JP2002042573A - ポリオレフィン系絶縁被覆電線 - Google Patents

ポリオレフィン系絶縁被覆電線

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JP2002042573A JP2000218768A JP2000218768A JP2002042573A JP 2002042573 A JP2002042573 A JP 2002042573A JP 2000218768 A JP2000218768 A JP 2000218768A JP 2000218768 A JP2000218768 A JP 2000218768A JP 2002042573 A JP2002042573 A JP 2002042573A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲンを含有することなく、安価で、耐摩
耗性、破断伸び等の機械的特性に優れた難燃性樹脂組成
物を電線被覆材とするポリオレフィン系絶縁被覆電線を
提供すること。 【解決手段】 融点が100℃以上180℃以下の低融
点側ポリオレフィン系樹脂と融点が200℃以上の高融
点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポリマーに金属
水酸化物を配合し、低融点側ポリオレフィン系樹脂と高
融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンド比が95/5
から40/60の範囲にある難燃性樹脂組成物をポリオ
レフィン系絶縁被覆電線の電線被覆材として用いる。金
属水酸化物は、ブレンドポリマー100重量部に対し
て、50重量部以上150重量部以下の範囲で配合され
ていることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
絶縁被覆電線に関し、更に詳しくは、電線被覆材がハロ
ゲン成分を含まないポリオレフィン系樹脂組成物からな
り、自動車、電気機器などの配線として難燃性が要求さ
れる用途に好適なポリオレフィン系絶縁被覆電線に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電線被覆材として用いら
れる難燃性樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル樹脂が
一般的に用いられており、これに耐摩耗性等の必要特性
に応じて、可塑剤や充填剤が適宜配合され、また、これ
らの添加剤の種類や添加量が調整されてきた。しかし、
ポリ塩化ビニル樹脂は、難燃性を備える反面、火災時や
焼却廃棄時に有害なハロゲンガスを発生するという問題
がある。
【0003】そこで近年、ノンハロゲン系の難燃性樹脂
組成物が種々研究されており、ポリオレフィン系樹脂に
ハロゲンを含まない難燃剤を配合したものなどが提案さ
れている。例えば、特開平5−301996号公報に
は、ポリオレフィンに高密度ポリエチレンをブレンド
し、これに金属水酸化物を配合したノンハロゲン系難燃
性樹脂組成物が開示されている。
【0004】また、特開平6−283030号公報に
は、ポリオレフィンと変性ポリオレフィンをブレンド
し、これに表面処理した金属水酸化物を配合したものが
開示されている。あるいは例えば、特開平6−2906
37号公報には、ポリオレフィン、ポリアミド、及び変
性ポリオレフィンをブレンドし、これに金属水酸化物、
具体的には水酸化マグネシウムを配合したものが開示さ
れている。更に例えば、特開平6−215644号公報
には、ポリオレフィンにナイロン12を加え、更にカル
ボン酸変性ポリマ(変性ポリオレフィンを含む)をブレ
ンドし、これに水酸化マグネシウムを配合したものが開
示されている。更には例えば、特開平6−290650
号公報には、ポリエチレンに変性ポリエチレンとポリア
ミド系樹脂を配合したものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−301996号公報に示される難燃性樹脂組成物の
場合、耐摩耗性を向上させるためポリオレフィンに結晶
性の高密度ポリエチレンを多量にブレンドすると、非晶
質部分が少なくなって難燃剤を少量しか配合できなくな
り、難燃性が低下し、一方、高密度ポリエチレンのブレ
ンド量を少なくして難燃性を向上させようとすると多量
に難燃剤を配合する必要があり、耐摩耗性、破断強度や
破断伸びなどの機械的特性が低下したり、高コストにな
るなどの問題がある。
【0006】また、特開平6−283030号公報に示
される難燃性樹脂組成物の場合、ポリオレフィンにブレ
ンドする樹脂として変性ポリオレフィンや、配合する難
燃剤として表面処理した金属水酸化物を用いているた
め、ポリオレフィンの変性や金属水酸化物の表面処理を
施さねばならない分、高コスト化は避けられない。
【0007】また、特開平6−290637号公報、特
開平6−215644号公報、特開平6−290650
号公報に示されるようにポリオレフィンにポリアミドを
ブレンドする場合、ポリアミドの密度は1.09〜1.
