JP2002018646A - 放電加工装置及び放電加工方法 - Google Patents

放電加工装置及び放電加工方法

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JP2002018646A
JP2002018646A JP2000207829A JP2000207829A JP2002018646A JP 2002018646 A JP2002018646 A JP 2002018646A JP 2000207829 A JP2000207829 A JP 2000207829A JP 2000207829 A JP2000207829 A JP 2000207829A JP 2002018646 A JP2002018646 A JP 2002018646A
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工形状を加工精度の許容値内で確実に加工
することができる放電加工装置及び放電加工方法を提供
する。 【解決手段】 加工精度許容値Tは、加工形状S0 に対
して所定の範囲内に設定されている。加工開始位置P1
から加工終了位置P2 まで電極3が移動して加工形状S
1 が放電加工されると、電極消耗量C1 が測定される。
この場合には、電極消耗量C1 が加工精度許容値Tより
も大きいために、加工形状S1 が要求される加工精度
(最終加工深さ)に達していない。このために、加工開
始位置P1 から加工終了位置P2 まで電極3が再び移動
し加工形状S2 が放電加工されて、電極消耗量C2 が測
定される。この場合には、電極消耗量C2 が加工精度許
容値Tよりも小さいために、加工形状S2 が要求される
加工精度(最終加工深さ)に達し加工が終了される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、加工対象物を所
定の加工形状に電極によって放電加工する放電加工装置
及び放電加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加工対象物を工具によって切削す
るミーリング加工などが知られている。このようなミー
リング加工によって、1mm以下の形状寸法部分を含む
三次元形状のキャビティ(底付き穴)を加工する場合
に、加工深さがある程度浅いときには、1mm以下の形
状寸法部分もミーリング加工によって切削加工すること
ができる。しかし、ミーリング加工では、加工深さが深
くなると工具が逃げてしまうために、1mm以下の形状
寸法部分に要求される加工精度を満たすことが困難であ
った。また、加工対象物に焼入れが必要な場合には、加
工後に焼入れすると加工形状が変形するために、焼入れ
後に加工する必要がある。しかし、ミーリング加工やグ
ラインダ加工などでは、加工形状にシャープなコーナー
部が要求される場合や焼入れ後の加工対象物を切削加工
するのは困難であった。
【0003】そこで、加工対象物を小物で複雑な加工形
状に三次元形状の電極を使用して放電加工する形彫放電
加工機が知られている。このような形彫放電加工機にお
いては、ミーリング加工では加工が困難である1mm以
下の形状寸法部分を加工することができる。しかし、形
彫放電加工機では、加工対象物を小物で複雑な加工形状
に加工するためには、その加工形状に合わせた三次元形
状の電極(総型電極)も小物で複雑な形状に製作する必
要があり、総型電極の製作が極めて困難であった。この
ため、加工形状を複数の形状部分に分割するとともに、
分割形状部分を加工するための部分電極を複数製作し、
各々の分割形状部分を夫々に対応する部分電極によって
順番に加工して、最終的な加工形状に加工対象物を加工
する方法が採用されている。しかし、このような加工方
法では、一つの分割加工形状を加工する時間は短いが、
複数の部分電極を製作する時間が長くかかっていた。ま
た、同一形状の金型を多数個製作する場合や、一つの加
工対象物上に小物で複雑な同一形状のキャビティを多数
加工する場合には、放電加工による電極の消耗を考慮し
て、上述した複数の部分電極をそれぞれ多数準備する必
要があった。
【0004】そこで、加工対象物を単純な形状の電極で
所望の加工形状に放電加工する創成放電加工(放電ミー
リング)が知られている。この創成放電加工は、上述の
三次元形状の総型電極を使用する形彫放電加工とは異な
る創成電極(単純形状電極)を使用して、キャビティの
加工形状に合わせて電極を輪郭軌跡に沿って相対移動さ
せ、ミーリング加工のように加工対象物を3次元形状に
放電加工する。しかしながら、このような創成放電加工
