JP2002028530A - 排煙処理装置 - Google Patents

排煙処理装置

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JP2002028530A JP2000213066A JP2000213066A JP2002028530A JP 2002028530 A JP2002028530 A JP 2002028530A JP 2000213066 A JP2000213066 A JP 2000213066A JP 2000213066 A JP2000213066 A JP 2000213066A JP 2002028530 A JP2002028530 A JP 2002028530A
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裕行 稲垣
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忠 大浦
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貞夫 榊原
Makoto Ogura
誠 小椋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボイラの運転状況が変動した場合であっても、
常に適切な量のアンモニアを注入することができる排煙
処理装置を提供する。 【解決手段】アンモニア注入量信号35に時間遅れの要
素を加味してアンモニア濃度を算出するHX演算器90
と、該アンモニア濃度と濃度測定手段24が測定した残
留アンモニア濃度信号34とに基づいて推定SO3 濃度
を算出するIX演算器92と、前記推定SO3 濃度と排
ガス流量32Aとから基本アンモニア注入量を算出する
JX演算器94と、を備えた推定SO3 濃度算出系と、
基本アンモニア注入量に対して時間微分を行う微分手段
96と、基本アンモニア注入量に対して排ガス温度信号
33に基づいて必要アンモニア過剰量を算出して補正す
るFGX演算器53と、排ガス温度信号33と残留アン
モニア濃度信号34とに基づいてアドバンスドアンモニ
ア修正信号37を算出するアドバンスドアンモニア制御
系104とを備え、注入アンモニアの注入量を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボイラの排煙処理装
置に係り、特に燃料に硫黄分を多く含む油焚きボイラの
運転状況が変化した場合に排出される三酸化硫黄を中和
して電気集塵装置で除塵する排煙処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油焚きボイラ用の排煙処理装置は電気集
塵装置を備えており、この電気集塵装置によって油焚き
ボイラから排出された排ガスに対して除塵している。以
前の排煙処理装置は、排ガスやダストに含まれる水分や
三酸化硫黄(SO3 )のために排ガスの露点が高く、機
器腐食や灰詰まりを起こしたり、酸性の強いスマットを
生成するという問題があった。さらに、排ガス中のダス
トが非常に細かく電気固有抵抗率が低いため、電気集塵
装置の電極板に捕集したダストが再飛散し易いという問
題もあった。
【0003】そこで、電気集塵装置の入口側にアンモニ
アガスを注入してSO3 を中和することによって上記問
題点の解決を図ってきた。前記アンモニアの注入量は、
ボイラでのSO3 の生成量に応じて行われることが好ま
しいが、SO3 の生成量を求めるのに必要な排ガス中の
SO3 濃度は、現状の測定手段では連続して測定するこ
とができない。そこで、燃料消費量からSO3 濃度を想
定し、このSO3 濃度によりアンモニア注入量を燃料消
費量に対して比例注入制御していた。そして、SO3
度の変化に対しては、比率設定器を用いて燃料に含まれ
る硫黄分の大小によって注入比率を設定変更することに
よって対応していた。硫黄分の少ない燃料が燃焼する場
合には排ガス温度のばらつきが少ないとともに、様々な
負荷に於ける排ガス中のSO3 濃度も再現性がよいため
高精度で排ガス中のSO3 濃度を予想することが可能で
あった。したがって、前記のように予想したSO3 濃度
に応じてアンモニアを排ガス中に注入していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高硫黄
濃度の燃料を使用すると、燃料消費量と排ガス中に含ま
れる三酸化硫黄濃度とは必ずしも比例関係になく、ボイ
ラの運転状況によってばらつきも大きい。特に最近のボ
イラ設備では運転コストの低減のために高硫黄油を燃料
として使用することが多く、排ガス中の三酸化硫黄濃度
の変化だけでなく、排ガス温度の変化も大きい。この結
果、電気集塵装置に取り込まれる排ガスに従来の制御方
法でアンモニアガスを注入すると、注入量が過不足する
という問題が発生する。例えば、排ガスの温度が高い場
合には、アンモニアの注入量が不足し、硫黄等酸化物の
一部が未反応のまま電気集塵装置内に供給されて酸性硫
安が発生して機器腐食を生じ、電気集塵機にも損傷が発
生して電気集塵機の寿命が短くなる。これを防ぐにはア
ンモニアを予め過剰に注入すればよいが、何の目安もな
くアンモニアの注入量を増加すればランニングコストの
アップにつながる。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、硫黄分を多く含む燃料を燃焼させてボイラの運
転状況が変化した際においても適切な量のアンモニアを
注入することができる排煙処理装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、ボイラから排出される排ガ
ス中の三酸化硫黄に対し電気集塵装置を保護するために
アンモニアを注入して中和処理した後に、電気集塵装置
によってダストを除去する排煙処理装置において、ボイ
ラに供給している燃料消費量を測定する燃料消費量測定
手段と、前記測定した燃料消費量と前記燃料に含まれる
イオウ分とに基づいて前記ボイラから排出される三酸化
硫黄を中和するのに最低限必要とされる基本アンモニア
注入量を算出する手段と、前記基本アンモニア注入量を
時間微分した信号をボイラから排出される三酸化硫黄の
濃度レベルで補正する動的解析手段と、前記動的解析手
段により求めた値を前記基本アンモニア注入量に加算し
て動的補正した基本・動的アンモニア注入量を算出する
手段と、前記基本・動的アンモニア注入量に基づいて注
入アンモニアの注入量を制御する制御手段とを備えたこ
とを特徴としている。
【0007】また、前記目的を達成するために請求項2
に記載の発明は、ボイラに供給している燃料消費量を測
定する燃料消費量測定手段と、測定した燃料消費量と燃
料に含まれるイオウ分とに基づいて前記ボイラから排出
される三酸化硫黄を中和するのに最低限必要とされる基
本アンモニア注入量を算出する手段と、基本アンモニア
注入量を時間微分した信号をボイラから排出される三酸
化硫黄の濃度レベルで補正する動的解析手段と、基本・
過剰アンモニア注入量を算出するために排ガスの温度を
測定する過剰用の温度測定手段と、基本・過剰アンモニ
ア注入量を算出するために測定した排ガス温度に基づい
て、ボイラから発生する三酸化硫黄を中和するのに必要
な過剰アンモニア分としての必要アンモニア過剰量を算
