JP2002030112A - アニオン交換樹脂、その製法及びこれを用いるクランピング防止方法 - Google Patents

アニオン交換樹脂、その製法及びこれを用いるクランピング防止方法

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JP2002030112A
JP2002030112A JP2000216963A JP2000216963A JP2002030112A JP 2002030112 A JP2002030112 A JP 2002030112A JP 2000216963 A JP2000216963 A JP 2000216963A JP 2000216963 A JP2000216963 A JP 2000216963A JP 2002030112 A JP2002030112 A JP 2002030112A
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anion exchange
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JP2000216963A
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Tadashi Adachi
正 足立
Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カチオン交換樹脂と混合したときにクランピ
ングを起さないアニオン交換樹脂を提供する。 【解決手段】 ハロアルキル基を有する架橋高分子とジ
チオカルバミン酸類とを反応させて、ハロアルキル基を
ジチオカルバモイルアルキル基に転化し、これにラジカ
ル重合開始剤の存在下にビニル化合物をグラフト重合さ
せ、次いで残存しているハロアルキル基にアミンを反応
させてアニオン交換樹脂とする。なお、グラフト重合の
前にアミンを反応させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアニオン交換樹脂の
製造方法に関するものである。本発明方法により製造さ
れたアニオン交換樹脂は、カチオン交換樹脂と混合して
もクランピングを起さないか、又はクランピングを起し
てもその程度が著しく小さいという優れた特徴を有して
いる。
【0002】
【従来の技術】アニオン交換樹脂の使用形態の一つとし
て、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを、それぞ
れ遊離型で混合して、混合床(MIXED BED)と
して用いる方法がある。混合床は、水中の少量の塩類を
極微量にまで脱塩する場合などに多く用いられている。
しかしながら、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂と
を混合すると、混合物が塊状となって膨潤するクランピ
ングと称する現像が起きる。クランピングが起ると混合
床が不均一となり、得られる脱塩水の水質が著しく低下
する。また混合床を再生するために逆洗しても、クラン
ピングが起きているとアニオン交換樹脂とカチオン交換
樹脂が良好に分離しない。その結果、再生が不十分とな
り、再生された混合床から得られる脱塩水の水質が著し
く低下する。
【0003】クランピングを防止する方法もいくつか提
案されている。例えば特開平6−170248号公報に
は、イオン交換樹脂が浸漬されている水中に微粒子状の
酸化鉄を混合し、次いで空気を吹込んでイオン交換樹脂
を微粒子状の酸化鉄と混合することにより、クランピン
グを防止ないしは解消する方法が記載されている。特開
平10−156194号公報には、アニオン交換樹脂に
対して数平均分子量5×103 〜1×106 の水溶性ス
ルホン化ポリビニル芳香族化合物を添加することによ
り、クランピングを防止する方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法はイオン交換樹脂そのものの改良によるものでは
ないので、長期間の使用中にはクランピング防止効果が
低下したり、処理に用いた薬剤により、得られる脱塩水
の水質が低下するおそれがある。従って本発明はクラン
ピングを起さないか、又はクランピングを起してもその
程度が著しく小さい、アニオン交換樹脂を提供しようと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、溶媒中
でハロアルキル基を有する架橋高分子とジチオカルバミ
ン酸類とを反応させるジチオカルバモイル化工程、ジチ
オカルバモイル化工程の反応生成物にラジカル重合開始
剤の存在下にビニル化合物を反応させるグラフト重合工
程、及びグラフト重合工程の反応生成物に2級又は3級
アミンを反応させるアミノ化工程の各工程を順次経て製
造されたアニオン交換樹脂を用いることにより、クラン
ピングを防止することができる。なお、ラジカル重合工
程とアミノ化工程とは順序を逆転させて、カルバモイル
化工程の反応生成物に先ず2級又は3級アミンを反応さ
せ、次いでその生成物にビニル化合物を反応させるよう
にしてもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係るアニオン交換樹脂の
