JP2002034558A - 安定化された蛋白質分解酵素およびその用途 - Google Patents

安定化された蛋白質分解酵素およびその用途

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JP2002034558A
JP2002034558A JP2000220612A JP2000220612A JP2002034558A JP 2002034558 A JP2002034558 A JP 2002034558A JP 2000220612 A JP2000220612 A JP 2000220612A JP 2000220612 A JP2000220612 A JP 2000220612A JP 2002034558 A JP2002034558 A JP 2002034558A
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亮太 安藤
Motohiro Mitani
元宏 三谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定化された蛋白質分解酵素およびそれを用い
た液体洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】 アミドベタイン型両性界面活性剤、水溶
性カルシウム塩および蛋白質分解酵素を液状で配合して
なる安定化された蛋白質分解酵素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定化された蛋白
質分解酵素およびそれを用いた液体洗浄剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、蛋白質分解酵素は、それ自体が蛋
白質であり、常温、液体の状態では、酵素自身が加水分
解されるため、粉末状にするか、あるいは低温で液状で
保管する方法が主であった。しかし、洗浄剤に酵素を配
合する場合は、使用条件が常温であり、安定性の観点か
ら粉末状にするかあるいは安定剤を使用する方法が主で
あった。酵素の安定化方法は、多価アルコールを用いた
技術が、特公昭41−152号公報をはじめ広く知られ
ている。しかし、この系に洗浄力を持たせるために界面
活性剤を加えた場合、多価アルコールが多量に存在する
と界面活性剤による洗浄力が低下する。また、多価アル
コールが少ないと界面活性剤による酵素の失活が早くな
るという問題があった。多価アルコール以外の酵素安定
化剤としては、特開平1−180515号公報記載のよ
うに塩化カルシウム等のカルシウム塩が知られている。
さらに、蛋白質を安定剤に用いた技術が、特開平1−2
83213号公報に記載されている。しかしながら蛋白
質分解酵素の安定化剤としてアルブミンなどの蛋白質を
用いた場合、この分解物によりアレルギーを引き起こす
可能性があるので、好ましい方法とは言えない。
【0003】界面活性剤と酵素からなる系としては、特
開平5−156294号公報にアニオン界面活性剤、ノ
ニオン界面活性剤、アルカリ性プロテアーゼおよびホウ
素化合物からなる液体洗浄剤が開示されている。また特
開平8−157871号公報に、非イオン界面活性剤、
アルカノールアミンおよび蛋白質分解酵素を主剤とする
液体洗浄剤組成物が開示されている。さらに特開平8−
157872号公報に非イオン界面活性剤とアニオン界
面活性剤を含み、pHが9.5以上で、含水率が15〜
60重量%である液体洗浄剤組成物が開示されている。
しかしながら、これらの系では多価アルコールを用いた
系よりも酵素の安定性が非常に悪く、また特にアニオン
界面活性剤を用いた場合には、目や皮膚などへの刺激が
あるという問題があった。
【0004】両性界面活性剤として、例えばアルキルジ
メチルアミノ酢酸ベタインや脂肪酸アミドプロピルベタ
インなどは安全でかつ生分解性が高いことが知られてお
り、これらを用いた洗浄剤が知られている{周知・慣用
技術集(衣料用粉末洗剤)特許庁発行}。酵素を配合し
た組成物としては、特開昭60−196722号公報に
アミドアミン型あるいはイミノジカルボン酸型両性界面
活性剤を用いたコンタクトレンズ用洗浄剤が開示されて
いる。また両性界面活性剤を酵素安定化剤として使用し
た例は、特開平2−41398号公報に下記の式(2)
で示されるアミドアミン型両性界面活性剤とプロテアー
ゼ、リパーゼ、アミラーゼもしくはセルラーゼ等の酵素
を含む安定化酵素液体洗剤組成物が開示されている。
【0005】
【化2】
【0006】(ここで、式中、Rは所望によりヒドロキ
シルまたはカルボキシルによって置換されていてもよい
炭素数7〜22のアルキル基であり、AはCOもしくは
OCH2CH2であり、nは0または1であり、R3は水
素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基であり、xは
2もしくは3であり、yは0〜4であり、QはCH2