14(例えば、ナイロン12の密度は1.02)であ
り、ポリオレフィンの密度(例えば、ポリプロピレンの
密度は0.91、ポリメチルペンテンの密度は0.8
4)に比べて大きく、ポリアミド自体もポリオレフィン
に比べて高価であるため(kg単価)、同樹脂容積あた
りのコストが高くなるという問題がある。
【0008】そこで本発明者等は、コストを考慮し、難
燃性を維持しつつ、耐摩耗性を向上させるべく鋭意研究
を重ねた結果、摩耗時の摩擦による温度上昇により、電
線被覆材が軟化することによる摩耗が耐摩耗性を低下さ
せる要因であり、電線被覆材に用いる樹脂の融点が高い
ほど耐摩耗性が向上し、更に、樹脂を単独で用いるより
も、その樹脂に融点が異なる樹脂をブレンドすることに
より、更に耐摩耗性が向上することを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、ハロゲ
ンを含有することなく、安価で、耐摩耗性、破断伸びな
どの機械的特性に優れた難燃性樹脂組成物を電線被覆材
に用いたポリオレフィン系絶縁被覆電線を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明に係るポリオレフィン系絶縁被覆電線は、請
求項1に記載のように、融点が100℃以上180℃以
下の低融点側ポリオレフィン系樹脂と融点が200℃以
上の高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポリマ
ーに金属水酸化物を配合し、前記低融点側ポリオレフィ
ン系樹脂と前記高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレ
ンド比が95/5から40/60の範囲にある難燃性樹
脂組成物を電線被覆材とすることを要旨とするものであ
る。
【0011】ここで融点が100℃以上180℃以下の
低融点側ポリオレフィン系樹脂と融点が200℃以上の
高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンド比は95/
5から40/60の範囲とする。高融点側ポリオレフィ
ン系樹脂のブレンド比が5未満であると、耐摩耗性向上
の効果が十分得られず、60を越えると破断強度や破断
伸びが著しく低下し実用に耐えなくなるので好ましくな
い。そして、上記のブレンド比の範囲内であれば、融点
が異なる樹脂をブレンドすることにより、安価に耐摩耗
性を付与することができ、破断伸びなどの機械的特性に
優れた難燃性樹脂組成物とすることができる。
【0012】尚、本発明に係るポリオレフィン系絶縁被
覆電線の電線被覆材は、低融点側ポリオレフィン系樹脂
と高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポリマー
を主体とするが、特に限定されることはなく、例えば柔
軟性を付与するため、必要に応じ熱可塑性ゴムなどを少
量ブレンドすることもできる。
【0013】また、請求項2に記載のように、難燃剤と
して配合する金属水酸化物は、低融点側ポリオレフィン
系樹脂と高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポ
リマー100重量部に対して、50重量部以上150重
量部以下の範囲で配合されていることが好ましい。50
重量部未満であると、難燃性が十分に得られず、150
重量部を越えると、耐寒性、破断強度や破断伸びなどが
低下し実用に耐えなくなるので好ましくない。
【0014】そしてまた、請求項3に記載のように、ブ
レンドポリマーにカルボン酸又は酸無水物変性ポリマー
を少量ブレンドした場合には、主体のブレンドポリマー
と金属水酸化物の接着性が向上し、耐摩耗性を一層向上
させることができる。
【0015】また更に、カルボン酸又は酸無水物の変性
は、カルボン酸又は酸無水物変性ポリマーを少量ブレン
ドする代わりに、請求項4に記載のように、ブレンドポ
リマーのいずれか一方、又は両方をカルボン酸又は酸無
水物により変性しても良く、この場合も、主体のブレン
ドポリマーと金属水酸化物の接着性が向上し、耐摩耗性
を一層向上させることができる。
【0016】これらの場合に用いるカルボン酸又は酸無
水物としては、マレイン酸、アクリル酸などが挙げられ
るが、中でも無水マレイン酸を用いることが好ましい。
【0017】上述したブレンドポリマーを形成する低融
点側ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどが挙げられ、高融点側ポリオレフィン
樹脂としては、ポリメチルペンテン、オクテン−メチル
ペンテン共重合体などが挙げられる。
【0018】中でも、請求項5に記載のように、低融点
側ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレンであること
が好ましく、高融点側ポリオレフィン樹脂は、ポリメチ
ルペンテンであることが好ましい。ポリプロピレンはポ
リエチレンよりも高温域での耐摩耗性に優れる。またポ
リメチルペンテンは融点が240℃と高く、高温におけ
る耐摩耗性に優れる。更にポリメチルペンテンはポリエ
チレンやポリプロピレンと同様に押出成形性にも優れて
いる。
【0019】勿論これらは何ら限定されるものではな
く、他の融点100℃以上180℃以下のポリオレフィ
ン系樹脂や融点200℃以上のポリオレフィン系樹脂を
種々適用できるものである。
【0020】また、請求項6に記載のように、難燃剤と
して配合する金属水酸化物としては、高い難燃性を付与