母体として用いる架橋高分子としては、デキストラン、
セルロース、キトサンなどの天然高分子を架橋剤で架橋
したものや、芳香族モノビニル化合物や(メタ)アクリ
ル酸アルキルなどのモノビニル化合物とポリビニル化合
物との共重合体である合成架橋高分子が挙げられる。通
常は合成架橋分子を用いる。好ましくはイオン交換樹脂
の母体や合成吸着剤などとして用いられている、スチレ
ン−ジビニルベンゼン架橋共重合体や、(メタ)アクリ
ル酸アルキルとアルキレングリコールジ(メタ)アクリ
レートとから主として成る架橋共重合体を用いる。架橋
高分子はゲル型、ポーラス型のいずれであってもよい。
ハロアルキル基としては、アルキル基に少なくとも1個
のハロゲン原子を有するものであればよく、場合によっ
てはハロゲン原子以外の他の置換基が存在していてもよ
い。例えばクロロメチル基、2−クロロエチル基、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル基、4−ブロモブチル
基などが挙げられる。ハロアルキル基は常法により後か
ら架橋高分子に導入することができ、またハロアルキル
基を有するモノマーを共重合に用いることにより、共重
合反応そのものにより架橋高分子に導入することもでき
る。
【0007】ハロアルキル基を有する架橋高分子の形状
は、板状、破砕粒状、球状、繊維状、ペレット状、シー
ト状など、得られるアニオン交換樹脂の用途に応じて、
任意の形状とすることができるが、通常は球状であるの
が好ましい。その粒径は分析用か工業用かで異なるが、
通常1μm〜2mm、好ましくは3μm〜1.5mmで
ある。
【0008】ジチオカルバミン酸類としては、一般式
(1)で示されるものが用いられ、通常はこれらをアン
モニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などの塩
として反応に用いる。
【0009】
【化1】
【0010】(式中、R1、R2は水素原子又は置換基を
有していてもよいアルキル基、フェニル基、ベンジル基
などの炭化水素基であるが、R1とR2とが結合して2価
の炭化水素基を形成していてもよい。) 本発明方法で用いるのに好適なジチオカルバミン酸類の
塩のいくつかを例示すると、ジチオカルバミン酸アンモ
ニウム、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメ
チルジチオカルバミン酸アンモニウム、ジメチルジチオ
カルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリ
ウム、ジエチルジチオカルバミン酸アンモニウム、ジエ
チルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジエチ
ルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン
酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ペン
タメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、テトラメ
チレンジチオカルバミン酸アンモニウム、ピペコリルジ
チオカルバミン酸ピペコリン塩、N−エチル−N−フェ
ニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバ
ミン酸亜鉛などが挙げられる。これらのなかでも、水に
対する溶解度が高くて水溶液としてハロアルキル基を有
する架橋高分子と反応させるのに有利な、ジメチルジチ
オカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン
酸アンモニウム、ジエチルジチオカルバミン酸アンモニ
ウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチ
ルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム、ジブチル
ジチオカルバミン酸ナトリウムなどを用いるのが好まし
い。
【0011】ハロアルキル基を有する架橋高分子とジチ
オカルバミン酸類の塩との反応(本明細書ではこれをジ
チオカルバモイル化工程という)は、溶媒中にハロアル
キル基を有する架橋高分子とジチオカルバミン酸類の塩
とを加えて保持することにより容易に進行する。溶媒と
してはハロアルキル基を有する架橋高分子を溶解せず、
かつジチオカルバミン酸類の塩を溶解するものであれ
ば、任意のものを用いることができる。通常は水を用い
るが、有機溶媒を用いることもできる。例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコ
ール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコー
ル類や、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなど
が用いられる。溶媒は単独で用いてもよく、また混合溶
媒として用いてもよい。例えば上記の有機溶媒と水との
混合溶媒を用いることができる。
【0012】反応温度は通常0〜200℃であり、また
反応時間は通常1分間〜48時間である。反応は下記の
