JP2002043637A - 熱電デバイス - Google Patents

熱電デバイス

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JP2002043637A
JP2002043637A JP2000222893A JP2000222893A JP2002043637A JP 2002043637 A JP2002043637 A JP 2002043637A JP 2000222893 A JP2000222893 A JP 2000222893A JP 2000222893 A JP2000222893 A JP 2000222893A JP 2002043637 A JP2002043637 A JP 2002043637A
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thermoelectric element
thermoelectric
nickel
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JP2000222893A
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Hitoshi Tauchi
比登志 田内
Akihiro Morimoto
晃弘 森本
Hirotane Sugiura
裕胤 杉浦
Seishi Moriyama
誠士 森山
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半田成分の拡散抑制層として十分な厚さと電
極との接合のための優れた半田付け性を両立させた安価
な熱電デバイスを提供する。 【解決手段】 熱電材料を主要成分とする熱電素子1
と、前記熱電素子に接合される相手材3と、前記熱電素
子1と前記相手材3との間に介在し前記熱電素子と前記
相手材とを接合する半田層5と、前記熱電素子1と前記
半田層5との間に介在し、前記半田層5を構成する半田
成分が前記熱電素子の内部に拡散することを防止する拡
散抑制層とを具備する熱電デバイスにおいて、前記拡散
抑制層7は、前記半田層5の半田成分が前記熱電素子1
の内部に拡散することを防止する第1層71と、前記第
1層71よりも半田に対する濡れ性が良好な材料で形成
された第2層72とを備えていることを特徴とする熱電
デバイスであり、前記第1層はニッケル−リン系もしく
はニッケル−ボロン系の無電解メッキ層であり、前記第
2層は電解もしくは無電解の金メッキ層であることを特
徴とする熱電デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電材料を主要成分
とする熱電素子を備えた熱電デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】熱電材料を主要成分とする熱電素子を備
えた熱電デバイスが提供されている。熱電デバイスはそ
の用途により、給電されると冷却及び加熱を行うことが
できる冷却・加熱タイプと、冷却及び加熱されると発電
する発電タイプとがある。
【0003】このような熱電デバイスとしては、熱電材
料を主要成分とする熱電素子と、熱電素子に接合される
相手材と、熱電素子と相手材との間に介在し熱電素子と
相手材とを接合する半田層と、熱電素子と半田層との間
に介在するニッケルメッキ層とを具備するのものが提供
されている(熱電変換システム技術総覧:リアライズ
社、発行日 平成7年6月30日、24〜25頁)。
【0004】ニッケルメッキ層は、半田層を構成する半
田成分が熱電素子の内部に拡散することを抑制するため
のものであり、単一層で構成されている。上記した熱電
デバイスによれば、半田層を構成する半田成分が熱電素
子の内部に拡散することは、ニッケルメッキ層により抑
制される。このため熱電素子の劣化が抑制され、長期に
わたり熱電デバイスの性能を維持するのに有利となる。
【0005】また、熱電材料で形成された熱電素子は、
一般的に、半田付け性が充分でないことが多い。上記し
たニッケルメッキ層は、半田層を構成している半田成分
が熱電素子の内部に拡散することを抑制できる効果の他