する観点から水酸化マグネシウムを用いることが好まし
いが、特に限定されるものではなく、他にも水酸化アル
ミニウム、水酸化カルシウムなどを種々の金属水酸化物
を適用できるものである。また更に、難燃助剤としてリ
ン系難燃剤や燃焼時燃えがらを生成するクレーなどを適
宜添加しても良い。
【0021】この際、金属水酸化物は、表面処理するこ
となく用いることもできるが、ポリマーとの相溶性を向
上させるため、脂肪酸、シランカップリング剤などで表
面処理を施したものを用いることもでき、コストに合わ
せて適宜調整すれば良い。
【0022】本発明に係るポリオレフィン系絶縁被覆電
線の電線被覆材には、上記成分に加え、必要に応じて老
化防止剤、加工助剤、軟化剤などを適宜添加しても良
く、更に樹脂の融点以上で使用される場合には、架橋
剤、架橋助剤などを加え、加熱架橋や電子線架橋を施し
ても良く、用途に合わせて適宜選択することができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0024】(実施例1)表1に示したように、低融点
側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン90重量
部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペ
ンテン10重量部の計100重量部に対して、金属水酸
化物として水酸化マグネシウム100重量部、加工助剤
としてオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてス
ミライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて
2軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、3
0mm押出機を用いて、この混合物を直径0.32mm
の軟銅線を撚り合わせた外形約1.0mmの銅撚線に
0.3mm厚に押し出し加工(押し出し温度250℃)
した絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を実施
例1とする。
【0025】図1は、作製した絶縁被覆電線の断面図で
ある。絶縁被覆電線10は、複数本(この実施例では7
本)の銅線を撚り合わせた導体12の周りを難燃性樹脂
組成物からなる電線被覆材14で被覆した構成となって
いる。以下の実施例及び比較例においても同様である。
【0026】(実施例2)表1に示したように、低融点
側ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレン50重量
部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペ
ンテン50重量部の計100重量部に対して、金属水酸
化物として水酸化マグネシウム80重量部、加工助剤と
してオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてスミ
ライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて2
軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、実施
例1と同様に絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆電
線を実施例2とする。
【0027】(実施例3)表1に示したように、低融点
側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン70重量
部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペ
ンテン20重量部、カルボン酸又は酸無水物変性ポリマ
ーとしてマレイン酸変性ポリエチレン10重量部の計1
00重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグネ
シウム120重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド
1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量
部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した
後、ペレタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被
覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を実施例3とす
る。
【0028】(実施例4)表1に示したように、低融点
側ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレン50重量
部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペ
ンテン40重量部、カルボン酸又は酸無水物変性ポリマ
ーとしてマレイン酸変性ポリプロピレン10重量部の計
100重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグ
ネシウム80重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド
