JP2002035182A - 耐摩耗性軽金属製ゴルフクラブ - Google Patents

耐摩耗性軽金属製ゴルフクラブ

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JP2002035182A
JP2002035182A JP2000220201A JP2000220201A JP2002035182A JP 2002035182 A JP2002035182 A JP 2002035182A JP 2000220201 A JP2000220201 A JP 2000220201A JP 2000220201 A JP2000220201 A JP 2000220201A JP 2002035182 A JP2002035182 A JP 2002035182A
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golf club
aluminum
face
alumina
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JP2000220201A
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Katsumasa Odera
克昌 大寺
Takashi Hashimoto
貴史 橋本
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YKK Corp
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YKK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウムあるいはマグネシウム合金
からなるゴルフクラブヘッドの主としてフェース面の耐
摩耗性の向上を図ることを目的とする。 【解決手段】 ゴルフクラブの少なくともフェース面
が、微細な硬質粒子を分散させたアルミニウムあるいは
マグネシウム合金からなるゴルフクラブヘッドである。
硬質粒子はアルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素の少
なくとも1種である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、耐摩耗性に優れ
た素材をフェース面に使用したスピン性能に優れたゴル
フクラブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブのアイアンは図1に示す如
く、大きく分けてシャフト1とヘッド2の部分から構成
され、シャフト1には鉄合金やカーボン繊維などが使用
されている。また、ヘッド2に関しては、木、鉄合金、
チタン合金など種々の素材が使用されている。ヘッド
も、ウッドとアイアンでクラブに求められている要求が
異なるため、使用される素材も異なる。ウッドの場合、
ヘッド体積を大きくすることが望まれており、軽く強度
の高い素材が求められ、現在、チタン合金が多用されて
いる。また、アイアンでも軽く強度の高い合金が求めら
れているが、ウッドと異なり、ボールを打つ時に砂や芝
生などを一緒に打つこともあるため、フェース素材は耐
摩耗性の点で優れた特性が求められる。軽金属と呼ばれ
るアルミニウム合金やマグネシウム合金は耐摩耗性の点
で課題があるため、陽極酸化皮膜やメッキによって耐摩
耗性の向上がはかられる。しかし、膜と下地の密着性が
悪く膜が剥離しやすく、成膜後にアイアンの額縁部3に
圧入すると膜が剥離したり、使用している間に膜が傷つ
き、一気に剥離する課題がある。
【0003】近年、アイアンのフェース材にもチタン合
金などが使用され、フェース面で軽量化された分割ヘッ
ドを構成する額縁の部分の重量配分の自由度を高め、よ
り性能のよいアイアンを設計することができる。フェー
ス部をさらに軽量化する目的でアルミニウム合金やマグ
ネシウム合金を使用することができる。しかし、これら
の合金をアイアンのフェースに使用する場合、耐摩耗性
の点で課題があり、メッキなどの表面処理で対応しよう
としている。ただし、この場合、ヘッドの額縁部にフェ
ースをはめ込んでから額縁などの部分をマスキングして
から表面処理を行っているが、メッキ膜などと下地の密
着性は十分ではなく、また、なんらかの原因で膜に傷が
ついた場合、その部分から膜の剥離が生じ易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルミニウ
ムあるいはマグネシウム合金からなるゴルフクラブヘッ
ドの主としてフェース面の耐摩耗性の向上を図ることを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成によ
りなる。 (1)ゴルフクラブヘッドの少なくともフェース面が、
微細な硬質粒子を分散させたアルミニウムあるいはマグ
ネシウム合金からなることを特徴とするゴルフクラブ。
【0006】(2)粒子径が20μm以下の硬質粒子を
体積率(vol.%)で2〜8%含んでなる前記(1)
記載のゴルフクラブ。
【0007】(3)硬質粒子が、アルミナ、窒化アルミ
ニウム、炭化珪素の少なくとも1種である前記(1)又
は(2)記載のゴルフクラブ。
