JP2002043033A - ヒータユニット及びその製造方法 - Google Patents
ヒータユニット及びその製造方法Info
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Abstract
加えて耐久性が向上し、更に製造歩留まりが改善された
ヒータユニット及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ベース部材の表面に、溶射等の成膜手
段により金属膜からなるヒータ線を成膜し、このヒータ
線を覆うようにベース部材にカバー部材を被せてヒータ
線をその内部に埋設したことで、成膜されたヒータ線、
特に溶射により成膜されたヒータ線は多孔質であるので
緻密な膜に比較してその表面積が大きくなり、負荷密度
が低くなり、耐久性が向上する。また、ヒータ線とベー
ス部材との密着性が向上し、熱伝達効率が向上して温度
差による熱応力が低減する。また、多孔質の膜は所望の
発熱量を得るための断面積に対する寸法を大きくとれ、
ヒータ線の寸法のばらつきの影響が小さくなり、更に緻
密な箔と同じ断面積を得るのに寸法を大きくとれ、ヒー
タ線のない部分の面積を箔の場合に比較して小さくでき
るため、ヒータユニットの表面温度の均一性が向上す
る。
Description
於ける成膜装置やエッチング装置等に用いられ、ワーク
を加熱するためのヒータユニット及びその製造方法に関
するものである。
D装置、PVD装置等の成膜装置やエッチング装置にて
ウエハを加熱するためのヒータユニットが用いられてい
る。このヒータユニットのひとつとしてセラミックスヒ
ータがある。これは、セラミックス原料粉にタングステ
ンやモリブデン等の高融点金属の薄い金属箔を所望のパ
ターンに加工したものを埋め込み、例えば円盤状に焼結
したものである。
ては、その内部に金属からなるヒータ線が埋設されてい
るが、これはタングステンあるいはモリブデン等の高融
点金属の薄い金属箔を所要のパターンに加工したもので
ある。適切な発熱量(抵抗値)を得るために、一般的な
ヒータ線は厚さ20μm〜50μm、幅は2mm〜5m
m、長さは1m〜3mとなっている。例えば、8インチ
ウエハ加熱用の2ゾーンヒータでは、ヒータ線の厚さは
25μm、幅は2.5mm、長さはインナーが2m、ア
ウターが2.7m程度である。このヒータ線を中子とし
てこれが内部に埋め込まれるように、セラミックス原料
粉を固め、焼結することでヒータプレート(ヒータユニ
ット)が製造される。
たような金属箔からなるヒータ線の表面積は所要の発熱
量に対して小さく、負荷密度(=発熱量/ヒータ線の総
表面積)が高くなりがちである。負荷密度が過大になる
とヒータ線が焼き切れることがあるため、ヒータ線の総
表面積を大きくすると良いが、ヒータ線の寸法、即ち断
面積が発熱量により制限されるため、上記寸法は大きく
変更できない。
あり、かつ上記したように箔からなるヒータ線はその幅
が細いため、ヒータ線の位置ずれはヒータ線の配置パタ
ーンのずれはそのままヒータユニット表面の温度分布に
影響し、これによってヒータユニット表面温度の均一性
を大きく劣化させる。更に、ヒータ線(箔)の厚さ、ま
たは幅にばらつきがあった場合、寸法自体が小さいため
にその断面積に比較的大きく影響して電気抵抗値の大き
なばらつきとなり、ヒータユニット表面温度の均一性を
大きく劣化させる。
らず、金属箔からなるヒータ線を用いる以上共通の問題
である。
ち断面積が発熱量により制限されるため、即ち薄く、か
つ細い箔からなるため、その強度が低く、特にセラミッ
クスヒータの場合、焼結する際にヒータ線が切れてしま
ういう不具合が多発し、製造歩留まりを低下させてい
た。また、例えば一対の円盤を張り合わせ、その間にヒ
ータ線を挟むような構造にあっても、その強度の低さか
らヒータ線が切れてしまう不具合がある。
みなされたものであり、加熱時に早期に昇温し、かつ全
面に亘り熱を均一化でき、加えて耐久性が向上し、更に
製造歩留まりが改善されたヒータユニット及びその製造
方法を提供することを目的とする。
