JP2002046072A - 砥石工具及びその製造方法 - Google Patents

砥石工具及びその製造方法

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JP2002046072A
JP2002046072A JP2000234714A JP2000234714A JP2002046072A JP 2002046072 A JP2002046072 A JP 2002046072A JP 2000234714 A JP2000234714 A JP 2000234714A JP 2000234714 A JP2000234714 A JP 2000234714A JP 2002046072 A JP2002046072 A JP 2002046072A
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self
fluxing alloy
grinding wheel
manufacturing
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JP2000234714A
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Inventor
Yuji Kimoto
裕司 木本
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Goei Seisakusyo Co Ltd
Original Assignee
Goei Seisakusyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイヤ突出量の調整あるいはダイヤ粒子を均
一に配置することで、ダイヤ粒子の切れ味が良く、ダイ
ヤ粒子の保持性が良く、砥石工具の性能ムラを解消する
と共に、被研削材の種類を問わず冷却水を必要としない
乾式研削が可能な砥石工具及び生産性の良い製造方法の
提供することを課題とする。 【解決手段】 砥石用鋼基材に研磨用の砥石刃先を備え
た砥石工具の製造方法において、前記砥石用鋼基材の砥
石刃先取付部に化学的又は物理的に表面処理を施し、前
記砥石刃先取付部に有機糊剤と自溶合金粉末及びダイヤ
粒子を混合した混合物を塗布し、前記ダイヤ粒子の突出
量を突出量調整手段により調整した後乾燥させ、次いで
非酸化性雰囲気中で950〜1150℃の温度に加熱
し、前記自溶合金の融着により前記砥石用鋼基材に前記
ダイヤ粒子を固着させ、徐冷する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート、鉄
筋コンクリート、コンクリート二次製品、煉瓦、石材、
結晶化ガラス、建材ブロック、磁器タイル、瓦などの建
設・土木関連製品の他、硬質カーボン、FRP、鋼管、
鋼板、溶接部材等の種々のワークの研磨、研削を行うダ
イヤモンド(以下ダイヤと称する)粒子や超硬粉末など
の砥粒を備える砥石工具に係り、特に製造工程が簡易で
砥石刃先が強固に鋼基材に結合することができる砥石工
具及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、砥石工具におけるダイヤ粒子やC
BN(立方晶窒化ホウ素)粒子などを利用した砥石工具
の一般的な成形方法としては、電着結合法、金属焼結
法、及び融着法がある。前記電着結合法は、例えば、鋼
基材をメッキ材とし、非メッキ部分にメッキ用レジスト
等でマスキングした後、脱脂、水洗、中和などの前処理
を施し、次いで所定量のダイヤ粒子を分散させたニッケ
ルメッキ液中に浸潰し、電気メッキを行い、共析するダ
イヤ粒子を電着ニッケルで固定する方法である。
【0003】また、金属焼結法は、例えば、ダイヤ粒子
とコバルト粉末あるいはコバルトと銅と錫の混合粉末等
を混合し、窒素雰囲気中で900〜1000℃の温度に
保持しながら24.5MPaの圧力で加圧するいわゆる
ホットプレス法で、前記金属粉末を圧縮焼結させてダイ
ヤ粒子を固定した焼結チップを作り、この焼結チップを
蝋付け又はレーザー溶接等により鋼基材に取り付ける方
法である。
【0004】さらに、融着法は、砥石工具の一つである
ダイヤ工具を製造する場合、ブラスト処理した鋼基材に
有機糊剤を塗布し、その有機糊剤上に自溶合金の粉末を
散布し、ダイヤ粒子を散布した後、前記有機糊剤を乾燥
させ、次いで非酸化性雰囲気中において950〜115
0℃の温度で加熱し、前記自溶合金の融着により前記鋼
基材にダイヤ粒子を固定し、徐々に冷却する製造方法で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電着結
合法と金属焼結法における問題点は、ダイヤ粒子の保持
力が弱く、冷却水を使用する湿式研削を必要とし工具寿
命も短いことである。また、融着法の問題点は、自溶合
金の粉末を使用することによって鋼基材にダイヤ粒子を
強固に固着できるが、ダイヤ粒子を単に散布する構成で
