JP2002030251A - 鱗片状シリカ粒子を含有する透明な塗膜 - Google Patents

鱗片状シリカ粒子を含有する透明な塗膜

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JP2002030251A
JP2002030251A JP2000206264A JP2000206264A JP2002030251A JP 2002030251 A JP2002030251 A JP 2002030251A JP 2000206264 A JP2000206264 A JP 2000206264A JP 2000206264 A JP2000206264 A JP 2000206264A JP 2002030251 A JP2002030251 A JP 2002030251A
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JP2000206264A
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Kunihiko Terase
邦彦 寺瀬
Maki Inoue
真樹 井上
Atsushige Fujii
淳成 藤井
Hidekazu Ono
英一 小野
Takayoshi Sasaki
隆好 佐々木
Yoshimi Oba
好美 大場
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DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
Dokai Chemical Industries Co Ltd
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DOKAI CHEMICAL IND CO Ltd
Dokai Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカを含有する不透明な硬化塗膜に透明
性を付与する。 【解決手段】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに
面間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シ
リカ2次粒子及び透明な有機高分子物質を含有する不透
明な塗膜上に透明な有機高分子からなる上塗り層を形成
するか、シリカ粒子の粒子径を特定の範囲以下とする等
の処理を施して透明化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、葉状シリカ2次粒
子及び有機高分子物質を含有する硬化塗膜において、こ
れに透明性を付与する処理がされている実質的に透明な
硬化塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先に、鱗片状シリカの薄
片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚重なっ
て形成される葉状シリカ2次粒子から実質的になり、互
いに独立に存在する積層構造の粒子形態を有する鱗片状
シリカ粒子及び有機高分子物質からなる新規な硬化塗膜
を提案した(特願平11−351182号)。
【0003】当該塗膜中に含有される積層構造の特異な
粒子形態を有するシリカ2次粒子は、本発明者らにより
初めて創出されたものであるが、当該粒子をアクリル樹
脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系等の従来の有機
塗料に配合使用する場合は、その特異な粒子形態及びそ
の物性に起因して、当該塗膜に、耐水性、耐酸性、耐ア
ルカリ性、耐候性等の優れた特性を付与することができ
る。また、基本的には、当該粒子は、自己造膜性に優れ
るため、塗膜中で配向し、互いに積み重なった状態で存
在するので、塗膜に硬度や基体との密着性を付与する。
例えば、通常の有機塗料の塗膜の鉛筆硬度がB〜4B程
度であるところ、当該シリカ2次粒子を配合すると、そ
の硬度は、H〜4H程度へと向上する。
【0004】また、このシリカ2次粒子は、有機系紫外
線遮蔽剤や酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどの
無機系紫外線遮蔽剤とともに併用することにより、紫外
線遮蔽機能等の光学的機能を有する塗膜を形成できる。
この場合、当該シリカ2次粒子は配向性に優れ、それ自
体強い自己造膜性を有する積層構造の葉状シリカ粒子で
あるため、塗膜中において酸化チタン粒子等の粒子を効
果的に担持して、当該シリカ粒子に沿って配向せしめ、
その光学特性が格段に向上した塗膜が形成されると考え
られる。
【0005】同様にして、当該シリカ粒子を赤外線吸収
などの光選択透過機能物質、蛍光顔料や蛍光体等の蛍光
機能をもつ物質、光酸化触媒機能を有する物質、芳香・
消臭機能を有する物質等とともに併用することにより、
これらの機能がより効果的に奏される塗料とすることも
できる。
【0006】以上のごとく、積層構造の特異な粒子形態
を有する葉状シリカ2次粒子を塗膜中に配合することに
より、塗膜自体の耐水性や耐酸性が大幅に向上するとと
もに、かつ、酸化チタン粒子等の機能性粒子の塗膜中に
おける配向性・分散性を大幅に向上させることにより当
該機能性粒子の機能が格段に強化されるため、その適用
範囲は、極めて大きいものである。
【0007】しかしながら、惜しむらくは、この葉状シ
リカ2次粒子を塗膜中に配合した場合は、塗膜自体の透
明性が低下する場合があった。
【0008】一般的に塗膜自体に透明性が要求される分
野は多く、例えばガラス板、プラスチック板、鋼板、ア
ルミニウム板、コンクリート、モルタル、木材等の基
体、またはこれら基体上に施されるカラーベース塗膜や
カラーハードコート塗膜等の上に形成される種々の機能
を有する高透明性の塗膜(所謂クリア塗膜)、更にはク
リアカラー塗膜等としては、透明性の高い塗膜であるこ
とが望まれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のごとき優れた特性を有する葉状シリカ2次粒子を配合
した塗膜について、その適用性を一層向上せしめ、上記
のごとき、より広範囲な用途にも好適に適用しうるよう
にするため、当該塗膜の透明性をより高めること、特に
当該シリカ粒子の配合比率が高い場合においても、透明
性の高い塗膜を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の重要性に鑑み鋭意検討した結果、上記塗膜表面を、こ
れと同種あるいは異種の透明な有機高分子物質で処理す
ることにより、或いは配合する葉状シリカ2次粒子とし
て、その平均粒子径が1μm未満と云う特定の範囲のも
のを使用することにより、驚くべきことに、当該塗膜の
耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐候性等の優れた特性
を何ら損なうことなく、当該硬化塗膜の透明性を大幅に
向上できることを見出した。本発明は、かかる知見によ
りなされるに到ったものである。
【0011】すなわち、本発明に従えば、(1) 鱗片状
シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複
数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒子及び透明な
有機高分子物質を含有する塗膜であって、当該塗膜の塗
膜厚み50μmに換算した波長500nmの光の透過率
が70%以上であることを特徴とする実質的に透明な硬
化塗膜、が提供される。
【0012】また、本発明に従えば、(2) 鱗片状シリ
カの薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向し複数枚
重なって形成される葉状シリカ2次粒子及び透明な有機
高分子物質を含有する塗膜、及び透明な有機高分子物質
の上塗り層からなる塗膜であって、当該塗膜の塗膜厚み
50μmに換算した波長500nmの光の透過率が70
%以上であることを特徴とする実質的に透明な硬化塗
膜、が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明の硬化塗膜中に配合されるシリカ粒
子は、鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面間が平行
的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリカ2次粒
子であって、これが互いに独立に存在する積層構造の粒
子形態を有するものである。このシリカ2次粒子は、鱗
片状1次粒子が重なって形成されるものであるが当該1
次粒子は、走査型電子顕微鏡(以下、SEMと略称す
る。)では、識別できず、SEMではこれが面間が平行
的に配向して複数枚重なった葉状2次粒子だけが識別で
きるものであり、また、透過型電子顕微鏡(以下、TE
Mと略称する。)を用いて観察すると、電子線が一部透
過するような極薄片粒子である1次粒子が識別できるよ
うなものである。
【0015】なお、上記1次粒子からなるの層間の結合
は極めて強固であって、葉状2次粒子から、その構成単
位である薄片状の当該1次粒子を完全に1枚ずつ剥離
し、単離することは、通常極めて困難である。しかしな
がら、場合によっては、後記する方法によれば、上記重
なりを保持したまま、2枚以上のより薄い重なりからな
る葉状シリカ2次粒子に解砕することができる。
【0016】本発明における葉状シリカ2次粒子は、シ
リカの3次凝集体粒子(3次粒子)を解砕することによ
り得られる。
【0017】当該シリカ3次凝集体粒子は、そのSEM
写真から観察されるように、葉状2次粒子が不規則に重
なり合い、この重なりによって作られる多数の間隙(空
隙またはポケット)を有するもので、見かけ上、キャベ
ツ状、タマネギ状、花弁状、つぼみ状、巻き貝状等の、
状態により種々に表現される形態をとりうるものであ
る。
【0018】このシリカ3次凝集体粒子は、好ましく
は、本発明者らが先に提案した方法により製造できる
(特開2000−72432号)。
【0019】すなわち、球状や不定形状のシリカヒドロ
ゲルを出発物質として、アルカリ金属の存在下で水熱処
理する方法であって、本発明におけるシリカ3次凝集体
粒子であるシリカ−X、シリカ−Y等をより低温度・短
時間反応で、クオーツ等の結晶を生成させること無く、
しかも収率高く製造することができる方法である。
【0020】ここで球状のシリカヒドロゲルは、古くか
ら知られているように、シリカヒドロゾルを石油類その
他の媒体中で、球形状に固化せしめて生成してもよい
が、より好ましくは、特公昭48−13834号に記載
されているように、シリカ/アルカリモル比( SiO2
/Me2 O(MeはNa等のアルカリ金属を示す。) )
3.5〜20mol/mol、シリカ濃度2〜20質量
%程度のケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液を混合し
て、pH7〜9程度のシリカゾルを短時間で生成させる
と同時に、気体媒体中に放出し、当該気体中でゲル化さ
せる方法により製造される。
【0021】このようなシリカヒドロゲルを出発原料と
し、オートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱して水熱
処理を行い、シリカ3次凝集体粒子を生成させる。その
場合、この球状シリカヒドロゲルをそのまま使用しても
よいが、好ましくは、粉砕または粗粉砕して、粒径0.