2OH、またはR4COOMであり、(ここでR4は炭
素数1〜3のアルキレン基であり、Mは水素原子または
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムもしく
は置換アンモニウムである)であり、さらに、Bは水素
原子であるかまたは上記のQと同じである)
【0007】しかしながら、これらの組成物の酵素安定
性は、実用上十分とは言えなかった。また脂肪酸アミド
プロピルベタインを用いた際の酵素安定化効果は知られ
ていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、活性を長期間維持できる蛋白質分解酵素を提供する
ことにある。本発明の第2の目的は、蛋白質分解酵素を
安定化する方法を提供することにある。本発明の第3の
目的は、高い洗浄力を維持し、かつより安全な液体洗浄
剤組成物を提供することにある。本発明の第4の目的
は、前記の液体洗浄剤の希釈溶液を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の従
来の技術の問題点に鑑み鋭意検討した結果、洗浄成分及
び酵素安定化剤として特定のアミドベタイン型両性界面
活性剤を用い、かつ酵素安定性を高めるための助剤とし
て水溶性カルシウム塩を組み合わせて用いることで優れ
た酵素安定性を液状で保持できる安定化方法を見いだ
し、本発明を完成するに至った。また、洗浄力を有し、
なおかつ安全性にも優れた洗浄剤組成物を見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明は次の〔1〕〜
〔7〕である。 〔1〕 蛋白質分解酵素にアミドベタイン型両性界面活
性剤および水溶性カルシウム塩を液状で配合してなる安
定化された蛋白質分解酵素。
【0010】〔2〕 アミドベタイン型両性界面活性剤
が、式(1)
【0011】
【化3】
【0012】(但し、式中、R1は炭素数8〜22のア
ルキル基を示し、Xは水素原子又は炭素数1〜3のアル
キル基を示し、Gは炭素数2〜12の二価の炭化水素基
を示し、mは平均付加モル数であり0〜10の数を示
し、R2は炭素数1〜3のアルキレン基を示す)で示さ
れるアミドベタイン型両性界面活性剤であり、水溶性カ
ルシウム塩が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、酢酸
カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ア
スコルビン酸カルシウム、安息香酸カルシウムおよびグ
ルコン酸カルシウムからなる群より選択される1種また
は2種以上であり、蛋白質分解酵素が、サブチリシン、
トリプシン、キモトリプシンおよびパパインからなる群
より選ばれる1種または2種以上である前記〔1〕の安
定化された蛋白質分解酵素。
【0013】〔3〕 式(1)のアミドベタイン型両性
界面活性剤のR1が炭素数8〜22のアルキル基であ
り、Xが水素原子であり、Gが−(CH23−で表され
る基であり、mが0であり、R2が炭素数1〜3のアル
キレン基である前記〔2〕の安定化された蛋白質分解酵
素。
【0014】〔4〕 アミドベタイン型両性界面活性剤
および水溶性カルシウム塩により蛋白質分解酵素を安定
化する方法。
【0015】〔5〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかの
安定化された蛋白質分解酵素を含有する液体洗浄剤組成
物。
【0016】〔6〕 アミドベタイン型両性界面活性剤
5〜40重量/体積%、水溶性カルシウム塩0.001
〜1重量/体積%および蛋白質分解酵素0.0001〜
1重量/体積%を含む前記〔5〕の液体洗浄剤組成物。
【0017】〔7〕 前記〔6〕の液体洗浄剤組成物
を、水又は水溶液に10〜1000倍に希釈した液体洗
浄剤の希釈溶液。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に用いるアミドベタイン型
両性界面活性剤は、式(1)で表される。
【0019】
【化4】
【0020】ここで、式(1)のR1は、炭素数8〜2
2のアルキル基を示す。炭素数8〜22のアルキル基と
しては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、
イコシル基、ヘンイコシル基およびドコシル基等が好ま
しく例示され、これらの1種または2種以上を用いるこ
とができる。入手性、洗浄力などの面から、ドデシル
基、テトラデシル基、ヘキサデシル基およびオクタデシ
ル基が好ましく挙げられ、これらの1種または2種以上
が用いることができる。式(1)のXは水素原子又は炭
素数1〜3のアルキル基を示す。炭素数1〜3のアルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基が挙げられる。これらのうち、入手性、
安定性などの面から、Xは水素原子又はメチル基が好ま
しい。