あるためダイヤ粒子の配置および突出量がランダムとな
り、切れ味、耐久性が安定せずいわゆる性能ムラがあっ
た。また、製造法が未確定で生産性に課題があった。
【0006】本発明は、前記問題点に鑑み創案されたも
ので、ダイヤ突出量の調整あるいはダイヤ粒子を均一に
配置することで、ダイヤ粒子の切れ味が良く、ダイヤ粒
子の保持性が良く、砥石工具の性能ムラを解消すると共
に、被研削材の種類を問わず冷却水を必要としない乾式
研削が可能な砥石工具及び生産性の良い製造方法の提供
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、次のように構成した。請求項1に記載の
発明では、砥石用鋼基材に研磨用の砥石刃先を備えた砥
石工具の製造方法において、前記砥石用鋼基材の砥石刃
先取付部に化学的又は物理的に表面処理を施し、前記砥
石刃先取付部に有機糊剤と自溶合金粉末及びダイヤ粒子
を混合した混合物を塗布し、前記ダイヤ粒子の突出量を
突出量調整手段により調整した後乾燥させ、次いで非酸
化性雰囲気中で950〜1150℃の温度に加熱し、前
記自溶合金の融着により前記砥石用鋼基材に前記ダイヤ
粒子を固着させ、徐冷する構成とした。
【0008】このように構成することにより、有機糊剤
と自溶合金とダイヤ粒子の混合物として、そのダイヤ粒
子を固着できるので、従来の電着結合法の様なマスキン
グの必要がなく、また、砥石用鋼基材を対象に直接ダイ
ヤ粒子の突出量を調整した状態で配置できるので焼結チ
ップのような溶接工程を必要としない。さらに、有機糊
剤と自溶合金とダイヤ粒子の3者混合の塗布により、ダ
イヤ粒子の固着ができる。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、砥石用
鋼基材に研磨用の砥石刃先を備えた砥石工具の製造方法
において、前記砥石用鋼基材の砥石刃先取付部に化学的
又は物理的に表面処理を施し、前記砥石刃先取付部に有
機糊剤と自溶合金粉末を混合した混合物を塗布し、さら
に、ダイヤ粒子を均一配置調整手段により配置し、前記
ダイヤ粒子の突出量を突出量調整手段により調整した後
乾燥させ、非酸化性雰囲気中で950〜1150℃の温
度に加熱し、前記自溶合金の融着により前記砥石用鋼基
材に前記ダイヤ粒子を固着させ、徐冷する構成とした。
【0010】このように構成することにより、ダイヤ粒
子が均一に配置され、且つダイヤ粒子の突出量の調整が
施されて、ダイヤ粒子の切れ味を確保し、ダイヤ粒子の
保持性が良く、ダイヤ粒子の耐久性が発揮される。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明では、砥石
用鋼基材に研磨用の砥石刃先を備えた砥石工具の製造方
法において、前記砥石用鋼基材の砥石刃先取付部に化学
的又は物理的に表面処理を施し、前記砥石刃先取付部に
有機糊剤を塗布し、ダイヤ粒子を均一配置調整手段によ
り配置し、更に自溶合金粉末を散布して、前記ダイヤ粒
子の突出量を調整した後乾燥し、非酸化性雰囲気中で9
50〜1150℃の温度に加熱し、前記自溶合金の融着
により前記砥石用鋼基材に前記ダイヤ粒子を固着させ、
徐冷する構成とした。
【0012】このように構成することにより、ダイヤ粒
子が有機糊剤に安定して保持された状態で自溶合金粉末
が散布されるため、有機糊剤が自溶合金粉末に必要以上
に吸収されることはない。そして、ダイヤ粒子の均一配
置調整が行われ、且つダイヤ粒子の突出量が自溶合金粉
末の散布により調整されるため、ダイヤ粒子の突出量が
安定する。
【0013】また、請求項4に記載の発明では、砥石用
鋼基材に研磨用の砥石刃先を備えた砥石工具の製造方法
において、前記砥石用鋼基材の砥石刃先取付部に化学的
又は物理的に表面処理を施し、前記砥石刃先取付部に有
機糊剤と自溶合金粉末を混合した混合物を塗布し、乾燥
後、非酸化性雰囲気中で950〜1150℃に加熱し、
炉中で徐冷し、再度、有機糊剤と自溶合金粉末を混合し
た混合物を塗布し、ダイヤ粒子を均一配置調整手段によ
り配置し、前記ダイヤ粒子の突出量を突出量調整手段に
より調整し、乾燥後、再度非酸化性雰囲気中で950〜
1150℃の温度に加熱し、前記自溶合金の融着により
前記砥石用鋼基材に前記ダイヤ粒子を固着させ、徐冷す
る構成とした。
【0014】このように構成することにより、自溶合金
粉末が一度溶融して組織的に安定した状態となったもの
に、ダイヤ粒子が支持されることになり、ダイヤ粒子を
安定して強固に保持することができる。また、ダイヤ粒
子の均一配置および突出量の調整作業の安定度が向上す
る。
【0015】さらに、請求項5に記載の発明では、砥石
用鋼基材に研磨用の砥石刃先を備えた砥石工具の製造方
法において、前記砥石用鋼基材の砥石刃先取付部に化学
的又は物理的に表面処理を施し、前記砥石刃先取付部に
有機糊剤を塗布し、自溶合金粉末を散布し、乾燥後、非
酸化性雰囲気中で950〜1150℃に加熱し、炉中で
徐冷し、再度、有機糊剤を塗布し、ダイヤ粒子の均一配
置調整手段を介して配置し、自溶合金粉末を散布するこ
