JP2002031127A - ブランケット装着構造 - Google Patents

ブランケット装着構造

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JP2002031127A
JP2002031127A JP2000214964A JP2000214964A JP2002031127A JP 2002031127 A JP2002031127 A JP 2002031127A JP 2000214964 A JP2000214964 A JP 2000214964A JP 2000214964 A JP2000214964 A JP 2000214964A JP 2002031127 A JP2002031127 A JP 2002031127A
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ring
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ring piece
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Masashi Sasaki
将志 佐々木
Kazukiyo Kono
和清 河野
Terubumi Tanimoto
光史 谷本
Kiyoshi Nakano
清 中野
Kentaro Akega
健太郎 明賀
Shigeru Mineo
繁 三根生
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブランケット装着構造に関し、ブランケット
を周方向に均一な力でヘッドに固定できるようにし、且
つ、シール性を十分に確保できるようにする。 【解決手段】 ヘッド3に半径方向外側に向けて形成さ
れたブランケット支持面3Aと複数の円弧状リング片1
5に分割された分割リング14との間にブランケット4
を狭装し、押し付け手段17により分割リング14をブ
ランケット支持面に向けて押し付けることによってブラ
ンケット4をヘッド3に固定するように構成するととも
に、リング片15の周方向両端部にそれぞれ嵌合構造1
5A,15Bを形成し、ブランケット4のヘッド3への
装着時には隣接するリング片15,15の端部間を互い
に嵌合させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抄紙機等に備えら
れるロングニッププレスロールのブランケット装着構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】抄紙機には、対向して設置された相手ロ
ールとの間に紙やフェルト等の薄い帯状のウェブを所定
の圧力で挟み込み、ウェブにニップ圧を与えることでウ
ェブの脱水処理や成形処理を行なうプレスロール(ロン
グニッププレスロール)が備えられている。このプレス
ロールは、センタシャフトの両端部にベアリングを介し
て支持されたヘッドに、不浸透性且つ可撓性の円筒状の
薄肉体(ブランケット)を装着したものであり、ブラン
ケット内部のセンタシャフト上には、相手ロールと協働
してウェブにニップ圧を与えるためのプレスシューが配
設されている。また、ブランケットのヘッドへの装着部
にはシールが施されており、ブランケット内の内圧は大
気圧よりも若干高めに設定されている。
【0003】ところで、運転時には、ブランケットは高
速回転するとともに、相手ロールとのニップ係合部にお
いてプレスシューからの押圧力を受けるため、ブランケ
ットの装着部には大きな荷重が加わることになる。この
ため、装着部の強度が低い場合には使用により破損する
虞があり、また、強度はあってもブランケットの固定が
不十分である場合にはシール性を確保することができ
ず、ブランケット内の内圧が低下したり、プレスシュー
に供給されている潤滑油が外部に漏れてしまう虞があ
る。
【0004】そこで、特開平4−327289号に開示
された技術では、ブランケット(ジャケット)を十分な
力でヘッド(端壁)に固定できるように、また、ヘッド
の周方向に均一な力で固定できるように、ヘッドの内側
に断面形状が楔形の円形溝を形成し、この円形溝内にブ
ランケットの端部とともに複数の同一の円弧状リング片
(セグメント)に分割された楔形断面を有する円形のク