【0008】(4)アルミニウムあるいはマグネシウム
合金が、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金あ
るいはMg−Al−Zn系合金である前記(1)〜
(3)のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【0009】(5)アルミニウムあるいはマグネシウム
合金が、アルミニウムあるいはマグネシウム非平衡相合
金である前記(1)記載のゴルフクラブ。
【0010】上記本発明に用いる硬質粒子としては、ア
ルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素などが適用でき、
特にアルミナを用いることが好ましい。
【0011】アルミニウム合金としては、Al−Mg系
合金、Al−Mg−Si系合金が適用できる。Al−M
g系合金とは、JISで規定される5000系アルミニ
ウム合金を示し、少なくともMgを0.4〜8.0ma
ss%(好ましくは2.2〜5.6mass%)を含む
アルミニウム合金であり、特には、5005、505
2、5652、5154、5254、5454、505
6、5082、5182及び5083アルミニウム合金
が有効である。また、Al−Mg−Si系合金とは、J
ISで規定される6000系アルミニウム合金を示し、
少なくともMgを0.3〜1.5mass%、Siを
0.2〜1.8mass%(好ましくは0.2〜1.2
mass%)を含むアルミニウム合金であり、特には、
6101、6003、6151、6061、6N01及
び6063アルミニウム合金が有効である。
【0012】さらに、上記Al−Mg系合金またはAl
−Mg−Si系合金にNi、Fe、Mn、Zr、Tiの
少なくとも1種の元素を2mass%〜8mass%添
加したアルミニウム合金も適用できる。このような組成
の合金とすることにより、0.1〜5μmの有効な金属
間化合物を体積率で4〜13vol%マトリックス中に
均一分散させることができる。均一分散する金属間化合
物は、Al−Fe、Al−Ni、Al−Ti、Al−Z
r、Al−Mn、Al−(Fe,Ni)系で、例えばA
3Ni、Al6Fe、Al3Ti、Al3Zr、Al9
(Fe,Ni)2のような熱的に安定な化合物である。
【0013】これらの合金は、マトリックスの平均粒径
は通常の鋳造等によるアルミニウム合金の大きさと同じ
くらい、約100μmぐらいである。
【0014】また、マグネシウム合金としては、Mg−
Al−Zn系合金が適用できる。特には、JISで規定
されるAZ31、AZ66、AZ91及びAZ119マ
グネシウム合金が有効である。さらには、アルミニウム
あるいはマグネシウム非平衡相合金が適用できる。
【0015】非平衡相合金とは、非晶質相、微細結晶質
相、準結晶相あるいはこれらの混相からなる合金を示
し、これらの合金は液体急冷法などの急冷凝固させるこ
とにより得られる合金であり、具体的な例としては下記
の一般式で示される合金が有効である。
【0016】一般式(I)Alab (II)Alabc
【0017】また、一般式(II)において、特に好まし
い例として、以下の一般式で示されるアルミニウム基合
金系がある。 (III)AlaM1dc (IV)AlaM1(d-e)M2ec (V)AlaM1(d-f)M3fc (VI)AlaM1(d-e-f)M2eM3fc
【0018】(ただし、M:Mn、Fe、Co、Ni、
Mo、V、Cr、W、Li、Ca、Mg、Si、Cu、
Znから選ばれる少なくとも1種の元素、X:Nb、H
f、Ta、Y、Zr、Ti、Ag、希土類元素および希
土類元素の集合体(Mm:ミッシュメタル)から選ばれ
る少なくとも1種の元素、M1:Mn、Fe、Co、N
i、Moから選ばれる少なくとも1種の元素、M2:
V、Cr、Wから選ばれる少なくとも1種の元素、M
3:Li、Ca、Mg、Si、Cu、Znから選ばれる
少なくとも1種の元素、a、b、c、d、e、fは、a
は残部、0.5≦b≦25mass%、0.5≦c≦1
0mass%、0.5≦d≦15mass%、0.1≦
e≦5mass%、0.5≦f≦5mass%)
【0019】一般式 (VII)Mg100-gQ1g (VIII)Mg100-h-iQ1hQ2i (IX)Mg100-h-jQ1hQ3j (X)Mg100-h-i-jQ1hQ2iQ3j
【0020】(ただし、Q1は、Cu、Ni、Sn、Z
nから選ばれる少なくとも1種の元素、Q2は、Al、
Si、Caから選ばれる少なくとも1種の元素、Q3
は、Y、La、Ce、Nd、Sm、Mmから選ばれる少
なくとも1種の元素、g、h、i及びjは、5≦g≦6
0mass%、1≦h≦35mass%、1≦i≦25
mass%、3≦j≦25mass%) これらの合金は、マトリックスの平均粒径が1μm以下
である。
【0021】本発明では、メッキなどの表面処理に代わ
って、アルミナに代表される硬質粒子を分散させたA5
083のようなAl−Mg系合金をフェースに使用し
た。アルミナ粒子は、ビッカース硬さが2000を越え
る非常に硬質材であり、アルミニウム合金やマグネシウ
ム合金中に高体積率で分散させると図2に示すように非
常に高い耐摩耗性を示す。しかし、耐摩耗性を向上させ
るアルミナ粒子の体積率が高いと、素材としては、延性