1〜6mm程度としたものが、オートクレーブ中での撹
拌をより効果的に行えるために望ましい。
【0022】水熱処理は、シリカ−Xやシリカ−Y等の
単一相を短時間で得るため、150〜220℃の温度範
囲で行われ、好ましくは160〜200℃で行われる。
【0023】また、必要な水熱処理の時間は、水熱処理
の温度や種晶の添加の有無等により変わりうるが、通
常、3〜50時間、好ましくは、5〜40時間程度であ
る。
【0024】かくして水スラリー状で得られたシリカ3
次凝集体粒子を、本発明者らが先に提案した特定の方法
で解砕・分散化することにより、固形分濃度1〜30質
量%の葉状シリカ2次粒子の水スラリーが得られる(特
願平11−351182号)。
【0025】すなわち、ベルトフィルターや濾布式遠心
分離機等の固液分離・水洗装置を用いて、シリカ3次凝
集体粒子スラリーを水洗・固液分離し、必要に応じてさ
らに水でリパルプし、シリカ3次凝集体粒子からなるS
iO2 濃度1〜30質量%の水スラリーとし、これを粉
砕媒体を用い機械的に高速撹拌する方式の湿式ビーズミ
ル、湿式ボールミルなどの湿式粉砕装置(解砕装置)に
供給して、鱗片状シリカ3次凝集体粒子を解砕処理す
る。ここで葉状シリカ2次粒子を、粉砕・破壊しないた
めには、直径0.2〜1.0mmのアルミナ又はジルコ
ニア等の媒体ビーズを用いる湿式ビーズミルが特に好ま
しい。
【0026】かくして、3次粒子を実質的に含まない、
薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向して複数枚重
なった葉状シリカ2次粒子がスラリーとして得られる。
【0027】別法として、シリカ3次凝集体粒子のスラ
リーを媒体流動層乾燥機により乾燥して乾燥粉末とし、
これを上記と同様にして湿式粉砕(解砕)して、葉状シ
リカ2次粒子のスラリーとしてもよい。
【0028】一方、葉状シリカ2次粒子の乾燥粉末を得
る方法としては、上記2次粒子スラリーを、粒子同士の
凝集を防止し収率よく得るため、SiO2 濃度を0.1
〜5質量%、好ましくは1〜3質量%に調整して噴霧乾
燥することにより得られる。或いは、シリカ3次凝集体
粒子の乾燥粉末を、乾式粉砕機能と乾式分級機能との組
合せからなる乾式粉砕・分級機、例えば、ジェットミル
と高速回転式分級機又は風力分級機の両方を組み合わせ
て用いて、平均粒子径0.001〜10μm、好ましく
は0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜10
μm程度の分散した葉状シリカ2次粒子へと連続的に解
砕してもよい。
【0029】本発明における葉状シリカ2次粒子の基本
物性は、以下のとおりである。このシリカ2次粒子にお
けるシリカのSiO2 純度は、99.0質量%以上であ
る。pHは、6.0〜8.0であり、X線回折のスペク
トルとしては、米国のASTM(American Society for
Testing and Materials)に登録されているカード(以
下単にASTMカードと称する。)番号16−0380
に該当する2θ=4.9°、26.0°、及び28.3
°の主ピークを特徴とするシリカ−X及び/又はAST
Mカード番号31−1233に該当する2θ=5.6
°、25.8°及び28.3°の主ピークを特徴とする
シリカ−Yからなるシリカである。吸油量(JIS K
5101)は、100〜150ml/100gである。
【0030】葉状シリカ2次粒子の平均粒子径は、本発
明で使用する場合は、0.001〜10μm、好ましく
は0.01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜10
μm程度である。ここで平均粒子径の測定方法として
は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、
堀場製作所社製、LA−920型)、動的光散乱式粒度
分布測定装置(例えば、堀場製作所社製、LB−500
型)、或いはコールターカウンター(例えば、コールタ
ーエレクトロニクス社製、MA−II型)等を、粒子径の
範囲に応じて適宜適用することにより、測定される。
【0031】本発明における葉状シリカ2次粒子とは、
またSEMで観察した場合、その厚さが0.001〜
0.5μm、厚さに対する葉状シリカ2次粒子(板)の
最長長さの比(アスペクト比)は、少なくとも5以上の
ものであり、厚さに対する葉状シリカ2次粒子(板)の
最小長さの比(アスペクト比)は、2以上を有するもの
である。葉状シリカ2次粒子の厚さに対する最長長さの
比及び最小長さの比の上限は、特に規定するものではな
いが、前者は300以下、後者は150以下が好まし
い。
【0032】このシリカ2次粒子の細孔分布をBET法
(日本ベル社製、商品名ベルソープ−28型)により測
定すると、細孔容積は、0.05〜0.15ml/g、
比表面積は、30〜80m2 /gである。
【0033】とくに注目すべきは、細孔分布曲線から
は、細孔直径2〜6nm、特には3.5〜4.0nm付
近に鋭い大きなピークが認められることである。
【0034】光学的な物性としては、当該シリカ2次粒
子の光の屈折率(試料粉の浸漬法による偏向顕微鏡を用
いる直交ニコルによる観察)は、1.48〜1.52で
ある。
【0035】また、当該シリカ(熱処理していない常温
でのSiO2 )の赤外吸収スペクトル(FT−IR)
は、3600〜3700cm-1、3400〜3500c
-1にそれぞれ1つの吸収帯をもつシラノール基をもつ
シリカである。また、BET法による比表面積当たりの
シラノール基の量は、50〜70μmol/m2 という
大きな値を有している(シリカゲルの数倍)。このた
め、有機高分子の水性エマルションに配合してこれを基
体上に塗布して塗膜とした場合、当該塗膜に親水性を付
与することができる。
【0036】このシリカ2次粒子の酸水溶液及びアルカ
リ水溶液に対する20℃での飽和溶解度は低い。すなわ
ち、溶解SiO2 濃度は、10質量%のHCl水溶液に
対しては、0.008質量%、イオン交換水に対して
は、0.006質量%、5質量%NaOH水溶液に対し
ては、0.55質量%、10質量%NaOH水溶液に対
しては、0.79質量%であり、酸、アルカリのいずれ
に対しても、小さな溶解度であり、耐酸性、耐アルカリ
性を有することを示す。特に、シリカゲルやコロイダル
シリカに比較して、非常に小さなアルカリ水溶液への溶
解度であり、耐アルカリ性を有することを示す。
【0037】本発明の硬化塗膜は、基本的には、以上の
ような葉状シリカ2次粒子及び透明な有機高分子物質を
含有する塗膜である。
【0038】本発明の硬化塗膜は、上記葉状シリカ2次
粒子、透明な有機高分子物質及び揮発性液体からなる硬
化性組成物を、基体上に塗布し、乾燥させることにより
形成される。
【0039】透明な有機高分子物質としては、例えば、
アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ス
チレン樹脂系、シリコン樹脂系、フッ素樹脂系及びこれ
らの少なくとも二種類以上の共重合樹脂系などの透明性
を有する樹脂であり、光の屈折率が、1.3〜1.6で
あるものである。
【0040】また揮発性液体とは、水及び/又は水以外
の揮発性液体、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール、灯
油、軽油などの揮発性有機溶媒である。
【0041】上記成分を均一に混合した硬化性組成物
を、基体(金属、ガラス、セラミックス、プラスチッ
ク、スレート、セメント硬化体、木材、紙など)上に塗
布し、乾燥させて、当該基体上に硬化塗膜を形成させ、
乾燥させる。乾燥温度としては、室温〜200℃、好ま
しくは室温〜100℃、さらに好ましくは、室温〜80
℃である。ここで、硬化性組成物中のSiO2 濃度は、
1〜80質量%であることが好ましい。
【0042】以上のごとくして基体上に形成された本発
明の対象とする硬化塗膜は、細孔容積が0.10ml/
g以上という多孔質構造であり、かつ、基本的には不透
明な塗膜である。
【0043】本発明の硬化塗膜は、上記のごとき組成の
硬化塗膜において、塗膜厚み50μmに換算した波長5
00nmの光の透過率が少なくとも70%以上、好まし
くは80%以上、さらに好ましくは90%以上である実