では、単純形状電極によってキャビティを加工するため
に、電極一本当りの加工量が多くなり電極が消耗する。
このため、加工対象物を所定の加工形状に加工するには
電極消耗を考慮した加工方法が要求される。特に、加工
対象物を深さ方向(Z軸方向)に加工する場合には、Z
軸方向に電極が消耗するために加工深さが浅くなるの
で、深さ方向の加工精度が許容値内になるように、Z軸
方向に電極を消耗量分だけ補正して送り込む加工方法が
採用される。しかし、加工条件のデータブックなどを参
照して電極の消耗率から補正送り量(オフセット量)を
正確に決定することが困難ある。そこで、Z軸方向にお
ける電極消耗量を予め測定し、この電極消耗量をオフセ
ット量として加工対象物を加工する創成放電加工法が採
用されている。
【0005】例えば、特許第2983436号公報に
は、予め加工したときに測定された電極消耗量と放電パ
ルス数との関係を非線形な消耗補正データとして記憶す
る手段と、実際の加工中に発生した放電パルス数を計数
する手段と、記憶された消耗補正データと加工中に計数
された放電パルス数とを用いて電極消耗量を予測演算す
る手段と、予測演算された電極消耗量によって電極を相
対移動するための位置指令値を修正する手段とを備える
放電加工装置が記載されている。この放電加工装置は、
電極消耗量に対するオフセット制御によって、加工対象
物を所定の加工形状に放電加工する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような創
成放電加工では、特に加工形状が小物である場合に、電
極消耗量が使用する電気的加工条件、電極寸法、加工状
態や加工時の環境によって大きく影響されるために、電
極消耗量を予測して加工するだけでは、要求される加工
精度で加工形状を加工することが困難であった。また、
特許第2983436号公報に記載された放電加工装置
では、電極の一部が消耗したときには、電極消耗量に対
するオフセット制御によって全ての加工形状を放電加工
できない場合があった。
【0007】図11は、従来の放電加工装置の放電加工
動作を示す断面図である。従来の放電加工装置では、図
11に示すように、電極103の一部を使用して加工対
象物102を放電加工すると、この電極103の一部だ
けが消耗して、電極の先端部に消耗部分103aと非消
耗部分103bとが形成されることがある。例えば、加
工部分を荒加工した後に仕上げ加工する場合には、荒加
工された加工部分と電極との間で放電が発生するため
に、電極の先端部周縁が部分的に消耗することがある。
このために、従来の放電加工装置では、図11に示すよ
うに、消耗部分103aの電極消耗量を予測演算してオ
フセット制御によって加工すると、図中点線で示すよう
に、キャビティの底面(加工形状)102aを要求され
る加工精度よりも深く非消耗部分103bによって加工
してしまうことがある。また、図12(a)と(b)
は、電極を回転させながら電極半径分以下の部分を使用
して加工を行ったときの電極消耗形状を示しており、こ
の電極で深さ補正を行うと非消耗部分103bにより所
望の深さ以上に加工してしまうことを示している。
【0008】また、従来の放電加工装置では、図11に
示すように、電極103の消耗に偏りが発生した場合に
は、消耗した電極103を新しい電極に交換する必要が
ある。このために、電極103をZ軸方向にオフセット
制御するか否かを加工部分に応じて決定して加工プログ
ラムを作成する必要があり、加工プログラムの作成作業
が非常に煩雑になるとともに、プログラムミスが発生す
る原因になる。また、電極103をZ軸方向にオフセッ
ト制御して加工部分を加工できる場合であっても、Z軸
方向の加工精度(深さ精度)が許容値内であるか否かを
最終的に測定する必要がある。このために、電極消耗量
がオフセット値(補正値)と何らかの原因で異なる場合
には、全ての加工が無駄になり加工をやり直さなければ
ならない危険性があった。
【0009】この発明の課題は、加工形状を加工精度の
許容値内で確実に加工することができる放電加工装置及
び放電加工方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、以下に記載
する解決手段により、前記課題を解決する。なお、この
発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、こ
れに限定するものではない。請求項1の発明は、加工対
象物(2)を所定の加工形状(S0 )に電極(3)によ
って放電加工する放電加工装置であって、前記加工形状
に要求される加工精度の許容値(T)を設定する許容値