出する手段と、基本アンモニア注入量に算出した必要ア
ンモニア過剰量を加算して基本・過剰アンモニア注入量
を算出する手段と、動的解析手段により求めた値を基本
・過剰アンモニア注入量に加算して動的補正した基本・
過剰・動的アンモニア注入量を算出する手段と、基本・
過剰・動的アンモニア注入量に基づいて注入アンモニア
の注入量を制御する制御手段とを備えたことを特徴とし
ている。
【0008】また、前記目的を達成するために請求項3
に記載の発明は、推定三酸化硫黄濃度を算出するために
電気集塵装置から排出される排ガス中に残留する残留ア
ンモニア濃度を測定する推定用の濃度測定手段と、ボイ
ラから排出される排ガスに注入された注入アンモニアが
推定用の濃度測定手段で測定されるまでの時間遅れの要
素を加味して算出した注入アンモニア濃度から推定用の
濃度測定手段によって測定された残留アンモニア濃度を
減算して推定三酸化硫黄濃度を算出する推定三酸化硫黄
濃度算出手段と、算出した推定三酸化硫黄濃度と、ボイ
ラに供給している燃料消費量から換算した排ガス流量若
しくはボイラから排出された排ガス流量とに応じてボイ
ラから発生する三酸化硫黄を中和するのに最低限必要と
される基本アンモニア注入量を算出する手段と、基本ア
ンモニア注入量に基づいて注入アンモニアの注入量を制
御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】また、前記目的を達成するために請求項4
に記載の発明は、推定三酸化硫黄濃度を算出するために
電気集塵装置から排出される排ガス中に残留する残留ア
ンモニア濃度を測定する推定用の濃度測定手段と、ボイ
ラから排出される排ガスに注入された注入アンモニアが
推定用の濃度測定手段で測定されるまでの時間遅れの要
素を加味して算出した注入アンモニア濃度から、推定用
の濃度測定手段によって測定された残留アンモニア濃度
を減算し、推定三酸化硫黄濃度を算出する推定三酸化硫
黄濃度算出手段と、算出した推定三酸化硫黄濃度と、ボ
イラに供給している燃料消費量から換算した排ガス流量
若しくはボイラから排出された排ガス流量とに応じてボ
イラから発生する三酸化硫黄を中和するのに最低限必要
とされる基本アンモニア注入量を算出する手段と、基本
・過剰アンモニア注入量を算出するために排ガスの温度
を測定する過剰用の温度測定手段と、基本・過剰アンモ
ニア注入量を算出するために測定した排ガス温度に基づ
いて、ボイラから発生する三酸化硫黄を中和するのに必
要な過剰アンモニア分としての必要アンモニア過剰量を
算出する手段と、基本アンモニア注入量に算出した必要
アンモニア過剰量を加算して基本・過剰アンモニア注入
量を算出する手段と、基本・過剰アンモニア注入量に基
づいて注入アンモニアの注入量を制御する制御手段とを
備えたことを特徴としている。
【0010】本発明によれば、基本アンモニア注入量に
対して時間微分を行った信号に基づいて動的補正した注
入アンモニアの注入量を制御するようにしたので、ボイ
ラの運転状況や燃焼状況が急に変動した場合であっても
適切な量のアンモニアを注入することが可能となる。
【0011】また、他の発明の形態によれば、排ガスに
注入された注入アンモニアが濃度測定手段で測定される
までの時間遅れの要素を加味した注入アンモニア濃度か
ら残留アンモニア濃度を減算して推定三酸化硫黄濃度を
算出するとともに基本アンモニア注入量を算出して注入
アンモニアの注入量を制御しているので、ボイラの運転
状況や燃焼状況が変動した場合であっても適切な量のア
ンモニアを注入することが可能となる。
【0012】また、他の発明の形態によれば、電気集塵
装置から排出される排ガスに残留する残留アンモニア濃
度と前記排ガスの温度とに基づいてボイラから発生する
三酸化硫黄を中和するのに必要なアンモニア量補正値を
算出し、基本アンモニア注入量と加算することによって
注入アンモニアの注入量を制御するようにしたので、硫
黄分を多く含む燃料を燃焼させるとともにボイラの運転
状況や燃焼状況が変動した場合であっても常に適切な量
のアンモニアを注入することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明に
係る排煙処理装置の好ましい実施の形態について説明す
る。
【0014】図1は、本実施の形態の排煙処理装置10
の概略構造を示す構成図である。
【0015】同図に示すように、排煙処理装置10は主
として、油焚きボイラ12、空気予熱器14、電気集塵
装置16、煙突18から構成され、ボイラ12から排出
された排ガスが、空気予熱器14を経た後、電気集塵装
置16で脱塵され、煙突18から大気に放出されるよう
になっている。
【0016】ボイラ12では、該ボイラ12で消費され
た燃料消費量と、ボイラ12から排出される排ガス流量
とを測定できるようになっており、燃料消費量信号31
と排ガス流量信号32を形成して、後述する制御手段2
6に送信する。
【0017】電気集塵装置16の入口側には、温度測定
手段20(過剰用及び補正用の温度測定手段)が配設さ
れ、この温度測定手段20によって電気集塵装置16に
供給される排ガスの温度が測定される。温度測定手段2
0は制御手段26に接続されており、制御手段26に排
ガス温度信号33を送信する。
【0018】また、電気集塵装置16の入口側には注入
手段22が設けられ、この注入手段22によってアンモ
ニアガスが注入される。これにより、排ガスに含まれる
三酸化硫黄SO3 はアンモニアガスによって中和されて
硫酸アンモニウムを生成し、この硫酸アンモニウムは電
気集塵装置16によって捕集される。
【0019】電気集塵装置16の出口側にはアンモニア
の濃度測定手段24(推定用及び補正用の濃度測定手
段)が設けられ、この濃度測定手段24によって電気集
塵装置16から排出された未反応の残留アンモニアの濃
度が測定される。濃度測定手段24で得られた残留アン
モニア濃度信号34は、制御手段26に送信される。
【0020】制御手段26は、アンモニア注入量信号3
5(注入アンモニアの注入量)の他に、燃料消費量信号
31、排ガス流量信号32、排ガス温度信号33、残留
アンモニア濃度信号34等を取り込んでアンモニアの適
切な注入量を算出するとともに、アンモニア注入量制御
信号36を生成してこれを注入手段22に出力するよう
になっている。
【0021】注入手段22には図示しない信号変換器と
ガス流量調節弁が設けられており、受信したアンモニア
注入量制御信号36は該信号変換器で空気信号に変換さ
れ、この空気信号がアンモニアガス流量調節弁の開度調
整を行ない、アンモニアの注入量が調節される。
【0022】また、実際に注入されたアンモニアガスの
流量は、図示しない測定手段により測定され、該測定さ
れたアンモニア注入量信号35は制御手段26に伝達さ
れている。
【0023】一般に三酸化硫黄に対するアンモニアの反
応は、SO3 +2NH3 +H2 O→(NH4 2 SO4
で表され、アンモニアの適切な注入量は、次式で求めら
れる。
【0024】
【数1】 アンモニアの注入量(kg/h)=〔2モル×SO3 濃度(ppm) +必要アンモニア過剰 濃度(ppm) 〕×排ガス流量(m3N/h dry) ×アンモニア分子量(=17)/1モル の標準体積(=22.4)×10-6 …式(1) ここで、前記必要アンモニア過剰濃度は、生成された硫