ランプ部材を挿入し、ボルトによりクランプ部材を円形
溝内に押し込むことによって、クランプ部材と円形溝と
の楔作用によってブランケットをヘッドにクランプする
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
技術(特開平4−327289号に開示された技術)に
は以下のような課題がある。すなわち、上記の技術で
は、ブランケットを外側からヘッドに固定すべくクラン
プ部材をブランケットの外側に配設する場合において、
クランプ部材を複数の同一の円弧状リング片に分割し、
各リング片毎にブランケットをクランプするようにして
いるが、リング片間に隙間がある場合には、この隙間部
分にはクランプ力が作用しない。このため、ブランケッ
トとヘッドとの間の固定力が周方向に完全には均一には
ならず、固定力が不十分な部分においてシール性が十分
に確保できず空気漏れや油漏れが発生してしまう虞があ
る。
【0006】また、上記の技術では、ブランケットを内
側からヘッドに固定すべくクランプ部材をブランケット
の内側に配設する場合において、楔力を周方向に均一に
分散できるようにすべくクランプ部材には半径方向及び
軸線方向に延びる複数のスロットを設けているが、この
ようにクランプ部材にスロットを設けるとその部分から
空気や油が外部に漏れてしまう。また、クランプ部材を
複数の同一の円弧状リング片に分割した場合も同様であ
り、リング片間の隙間から空気や油が外部に漏れてしま
う。この点に関し上記の技術では、他の部分にシール部
材を設けることによってシール性を確保しているが、別
にシール部材を設けるだけ装置構造が複雑化し、コスト
が増大してしまう。
【0007】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、ブランケットを周方向に均一な力でヘッドに
固定できるようにし、且つ、シール性を十分に確保でき
るようにした、ブランケット装着構造を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のブランケット装着構造では、回転を拘束さ
れて支承されたセンタシャフトと、該センタシャフトの
両端部に回転自在に支持された一対のヘッドと、前記一
対のヘッド間に装着された可撓性の円筒状のブランケッ
トと、該センタシャフト上に配設され該ブランケットの
内周面に摺接するプレスシューとを備えたプレスロール
において該ブランケットを該ヘッドに装着するためのブ
ランケット装着構造であって、該ヘッドに半径方向外側
に向けて形成された該ブランケットの内周面と同径或い
は略同径のブランケット支持面と、該ブランケットの外
周面と同径或いは略同径の内周面を有し周方向に複数の
円弧状リング片に分割された分割リングと、該分割リン
グを該ブランケット支持面に向けて押し付ける押し付け
手段とを備え、該ブランケット支持面と該分割リングと
の間に該ブランケットを狭装し該押し付け手段により該
分割リングを該ブランケット支持面に向けて押し付ける
ことによって該ブランケットを該ヘッドに固定するよう
に構成するとともに、該リング片の周方向両端部にそれ
ぞれ嵌合構造を形成し、該ブランケットの該ヘッドへの
装着時には隣接するリング片の端部間を互いに嵌合させ
るように構成したことを特徴としている。
【0009】該嵌合構造の構成としては、一定幅の溝が
形成された凹部と、該溝と同幅或いは略同幅の舌が形成
された凸部とから構成するのが好ましく、この場合、隣
接する一方のリング片の端部には該凹部を形成し、他方
のリング片の端部には該凸部を形成して、該ブランケッ
トの該ヘッドへの装着時には上記一方のリング片の該凹
部に上記他方のリング片の該凸部を嵌合させるようにす
る。隣接する一方のリング片の端部に該凹部及び/又は
該凸部を複数形成するとともに、他方のリング片の端部
に上記一方のリング片の端部形状に対応するように該凹
部及び/又は該凸部を複数形成するのも好ましい。
【0010】また、上記目的を達成するために、別の本
発明のブランケット装着構造では、前記発明と同様にプ
レスロールにおいてブランケットをヘッドに装着するた
めのブランケット装着構造であって、該ヘッドに半径方
向内側に向けて形成された該ブランケットの外周面と同
径或いは略同径のブランケット支持面と、該ブランケッ
トの内周面と同径或い略同径の外周面を有し周方向に複
