JP2002036778A

JP2002036778A - ボールペン

Info

Publication number: JP2002036778A
Application number: JP2000223294A
Authority: JP
Inventors: Takao Inaba; 孝男稲葉
Original assignee: Pilot Ink Co Ltd
Current assignee: Pilot Ink Co Ltd
Priority date: 2000-07-25
Filing date: 2000-07-25
Publication date: 2002-02-06

Abstract

(57)【要約】【課題】インキ収容管の内部の追従体及びインキが衝撃
等によって外部に漏出または飛散することを回避する。【解決手段】インキ収容管４の内部にインキ４１及びグ
リス状の追従体４２を収容する。前記インキ収容管４を
軸筒２の内部に収容する。前記軸筒２の後端開口部に尾
栓５を嵌着する。前記尾栓５に、軸筒２の後端開口部に
挿入可能な有底筒部５１を設ける。前記有底筒部５１
は、その前端が開口され且つその後端が閉塞される。前
記有底筒部５１の前端に、前記インキ収容管４の後端と
軸方向に当接し且つ周状に接触する接触部８を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ボールペンに関す
る。さらに詳細には、軸筒の内部に収容したインキ収容
管の内部に、インキ及びグリス状の追従体を収容し、軸
筒の後端に尾栓を嵌着したボールペンに関する。尚、本
発明で「前」とはペン先側を指し、「後」とは尾栓側を
指す。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のボールペンにおいて、イ
ンキ収容管の後端面を、尾栓の内面に設けた複数の放射
状の縦リブにより当接支持する構成（例えば、実用新案
登録第２５９０４５７号）、または、インキ収容管の後
端開口部を、底壁に空気流通孔を有する筒部により閉塞
した構成（例えば、特開平１１−２０３７０号）が知ら
れている。

【０００３】前記従来のボールペンは、衝撃等により、
インキ収容管内の追従体及びインキが後方に移動し、追
従体及びインキがインキ収容管の後端開口部から漏出す
ることがある。その際、前記実用新案登録第２５９０４
５７号のタイプの場合、インキ収容管の後端面と縦リブ
とが略点状に当接しているため、隣接する縦リブ間の間
隙寸法が大きく、通気路としては十分であっても、追従
体及びインキの漏出防止には不十分である。そのため、
追従体及びインキが、インキ収容管の後端開口部から前
記縦リブ間を通って軸筒内面とインキ収容管外面との間
に移動し、最後には、軸筒の前部の空気孔から外部に漏
出するおそれがある。また、前記特開平１１−２０３７
０号のタイプの場合、衝撃等により追従体及びインキが
尾栓の空気流通孔から外部に飛散するおそれがある。

【０００４】本発明は前記従来の問題点を解決するもの
であって、衝撃等によってインキ収容管の内部の追従体
及びインキが後方に移動したとしても、追従体及びイン
キが外部に漏出または飛散するおそれがないボールペン
を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】〔１〕本発明は、ペン先
３を前端に有するインキ収容管４の内部に、インキ４１
及び該インキ４１の消費に伴って前進するグリス状の追
従体４２を収容し、前記インキ収容管４を軸筒２の内部
に収容し、前記軸筒２の前端より前記ペン先３を突出さ
せ、前記軸筒２の後端開口部に尾栓５を嵌着したボール
ペン１であって、前記尾栓５に、軸筒２の後端開口部に
挿入可能であって前端が開口され且つ後端が閉塞された
有底筒部５１を設け、前記有底筒部５１の前端に、前記
インキ収容管４の後端と軸方向に当接し且つ周状に接触
する接触部８を設けたこと（請求項１）を要件とする。
（図１乃至図４参照）

【０００６】（作用）本発明ボールペン１に衝撃等が加
わった場合、インキ収容管４内の追従体４２及びインキ
４１が、後方に移動し、インキ収容管４の後端開口部か
ら漏出したとしても、有底筒部５１の前端の接触部８が
インキ収容間の後端に周状に接触（即ち非点状接触）し
ているため、前記インキ収容管４より漏出した追従体４
２及びインキ４１は、後端が閉塞された有底筒部５１に
収容される。それにより、追従体４２及びインキ４１
が、軸筒２内面とインキ収容管４外面との間隙を通って
軸筒２の前部の空気孔より外部に漏出したり、軸筒２の
後端より外部に漏出又は飛散するおそれがない。