に、組付けの際に熱電素子の半田付け性を改善できる利
点をもつ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】産業界では、拡散抑制
機能の更なる向上、半田付け性の更なる向上が要請され
ている。しかしながら、上記した単一層で形成されてい
る従来のニッケルメッキ層は、拡散抑制機能の更なる向
上、半田付け性の更なる向上の両立については、改善の
余地があった。すなわち、ニッケルメッキ層は、拡散抑
制機能が高い組成を用いると、半田層の半田成分が熱電
素子の内部に拡散することを抑制するのに有利であるも
のの、半田濡れ性の向上については必ずしも充分ではな
い場合がある。また、半田濡れ性が優れた組成を用いる
と、半田付け性が改善されるものの、拡散抑制機能につ
いては必ずしも充分でない場合がある。
【0007】無電解のニッケルメッキ層としては、性能
・コストの面でバランスの良いニッケル−リン系、ニッ
ケル−ボロン系メッキが広く使われる。しかし、半田付
け性がやや劣るという欠点がある。
【0008】また金メッキは半田付け性に優れている
が、高価でありメッキコストが高くつくという問題点が
ある。特にビスマス−テルル系の熱電半導体の表面処理
には、前記のように半田成分の拡散抑制層としての役目
もあるため厚い被膜が必要となるため大きな問題とな
る。
【0009】本発明は上記した実状に鑑みてなされたも
のであり、半田付け性の改善及び拡散機能の確保の双方
を両立させるのに有利で安価な熱電デバイスを提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るためになされた請求項1の発明は、熱電材料を主要成
分とする熱電素子と、前記熱電素子に接合される相手材
と、前記熱電素子と前記相手材との間に介在し前記熱電
素子と前記相手材とを接合する半田層と、前記熱電素子
と前記半田層との間に介在し、前記半田層を構成する半
田成分が前記熱電素子の内部に拡散することを防止する
拡散抑制層とを具備する熱電デバイスにおいて、前記拡
散抑制層は、前記半田層の半田成分が前記熱電素子の内
部に拡散することを防止する第1層と、前記第1層より
も半田に対する濡れ性が良好な材料で形成された第2層
とを備えていることを特徴とする熱電デバイスであり、
前記第1層はニッケル−リン系もしくはニッケル−ボロ
ン系の無電解メッキ層であり、前記第2層は電解もしく
は無電解の金メッキ層であることを特徴とする熱電デバ
イスである。
【0011】本発明の熱電デバイスによれば、半田層を
形成する半田成分が熱電素子の内部に拡散することを抑
制する効果は、主として拡散抑制層の第1層により維持
される。従って使用期間が長期化しても、半田成分が熱
電素子の内部に拡散することは抑制され、熱電素子の劣
化は防止される。
【0012】また第2層は、第1層よりも半田に対する
濡れ性が良好な材料で形成されているため、熱電素子と
相手材とを半田付けで接合する際に、半田付け性が良好
に確保される。
【0013】また、土台として安価なニッケル−リン系
もしくはニッケル−ボロン系の無電解メッキ層を形成し
た上に、高価であるが半田付け性の良い金メッキ層を形
成することで、半田成分の拡散抑制層として十分な厚さ
と電極との接合のための優れた半田付け性を両立させる
ことができる。
【0014】上記技術的課題を解決するためになされた
請求項2の発明は、請求項1において、前記第1層の平
均厚みは第2層の平均厚みよりも厚く設定されているこ
とを特徴とする熱電デバイスである。
【0015】請求項2の発明により、半田成分の熱電素
子への拡散は効果的に抑制される。殊にニッケル−リン
系もしくはニッケル−ボロン系の無電解メッキ層である
第1層の平均厚みが、電解もしくは無電解の金メッキ層
である第2層の平均厚みよりも厚く設定されている場合
には、拡散抑制効果を効果的に発揮することができ、し
かもメッキ速度が遅く且つ製造コストが高い電解もしく
は無電解の金メッキ層は薄いため、生産性の向上、製造
コストの低廉化に有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の熱電デバイスによれば、
熱電素子を構成する熱電材料としては、例えば、ビスマ