質的に透明性が付与されたものである。この透明性を付
与する為の手段としては、特に限定するものではない
が、好ましい手段の一つは、透明な有機高分子物質から
なる上塗り層を設けることにより透明性を付与するもの
である。ここで、「塗膜厚み50μmに換算した波長5
00nmの光の透過率が少なくとも70%以上」とは、
波長500nmの光の透過率が、塗膜厚み50μmに換
算したとき、少なくとも70%以上であることを意味す
る。換算は、後記式 (2) により行うことができる。
【0044】なお、上塗り層を設けた硬化塗膜の場合、
ここにいう「塗膜厚み50μmに換算」とは、上塗り層
を除いた硬化塗膜の50μm厚みに換算したものとす
る。
【0045】この上塗り層の形成は、上記の硬化塗膜の
上に、上記と同種または異種の透明な有機高分子物質
(例えば、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン
樹脂系、スチレン樹脂系、シリコン樹脂系、フッ素樹脂
系及びこれらの少なくとも二種類以上の共重合樹脂系な
どの透明性を有する樹脂であり、好ましくは光の屈折率
が1.3〜1.6であるもの)と揮発性液体(水または
上記した有機溶媒)からなる塗料・コーティング剤用途
の硬化性組成物を塗布し、乾燥することによりなされ
る。
【0046】本発明の効果は、表面に文字が印字してあ
る紙の表面を、本発明の透明性を有する硬化塗膜を形成
した透明な石英ガラス板で覆った状態を示す写真により
確認することができる。当該ガラス板の例えば右半分
は、シリカ含有塗膜(混合塗膜)が塗布され、左半分
は、当該塗膜に本発明における透明化処理がなされた状
態とすると、シリカ含有硬化塗膜のままの場合(右)で
は、下地である紙上の文字は、白いシリカ含有塗膜に覆
われてぼんやりとしか、若しくは殆ど見えないが、本発
明における透明化処理がされた場合(左)では、このシ
リカ含有塗膜全体が透明化され、明確に文字が読み取れ
るようになることが認められる。
【0047】この上塗り層により、基本的に不透明であ
る硬化塗膜に透明性が付与される詳細なメカニズムは不
明であるが、おそらく上記の葉状シリカ2次粒子及び透
明な有機高分子物質からなる硬化塗膜中の細孔に、上記
の上塗り層を形成する同種または異種の透明な有機高分
子物質が、含浸・充填されることによる当該細孔容積の
低減の効果及び/又は塗膜表面の微細な凹凸の低減によ
る光の散乱の減少と云う主として二つの作用により透明
性が付与され、かつ、光沢性をも有する硬化塗膜が得ら
れると思われる。ちなみに、かかる硬化塗膜中の細孔
は、塗膜中のシリカ2次粒子の存在により塗膜の乾燥時
に溶媒が離脱した後が完全に縮まないために形成される
と推定され、また塗膜表面の微細な凹凸は、シリカ2次
粒子の粒子径がμmオーダーのものであるところ(コー
ルターカウンターによる測定値)、これが塗膜表面に残
存するために形成されると推定される。
【0048】硬化塗膜中の葉状シリカ2次粒子と透明な
有機高分子物質との固形分総量に対する、葉状シリカ2
次粒子の固形分比率は、90質量%以下、好ましくは8
0質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、1質
量%以上である。90質量%を越える場合には、葉状シ
リカ2次粒子と透明な有機高分子物質を含有する硬化塗
膜中の細孔を、同種または異種の透明な高分子物質で、
実質的に充填しても、硬化塗膜の透明性は、充分高くな
らない。
【0049】また、葉状シリカ2次粒子と透明な有機高
分子物質からなる硬化塗膜中の細孔を、同種または異種
の透明な有機高分子物質で充填し、当該細孔容積を低減
させるメカニズムを実効あらしめるためには、上塗り層
を設けた後の硬化塗膜中の細孔容積が、0.10ml/
g以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.
05ml/g以下であることがより好ましい。細孔容積
が、0.10ml/gを越える場合には、硬化塗膜の透
明性が充分高くならない。
【0050】なお、この細孔容積は、上塗りした後の細
孔容積の測定値(全体)をV1 とすると、以下のように
して求められる。すなわち、基体表面に直接設けられる
葉状シリカ2次粒子と透明な有機高分子からなる塗膜
(本発明においては、これを「混合塗膜」又は「シリカ
含有塗膜」と称することがある。)の厚みをL1 とし、
この上に上塗りした後の総塗膜厚みをL2 とすると、こ
の有機高分子物質のみからなる上塗り塗膜は、シリカ粒
子を含有していないため空隙は存在せず、その細孔容積
は、実質的に0と見なせるので、上塗り後の混合塗膜自
体の細孔容積V2は、式 (1) により、V1 から換算で
きる。
【0051】 V2 =V1 ×(L2 /L1 ) (1) なお、葉状シリカ2次粒子と透明な有機高分子物質から
なる硬化塗膜(混合塗膜)中の細孔に、同種または異種
の透明な有機高分子物質からなる上塗り層を設ける場
合、塗布乾燥後、硬化されて新たに形成される塗膜の塗
膜厚みが大きい場合は、上塗り層としての硬化塗膜が明
確に形成される。しかしながら、細孔中に有機高分子物
質を含浸・充填させて細孔容積を低減させ、又は、塗膜
表面の微細凹凸を低減させるという目的からは、上塗り
層として厚い硬化塗膜が形成されることは、必ずしも必
須ではなく、その塗膜厚みが極めて薄く、実質的に単層
塗膜に近いものであっても良い。すなわち、厚い上塗り
塗膜を形成させることが本質的なのでなく、上記メカニ
ズムを達成するに充分な厚みであれば非常に薄い塗膜で
あってもよく、その厚みは、0.001〜50μm程度
であることが好ましい。
【0052】また、上記のように、ある程度の厚い上塗
り層の硬化塗膜が形成される場合においても、この上塗
り層の硬化性塗膜は、透明な有機高分子物質からなるも
のであるから、基本的には透明性が非常に高い。そのた
め、塗膜全体の透明性は、実質的に硬化塗膜(混合塗
膜)の透明性によって定まるのである。
【0053】なお、本発明の硬化塗膜において上塗り層
の存在は、塗膜破断面の電子顕微鏡観察(SEM−ED
Xによる炭素及びケイ素のマップ解析)により、両層の
厚みと共に、実質的にシリカの存在しない層の存在を検
出することで明確に確認可能である。また、葉状シリカ
2次粒子が硬化塗膜中に含有されていることは、塗膜の
表面を低温酸素プラズマにより灰化処理して、有機高分
子物質のみを除去した後、その表面をSEMにより観察
することにより確認できる。かくして実際に塗膜を灰化
処理して除去してみると、シリカ2次粒子は、予想どお
り、塗膜中に積み重なり配向した状態で存在しているこ
とがSEMにより明確に確認される。また、灰化処理後
に残存しているシリカ2次粒子の粒子径は、すでに述べ
た方法により測定することも可能である。
【0054】以上の方法(以下、「上塗り法」と称する
ことがある。)は、広い粒径範囲のシリカ2次粒子にお
いて適用できる方法であるが、本発明者らは、葉状シリ
カ2次粒子の積層構造を保持したまま、(すなわち当該
粒子の造膜性等の特性を保持したまま)、粒径をより小
さくすることにより、上記上塗り法の効果をより高める
ことができ、場合によっては、上塗り法を適用せずに単
独で使用した場合でも、満足すべき透明性を保持できる
ことを見出した。但し、シリカ2次粒子の粒径を小さく
すると言っても、従来技術のごとく、単に粉砕して微粒
子とすることは、本技術においては、あまり意味がない
ことに注意すべきである。これは、粉砕により、葉状2
次粒子の積層構造すなわち葉状性(高アスペクト比)が
破壊され、最も本質的な特性である造膜性等が大きく損
なわれてしまうからである。
【0055】本発明者らは、葉状シリカ2次粒子の積層
構造を保持したまた微細化するには、すでに述べた直径
0.2〜1.0mmのジルコニアビーズ等の粉砕媒体を
用いる湿式粉砕装置(解砕装置)を使用することが好ま
しいことを見出した。すなわち、シリカ3次凝集体粒子
スラリーを、上記解砕装置に供給して連続的に解砕処理
する場合、すでに述べた方法においては、一回通過(ワ
ンパス)させて2次粒子を得ていたが、これを循環させ
るようにすればよい。通常、循環パス数は、複数回、特
に3回以上行うことが好ましい。なお、循環しない一回
通過(ワンパス)の場合には、一回の滞留時間を十分長
くすればよいのである。