【０００７】〔２〕前記請求項１のボールペン１におい
て、前記有底筒部５１の前端に径方向の切り欠きを設
け、前記切り欠きをインキ収容管４の後端との非接触部
７とし、前記切り欠きを除く前記有底筒部５１の前端
を、前記インキ収容管４の後端との接触部８とすること
（請求項２）が好ましい。（図１乃至図３参照）

【０００８】（作用）前記切り欠き（即ち非接触部７）
により、インキ収容管４の後端と尾栓５の有底筒部５１
の前端との間において、インキ収容管４の内部と外部と
を通気可能に連通させることができる。それにより、イ
ンキ収容管４の内部の追従体４２の後方空間を常に大気
圧に維持することができ、筆記時、インキの消費に伴っ
て追従体４２を適正に前方へ移動させることができる。

【０００９】〔３〕前記請求項１記載のボールペン１に
おいて、前記インキ収容管４の後端に径方向の切り欠き
を設け、前記切り欠きを有底筒部５１の前端との非接触
部７とし、前記切り欠きを除く前記インキ収容管４の後
端を、前記有底筒部５１の前端との接触部８としたこと
（請求項３）が好ましい。（図４参照）

【００１０】（作用）前記切り欠き（即ち非接触部７）
により、インキ収容管４の後端と尾栓５の有底筒部５１
の前端との間において、インキ収容管４の内部と外部と
を通気可能に連通させることができる。それにより、イ
ンキ収容管４の内部の追従体４２の後方空間を常に大気
圧に維持することができ、筆記時、インキの消費に伴っ
て追従体４２を適正に前方へ移動させることができる。

【００１１】〔４〕請求項２または３のボールペン１に
おいて、前記接触部８の周方向の全長を、前記非接触部
７の周方向の全長より大きく設定すること（請求項４）
が好ましい。それにより、非接触部７（切り欠き）から
インキ収容管４及び尾栓５の外部に追従体４２及びイン
キ４１が漏出することをより一層防止できる。もし、前
記接触部８の周方向の全長が、前記非接触部７の周方向
の全長より小さい場合、非接触部７（切り欠き）を通っ
てインキ収容管４の外面と軸筒２の内面との間に追従体
４２及びインキ４１が漏出するおそれがある。

【００１２】尚、ここで、接触部８の周方向の全長と
は、接触部８を複数箇所に形成した場合、それぞれの接
触部８の周方向の長さの総和を意味し、非接触部７の周
方向の全長とは、非接触部７を複数箇所に形成した場
合、それぞれの非接触部７の周方向の長さの総和を意味
する。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
に従って説明する。

【００１４】（第１実施例）図１及び図２に本発明のボ
ールペン１の第１実施例を示す。ボールペン１は、ペン
先３が前端に圧入保持されるペン先ホルダー６と、該ペ
ン先ホルダー６が前端開口部に圧入固着されるインキ収
容管４と、該インキ収容管４が内部に収容される軸筒２
と、該軸筒２の後端開口部に嵌着される尾栓５とを備え
る。

【００１５】前記インキ収容管４は、合成樹脂の押出成
形により得られる円筒体であり、その内部には、インキ
（例えば、剪断減粘性が付与された水性ゲルインキ、ま
たは中粘度の油性インキ）と、該インキ４１の後端にイ
ンキ４１の消費に伴って前進するグリス状の追従体４２
とが充填されている。

【００１６】前記ペン先３は、前端にボールを回転可能
に抱持する金属製本体からなるボールペンチップであ
る。前記ペン先３は、ボール受け座により幾つかのタイ
プがあり、例えば、ボール受け座を、金属製本体の側壁
を内方へ押圧塑性変形させることにより形成するタイ
プ、ボール受け座を、金属製本体の内壁を切削加工する
ことにより形成するタイプ、ボール受け座を合成樹脂等
の別部材により構成するタイプ等を挙げることができ
る。