ス−テルル系、ビスマス−セレン系、アンチモン−セレ
ン系、ビスマス−テルル−セレン系の少なくとも1種が
あげられる。具体的には、Bi2、Te3、Se3、S
b2Te3、Sb2Se3の少なくとも1種があげられ
る。P(Possitive)型の熱電デバイスとして
は例えば、ビスマス−テルル−アンチモン系があげられ
る。n(Negative)型の熱電デバイスとしては
例えば、ビスマス−テルル系、ビスマス−テルル−セレ
ン系があげられる。
【0017】本発明の熱電デバイスによれば、熱電素子
に接合される相手材としては、電極を備えた基板があげ
られる。基板としてはセラミックス基板を採用すること
ができる。セラミックスとしては例えばアルミナ系、窒
化アルミニウム系、ベリリア(BeO)系、炭化珪素系
等があげられる。半田層を構成する半田としては、例え
ばビスマス−スズ系、鉛系等を採用することができる
が、これに限定されるものではない。
【0018】本発明の熱電デバイスによれば、拡散抑制
層は、半田層の半田成分が熱電素子の内部に拡散するこ
とを抑制する第1層と、第1層よりも半田に対する濡れ
性が良好な材料で形成された第2層とを備えている。第
1層はニッケル−リン系もしくはニッケル−ボロン系の
無電解メッキ層で構成する。第2層は電解もしくは無電
解の金メッキ層で構成する。電解もしくは無電解の金メ
ッキ層は、ニッケル−リン系もしくはニッケル−ボロン
系の無電解メッキ層よりもメッキ速度が遅く、製造コス
トが高いものの、半田付けの際に半田濡れ性が良好であ
り、熱電素子の半田付け性が改善される。
【0019】ニッケル−リン系もしくはニッケル−ボロ
ン系の無電解メッキ層は、電解もしくは無電解の金メッ
キ層よりも、半田濡れ性はやや低下するものの、メッキ
速度が早く、製造コストが低廉である。
【0020】ニッケル−リン系の無電解メッキ層は、ニ
ッケルの塩化物または硝酸塩を含むと共に、還元剤とし
ての次亜リン酸ナトリウムを含むメッキ浴により形成す
ることができるが、これに限定されるものではない。ニ
ッケル−ボロン系の無電解メッキ層は、ニッケルの塩化
物または硫酸塩を含むと共に、還元剤として水酸化ボロ
ン化合物を含むメッキ浴により形成することができる
が、これに限定されるものではない。
【0021】場合によっては、上記した第1層及び第2
層は無電解メッキに限らず、ニッケル等の金属メッキで
形成することもできる。
【0022】本発明の熱電デバイスによれば、より短時
間の処理で安価に拡散抑制効果を高めるべく、第1層の
平均厚みは、第2層の平均厚みよりも厚く設定すること
ができる。第1層の平均厚み及び第2層の平均厚みの比
率としては、使用環境により拡散抑制効果をどれだけも
たせるか、製造速度や製造コストを重視するか等によっ
て相違するものの、例えば、第2層の平均厚み:第1層
の平均厚み=1:(1〜300)にすることができる。
殊に、第2層の平均厚み:第1層の平均厚み=1:(2
〜10)にすることができる。但し上記した比率に限定
されるものではない。
【0023】また第1層の平均厚み及び第2層の平均厚
みの絶対値としては、前述同様に、使用環境により拡散
抑制効果をどれだけももたせるか、製造コストを重視す
るか、あるいは、第1層や第2層の材質等によっても相
違する。従って場合によって、第1層の平均厚みとして
は例えば0.2〜50μm、0.5〜20μm、0.1
〜1.0μm、0.1〜0.5μmなどに設定すること
ができる。但しこれらの値に限定されるものではない。
【0024】(実施例)以下、本発明の実施について図
面を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】図1は熱電デバイスの全体構成を示し、図
2は熱電デバイスの要部構成を示す。図1に示すよう
に、本実施例に係わる熱電デバイスは熱電モジユールを
構成するものであり、熱電材料を主要成分とする小チッ
プ形状をなす熱電材料1と、互い対向する相手材3と、
熱電素子1と相手材3とを互いに接合する半田層5とで
構成されている。
【0026】相手材3は、電気絶縁性をもつセラミック
ス製(材質:アルミナ)の互いに対向する素子取付面3
0c、31cを備えた2個1対の基板30、31と、基
板30、31の素子取付面30c、31cと半田層5と