設定手段(11)と、前記加工形状を加工するための加
工プログラムを実行する実行手段(14)と、前記加工
形状を加工した後に前記電極の消耗量(C1 ,C2 )を
測定する消耗量測定手段(15)と、前記許容値と前記
消耗量とを比較する消耗量比較手段(19)と、前記消
耗量が前記許容値よりも小さいときには、前記加工形状
が前記加工精度で加工されたと判断し、前記消耗量が前
記許容値よりも大きいときには、前記加工形状が前記加
工精度で加工されていないと判断する判断手段(19)
とを含む放電加工装置(1)である。
【0011】請求項2の発明は、請求項1に記載の放電
加工装置において、前記消耗量が前記許容値よりも大き
いときには、前記電極を交換する電極交換手段(22)
を備えることを特徴とする放電加工装置である。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載の放電加工装置において、前記消耗量が前記許容
値よりも大きいときには、前記電極の使用部分を所定量
(ΔL)だけ除去する電極除去手段(17,18)を備
えることを特徴とする放電加工装置である。
【0013】請求項4の発明は、請求項1に記載の放電
加工装置において、前記加工形状の加工に必要な前記電
極の必要長さを設定する長さ設定手段(11)と、前記
加工形状を加工した後に前記電極の残存量(L)を測定
する残存量測定手段(15)と、前記必要長さと前記残
存量とを比較する残存量比較手段(19)と、前記消耗
量が前記許容値よりも大きく、かつ、前記残存量が前記
必要長さよりも小さいときには、前記電極を交換する電
極交換手段(22)と、前記消耗量が前記許容値よりも
大きく、かつ、前記残存量が前記必要長さよりも大きい
ときには、前記電極の使用部分を所定量だけ除去する電
極除去手段(17,18)とを含む放電加工装置であ
る。
【0014】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
までのいずれか1項に記載の放電加工装置において、前
記実行手段は、前記消耗量が前記許容値よりも大きいと
きには、前記加工プログラムを繰り返し実行することを
特徴とする放電加工装置である。
【0015】請求項6の発明は、加工対象物(2)に所
定の加工形状(S0 )を電極(3)によって放電加工す
る放電加工方法であって、前記加工形状に要求される加
工精度の許容値(T)を設定する許容値設定工程(S2
00)と、前記加工形状を加工するための加工プログラ
ムを実行する実行工程(S800)と、前記加工形状を
加工した後に前記電極の消耗量(C1 ,C2 )を測定す
る消耗量測定工程(S910)と、前記許容値と前記消
耗量とを比較する消耗量比較工程(S920)と、前記
消耗量が前記許容値よりも小さいときには、前記加工形
状が前記加工精度で加工されたと判断し、前記消耗量が
前記許容値よりも大きいときには、前記加工形状が前記
加工精度で加工されていないと判断する判断工程(S1
000)とを含む放電加工方法である。
【0016】請求項7の発明は、請求項6に記載の放電
加工方法において、前記消耗量が前記許容値よりも大き
いときには、前記電極を交換する電極交換工程(S96
0)を含むことを特徴とする放電加工方法である。
【0017】請求項8の発明は、請求項6又は請求項7
に記載の放電加工方法において、前記消耗量が前記許容
値よりも大きいときには、前記電極の使用部分を所定量
(ΔL)だけ除去する電極除去工程(S950)を含む
ことを特徴とする放電加工方法である。
【0018】請求項9の発明は、請求項6に記載の放電
加工方法において、前記加工形状の加工に必要な前記電
極の必要長さを設定する長さ設定工程(S200)と、
前記加工形状を加工した後に前記電極の残存量(L)を
測定する残存量測定工程(S930)と、前記必要長さ
と前記残存量とを比較する残存量比較工程(S940)
と、前記消耗量が前記許容値よりも多く、前記残存量が
前記必要長さよりも少ないときには、前記電極を交換す
る電極交換工程(S960)と、前記消耗量が前記許容
値よりも大きく、かつ、前記残存量が前記必要長さより
も大きいときには、前記電極の使用部分を所定量だけ除
去する電極除去工程(S950)とを含む放電加工方法
である。
【0019】請求項10の発明は、請求項6から請求項
9までのいずれか1項に記載の放電加工方法において、
前記実行工程は、前記消耗量が前記許容値よりも大きい
ときには、前記加工プログラムを繰り返し実行する工程
を含むことを特徴とする放電加工方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施形態について詳しく説明する。図1は、この発明