【0056】この解砕方法によれば、意外なことに、実
質的に積層構造が保持されたまま、粒子が微細化される
のである。これは、ここで採用されている微細化のメカ
ニズムが、主としてより厚い積層構造のものから、より
薄い積層構造の粒子になるものであるか、又は、積層厚
みは変わらずに、粒子長さ方向沿った若しくは長さ方向
を横切る解砕等により行われ、いずれにせよ強い衝撃力
に基づく機械的な粉砕により粒子を粉々に砕いて微細化
するようなメカニズムではないため、基本的に積層構造
は、保持されるためと考えられる。事実、微細化後のシ
リカ2次粒子をSEM及び/又はTEMで観察した場
合、積層構造自体に実質的な変化が生じていることは認
められない。また、造膜性が損なわれていないことは、
後記実施例において示されているとおりである。
【0057】以上のごとく積層構造を保持しつつ、微細
化されたシリカ2次粒子を得ることができるが、微細化
された粒子の粒径は、少なくとも1μm未満であること
が好ましく、0.001μm以上である。
【0058】このような、平均粒子径が1μm未満に解
砕された葉状シリカ2次粒子を用いることにより、波長
500nmの光の透過率70%以上の透明性が付与され
た硬化塗膜とすることができるのは、すでに述べたよう
な、当該塗膜内の細孔構造が、低減すること及び/又は
同様にして形成される当該塗膜表面の微細な凹凸が、低
減することによる光の散乱の減少によるものと推定され
る。
【0059】このような微細化された葉状シリカ2次粒
子を使用する方法(以下、「微細化法」と称することが
ある。)は、上記上塗り法を適用せず単独で使用しても
よいし、これを上記上塗り法と併用することも可能であ
るが、少なくとも単独で使用する場合は、その粒径は、
1μm未満であることが好ましい。
【0060】なお、念のため、微細化法を単独で使用す
る場合においては、式 (1) でL1=L2 となるから、
2 =V1 となる。
【0061】(硬化塗膜の透明性の評価方法)本発明に
おいて、硬化塗膜の透明性の評価は、以下の方法で行
う。石英ガラス板を(100mm×100mm×2m
m)を用意し、バーコーター塗り法(JISK 540
0)で、バーコーター(江藤器械社製など)を使用し
て、硬化性組成物を、上記石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とする。その際に、塗布量
(固形分換算)や塗膜厚みを測定しておく。
【0062】この試験片の光の各波長での光の透過率を
自記式分光光度計(日立製作所社製、U−4000型な
ど)で測定する。
【0063】同一処方の塗膜で塗膜厚みの異なる場合
に、同一の塗膜厚みでの光の透過率として比較するため
には、塗膜が厚み方向で均質であるとして、分光光度法
の基本則であるBeer則により式 (2) で計算し換算
するものとする。すなわち、
【0064】 log10(I0 /I)=K*L (2) ここで、 I0 :入射光の強さ I :硬化塗膜透過後の光の強さ L :硬化塗膜の厚み(μm) K :定数(同一処方の塗膜で、塗膜厚みが異なる場合
は、一定となる。)
【0065】なお、本発明においては、葉状シリカ2次
粒子、透明な有機高分子物質及び揮発性液体からなる硬
化性組成物中に、最終的な硬化塗膜の透明性を損なわな
い範囲で、他の機能性材料微粒子(例えば、光学的機能
である紫外線遮蔽機能を有する酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウムなどの微粒
子)を添加、併用することもできる。
【0066】かくして、基体上に有機色素等により文
字、写真、画像等が印刷されている場合、この印刷面上
に、例えば本発明のシリカ2次粒子及び酸化チタン等を
含有する透明な硬化塗膜を形成することにより、当該印
刷された画像等の美感をなんら損なわず、かつ屋外の太
陽光線に曝された場合でも、長期間当該基体上に印刷さ
れた画像の色彩が褪せることがない。かかる基体として
は、特に限定するものではないが、例えば、建築構造物
の壁面、床面、看板、テント構造物、スノーボード、ス
キー、ゴルフボール、ヘルメット等が挙げられる。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0068】以下の実施例において、硬化塗膜の細孔容
積は、窒素吸着法(以下BET法と称する。)細孔分布
測定装置(日本ベル社製、ベルソープー28型)により
測定した。
【0069】また、硬化塗膜の光線透過率は、石英ガラ
ス板上に形成された硬化塗膜の特定の波長の光線に対す
る透過率を自記式分光光度計(日立製作所社製、U−4
000型)で測定した。
【0070】〔合成例1〕(ヒドロゲルを出発原料とす
るシリカ3次凝集体粒子の製造) 出発原料のシリカヒドロゲルは、ケイ酸ナトリウムをア
ルカリ源として次のようにして調整した。SiO2 /N
2 O=3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量
%であるケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/min
と、硫酸濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出口
を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均
一混合して、放出口から空中に放出される液のpHが
7.5〜8.0になるように2液の流量比を調整し、均
一混合されたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中
に放出させた。放出された液は、空気中で球形液滴とな
り、放物線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル化
した。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、
ここに落下せしめて熟成させた。
【0071】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2
質量に対する水の質量比率は、4.55倍であり、シリ
カヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、110ppm
であった。
【0072】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
して、次工程の水熱処理工程に用いた。
【0073】容量50000mlのオートクレーブ(電
気加熱式、アンカ−型撹拌羽根付き)に、系内の総Si
2 /Na2 Oモル比が12.0なるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18質量%)
23.7kg及びケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2
8.75質量%、Na2 O9.3質量%、SiO2 /N
2 O=3.17(モル比))5.5kgを仕込み、こ
れにイオン交換水を10.7kgを加え、50rpmで
撹拌しながら185℃で8時間水熱処理を行った。系内
の総シリカ濃度は、SiO2 として15質量%であっ
た。
【0074】水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心
分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水
洗を行い、有姿含水率69.7質量%(固形分濃度3
0.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0075】上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、
SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとした
後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所社製、SFD−M
INI型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、5.