によれば、内部にヒータ線を埋設してなるヒータユニッ
トであって、前記ヒータ線が、ベース部材の表面に成膜
手段により成膜された金属膜からなり、前記ヒータ線を
覆うように前記ベース部材にカバー部材を被せることに
より前記ヒータ線をその内部に埋設したことを特徴とす
るヒータユニット、または内部にヒータ線を埋設してな
るヒータユニットの製造方法であって、ベース部材の表
面に金属からなるヒータ線を成膜手段により成膜し、前
記ベース部材に、前記ヒータ線を覆うように前記カバー
部材を被せることにより前記ヒータ線をその内部に埋設
することを特徴とするヒータユニットの製造方法を提供
することにより達成される。特に前記成膜手段が溶射手
段からなると良い。成膜されたヒータ線、特に溶射によ
り成膜されたヒータ線は多孔質であるので緻密な膜に比
較してその表面積が大きくなり、その分負荷密度が低く
なる。また、緻密な箔と同じ断面積を得るのに幅及び/
または厚さの寸法を大きくとれ、成膜することで高い位
置精度も得られる。更に成膜後はヒータ線がベース部材
に密着していることから断線の心配もなくその取り扱い
も容易になる。
に前記ヒータ線とは別用途の電極線をも成膜手段により
成膜し、それらを成膜した前記ベース部材に、セラミッ
クス原料粉を被せて固め、焼結することにより前記カバ
ー部材を形成すると良い。
発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
実施形態に於けるセラミックスヒータユニット1の概略
構造を示す。本ヒータユニット1は8インチウエハ加熱
用の2ゾーンヒータであり、その外形は円盤状をなし、
内部にヒータ線2が埋設されている。このヒータ線2は
モリブデン、タングステン、ニオブ及びタンタルから選
択される1種または2種以上の高融点金属の溶射膜から
なる。ヒータ線2は窒化アルミニウム、マグネシアまた
はアルミナのセラミックス焼結体からなるベース部材1
aの表面に溶射により成膜され、上記同様なセラミック
ス焼結体からなるカバー部材1bにより覆われている。
線インナ3と、線幅が7.5mmのヒータ線アウタ4と
を有し、図2に示すようなパターンで成膜されている。
これらヒータ線インナ3及びヒータ線アウタ4の電極3
a、4aは、ベース部材1aに埋め込まれた金属端子5
に、電極3b、4bはベース部材1aに埋め込まれた金
属端子6に各々接続され、これら金属端子5、6はヒー
タユニット1の裏面側に突出し、図示されない外部電源
に接続されることとなる。
ヒータ線アウタ4)は、溶射により成膜されているた
め、箔などと比較して多孔質な金属膜となっている。従
って、その表面積が緻密な膜に比較して大きく、負荷密
度(=発熱量/ヒータ線の総表面積)が、例えば箔から
なる膜に比較して1/3〜1/4に小さくなっており、
熱の拡散が速やかに行われ、過熱時に焼き切れ難くなっ
ている。また、多孔質であるため、所望の発熱量を得る
ための断面積に対する寸法(厚さ、または幅)を大きく
とれることから、ヒータ線2の厚さ、または幅にばらつ
きがあった場合でも、寸法自体が大きいためにその影響
は小さくなり、ヒータ線2の各部の温度が均一性が向上
し、即ちヒータユニット1の表面温度の均一性が向上し
ている。更に、同様な理由で幅広にできることから、か
つ溶射による膜のためにその位置精度が高いことから、
ヒータ線2のない部分の面積を箔の場合に比較して小さ
くでき、これによってもヒータユニット1の表面温度の
均一性が向上している。
ついて図3(a)〜図3(c)を参照して説明する。ま
ず、窒化アルミニウム、マグネシアまたはアルミナのセ
ラミックス原料紛を円盤状に固めて焼結し、ベース部材
1aを得る(図3(a))。次に、このベース部材1a
の表面に溶射により図2に示すようなパターンでヒータ
線2(ヒータ線インナ3、ヒータ線アウタ4)を成膜す
る(図3(b))。そして、ヒータ線2を覆うように上
記同様なセラミックス原料粉を被せて固め、焼結するこ
とによりカバー部材1bを形成し(図3(c))、孔を
穿設して金属端子5、6を取り付け、表面を必要に応じ