【００１７】前記ペン先ホルダー６は、合成樹脂の射出
成形により得られる。前記ペン先ホルダー６は、内部に
軸方向に貫通する孔（即ちペン先取付孔及びその後方の
インキ流通孔）を有する筒体である。前記ペン先ホルダ
ー６は、前部と、該前部の後方に形成した鍔部６１と、
該鍔部６１の後方に形成した後部とからなる。前記ペン
先ホルダー６の前部は、その前端に前記ペン先３が固着
され、該ペン先３と共に軸筒２の前端孔２１より外部に
突出される。前記ペン先ホルダー６の後部は、インキ収
容管４の前端開口部に圧入固着される。前記ペン先ホル
ダー６の鍔部６１は、インキ収容管４の前端面に当接さ
れ、インキ収容管４の外径と略同一の外径を有する。

【００１８】また、前記ペン先ホルダー６の前部外面に
は、複数本の縦リブ６２が一体に形成され、それが軸筒
２の前端孔２１内面と圧接し、それにより、ペン先ホル
ダー６の前部外面と軸筒２の前端孔２１内面との間に通
気路（即ち外部と連通する空気孔）が形成される。

【００１９】前記軸筒２は、合成樹脂の射出成形により
得られ、先細状の前端部を備え、且つ、内部に軸方向に
貫通する孔を有する円筒体である。前記軸筒２の前端部
内面には、傾斜面を備える複数本の縦リブ２２が一体に
形成され、前記縦リブ２２の傾斜面に、ペン先ホルダー
６の鍔部６１が圧接される。それにより、軸筒２の内面
と鍔部６１との間に通気路が形成される。また、前記イ
ンキ収容管４の外面と軸筒２の内面との間には、環状の
隙間が形成され、それが、インキ収容管４の後端開口部
と連通する通気路となる。

【００２０】尚、前記通気路は、前記実施例に限定され
るものではなく、例えば、鍔部６１の外面に溝を設けた
り、インキ収容管４の外面に溝を設ける構成であっても
よい。また、前記空気孔は、前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、軸筒２の前端孔２１の内面に溝を
設けたり、又は軸筒２の側壁に孔を貫設する構成であっ
てもよい。

【００２１】前記尾栓５は、合成樹脂の射出成形により
得られ、前端が開口され且つ後端が閉塞された有底筒部
となる円筒状の内筒部５１と、該内筒部５１を内部に有
し、前端が開口され且つ後端が閉塞された有底筒状の外
筒部５２とが、同心状に一体に連設されてなる。

【００２２】前記尾栓５の内筒部５１の前端は、インキ
収容管４の後端と周状に線接触または面接触するよう、
インキ収容管４の後端面と略一致する大きさに設定（即
ち、内筒部５１の前端面の外径をインキ収容管４の後端
面の内径より大きく設定し、且つ、内筒部５１の前端面
の内径をインキ収容管４の後端面の外径より小さく設
定）される。前記内筒部５１の前端面には、２個の四角
形状の切り欠き（即ち非接触部７）が対向位置に設けら
れる。そして、前記切り欠きを除く内筒部５１の前端面
をインキ収容管４の後端面との接触部８とすることがで
きる。前記内筒部５１の前端面の接触部８の周方向の全
長（即ち、２個の円弧状の接触部８の周方向の長さの
和）を、前記非接触部７の周方向の全長（即ち、２個の
切り欠きの周方向の長さの和）より大きく設定される。

【００２３】また、前記尾栓５の外筒部５２の底壁５３
は環状であり、それが外筒部５２と内筒部５１とを連結
している。また、前記外筒部５２の底壁５３は、軸筒２
の後端面と軸方向に周状に密接し、それにより、万一、
内筒部５１（即ち有底筒部）の内部から追従体４２及び
インキ４１が溢出することがあったとしても、軸筒２の
後端からの追従体４２及びインキ４１の漏出事故を回避
することができる。前記尾栓５の外筒部５２の内面は、
軸筒２の後端部の外面と嵌合（例えば、ネジ嵌合、圧入
嵌合、又は乗り越え嵌合等）される。

【００２４】また、前記内筒部５１の前端部は、外筒部
５２の前端部よりも前方に突出しているため、尾栓５を
軸筒２の後端開口部に嵌着させる際、内筒部５１（即ち
有底筒部）を軸筒２内にスムーズに挿入させることがで
き、組立性が向上する。