とにより、前記ダイヤ粒子の突出量を調整し、乾燥後、
再度非酸化性雰囲気中で950〜1150℃の温度に加
熱し、前記自溶合金の融着により前記砥石用鋼基材に前
記ダイヤ粒子を固着させ、徐冷する構成とした。
【0016】このように構成することにより、有機糊剤
を塗布した後、自溶合金粉末が散布されることから、エ
ッジ部分などの大きな角度がある部分に対しても自溶合
金を均一に施すことができる。また、一度溶融して安定
し自溶合金に対してダイヤ粒子の均一配置および突出量
の調整を行うことができる。
【0017】請求項6に記載の発明では、前記自溶合金
は、ニッケル基自溶合金又はコバルト基自溶合金である
ことが都合良く、強固な固着を得ることができる。
【0018】また、請求項7に記載の発明では、前記非
酸化性雰囲気は、1.3×10-1〜1.3×10-3Pa
の真空、あるいは、アルゴンガス雰囲気又は水素ガス雰
囲気で行う構成としても良い。
【0019】さらに、請求項8に記載の発明では、砥石
工具は、前記砥石用鋼基材の中央に取付穴を有する円盤
体に形成し、前記砥石刃取付部には、前記取付穴から外
周に向かって形成される帯状パターンを円周方向に複数
備え、前記円盤体は貫通穴を複数形成し、前記した製造
方法の一つにより製造される構成とした。
【0020】このように構成することで、ダイヤ粒子の
均一配置と突出量の調整の効果に加えて、ダイヤ粒子の
帯状パターンにより目づまりが解消され、また発生熱を
多数の貫通穴の配置により冷却効果が倍加され、冷却水
を使用しない乾式研削加工が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面を参考にして実施例を説明する。図1(a)、
(b)、図2(a)、(b)、図3は、砥石工具の製造
工程を示すブロック図である。また、図4(a)(b)
は砥石工具の平面図および断面図である。図5(a)、
(b)はダイヤ粒子の配置パターンを変えた砥石工具の
平面図である。
【0022】図1乃至図3に示すように、砥石工具を製
造する場合、大きく分けると次の工程により行われる。
砥石用鋼基材の表面を表面処理する工程と、有機糊剤ま
たは有機糊剤と自溶合金粉末を塗布あるいは散布する工
程と、ダイヤ粒子を均一に散布する工程と、ダイヤ粒子
の突出量を調整する工程と、乾燥させる工程と、加熱す
る工程と、冷却する工程とから構成する。これらの工程
をさらに詳述する。
【0023】砥石工具に用いられる砥石用鋼基材(以下
鋼基材と称する)は、合金工具鋼(SKS材)の板厚
1.6mmのものを使用するが、この他に一般構造用圧
延鋼材(SS材)、機械構造用炭素鋼(SC材)、特殊
鋼(SCM材)、炭素工具鋼(SK材)、ステンレス鋼
(SUS材)などによる鋼基材およびタングステンを主
成分とした超硬合金基材を用途に応じて選択し使用して
も良い。鋼基材は、一例として、プレス加工、穴開け加
工等により直径100mmの平面研削用カップホイール
形状に製作する。
【0024】表面処理する工程は、前記鋼基材の表面を
脱脂、洗浄を行い、化学的に化学薬品によって後述する
有機糊剤が付着しやすいような凹凸をつくる表面処理を
しても良いし、また、物理的な表面処理として前記鋼基
材に粒度24のアルミナ砥粒を0.59MPaの圧力で
5分間吹きつけるブラスト処理を施しても良い。勿論化
学的処理と物理的処理を併せて行っても良い。
【0025】有機糊剤を塗布する工程は、有機糊剤を鋼
基材のダイヤ粒子取付部分に単体で塗布する場合や、ま
た、有機糊剤と自溶合金粉末を混合して混合物として塗
布する場合や、あるいは、有機糊剤と自溶合金粉末とダ
イヤ粒子とを混合して混合物として塗布しても良い。そ
して、有機糊剤を単体で用いる場合は、ダイヤ粒子ある
いは自溶合金粉末を散布する前に鋼基材に塗布する。こ
の時、有機糊剤は、均一な厚さに塗布されることが望ま
しく、均一な厚みとなることで後記する自溶合金粉末を
均一な状態にその有機糊剤に付着させることができる。
また、有機糊剤が混合物として用いられる場合は、表面
処理された後に鋼基材に塗布される。
【0026】ここで用いられる有機糊剤としては、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ヒドロキシエチルメチルセルロース等で、特にセルロー
スエーテルを用いると、その希釈濃度に応じて高粘度高
弾性を示し、作業性が良好であると共にダイヤ粒子の保
持性が良好である。
【0027】自溶合金粉末を散布または塗布する工程
は、有機糊剤を鋼基材のダイヤ粒子取付部分に塗布した
後に単体で自溶合金粉末を散布する場合や、また、自溶
合金粉末と有機糊剤を混合して混合物として塗布する場
合や、あるいは、自溶合金粉末と有機糊剤とダイヤ粒子
とを混合して混合物として塗布しても良い。
【0028】そして、自溶合金粉末を単体で用いる場合
は、有機糊剤が塗布された後、または有機糊剤が塗布さ
れダイヤ粒子が散布された後に鋼基材に散布する。ま
た、自溶合金粉末が混合物として用いられる場合は、表
面処理された後に鋼基材に塗布される。自溶合金粉末を