6kgの乾燥微粉末を得た。
【0076】粉末X線回折スペクトルにより生成微粉末
についての生成相の同定を行ったところ、X線回折スペ
クトルとして、ASTMカード番号16−0380に該
当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴
とするシリカ−Xの主ピーク以外にASTMカード番号
31−1235、37−0386に該当するピークが認
められた。
【0077】また、この微粉末の吸油量(JIS K5
101)を測定したところ、110ml/100gであ
った。
【0078】生成粒子の形態をTEMで観察したとこ
ろ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向
し、複数枚重なって葉状シリカ2次粒子が形成されてい
ることが観察された。
【0079】一方、生成粒子の形態をSEMで観察した
ところ、上記1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ
2次粒子が1次粒子であるかのごときに観察された。当
該葉状粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重な
り合って多数の間隙(空隙またはポケット)を有するシ
リカ3次凝集体粒子が形成されていることが観察され
た。これが本発明におけるシリカ3次凝集体粒子であ
る。
【0080】SEMで観察されるこの葉状粒子(TEM
では、2次粒子に該当)の部分の平均厚さ0.06μm
に対し、当該厚さに対する板の平均最長長さは、5.4
μmでそのアスペクト比は90、板の平均最小長さは
1.6μmで、アスペクト比は27であった。
【0081】この微粉末(シリカ3次凝集体粒子)の平
均粒子径をコールターカウンター(コールターエレクト
ロニクス社製、MAII型、アパーチャーチューブ径50
μm(以下の合成例において同じ))を用いて測定した
ところ、6.1μmであった。
【0082】さらに当該微粉末の結晶型遊離ケイ酸量を
X線回折分析法により測定したところ、検出限界以下
(2%以下)であることがわかった。
【0083】〔合成例2〕(ヒドロゲルを出発原料とす
るシリカ3次凝集体粒子の製造) 出発原料のシリカヒドロゲルは、NaOHをアルカリ源
として次のようにして調整した。SiO2 /Na2 O=
3.0(モル比)、SiO2 濃度21.0質量%である
ケイ酸ナトリウム水溶液2000ml/minと、硫酸
濃度20.0質量%の硫酸水溶液とを、放出口を備えた
容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均一混合し
て、放出口から空中に放出される液のpHが7.5〜
8.0になるように2液の流量比を調整し、均一混合さ
れたシリカゾル液を放出口から連続的に空気中に放出さ
せた。放出された液は、空気中で球形液滴となり、放物
線を描いて約1秒間滞空する間に空中でゲル化した。落
下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、ここに落
下せしめて熟成させた。
【0084】熟成後、pHを6に調整し、さらに十分水
洗して、シリカヒドロゲルを得た。得られたシリカヒド
ロゲル粒子は、粒子形状が球形であり、平均粒子径が6
mmであった。このシリカヒドロゲル粒子中のSiO2
質量に対する水の質量比率は、4.38倍であり、シリ
カヒドロゲル粒子中の残存ナトリウムは、112ppm
であった。
【0085】上記シリカヒドロゲル粒子を、ダブルロー
ルクラッシャーを用いて平均粒子径2.5mmに粗粉砕
して、次工程の水熱処理工程に用いた。
【0086】容量5000mlのオートクレーブ(電気
加熱式、アンカー型撹拌羽根付き)に、系内の総SiO
2 /Na2 Oモル比が11.0なるように、上記粒径
2.5mmのシリカヒドロゲル(SiO2 18.6質量
%)2688g及び水酸化ナトリウム水溶液(NaOH
48.5質量%)126gを仕込み、これにイオン交換
水を1186gを加え、種晶0.5gを添加して、20
rpmで撹拌しながら180℃で12時間水熱処理を行
った。系内の総シリカ濃度は、SiO2 として12.5
質量%であった。
【0087】水熱処理後のスラリーは、濾布式竪型遠心
分離機(東興機械社製、TU−18型)を用いて濾過水
洗を行い、有姿含水率66.7質量%(固形分濃度3
3.3質量%)のシリカの湿ケーキを得た。
【0088】上記湿ケーキに水を添加してリパルプし、
SiO2 濃度7.0質量%のシリカのスラリーとした
後、媒体流動層乾燥機(大川原製作所社製、SFD−M
INI型)を用いて、熱風温度300℃で乾燥し、40
8gの乾燥微粉末を得た。
【0089】生成微粉末を粉末X線回折スペクトルによ
り生成微粉末についての生成相の同定を行ったところ、
X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−
1233に該当する2θ=5.6゜及び25.8゜の主
ピークを特徴とするシリカ−Yの主ピーク以外にAST
Mカード番号35−63、25−1332に該当するピ
ークが認められた。
【0090】また、この微粉末の吸油量(JIS K5
101)を測定したところ、100ml/100gであ
った。
【0091】生成粒子の形態をTEMで観察したとこ
ろ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向
し、複数枚重なって葉状シリカ2次粒子が形成されてい
ることが観察された。
【0092】一方、生成粒子の形態をSEMで観察した
ところ、上記1次粒子は識別できず、上記の葉状シリカ
2次粒子が1次粒子であるかのごときに観察された。当
該葉状粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重な
り合って多数の間隙(空隙またはポケット)を有するシ
リカ3次凝集体粒子が形成されていることが観察され
た。
【0093】このSEMで観察されるこの葉状粒子(T
EMでは、2次粒子に該当)の部分の平均厚さ0.07
μmに対し、当該厚さに対する板の平均最長長さは、
6.0μmでそのアスペクト比は86、板の平均最小長
さは1.8μmで、アスペクト比は26であった。
【0094】また、この微粉末の平均粒子径をコールタ
ーカウンター(コールターエレクトロニクス社製、MA
II型)を用いて測定したところ、6.5μmであった。
さらに該微粉末の結晶型遊離ケイ酸量をX線回折分析法
により測定したところ、検出限界以下(2%以下)であ
ることがわかった。
【0095】〔合成例3〕(合成例1の湿ケーキからス
ラリー状の葉状シリカ2次粒子の製造) 合成例1に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキ1000g( 固形分濃度:30.3質量%) に水1
020gを加えてリパルプし、 固形分15質量%のシ
リカスラリーを調製した。 このスラリーの状態では、
コールターカウンターによる平均粒径は7.2μmであ
り、B型粘度計による粘度は、0.010Pa・sであ
った。
【0096】次にこのスラリーを媒体撹拌ビーズミル
(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKD
L−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径
0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト
回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過さ
せ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行った。
【0097】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコ
ールターカウンターによる平均粒子径は、1.6μmで
あった。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測
定したところ、0.13Pa・sであった。
【0098】次に、当該スラリー中の微粒子の微粒子の
状態に近い乾燥された葉状シリカ2次粒子の物性を調べ
るため、以下の方法で乾燥粉末を得た。
【0099】当該スラリーは、乾燥により極めて凝集し
やすいという特異な性質を有しているため、単分散され
た乾燥粉末を得るには、極めて薄い濃度の水スラリーに
して凝集を防ぎながら乾燥をする必要がある。
【0100】すなわち、当該スラリー(固形分濃度15
質量%)に水を添加し、固形分濃度0.3質量%にスラ
リー濃度を調整した。
【0101】当該スラリーを小型のスプレードライヤー
(ヤマト科学社製、GA32型)を用いて、スラリー供
給量1.7ml/min、噴霧圧力0.3MPa
(G)、熱風温度130℃で噴霧乾燥を行い乾燥微粉末
を得た。
【0102】得られた乾燥微粉末のコールターカウンタ
ーによる平均粒径は、1.9μmであった。
【0103】この微粉末をSEMで観察したところ、シ
リカ3次凝集体粒子は、実質的に認められず、これは、
本発明の葉状シリカ2次粒子から実質的になっているこ
とが判明した。
【0104】この微粉末を念のため粉末X線回折スペク
トルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペ
クトルとして、ASTMカード番号16−0380に該
当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴
とするシリカ−Xの主ピーク以外に、ASTMカード番
号31−1235、37−0386に該当するピークが
認められ、解砕前と同じものであることが確認された。
【0105】生成粒子の形態をTEMで観察したとこ
ろ、鱗片状の薄片1次粒子が互いに面間が平行的に配向
し、複数枚重なって本発明の葉状シリカ2次粒子が形成
されていることが観察された。
【0106】また、この微粉末をエポキシ樹脂に埋包
し、ウルトラミクロトームで超薄切片を作成して、TE
Mで観察したところ、1次粒子の厚みは、1〜10nm
と極めて薄いことがわかった。
【0107】当該微粉体のBET法細孔分布測定装置
(日本ベル社製、ベルソープ28型)による細孔容積は
0.12ml/g、比表面積は、65m2 /gであり、
細孔分布曲線では3.6nm付近にメソ細孔領域の鋭い
大きなピークが認められた。また、当該微粉末の赤外吸
収スペクトル(ニコレージャパン社製、FT−IR51
0型)測定では、3600〜3700cm-1、3400
〜3500cm-1にそれぞれひとつの吸収帯を持つシラ
ノール基が認められた。
【0108】また、シラノール基(SiOH)の量を、
120℃・2時間での乾燥減量と1200℃・3時間で
の加熱減量との差(W質量%とする。)からシリカ単位
質量当たりのシラノール基(SiOH)=W×111
1.1(μmol/g)の計算式により求めると、36
50μmol/gであり、BET法による比表面積当た
りでは56.2μmol/m2 という大きな値を示し
た。
【0109】耐熱性については、空気雰囲気下、500
〜1000℃で、走査型電子顕微鏡での観察では特段の
変化は認められなかった。
【0110】酸水溶液及びアルカリ水溶液に対する20
℃での飽和溶解度については、溶解SiO2 濃度は、1
0質量%HCl水溶液に対しては、0.008質量%、
イオン交換水に対しては、0.006質量%、5質量%
NaOH水溶液に対しては、0.55質量%、10質量
%NaOH水溶液に対しては、0.79質量%であっ
た。特に耐アルカリに関しては、例えばシリカゲルに比
較すると非常に小さな溶解度であった(シリカゲルの場
合、3質量%NaOH水溶液に対しても溶解度は、6.