ように進行すると考えられている。
【0013】
【化2】
【0014】(式中、Pは架橋高分子を示し、Rはアル
キレン基、Xはハロゲン原子をそれぞれ示す) すなわちジチオカルバミン酸類が架橋高分子のハロアル
キル基のハロゲン原子と反応して、対応するジチオカル
バモイルアルキル基が生成するものと考えられる。反応
に供するハロアルキル基を有する架橋高分子とジチオカ
ルバミン酸類との比率は、架橋高分子1gにつきジチオ
カルバミン酸類が0.3mg以上、通常は0.5mg以
上である。ジチオカルバミン酸類の量が少なすぎると、
生成するジチオカルバモイルアルキル基の量が少なく、
その結果、次の工程でのビニル化合物のグラフト重合量
が少なくなり、得られたアニオン交換樹脂が所望のクラ
ンピング防止作用を奏さなくなる。十分なクランピング
防止能を有するアニオン交換樹脂を得るには、ハロアル
キル基を有する架橋高分子1gにつき1mg以上、特に
3mg以上のジチオカルバミン酸類を反応に供するのが
好ましい。ジチオカルバミン酸類は、大量に用いても架
橋高分子に存在するハロアルキル基の一部としか反応し
ないので、後続する2級又は3級アミンとの反応の障害
となることはない。ジチオカルバミン酸類はハロアルキ
ル基を有する架橋高分子1gにつき、通常は50mgも
用いれば十分であるが、所望ならば更に大量、例えば5
00mg用いることもできる。
【0015】上記のジチオカルバミン酸類との反応によ
りハロアルキル基の一部がジチオカルバモイルアルキル
基に転換された架橋高分子は、次いで、ラジカル重合開
始剤の存在下にビニル化合物と反応させる。この反応
(本明細書では、これをグラフト重合工程という)では
ジチオカルバモイル基が分解して、ビニル化合物の重合
体が硫黄原子を介してジチオカルバモイルアルキル基の
アルキル基に結合するグラフト重合が生起するものと考
えられる。
【0016】
【化3】
【0017】ビニル化合物としては、ラジカル重合開始
剤の存在下にグラフト重合する公知のビニル化合物から
適宜選択すればよいが、イオン交換基を有していないも
のを用いるのが好ましい。ビニル化合物は2種以上を併
用することもできる。本発明で用いるのに好適なビニル
化合物のいくつかを例示すると、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)ア
クリル酸テトラヒドロフルフリルなどの官能基を有しな
い(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸−2,3−ジヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどの水酸基やエ
ポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;スチレン、
メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン
などのスチレン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルな
どのビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチ
ルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテルなどの
ビニルエーテル類;アリルアルコール及びそのエステル
やエーテル類;N−ビニルホルムアミド、N−ビニルア
セトアミドなどのビニルアミン誘導体などが挙げられ
る。また、これら以外にも(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクロレイン、N−ビニルピロリドンなども好
適に用いられる。これらのなかでも水酸基を有していて
もよいアルキル(メタ)アクリレートやアルキルビニル
エーテルなどを用いるのが好ましい。
【0018】ラジカル重合開始剤としては、2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4′−アゾ
ビス(4−シアノペンタン酸)などのアゾ系重合開始
剤;t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペ
ルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピル
ペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシイソ
ブチレートなどの有機過酸化物系重合開始剤;さらには
過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど
の無機過酸化物系重合開始剤やこれらにアミン、重亜硫
酸ナトリウムなどの還元剤を組合せたものなど、常用の
ものを用いればよい。
【0019】ラジカル重合は、ラジカル重合開始剤及び
ビニル化合物を溶解した溶液中に、前記したジチオカル
バモイル基を結合させた架橋高分子を加えて反応させれ
ばよい。重合開始剤はビニル化合物に対して0.01〜
10重量%程度用いればよい。また反応温度は通常は0
〜200℃であり、重合時間は重合開始剤の半減期前後
ないしはそれ以上が好ましく、通常は3〜48時間程度
である。架橋高分子単位量当りの重合量は、通常は0.
