JP2002020080A - 作業船における吊りフックの揺れ止め制御方法 - Google Patents

作業船における吊りフックの揺れ止め制御方法

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JP2002020080A
JP2002020080A JP2000204779A JP2000204779A JP2002020080A JP 2002020080 A JP2002020080 A JP 2002020080A JP 2000204779 A JP2000204779 A JP 2000204779A JP 2000204779 A JP2000204779 A JP 2000204779A JP 2002020080 A JP2002020080 A JP 2002020080A
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swing
hanging hook
value
controlling
hook
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JP2000204779A
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English (en)
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Satoru Shiraishi
悟 白石
Yoshimichi Oda
悦芳 織田
Sunao Nishihara
直 西原
Tomosuke Nakatsu
友介 中津
Eikoku Setsu
衛国 薛
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AIKON KK
YORIGAMI MARITIME CONSTRUCTION
National Institute of Maritime Port and Aviation Technology
Yorigami Maritime Construction Co Ltd
Original Assignee
AIKON KK
YORIGAMI MARITIME CONSTRUCTION
National Institute of Maritime Port and Aviation Technology
Yorigami Maritime Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起重機船等の揚重装置を有する船舶におい
て、重量物を吊り上げる揚重装置の吊りフックの揺れを
効果的に抑制することができる、吊りフックの揺れ止め
制御方法を提案する。 【解決手段】 本発明による、作業船における吊りフッ
クの揺れ止め制御方法は、吊りフックの量を検出してか
ら、この揺れを抑制するための動作に至るまでの時間遅
れを考慮し、この時間遅れ量に基づいて制御量を予測
し、この予測した制御量に基づいて揺れ止め制御を行う
ものである。したがって、揺れを検出してから、実際の
揺れ止めのためにアクチュエータを動作させて揺れを止
めるまでの過程を、適切な制御量で、かつ良好なタイミ
ングで行うことができるようになり、吊りフックの揺れ
止めを効果的に行うことが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、起重機船などの、
起重装置を有する各種作業船において、この起重装置に
よって重量物を吊り下げる場合に、波浪等の影響によっ
て吊りフックが動揺するのを防止するための、吊りフッ
クの制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】港湾の建設等においては、起重機船等の
揚重装置を有する作業船により、重量物の吊り作業が行
われる。この吊り作業は、通常、停船状態で行われるこ
とが多く、荒天時には波浪の影響で船体が動揺し、これ
に伴って重量物を吊るための吊り具(吊りフック)にも
揺れが生じる。
【0003】かかる吊りフックの揺れを防止するための
一方策として、本願出願人の一人による、特許第275856
8号において開示された吊りフックの揺れ止め装置があ
る。
【0004】かかる装置においては、吊りフックの揺れ
止め制御を行う際には、揺れ(変位)をセンサ等により