散布する際には、散布する位置を囲うように散布用枠体
を用いている。
【0029】尚、自溶合金粉末は、有機糊剤が塗布され
た後に散布される場合、鋼基材のエッジ部分など角度の
ついた箇所があっても、均一に散布することができる。
また、ダイヤ粒子を散布した後に自溶合金粉末を散布す
る場合は、自溶合金粉末が有機糊剤の余分な吸収を行う
ことを、最小限に抑えることができる。
【0030】ここで用いられる自溶合金粉末としては、
ニッケル基自溶合金でも良くその質量%は、クロム16
%、珪素4%、硼素4%、鉄4%、銅2.4%、モリブ
デン2.4%、タングステン2.4%、及び炭素0.5
%を含み、残りがニッケルである。ニッケル基自溶合金
の予め合金化した市販のアトマイズ粉と混合しデスペン
サなどの射出機を使用して塗布しても良い。
【0031】前記自溶合金粉末は、ニッケル基自溶合金
の他に、コバルト基に珪素とほう素を添加したものでも
良い。例えば、前記コバルト基自溶合金の質量%は、ク
ロム10〜20%、珪素2〜5%、ほう素2〜5%、鉄
5%以下、銅2〜4%、モリブデン2〜4%、タングス
テン2〜4%、炭素0.3〜1%及びニッケルを10〜
20%含み残りがコバルトからなるコバルト基自溶合金
で、この範囲で使用すると都合が良い。
【0032】その理由として、前記自溶合金におけるク
ロムは、ニッケルまたはコバルトとの組み合わせによっ
て硬さおよび耐磨耗性を向上させるが、使用した自溶合
金では、特に、化学反応性を高め、濡れ性を改善するの
に有意義である。クロムは5%未満ではこれらの効果が
余り期待できず、29%を越えてもこれらの効果は望め
ない。珪素とほう素は、加熱により生成するその酸化物
がフラックス作用をし、融合金属の融点を下げ、流動性
を増し、ダイヤ粒子への濡れ性や融着性を向上させるも
のであるが、それぞれ2%以下では効果が少なく、5%
以上でもその効果は望めない。
【0033】前記自溶合金における銅は、溶融合金の融
点を下げ、ダイヤ粒子の濡れ性を改善するのに効果があ
り、モリブデンは、融着加熱に際し、骨材として分散し
液相化した自溶合金の過剰流動を防止し砥粒の移動を防
止する。また、自溶合金におけるモリブデンは、砥石工
具として使用した際、潤滑作用を示し、活性フィラーと
して効果を示す。この銅とモリブデンは、それぞれ2%
未満ではその効果が期待できず、5%以上になっても添
加した程には効果の向上は望めない。
【0034】また、自溶合金におけるタングステンは、
前記の成分範囲内において有効な耐磨耗性の向上を示
し、鉄と炭素は、不純物として入ることが多いが、この
炭素はクロムと化合物をつくり、合金中に細かく分散し
て強度を改善する作用をも有する。コバルトはまた、前
記の成分範囲内において合金の耐磨耗性の外、特に耐熱
性を改善する効果を有し、比較的高い発熱を伴う難研削
材には有利である。
【0035】次に、ダイヤ粒子を均一に散布する工程
は、前記した混合物として用いる以外は、均一配置調整
手段を介して均一に散布する。ここで使用されるダイヤ
粒子は、表面に被覆膜のない裸状態のダイヤモンドであ
る。そして、ダイヤ粒子はフィルターを通した粒度40
〜50の大きさのものを使用しているが、砥石工具の形
態に対応してそれ以外の粒度のものを使用しても構わな
い。
【0036】ダイヤ粒子の散布方法は、まず最初に、均
一な配置となるように、ダイヤ粒径より若干大きい穴
で、均一な間隔で開けた薄板(ダイヤ設置板)を用意す
る。前記ダイヤ設置板の製作に当たっては、エッチング
方法、レーザー加工、ドリルによる加工方法等により行
うと良い。ダイヤ粒子の配列調整手段は、このダイヤ設
置板の穴を通すことにより可能となる。
【0037】ダイヤ粒子の配置規則については、特に規
定はないが、正方形のコ−ナ−部に位置するような格子
状配置にしても良いし、正三角形のコ−ナ−に位置する
ように配置しても良い。
【0038】ダイヤ粒子の散布のタイミングとしては、
有機糊剤塗布後にダイヤ粒子を散布しても良いし、有機
糊剤と自溶合金粉末の混合物を塗布した後にダイヤ粒子
を散布する方法でも良い。また、ダイヤ粒子と有機糊剤
と自溶合金粉末の混合物を塗布しても良い。
【0039】続いて、ダイヤ粒子の突出量を調整する工
程について説明する。ダイヤ粒子の突出量の調整は、治
具によりダイヤ粒子の先端を加圧して行う。前記治具
は、鋼基材のダイヤ粒子支持面に沿った板状のものを用
い、材質は特に限定されるものではないが、金属素材を
用いると都合が良い。尚、ここでは鉄にニッケルの被覆
を行った治具を用いた。この時、自溶合金の塗布厚みが
重要である。すなわち、最終的には、自溶合金がダイヤ
粒子を保持するためダイヤ粒子の突出量はその自溶合金
の塗布厚により決定されるからである。
【0040】前記治具を使用する場合は、ダイヤ粒子散
布配置後、前記鋼基材に治具でダイヤ粒子先端を押さ
え、そのダイヤ粒子を自溶合金に保持させるようにす
る。なお、有機糊剤と自溶合金との混合物の塗布厚み調
整は、有機糊剤と自溶合金との混合物を塗布する時に用