て研磨する等してヒータユニット1を得る。これを半導
体製造過程に於ける成膜装置やエッチング装置等に用い
ることとなる。
態に於けるセラミックスヒータユニット11の概略構造
を示す図1と同様な図である。本ヒータユニット11
は、プラズマCVD装置等のプラズマ処理装置に用いる
ものであり、ヒータ線12の材質、寸法、成膜パターン
等は第1の実施形態と同様であるが、ヒータ線12に加
えてこれと離間して他の電極線としてのRFグランド用
電極17が設けられている。ヒータ線12はベース部材
11aの裏面に溶射により成膜され、RFグランド用電
極17はベース部材11aの表面に上記同様に溶射によ
り成膜されている。これらヒータ線12及びRFグラン
ド用電極17は上記同様なセラミックス焼結体からなる
カバー部材11bにより覆われている。
17は、ベース部材11aに埋め込まれた金属端子1
5、16に接続され、RFグランド用電極17は、カバ
ー部材11bに埋め込まれた金属端子18に接続され、
これら金属端子15、16、18はヒータユニット11
の裏面側に突出し、図示されない外部電源に接続され、
またはアースされることとなる。
について図5(a)〜図5(c)を参照して説明する。
まず、窒化アルミニウム、マグネシアまたはアルミナの
セラミックス原料紛を円盤状に固めて焼結し、ベース部
材11aを得る(図5(a))。次に、このベース部材
11aの裏面に溶射により図2と同様なパターンでヒー
タ線12を成膜する(図5(b))。更にベース部材1
1aの表面に溶射により適宜なパターンでRFグランド
用電極17を成膜する(図5(c))。そして、ヒータ
線12及びRFグランド用電極17を覆うように、即ち
ベース部材11aの表裏を覆うように上記同様なセラミ
ックス原料粉を被せて固め、焼結することによりカバー
部材11bを形成し(図5(d))、孔を穿設して金属
端子15、16、18を取り付け、そのワーク搭載側表
面を必要に応じて研磨する等してヒータユニット11を
得る。これを半導体製造過程に於ける成膜装置やエッチ
ング装置等に用いることとなる。
RFグランド用電極17を設けたが、これに限定され
ず、例えば静電チャック用の電極等、埋め込み電極であ
れば同様にこの構造を適用できる。
子としてカバー部材を焼結により形成したが、これらを
別々に焼成し、ヒータ線を挟むように張り合わせて接合
しても良い。これを半導体処理装置に用いる場合、ヒー
タ線が側面から露出しないようにシールしたり、ベース
部材またはカバー部材にヒータ線のパターンと同様な凹
部を形成してこの凹部にヒータ線が収まるようにし、ベ
ース部材とカバー部材とを密着させると良い。
他の電極線を溶射により成膜したが、他の成膜法、例え
ばスクリーン印刷や各種化学蒸着法、物理蒸着法により
成膜しても良い。その場合、成膜条件を適宜設定して多
孔質の膜となるように成膜することが望ましい。
発明によるヒータユニット及びその製造方法によれば、
ベース部材の表面に、溶射等の成膜手段により金属膜か
らなるヒータ線を成膜し、このヒータ線を覆うようにベ
ース部材にカバー部材を被せることによりヒータ線をそ
の内部に埋設したことにより、成膜されたヒータ線、特
に溶射により成膜されたヒータ線は多孔質であるので緻
密な膜に比較してその表面積が大きくなり、その分負荷
密度が低くなり、発熱量が過大になっても焼き切れ難く
なり、即ち耐久性が向上する。また、ヒータ線がベース
部材に密着していることから接触面積が大きくなり、熱
伝達効率が向上し、温度差による熱応力が低減すると共
に物理的な断線の心配もなくその取り扱いも容易にな
る。
めの断面積に対する寸法(厚さ、または幅)を大きくと
れることから、ヒータ線の厚さ、または幅にばらつきが
あった場合でも、寸法自体が大きくこのばらつきの影響
は小さくなり、ヒータ線各部の温度が均一性が向上し、
即ちヒータユニットの表面温度の均一性が向上すると共
に緻密な箔と同じ断面積を得るのに幅及び/または厚さ
の寸法を大きくとれ、成膜することで高い位置精度も得
られるため、ヒータ線のない部分の面積を箔の場合に比
較して小さくでき、これによってもヒータユニットの表