5質量%である。)。
【0111】〔合成例4〕(合成例2の湿ケーキからス
ラリー状の葉状シリカ2次粒子の製造) 合成例2に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキを用いて合成例3と同様に、媒体撹拌ビーズミル
(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルKD
L−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径
0.5mmジルコニアビーズ80%充填) )でシャフト
回転数3400rpm、流量30L/hで1回通過さ
せ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行い、固形
分濃度15質量%の葉状シリカ2次粒子の水スラリーを
得た。
【0112】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のコ
ールターカウンターによる平均粒子径は1.7μmであ
った。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計で測定
したところ、0.11Pa・sであった。
【0113】〔合成例5〕(合成例1の湿ケーキからス
ラリー状の粒子径1μm未満の葉状シリカ2次粒子の製
造) 合成例1に示した遠心分離機による濾過・水洗後の湿ケ
ーキに水を添加して固形分濃度14質量%に調整したシ
リカ3次凝集体水スラリーを用いて、媒体撹拌ビーズミ
ル(シンマルエンタープライゼズ社製、ダイノーミルK
DL−PILOT A型 (ベッセル容量1.4L、直径
0.5mmジルコニアビーズ70%充填) )でシャフト
回転数3400rpm、流量10L/hで3回通過さ
せ、シリカ3次凝集体粒子の解砕・分散化を行い、固形
分濃度14質量%の葉状シリカ2次粒子の水スラリーを
得た。
【0114】解砕・分散化後のスラリー中の微粒子のレ
ーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社
製、LA−920型)による平均粒子径は、0.54μ
mであった。また、このスラリーの粘度を、B型粘度計
で測定したところ、0.5Pa・sであった。
【0115】また、スラリー中のシリカ粒子をSEMで
観察したところ、合成例3で得られた平均粒径1.6μ
mのシリカ2次粒子とSEMで観察される粒子形態は、
ほとんど差異は認められなかった。
【0116】〔実施例1〕合成例3に記載した媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー
(平均粒子径1.6μm)を20g、及びウレタン樹脂
系水系エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータイ
プ塗料、商品名アデカボンタイターHUX−350、固
形分濃度30質量%)10g(固形分換算でシリカ:樹
脂=1:1)をビーカーに入れ、スターラーで十分撹拌
混合して硬化性組成物とした。
【0117】次に、石英ガラス板(100mm×100
mm×2mm、以下の実施例において同じ。)を用意
し、バーコーター塗り法(JIS K5400)で、#
80バーコーター(江藤器械社製)を使用して、上記硬
化性組成物を、上記石英ガラス板の片面に塗布し、室温
で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算で、約1
8g/m2 乾燥後の塗膜厚みは、約30μmであった。
塗膜の外観は、不透明であり、光沢のない塗膜であっ
た。
【0118】上記の硬化塗膜の上に、ウレタン樹脂系水
性エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータイプ塗
料、商品名アデカボンタイターHUX−350、固形分
濃度30質量%)を、#20バーコーター(江藤器械社
製)を使用して塗布し、室温で乾燥して試験片とした。
塗膜全体の総塗布量は、固形換算で、約24g/m2
乾燥後の硬化塗膜全体の総塗膜厚み(シリカ含有塗膜と
上塗り層の合計厚み。以下、実施例1〜8において同
じ。)は、約40μmであった。
【0119】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積(式 (1) におけるV1 に該
当)は、0.032ml/gであった。これより、シリ
カ含有塗膜層(混合塗膜層)の細孔容積の換算値(式
(1) におけるV2 に該当)を求めるとV2 は、0.0
43ml/gであった。塗膜の外観は、透明であり、光
沢性の高い塗膜であった。
【0120】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜(シリカ含有塗膜+上塗り層)の、波長500nmの
光に対する、光線の透過率を測定したところ、透過率
は、98.85%という高い透過率であった。Beer
則を用いて、式 (2) よりシリカ含有塗膜層(混合塗膜
層)の塗膜厚み50μmの場合に換算した透過率を算出
すると、透過率98.09%であった。
【0121】〔実施例2〕合成例3に記載した媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー
(平均粒子径1.6μm)を24g、及びウレタン樹脂
系水系エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータイ
プ塗料、商品名アデカボンタイターHUX−350、固
形分濃度30質量%)8g(固形分換算でシリカ:樹脂
=6:4)をビーカーに入れ、スターラーで十分撹拌混
合して硬化性組成物とした。
【0122】バーコーター塗り法(JIS K540
0)で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使用し
て、上記硬化性組成物を、石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算
で、約18g/m2 、乾燥後の塗膜厚みは、約30μm
であった。塗膜の外観は、不透明であり、光沢のない塗
膜であった。
【0123】上記の硬化塗膜の上に、ウレタン樹脂系水
性エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータイプ塗
料、商品名アデカボンタイターHUX−350、固形分
濃度30質量%)を、#20バーコーター(江藤器械社
製)を使用して塗布し、室温で乾燥して試験片とした。
塗膜全体の総塗布量は、固形換算で、約24g/m2
乾燥後の塗膜全体の総塗膜厚みは、約40μmであっ
た。
【0124】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積(式 (1) におけるV1 に該
当)は、0.014ml/gであった。これより、シリ
カ含有塗膜層(混合塗膜層)の細孔容積の換算値(式
(1) におけるV2 に該当)を求めるとV2 は、0.0
19ml/gであった。塗膜の外観は、透明であり、光
沢性の高い塗膜であった。
【0125】石英ガラス板上に形成された硬化塗膜の、
波長500nmの光に対する、光線の透過率を測定した
ところ、透過率は、98.97%という高い透過率であ
った。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ含有塗
膜層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の透過率
を算出すると、透過率98.29%であった。
【0126】〔実施例3〕合成例3に記載した媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー
(平均粒子径1.6μm)を32g、及びウレタン樹脂
系水系エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータイ
プ塗料、商品名アデカボンタイターHUX−350、固
形分濃度30質量%)4g(固形分換算でシリカ:樹脂
=8:2)をビーカーに入れ、スターラーで十分撹拌混
合して硬化性組成物とした。
【0127】バーコーター塗り法(JIS K540
0)で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使用し
て、上記硬化性組成物を、石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算
で、約18g/m2 乾燥後の塗膜厚みは、約30μmで
あった。塗膜の外観は、不透明であり、光沢のない塗膜
であった。
【0128】上記の硬化塗膜の上に、ウレタン樹脂系水
性エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータイプ塗
料、商品名アデカボンタイターHUX−350、固形分
濃度30質量%)を、#20バーコーター(江藤器械社
製)を使用して塗布し、室温で乾燥して試験片とした。
塗膜全体の総塗布量は、固形換算で、約24g/m2
乾燥後の塗膜全体の総塗膜厚みは、約40μmであっ
た。
【0129】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積(式 (1) におけるV1 に該
当)は、0.071ml/gであった。これより、シリ
カ含有塗膜層(混合塗膜層)の細孔容積の換算値(式
(1) におけるV2 に該当)を求めるとV2 は、0.0
95ml/gであった。塗膜の外観は、透明であり、光
沢性の高い塗膜であった。
【0130】この結果を、表面に文字列(24ポイント
のゴシック体のアルファベットの文字列)が印字してあ
る紙の表面を、本発明の透明な硬化塗膜を形成した透明
な石英ガラス板で覆った状態を示す写真により確認し
た。すなわち、この石英ガラス板の右半分は、シリカ含
有塗膜が塗布され、左半分は、当該塗膜に本発明におけ
る透明化処理がなされた状態とした場合、シリカ含有塗
膜のままの場合(右)では、不透明であり下地に印字さ
れた文字は、ぼんやりとしか見えないが、透明化処理が
された場合(左)では、塗膜全体が透明化され、明確に
各文字が読み取れることが確認された。
【0131】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜の、波長500nmの光に対する、光線の透過率を測
定したところ、透過率は、94.46%という高い透過
率であった。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ
含有塗膜層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の
透過率を算出すると、透過率90.94%であった。
【0132】〔実施例4〕合成例3に記載した媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー
(平均粒子径1.6μm)を20g、及びウレタン樹脂
系水系エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータイ
プ塗料、商品名アデカボンタイターHUX−350、固
形分濃度30質量%)10g(固形分換算でシリカ:樹
脂=1:1)をビーカーに入れ、スターラーで十分撹拌