1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量
部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した
後、ペレタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被
覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を実施例4とす
る。
【0029】(比較例1)表1に示したように、低融点
側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン100重
量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグネシウム
100重量部、加工助剤としてオレイン酸アミド1重量
部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重量部と
を、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した後、ペ
レタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被覆電線
を作製した。この絶縁被覆電線を比較例1とする。尚、
比較例1は低融点側ポリオレフィン系樹脂のみを用いた
場合に実施例と比較するためのものである。
【0030】(比較例2)表1に示したように、低融点
側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン30重量
部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペ
ンテン70重量部の計100重量部に対して、金属水酸
化物として水酸化マグネシウム120重量部、加工助剤
としてオレイン酸アミド1重量部、老化防止剤としてス
ミライザーWXR1重量部とを、混合温度250℃にて
2軸混練機で混練した後、ペレタイズした。その後、実
施例1と同様に絶縁被覆電線を作製した。この絶縁被覆
電線を比較例2とする。尚、比較例2は低融点側ポリオ
レフィン系樹脂と高融点側ポリオレフィン系樹脂のブレ
ンド比が、本発明の構成であるブレンド比95/5から
40/60以外の場合に実施例と比較するためのもので
ある。
【0031】(比較例3)表1に示したように、低融点
側ポリオレフィン系樹脂としてポリプロピレン70重量
部、高融点側ポリオレフィン系樹脂としてポリメチルペ
ンテン10重量部、カルボン酸又は酸無水物変性ポリマ
ーとしてマレイン酸変性ポリプロピレン20重量部の計
100重量部に対して、金属水酸化物として水酸化マグ
ネシウム180重量部、加工助剤としてオレイン酸アミ
ド1重量部、老化防止剤としてスミライザーWXR1重
量部とを、混合温度250℃にて2軸混練機で混練した
後、ペレタイズした。その後、実施例1と同様に絶縁被
覆電線を作製した。この絶縁被覆電線を比較例3とす
る。尚、比較例3は難燃剤として配合する金属酸化物を
多量に添加した場合に実施例と比較するためのものであ
る。
【0032】
【表1】
【0033】次に以上のようにして作製した各絶縁被覆
電線について、破断伸び試験、燃焼試験(難燃性試験)
及び耐摩耗性試験を行い、本発明品及び比較品の特性評
価を行った。表1にはその結果も併せて示している。
【0034】初めに、破断伸び試験について説明する。
絶縁体破断伸びとして、社団法人自動車技術会規格「J
ASO D611−94」に準拠し、導体を除いた管状
試験片を供試片として用い、引っ張り速度200mm/
分にて各実施例及び比較例の各供試片について破断伸び
を測定した。この際、破断時の伸びが125%以上のも
のを良好とした。その結果、本発明の実施例1〜4と比
較例1の供試片は良好であったが、比較例2〜3の供試
片は不良であった。
【0035】次に、難燃性試験について説明する。難燃
性として、社団法人自動車技術会規格「JASO D6
11−94」に準拠し、各絶縁被覆電線を300mmの
長さに切り出して供試片とし、この各供試片を鉄製の試
験箱に入れて水平に支持し、ブンゼンバーナーの還元炎
を30秒以内で燃焼するまで当て、炎を取り去った後の
残炎時間を測定した。この際、残炎時間が15秒以内を
合格と判定し、15秒を越えるものを不合格と判定し
た。その結果、本発明の実施例1〜4と比較例1〜3の
供試片全てが合格であった。
【0036】次に、耐摩耗試験について説明する。耐摩
耗性として、社団法人自動車技術会規格「JASO D
611−94」に準拠し、ブレード往復法による耐摩耗
試験を行った。荷重は7Nとし、ブレードが導体に接触
するまでの往復回数が300回以上であるものを良好と
した。その結果、本発明の実施例1〜4と比較例2〜3
の供試片は良好であったが、比較例1の供試片は不良で
あった。
【0037】以上の本発明品及び比較品の特性評価結果
から以下のことが分かる。本発明の一実施例に係る実施
例1〜4の各絶縁被覆電線は、破断伸び、難燃性、耐摩
耗性を全て満足しているのに対し、比較例1〜3の各絶
縁被覆電線は全ての特性を満足するものはなかった。
【0038】すなわち、本発明の一実施例に係る実施例
1〜4の各絶縁被覆電線は、破断伸び、難燃性、耐摩耗
性に優れている。しかしながら、比較例1は融点100
℃以上180℃以下のポリプロピレンのみで、融点20
0℃以上のポリメチルペンテンを何らブレンドしていな