いる塗布用枠体の板厚を変えることで可能である。した
がって、前記治具を用いない場合は、有機糊剤の厚みと
自溶合金粉末の散布量により調整することで、ダイヤ粒
子の突出量の調整が行われる。
【0041】前記ダイヤ粒子の突出量は、ダイヤ粒子の
保持力や耐久力及び切れ味に大きく影響する。ダイヤ粒
子の突出量と保持力の関係を表1に示す。表1よりダイ
ヤ粒子の突出量が大きい程保持力が弱く、突出量が少な
い程保持力は強い傾向にあることが判る。また、突出量
はダイヤ粒径の30〜60%程度がよい。突出量がダイ
ヤ粒径の80%以上ではダイヤ粒径の保持力が弱く使用
に耐えない。同様に20%以下では、保持力は強いが切
れ味が低下するため適当でない。
【0042】
【表1】
【0043】次に、乾燥させる工程は、80℃で10分
間保持して有機糊剤の乾燥を行う。尚、乾燥させる工程
は、有機糊剤が適切に乾燥できる手段であれば、特に限
定されるものではない。
【0044】続いての加熱させる工程は、2時間で87
0℃まで加熱し、前記有機糊剤を十分揮発除去させ、次
いで、この870℃の状態で1時間保持し、自溶合金の
組成安定をはかり、更にその後、15分間で1100℃
まで上昇させ15分間保持する構成とした。
【0045】その理由は、加熱温度が900℃未満で
は、自溶合金粉末とダイヤ粒子との融着が不十分で粒子
の保持性が悪く、また1150℃を越えると、液晶化し
た自溶合金の過剰流動により粒子の保持状態が悪くな
り、さらに、鋼基材が鉄分を含む場合、その鉄とダイヤ
粒子の炭素が反応し、脆弱なセメンタイトを生じ易くな
るので、砥石工具として使用できなくなる恐れがあるた
めである。
【0046】なお、自溶合金などの結合材の融着加熱に
際しては、酸素は有害で、僅かな酸素の存在によっても
砥粒の表面を酸化させる。ダイヤ粒子の場合、さらに黒
鉛化が促進され、融着が阻害される。これを防止するに
は、アルゴンガスや水素ガスを導入して非酸化性雰囲気
とすることが有効である。
【0047】この場合、特に、置換導入にあたり、真空
吸引工程を介在させ、酸素の残存を極力さけることによ
り、融着加熱後の効果は、さらに良好なものとなる。ま
た、非酸化性雰囲気として真空雰囲気を採用する場合
は、加熱処理炉内の真空度を1.3×10-2〜 6.5
×10-3Paの高真空度が好ましく、この範囲以下に真
空度が低下すると、砥粒の酸化防止が不十分となる。ま
た、この範囲以上の高真空度にしても効果はあまり変わ
らない。
【0048】最終の冷却工程は、加熱処理炉内の真空雰
囲気中で常温まで炉冷を行い、ダイヤ粒子を単一層に保
持したダイヤ砥石の平面研削用カップホイールを得る。
すなわち自溶合金は、鋼基材に融着し、また、盛り上が
る形にダイヤ粒子を濡らし、ダイヤ粒子と化学的に融着
し固着した砥石工具を得る。
【0049】しかし、その冷却過程で急速に冷却した砥
石工具は、鋼基材に歪みを発生し、製品として使用する
際に振れがでることがあるので、加熱温度から徐々に冷
却し、できれば、加熱処理炉の真空など非酸化性雰囲気
内でそのまま加熱温度から徐々に冷却する炉内冷却(徐
冷)を行うと良い。
【0050】つぎに、図1(a)に示すように、砥石工
具の製造方法として具体的手順に基づいて説明する。図
1(a)に示すように、砥石工具の製造工程は、前記鋼
基材の表面を表面加工処理(ステップa1)し、有機糊
剤と自溶合金粉末とダイヤ粒子の混合物を塗布(ステッ
プa2)し、ダイヤ粒子の突出量を調整(ステップa
3)した後、乾燥(ステップa4)させ、加熱(ステッ
プa5)し、冷却(ステップa6)することで砥石工具
を製造する。
【0051】また、図1(b)に示すような工程であっ
ても良い。図1(b)に示すように、前記鋼基材の表面
を表面加工処理(ステップb1)し、有機糊剤と自溶合
金粉末の混合物を塗布(ステップb2)し、ダイヤ粒子
を均一配置散布(ステップb3)し、ダイヤ粒子の突出
量を調整(ステップb4)し、乾燥(ステップb5)さ
せ、加熱(ステップb6)し、冷却(ステップb7)す
ることで砥石工具を製造する。
【0052】さらに、図2(a)に示すような工程であ
っても良い。前記鋼基材の表面を表面加工処理(ステッ
プc1)し、有機糊剤を塗布(ステップc2)し、ダイ
ヤ粒子を均一配置散布(ステップc3)し、自溶合金粉
末を散布(ステップc4)した後、ダイヤ粒子の突出量
を調整(ステップc5)し、乾燥(ステップc6)さ
せ、加熱(ステップc7)し、冷却(ステップc8)す
ることで砥石工具を製造する。
【0053】そして、図2(b)に示すような工程でも
良い。前記鋼基材の表面を表面加工処理(ステップd
1)し、有機糊剤と自溶合金粉末の混合物を塗布(ステ
ップd2)した後、乾燥(ステップd3)させ、加熱
(ステップd4)し、冷却(ステップd5)する。ま
た、有機糊剤と自溶合金粉末の混合物を塗布(ステップ
d6)し、ダイヤ粒子を均一配置散布(ステップd7)
し、ダイヤ粒子の突出量を調整(ステップd8)し、乾
燥(ステップd9)させ、加熱(ステップd10)し、
冷却(ステップd11)することで砥石工具を製造す