混合して硬化性組成物とした。
【0133】バーコーター塗り法(JIS K540
0)で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使用し
て、上記硬化性組成物を、石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算
で、約18g/m2 、乾燥後の乾燥後の塗膜厚みは、約
30μmであった。塗膜の外観は、不透明であり、光沢
のない塗膜であった。
【0134】次に、上記の硬化塗膜の上に、油性フッ素
樹脂系エマルション塗料(旭硝子社製クリアータイプ塗
料、溶媒キシレン、商品名ルミフロンLF−200、固
形分濃度60質量%)を、#20バーコーター(江藤器
械社製)を使用して、塗布し、室温で乾燥して試験片と
した。塗膜全体の総塗布量は、固形換算で、約24g/
2 、乾燥後の塗膜全体の総塗膜厚みは、約40μmで
あった。
【0135】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積(式 (1) におけるV1 に該
当)は、0.033ml/gであった。これより、シリ
カ含有塗膜層(混合塗膜層)の細孔容積の換算値(式
(1) におけるV2 に該当)を求めるとV2 は、0.0
44ml/gであった。塗膜の外観は、透明であり、光
沢性の高い塗膜であった。
【0136】石英ガラス板上に形成された硬化塗膜の、
波長500nmの光に対する、光線の透過率を測定した
ところ、透過率は、98.76%という高い透過率であ
った。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ含有塗
膜層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の透過率
を算出すると、透過率97.94%であった。
【0137】〔実施例5〕合成例3に記載した媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー
(平均粒子径1.6μm)を20g、及びウレタン樹脂
系水系エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータイ
プ塗料、商品名アデカボンタイターHUX−350、固
形分濃度30質量%)10g(固形分換算でシリカ:樹
脂=1:1)をビーカーに入れ、スターラーで十分撹拌
混合して硬化性組成物とした。
【0138】バーコーター塗り法(JIS K540
0)で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使用し
て、上記硬化性組成物を、石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算
で、約18g/m2 、乾燥後の乾燥後の塗膜厚みは、約
30μmであった。塗膜の外観は、不透明であり、光沢
のない塗膜であった。
【0139】次に、上記の硬化塗膜の上に、エポキシ樹
脂系水性エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータ
イプ塗料、商品名アデカレジンEM−0460、固形分
濃度45質量%)を、#20バーコーター(江藤器械社
製)を使用して、塗布し、室温で乾燥して試験片とし
た。塗膜全体の総塗布量は、固形換算で、約24g/m
2 、乾燥後の塗膜全体の総塗膜厚みは、約40μmであ
った。
【0140】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積(式 (1) におけるV1 に該
当)は、0.038ml/gであった。これより、シリ
カ含有塗膜層(混合塗膜層)の細孔容積の換算値(式
(1) におけるV2 に該当)を求めるとV2 は、0.0
51ml/gであった。塗膜の外観は、透明であり、光
沢性の高い塗膜であった。
【0141】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜の、波長500nmの光に対する、光線の透過率を測
定したところ、透過率は、98.04%という高い透過
率であった。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ
含有塗膜層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の
透過率を算出すると、透過率96.75%であった。
【0142】〔実施例6〕合成例3に記載した媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー
(平均粒子径1.6μm)を20g、及びアクリル・ウ
レタン樹脂系水系エマルション塗料(大日本インキ化学
工業社製クリアータイプ塗料、商品名ボンコートHY−
364、固形分濃度45質量%)6.7g(固形分換算
でシリカ:樹脂=1:1)をビーカーに入れ、スターラ
ーで十分撹拌混合して硬化性組成物とした。
【0143】バーコーター塗り法(JIS K540
0)で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使用し
て、上記硬化性組成物を、石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算
で、約18g/m2 、乾燥後の乾燥後の塗膜厚みは、約
30μmであった。塗膜の外観は、不透明であり、光沢
のない塗膜であった。
【0144】次に、上記の硬化塗膜の上に、アクリル・
ウレタン樹脂系水性エマルション塗料(大日本インキ化
学工業社製クリアータイプ塗料、商品名ボンコートHY
−364、固形分濃度45質量%)を、#20バーコー
ター(江藤器械社製)を使用して、塗布し、室温で乾燥
して試験片とした。塗膜全体の総塗布量は、固形換算
で、約24g/m2 、乾燥後の塗膜全体の総塗膜厚み
は、約40μmであった。塗膜の外観は、透明であり、
光沢性の高い塗膜であった。
【0145】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積(式 (1) におけるV1 に該
当)は、0.032ml/gであった。これより、シリ
カ含有塗膜層(混合塗膜層)の細孔容積の換算値(式
(1) におけるV2 に該当)を求めるとV2 は、0.0
43ml/gであった。塗膜の外観は、透明であり、光
沢性の高い塗膜であった。
【0146】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜の、波長500nmの光に対する、光線の透過率を測
定したところ、透過率は、98.75%という高い透過
率であった。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ
含有塗膜層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の
透過率を算出すると、透過率97.93%であった。
【0147】〔実施例7〕合成例4に記載した媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー
(平均粒子径1.6μm)を20g、及びウレタン樹脂
系水系エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータイ
プ塗料、商品名アデカボンタイターHUX−350、固
形分濃度30質量%)10g(固形分換算でシリカ:樹
脂=1:1)をビーカーに入れ、スターラーで十分撹拌
混合して硬化性組成物とした。
【0148】バーコーター塗り法(JIS K540
0)で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使用し
て、上記硬化性組成物を、石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算
で、約18g/m2 、乾燥後の塗膜厚みは、約30μm
であった。塗膜の外観は、不透明であり、光沢のない塗
膜であった。
【0149】次に、上記の硬化塗膜の上に、ウレタン樹
脂系水性エマルション塗料(旭電化工業社製クリアータ
イプ塗料、商品名アデカボンタイターHUX−350、
固形分濃度30質量%)を、#20バーコーター(江藤
器械社製)を使用して、塗布し、室温で乾燥して試験片
とした。塗膜全体の総塗布量は、固形換算で、約24g
/m2 乾燥後の塗膜全体の総塗膜厚みは、約40μmで
あった。
【0150】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積(式 (1) におけるV1 に該
当)は、0.035ml/gであった。これより、シリ
カ含有塗膜層(混合塗膜層)の細孔容積の換算値(式
(1) におけるV2 に該当)を求めるとV2 は、0.0
47ml/gであった。塗膜の外観は、透明であり、光
沢性の高い塗膜であった。
【0151】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜の、波長500nmの光に対する、光線の透過率を測
定したところ、透過率は、98.72%という高い透過
率であった。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ
含有塗膜層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の
透過率を算出すると、透過率97.88%であった。
【0152】〔実施例8〕合成例3に記載した媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度15質量%スラリー
(平均粒子径1.6μm)を、24.4g、ルチル型超
微粒子酸化チタン(石原テクノ社製、商品名TTO−5
1A 平均粒子径0.03μm)を0.12g及びウレ
タン樹脂系水系エマルション塗料(旭電化工業社製クリ
アータイプ塗料、商品名アデカボンタイターHUX−3
50、固形分濃度30質量%)を7.4g(固形分換算
でシリカ:酸化チタン:樹脂=61:2:37)をビー
カーに入れ、スターラーで十分撹拌混合して硬化性組成
物とした。
【0153】バーコーター塗り法(JIS K540
0)で、#100バーコーター(江藤器械社製)を使用
して、上記硬化性組成物を、石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算
で、約30g/m2 、乾燥後の乾燥後の塗膜厚みは、約
50μmであった。塗膜の外観は、不透明であり、光沢
のない塗膜であった。
【0154】次に、上記の硬化塗膜の上に、油性フッ素
樹脂系エマルション塗料(旭硝子社製クリアータイプ塗
料、溶媒キシレン、商品名ルミフロンLF−200、固
形分濃度60質量%)を、#8バーコーター(江藤器械
社製)を使用して、塗布し、室温で乾燥して試験片とし
た。塗膜全体の総塗布量は、固形換算で、約6g/m
2 、乾燥後の塗膜全体の総塗膜厚みは、約55μmであ
った。
【0155】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積(式 (1) におけるV1 に該
当)は、0.030ml/gであった。これより、シリ
カ含有塗膜層(混合塗膜層)の細孔容積の換算値(式
(1) におけるV2 に該当)を求めるとV2 は、0.0
