JP2002028000A - 裁断済み砂糖きび中のトラッシュ除去システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】トラッシュを効率的良く除去でき、システム構
成が簡素であり、かつより狭い設置面積、より少ない設
備コスト・ランニングコストのトラッシュ除去システム
を提供する。 【解決手段】所定長に裁断された裁断済み砂糖きびを貯
留するホッパ２と、トロンメル４と、風力選別機８とを
備え、ホッパ２に貯留された裁断済み砂糖きびをトロン
メル４に対して供給し、このトロンメル４において裁断
済み砂糖きび中の土砂トラッシュを除去するとともに裁
断済み砂糖きびの茎から袴を剥離し、この剥離袴を含む
裁断済み砂糖きびを風力選別機８に対して供給し、この
風力選別機８において少なくとも裁断済み砂糖きびの茎
とこれよりも軽量のトラッシュとに選別するように構成
したトラッシュ除去システム１とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ハーベスターによ
り機械刈りされた砂糖きび原料中に混入している土砂、
枯れ葉、青葉、枯死茎、梢頭部およびハカマ等のトラッ
シュを、原糖工場で除去するための裁断済み砂糖きびの
トラッシュ除去システムおよびその方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年では、原糖工場で原料となる砂糖き
びの収穫方式は、ハーベスターによる機械刈りが主流と
なっているものの、機械刈りでは裁断済み砂糖きび中に
トラッシュ（土砂、枯れ葉、青葉、枯死茎、梢頭部、ハ
カマ等）が混入するのを避けられない。これらトラッシ
ュは、工場設備の損耗・故障等の原因となる。それによ
って、工場設備のメンテナンス費の増大および工場歩留
まりの低下をきたすこともある。したがって、原糖工場
では、先ず裁断済み砂糖きび中のトラッシュを除去する
必要がある。

【０００３】また、手刈り原料についても、省力化のた
めに農場で脱葉することなしに、全茎無脱葉のままで原
糖工場に搬入されるようになってきている。したがっ
て、かかる手刈り原料は原糖工場において脱葉を行う必
要がある。

【０００４】かかる要請に基づき、従来から、裁断済み
砂糖きび中のトラッシュを除去するシステムが提案され
ている。この例として、全茎無脱葉の状態の砂糖きび原
料を対象とするトラッシュ除去システムがある。詳しく
は、先ずカッターによる原料の裁断を行った後、原料の
搬送層厚を調整するならし羽根により袴の剥離を行い、
続いて、風力選別および比重差選別を組み合わせて６段
階にも及ぶ選別を行うものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この先
行技術は、風力選別および比重差選別だけを用いるため
効率良くトラッシュを除去できず、そのため６段階にも
及ぶ選別を行うなどシステム構成が複雑であった。また
かかる複雑なシステムでは、大量処理を目的として設計
した場合に設備が過大となり、それに要する設備費用お
よびランニングコストが高くなることも問題であった。

【０００６】そこで、本発明の主たる課題は、トラッシ
ュを効率的良く除去でき、システム構成が簡素であり、
かつより狭い設置面積、より少ない設備コスト・ランニ
ングコストのトラッシュ除去システムを提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明のうち請求項１に記載の発明は、所定長に裁断された
裁断済み砂糖きびを貯留するホッパと、トロンメルと、
風力選別機とを備え、前記ホッパに貯留された裁断済み
砂糖きびをトロンメルに対して供給し、このトロンメル
において裁断済み砂糖きび中の土砂トラッシュを除去す
るとともに裁断済み砂糖きびの茎から袴を剥離し、この
剥離袴を含む裁断済み砂糖きびを風力選別機に対して供
給し、この風力選別機において少なくとも裁断済み砂糖
きびの茎とこれよりも軽量のトラッシュとに選別するよ
うに構成した、ことを特徴とする、裁断済み砂糖きび中
のトラッシュ除去システムである。

【０００８】請求項２記載の発明は、さらに前段風力選
別機を備え、前記ホッパに貯留された裁断済み砂糖きび
を前記前段風力選別機に供給し、この前段風力選別機に
おいて軽量トラッシュと土砂トラッシュおよび裁断済み
砂糖きびからなる重量物とに選別し、この重量物を前記
トロンメルに供給するように構成した、請求項１記載の
裁断済み砂糖きび中のトラッシュ除去システムである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しつつ詳述する。 ＜第１の実施形態＞図１は、ハーベスターにより機械刈
りされ所定長に裁断された裁断済み砂糖きびを貯留する
ホッパ２と、トロンメル３と、風力選別機４とを主要構
成とする、本発明に係るトラッシュ除去システム１を示
している。

【００１０】本システム１は例えば処理工場に設置され
る。砂糖きび畑においてハーベスターにより機械刈りさ
れ所定長に裁断された裁断済み砂糖きびは、トラック２
０により処理工場に搬入され、本システム１の貯留ホッ
パ２に順次投入される。