の間に介在する導電性をもつ電極B35(材質:銅)と
で構成されている。
【0027】半田層5は導電性を持ち、低融点金属で形
成されている。半田層5の組成はスズ−アンチモン合金
である。
【0028】熱電素子1を構成する熱電材料は電気エネ
ルギと熱エネルギとの間の変換を行うものであり、ビス
マス−テルル系、ビスマス−セレン系、アンチモン−セ
レン系から選ばれた合金で構成されている。このような
熱電材料は半田付けの際に本来的に半田に対する濡れ性
が乏しいものであり、従って熱電素子1は半田付け性が
充分でない。また熱電デバイスとして使用する際に、半
田層5を構成する半田成分が熱影響により熱電素子1の
内部に拡散していく傾向がある。熱電デバイスの使用が
長期化すると、動作不良や半田成分の拡散による熱電素
子1の劣化を誘発する。
【0029】そこで本実施例では、半田付け性を改善す
るために、および、半田成分の拡散による熱電素子1の
劣化を防止するため、図2の示すように、熱電素子1と
半田層5との間には、半田層5を構成する半田成分が熱
電素子1の内部に拡散することを抑制する拡散抑制層7
が介在している。
【0030】本実施例に係わる拡散抑制層7は、第1層
71(平均厚み:0.5〜10.0μmの範囲)と、第
2層72(平均厚み:0.03〜0.5μmの範囲)と
の二層構造とされている。第1層71は導電性をもち、
半田層5の半田成分が熱電素子1の内部に拡散すること
を抑制することを主眼とするものであり、拡散現象から
保護する保護対象物である熱電素子1の平坦な端面1a
に直接的に対面するように、熱電素子1の端面1aと第
2層72との間に設けられている。具体的には、第1層
71はニッケル−リン系もしくはニッケル−ボロン系の
無電解メッキ層で形成されている。第1層71の平均厚
みは第2層72の平均厚みよりも厚くされている。
【0031】第2層72は導電性をもち、第1層71よ
りも、半田付けの際における半田に対する濡れ性を良好
とすることを主眼としており、従って半田層5に直接対
面するように、半田層5と第1層との間に設けられてい
る。従って、第2層72は、第1層71を構成する材料
よりも半田濡れ性が良好な材料で形成されており、具体
的には第2層72は電解もしくは無電解の金メッキ層で
形成されている。
【0032】図1において、各熱電素子1のP型及びN
型の区別については、「P」「N」の符号を付する。そ
して使用の際には、端側の電極35A(35)を電源の
正極につなぐと共に、電極35B(35)を含む複数の
熱電素子を経由してつながった他の端側電極(図示せ
ず)を電源の負極につなぎ、正極及び負極間で給電す
る。これにより各熱電素子1の熱電作用により、一方の
基板30は低温側となると共に、他方の基板31は高温
側となる。また、給電側の正極、負極を逆転することに
より、低温側、高温側を逆転することもできる。
【0033】(実施例1)この実施例1では、図1及び
図2に示す構造の熱電デバイスを試験片とした。そし
て、第1無電解メッキ処理により、ニッケル−リンの無
電解メッキ層(wt%でリンが2〜8%)である第1層
71を熱電素子1の両端面1aに積層して形成した。更
に、第2無電解メッキ処理により、無電解金メッキ層で
ある第2層72を第1層71の上に積層して形成した。
【0034】この実施例1では、第1層71の厚みは
0.5〜1.0μm、1.0〜5.0μm、5.0〜1
0.0μmの3種類に設定した。第2層72の厚みは、
0.03〜0.1μm、0.1〜0.5μmの2種類に
設定した。
【0035】そして、半田付け不良を判定するため、2
[A]の電流を各試験片に通電する通電試験を実施し、
その後、−40°Cで15分間及び80°C15分間、
試験片を保持する冷熱試験とを実施した。この通電・冷
熱試験の前後で試験片の内部抵抗の変化率を求めた。内
部抵抗の変化率が0.5%以下のときその試験片を合格
品として判定すると共に、内部抵抗の変化率が0.5%
を超えるとき試験片を不良品として判定した。この試験
では試験片の数はそれぞれ30個とし、30個のうちの
不良品の発生率を求めた。
【0036】また、別の試験片を150°Cの温度に保
持する高温放置試験を行い、熱電デバイスの信頼性を評
