方法。 - 【請求項4】 チオ酸がチオ酢酸である請求項3に記載
の方法。 - 【請求項5】 極性溶媒が水系溶媒である請求項3また
は4に記載の方法。
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---|---|---|---|
JP2000233236A JP4631137B2 (ja) | 2000-08-01 | 2000-08-01 | 末端にメルカプト基を有するアリルアミン類重合体およびその製造方法 |
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