の実施形態に係る放電加工装置のブロック図である。放
電加工装置1は、加工対象物2を所定の加工形状に電極
3によって放電加工する装置である。放電加工装置1
は、図1に示すように、テーブル4と、X軸駆動部5
と、Y軸駆動部6と、電極ホルダ7と、主軸8と、Z軸
駆動部9と、主軸8内に内蔵されたC軸回転部10と、
入力装置11と、表示装置12と、記憶装置13と、プ
ログラム実行手段14と、電極測定制御手段15と、測
定子16と、電極修正制御手段17と、修正用電極18
と、判断手段19と、加工電源装置20と、電圧検出部
21と、電極交換装置22と、駆動制御装置23とを備
えている。
【0021】加工対象物2は、所定の加工形状に放電加
工される工作物(被加工物)である。加工対象物2は、
テーブル4上に搭載され固定されている。電極3は、3
次元形状放電加工を行う創成電極(単純形状電極)であ
る。電極3には、例えば銅や銅タングステンなどの材質
を用い、電極は、0.1mm〜3mm径の丸棒や1mm
〜15mm角の角柱形状ものなどが加工形状に合わせて
適宜使用される。
【0022】テーブル4は、加工対象物2を移動させて
位置決めする位置決め装置である。X軸駆動部5は、テ
ーブル4をX軸方向に駆動する駆動モータであり、Y軸
駆動部6はテーブル4をY軸方向に駆動する駆動モータ
である。電極ホルダ7は、電極3を着脱自在に装着する
ための中間アダプタである。C軸回転部10は、その下
端に電極ホルダ7を装着する図示していないチャック部
を有している。C軸回転部10は、図示していない回転
軸(C軸)駆動モータで装着された電極ホルダを回転ま
たは角度割り出しする。Z軸駆動部9は、主軸8に内蔵
されたC軸回転部10をZ軸方向に駆動する駆動モータ
である。
【0023】入力装置11は、加工形状に要求される加
工精度許容値や電極有効長さ、電極必要長さなどの初期
設定項目や加工条件、側面オフセット量などの諸条件設
定項目を設定するとともに、3次元輪郭加工のNCプロ
グラムなどの入力するための装置である。入力装置とし
て、作業者が入力作業や選択作業をするためのキーボー
ドやマウスなど入力装置が用いられ、さらに、フレキシ
ブルディスクやCDなどリムーバブルメディアの読取装
置、そしてLANやモデムなどの外部通信装置を用いる
ことができる。入力装置11から入力された初期設定項
目及び諸条件設定項目はプログラム実行部14に送られ
る。
【0024】初期設定項目は、電極有効長さ、電極必要
長さ及び加工精度許容値などのパラメータである。ここ
で、電極有効長さは、創成放電加工を行う際に使用可能
な電極長さであり、電極把持部から加工に用いられない
部分を除いた電極先端部からの長さである。電極必要長
さは、一回の輪郭加工を行う時にZ軸方向に送り込むた
めに必要となる電極長さであり、複数回の輪郭加工で一
つの加工形状を完成させる時には最終的な加工深さがそ
の値となる。加工精度許容値は、創成放電加工される加
工形状に許容される寸法公差である。加工精度許容値
は、創成放電加工を行う際の一回の輪郭加工当り、又は
所定距離当りの電極消耗限界値でもある。
【0025】加工諸条件設定項目は、最終加工深さ、加
工条件、側面オフセット量、底面オフセット量、深さ補
正加工の有無、深さ補正量、電極修正量及び電極最小消
耗量などのパラメータである。ここで、最終加工深さ
は、一つの部分形状を完成させる場合の最終的なZ軸方
向の加工深さである。したがって、加工を行う上でこの
最終加工深さ以上の電極長が必要となる。加工条件は、
荒加工から仕上げ加工までの各加工に適用される条件で
あり、通常の放電加工に適用される電極極性、ピーク電
流値及びサーボ電圧などの条件である。側面オフセット
量は、荒加工から仕上げ加工までの各加工において電極
3が移動する軌跡に対するX軸方向及びY軸方向(側面
方向)の加工間隙長を含む工具径補正量である。底面オ
フセット量は、電極3のZ軸方向(底面方向)の加工間
隙長とZ軸方向の残し量(仕上げしろ)とを含む値であ
る。深さ補正加工の有無は、電極消耗量を補正しつつZ
軸方向に電極3を移動させて放電加工するか否かを設定
するものである。深さ補正量は、深さ方向に電極消耗分
を補正する値である。電極最小消耗量は、創成放電加工
に深さ補正を選択して行った際の所定加工段階当り又は
所定距離当りの最低消耗量であり、電極消耗量を最も少
なく見積もった量で非消耗部分により加工しすぎること
を避ける為の設定である。電極修正量は、電極先端部を
消耗(ドレッシング)させて電極3の使用部分を所定量
だけ除去するときの深さ方向の長さである。電極修正量
は、通常、加工深さの20%程度の値であり、作業者に