【0021】式(1)のGは炭素数2〜12の二価の炭
化水素基を示す。炭素数2〜12の二価の炭化水素基と
しては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペン
テン基、ヘキセン基、ヘプセン基、オクテン基、ノニレ
ン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基を挙
げることができる。これらのうち、入手性、安定性など
の面から、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好
ましく、さらには、−(CH23−で表される基が最も
好ましい。式(1)のmは−(GO)−の繰り返し数で
あり0〜10の数を示す。水溶液の安定性の面からmは
0または2〜4が好ましく、さらにアミドベタイン型両
性界面活性剤自身の安定性から、mは0が最も好まし
い。
【0022】式(1)のR2は炭素数1〜3のアルキレ
ン基を示す。炭素数1〜3のアルキレン基としては、メ
チレン基、エチレン基、プロピレン基を挙げることがで
きる。これらのうち入手性の面からメチレン基が好まし
い。前記のアミドベタイン型両性界面活性剤は1種また
は2種以上を用いることができる。市販品としては、例
えば、ニッサンアノンBDF−SF(日本油脂(株)製
脂肪酸アミドプロピルベタイン)、アンヒトール20A
B(花王(株)製ラウリン酸アミドプロピルベタイ
ン)、エナジコールL−30B(ライオン(株)製アミ
ドプロピルベタイン)、SWANOL AM−3130
N(日光ケミカルズ(株)製ヤシ油脂肪酸アミドプロピ
ルジメチルアミノ酢酸ベタイン)等が挙げられる。
【0023】以上の式(1)で示されるアミドベタイン
型両性界面活性剤は、洗浄成分及び酵素安定化剤として
作用する。中でも入手のしやすさ、安定性などの点から
混合脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましく用いられ
る。また、アミドベタイン型両性界面活性剤は適量用い
られるが、酵素安定性が発揮される好ましい濃度は、5
〜40重量/体積%である。より好ましくは、20〜3
5重量/体積%である。濃度が40重量/体積%より高
いと粘度が高く取り扱いが困難であり、また、濃度が5
重量/体積%より低いと酵素安定化の効果が十分でない
ので好ましくない。
【0024】本発明に用いられるカルシウム塩として
は、水溶性であれば特に限定されるものではないが、例
えば、塩化カルシウム、臭化カルシウム、酢酸カルシウ
ム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、アスコルビ
ン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、グルコン酸カル
シウム等を挙げることができる。またその使用濃度は好
ましくは0.001重量/体積%〜1重量/体積%、さ
らに好ましくは0.01重量/体積%〜0.2重量/体
積%である。その使用濃度が0.001重量/体積%未
満ではその酵素安定化の効果が十分ではなく、またその
使用濃度が1重量/体積%を超えると塩析など溶液の安
定性に問題があるので好ましくない。
【0025】本発明に用いる水溶性カルシウム塩は、酵
素安定性をより高めるために作用する。カルシウム塩単
独での酵素安定化効果も知られているが、その効力は限
られたものであり、実用に供することはできなかった。
カルシウム塩とベタイン型両性界面活性剤の相乗効果に
より酵素安定性は飛躍的に向上する。
【0026】本発明に用いる酵素は、蛋白質分解酵素で
ある。生体由来の汚れの主成分は蛋白質と脂質である。
脂質汚れは界面活性剤で洗浄することができるが、蛋白
質汚れは蛋白質分子が大きいために界面活性剤だけでは
除去しにくい。酵素で蛋白質汚れを分解することにより
蛋白質汚れの除去を容易にすることができる。
【0027】本発明で用いる蛋白質分解酵素は、アミド
ベタイン型両性界面活性剤を基質として分解することが
なければ特に限定されるものではないが、具体的には例
えば、サブチリシン{酵素番号3.4.14.62;商
品名「アルカラーゼ」(ノボノルディスク社製)、「ビ
オプラーゼ」(ナガセ生化学工業(株)製)など}、ト
リプシン、キモトリプシン、パパイン等を挙げることが
できる。これらの酵素は1種または2種以上を用いても
よい。
【0028】本発明の安定化された蛋白質分解酵素は、
前記アミドベタイン型両性界面活性剤と前記カルシウム
塩とを含む溶液中に、蛋白質分解酵素を配合することに
より、容易に得ることができる。ここでアミドベタイン
型両性界面活性剤と水溶性カルシウム塩とを含む溶液と
は、アミドベタイン型両性界面活性剤と水溶性カルシウ
ム塩を、水又は水溶液等の適当な溶媒に溶解させた溶液
であればいかなるものであってもよい。
【0029】前記溶液により蛋白質分解酵素を配合する
には、蛋白質分解酵素を、前記溶液中に好ましくは0.