01〜200重量%程度である。反応溶媒は反応に不活
性であって、ビニル単量体及び重合開始剤を溶解し、か
つカルバモイル基を結合させた架橋高分子を溶解しない
ものであれば任意のものを用いることができる。通常は
メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチレ
ングリール、プロピレングリコール、グリセリンなどの
アルコール類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、
酢酸エチル、エチレングリコールモノアセテートなどの
エステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエ
ーテル類やエーテルアルコール類;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;
ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの炭化水素類;クロロホルム、四塩
化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化
水素類;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ピリ
ジン、ニトロベンゼンなどの含窒素化合物、さらには二
硫化炭素、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物な
どが用いられる。また水を溶媒とすることもできる。こ
れらの溶媒は2種以上併用することもできる。
【0020】ラジカル重合により、表面にビニル化合物
のグラフト重合体が形成された架橋共重合体は、次いで
2級又は3級アミンと反応させる。この反応(本明細書
ではこれをアミノ化工程という)により、架橋共重合体
に残存していたハロアルキル基がアニオン交換基に転換
される。2級アミン又は3級アミンとしては、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジメチルエタノールアミンなど、水酸基を有
していてもよい炭素数1〜4のアルキル基から成るアル
キルアミンを用いるのが好ましい。通常はトリメチルア
ミン又はジメチルエタノールアミンを用いる。反応は、
ハロアルキル基を有する架橋共重合体にこれらのアルキ
ルアミンを反応させてアニオン交換樹脂を製造する常法
に従い、グラフト重合を経た架橋共重合体を溶媒に懸濁
させ、これにアミンを加えて、0〜120℃で1分間〜
40時間程度反応させればよい。溶媒としては水、メタ
ノール、エタノール、トルエン、ジオキサン、ジメチル
ホルムアミド、ジクロロエタンなどを、単独で又は混合
して用いればよい。
【0021】なお、本発明に係るアニオン交換樹脂は、
上記の製造方法において、グラフト重合工程とアミノ化
工程との順序を逆にして、ジチオカルバモイル基を導入
した架橋高分子を先ずアミンと反応させてアニオン交換
基を導入し、次いでビニル化合物のグラフト重合を行
い、表面にビニル化合物のグラフト重合を行う方法によ
っても製造することができる。この場合にもアニオン交
換基の導入及びビニル化合物のグラフト重合は、上記し
たと同一の条件で行うことができる。更に所望ならば、
アミノ化とグラフト重合を同時に行うこともできる。
【0022】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 攪拌機及びコンデンサを備えた反応器に、クロロメチル
化されたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体(ジビニ
ルベンゼン含有量4.6重量%、ゲル型、粒径300〜
1180μm)15g、ジエチルジチオカルバミン酸ナ
トリウム・三水和物150mg及び脱塩水150gを仕
込んだ。90℃で4時間反応させたのち濾過、水洗して
ジエチルジチオカルバモイル基が導入された樹脂を取得
した。
【0023】攪拌機及びコンデンサを備えた反応器に、
上記で得た樹脂の全量と、トルエン38ml、脱塩水4
5ml、及び30%トリメチルアミン水溶液33mlを
仕込み、50℃で8時間反応させて樹脂に残存していた
クロロメチル基をトリメチルアミノ化した。濾過・水洗
してクロロメチル基がトリメチルアミノ化された樹脂を
取得した。
【0024】攪拌機、コンデンサ、温度計及び窒素ガス
導入管を備えた反応器に、上記で得たトリメチルアミノ
化した樹脂の全量と、メタクリル酸ヒドロキシエチル
6.0g、過硫酸カリウム150mg、脱塩水150m
lを仕込んだ。80℃で6時間反応させ、表面にポリ
(メタクリル酸ヒドロキシエチル)を有する強塩基性陰
イオン交換樹脂を得た。このものの含水率は39.9%
で、イオン交換容量は1.20ミリ当量/ml−湿潤樹
脂であった。 比較例1 実施例1において、クロロメチル基を有するスチレン−
ジビニルベンゼン共重合体に、ジエチルジチオカルバモ
イル基を導入することなく、実施例1と同様にしてトリ
メチルアミンを反応させて、クロロメチル基のトリメチ
ルアミノ化を行った。このものは、含水率が45.7%
で、イオン交換容量は1.43ミリ当量/ml−湿潤樹
脂であった。 実施例2 実施例1において、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリ
ウム・三水和物の仕込量を600mgとした以外は、実
施例1と同様にしてジエチルジチオカルバモイル基の導
入、残存クロロメチル基のトリメチルアミノ化、及びメ
タクリル酸ヒドロキシエチルのグラフト重合を行った。
得られた強塩基性陰イオン交換樹脂の含水率は39.5
%で、イオン交換容量は1.21ミリ当量/ml−湿潤
樹脂であった。 実施例3 実施例1において、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリ
ウム・三水和物の仕込量を75mgとし、かつメタクリ
ル酸ヒドロキシエチル及び過硫酸カリウムの仕込量をそ
れぞれ1.5g及び40mgとした以外は、実施例1と
同様にしてジエチルジチオカルバモイル基の導入、残存
クロロメチル基のトリメチルアミノ化、及びメタクリル
酸ヒドロキシエチルのグラフト重合を行った。得られた
強塩基性陰イオン交換樹脂の含水率は44.4%で、イ
オン交換容量は1.32ミリ当量/ml−湿潤樹脂であ
った。 実施例4 実施例1と同様にして得られたジエチルジチオカルバモ