価した。即ち、高温放置試験の前後での試験片の内部抵
抗の変化を測定し、その変化率が10%以下のものを高
温放置試験における合格品として判定すると共に、10
%を超えるものを高温放置試験における不良品として判
定した。高温放置試験では試験片の数はそれぞれ22個
とし、22個のうちの不良品の発生率を求めた。
【0037】(実施例2)この実施例2も実施例1と同
様、図1及び図2に示す構造を熱電デバイスを試験片と
した。そして、第1無電解メッキ処理により、ニッケル
−ボロンの無電解メッキ層(wt%でボロンが1〜3
%)である第1層71を熱電素子1の両端面1aに積層
して形成した。更に、第2無電解メッキ処理により、無
電解金メッキ層である第2層72を第1層71の上に積
層して形成した。
【0038】この実施例2では、第1層71の厚みは
0.5〜1.0μm、1.0〜5.0μmの2種類に設
定した。第2層72の厚みは、0.03〜0.1μm、
0.1〜0.5μmの2種類に設定した。
【0039】そして、半田付け不良を判定するため、実
施例1と同様、2[A]の電流を各試験片に通電する通
電試験を実施し、その後、−40°Cで15分間及び8
0°C15分間、試験片を保持する冷熱試験とを実施し
た。この通電・冷熱試験の前後で試験片の内部抵抗の変
化率を求めた。内部抵抗の変化率が0.5%以下のとき
その試験片を合格品として判定すると共に、内部抵抗の
変化率が0.5%を超えるとき試験片を不良品として判
定した。この試験では試験片の数はそれぞれ30個と
し、30個のうちの不良品の発生率を求めた。
【0040】また、別の試験片を150°Cの温度に保
持する高温放置試験を行い、熱電デバイスの信頼性を評
価した。即ち、高温放置試験の前後での試験片の内部抵
抗の変化を測定し、その変化率が10%以下のものを高
温放置試験における合格品として判定すると共に、10
%を超えるものを高温放置試験における不良品として判
定した。高温放置試験では試験片の数はそれぞれ22個
とし、22個のうちの不良品の発生率を求めた。
【0041】表1に評価結果を示す。
【0042】
【表1】 同様に、比較例1に係わる試験片として、熱電素子1の
端面に1.0〜5.0μmのニッケル−リンの無電解メ
ッキからなる第1層71を形成し、前記同様の方法で熱
電デバイスを作製し、前記した実施例1、2と同様に評
価した。また比較例2として、熱電素子1の端面に0.
5〜1.0μmの無電解ニッケル−リンの無電解メッキ
層を形成し、前記と同様の方法で熱電デバイスを作製
し、前記した実施例1、2と同様に評価した。比較例
1、比較例2に係わる試験片では、前記したようにニッ
ケル−リンの無電解メッキ層やニッケル−ボロンの無電
解メッキ層である第1層71は形成されているものの、
金メッキ層は形成されていない。
【0043】比較例1、2についての評価結果を表2に
示す。
【0044】
【表2】 実施例1、実施例2に係わる試験片では、拡散抑制効果
が高いニッケル−リン系もしくはニッケル−ボロン系の
無電解メッキ層からなる第1層71の上に、半田濡れ性
が良好な無電解の金メッキ層72が形成されている。こ
のため、半田成分が熱電素子1の内部に拡散することを
抑える拡散効果が高く、しかも電極35と熱電素子1と
を半田付けする際の半田付け性も向上しており、各試験
後における劣化が抑えられていた。したがって表1、表
2からも理解できるように、実施例1、実施例2に係わ
る試験片では、各試験後における不良品の発生率は0で
あるか、極めて少なかった。
【0045】上記した試験条件のときには、第1層71
の厚みが0.5〜1.0μmの場合には、表1に示すよ
うに、高温放置試験後には不良品の発生率は6/22で
あった。これを考慮すれば、上記した試験条件のときに
は、第1層71の厚みは1.0μmを越えることが好ま
しいといえる。なお、熱電デバイスの使用条件を緩和す
れば、第1層71の厚みは1.0μm以下でも足りる。
【0046】また、第1表、第2表からわかるように、
ニッケル−リン系もしくはニッケル−ボロン系の無電解
メッキ層の上に金メッキ層を形成することで半田付け性
が向上し、通電および冷熱試験のスクリーニングによる
不良発生を防止することができる。金メッキ層の厚さ