検出し、検出した変位量に基づいて演算装置により制御
量を求め、その後、この制御量により揺れ止めのための
アクチュエータを動作させる、という過程を経て行われ
る。ところが、この一連の過程においては、変位の検出
からアクチュエータの動作までに時間遅れを生じるた
め、有効な揺れ止め制御を行うことが困難であるという
問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決し、前記の時間遅れを考慮して吊りフックの変位
を予測することにより吊りフックの揺れ止め制御を行
う、作業船における吊りフックの揺れ止め制御方法を提
案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明による作
業船における吊りフックの揺れ止め制御方法は、起重装
置を具える作業船における、当該起重装置の吊りフック
の揺れの制御に際し、前記吊りフックの前記作業船に対
する相対変位を検出する際に発生する検出遅れ時間(t
)と、前記相対変位に基づいて前記吊りフックの制御
量を算出する際に発生する算出遅れ時間(t)と、前記
制御量に基づいて前記吊りフックを制御する際に発生す
る制御遅れ時間(t)の総和である総遅れ時間
【数5】Δt=t+t+t を求めるステップと、前記吊りフックのある検出時点に
おける相対変位値s(t)に対し、この相対変位値s(t)
の時間変化量
【数6】s'(t)=s(t)−s(t−Δt) および、このs'(t)の時間変化量
【数7】s"(t)=s'(t)−s'(t−Δt) を求めるステップと、前記相対変位値s(t)、前記s
(t)の時間変化量s'(t)および前記s'(t)の時間変化
量s"(t)より、前記吊りフックの相対変位値の前記総
遅れ時間Δt後の予測値s(t+Δt)を、
【数8】s(t+Δt)=a*s(t)+a*s'(t)*
Δt+a*s"(t)*Δt*0.5 により求めるステップと、を具えるものである。
【0007】本発明による作業船における吊りフックの
揺れ止め制御方法は、吊りフックの変位、すなわち揺れ
の量を検出してから、この揺れを抑制するための動作に
至るまでの時間遅れを考慮し、この時間遅れ量に基づい
て制御量を予測し、この予測した制御量に基づいて揺れ
止め制御を行うものである。したがって、揺れを検出し
てから、実際の揺れ止めのためにアクチュエータを動作
させて揺れを止めるまでの過程を、適切な制御量で、か
つ良好なタイミングで行うことができるようになり、吊
りフックの揺れ止めを効果的に行うことが可能である。
【0008】また、本発明による作業船における吊りフ
ックの揺れ止め制御方法は、前記吊りフックの相対変位
の予測値を求めるための係数a,a,aの値を、
前記吊りフックの相対変位の変動周期に応じて設定する
ことを特徴とするものである。それゆえ、吊りフックの
揺れの状態に応じた、適切な揺れ止め制御を行うことが
可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施形態について説明する。
【0010】図1は、本発明により吊りフックの揺れ止
め制御を行う作業船の一例を示すものである。図示の作
業船1は、船体2の甲板上に回転可能に設けた起重機3
を具える。起重機3は、ウインチボックス4、起伏可能
なジブ5、ワイヤロープ6によってジブ5の先端から吊
り下げられた吊りフック7を具える。なお、図では作業
船1は係留索8によって係留されている状態を示す。
【0011】起重機3にはさらに、吊りフック7の揺れ
止め装置9がさらに設けられている。揺れ止め装置9
は、2本の支柱10、この支柱10間に配置され、かつ回転
軸11によってこの支柱10に回転可能に支持される梁12、
梁12に、回転軸13によって揺動可能に支持されるリニア
ガイド14、リニアガイド14上をリニアアクチュエータ15
によって、リニアガイド14の長手方向に前後移動可能な
アーム16、アーム16の一端と軸回転可能に連結したフッ
ク保持具17を具える。なお、以下の説明においては、リ
ニアガイド14、リニアアクチュエータ15およびアーム16
を総称して揺れ止めアーム18と呼ぶ。
【0012】揺れ止め装置9の作用は以下の通りであ
る。すなわち、吊りフック7に水平方向の揺れが生じた
場合、例えば後述する制御手順に基づき、揺れの程度
(変位)に応じて揺れ止めアーム18を水平方向に揺動さ
せ、かつ、アーム16をリニアアクチュエータ15によって