安を再分解させないために必要であるとともに、排ガス
煙道断面でのSO3 分布のばらつきや、滞留反応時間の
影響等に対応するために必要である。即ち、アンモニア
注入量は、SO 3 を中和するのに最低限必要な基本アン
モニア注入量と、中和反応を安定して行うために必要な
必要アンモニア過剰量及び種々のアンモニア量補正値と
を加算することによって求められる。
【0025】必要アンモニア過剰濃度は、一般的には、
Nernst近似式による平衡線図と排ガス流量とによ
り、排ガス温度に対して必要なアンモニアの過剰量が得
られるが、実際にはこの値では不足することがある。一
方、現状技術では、SO3 濃度を連続して測定する測定
計が存在しないので、制御手段26は燃料消費量信号3
1と排ガス温度信号33と残留アンモニア濃度信号34
とアンモニア注入量信号35とからSO3 量を想定して
算出し、この推定SO3 量に応じて基本アンモニア注入
量を算出するとともにアンモニア量補正信号を算出し、
アンモニア注入量を増減する制御を実施する。
【0026】図2に、本発明に係る排煙処理装置の制御
回路の実施の形態を示す。
【0027】同図によれば制御手段26の基本アンモニ
ア注入量算出系は、硫黄分を含む燃料消費量信号31と
燃料に含まれる硫黄濃度とに基づいてSO3 量を推定し
て算出して該SO3 を中和するのに必要な基本アンモニ
ア注入量を算出するFFX演算器51が設けられてい
る。
【0028】また、制御手段26の必要アンモニア過剰
量算出系には、排ガス温度信号33から必要アンモニア
過剰濃度及び必要アンモニア過剰量を算出するGX演算
器52(Nernstの補正カーブ等を用いた演算手
段)と、GX演算器52で算出した必要アンモニア過剰
量と前記FFX演算器51で算出した基本アンモニア注
入量とを加算して基本・過剰アンモニア注入量を算出す
るFG加算器54とが設けられている。
【0029】また、制御手段26の動的解析系(動的解
析手段)には、基本アンモニア注入量に対して時間微分
を行い、各々異なる微分結果を出力する微分手段95、
96と、前記微分手段95、96によって算出した微分
結果を切り替えてLX演算器100に出力するスイッチ
97と、前記基本・過剰アンモニア注入量に動的解析系
から出力される信号を加算して、基本・過剰・動的アン
モニア注入量(アンモニア注入量制御信号36)を算出
するMX演算器102とが設けられている。
【0030】以下に、図2に示した制御手段26の処理
動作について説明する。
【0031】制御手段26の基本アンモニア注入量算出
系では、硫黄分を含む燃料消費量信号31がFFX演算
器51にて演算され、例えば必要に応じて図3に示すよ
うな燃料消費量と必要アンモニア量との関係を持つ関数
を用いて演算し、燃料消費量から求めた基本アンモニア
注入量を算出して出力する。
【0032】制御手段26の必要アンモニア過剰量算出
系では、排ガス温度信号33をGX演算器52にて演算
する。ここでは例えば図4に示すような排ガス温度と必
要アンモニア過剰濃度との関係を持つ関数を用いて演算
し、必要アンモニア過剰濃度及び必要アンモニア過剰量
を算出して出力する。
【0033】FG加算器54では、GX演算器52で算
出した必要アンモニア過剰量と前記FFX演算器51で
算出した基本アンモニア注入量とを加算して基本・過剰
アンモニア注入量を算出する。
【0034】制御手段26の動的解析系の微分手段9
5、96では、前記基本アンモニア注入量に対して時間
微分を行い各々の制御に適した異なる微分結果を出力す
る。スイッチ97は、例えばボイラ12の負荷が軽負荷
の場合には微分手段95の演算結果をLX演算器100
に出力して例えば10%の補正量を算出し、ボイラ12
の負荷が重負荷の場合には微分手段96の演算結果をL
X演算器100に出力して例えば30%の補正量を算出
してMX演算器102に出力するなど、ボイラ12の負
荷に応じて信号の経路を切り替える。
【0035】LX演算器100は、微分手段95、96
によって求められた値と定数(10%、30%等)とを
乗算して基本アンモニア注入量を補正する値を算出する
働きをしている。MX演算器102では、LX演算器1
00の演算結果と基本・過剰アンモニア注入量とを加算
して基本・過剰・動的アンモニア注入量を算出する。こ
の動的解析系の出力に基づいてアンモニア注入量制御信
号36を制御するようにしているので、ボイラ12の負
荷が急変した場合や燃焼状況の変化により排ガス温度信
号33が急変した場合においても適切な量のアンモニア
を注入することが可能となる。
【0036】また、ボイラ12から排出される排ガス温
度に対してSO3 濃度が安定している場合には、上述し
たように必要アンモニア過剰量算出系を設けずに基本ア
ンモニア注入量を直接MX演算器102に入力して、基
本・動的アンモニア注入量を算出するようにしてもよ
い。
【0037】図5に、本発明に係る排煙処理装置の制御
回路の他の実施の形態を示す。
【0038】同図によれば制御手段26の必要アンモニ
ア過剰量算出系は、硫黄分を含む燃料消費量信号31に
基づいて排ガス流量32Aを算出するFX演算器50
と、該算出した排ガス流量32Aと排ガス温度信号33
とから必要アンモニア過剰量を算出するFGX演算器5
3(Nernstの補正カーブ等を用いた演算手段)
と、FGX演算器53で算出した必要アンモニア過剰量
と後述する推定SO3 濃度算出系(推定三酸化硫黄濃度
算出手段)のJX演算器94から得られる基本アンモニ
ア注入量とを加算して基本・過剰アンモニア注入量を出
力するFG加算器54とから構成されている。
【0039】ボイラ12から発生する硫黄酸化物を中和
するのに必要とされる基本アンモニア注入量を推定SO
3 濃度から算出する推定SO3 濃度算出系には、注入ア
ンモニアの注入量を計測して得たアンモニア注入量信号
35に対して、1次遅れ等の時間遅れ要素を加味してn
分前のアンモニア濃度(n分はダクト及び電気集塵装置
16の規模や燃焼状態によって決まる遅れ時間)を算出
して出力するHX演算器90が設けられている。
【0040】このHX演算器90で演算する時間遅れ要
素は、図1に示す注入手段22で注入したアンモニア
が、電気集塵装置16を通って濃度測定手段24で測定
されるまでにかかる時間に関する要素であるので、FX
演算器50から出力される排ガス流量を入力してこの排
ガス流量に応じて時間遅れの演算を行ってもよい。また
HX演算器90に、前記n分間の遅れ時間分と後段の演
算時刻との調節を行うために、n分程度のデータを記憶
する記憶手段を設けてもよいし、n分程度の時定数を備
えた1次遅れの演算要素を設けてもよい。
【0041】また、推定SO3 濃度算出系には、前記H
X演算器90から出力されたn分前のアンモニア濃度か
ら、測定して得た残留アンモニア濃度信号34を減算し
て、排ガス中に含まれ反応したと推定される推定SO3
濃度を算出するIX演算器92(SO3 推定アルゴリズ
ムによる演算回路)とが設けられている。
【0042】なお推定SO3 濃度算出系の後段には、前
記算出した推定SO3 濃度と排ガス流量32Aとからn
分前の過去のSO3 量を算出するとともに、基本アンモ
ニア注入量を算出するJX演算器94が設けられてい
る。
【0043】制御手段26の動的解析系(動的解析手