【００１１】トラッシュ除去処理においては、先ず、ホ
ッパ２に貯留されたトラッシュを含む裁断済み砂糖きび
が、ホッパ２下部から第１供給コンベヤー３（移送手
段）を介してトロンメル４に供給される。

【００１２】（トロンメルにおける処理）トロンメル４
は、傾斜状態に軸支された筒状スクリーン４ａ（スクリ
ーン面が円筒形、角筒形、円錐台形、または角錐台形を
なすスクリーン）を備え、これをその軸心周りに回転さ
せることにより、被分離物を筒状スクリーン４ａ内を周
方向および軸方向低所側に移動させつつ、スクリーンを
通過するものと通過しないものとに篩い分けるものであ
る。

【００１３】トラッシュを含む裁断済み砂糖きびは、第
１供給コンベヤー（移送手段）３から、かかるトロンメ
ル４の筒状スクリーン４ａ内に高所側から投入される。
投入されたトラッシュを含む裁断済み砂糖きびは筒状ス
クリーン４ａの回転により回転周方向に持ち上げられ続
いて自然に落下することによりスクリーン面上を軸方向
低所側に移動する。この移動過程で、土砂トラッシュ
（小石を含む）のみがスクリーン４ａを通過し排出シュ
ート４ｂを介して排出コンベヤー５上に落下する。また
同過程において、裁断済み砂糖きびがトロンメル４ａ内
に所定の時間滞留され、裁断済み砂糖きびの袴が、砂糖
きび相互の摩擦および筒状スクリーン４ａのスクリーン
面との摩擦により剥離される。

【００１４】スクリーン４ａを通過しない、剥離袴や葉
等のトラッシュを含む裁断済み砂糖きびは、筒状スクリ
ーン４ａの低所側の端部より供給シュート４ｂを介して
第２供給コンベヤー６上に供給される。

【００１５】なお、トロンメル中の被分離物の滞留時間
は、トロンメル４ａの材質、形、サイズ、傾斜角度、回
転速度、およびスクリーンの孔形等に左右されるため実
験により定めるのが好ましい。本発明者らの知見によれ
ば、６０ｔ／ｈの場合で、約３分以上の滞留時間は必要
である。また、スクリーンの孔を幅１５mm、長さ５０mm
の長孔とすると、スクリーンの孔に砂糖きびの茎等が刺
さったり、粘度質の土砂が詰まったりすることが無くな
るので好ましい。

【００１６】（風力選別機における処理）第２供給コン
ベヤー６に供給された剥離袴や葉等のトラッシュを含む
裁断済み砂糖きびは、風力選別機８に移送供給され、こ
の風力選別機８において少なくとも裁断済み砂糖きびの
茎と軽量トラッシュ（剥離袴・枯れ葉・青葉等）とに選
別される。

【００１７】本例では、風力選別に先立ち、第２供給コ
ンベヤー６による搬送過程において、第２供給コンベヤ
ー６上側に設けられたレベラー７，７（回転式均し羽
根）により、風力選別機８への供給物が均され、層厚が
均一にされる。なお後の風力選別機８の選別能力を十分
に発揮させるために、供給物層厚をできる限り薄くする
のが好ましい。このようにして供給層厚の均一化処理が
なされた第２供給コンベヤー６上のトラッシュおよび裁
断済み砂糖きびは、続いて風力選別機８に投入される。

【００１８】図示例の風力選別機８は、ケーシング８ａ
の一方の側壁上部に原料投入部８ｂが設けられ、この下
方にケーシング８ａの他方の側壁に向かいかつ斜め上方
向を向く送風ノズル９ａが設けられ、この送風ノズル９
ａへの送風を行う送風ファン９ｂが設けられ、一方、ケ
ーシング８ａの底部には、送風ノズル９ｃから離間する
方向に順に茎捕集シュート８ｃ、これよりも軽量のトラ
ッシュを捕集するトラッシュ捕集シュート８ｄが設けら
れている。また、ケーシング８ａの他方の側壁上部にス
クリーンバッフル８ｆが取付けられた排風口８ｅが設け
られ、この排風口８ｅにはサイクロン１０Ｃ（塵埃捕集
装置）を介して排風ファン１０Ｆが接続されている。

【００１９】かかる風力選別装置８において、原料投入
部８ｂを介して供給されたトラッシュを含む裁断済み砂
糖きびは、送風ノズル９ａ，９ａに向かい落下させられ
る。送風ノズル９ａ，９ａからは送風ファン９ｂからの
風が吹き出しており、落下したされたトラッシュを含む
裁断済み砂糖きびはその風力を均一に受け、ケーシング
８ａの他端の側壁へと向かい吹き飛ばされる。このうち
相対的に重い茎が手前側の茎捕集シュート８ｃに落下し
捕集され、相対的に軽い袴・枯葉・青葉等の軽量トラッ
シュがトラッシュ捕集シュート８ｄに落下捕集される。