る。
【0054】さらに、図3に示すような工程にしても良
い。前記鋼基材の表面を表面加工処理(ステップe1)
し、有機糊剤を塗布(ステップe2)し,自溶合金粉末
を散布(ステップe3)した後、乾燥(ステップe4)
させ、加熱(ステップe5)し、冷却(ステップe6)
する。また、有機糊剤を塗布(ステップe7)し、ダイ
ヤ粒子を均一配置散布(ステップe8)し、自溶合金粉
末を散布(ステップe9)し、ダイヤ粒子の突出量を調
整(ステップe10)して、乾燥(ステップe11)さ
せ、加熱(ステップe12)し、冷却(ステップe1
3)することで砥石工具を製造する。
【0055】
【実施例】続いて、本発明の実施例を図1(b)を参照
して説明する。尚、本発明の製造方法はここに記載した
実施例に限定されるものではない。
【0056】ここで、鋼基材は、合金工具鋼板の板厚
1.6mmのものを材料とし、プレス加工、穴開け加工
等により直径100mmの平面研削用カップホイール形
状に製作する。
【0057】表面加工処理(ステップb1)では、前記
鋼基材の表面の脱脂、洗浄を行い、前記鋼基材に粒度2
4のアルミナ砥粒を0.59MPaの圧力で5分間吹き
つけるブラスト処理を施す。
【0058】有機糊剤、自溶合金の混合物塗布(ステッ
プb2)は、前記鋼基材の砥石刃取付部に水溶性メチル
セルロースを3.3倍の水で希釈した有機糊剤と質量%
でクロム16%、珪素4%、硼素4%、鉄4%、銅2.
4%、モリブデン2.4%、タングステン2.4%、及
び炭素0.5%を含み残りがニッケルからなるニッケル
基自溶合金の予め合金化したアトマイズ粉を混合した混
合物にして塗布する。
【0059】この時、有機糊剤と自溶合金の混合物塗布
の方法は、前記鋼基材形状に合致させたダイヤ粒子の配
置パターンに沿って穴を開けた治具を使い、有機糊剤と
自溶合金の混合物をその治具上に塗布しヘラで摺り切
り、配置パターンに沿って穴を開けた部位に有機糊剤と
自溶合金の混合物を充填する。
【0060】ダイヤ粒子散布の均一配置散布(ステップ
b3)では、フィルターを通した粒度40〜50のダイ
ヤ粒子200mgを用いる。ダイヤ粒子の散布方法は、
前記治具上に、任意複数(ダイヤ粒子設置個数分)箇所
にダイヤ粒径より若干大きい穴を開けたダイヤ粒子のダ
イヤ設置板を配置し、混合物上にダイヤを振動落下させ
ることで均一配置する。
【0061】つぎに、ダイヤ突出調整(ステップb4)
では、治具を使い、ダイヤ粒子の先端を加圧することに
より、ダイヤ突出量の調整を行う。
【0062】乾燥(ステップb5)では、80℃で10
分間保持して有機糊剤の乾燥を行う。
【0063】加熱(ステップb6)では、加熱処理炉内
の真空度を4×10-2Paとし、2時間で870℃まで
加熱し、前記有機糊剤を十分揮発除去する。次いでこの
870℃で1時間保持し、自溶合金の組成安定をはか
り、更に15分間で1100℃まで上昇させ15分間保
持する。
【0064】冷却(ステップb7)では、その後加熱処
理炉内の真空雰囲気中で常温まで炉冷を行いダイヤ粒子
を単一層に保持したダイヤ砥石の平面研削用カップホイ
ールを得る。すなわち自溶合金は鋼基材に融着し、ま
た、盛り上がる形にダイヤ粒子を濡らし、ダイヤ粒子と
化学的に接合し融着した砥石工具(例えば図4、図5)
を得る。
【0065】図4(a)、(b)に示すように、製造さ
れた砥石工具10は、鋼機材1の取付穴5から、放射状
に直線的な長さの異なる帯状パターン2にダイヤ粒子4
を均等に、且つ突出量を調整した状態で設置している。
そして鋼基材1の帯状パターン2が設置されない部分
で、最長の帯状パターン2に沿って貫通穴3を複数備え
る構成となる。また、ダイヤ粒子の配置パターンは、図
5(a)、(b)に示すような構成にしても良い。
【0066】すなわち、図5(a)では、砥石工具10
Aは取付穴5aの中心から外周に向かう径方向に沿って
直線的に、且つ円周方向に一定間隔で帯状パターン2a
が形成され、この帯状パターン2aの間に貫通穴3aが
形成されている。そして、ダイヤ粒子4aは、帯状パタ
ーン2aに均一に、且つ突出量が調整された状態で支持
されている。
【0067】さらに、図5(b)に示すように、砥石工
具10Bは、鋼基材1bの取付穴5bから曲線渦状に長
さの異なる帯状パターン2bが形成され、この帯状パタ
ーン2bの位置にダイヤ粒子4bが配置され、また、短
い帯状パターン2bの延長線上には貫通穴3bが複数形
成されている。そして、ダイヤ粒子4bは均一に、且つ
突出量が調整された状態で支持されている。
【0068】図4および図5に示す各砥石工具10、1
0A、10Bのダイヤ粒子4、4a、4bは、均一な間
隔で一層となるように配置されており、且つ突出量も一
定となるように調整されていることにより、切れ味が確
保され、また耐久性が良い。
【0069】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ダイヤ粒子
の均一配置とダイヤ突出量の調整等によりダイヤ粒子の