数の円弧状リング片に分割された分割リングと、該分割
リングを該ブランケット支持面に向けて押し付ける押し
付け手段とを備え、該ブランケット支持面と該分割リン
グとの間に該ブランケットを狭装し、該押し付け手段に
より該分割リングを該ブランケット支持面に向けて押し
付けることにより、該ブランケットを該ヘッドに固定す
るように構成するとともに、該リング片の周方向両端部
に係止構造を形成し、該ブランケットの該ヘッドへの装
着時には隣接するリング片の端部間を互いに係止させる
ように構成したことを特徴としている。
【0011】該係止構造の構成としては、楔状の溝が形
成された凹部と、該溝よりも小幅の逆楔状の舌が形成さ
れた凸部とから構成するのが好ましく、この場合、隣接
する一方のリング片の端部には該凹部を形成し、他方の
リング片の端部には該凸部を形成して、該ブランケット
の該ヘッドへの装着時には上記一方のリング片の該凹部
と上記他方のリング片の該凸部とを係止させるようにす
る。より好ましくは、該凹部及び/又は該凸部の係止面
に弾性部材を貼設するようにする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図4は本発明の第1実施形
態としてのブランケット装着構造を示すものである。ま
ず、図1を用いて本ブランケット装着構造が適用される
プレスロールの構成について説明する。
【0013】図1に示すように、本プレスロール30
は、装置幅方向に配設されたセンタシャフト1の周囲
に、円筒形のブランケット4を装備している。センタシ
ャフト1は回転を拘束された状態で図示しないスタンド
に両端部を支承されており、その軸上には一対の円盤形
のヘッド3,3をベアリング2を介して回転自在に軸支
している。ブランケット4はこれらヘッド3,3にその
両端部を装着されており、ベアリング2を介してセンタ
シャフト1の周りを自在に回転できるようになってい
る。また、ブランケット4は気密かつ液密な可撓性の材
質で形成されており、ブランケット4とヘッド3,3と
で囲まれたプレスロール30の内部空間は大気圧よりも
高い所定圧力下に置かれている。
【0014】また、センタシャフト1には相手ロール6
に対向してプレスシュー5が配置されている。プレスシ
ュー5は、相手ロール6と協働して、ブランケット4と
相手ロール6との間で挟持される図示しないウェブを加
圧し、ウェブの脱水処理及び成形処理を行なう手段であ
る。プレスシュー5は油圧で作動し、プレスシュー5と
ブランケット4とは油膜を介して摺接するようになって
いる。
【0015】次に、本実施形態のブランケット装着構造
の構成について、図2〜図4を用いて説明する。図2,
図3に示すように、ヘッド3にはブランケット4を支持
するためのブランケット支持面3Aが形成されている。
ブランケット支持面3Aは半径方向外側に向けて形成さ
れた円筒形の曲面であり、その曲率半径はブランケット
4の内周面の曲率半径と同径かやや小さい程度に設定さ
れている。また、ブランケット支持面3Aよりも軸方向
外側には、周方向に等間隔で複数の位置決め用ピン10
が半径方向に向けて突設されている。ブランケット4の
端部には、上記ピン10位置に対応して周方向に複数の
ピン孔9が穿設されている。
【0016】本ブランケット装着構造では、ヘッド3に
設けられた各ピン10をブランケット4のピン孔9に引
っ掛けてブランケット4を位置決めした状態で、ブラン
ケット4を半径方向内側に向けてブランケット支持面3
Aに押し付け固定することで、ブランケット4がヘッド
3に装着されるようになっている。そして、本ブランケ
ット装着構造では、このブランケット4のブランケット
支持面3Aへの固定を分割リング14を用いて機械的に
行なっている。
【0017】分割リング14は円環状の金属リングであ
り、その軸方向の幅はブランケット支持面3Aの幅より
も小さく、その内周面の曲率半径はブランケット4の外
周面の曲率半径、具体的には最終押し付け時の曲率半径
と同径か略同径に設定されている。分割リング14は、
周方向に複数の円弧状のリング片15に分割されてい
る。
【0018】各リング片15は、図4に示すように、そ
の一端部に凹部15Aが形成され他端部に凸部15Bが
形成されている。凹部15Aには周方向に平行な一定幅
の溝15aが形成されており、凸部15Bには周方向に
平行な一定幅の舌15bが形成されている。溝15aと