は、0.03μmから効果が認められる。金メッキがこ
れ以下の厚さになると、メッキ層の不均一化やピンホー
ルの発生など良質のメッキ層を形成することが困難とな
る。
【0047】さらに高温放置試験で不良となったモジュ
ールを切断の上メッキ層の厚さを観察したところ、ニッ
ケル−リン系もしくはニッケル−ボロン系の無電解メッ
キ層および金メッキ層の合計厚さが1μmに達していな
ことがわかった。比較例1、比較例2のスクリーニング
合格品が高温放置試験に合格したことからもわかるよう
に、信頼性のあるモジュールを作製するためにはメッキ
層の合計厚さが1μm以上必要となる。
【0048】
【発明の効果】本発明の熱電デバイスによれば、拡散抑
制層は、半田層の半田成分が熱電素子に拡散することを
抑制する第1層と、第1層よりも半田に対する濡れ性が
良好な材料で形成された第2層とを備えている。このよ
うに第1層は半田層の半田成分が熱電素子に拡散するこ
とを効果的に抑制することができるため、半田成分の熱
電素子への拡散は抑制される。また第2層は、第1層よ
りも半田に対する濡れ性が良好な材料で形成されている
ため、熱電素子と相手材とを半田付けで接合する際に、
半田付け性が良好に確保される。
【0049】また、土台として安価なニッケル−リン系
もしくはニッケル−ボロン系の無電解メッキ層を形成し
た上に、高価であるが半田付け性の良い金メッキ層を形
成することで、半田成分の拡散抑制層として十分な厚さ
と電極との接合のための優れた半田付け性を両立させる
ことができる。
【0050】本発明の熱電デバイスによれば、第1層の
平均厚みが第2層の平均厚みよりも厚く設定されている
場合には、半田成分の熱電素子への拡散は効果的に抑制
される。殊にニッケル−リン系もしくはニッケル−ボロ
ン系の無電解メッキ層である第1層の平均厚みが、電解
もしくは無電解の金メッキ層でる第2層の平均厚みより
も厚く設定されている場合には、拡散抑制効果を効果的
に発揮することができ、しかもメッキ速度が遅く且つ製
造コストが高い電解もしくは無電解の金メッキ層は薄い
ため、生産性の向上、製造コストの低廉化に有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱電デバイスの正面図である。
【図2】熱電デバイスの要部の断面図である。
【符号の説明】
1…熱電素子 3…相手材 30、31…基板 35…電極 5…半田層 7…拡散抑制層 71…第1層 72…第2層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森山 誠士 愛知県刈谷市昭和町2丁目3番地 アイシ ン・エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4M104 AA08 BB05 CC01 DD53 FF17 GG20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電材料を主要成分とする熱電素子と、
    前記熱電素子に接合される相手材と、前記熱電素子と前
    記相手材との間に介在し前記熱電素子と前記相手材とを
    接合する半田層と、前記熱電素子と前記半田層との間に
    介在し、前記半田層を構成する半田成分が前記熱電素子
    の内部に拡散することを防止する拡散抑制層とを具備す
    る熱電デバイスにおいて、 前記拡散抑制層は、前記半田層の半田成分が前記熱電素
    子の内部に拡散することを防止する第1層と、前記第1
    層よりも半田に対する濡れ性が良好な材料で形成された
    第2層とを備えていることを特徴とする熱電デバイスで
    あり、 前記第1層はニッケル−リン系もしくはニッケル−ボロ
    ン系の無電解メッキ層であり、前記第2層は電解もしく
    は無電解の金メッキ層であることを特徴とする熱電デバ
    イス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1層の平均厚
    みは第2層の平均厚みよりも厚く設定されていることを
    特徴とする熱電デバイス。
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