保持性が良く、ダイヤ粒子の切れ味が良くなったことに
より、砥石工具の性能ムラを解消できる砥石工具を得る
ことができた。また、被研削材の種類を問わず冷却水を
必要としない乾式研削が可能な砥石工具を提供できる。
また、前記砥石工具の製造方法が確定したため、生産性
が向上した。
【0070】(1)砥石工具の製造方法は、有機糊剤と
自溶合金とダイヤ粒子の混合により有機糊剤で固定でき
るので、工数を削減して砥石工具を得ることができる。
また鋼基材を対象に直接ダイヤ粒子の突出量を調整した
状態で配置できるので溶接工程を必要とせず、製造工程
が短く且つ簡単に砥石工具を製造することができる。
【0071】(2)砥石工具の製造方法は、ダイヤ粒子
が均一に配置され、且つダイヤ突出量の調整ができるた
め、ダイヤ粒子の切れ味が確保され、ダイヤ粒子の保持
性が良く、砥石工具の性能ムラを解消できる。
【0072】(3)砥石工具の製造方法は、ダイヤ粒子
が有機糊剤に安定して保持された状態で自溶合金粉末が
散布されるため、有機糊剤が必要以上に吸収されること
はなく、ダイヤ粒子の均一配置調整が行われ、且つダイ
ヤ粒子の突出量が調整されるため、ダイヤ粒子の突出量
が安定する。
【0073】(4)砥石工具の製造方法において、ダイ
ヤ粒子は、自溶合金粉末が一度溶融して組織的に安定し
た状態となったものに支持されることになり、ダイヤ粒
子を安定して強固に保持することができるため、砥石工
具の寿命が長い。また、ダイヤ粒子の均一配置および突
出量の調整作業の安定度が向上することから、ダイヤ粒
子の均一配置と均一な突出量の砥石工具は、ダイヤ粒子
の切れ味が良いので、被研削材のいかんに係わらず冷却
水を使用しない乾式研削加工ができる。
【0074】(5)砥石工具の製造方法は、自溶合金粉
末が有機糊剤に散布されることから、エッジ部分などの
大きな角度がある部分に対しても自溶合金を均一に設け
ることができ、一度溶融して安定した自溶合金にダイヤ
粒子の均一配置および突出量の調整ができる為、性能ム
ラのない砥石工具の製造をすることができる。
【0075】(6)砥石工具の製造方法は、自溶合金に
ニッケル基自溶合金又はコバルト基自溶合金を用いるこ
とで、被研削物との接触および研磨屑によって磨耗が少
なく、耐久性に優れた砥石工具を得ることできる。ま
た、有機糊剤を介してのニッケル基あるいはコバルト基
自溶合金は、鋼基材とダイヤ粒子との濡れ性がよく融着
し固着するので、鋼基材のダイヤ粒子保持力が強く砥石
工具の耐久性が向上する。さらに、ニッケル基あるいは
コバルト基自溶合金は、ダイヤ粒子の保持力が強い為、
比較的少ない自溶合金でもダイヤ粒子の突出量を大きく
できる。
【0076】(7)砥石工具の製造方法は、炉中の雰囲
気が1.3×10-1〜1.3×10 -3Paの真空、ある
いはアルゴンガス雰囲気又は水素ガス雰囲気で行うこと
により、ダイヤ粒子と自溶合金との融着に都合が良い。
【0077】(8)砥石工具の製造方法は、ダイヤ粒子
の帯状パターンにより目づまりが解消され、また多数の
貫通穴の配置により冷却効果が倍加され、冷却水を使用
しない乾式研削加工が可能となる。
【0078】(9)本発明の砥石工具の研削能力は、コ
ンクリートや石材にて検証すると、電着法の工具に比べ
て1.5倍、金属結合法の工具に比べ2倍の研削能力を
示した。さらに、図2(a)の実施形態で製作した砥石
工具では電着法の工具に比べて1.6倍、金属結合法の
工具に比べ2.2倍の研削能力を示した。
【0079】(10)砥石工具の製造方法は、工程が簡
単であるから砥石工具の生産性が良く、多量生産が可能
で、安価に製品を供給できる。また、ダイヤ粒子の保持
力が良く、切れ味が良いので被研削物の種類を選ばず乾
式研削が可能となり砥石工具の用途が広範囲に広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の砥石工具の製造工程を示し、(a)は
第1形態、(b)は第2形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の砥石工具の製造工程を示し、(a)は
第3形態、(b)は第4形態を示すブロック図である。
【図3】本発明の砥石工具の製造工程を示し、第5形態
を示すブロック図である。
【図4】本発明の砥石工具の一実施形態で、(a)は平
面図、(b)は断面図である。
【図5】(a)、(b)は、本発明の砥石工具の、他の
ダイヤ粒子配置パターンを示す平面図である。
【符号の説明】
1、1a、1b 鋼基材 2、2a、2b 帯状パターン 3、3a、3b 貫通穴 4、4a、4b ダイヤ粒子 5、5a、5b 取付穴 10、10A、10B 砥石工具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 3/20 B24D 3/20 7/00 7/00 P

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石用鋼基材に研磨用の砥石刃先を備え
    た砥石工具の製造方法において、 前記砥石用鋼基材の砥石刃先取付部に化学的又は物理的