0001重量/体積%〜1重量/体積%、さらに好まし
くは0.01重量/体積%〜0.2重量/体積%の濃度
で配合させればよい。酵素濃度が0.0001重量/体
積%未満では酵素としての効果が十分に発揮されないた
め好ましくなく、また、酵素濃度が1重量/体積%を超
えると洗浄等の操作の後で過剰な酵素が残留する恐れが
あり、アレルギー等の問題が生じやすくなるので好まし
くない。
【0030】さらに前記溶液には、アミドベタイン型両
性界面活性剤と水溶性カルシウム塩以外に、必要に応じ
て本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を自由に
配合してもよい。配合する成分としては、例えば塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等の無機
塩;塩酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、リン酸
塩(リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸
一カリウム、リン酸二カリウム等)、クエン酸塩(クエ
ン酸ナトリウム等)、トリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン、グリシン等のpH調整剤;ポリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリ
コールのブロック共重合体、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン等の粘度調整剤;エチレングリコール、グリ
セリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ショ
糖、トレハロース等の多価アルコール;クロロブタノー
ル、塩化ベンザルコニウム、チメロザール、グルコン酸
クロルヘキシジン溶液、パラオキシ安息香酸エステル、
ポリヘキサメチレンビグアニド等の防腐剤などが挙げら
れる。
【0031】アミドベタイン型両性界面活性剤と水溶性
カルシウム塩とを含む溶液を用いて安定化された蛋白質
分解酵素は、液体洗浄剤中に添加して、安定化された蛋
白質分解酵素を含有する液体洗浄剤組成物とすることが
できる。本発明の安定化された蛋白質分解酵素を含有す
る液体洗浄剤組成物は、前記したアミドベタイン型両性
界面活性剤と水溶性カルシウム塩と蛋白質分解酵素を含
む溶液に、公知の洗浄剤成分を適宜配合させることによ
り得ることができる。配合できる洗浄剤成分としては、
公知の洗浄剤成分であればいかなるものでもよいが、例
えば、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、
陽イオン性界面活性剤等の界面活性剤;研磨剤;脂質分
解酵素、糖鎖分解酵素等の酵素などを配合することがで
きる。
【0032】本発明の液体洗浄剤組成物は、希釈して使
用することもできる。具体的には、布帛、食器、臨床検
査用機器、医療用具、コンタクトレンズ等蛋白質の汚れ
が付着した物を前記の液体洗浄剤の溶液に浸漬あるいは
該溶液を滴下してこする等の簡単な操作で洗浄を行うこ
とができる。特に、本発明の洗浄剤組成物は、コンタク
トレンズ用の洗浄剤等に適する。本発明の液体洗浄剤組
成物は、粘度を下げて浸漬による洗浄をしやすくするた
めに水又は水溶液で10〜1000倍に希釈した液体洗
浄剤の希釈溶液とすることができる。この時用いられる