段)には、基本アンモニア注入量に対して時間微分を行
い微分結果を出力する微分手段95、96と、ボイラ1
2の負荷に応じて信号の経路を切り替えるスイッチ97
と、微分手段95、96によって求められた値と定数と
を乗算して基本アンモニア注入量を補正する値を算出す
るLX演算器100と、LX演算器100の演算結果と
基本・過剰アンモニア注入量とを加算して基本・過剰・
動的アンモニア注入量を算出するMX演算器102とが
設けられている。
【0044】なお、アドバンスドアンモニア制御系10
4では、温度測定手段20で測定した排ガス温度信号3
3と残留アンモニア濃度信号34とに応じてアンモニア
量補正値を出力している。なお、該アンモニア量補正値
と前記基本・過剰・動的アンモニア注入量とをMV加算
機78で加算し、アンモニア注入量制御信号36(注入
アンモニアの注入量を制御する信号)を出力して注入手
段22に伝達している。
【0045】以下に、図5に示した制御手段26の処理
動作について説明する。
【0046】硫黄分を含む燃料消費量信号31は、制御
手段26のFX演算器50にて演算されて排ガス流量3
2Aが算出される。
【0047】排ガス温度信号33は制御手段26のFG
X演算器53にて演算されて必要アンモニア過剰濃度が
算出される。更にFGX演算器53では、該算出した必
要アンモニア過剰濃度と前記排ガス流量32Aとから、
必要アンモニア過剰量を算出して出力する。
【0048】推定SO3 濃度算出系のHX演算器90で
は、アンモニア注入量信号35と排ガス流量32Aとか
らn分前の電気集塵装置入り口のアンモニア注入濃度
を、時間遅れの要素を加味して算出している。該算出し
たアンモニア注入濃度と残留アンモニア濃度信号34と
から反応したと想定される推定SO3 濃度をIX演算器
92で算出し、次のJX演算器94では、この推定SO
3 濃度と排ガス流量32Aとから基本アンモニア注入量
を算出している。なお、IX演算器92にて算出する推
定SO3 濃度は、以下の式で算出される。
【0049】
【数2】 推定SO3 濃度=(注入アンモニア濃度−残留アンモニア濃度)/2モル …式(2) 基本アンモニア注入量は、上記式(2)によって求めた
推定SO3 濃度と排ガス流量32Aとに基づいて比例制
御される。上記の推定SO3 濃度を算出する式(2)で
は、アンモニア濃度の減少分が全てSO3 の中和に用い
られたと仮定してSO3 濃度を換算している。したがっ
て、推定SO3 濃度は、実測のSO3 濃度よりも若干高
く算出される。これにより、推定SO3 濃度に応じてア
ンモニアを注入すると、アンモニアが若干多めに注入さ
れるので、アンモニア注入不足状態の発生を確実に防止
することが可能となる。
【0050】前記推定SO3 濃度算出系から出力される
基本アンモニア注入量と、前記FGX演算器53から出
力される必要アンモニア過剰量とをFG加算器54にて
加算する。
【0051】また、動的解析系では前述のとおり微分結
果を算出するとともに微分ゲインを乗算して動的補正量
を算出する。該算出した動的補正量と基本・過剰アンモ
ニア注入量とはMX演算器102にて加算されて基本・
過剰・動的アンモニア注入量が出力される。
【0052】MV加算器78では、アドバンスドアンモ
ニア制御系104から出力されるアドバンスドアンモニ
ア制御量と基本・過剰・動的アンモニア注入量とを加算
して出力する。なお、本発明では、基本・過剰・動的ア
ンモニア注入量とアドバンスドアンモニア制御量とを加
算してアンモニア注入量を制御する制御方法を、アドバ
ンスドアンモニア注入制御と呼ぶ。
【0053】なお、前記MV加算器78では前記加算結
果とアンモニア注入量信号35との差を求めるとともに
比例積分演算を行い、アンモニア注入量制御信号36を
出力するようにしてもよい。
【0054】上述のように、推定SO3 濃度算出系にて
基本アンモニア注入量を算出し、動的解析系にて基本・
過剰アンモニア注入量を補正してアンモニア注入量を制
御するようにしたので、硫黄分が多く含まれる(例とし
て1%以上)燃料を燃焼させた場合であってもボイラの
負荷の変化に応じてアンモニア注入量の増減の割合に対
する補正を適切に行うことが可能となる。例えば、ボイ
ラ12の急激な負荷増大時にはアンモニア注入量が加算
され、ボイラ12の急激な負荷減少時にはアンモニア注
入量が減少するので、SO3 濃度が燃焼の状態により変
化した場合であっても適量のアンモニアを注入すること
が可能となる。
【0055】図6に、本発明に係る排煙処理装置のアド
バンスドアンモニア注入制御系の制御回路の実施の形態
を示す。
【0056】同図によればアドバンスドアンモニア注入
制御系104では、排ガス温度信号33と残留アンモニ
ア濃度信号34とからアドバンスドアンモニア修正信号
37を算出して出力している。該算出したアドバンスド
アンモニア修正信号37は前記基本・過剰・動的アンモ
ニア注入量に加算され、アンモニア注入量を補正する。
【0057】アドバンスドアンモニア制御系104に
は、排ガス温度信号33を演算して必要なアンモニア過
剰濃度を算出するGX演算器52と、残留アンモニア濃
度信号34に対して一時遅れ等の時間遅れ要素を加味し
た演算を実施するFt演算器60と、該Ft演算器60
から出力される演算値と前記GX演算器52から出力さ
れる値との差を演算して差分値である「ΔE」値を算出
するΔE演算器62(差分値算出手段)とが含まれてい
る。
【0058】また、制御手段26のアドバンスドアンモ
ニア制御系104には、前記「ΔE」値に対して不感帯
演算を実施して「ΔHE」値を出力する不感帯演算器6
4(不感帯演手段)と、前記「ΔHE」値に対して比例
制御又は比例微分制御を行い「ΔPD」値を出力する比
例微分コントローラ66(比例演算手段)と、前記比例
微分コントローラ66から出力される「ΔPD」値に上
限及び下限の少なくとも何れか一方の制限値を設定して
アドバンスドアンモニア修正信号37(「MV」値)を
出力する上下限リミット68(リミット演算手段)とが
設けられている。
【0059】また制御手段26には、前記基本アンモニ
ア注入量と前記アドバンスドアンモニア修正信号37と
を加算してアンモニア注入量制御信号36(SV)を出
力するMV加算器78が設けられている。なおMV加算
器78には、前記アンモニア注入量信号35を減算して
比例積分演算を行い、アンモニア注入量制御信号36を
出力する比例積分コントローラ80が含まれていてもよ
い。
【0060】以下に、図6に示したアドバンスドアンモ
ニア制御系104の処理動作について説明する。
【0061】排ガス温度信号33は、アドバンスドアン
モニア制御系104のGX演算器52にて演算され、例
えば図4に示すような排ガス温度と必要アンモニア過剰
濃度との関係を持つ関数を用いて演算し、必要アンモニ
ア過剰濃度を算出して出力する。
【0062】Ft演算器60では、残留アンモニア濃度
信号34に対して一次遅れ等の演算を実施して、制御対
象の過渡特性を加味した演算値に変換する。このFt演
算器60で演算する時間遅れ要素は、図1に示す注入手
段22で注入したアンモニアが、電気集塵装置16を通
って濃度測定手段24で測定されるまでにかかる時間
(n分)に関する要素であるので、排ガス流量信号32
を入力して、この排ガス流量に応じて時間遅れの演算を