リニアガイド14に沿って移動させる、換言すれば揺れ止
めアーム18を伸縮させることにより、フック保持具17を
移動させ、それによって吊りフック7の揺れを抑制す
る。
【0013】図2は、本発明による方法を用いて吊りフ
ックの揺れ止め制御を行う、揺れ止め制御装置の構成を
概略示すブロック図である。この制御装置においては、
動揺信号入力部21からの、船体および吊りフックの揺れ
に関する信号を信号変換部22で演算可能なデータに変換
(例えばA/D変換)し、演算部23において、後述する手
順に従って吊りフック7の変位量を予測し、これに基づ
いて前記揺れ止め装置9の揺れ止めアーム18を動作させ
るための信号を、信号出力部24より出力する。出力され
た信号に基づいてリニアアクチュエータ15が動作し、揺
れ止めアーム18が伸縮することにより、吊りフック7の
揺れを抑制することとなる。なお、動揺信号入力部21と
は、作業船1の船体に設けた、船体動揺計測装置および
加速度計のことである。
【0014】図3は、本発明による方法を用いて吊りフ
ックの揺れ止め制御を行う際の、吊りフックの水平方向
の変位を概略示すものである。ここでは、X-Y平面の座
標軸を、船首方向にX軸、舷側方向にY軸を取る。その
ため、吊りフック7のX軸方向の変位をx、Y軸方向の
変位をyとする。なお、これらx,yの値は、図4に示
すように、作業船1のRoll、Pitch、Yaw、Surge、Sway
の各運動成分における変位量から、後述する手順で求め
るものである。なお、これら各運動成分における変位量
は、前述した動揺信号入力部21(図2参照)により検出
されるものである。また、これらの変位量は船体2に対
する相対変位である。
【0015】図5は、本発明による方法を用いて吊りフ
ックの揺れ止め制御を行う手順を示すフローチャートで
ある。以下、その手順を説明する。
【0016】まず、ステップ31では計測データ、すなわ
ち前述した動揺信号入力部(船体動揺計測装置および加
速度計)21より、前述したRoll、Pitch、Yaw、Surge、S
wayの各運動成分における変位量が、信号変換部22を経
て演算部23に入力される。なお、入力される変位量は、
一定時間(サンプリング時間)毎に入力されるものであ
る。
【0017】続くステップ32では、入力されたデータに
基づき、吊りフックのX軸およびY軸方向の変位を算出
する。これらの変位の値は、前述したサンプリング時間
毎に入力されるRoll、Pitch、Yaw、Surge、Swayの各運
動成分における変位毎に求められる。
【0018】本発明による方法においては、吊りフック
の揺れを抑制するために揺れ止めアーム(図2参照)を
動作させるための制御量を求めるに際し、吊りフックの
揺れを検出してから実際に揺れ止めアームを動作させる
までの遅れ時間を考慮している。すなわち、吊りフック
の作業船に対する相対変位を検出する際に発生する検出
遅れ時間(t)と、前記相対変位に基づいて制御量を算
出する際に発生する算出遅れ時間(t)と、前記制御量
に基づいて揺れ止めアームを制御する際に発生する制御
遅れ時間(t)の総和(総遅れ時間)
【数9】Δt=t+t+t を求め、後述するように、この総遅れ時間Δtを用いて
揺れ止めアームの制御量を算出することとしている。な
お、これら各遅れ時間t,t,tは、一般に測定
可能な時定数である。
【0019】次に、吊りフックの、ある検出時間tにお
ける相対変位値s(t)に対し、この相対変位値の時間変
化量(速度に相当する)
【数10】s'(t)=s(t)−s(t−Δt) および、このs'(t)の時間変化量(加速度に相当す
る)
【数11】s"(t)=s'(t)−s'(t−Δt) をそれぞれ求める。このようにして得られたs(t),
s'(t),s"(t)を基に、後述する各ステップにおい
て、揺れ止めアームの制御量を求める。なお、これらs
(t),s'(t),s"(t)の各量は、前述した作業船のRo
ll、Pitch、Yaw、Surge、Swayの各運動成分毎に求める
ものであり、ここでは説明の便宜上、各運動成分に対応
する添字等は省略して示している。
【0020】次のステップ33では、吊りフックの揺れの
周期T(t)を求める。なお、具体的な手順については後
述する。
【0021】本発明による吊りフックの揺れ止め制御方
法においては、前述のステップ32で船体の各運動成分毎
に得られたs(t),s'(t),s"(t)を基に、検出時点