水又は水溶液とは、精製水、水道水等を好ましく挙げる
ことができ、またこれらの水には、無機塩、pH調整
剤、等張化剤、粘度調整剤、防腐剤、酵素安定化剤など
を含んでいてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明の安定化された蛋白質分解酵素は
活性を長期間維持することができる。また、本発明の洗
浄剤組成物は、優れた酵素安定性と洗浄力を有し、なお
かつ安全性にも優れた洗浄剤組成物である。
【0034】
【実施例】次に具体例を用いて本発明をさらに詳細に説
明する。用いた測定方法は以下のとおりである。 <蛋白質分解酵素活性の測定方法>Z−アラニル−アラ
ニル−ロイシル−p−ニトロアニリドを基質とし、蛋白
質分解酵素により分解して遊離したp−ニトロアニリン
を分光光度計を用いて定量した。以下の式から酵素の残
存活性を計算した。 残存活性(%)=[保存後の酵素活性/調製直後の酵素
活性]×100 <蛋白質分解酵素の安定化試験1>試料の溶液をサンプ
ルビンにつめた状態で、40℃で1ヶ月保存した後の酵
素活性を前記の方法で測定した。 <蛋白質分解酵素の安定化試験2>試料の溶液をサンプ
ルビンにつめた状態で、25℃で1週間保存した後の酵
素活性を前記の方法で測定した。 <洗浄力試験>本発明の実施例又は比較例の溶液をそれ
ぞれリン酸緩衝液(pH7.4)で50倍に希釈し、洗
浄液とした。ウシ血清アルブミン0.39重量%、γ−
グロブリン0.16重量%、リゾチーム0.12重量
%、豚胃ムチン0.1重量%(いずれも和光純薬工業
製)を含む生理食塩水中で、市販のコンタクトレンズ
(セイコーエプソン社製「セイコーハードEX1」)を
60℃で2時間処理し、コンタクトレンズを汚染させ
た。このコンタクトレンズを上記洗浄液に2時間浸漬し
た後、水道水で洗浄し、さらに1%ドデシル硫酸ナトリ
ウム(和光純薬工業製)水溶液でコンタクトレンズから
蛋白質を剥離させ、その溶液中の蛋白量をマイクロBC
Aキット(ピアス社製)を用いて測定し、洗浄前の汚れ
に対する蛋白質汚れの除去率(%)を計算した。この汚
れ除去率が90%以上であれば、通常、目視による汚れ
は認められないので、十分な洗浄力を持つ良好な洗浄剤
であると判断した。結果を表1および表2に示した。汚
れ除去率が90%以上であるものを○、90%未満であ
るものを×で表した。
【0035】実施例1 脂肪酸アミドプロピルベタインとして、ニッサンアノン
BDF−SF(日本油脂株式会社製、脂肪酸アミドプロ
ピルベタイン30%含有)99.76g、塩化カルシウ
ム2水和物0.14g、アルカラーゼ(ノボノルディス
クバイオインダストリー社製)0.1gを混合した。こ
の液を40℃、1ヶ月保存した後の酵素活性の初期の活
性の98.1%であった。
【0036】実施例2 ニッサンアノンBDF−SF99.886g、塩化カル
シウム2水和物0.014g、アルカラーゼ0.1gを
混合した。この液を40℃、1ヶ月保存した後の酵素活
性は初期の活性の91.8%であった。
【0037】実施例3 ニッサンアノンBDF−SF98.86g、塩化カルシ
ウム2水和物0.14g、α−キモトリプシン1.0g
を混合した。この液を25℃、1週間保存した後の活性
は初期の活性の86.5%であった。
【0038】比較例1 アルカラーゼ0.1gを精製水で100gに希釈した。
この液を40℃で1ヶ月保存した後の酵素活性は初期の
酵素活性の10.3%であった。
【0039】比較例2 塩化カルシウム2水和物0.14g、アルカラーゼ0.