【００２０】茎捕集シュート８ｂにより捕集された茎
は、落下捕集されミルラインに供給される。トラッシュ
捕集シュート８ｄにより補集された軽い袴・枯葉・青葉
等の軽量トラッシュは、トラッシュ捕集シュート８ｄ下
方に設置された第２排出コンベヤー１１上に排出され
る。

【００２１】また排風ポンプ１０Ｆによる吸引によっ
て、ケーシング８ａ内に送風された空気が風力選別処理
に伴い発生する塵埃を伴って排風口８ｅを介してサイク
ロン１０に供給され、サイクロン１０Ｃにおいて塵埃が
捕集除去された後に大気中に排出され。サイクロン１０
Ｃにおいて捕集除去された塵埃は、軽い袴・枯葉・青葉
等の軽量トラッシュを移送する第２排出コンベヤー１１
上に排出される。このようにすることで、ケーシング８
ａ内が常時大気圧に保たれるばかりでなく、風力選別の
排気をよりクリーンにすることができる。

【００２２】＜第２の実施形態＞第１の実施形態では、
ホッパ２に貯留されたトラッシュを含む裁断済み砂糖き
びをトロンメル４に直接に供給したが、図２に示すよう
に、ホッパ２に貯留されたトラッシュを含む裁断済み砂
糖きびを、別途設けた前段風力選別機１８に供給し、こ
の前段風力選別機１８において土砂トラッシュおよび裁
断済み砂糖きびからなる重量物とこれよりも軽量の軽量
トラッシュ（枯葉、青葉等）とに選別してから、このう
ちの重量物をトロンメル４に供給するように構成するの
も好ましい。この場合、処理前から存在する青葉や枯葉
等の軽量トラッシュの殆どが前段風力選別機１８により
除去するので、後段の風力選別機８において選別除去さ
れる軽量トラッシュは、処理中に発生する剥離袴等が殆
どである。なお、前段風力選別機１８およびこれに対す
る供給コンベヤの詳細構成は、前述の風力選別機８およ
び第３供給コンベヤー６とそれぞれ同様であるので、同
じ符号を付して説明を省略する。

【００２３】本第２の実施形態では、処理前から存在す
る枯葉、青葉等の軽量トラッシュを何よりも先に除去す
るので、その後における処理に好影響を及ぼす。すなわ
ち、枯葉、青葉等の軽量トラッシュをもトロンメル４を
通して後段の風力選別機８に供給すると、トロンメル４
においてはスクリーン４ａに葉が詰まったり、またそれ
によって袴の剥離や土砂の篩い分けが阻害されたりする
おそれがあるが、本第２の実施形態ではかかる問題の発
生する可能性がより低くなる。

【００２４】＜その他＞図１および図２における符号Ｔ
Ｖ１〜ＴＶ５は監視カメラを示しており、これら監視カ
メラを介してその下方の移送物や各処理装置の処理済物
を監視することができるようになっている。図示の監視
カメラ位置以外にも、適宜の位置に監視カメラを設ける
ことができる。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、トラッシュを効率的良く除去でき、システム
構成が簡素であり、かつより狭い設置面積、より少ない
設備コスト・ランニングコストのトラッシュ除去システ
ムとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施形態に係るトラッシュ除去システム
のフロー図である。

【図２】第２の実施形態に係るトラッシュ除去システム
のフロー図である。

【符号の説明】

１…トラッシュ除去システム、２…ホッパ、３…第１供
給コンベヤー、４…回転式トロンメル装置、５…第１排
出コンベヤー、６…第２供給コンベヤー、７…レベラ
ー、８…風力選別機、９ａ…送風ノズル、９ｂ…送風フ
ァン、１０Ｃ…サイクロン、１０Ｆ…排風ファン、１１
…第２排出コンベヤー。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定長に裁断された裁断済み砂糖きびを貯
   留するホッパと、トロンメルと、風力選別機とを備え、 前記ホッパに貯留された裁断済み砂糖きびをトロンメル
   に対して供給し、このトロンメルにおいて裁断済み砂糖
   きび中の土砂トラッシュを除去するとともに裁断済み砂
   糖きびの茎から袴を剥離し、この剥離袴を含む裁断済み
   砂糖きびを風力選別機に対して供給し、この風力選別機
   において少なくとも裁断済み砂糖きびの茎とこれよりも
   軽量のトラッシュとに選別するように構成した、ことを
   特徴とする、裁断済み砂糖きび中のトラッシュ除去シス
   テム。
2. 【請求項２】さらに前段風力選別機を備え、 前記ホッパに貯留された裁断済み砂糖きびを前記前段風
   力選別機に供給し、この前段風力選別機において土砂ト
   ラッシュおよび裁断済み砂糖きびからなる重量物と軽量
   トラッシュとに選別し、選別した重量物を前記トロンメ
   ルに供給するように構成した、 請求項１記載の裁断済み砂糖きび中のトラッシュ除去シ
   ステム。