舌15bとは同幅であり、溝15aの深さと舌15bの
長さも等しく設定されている。各リング片15の周方向
の長さは、図4に示すように、締め付け時において舌1
5bの先端と溝15aの底部との間及び舌15bの基端
部と溝15aの開口先端部との間に若干の隙間が形成さ
れるように設定されている。また、各リング片15の内
周面側には、ブランケット4との密着性を考慮してゴム
等の弾性部材16が貼設されている。
【0019】本ブランケット装着構造では、分割リング
14をブランケット4に押し付ける押し付け手段とし
て、円環状の締め付けバンド17を用いている。締め付
けバンド17は、その軸方向の幅を分割リング14の幅
よりも広く設定されており、分割リング14の外周面全
体を均一な力で締め付け、分割リング14を半径方向内
側に押し付けるようになっている。また、締め付けバン
ド17の締め付け力は、ボルト17aの締め量により調
整できるようになっている。
【0020】次に、上述のように構成された本発明の第
1実施形態としてのブランケット装着構造の作用及び効
果について説明する。本ブランケット装着構造では、上
述のように分割リング14によってブランケット4をヘ
ッド3のブランケット支持面3Aに押し付けている。分
割リング14は複数の円弧状のリング片15に分割され
ているので、ブランケット4は各リング片15毎に押し
付けられることになる。このとき、隣接するリング片1
5,15間に軸方向に連通する隙間があると、その隙間
においてはブランケット4は押し付け力を受けないこと
になり、シール性が不十分になってしまう。
【0021】しかしながら、本ブランケット装着構造で
は、各リング片15の周方向両端部には凹部15Aと凸
部15Bとが形成されており、ブランケット4の押し付
け時には隣接するリング片15,15の凹部15Aと凸
部15Bとは互いに嵌合する。このため、隣接するリン
グ片15,15間に軸方向に連通する隙間が形成される
ことはなく、ブランケット4は周方向に均一な力でブラ
ンケット支持面3Aに押し付け固定される。さらに、凹
部15Aの溝15aと凸部15Bの舌15bとは共に周
方向に平行に一定幅で形成されており、さらに、同幅で
あることから、嵌合部における軸方向のガタはなく、ブ
ランケット4とヘッド3との間の押し付け力は軸方向に
おいても均一化される。
【0022】また、凹部15Aの溝15aと凸部15B
の舌15bとが共に周方向に平行に一定幅で形成されて
いることから、凸部15Bの舌15bは凹部15Aの溝
15a内を周方向に自在にスライド移動することが可能
であり、締め付けバンド17による締め付け時に干渉す
ることはない。さらに、各リング片15の周方向の長さ
は、締め付けバンド17による締め付け時において、舌
15bの先端と溝15aの底部との間及び舌15bの基
端部と溝15aの開口先端部との間に若干の隙間が形成
されるように設定されているので、各リング片15が周
方向に干渉して径方向への変位が拘束されることがな
く、ブランケット4を十分な力で締め付けることができ
る。
【0023】したがって、本ブランケット装着構造によ
れば、ブランケット4を周方向に均一な力でヘッド3の
ブランケット支持面3Aに押し付け固定できるととも
に、これによりブランケット4とヘッド3との間のシー
ル性を十分に確保することができるという利点がある。
なお、各リング片15の端部形状は本実施形態の形状に
限定されるものではなく、図5に示すように一端部に複
数の凹部15Aを形成するとともに、他端部には一端部
の形状に応じて複数の凸部15Bを形成するようにして
もよい。このような構成によれば、リング片15,15
同士の噛み合いを向上させることができ、ブランケット
4を安定して押し付けることができるようになる。
【0024】次に、本発明の第2実施形態としてのブラ
ンケット装着構造について図6〜図9を用いて説明す
る。なお、図6〜図9において、前述した第1実施形態
と同一の部位については同一の符号を符号を付して示
し、その詳細な説明は省略するものとする。図6に示す
ように、本プレスロール40は、第1実施形態と同様
に、回転を拘束されて支承されたセンタシャフト1と、
センタシャフト1の両端部にベアリング2を介して回転
自在に支持された一対のヘッド33,33と、ヘッド3
3,33間に装着された可撓性の円筒状のブランケット