いため、ブレンドすることによる耐摩耗性の向上が十分
でないことが分かる。また比較例2は融点100℃以上
180℃以下のポリプロピレンと融点200℃以上のポ
リメチルペンテンをブレンドしていてもその両者のブレ
ンド比が30/70であるため、ポリメチルペンテンの
ブレンド割合が多すぎ、破断伸びが十分でないことが分
かる。そしてまた、比較例3は難燃剤である水酸化マグ
ネシウムが他のブレンドポリマー100重量部に対し、
180重量部と多すぎるため、破断伸びが十分でないこ
とが分かる。
【0039】以上実施例について説明したが、本発明は
上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能であることは勿
論である。本実施例3〜4では、低融点側ポリオレフィ
ン樹脂と高融点側ポリオレフィン樹脂のブレンドポリマ
ーにカルボン酸又は酸無水物変性ポリマーを配合したも
のを用いたが、それ以外に例えば、低融点側ポリオレフ
ィン樹脂と高融点側ポリオレフィン樹脂のブレンドポリ
マーのいずれか一方、又は両方をカルボン酸又は酸無水
物により変性したものを用いることが可能なものであ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明に係るポリオレフィン系絶縁被覆
電線によれば、絶縁被覆電線の電線被覆材に、安価で、
耐摩耗性、破断伸びなどの機械的特性に優れた難燃性樹
脂組成物を用いているので、この電線被覆材を用いたポ
リオレフィン系絶縁被覆電線は、十分な耐摩耗性、機械
的特性、難燃性を備え、しかもコストパフォーマンスに
優れるという効果がある。
【0041】また、本発明に係るポリオレフィン系絶縁
被覆電線によれば、絶縁被覆電線の電線被覆材にハロゲ
ンを含有していないので、自動車や電気機器などの配線
に用いた場合、火災時や焼却廃棄時に有毒なハロゲンガ
スを発生することがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る絶縁被覆電線の断面
図である。
【符号の説明】
10 絶縁被覆電線 12 導体 14 電線被覆材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 守 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 早味 宏 大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電 気工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 正史 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 長谷 達也 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 杉田 陽彦 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB03W BB12W BB17X BB21W BB21X DE076 DE086 DE146 FD136 GQ01 5G315 CA03 CB02 CC08 CD02 CD14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が100℃以上180℃以下の低融
    点側ポリオレフィン系樹脂と融点が200℃以上の高融
    点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンドポリマーに金属
    水酸化物を配合し、前記低融点側ポリオレフィン系樹脂
    と前記高融点側ポリオレフィン系樹脂とのブレンド比が
    95/5から40/60の範囲にある難燃性樹脂組成物
    を電線被覆材とすることを特徴とするポリオレフィン系
    絶縁被覆電線。
  2. 【請求項2】 前記金属水酸化物は、前記低融点側ポリ
    オレフィン系樹脂と前記高融点側ポリオレフィン系樹脂
    とのブレンドポリマー100重量部に対して、50重量
    部以上150重量部以下の範囲で配合されていることを
    特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系絶縁被覆
    電線。
  3. 【請求項3】 前記ブレンドポリマーには、カルボン酸
    又は酸無水物変性ポリマーがブレンドされていることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフィン系絶
    縁被覆電線。
  4. 【請求項4】 前記ブレンドポリマーのいずれか一方、
    又は両方がカルボン酸又は酸無水物により変性されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリオレフ
    ィン系絶縁被覆電線。
  5. 【請求項5】 前記低融点側ポリオレフィン系樹脂がポ
    リプロピレンであり、前記高融点側ポリオレフィン系樹
    脂がポリメチルペンテンであることを特徴とする請求項
    1乃至4に記載のポリオレフィン系絶縁被覆電線。
  6. 【請求項6】 前記金属水酸化物が水酸化マグネシウム
    であることを特徴とする請求項1乃至5に記載のポリオ
    レフィン系絶縁被覆電線。
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