行ってもよい。またFt演算器60に、前記n分間の遅
れ時間分と後段の演算時刻との調節を行うために、n分
程度のデータを記憶する記憶手段を設けてもよいし、n
分程度の時定数を備えた1次遅れの演算要素を設けても
よい。
【0063】次のΔE演算器62では、該Ft演算器6
0から出力される演算値と前記GX演算器52から出力
される値との差を演算して「ΔE」値を算出する。
【0064】不感帯演算器64では、「ΔE」値に対し
て図7に示すような特性を持つ不感帯(図7に示すDB
間)を設けて「ΔHE」値に変換して出力する。なお、
「ΔE」値が「LDB」未満である場合には、計測した
残留アンモニア濃度よりも必要アンモニア過剰濃度の方
が多いことを示しているので、後段の制御回路ではアン
モニアの注入量を増加する処理を行う。また、「ΔE」
値が「LDB」以上で且つ「UDB」未満である場合に
は不感帯「DB」の範囲内であるため、残留アンモニア
濃度信号に関する刻々の制御は実施しない。なお、「Δ
E」値が「UDB」以上である場合には、計測した残留
アンモニア濃度よりも必要アンモニア過剰濃度の方が少
ないことを示しているので、後段の制御回路ではアンモ
ニアの注入量を減少する処理を行う。
【0065】硫黄分を多く含む燃料を用いた燃焼では、
負荷が一定であっても燃焼状態によって排出される三酸
化硫黄(SO3 )の量は異なる場合があるため、SO3
の発生量に応じてアンモニアの注入量を変化させる必要
がある。また、注入したアンモニアが排ガス中に含まれ
るSO3 と反応した結果、残った残留アンモニアが容積
の大きな電気集塵装置16を通って排出され、アンモニ
アの濃度測定手段24が残留アンモニア濃度を検出する
までにかかる応答の遅れ時間も存在する。前述のように
本発明では、不感帯演算器64で「ΔE」値に対して不
感帯を設けた制御を実施するので、残留アンモニア濃度
が適切な範囲にある間は上記のアンモニア注入量の制御
を実施しない。従って、アンモニア注入量に関するハン
チングが発生せず、安定した制御を実施することが可能
となる。
【0066】なお、前記不感帯の設定値「LDB」と
「UDB」とを定数とせずに、計測した排ガス温度に応
じて可変可能な構成としてもよい。
【0067】比例微分コントローラ66では前記「ΔH
E」値に対して比例微分制御を行う。次の上下限リミッ
ト68では、前記比例微分コントローラ66から出力さ
れる「ΔPD」値が「UPD」以上の値及び「LPD」
以下の値に対して、それぞれ上限値「UMV」及び下限
値「LMV」の少なくとも何れか一方の制限値を設定す
るとともに、アンモニア濃度信号をアンモニア注入量に
変換したアドバンスドアンモニア修正信号37(「M
V」値)を出力する処理を行う(図8参照)。
【0068】上記の上限値「UMV」は、例えばアンモ
ニア注入量制御信号の55%程度、下限値「LMV」は
45%程度に設定しておくとよい。また、上限値「UM
V」と下限値「LMV」とを定数とせずに、計測した排
ガス温度に応じて可変可能な構成としてもよい。このよ
うにリミット演算手段を設けることにより、排ガスの温
度測定手段20や濃度測定手段24の万一の故障時にお
ける制御出力の暴走を防止するバックアップ機能を備え
ることになる。
【0069】MV加算器78では、アドバンスドアンモ
ニア修正信号37と基本アンモニア注入量を加算して出
力する。
【0070】図9(a)〜(d)に時間と制御手段26
内における各値との関係を示し、以下にてそのタイミン
グに関する説明を行う。
【0071】図9(a)はアドバンスドアンモニア注入
制御を実施しなかった場合と、アドバンスドアンモニア
注入制御を実施した場合とにおける、電気集塵装置16
から排出される残留アンモニア濃度と時間との関係を示
している。
【0072】同図によれば、時間とともに増加の傾向が
ある残留アンモニア濃度が時刻t1を過ぎると不感帯設
定幅を超える。すると従来の制御手段では、図9(a)
に示す「CLB」のカーブで残留アンモニア濃度が上昇
し、許容上限値である「UCL」値を超えてしまってい
た。その後t2を過ぎると硫黄分を多く含む燃料の燃焼
状態が定常状態になるとともに監視員が手動で注入ノズ
ルに設けられているダンパの開閉に関する制御を実施し
て、残留アンモニア濃度が許容範囲内に入るように制御
するので残留アンモニア濃度「CLB」は低下する。
【0073】これに対して本発明に係るアドバンスドア
ンモニア注入制御を実施することによって、残留アンモ
ニア濃度を許容範囲内に収めることが可能となる。図9
(a)の実施例では、不感帯の下限値を35ppm、不
感帯の上限値を45ppmとして説明する。時間t1を
過ぎてt2までの間において、残留アンモニア濃度34
が不感帯設定幅を超えると、不感帯演算器64から「Δ
HE」の制御信号が出力されて修正制御を開始する。そ
の結果、MV加算器78にアンモニア注入量を減少させ
る信号を出力する。すると残留アンモニア濃度は自動的
に減少するので、残留アンモニア許容濃度の上限値「U
CL」を超えることはない。また、残留アンモニア濃度
が不感帯設定幅の下限値を超えた場合にも同様にアンモ
ニア注入量を増す制御を実施するので、残留アンモニア
濃度が許容下限値「LCL」を下回ることはない。
【0074】図9(b)は、不感帯演算器64における
入力値「ΔE」及び出力値「ΔHE」と時間との関係を
示している。
【0075】同図によれば、図9(a)で示したように
残留アンモニア濃度が上昇すると、「ΔE」値も上昇す
る。しかし、時間t1までは不感帯の上限値「UDB」
以下であるので「ΔHE」出力値はゼロである。ところ
が、時間t1からt2までの間では、「ΔE」値は不感
帯の上限値「UDB」以上であるので、同図に示す「Δ
HE」値が出力される。また、残留アンモニア濃度が減
少して不感帯の下限値「LDB」を下回った場合にも前
記の場合と同様にして「ΔHE」値を出力する。
【0076】図9(c)は、比例微分コントローラ66
における比例動作「P動作」、微分動作「D動作」、比
例+微分動作「P+D動作」と時間との関係を示してい
る。
【0077】図9(b)に示したように「ΔHE」が出
力されると、「ΔHE」値の量に比例した「P動作」値
が算出される。また同様に、「ΔHE」値の変化量に比
例した「D動作」値が算出される。比例微分コントロー
ラ66では、この「P動作」と「D動作」との値が加算
されて「P+D動作」の値を出力する。
【0078】図9(d)は、アドバンスドアンモニア注
入制御を実施しなかった場合のプログラムデマンド「S
VB」値と、アドバンスドアンモニア注入制御を実施し
た場合のアンモニアフローデマンド「SV」値と、時間
との関係を示している。
【0079】図9(d)に示されるプログラムデマンド
「SVB」値は、前記MV加算器78でアドバンスドア
ンモニア修正信号37を加算せずに、基本・過剰・動的
アンモニア注入量系で算出した信号のみに基づいて算出
されるアンモニア注入量制御信号36と、時間との関係
を示している。特に硫黄分を多く含む燃料の消費量が一
定で、且つ、排ガス温度が一定である場合には、図9
(d)に示されるように「SVB」値は一定値となる。
【0080】前述のとおり本発明では、MV加算器78
でアドバンスドアンモニア修正信号37と基本・過剰・