4と、センタシャフト1上に配設されブランケット4の
内周面に摺接するプレスシュー5とを備えている。
【0025】本実施形態のブランケット装着構造は、第
1実施形態が半径方向外側から内側に向かってブランケ
ット4をヘッド3に押し付け固定していたのに対し、図
7に示すように半径方向内側から外側に向かってブラン
ケット4をヘッド33に押し付け固定し、ブランケット
4内の内圧保持及びシーリングを行なっているのを特徴
としている。
【0026】具体的は、ヘッド33は、図6,図8に示
すようにベアリング2に支持された内リング部34と内
リング部34の外周に嵌合する外リング部35とから構
成されており、外リング部35の内周面にブランケット
4を支持するためのブランケット支持面35Aが形成さ
れている。ブランケット支持面35Aの曲率半径はブラ
ンケット4の外周面の曲率半径と同径かやや大きい程度
に設定されている。また、内リング部34には後述する
分割リング44の軸方向の移動を拘束するためのストッ
パ34Aが形成されており、ブランケット支持面35A
よりも軸方向外側には周方向に等間隔で複数の位置決め
用ピン10が半径方向に向けて突設されている。
【0027】本ブランケット装着構造では、内リング部
34に設けられた各ピン10をブランケット4のピン孔
9に引っ掛けてブランケット4を位置決めした状態で、
図7に示すように、ブランケット4を半径方向外側に向
けて外リング部35のブランケット支持面35Aに押し
付け固定することで、ブランケット4がヘッド3に装着
されるようになっている。そして、本ブランケット装着
構造では、このブランケット4の固定を分割リング44
を用いて行なっている。
【0028】分割リング44は円環状の金属リングであ
り、周方向に複数の円弧状のリング片45に分割されて
いる。分割リング44の軸方向の幅はブランケット支持
面35Aの幅よりも小さく、その外周面の曲率半径はブ
ランケット4の内周面の曲率半径、具体的には最終押し
付け時の曲率半径と同径か略同径に設定されている。ま
た、分割リング44の内周面は軸方向内側に向けて拡径
するテーパ状に形成されている。
【0029】各リング片45は、図9に示すように、そ
の一端部に凹部45Aが形成され他端部に凸部45Bが
形成されている。凹部45Aには楔状の溝45aが形成
されており、凸部45Bには逆楔状の舌45bが形成さ
れている。舌45bは溝45aよりも小幅に形成されて
いるが、その先端部の幅は溝45aの開口部の幅よりも
広く設定されている。また、各リング片45の外周面側
には、ブランケット4との密着性を考慮してゴム等の弾
性部材46が貼設されており、溝45a及び舌45bの
側面にもゴム等の不浸透性の弾性部材47が貼設されて
いる。
【0030】本ブランケット装着構造では、分割リング
44をブランケット4に押し付ける押し付け手段とし
て、テーパ状リング20を用いている。前述したように
分割リング44の内周面はテーパ状に形成されており、
このテーパ状に形成された分割リング44の内周面にテ
ーパ状リング20の外周面が係合するようになってい
る。そして、ネジ21を締めてテーパ状リング20を軸
方向外側に移動させることにより、分割リング44はテ
ーパ状リング20から受ける押し付け力の径方向分力に
より、ブランケット4をブランケット支持面35Aに押
し付けるようになっている。なお、分割リング44はテ
ーパ状リング20により軸方向にも押し付けられるが、
内リング部34のストッパ34Aにより軸方向の移動は
制限されるようになっている。
【0031】次に、上述のように構成された本発明の第
2実施形態としてのブランケット装着構造の作用及び効
果について説明する。本ブランケット装着構造では、上
述のように分割リング44によってブランケット4をヘ
ッド33のブランケット支持面35Aに押し付けてい
る。分割リング44は複数の円弧状のリング片45に分
割されているので、ブランケット4は各リング片45毎
に押し付けられることになるが、半径方向内側から外側
に向かって押し付けられるため、各リング片45は周方
向に分離する方向の力を受ける。このとき、各リング片
45の周方向両端部には楔形の溝45aを有する凹部4
5Aと逆楔形の舌45bを有する凸部45Bとが形成さ
れているので、図9(b)に示すように溝45aの開口
部と舌45bの先端部とが互いに係止する。