tから先の総遅れ時間Δtだけ経過した後の吊りフック
の変位の予測値を、
【数12】s(t+Δt)=a*s(t)+a*s'(t)
*Δt+a*s"(t)*Δt*0.5 より求めることとしている。ここで係数a,a,a
は、いずれも任意の実数値を取るものである。
【0022】ステップ34は、この各係数a,a,a
を求めるものであり、ここではファジィ推論を用い
て、例えば図6に示すように、揺れの周期に対するグラ
フの形で求める。図では、吊りフックの揺れの周期Tが
短い場合には、わずかな周期の変化で各係数a
,aが比較的大きく変動するのに対し、長い周期
(10sec以上)では、各係数はほぼ一定の値を取るよう
になっている。なお、これら各係数を求める手順につい
ても後述する。また、これら各係数も、前述した船体の
各運動成分毎に求めるものとする。
【0023】そしてステップ35では、前記の式により、
吊りフックの変位の予測値x(t+Δt)およびy(t+
Δt)を演算し、得られた値に基づいて、揺れ止めアー
ムを動作させるための制御量を求める。ここで、これら
予測値は、船体の各運動成分毎に求められるものとし、
最終的な変位の予測値(すなわちx(t+Δt),y(t
+Δt)とする)は、これら各運動成分毎に求めた予測
値の和として求める。具体的には、船体の運動成分、す
なわちRoll、Pitch、Yaw、Surge、Swayの各成分毎に求
めた予測値
【数13】Roll :s(t+Δt) Pitch:s(t+Δt) Yaw :s(t+Δt) Surge:s(t+Δt) Sway:s(t+Δt) より、
【数14】 x(t+Δt)=s(t+Δt)+s(t+Δt) y(t+Δt)=s(t+Δt)+s(t+Δt)+
(t+Δt) として求められる。
【0024】その後ステップ36で揺れ止めアームの制御
量を出力する。すなわち、吊りフックの変位の予測値x
(t+Δt)およびy(t+Δt)に基づいて得られた制
御量により、揺れ止めアームを動作させる。
【0025】最後に、ステップ37では揺れ止め制御を終
了させるか否かを判断する。具体的には、例えば揺れ止
め作業を行う作業者が、吊りフックの揺れの状態を監視
し、揺れが治まったと判断した場合に、制御終了ボタン
を押す等により行うものとする。このとき、制御終了で
あれば、揺れ止め制御を終了する。一方、制御、すなわ
ち吊りフックの揺れ止めが終了していないと判断した場
合には、ステップ31に戻り、上記した処理を再度行う。
【0026】なお、上述した制御においては、揺れの複
数周期分計測を行い、それによって揺れ周期の算出と、
揺れ(変位)の予測、および揺れ止めのための制御量の
算出を行うものである。
【0027】本発明による吊りフックの揺れ止め制御方
法においては、計測データ、すなわち船体の運動成分(R
oll、Pitch、Yaw、Surge、Sway)毎の変位を50ms毎にサ
ンプリングしている。その際、サンプリングの開始は、
図7に示すように、ある時点におけるs'(t)が0近傍
となる時点(例えば図では負の値から正の値に遷移する
点)とし、ここからサンプリングを開始する。その後、
前述したように50ms毎にサンプリングを行い、s'(t)
の値が変動する方向が、サンプリング開始時点と同じと
なった時点(図では再度負の値から正の値に遷移する
点)でサンプリングを終了する。その結果、図7からも
明らかなように、このサンプリングを開始してから終了
するまでの時間が、吊りフックの揺れの周期T(t)とな
る。なお、この揺れ周期T(t)を求める場合、前述した
サンプリングを行った回数をカウントし、そのカウント
値に基づいて求めることとする。
【0028】図8は、吊りフックの揺れの周期T(t)を
求める処理手順を示すフローチャートである。以下、こ
の手順を説明する。なお、この処理を行うルーチンは、
揺れ止め制御の処理(図5参照)を1回行う毎に処理が
行われる。
【0029】まずステップ41で、現時点におけるs'
(t)およびs"(t)の値を調べ、s'(t)の値が0で、か
つs"(t)が正となる時点、すなわちs'(t)が図7に示
すように負の値から正の値へ遷移し始める点(変位s
(t)を示す曲線を描くと、この曲線が「谷」となる
点)、すなわち揺れの1周期が開始する点であるか否か
を判断し、揺れの1周期が開始する点であれば、ステッ
プ42へ進む。一方、揺れの1周期が開始する点でない場
合、すなわち揺れの1周期の途中の点である場合には、