動的アンモニア注入量算出系からの信号とを加算して出
力している。したがって、アドバンスドアンモニア注入
制御を実施した場合のアンモニア注入量制御信号36
と、時間との関係は、図9(d)に示されるアンモニア
フローデマンド「SV」値のようになる。
【0081】このように、温度測定手段20で測定した
排ガスの温度と、測定した未反応の残留アンモニア濃度
とに応じて必要アンモニア過剰濃度を算出し、これに基
づいてアンモニア注入量を設定するので、排ガスの温度
が変動した場合であっても、また、残留アンモニア濃度
が多め又は少なめに偏っている場合であっても、適切に
フィードバックされて適量のアンモニアを注入すること
ができる。したがって、アンモニアの注入不足を防止す
ることができるとともにアンモニアの過剰注入を最小限
に抑えることができる。
【0082】上述の、アドバンスドアンモニア注入制御
を用いることによって、アンモニア注入量を過不足なく
安定した制御を実施することが可能である。ところが、
前記推定SO3 濃度算出系の基本アンモニア注入量を加
算しない場合には、ボイラ12の負荷が急激に変動する
過渡期において、図10(d)に示すようなアンモニア
注入不足領域やアンモニア注入過剰領域を生じることが
ある。
【0083】図10(a)は、ボイラの燃料消費量と時
間との関係を示している。
【0084】図10(b)は、ボイラの排ガス温度と時
間との関係を示している。
【0085】図10(c)は、ボイラの負荷と時間との
関係を示している。
【0086】図10(d)は、電気集塵装置から排出さ
れる残留アンモニア濃度と時間との関係を示している。
【0087】同図に示されるように、ボイラ12の負荷
が急に増加して燃料消費量が急増しても、排ガス温度が
過渡特性によって燃料消費量に応じて増加しないような
場合には、図10(d)に示されるように時間t11〜
t12の間において残留アンモニア濃度が残留アンモニ
ア不感帯の範囲を下回る可能性がある。
【0088】また逆に、ボイラ12の負荷が急に減少し
て燃料消費量が急減した場合には、時間t13〜t14
の間において残留アンモニア濃度が残留アンモニア不感
帯の範囲を上回る可能性がある。ところが本発明では、
上述のアドバンスドアンモニア注入制御に加えて、前記
推定SO3 濃度算出系から出力される基本アンモニア注
入量を加算する制御と、基本アンモニア注入量に対する
微分値に応じた値を加算する制御とを実施しているた
め、硫黄分を多く含む燃料を燃焼させた場合であっても
常に適量のアンモニアを注入することが可能となる。し
たがって、ボイラ12の急激な負荷増大時にはアンモニ
ア注入量が加算され、ボイラ12の急激な負荷減少時に
はアンモニア注入量が減少するので、SO3 濃度が燃焼
の状態により変化した場合であっても適量のアンモニア
を注入することが可能となる。
【0089】なお、上述した実施の形態では、制御手段
26内に各演算機能を備えた例で説明したが、コンピュ
ータ等を用いたデジタル制御手段としても一括制御を行
うことによって本発明の目的を達成することが可能とな
る。
【0090】以下の表1に、本発明の構成要件となるア
ンモニア注入量の各種制御方法とその組み合わせによる
ケース番号との関係を表にまとめて示す。
【0091】
【表1】
【0092】ボイラの使用燃料の硫黄分、運転形態、排
ガス規制等の条件により、排煙処理装置に要求される最
適な制御方法が異なる。以下の表2に、ボイラの各運転
条件に要求される表1のケース番号を示すとともに本発
明に係る請求項との関係をも示す。
【0093】
【表2】
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の排煙処理
装置によれば、基本アンモニア注入量に対して時間微分
を行った信号に基づいて動的補正した注入アンモニアの
注入量を制御するようにしたので、ボイラの運転状況や
燃焼状況が急に変動した場合であっても適切な量のアン
モニアを注入することが可能となる。
【0095】また、他の発明の形態によれば、排ガスに
注入された注入アンモニアが濃度測定手段で測定される
までの時間遅れの要素を加味した注入アンモニア濃度か
ら残留アンモニア濃度を減算して推定三酸化硫黄濃度を
算出するとともに基本アンモニア注入量を算出して注入
アンモニアの注入量を制御しているので、硫黄分を多く
含む燃料を燃焼させるとともにボイラの運転状況や燃焼
状況が変動した場合であっても適切な量のアンモニアを
注入することが可能となり、注入アンモニアの注入量が
不足して電気集塵装置内で酸性硫安が発生したり、注入
アンモニアの注入量が多過ぎて運転費用が増大すること
を防止できる。
【0096】また、他の発明の形態によれば、電気集塵
装置から排出される排ガスに残留する残留アンモニア濃
度と前記排ガスの温度とに基づいてボイラから発生する
三酸化硫黄を中和するのに必要なアンモニア量補正値を
算出し、基本アンモニア注入量と加算することによって
注入アンモニアの注入量を制御するようにしたので、ボ
イラの運転状況や燃焼状況が変動した場合であっても常
に適切な量のアンモニアを注入することが可能となる。
更に、前記アンモニア量補正値を算出する際に、不要な
動作を抑制する不感帯演算を実施し、比例演算又は比例
微分演算を実施して制御出力を求めるとともに前記制御
出力を一定に制限したアンモニア量補正値を演算するよ
うにしたので、温度測定手段及び濃度測定手段の万一の
故障時における前記制御出力の暴走を防止することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排煙処理装置の実施の形態を示す
概略構成図
【図2】本発明に係る排煙処理装置の制御回路の実施の
形態を示す図
【図3】燃料消費量と必要アンモニア量との関係を示す
【図4】排ガス温度と必要アンモニア過剰濃度との関係
を示す図
【図5】本発明に係る排煙処理装置の制御回路の他の実
施の形態を示す図
【図6】本発明に係る排煙処理装置のアドバンスドアン
モニア制御系の制御回路の実施の形態を示す図
【図7】「ΔE」値と「ΔHE」値との関係を示す図
【図8】「ΔPD」値と「MV」値との関係を示す図
【図9】(a)は、残留アンモニア濃度と時間との関係
を示す図 (b)は、「ΔE」値及び「ΔHE」値と時間との関係
を示す図 (c)は、比例微分コントローラにおける比例動作、微
分動作、比例+微分動作と時間との関係を示す図 (d)は、デマンド値と時間との関係を示す図
【図10】(a)は、ボイラの燃料消費量と時間との関
係を示す図 (b)は、ボイラの排ガス温度と時間との関係を示す図 (c)は、ボイラの負荷と時間との関係を示す図 (d)は、電気集塵装置から排出される残留アンモニア
濃度と時間との関係を示す図
【符号の説明】
10…排煙処理装置、12…ボイラ、16…電気集塵装
置、20…温度測定手段、22…注入手段、24…濃度
測定手段、26制御手段、31…燃料消費量信号、32
…排ガス流量信号、32A…排ガス流量、33…排ガス
温度信号、34…残留アンモニア濃度信号、35…アン
モニア注入量信号、36…アンモニア注入量制御信号、
37…アドバンスドアンモニア修正信号、50…FX演
算器、51…FFX演算器、52…GX演算器、53…
FGX演算器、54…FG加算器、60…Ft演算器、
62…ΔE演算器、64…不感帯演算器、66…比例微