【0032】このため、隣接するリング片45,45間
に軸方向に連通する隙間が形成されることはなく、ブラ
ンケット4は周方向に均一な力でブランケット支持面3
5Aに押し付け固定される。また、逆楔状の舌45bの
両側面が楔状の溝45aに係止し、さらに、舌45b及
び溝45aの両側面にゴム等の不浸透性の弾性部材47
が貼設されていることから、リング片45,45間の隙
間は確実にシールされる。
【0033】したがって、本ブランケット装着構造によ
れば、第1実施形態と同様にブランケット4を周方向に
均一な力でヘッド33のブランケット支持面35Aに押
し付け固定できるとともに、これによりブランケット4
とヘッド33との間のシール性を十分に確保することが
できるという利点がある。また、隣接するリング片4
5,45同士が互いに係止することで、同時にリング片
45,45間の隙間もシールすることができるという利
点がある。
【0034】さらに、第1実施形態ではブランケット4
の装着の際、ブランケット4をブランケット4の内径よ
りも小径のブランケット支持面3Aに外側から押し付け
るため、予め高精度にてブランケット4等を製作してお
かねば装着時にブランケット4に皺等が発生する可能性
がある。また,ブランケット4の半径方向外側に存在す
る分割リング14が相手ロール6と干渉する可能性もあ
る。これに対し、本ブランケット装着構造によれば、半
径方向内側からブランケット4をブランケット支持面3
5Aに押し付けるため、ブランケット4等に製作誤差が
多少あったとしてもブランケット4に皺等が発生するこ
とはない。また、分割リング44が相手ロール6と干渉
することもない。
【0035】以上、本発明の実施の形態として2つの実
施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。例えば、上述の各実
施形態において分割リング14,44をブランケット支
持面3A,35Aに向けて押し付ける押し付け手段は、
締め付けバンド17やテーパ状リング20に限定される
ものではなく、分割リング14,44をブランケット支
持面3A,35Aに向けて確実に押し付けることができ
る手段であればよい。
【0036】また、第1実施形態におけるリング片15
の端部形状は、平行溝15aや平行舌15bに限定され
るものではなく、締め付け時に互いに嵌合するような形
状であればよい。第2実施形態におけるリング片45の
端部形状も同様であり、締め付け時に互いに係止してリ
ング片45,45間の隙間をシールするような形状であ
ればよい。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のブランケ
ット装着構造によれば、分割リングを構成する各リング
片の周方向両端部に形成された嵌合構造によって、ブラ
ンケットのヘッドへの装着時には隣接するリング片の端
部間が互いに嵌合するので、隣接するリング片間に隙間
が生じることはなく、ブランケットを周方向に均一な力
でヘッドに押し付け固定できるとともに、これによりブ
ランケットとヘッドとの間のシール性を十分に確保する
ことができるという利点がある(請求項1)。
【0038】特に、嵌合構造を一定幅の溝が形成された
凹部と、凹部の溝と同幅或いは略同幅の舌が形成された
凸部とから構成し、隣接する一方のリング片の端部には
凹部を形成し、他方のリング片の端部には凸部を形成し
て、ブランケットのヘッドへの装着時には一方のリング
片の凹部に他方のリング片の凸部を嵌合させるようにし
た場合には、嵌合部における軸方向のガタをなくすこと
ができ、ブランケットとヘッドとの間の押し付け力をよ
り均一化することができるという利点がある(請求項
2)。
【0039】さらに、隣接する一方のリング片の端部に
凹部及び/又は凸部を複数形成するとともに、他方のリ
ング片の端部に上記一方のリング片の端部形状に対応す
るように凹部及び/又は凸部を複数形成した場合には、
リング片同士の噛み合いを向上させることができるとい
う利点がある(請求項3)。
【0040】また、別の本発明のブランケット装着構造
によれば、分割リングを構成する各リング片の周方向両
端部に形成された係止構造によって、ブランケットのヘ
ッドへの装着時には隣接するリング片同士が係止するの
で、ブランケットを周方向に均一な力でヘッドに押し付
け固定でき、これによりブランケットとヘッドとの間の