ステップ43へ進む。
【0030】ステップ42では、揺れの1周期におけるサ
ンプリング回数をカウントする。具体的には、以下の手
順で行う。ここで、揺れの検出を開始してからの周期
(揺れの回数)をカウントするための変数n、1周期お
けるサンプリング回数を示す変数countを予め定義す
る。なお、これらの変数の初期値は0である。また、前
述したように、図8のルーチンは、図5に示す揺れ止め
制御の処理を開始すると、サンプリング回数(50ms)毎
に複数回処理が行われるものであり、図5の処理は複数
周期分で繰り返し行われるため、周期を求めるために、
これら変数nおよびcountは、処理を1回行う毎に、基
本的に、代入される数値のnあるいはcountのいずれか
一方が増加する。
【0031】このステップ42は、それまでの1周期分の
計測を終了した後、新たに1周期分の計測を開始するた
めの処理を行うものである。そのため、まず、変数coun
tに代入されている、前の1周期(n)においてカウントさ
れたサンプリング数を、変数Tc(n)に代入する。そし
て、周期(揺れの回数)をカウントする変数nの値を一
つ増やす。さらに、新たな1周期におけるサンプリング
回数をカウントするため、一旦変数countの値を0にす
る。その後ステップ44へ進む。
【0032】一方ステップ43では、前のステップ41で、
現在が揺れの1周期の途中であると判断されたため、計
測データのサンプリングを引き続き行うものとして、サ
ンプリング回数countの値を一つ増やし、その後ステッ
プ44へ進む。
【0033】ステップ44では、タイムカウント値T
(n)の移動平均TCVを求める。ここでは、先の周期
(揺れの回数)をカウントする変数nの値により、T
CVの値を、
【数15】 TCV=300 (n=0) TCV=T(1) (n=1) TCV=[T(n-1)+T(n)]/2 (n>1) とする。
【0034】さらにステップ45で吊りフックの揺れ周期
T(t)を、
【数16】T(t)=TCV/20 より求め、処理を終了する。
【0035】前述した周期T(t)の算出における、サン
プリングとその回数のカウントおよび揺れの周期との関
係を図9に示す。図示のように、揺れの計測開始時にお
いては、揺れの繰り返し回数nの値は1であり、この時
点から1周期の間で50ms毎にサンプリングが行われ、サ
ンプリング1回毎に変数countの値が1づつ加算され
る。次の2回目の周期が開始した時点で、nの値は2と
なり、変数T(n)には、変数countのそれまでの値が代
入され、その後countの値は0に戻される。また、変数
CVにはT(1)の値が代入される。この手順が揺れ
の1周期毎に繰り返される。
【0036】図10は、前述した変位の予測値を求める際
の係数a,a,aを求める手順を示すフローチャ
ートである。次にこの手順を説明する。
【0037】まずステップ51で、吊りフックの揺れ周期
T(t)を、その値に応じて「非常に遅い」〜「非常に早
い」までの7つのファジィ推論条件に分類する。ここ
で、下の折れ線はファジィ推論のためのメンバーシップ
関数である。
【0038】続くステップ52では、加重係数aを、その
値に応じてL01〜L13までの13段階に分類する。なお、下
の折れ線はファジィ推論のためのメンバーシップ関数で
ある。ここで、このように分類された値は、具体的には
模型実験やコンピュータシミュレーション等を繰り返し
行う事により、経験的に求められるものであり、実際の
制御においては、予めプログラム中では変数のテーブル
に格納しておくものとする。
【0039】その後ステップ53では、吊りフックの揺れ
周期T(t)に対してファジィ推論を行い、T(t)の各々
の場合に対応した推論結果fa,fa,faを求める。
【0040】そしてステップ54で、先に求めた推論結果
fa,fa,faを基に、係数a,a,aを求め
る。具体的には、fa,fa,faを、それぞれa
,aとの関係において、下記の式を用いて線型変
換を行う。
【数17】y=y+(y−y)*(x−x)/
(x−x) x<x<x,y<y<y すなわち、この式をfa,fa,faとa,a,a
にあてはめると、
【数18】a=a11+(a12−a11)*(fa
−fa11)/(fa12−fa11) a=a21+(a22−a21)*(fa−fa21
/(fa22−fa21) a=a31+(a32−a31)*(fa−fa31