分コントローラ、68…上下限リミット、78…MV加
算器、90…HX演算器、92…IX演算器、94…J
X演算器、95…微分手段、96…微分手段、97…ス
イッチ、100…LX演算器、102…MX演算器、1
04…アドバンスドアンモニア制御系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 裕行 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 大浦 忠 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 榊原 貞夫 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 小椋 誠 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 Fターム(参考) 3K070 DA03 DA14 DA30 4D002 AA02 AC01 BA03 BA14 CA11 CA13 DA07 EA02 FA06 GA02 GA03 GB02 GB03 GB06 GB08 GB20 4D054 AA05 BA01 EA02 EA21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラから排出される排ガス中の三酸化
    硫黄に対し、電気集塵装置を保護するためにアンモニア
    を注入して中和処理した後、電気集塵装置によってダス
    トを除去する排煙処理装置において、 ボイラに供給している燃料消費量を測定する燃料消費量
    測定手段と、 前記測定した燃料消費量と前記燃料に含まれるイオウ分
    とに基づいて前記ボイラから排出される三酸化硫黄を中
    和するのに最低限必要とされる基本アンモニア注入量を
    算出する手段と、 前記基本アンモニア注入量を時間微分した信号をボイラ
    から排出される三酸化硫黄の濃度レベルで補正する動的
    解析手段と、 前記動的解析手段により求めた値を前記基本アンモニア
    注入量に加算して動的補正した基本・動的アンモニア注
    入量を算出する手段と、 前記基本・動的アンモニア注入量に基づいて注入アンモ
    ニアの注入量を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする排煙処理装置。
  2. 【請求項2】 ボイラから排出される排ガス中の三酸化
    硫黄に対し、電気集塵装置を保護するためにアンモニア
    を注入して中和処理した後、電気集塵装置によってダス
    トを除去する排煙処理装置において、 ボイラに供給している燃料消費量を測定する燃料消費量
    測定手段と、 前記測定した燃料消費量と前記燃料に含まれるイオウ分
    とに基づいて前記ボイラから排出される三酸化硫黄を中
    和するのに最低限必要とされる基本アンモニア注入量を
    算出する手段と、 前記基本アンモニア注入量を時間微分した信号をボイラ
    から排出される三酸化硫黄の濃度レベルで補正する動的
    解析手段と、 基本・過剰アンモニア注入量を算出するために前記排ガ
    スの温度を測定する過剰用の温度測定手段と、 基本・過剰アンモニア注入量を算出するために前記測定
    した排ガス温度に基づいて、前記ボイラから発生する三
    酸化硫黄を中和するのに必要な過剰アンモニア分として
    の必要アンモニア過剰量を算出する手段と、 前記基本アンモニア注入量に前記算出した必要アンモニ
    ア過剰量を加算して基本・過剰アンモニア注入量を算出
    する手段と、 前記動的解析手段により求めた値を前記基本・過剰アン
    モニア注入量に加算して動的補正した基本・過剰・動的
    アンモニア注入量を算出する手段と、 前記基本・過剰・動的アンモニア注入量に基づいて注入
    アンモニアの注入量を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする排煙処理装置。
  3. 【請求項3】 ボイラから排出される排ガス中の三酸化
    硫黄に対し、電気集塵装置を保護するためにアンモニア
    を注入して中和処理した後、電気集塵装置によってダス
    トを除去する排煙処理装置において、 推定三酸化硫黄濃度を算出するために前記電気集塵装置
    から排出される排ガス中に残留する残留アンモニア濃度
    を測定する推定用の濃度測定手段と、 ボイラから排出される排ガスに注入された注入アンモニ
    アが前記推定用の濃度測定手段で測定されるまでの時間
    遅れの要素を加味して算出した注入アンモニア濃度か
    ら、前記推定用の濃度測定手段によって測定された残留
    アンモニア濃度を減算し、推定三酸化硫黄濃度を算出す
    る推定三酸化硫黄濃度算出手段と、 前記算出した推定三酸化硫黄濃度と、ボイラに供給して
    いる燃料消費量から換算した排ガス流量若しくはボイラ
    から排出された排ガス流量とに応じて前記ボイラから発
    生する三酸化硫黄を中和するのに最低限必要とされる基
    本アンモニア注入量を算出する手段と、 前記基本アンモニア注入量に基づいて注入アンモニアの
    注入量を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする排煙処理装置。
  4. 【請求項4】 ボイラから排出される排ガス中の三酸化
    硫黄に対し、電気集塵装置を保護するためにアンモニア
    を注入して中和処理した後、電気集塵装置によってダス
    トを除去する排煙処理装置において、 推定三酸化硫黄濃度を算出するために前記電気集塵装置
    から排出される排ガス中に残留する残留アンモニア濃度
    を測定する推定用の濃度測定手段と、 ボイラから排出される排ガスに注入された注入アンモニ
    アが前記推定用の濃度測定手段で測定されるまでの時間
    遅れの要素を加味して算出した注入アンモニア濃度か
    ら、前記推定用の濃度測定手段によって測定された残留
    アンモニア濃度を減算し、推定三酸化硫黄濃度を算出す
    る推定三酸化硫黄濃度算出手段と、 前記算出した推定三酸化硫黄濃度と、ボイラに供給して
    いる燃料消費量から換算した排ガス流量若しくはボイラ
    から排出された排ガス流量とに応じて前記ボイラから発
    生する三酸化硫黄を中和するのに最低限必要とされる基
    本アンモニア注入量を算出する手段と、 基本・過剰アンモニア注入量を算出するために前記排ガ
    スの温度を測定する推定用の温度測定手段と、 基本・過剰アンモニア注入量を算出するために前記測定
    した排ガス温度に基づいて、前記ボイラから発生する三
    酸化硫黄を中和するのに必要な過剰アンモニア分として
    の必要アンモニア過剰量を算出する手段と、 前記基本アンモニア注入量に前記算出した必要アンモニ
    ア過剰量を加算して基本・過剰アンモニア注入量を算出
    する手段と、 前記基本・過剰アンモニア注入量に基づいて注入アンモ
    ニアの注入量を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする排煙処理装置。