シール性を十分に確保することができるとともに、リン
グ片間の隙間もシールすることができるという利点があ
る(請求項4)。
【0041】特に、係止構造を楔状の溝が形成された凹
部と、凹部の溝よりも小幅の逆楔状の舌が形成された凸
部とから構成し、隣接する一方のリング片の端部には凹
部を形成し、他方のリング片の端部には凸部を形成し
て、ブランケットのヘッドへの装着時には一方のリング
片の凹部と他方のリング片の凸部とを係合させるように
した場合には、逆楔状の舌の両側面が楔状の溝に係止す
るので、リング片間の隙間を確実にシールすることがで
きるという利点がある(請求項5)。
【0042】さらに、凹部及び/又は凸部の係止面に弾
性部材を貼設した場合には、シール性をさらに向上させ
ることができるという利点がある(請求項6)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのブランケット装
着構造にかかるプレスロールの構成を示す摸式的断面図
である。
【図2】本発明の第1実施形態としてのブランケット装
着構造を示す、図1のII−II方向矢視断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態としてのブランケット装
着構造を示す、図2のIII−III方向矢視断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態としてのブランケット装
着構造にかかる分割リングの嵌合構造を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態としてのブランケット装
着構造にかかる分割リングの嵌合構造の他の例を示す図
である。
【図6】本発明の第2実施形態としてのブランケット装
着構造にかかるプレスロールの構成を示す摸式的断面図
である。
【図7】本発明の第2実施形態としてのブランケット装
着構造を示す、図6のIIV−IIV方向矢視断面図であ
る。
【図8】本発明の第2実施形態としてのブランケット装
着構造を示す、図7のIIIV−IIIV方向矢視断面図であ
る。
【図9】本発明の第2実施形態としてのブランケット装
着構造にかかる分割リングの係止構造を示す図であり、
(a)は係止前の状態を示す図、(b)は係止状態を示
す図である。
【符号の説明】
1 センタシャフト 2 ベアリング 3,33 ヘッド 3A,35Aブランケット支持面 4 ブランケット 5 プレスシュー 6 相手ロール 14,44 分割リング 15,45 リング片 15A,45A 凹部 15a,45a 溝 15B,45B 凸部 15b,45b 舌 16,46,47 弾性部材 17 締め付けバンド 20 テーパ状リング 30,40 プレスロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷本 光史 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社紙・印刷機械事業部内 (72)発明者 中野 清 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社紙・印刷機械事業部内 (72)発明者 明賀 健太郎 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社紙・印刷機械事業部内 (72)発明者 三根生 繁 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社紙・印刷機械事業部内 Fターム(参考) 3J103 AA02 AA13 AA27 AA28 AA75 BA31 BA41 BA47 CA03 CA05 CA25 CA36 CA78 EA08 FA02 FA18 FA22 GA02 GA52 GA55 HA01 HA04 HA12 HA31 HA53 4L055 CE78 CG14 CG15 FA22 FA30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転を拘束されて支承されたセンタシャ
    フトと、該センタシャフトの両端部に回転自在に支持さ
    れた一対のヘッドと、前記一対のヘッド間に装着された
    可撓性の円筒状のブランケットと、該センタシャフト上