面温度の均一性が向上する。
にヒータ線とは別用途の電極線をも成膜手段により成膜
し、それらを成膜したベース部材に、セラミックス原料
粉を被せて固め、焼結することにより前記カバー部材を
形成することで、焼成時にヒータ線及び他の電極線の位
置ずれ、断線の心配がなく、製造歩留まりが改善され
る。
ヒータユニット概略構造を示す部分断面斜視図。
トのヒータ線のパターンを示す平面図。
造手順を示す断面図。
ヒータユニット概略構造を示す部分断面斜視図。
造手順を示す断面図。
Claims (12)
- 【請求項1】 内部にヒータ線を埋設してなるヒータ
ユニットであって、 前記ヒータ線が、ベース部材の表面に成膜手段により成
膜された金属膜からなり、 前記ヒータ線を覆うように前記ベース部材にカバー部材
を被せることにより前記ヒータ線をその内部に埋設した
ことを特徴とするヒータユニット。 - 【請求項2】 前記成膜手段が溶射手段からなること
を特徴とする請求項1に記載のヒータユニット。 - 【請求項3】 前記ベース部材の裏面に成膜手段によ
り成膜された金属膜からなる前記ヒータ線とは別用途の
電極線を有し、 前記カバー部材が前記電極線をも覆うように前記ベース
部材に被さり、前記電極線をもその内部に埋設したこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒータユ
ニット。 - 【請求項4】 前記ヒータ線及び前記電極線が、モリ
ブデン、タングステン、ニオブ及びタンタルから選択さ
れる1種または2種以上の金属からなることを特徴とす
る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のヒータユニ
ット。 - 【請求項5】 前記ベース部材及び前記カバー部材が
セラミックス焼結体からなり、 前記ベース部材を中子として前記カバー部材を焼結して
なることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか
に記載のヒータユニット。 - 【請求項6】 前記ヒータ線成膜された前記ベース部
材と、別途形成した前記カバー部材とを張り合わせてな
ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに
記載のヒータユニット。 - 【請求項7】 前記ベース部材及び前記カバー部材
が、窒化アルミニウム、マグネシア及びアルミナから選
択されるセラミックス焼結体からなることを特徴とする
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のヒータユニッ
ト。 - 【請求項8】 内部にヒータ線を埋設してなるヒータ
ユニットの製造方法であって、 ベース部材の表面に金属からなるヒータ線を成膜手段に
より成膜し、 前記ベース部材に、前記ヒータ線を覆うように前記カバ
ー部材を被せることにより前記ヒータ線をその内部に埋
設することを特徴とするヒータユニットの製造方法。 - 【請求項9】 前記ヒータ線を溶射により成膜するこ
とを特徴とする請求項9に記載のヒータユニットの製造
方法。 - 【請求項10】 前記ベース部材の裏面に前記ヒータ
線とは別用途の電極線をも成膜手段により成膜し、 前記カバー部材が前記電極線をも覆うように前記ベース
部材に被せることにより、前記電極線をもその内部に埋
設することを特徴とする請求項8または請求項9に記載
のヒータユニットの製造方法。 - 【請求項11】 前記ベース部材がセラミックス焼結
体からなり、 前記ベース部材に、これを覆うようにセラミックス原料
粉を被せて固め、焼結することにより前記カバー部材を
形成することを特徴とする請求項8乃至請求項10のい
ずれかに記載のヒータユニットの製造方法。 - 【請求項12】 前記ヒータ線を成膜した前記ベース
部材と、別途形成した前記カバー部材とを張り合わせて
接合することを特徴とする請求項8乃至請求項10のい
ずれかに記載のヒータユニットの製造方法。
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