    に表面処理を施し、前記砥石刃先取付部に、有機糊剤と
    自溶合金粉末及びダイヤモンド粒子を混合した混合物を
    塗布し、前記ダイヤモンド粒子の突出量を突出量調整手
    段により調整した後乾燥させ、次いで非酸化性雰囲気中
    で950〜1150℃の温度に加熱し、前記自溶合金の
    融着により前記砥石用鋼基材に前記ダイヤモンド粒子を
    固着させ、徐冷することを特徴とする砥石工具の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 砥石用鋼基材に研磨用の砥石刃先を備え
    た砥石工具の製造方法において、 前記砥石用鋼基材の砥石刃先取付部に化学的又は物理的
    に表面処理を施し、前記砥石刃先取付部に有機糊剤と自
    溶合金粉末を混合した混合物を塗布し、ダイヤモンド粒
    子を均一配置調整手段により配置後、前記ダイヤモンド
    粒子の突出量を突出量調整手段により調整した後乾燥さ
    せ、非酸化性雰囲気中で950〜1150℃の温度に加
    熱し、前記自溶合金の融着により前記砥石用鋼基材に前
    記ダイヤモンド粒子を固着させ、徐冷することを特徴と
    する砥石工具の製造方法。
  3. 【請求項3】 砥石用鋼基材に研磨用の砥石刃先を備え
    た砥石工具の製造方法において、 前記砥石用鋼基材の砥石刃先取付部に化学的又は物理的
    に表面処理を施し、前記砥石刃先取付部に有機糊剤を塗
    布し、ダイヤモンド粒子を均一配置調整手段により配置
    し、更に自溶合金粉末を散布して前記ダイヤモンド粒子
    の突出量を調整した後乾燥し、非酸化性雰囲気中で95
    0〜1150℃の温度に加熱し、前記自溶合金の融着に
    より前記砥石用鋼基材に前記ダイヤモンド粒子を固着さ
    せ、徐冷することを特徴とする砥石工具の製造方法。
  4. 【請求項4】 砥石用鋼基材に研磨用の砥石刃先を備え
    た砥石工具の製造方法において、 前記砥石用鋼基材の砥石刃先取付部に化学的又は物理的
    に表面処理を施し、前記砥石刃先取付部に有機糊剤と自
    溶合金粉末を混合した混合物を塗布し、乾燥後、非酸化
    性雰囲気中で950〜1150℃に加熱し、炉中で徐冷
    し、再度有機糊剤と自溶合金粉末を混合した混合物を塗
    布し、ダイヤモンド粒子を均一配置調整手段により配置
    し、前記ダイヤモンド粒子の突出量を突出量調整手段に
    より調整し、乾燥後、再度非酸化性雰囲気中で950〜
    1150℃の温度に加熱し、前記自溶合金の融着により
    前記砥石用鋼基材に前記ダイヤモンド粒子を固着させ、
    徐冷することを特徴とする砥石工具の製造方法。
  5. 【請求項5】 砥石用鋼基材に研磨用の砥石刃先を備え
    た砥石工具の製造方法において、 前記砥石用鋼基材の砥石刃先取付部に化学的又は物理的
    に表面処理を施し、前記砥石刃先取付部に有機糊剤を塗
    布し、自溶合金粉末を散布し、乾燥後、非酸化性雰囲気
    中で950〜1150℃に加熱し、炉中で徐冷し、再度
    有機糊剤を塗布し、ダイヤモンド粒子を均一配置調整手
    段により配置し、自溶合金粉末を散布することにより、
    前記ダイヤモンド粒子の突出量を調整し、乾燥後、再度
    非酸化性雰囲気中で950〜1150℃の温度に加熱
    し、前記自溶合金の融着により前記砥石用鋼基材に前記
    ダイヤモンド粒子を固着させ、徐冷することを特徴とす
    る砥石工具の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記自溶合金は、ニッケル基自溶合金又
    はコバルト基自溶合金であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項5のいずれか一項に記載の砥石工具の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記非酸化性雰囲気は、1.3×10-1
    〜1.3×10-3Paの真空、あるいは、アルゴンガス
    雰囲気又は水素ガス雰囲気であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の砥石工具の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記砥石用鋼基材は、中央に取付穴を有
    する円盤体に形成され、前記砥石刃先取付部は、前記円
    盤体の砥石面となる位置に前記取付穴側から外周に向か
    って形成される帯状パターンを円周方向に複数備え、前
    記円盤体は貫通穴が複数形成され、前記請求項1乃至請
    求項7のいずれか一項に記載の製造方法により製造され
    ることを特徴とする砥石工具。
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