    に配設され該ブランケットの内周面に摺接するプレスシ
    ューとを備えたプレスロールにおいて該ブランケットを
    該ヘッドに装着するためのブランケット装着構造であっ
    て、 該ヘッドに半径方向外側に向けて形成された該ブランケ
    ットの内周面と略同径のブランケット支持面と、 該ブランケットの外周面と略同径の内周面を有し周方向
    に複数の円弧状リング片に分割された分割リングと、 該分割リングを該ブランケット支持面に向けて押し付け
    る押し付け手段とを備え、 該ブランケット支持面と該分割リングとの間に該ブラン
    ケットを狭装し該押し付け手段により該分割リングを該
    ブランケット支持面に向けて押し付けることによって該
    ブランケットを該ヘッドに固定するように構成するとと
    もに、 該リング片の周方向両端部にそれぞれ嵌合構造を形成
    し、該ブランケットの該ヘッドへの装着時には隣接する
    リング片の端部間を互いに嵌合させるように構成したこ
    とを特徴とする、ブランケット装着構造。
  2. 【請求項2】 該嵌合構造が、 一定幅の溝が形成された凹部と、 該溝と略同幅の舌が形成された凸部とからなり、 隣接する一方のリング片の端部には該凹部を形成し、他
    方のリング片の端部には該凸部を形成して、該ブランケ
    ットの該ヘッドへの装着時には上記一方のリング片の該
    凹部に上記他方のリング片の該凸部を嵌合させるように
    構成したことを特徴とする、請求項1記載のブランケッ
    ト装着構造。
  3. 【請求項3】 隣接する一方のリング片の端部に該凹部
    及び/又は該凸部を複数形成するとともに、他方のリン
    グ片の端部に上記一方のリング片の端部形状に対応する
    ように該凹部及び/又は該凸部を複数形成したことを特
    徴とする、請求項2記載のブランケット装着構造。
  4. 【請求項4】 回転を拘束されて支承されたセンタシャ
    フトと、該センタシャフトの両端部に回転自在に支持さ
    れた一対のヘッドと、前記一対のヘッド間に装着された
    可撓性の円筒状のブランケットと、該センタシャフト上
    に配設され該ブランケットの内周面に摺接するプレスシ
    ューとを備えたプレスロールにおいて該ブランケットを
    該ヘッドに装着するためのブランケット装着構造であっ
    て、 該ヘッドに半径方向内側に向けて形成された該ブランケ
    ットの外周面と略同径のブランケット支持面と、 該ブランケットの内周面と略同径の外周面を有し周方向
    に複数の円弧状リング片に分割された分割リングと、 該分割リングを該ブランケット支持面に向けて押し付け
    る押し付け手段とを備え、 該ブランケット支持面と該分割リングとの間に該ブラン
    ケットを狭装し、該押し付け手段により該分割リングを
    該ブランケット支持面に向けて押し付けることにより、
    該ブランケットを該ヘッドに固定するように構成すると
    ともに、 該リング片の周方向両端部に係止構造を形成し、該ブラ
    ンケットの該ヘッドへの装着時には隣接するリング片の
    端部間を互いに係止させるように構成したことを特徴と
    する、ブランケット装着構造。
  5. 【請求項5】 該係止構造が、 楔状の溝が形成された凹部と、 該溝よりも小幅の逆楔状の舌が形成された凸部とからな
    り、 隣接する一方のリング片の端部には該凹部を形成し、他
    方のリング片の端部には該凸部を形成して、該ブランケ
    ットの該ヘッドへの装着時には上記一方のリング片の該
    凹部と上記他方のリング片の該凸部とを係止させるよう
    に構成したことを特徴とする、請求項4記載のブランケ
    ット装着構造。
  6. 【請求項6】 該凹部及び/又は該凸部の係止面に弾性
    部材を貼設したことを特徴とする、請求項5記載のブラ
    ンケット装着構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018199331A (ja) * 2013-02-20 2018-12-20 クラウン・パッケージング・テクノロジー・インク 缶装飾装置および方法

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