/(fa32−fa31) となる。この式を用いることにより、係数a,a
の値が求めることができる。ここで、
【数19】 fa11<fa<fa12,a11<a<a12 fa21<fa<fa22,a21<a<a22 fa31<fa<fa32,a31<a<a32 である。
【0041】ところで、上の各式において、fa,f
a,faを、先のステップ52で求めた分類にあてはめ
ると、これらが取り得る値の範囲は、
【数20】 -1.0<fa<1.0,-1.0<fa<1.0,-1.0<fa<1.0 となる。すなわち、
【数21】fa11=fa21=fa31=-1.0,fa12=fa
22=fa32=1.0 となる。
【0042】一方、ここで、例えばa,a,a
範囲を
【数22】 0.9<a<1.0,0.5<a<1.0,1.0<a<1.2 すなわち、
【数23】a11=0.9,a12=1.0,a21=0.5,
22=1.0,a31=1.0,a32=1.2 とすると、前述のa,a,aを求める式は、
【数24】a=0.9+0.1*(fa+1.0)/2.0 a=0.5+0.5*(fa+1.0)/2.0 a=1.0+0.2*(fa+1.0)/2.0 となる。図6に示すグラフに示すa,a,aは、
これらの式より求めたものである。すなわち、上述した
処理手順により、図6に示すような、吊りフックの揺れ
の周期に応じた係数a,a,aを求めることがで
きるようになる。なお、上述した係数a,a,a
の範囲も、模型実験やコンピュータによるシミュレーシ
ョンを基に経験的に求められるものである。
【0043】図11〜図13は、本発明による方法を用い
て、作業船の吊りフックの揺れ止め制御の実験を行った
結果を示すものである。
【0044】まず図11は、吊りフックのY軸方向(図3
参照)の変位の計測値と、この計測値に基づく変位の予
測値を示すものである。図の横軸は時間を1目盛6秒で
示すものであり、縦軸は吊りフックの変位を1目盛4cm
で示すものである。図示の予測値の演算においては、
【数25】s(t+Δt)=a*s(t)+a*s'(t)
*Δt+a*s"(t)*Δt*0.5 の係数a,a,aの値を全て1、すなわち、
【数26】a=a=a=1 としている。図より明らかなように、変位の予測値と、
遅れ時間Δt後の計測値(実際の吊りフックの変位)と
が良く一致しており、十分な予測が得られるという結果
が示されている。ここでは、Y軸方向の揺れの周期が長
いため、係数a,a,aの値を全て1として、良
好な結果が得られている。
【0045】次に図12は、図11と同様にY軸方向の変位
の計測値と、この計測値に基づく変位の予測値を示すも
のであるが、ここでは揺れの周期が短い場合を示してい
る。ここでも、先の係数a,a,aの値を全て1
としているが、図11と異なり、揺れの周期が短いため
に、予測値と計測値との間に誤差が生じていることがわ
かる。
【0046】そこで、係数a,a,aの値を図6
により求め、その値に基づいて予測値を演算した結果を
図13に示す。図より明らかなように、揺れの周期に応じ
て適切な係数a,a,aの値を設定したことによ
り、良好な予測が行えることが示された。
【0047】以上説明したように、本発明に係る作業船
における吊りフックの揺れ止め制御方法により、吊りフ
ックの揺れを高精度で予測することができ、それに基づ
いて適切な揺れ止め制御を行うことが可能となる。
【0048】したがって、港湾工事等における作業船に
よる重量物の吊り上げ作業における吊りフックや、この
吊りフックにより吊り上げた重量物の揺れを効果的に抑
制することが可能となり、作業の安全性や効率を高める
ことが可能となる。
【0049】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、例えば貨物船等における荷積み用ク
レーンの揺れ止め制御にも適用し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により吊りフックの揺れ止め制御を行
う作業船の一例を示す図である。
【図2】 本発明に係る揺れ止め制御装置の構成を概略
示すブロック図である。
【図3】 吊りフックの揺れ方向を概略示す平面図であ
る。
【図4】 船体の座標系および揺れ方向を示す図であ
る。
【図5】 本発明により吊りフックの揺れ止め制御を行
う処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 吊りフックの変位を予測する演算式に用いる