イル基が導入された樹脂の全量と、イソブチルビニルエ
ーテル6.0g、2,2′−アソビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)150mg、及びエタノール150
mlを、攪拌機、コンデンサ、温度計及び窒素ガス導入
管を備えた反応器に仕込んだ。70℃で6時間反応させ
て表面にポリ(イソブチルビニルエーテル)を有する樹
脂を得た。
【0025】攪拌機及びコンデンサを備えた反応器に、
上記で得た樹脂の全量と、トルエン38ml、脱塩水4
5ml及び30%トリメチルアミン水溶液33mlを仕
込み、50℃で8時間反応させて残存しているクロロメ
チル基をトリメチルアミノ化した。得られた強塩基性陰
イオン交換樹脂の含水率は46.8%で、イオン交換容
量は1.36ミリ当量/ml−湿潤樹脂であった。 実施例5 実施例4において、イソブチルビニルエーテル及び2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の
仕込量を、それぞれ3.0g及び75mgとした以外は
実施例4と同様にしてイソブチルビニルエーテルのグラ
フト重合、及び残存しているクロロメチル基のトリメチ
ルアミノ化を行った。得られた強塩基性陰イオン交換樹
脂の含水率は47.1%で、イオン交換容量は1.36
ミリ当量/ml−湿潤樹脂であった。 クランピング試験;市販の強酸性カチオン交換樹脂(三
菱化学社製品、ダイヤイオンSKIB、ダイヤイオンは
三菱化学社の登録商標)をH型にしたもの10mlと、
上記で得た強塩基性アニオン交換樹脂をOH型にしたも
の10mlとを、室温の水中で混合してその体積を測定
した。結果を表−1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表−1から明らかなように、本発明に係る
アニオン交換樹脂は、カチオン交換樹脂と混合してもク
ランピングを起さない。その理由の詳細は不詳である
が、表面に形成されているグラフト重合体が、アニオン
交換樹脂の交換基をカチオン交換樹脂の交換基から物理
的に隔離しているためではないかと考えられる。なお、
上記の実験では、アニオン交換樹脂として本発明に係る
ものだけを用いたが、所望ならば本発明に係るものと他
のアニオン交換樹脂とを併用することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 257/00 C08F 257/00 Fターム(参考) 4J026 AA18 AA19 AA21 AC26 BA05 BA06 BA12 BA14 BA16 BA19 BA20 BA27 BA30 BA32 BA37 BA39 BA40 CA04 CA05 DB03 DB12 DB14 DB15 EA09 FA09 GA08 4J100 AB02P AB16Q BA29H BA31H BA51H CA04 HA25 HC43 HC69 JA16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒中でハロアルキル基を有する架橋高
    分子とジチオカルバミン酸類とを反応させるジチオカル
    バモイル化工程、ジチオカルバモイル化工程の反応生成
    物にラジカル重合開始剤の存在下にビニル化合物を反応
    させるグラフト重合工程、及びグラフト重合工程の反応
    生成物に2級又は3級アミンを反応させるアミノ化工程
    の各工程を順次経ることを特徴とするアニオン交換樹脂
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶媒中でハロアルキル基を有する架橋高
    分子とジチオカルバミン酸類とを反応させるジチオカル
    バモイル化工程、ジチオカルバモイル化工程の反応生成
    物に2級又は3級アミンを反応させるアミノ化工程、及
    びアミノ化工程の反応生成物にラジカル重合開始剤の存
    在下にビニル化合物を反応させるグラフト重合工程の各
    工程を順次経ることを特徴とするアニオン交換樹脂の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 架橋高分子が芳香族モノビニル化合物と
    ジビニル化合物との共重合体であることを特徴とする、
    請求項1又は2記載のアニオン交換樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 ジチオカルバミン酸類を塩として反応に
    供することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか
    に記載のアニオン交換樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 ビニル化合物がヒドロキシ基を有してい
    てもよいアルキル(メタ)アクリレートであることを特
    徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のアニオ
    ン交換樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 ビニル化合物がアルキルビニルエーテル
    であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか
    に記載のアニオン交換樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 2級又は3級アミンが、水酸基を有して
    いてもよい炭素数1〜4のアルキル基から成るアルキル
    アミンであることを特徴とする、請求項1ないし6のい
    ずれかに記載のアニオン交換樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の製
    造方法で得られたアニオン交換樹脂。
  9. 【請求項9】 アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂と
    を混合して混合床を形成するに際し、アニオン交換樹脂
    の少なくとも一部として請求項8に記載のアニオン交換
    樹脂を用いることを特徴とする、混合床のクランピング
    防止方法。
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