  5. 【請求項5】 前記基本アンモニア注入量の時間微分し
    た信号を前記推定三酸化硫黄濃度レベルで補正した動的
    解析手段と、 前記動的解析手段により求めた値を前記基本アンモニア
    注入量又は、前記基本・過剰アンモニア注入量に加算し
    て基本・動的アンモニア注入量又は基本・過剰・動的ア
    ンモニア注入量を算出する手段と、 を備え、 前記制御手段は、前記基本・動的アンモニア注入量又は
    基本・過剰・動的アンモニア注入量に基づいて注入アン
    モニアの注入量を制御することを特徴とする請求項3又
    は4の排煙処理装置。
  6. 【請求項6】 アンモニア量補正値を算出するために前
    記排ガスの温度を測定する補正用の温度測定手段と、 前記補正用の温度測定手段が測定した排ガス温度に基づ
    いて、アンモニア量補正値を算出するために前記ボイラ
    から発生する三酸化硫黄を中和するのに必要な過剰アン
    モニア分としての必要アンモニア過剰濃度を算出する必
    要アンモニア過剰濃度算出手段と、 アンモニア量補正値を算出するために前記電気集塵装置
    から排出される排ガス中に残留する残留アンモニア濃度
    を測定する補正用の濃度測定手段と、 前記算出した必要アンモニア過剰濃度と前記補正用の濃
    度測定手段が測定した残留アンモニア濃度との差分値を
    算出する差分値算出手段と、該算出した差分値に対して
    不要な動作を抑制する不感帯演算を実施して演算結果を
    出力する不感帯演算手段と、該不感帯演算手段が算出し
    た値に対して比例演算又は比例微分演算を実施して制御
    出力を求める比例演算手段と、前記補正用の温度測定手
    段及び前記補正用の濃度測定手段の万一の故障時の前記
    制御出力の暴走を防止するため前記制御出力を一定に制
    限したアンモニア量補正値を算出するリミット演算手段
    とから構成されるアンモニア補正量算出手段とを備え、 前記制御手段は、前記基本アンモニア注入量、前記基本
    ・過剰アンモニア注入量、前記基本・過剰・動的アンモ
    ニア注入量又は前記基本・動的アンモニア注入量のいず
    れかと、前記アンモニア量補正値とに基づいて注入アン
    モニアの注入量を制御することを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれか1に記載の排煙処理装置。
  7. 【請求項7】 ボイラから排出される排ガス中の三酸化
    硫黄に対し、電気集塵装置を保護するためにアンモニア
    を注入して中和処理した後、電気集塵装置によってダス
    トを除去する排煙処理装置において、 ボイラに供給している燃料消費量を測定する燃料消費量
    測定手段と、 前記測定した燃料消費量と前記燃料に含まれるイオウ分
    とに基づいて前記ボイラから排出される三酸化硫黄を中
    和するのに最低限必要とされる基本アンモニア注入量を
    算出する手段と、 アンモニア量補正値を算出するために前記排ガスの温度
    を測定する補正用の温度測定手段と、 前記補正用の温度測定手段が測定した排ガス温度に基づ
    いて、アンモニア量補正値を算出するために前記ボイラ
    から発生する三酸化硫黄を中和するのに必要な過剰アン
    モニア分としての必要アンモニア過剰濃度を算出する必
    要アンモニア過剰濃度算出手段と、 アンモニア量補正値を算出するために前記電気集塵装置
    から排出される排ガス中に残留する残留アンモニア濃度
    を測定する補正用の濃度測定手段と、 前記算出した必要アンモニア過剰濃度と前記補正用の濃
    度測定手段が測定した残留アンモニア濃度との差分値を
    算出する差分値算出手段と、該算出した差分値に対して
    不要な動作を抑制する不感帯演算を実施して演算結果を
    出力する不感帯演算手段と、該不感帯演算手段が算出し
    た値に対して比例演算又は比例微分演算を実施して制御
    出力を求める比例演算手段と、前記補正用の温度測定手
    段及び前記補正用の濃度測定手段の万一の故障時の前記
    制御出力の暴走を防止するため前記制御出力を一定に制
    限したアンモニア量補正値を算出するリミット演算手段
    とから構成されるアンモニア補正量算出手段と、 前記基本アンモニア注入量と前記アンモニア量補正値と
    に基づいて注入アンモニアの注入量を制御する制御手段
    と、 を備えたことを特徴とする排煙処理装置。
  8. 【請求項8】 ボイラから排出される排ガス中の三酸化
    硫黄に対し、電気集塵装置を保護するためにアンモニア
    を注入して中和処理した後、電気集塵装置によってダス
    トを除去する排煙処理装置において、 ボイラに供給している燃料消費量を測定する燃料消費量
    測定手段と、 前記測定した燃料消費量と前記燃料に含まれるイオウ分
    とに基づいて前記ボイラから排出される三酸化硫黄を中
    和するのに最低限必要とされる基本アンモニア注入量を
    算出する手段と、 基本・過剰アンモニア注入量を算出するために前記排ガ
    スの温度を測定する過剰用の温度測定手段と、 基本・過剰アンモニア注入量を算出するために前記測定
    した排ガス温度に基づいて、前記ボイラから発生する三
    酸化硫黄を中和するのに必要な過剰アンモニア分として
    の必要アンモニア過剰量を算出する手段と、 前記基本アンモニア注入量に前記算出した必要アンモニ
    ア過剰量を加算して基本・過剰アンモニア注入量を算出
    する手段と、 アンモニア量補正値を算出するために前記排ガスの温度
    を測定する補正用の温度測定手段と、 前記補正用の温度測定手段が測定した排ガス温度に基づ
    いて、アンモニア量補正値を算出するために前記ボイラ
    から発生する三酸化硫黄を中和するのに必要な過剰アン
    モニア分としての必要アンモニア過剰濃度を算出する必
    要アンモニア過剰濃度算出手段と、 アンモニア量補正値を算出するために前記電気集塵装置
    から排出される排ガス中に残留する残留アンモニア濃度
    を測定する補正用の濃度測定手段と、 前記算出した必要アンモニア過剰濃度と前記補正用の濃
    度測定手段が測定した残留アンモニア濃度との差分値を
    算出する差分値算出手段と、該算出した差分値に対して
    不要な動作を抑制する不感帯演算を実施して演算結果を
    出力する不感帯演算手段と、該不感帯演算手段が算出し
    た値に対して比例演算又は比例微分演算を実施して制御
    出力を求める比例演算手段と、前記補正用の温度測定手
    段及び前記補正用の濃度測定手段の万一の故障時の前記
    制御出力の暴走を防止するため前記制御出力を一定に制
    限したアンモニア量補正値を算出するリミット演算手段
    とから構成されるアンモニア補正量算出手段と、 前記基本・過剰アンモニア注入量と前記アンモニア量補
    正値とに基づいて注入アンモニアの注入量を制御する制
    御手段と、 を備えたことを特徴とする排煙処理装置。
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