係数と、揺れの周期との関係を示すグラフである。
【図7】 揺れ止め制御におけるデータのサンプリング
とそのタイミングを概略示す図である。
【図8】 吊りフックの揺れ止め制御における、揺れ周
期を求める処理手順を示すフローチャートである。
【図9】 図8の処理手順における、計測データのサン
プリングとその回数のカウントおよび揺れの周期との関
係を模式的に示す図である。
【図10】 吊りフックの揺れ止め制御における、係数
を求める処理手順を示すフローチャートである。
【図11】 本発明に係る方法により求めた吊りフック
の変位の予測値と、実際の計測値を示すグラフである。
【図12】 本発明に係る方法により求めた吊りフック
の変位の予測値と、実際の計測値を示すグラフである。
【図13】 図12と同様の条件において、吊りフック
の変位を予測する演算式の係数を変化させて予測を行っ
た場合の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 作業船 2 船体 3 起重機 4 ウインチボックス 5 ジブ 6 ワイヤロープ 7 吊りフック 8 係留索 9 揺れ止め装置 10 支柱 11,13 回転軸 12 梁 14 リニアガイド 15 リニアアクチュエータ 16 アーム 17 フック保持具 18 揺れ止めアーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 悟 神奈川県横須賀市長瀬3丁目1番1号 運 輸省港湾技術研究所内 (72)発明者 織田 悦芳 兵庫県加古郡播磨町新島17−1 寄神建設 株式会社内 (72)発明者 西原 直 兵庫県加古郡播磨町新島17−1 寄神建設 株式会社内 (72)発明者 中津 友介 大阪府高槻市天王町20番8号 (72)発明者 薛 衛国 大阪府高槻市八幡町1番35号 ジョリーメ ゾン高槻3階2号 Fターム(参考) 3F204 AA01 BA02 CA03 DA10 EA01 3F205 AA10 BA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起重装置を具える作業船における、当該
    起重装置の吊りフックの揺れの制御に際し、 前記吊りフックの前記作業船に対する相対変位を検出す
    る際に発生する検出遅れ時間(t)と、前記相対変位に
    基づいて前記吊りフックの制御量を算出する際に発生す
    る算出遅れ時間(t)と、前記制御量に基づいて前記吊
    りフックを制御する際に発生する制御遅れ時間(t)の
    総和である総遅れ時間 【数1】Δt=t+t+t を求めるステップと、 前記吊りフックのある検出時点における相対変位値s
    (t)に対し、この相対変位値s(t)の時間変化量 【数2】s'(t)=s(t)−s(t−Δt) および、このs'(t)の時間変化量 【数3】s"(t)=s'(t)−s'(t−Δt) を求めるステップと、 前記相対変位値s(t)、前記s(t)の時間変化量s'
    (t)および前記s'(t)の時間変化量s"(t)より、前記
    吊りフックの相対変位値の前記総遅れ時間Δt後の予測
    値s(t+Δt)を、 【数4】s(t+Δt)=a*s(t)+a*s'(t)*
    Δt+a*s"(t)*Δt*0.5 により求めるステップと、を具える、作業船における吊
    りフックの揺れ止め制御方法。
  2. 【請求項2】 前記吊りフックの相対変位の予測値を求
    めるための係数a,a ,aの値を、前記吊りフッ
    クの相対変位の変動周期に応じて設定することを特徴と
    する、請求項1記載の作業船における吊りフックの揺れ
    止め制御方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102642774A (zh) * 2012-05-10 2012-08-22 寅生 一种克令吊启动问询及允许电气回路
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CN112694013A (zh) * 2020-12-25 2021-04-23 中交第二航务工程局有限公司 适用于复杂海况浮式吊装的吊物时滞抑摆控制方法及***

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