が低下するとともにフェースをヘッドの額縁部にはめ込
む場合、延性の低下によって破損しやすくなる。また、
使用する硬質粒子の大きさが大きくなると、粒子界面で
はクラックが発生しやすくなるため20μm以下である
ことが望ましい。
【0022】本発明に使用されている耐摩耗性アルミニ
ウムあるいはマグネシウム合金は、鋳造法でも粉末冶金
法によっても作製することができる。粉末冶金法で作製
した場合、アルミニウム合金粉末とアルミナ粒子に代表
される硬質粒子に界面活性剤を少量添加し、ボールミル
で攪拌しながら混合することでアルミナが凝集すること
なくアルミニウム合金粉末表面にアルミナを分散させる
ことができる。このアルミナが分散した粉末を押出し法
などで固化成形し、鍛造することによって耐摩耗性に優
れたフェースを製造することができる。
【0023】アルミナに代表される硬質粒子を分散させ
たアルミニウム合金はNi−Pメッキ膜に比べ軟らか
く、例えば、ビッカース硬さで比較するとNi−Pメッ
キ膜の600〜800に比べ、アルミナ分散アルミニウ
ム合金は150〜250である。この硬さの差によって
アルミナ分散アルミニウム合金製のフェースと従来のア
ルミニウム合金にNi−Pメッキされたフェースで打た
れたゴルフボールのスピンのかかり方に差異が発生す
る。すなわち、軟らかいアルミナ分散アルミニウム合金
で打たれた方がボールとフェースの接触時間が長くなる
とともにスピン量を増やすこともできる。
【0024】このことは、アルミナ分散アルミニウム合
金製フェースのついたアイアンを使用すると広い範囲で
スピン量を変化させたボールを打つことができることを
意味している。
【0025】
【発明の実施の形態】表1に示す種々の素材でアイアン
用フェースを作製した。強度の高い素材ほどフェース厚
みを薄くすることが可能であり、最も強度の高いTi−
6Al−4Vのフェースは2.3mmと本発明の508
3+5%アルミナ製フェースに比べ、約70%の肉厚で
すむ。しかし、合金の比重を考慮すると、Ti−6Al
−4Vの方がフェース重量は重くなる。
【0026】
【表1】
【0027】7075(7000系アルミニウム合金)
にNi−Pメッキしたフェースと5083+5%アルミ
ナ製フェースはフェース重量は全く同じであるが、ボー
ルを打った時のスピン量は表2に示すように5083+
5%アルミナ製フェースの方が10%強スピン量を高く
することができる。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によって作製される耐摩耗性軽金
属製ゴルフクラブは、硬質粒子を分散させた耐摩耗性ア
ルミニウム合金又はマグネシウム合金をゴルフクラブの
フェースに使用しており、フェースが傷付きにくく、か
つ、ボールとフェースの接触時間を長くすることができ
ることによって、ボールのスピン量を大きくすることが
できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴルフクラブのアイアンの構造の説明図であ
る。
【図2】アルミナ分散アルミニウム合金におけるアルミ
ナ添加量と素材の延性および耐摩耗性との関係を示すグ
ラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴルフクラブヘッドの少なくともフェー
    ス面が、微細な硬質粒子を分散させたアルミニウムある
    いはマグネシウム合金からなることを特徴とするゴルフ
    クラブ。
  2. 【請求項2】 粒子径が20μm以下の硬質粒子を体積
    率(vol.%)で2〜8%含んでなる請求項1記載の
    ゴルフクラブ。
  3. 【請求項3】 硬質粒子が、アルミナ、窒化アルミニウ
    ム、炭化珪素の少なくとも1種である請求項1又は2記
    載のゴルフクラブ。
  4. 【請求項4】 アルミニウムあるいはマグネシウム合金
    が、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金あるい
    はMg−Al−Zn系合金である請求項1〜3のいずれ
    かに記載のゴルフクラブ。
  5. 【請求項5】 アルミニウムあるいはマグネシウム合金
    が、アルミニウムあるいはマグネシウム非平衡相合金で
    ある請求項1記載のゴルフクラブ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7232380B2 (en) 2003-10-03 2007-06-19 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Golf club head
WO2010062070A2 (ko) 2008-11-25 2010-06-03 Park Hyang Sook 퍼머용 헤어 롯드

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7232380B2 (en) 2003-10-03 2007-06-19 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Golf club head
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