1gを精製水で100gに希釈した。この液を40℃、
1ヶ月保存した後の酵素活性は初期の活性の11.2%
であった。
【0040】比較例3 ニッサンアノンBDF−SF99.9gとアルカラーゼ
0.1gと混合した。この液を40℃、1ヶ月保存した
後の酵素活性は初期の活性の36.6%であった。
【0041】比較例4 ラウリルジメチルベタインとして、ニッサンアノンBL
(日本油脂株式会社製、ラウリルジメチルベタイン33
%含有)99.76g、塩化カルシウム2水和物0.1
4g、アルカラーゼ0.1gを混合した。この液を40
℃、1週間保存した後の酵素活性は元の活性の3.4%
であった。
【0042】比較例5 イミノジカルボン酸型両性界面活性剤として、ニッサン
アノンLA(日本油脂株式会社製、ラウリルイミノジカ
ルボン酸27%含有)99.9g、アルカラーゼ0.1
gを混合を混合した。この液を40℃、1週間保存した
後の酵素活性は測定限界以下であった。
【0043】比較例6 イミノジカルボン酸型両性界面活性剤として、ニッサン
アノンLA(日本油脂株式会社製、ラウリルイミノジカ
ルボン酸27%含有)99.76g、塩化カルシウム2
水和物0.14g、アルカラーゼ0.1gを混合したと
ころ、直ちに沈殿を生じたために酵素安定性ならびに洗
浄力の試験をすることができなかった。
【0044】比較例7 塩化カルシウム2水和物0.14g、α−キモトリプシ
ン1.0g、トリス(ヒドロキシエチル)アミノメタン
0.6g、1N塩酸1.5mLを精製水に溶解し、全量
を100mLとした。この液を25℃、1週間保存した
後の活性は元の活性の7.6%であった。以上の結果を
表1および表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】実施例1〜3、比較例1〜5、7の試料を
用いて行った前記の洗浄力試験の結果を表1および表2
に併せて示した。また、実施例1〜3の配合組成物の試
料を用いて酵素による両性界面活性剤の分解がないこと
を確認した。以上の結果、本発明の実施例1〜3は比較
例1〜7に比べて、優れた酵素安定性を示すことがわか
る。また、本発明の洗浄剤組成物を用いた実施例では、
優れた洗浄力を有し、なおかつ、アミドベタイン型両性
界面活性剤の安全性にも優れていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/50 C12N 9/50 9/56 9/56 9/76 9/76

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛋白質分解酵素にアミドベタイン型両性界
    面活性剤および水溶性カルシウム塩を液状で配合してな
    る安定化された蛋白質分解酵素。
  2. 【請求項2】アミドベタイン型両性界面活性剤が、式
    (1) 【化1】 (但し、式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基を示
    し、Xは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示
    し、Gは炭素数2〜12の二価の炭化水素基を示し、m
    は平均付加モル数であり、0〜10の数を示し、R2
    炭素数1〜3のアルキレン基を示す)で示されるアミド
    ベタイン型両性界面活性剤であり、水溶性カルシウム塩
    が、塩化カルシウム、臭化カルシウム、酢酸カルシウ
    ム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、アスコルビ
    ン酸カルシウム、安息香酸カルシウムおよびグルコン酸
    カルシウムからなる群より選択される1種または2種以
    上であり、蛋白質分解酵素が、サブチリシン、トリプシ
    ン、キモトリプシンおよびパパインからなる群より選ば
    れる1種または2種以上である、請求項1記載の安定化
    された蛋白質分解酵素。
  3. 【請求項3】式(1)のアミドベタイン型両性界面活性
    剤のR1が炭素数8〜22のアルキル基であり、Xが水
    素原子であり、Gが−(CH23−で表される基であ
    り、mが0であり、R2が炭素数1〜3のアルキレン基
    である請求項2記載の安定化された蛋白質分解酵素。
  4. 【請求項4】アミドベタイン型両性界面活性剤および水
    溶性カルシウム塩により蛋白質分解酵素を安定化する方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれか1項に記載の安定
    化された蛋白質分解酵素を含有してなる液体洗浄剤組成
    物。
  6. 【請求項6】アミドベタイン型両性界面活性剤5〜40
    重量/体積%、水溶性カルシウム塩0.001〜1重量
    /体積%および蛋白質分解酵素0.0001〜1重量/
    体積%含む請求項5記載の液体洗浄剤組成物。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の液体洗浄剤組成物を、水
    又は水溶液に10〜1000倍に希釈した液体洗浄剤の
    希釈溶液。
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