33ml/gであった。塗膜の外観は、透明であり、光
沢性の高い塗膜であった。
【0156】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜の、波長500nmの光に対する、光線の透過率を測
定したところ、透過率は、90.02%という透過率で
あった。
【0157】一方、紫外線である波長400nmの光に
対する、光線の透過率を測定したところ、透過率は、8
3.01%という透過率であった。同様に波長360n
mの光に対する光線の透過率は、52.82%、波長3
20nm光に対する光線の透過率は、26.10%、波
長290nmの光に対する、透過率は、18.54%で
あった。
【0158】〔実施例9〕合成例5に記載した媒体撹拌
ビーズミルで処理した固形分濃度14質量%のスラリー
(平均粒子径0.54μm)を21.4g、及びウレタ
ン樹脂系水系エマルション塗料(旭電化工業社製クリア
ータイプ塗料、商品名アデカボンタイターHUX−35
0、固形分濃度30質量%)10g(固形分換算でシリ
カ:樹脂=1:1)をビーカーに入れ、スターラーで十
分撹拌混合して硬化性組成物とした。
【0159】バーコーター塗り法(JIS K540
0)で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使用し
て、上記硬化性組成物を、石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算
で、約18g/m2 、乾燥後の塗膜厚みは、約30μm
であった。
【0160】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積は、0.031ml/gであ
った。塗膜の外観は、透明であり、光沢性の高い塗膜で
あった。
【0161】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜の、波長500nmの光に対する、光線の透過率を測
定したところ、98.39%という高い透過率であっ
た。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ含有塗膜
層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の透過率を
算出すると、透過率97.33%であった。この硬化塗
膜を、JIS K5400に準拠した鉛筆硬度、碁盤目
剥離試験について評価したところ、鉛筆硬度については
H、碁盤目剥離試験については10点という評価であ
り、造膜性は損なわれていないことが確認された。
【0162】〔実施例10〕合成例5に記載した媒体撹
拌ビーズミルで処理した固形分濃度14質量%のスラリ
ー(平均粒子径0.54μm)を21.4g、及びアク
リル樹脂系水系エマルション塗料(大日本インキ化学工
業社製クリアータイプ塗料、商品名ボンコートBC−2
80、固形分濃度50質量%)6g(固形分換算でシリ
カ:樹脂=1:1)をビーカーに入れ、スターラーで十
分撹拌混合して硬化性組成物とした。
【0163】実施例9と同様にして上記硬化性組成物
を、石英ガラス板の片面に塗布し、室温で乾燥して試験
片とした。塗布量は、固形換算で、約18g/m2 、乾
燥後の塗膜厚みは、約30μmであった。
【0164】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積は、0.030ml/gであ
った。塗膜の外観は、透明であり、光沢性の高い塗膜で
あった。
【0165】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜の、波長500nmの光に対する、光線の透過率を測
定したところ、98.45%という高い透過率であっ
た。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ含有塗膜
層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の透過率を
算出すると、透過率97.43%であった。
【0166】この硬化塗膜を、JIS K5400に準
拠した鉛筆硬度、碁盤目剥離試験について評価したとこ
ろ、鉛筆硬度については2H、碁盤目剥離試験について
は10点という評価であり、造膜性は損なわれていない
ことが確認された。
【0167】〔実施例11〕合成例5に記載した媒体撹
拌ビーズミルで処理した固形分濃度14質量%のスラリ
ー(平均粒子径0.54μm)を21.4g、及びアク
リル樹脂系水系エマルション塗料(大日本インキ化学工
業社製クリアータイプ塗料、商品名ボンコートBC−2
80、固形分濃度50質量%)6g(固形分換算でシリ
カ:樹脂=1:1)をビーカーに入れ、スターラーで十
分撹拌混合して硬化性組成物とした。
【0168】実施例9と同様にして上記硬化性組成物
を、石英ガラス板の片面に塗布し、室温で乾燥して試験
片とした。塗布量は、固形換算で、約18g/m2 、乾
燥後の塗膜厚みは、約30μmであった。
【0169】次に、上記硬化塗膜の上に、アクリル樹脂
系水系エマルション塗料(大日本インキ化学工業社製ク
リアータイプ塗料、商品名ボンコートBC−280、固
形分濃度50質量%)を#20バーコーター(江藤器械
社製)を使用して、塗布し、室温で乾燥して試験片とし
た。塗膜全体の総塗布量は、固形換算で、約24g/m
2 、乾燥後の総塗膜厚みは、約40μmであった。
【0170】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、シリカ含有塗膜層の細孔容積(混合塗
膜層)の細孔容積の換算値(式 (1) におけるV2 に該
当)は、0.028ml/gであった。塗膜の外観は、
透明であり、光沢性の高い塗膜であった。
【0171】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜の、波長500nmの光に対する、光線の透過率を測
定したところ、98.88%という高い透過率であっ
た。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ含有塗膜
層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の透過率を
算出すると、透過率98.14%であった。この硬化塗
膜を、JIS K5400に準拠した鉛筆硬度、碁盤目
剥離試験について評価したところ、鉛筆硬度については
2H、碁盤目剥離試験については10点という評価であ
り、造膜性は損なわれていないことが確認された。
【0172】〔比較例1〕合成例1に示した遠心分離機
による濾過・水洗後の湿ケーキに水を添加して固形分濃
度14質量%に調整したシリカ3次凝集体スラリー5L
を用いて、媒体撹拌ビーズミル(シンマルエンタープラ
イゼズ社製、ダイノーミルKDL−PILOT A型
(ベッセル容量1.4L、直径0.5mmジルコニアビ
ーズ70%充填) )でシャフト回転数3400rpm、
流量10L/hで、15時間スラリーを循環させて、固
形分濃度14質量%の粉砕された水スラリーを得た。
【0173】粉砕後のスラリー中の微粒子のレーザー回
折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−
920型)により測定した平均粒子径は、0.49μm
であった。また、当該シリカ粒子の形態をSEMで観察
したところ、葉状シリカ2次粒子はほぼ全面的に粉砕さ
れて不定形に近い粒子形状となっていることがわかっ
た。
【0174】上記固形分濃度14質量%のスラリーを2
1.4g、及びウレタン樹脂系水系エマルション塗料
(旭電化工業社製クリアータイプ塗料、商品名アデカボ
ンタイターHUX−350、固形分濃度30質量%)1
0g(固形分換算でシリカ:樹脂=1:1)をビーカー
に入れ、スターラーで十分撹拌混合して硬化性組成物と
した。
【0175】バーコーター塗り法(JIS K540
0)で、#80バーコーター(江藤器械社製)を使用し
て、上記硬化性組成物を、石英ガラス板の片面に塗布
し、室温で乾燥して試験片とした。塗布量は、固形換算
で、約18g/m2 、乾燥後の塗膜厚みは、約30μm
であった。
【0176】この硬化塗膜の細孔容積をBET法により
測定したところ、細孔容積は、0.028ml/gであ
った。塗膜の外観は、透明であり、光沢性の高い塗膜で
あった。
【0177】次に、石英ガラス板上に形成された硬化塗
膜の、波長500nmの光に対する、光線の透過率を測
定したところ、98.60%という高い透過率であっ
た。Beer則を用いて、式 (2) よりシリカ含有塗膜
層(混合塗膜層)の塗膜厚み50μmの場合の透過率を
算出すると、透過率97.68%であった。
【0178】しかしながら、この硬化塗膜を、JIS
K5400に準拠した鉛筆硬度、碁盤目剥離試験につい
て評価したところ、鉛筆硬度はHであったが、碁盤目剥
離試験は2点という低い評価であり、基体と塗膜の密着
性が顕著に低下することが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 淳成 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 小野 英一 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 隆好 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 (72)発明者 大場 好美 福岡県北九州市若松区北湊町13番1号 洞 海化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CC001 CD091 CG001 DB001 DG001 DL001 HA446 KA08 KA20 NA01 NA11 NA19 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面
    間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリ
    カ2次粒子及び透明な有機高分子物質を含有する塗膜で
    あって、当該塗膜の塗膜厚み50μmに換算した波長5
    00nmの光の透過率が70%以上であることを特徴と
    する実質的に透明な硬化塗膜。
  2. 【請求項2】 鱗片状シリカの薄片1次粒子が互いに面
    間が平行的に配向し複数枚重なって形成される葉状シリ
    カ2次粒子及び透明な有機高分子物質を含有する塗膜、
    及び透明な有機高分子物質の上塗り層からなる塗膜であ
    って、当該塗膜の塗膜厚み50μmに換算した波長50
    0nmの光の透過率が70%以上であることを特徴とす
    る実質的に透明な硬化塗膜。
  3. 【請求項3】 前記葉状シリカ2次粒子の平均粒子径が
    1μm未満である請求項1又は2に記載の硬化塗膜。
  4. 【請求項4】 当該硬化塗膜中の葉状シリカ2次粒子
    が、X線回折分析での主ピークがシリカ−X及び/又は
    シリカ−Yに該当するシリカである請求項1〜3のいず
    れかに記載の硬化塗膜。
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