【００２５】（第２実施例）図３に第２実施例（第１実
施例の変形例）を示す。本実施例において、第１実施例
と同様に、尾栓５の有底筒部５１の前端面に、切り欠き
を設けることにより、インキ収容管４の後端面と周状に
線接触又は面接触する接触部８と、インキ収容管４の後
端面との間に通気路を形成する非接触部７を設けてい
る。第１実施例と異なる点は、前記尾栓５の有底筒部５
１の後部６３の外面が、軸筒２の後端開口部内面と嵌合
（例えば、ネジ嵌合、圧入嵌合、又は乗り越え嵌合等）
し、第１実施例の外筒部５２に相当する部分が存在しな
い点である。尚、他の構成は第１実施例同様であるた
め、説明は省略する。

【００２６】（第３実施例）図４に第３実施例（第１実
施例の変形例）を示す。本実施例において、第１実施例
と異なる点は、尾栓５の内筒部５１（即ち有底筒部）の
前端面に切り欠きを備えず、インキ収容管４の後端面
に、２個の三角形状の切り欠きを対向位置に形成した点
である。前記切り欠きにより、内筒部５１の前端面との
間に通気路を形成する非接触部７を設け、前記切り欠き
以外のインキ収容管４の後端面に内筒部５１の前端面と
周状に線接触又は面接触する接触部８を設けている。
尚、他の構成は第１実施例同様であるため、説明は省略
する。

【００２７】

【発明の効果】請求項１により、衝撃等が加わり、イン
キ収容管内の追従体及びインキが、後方に移動し、イン
キ収容管の後端開口部から漏出したとしても、前記追従
体及びインキが軸筒の外部に漏出又は飛散するおそれが
ない。

【００２８】請求項２により、インキ収容管の内部の追
従体の後方空間を常に大気圧に維持することができ、筆
記時、インキの消費に伴って追従体を適正に前方へ移動
させることができる。

【００２９】請求項３により、インキ収容管の内部の追
従体の後方空間を常に大気圧に維持することができ、筆
記時、インキの消費に伴って追従体を適正に前方へ移動
させることができる。

【００３０】請求項４により、非接触部（切り欠き）か
ら追従体及びインキが漏出することをより一層防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明ボールペンの第１実施例の縦断面図であ
る。

【図２】（ａ）に図１の尾栓の平面図、（ｂ）に図１の
尾栓の正面図を示す。

【図３】本発明ボールペンの第２実施例の縦断面図であ
る。

【図４】本発明ボールペンの第３実施例の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ボールペン２軸筒２１前端孔２２縦リブ３ペン先４インキ収容管４１インキ４２追従体５尾栓５１内筒部（有底筒部）５２外筒部５３底壁６ペン先ホルダー６１鍔部６２縦リブ７非接触部（切り欠き）８接触部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ペン先を前端に有するインキ収容管の内部
に、インキ及び該インキの消費に伴って前進するグリス
状の追従体を収容し、前記インキ収容管を軸筒の内部に
収容し、前記軸筒の前端より前記ペン先を突出させ、前
記軸筒の後端開口部に尾栓を嵌着したボールペンであっ
て、前記尾栓に、軸筒の後端開口部に挿入可能であって
前端が開口され且つ後端が閉塞された有底筒部を設け、
前記有底筒部の前端に、前記インキ収容管の後端と軸方
向に当接し且つ周状に接触する接触部を設けたことを特
徴とするボールペン。
【請求項２】前記有底筒部の前端に径方向の切り欠きを
設け、前記切り欠きをインキ収容管の後端との非接触部
とし、前記切り欠きを除く前記有底筒部の前端を、前記
インキ収容管の後端との接触部とした請求項１記載のボ
ールペン。
【請求項３】前記インキ収容管の後端に径方向の切り欠
きを設け、前記切り欠きを有底筒部の前端との非接触部
とし、前記切り欠きを除く前記インキ収容管の後端を、
前記有底筒部の前端との接触部とした請求項１記載のボ
ールペン。
【請求項４】前記接触部の周方向の全長を、前記非接触
部の周方向の全長より大きく設定した請求項２又は３記
載のボールペン。