よって加工条件特性表を参照して設定される。
【0026】表示装置12は、加工形状や加工状態など
を表示するモニタである。表示装置12は、入力装置1
1を使用して作業者が容易に入力作業や選択作業を行え
るように、種々の情報やメニューを画面上に表示する。
【0027】記憶装置13は、プログラム実行手段14
が出力する初期設定項目及び諸条件設定項目を記憶する
とともに、電極測定制御手段15が測定し演算した電極
消耗量及び電極残存量などの種々の情報を記憶する装置
である。また、記憶装置13は、加工条件に対応する側
面オフセット量、底面オフセット量及び電極最小消耗量
などを予めテーブル化して記憶するとともに、図示しな
いNCプログラム作成装置によって作成されリムーバブ
ルディスクの入力装置(読取装置)等を介して入力され
た3次元輪郭加工プログラムなどを記憶する。
【0028】プログラム実行手段14は、加工対象物2
を所定の加工形状に電極3によって放電加工するための
輪郭加工プログラム、電極測定プログラム、電極修正プ
ログラム等を実行する中央処理部である。プログラム実
行手段14は、プログラム軌跡(加工軌跡)に沿って電
極3を相対移動させて加工形状を加工するための輪郭加
工プログラムと、電極消耗量を測定するための電極測定
プログラムと、電極3の使用部分を電極修正量だけ除去
するための電極修正プログラムなどを実行する。また、
プログラム実行手段14は、記憶装置13が記憶する初
期設定項目、諸条件設定項目、電極消耗量、電極残存量
などの種々の情報を読み出して、電極測定制御手段1
5、電極修正制御手段17、判断手段19、加工電源装
置20及び駆動制御装置23などに出力する。
【0029】電極測定制御手段15は、電極消耗量を測
定し電極残存量を演算するための種々の制御を行う手段
である。電極測定制御手段15は、電極測定プログラム
を保持しており、電極測定プログラムをプログラム実行
手段14に送る。プログラム実行手段14は電極測定プ
ログラムに基づいて、駆動制御装置23に測定動作を指
令する。電極測定制御手段15は、電圧検出部21が出
力する電圧検出信号及び駆動制御装置23が出力する
X、Y、Z軸位置信号とに基づいて、電極消耗量及び電
極残存量を演算し記憶装置13及び判断手段19に出力
する。
【0030】測定子16は、電極の長さ方向及び側面方
向の電極消耗量を測定するときに電極3の使用部分を接
触させる部材である。測定子16は、電極3の側面方向
及び電極3の先端部全体を使用して放電加工したときに
この電極3を接触させる基準球16aと、電極3の先端
部周縁部の一部を使用して放電加工したときにこの電極
3を接触させる基準針16bとを備えている。測定子1
6は、テーブル4上に搭載され固定されている。
【0031】電極修正制御手段17は、電極3の使用部
分を電極修正量だけ除去するための指令を行う手段であ
る。電極修正制御手段17は、電極修正プログラムを保
持しており、電極修正プログラムをプログラム実行手段
14に送る。プログラム実行手段14は、電極修正プロ
グラムに基づいて、駆動制御装置23に修正動作を指令
する。
【0032】修正用電極18は、電極3の使用部分を電
極修正量だけ除去するときに使用する電極である。修正
用電極18は、銅タングステンなどからなり、電極3の
使用部分との間で放電を発生する平坦面を有する。修正
用電極18は、電極消耗量が加工精度許容値よりも大き
いときに、電極3の使用部分を電極修正量だけ除去して
電極先端部を整える。修正用電極18は、テーブル4上
に搭載され固定されている。
【0033】判断手段19は、プログラム実行手段14
が実行するNCプログラムに基づいて、種々の判断を行
う手段である。判断手段19は、プログラム実行手段1
4が実行する電極測定プログラムに基づいて、電極消耗
量と加工精度許容値とを比較し、加工形状が要求加工精
度で加工されたか否かを判断する。また、判断手段19
は、プログラム実行手段14が実行する電極測定プログ
ラムに基づいて、電極測定制御手段15が測定値から演
算した電極残存量と電極有効長さとを比較し、電極3を
交換するか否かを判断するとともに、電極3の使用部分
を電極修正量だけ除去するか否かを判断する。判断手段
19は、これらの判断結果をプログラム実行手段14に
出力する。
【0034】加工電源装置20は、電極3と加工対象物
2との間に放電を発生させる装置である。加工電源装置
20は、プログラム実行手段14が実行するNC加工プ
ログラムに基づいて、電極3と加工対象物2との間に所
定のパルス電圧を供給する。
【0035】電圧検出部21は、電極3と測定子16と
の接触を電気的に検知する電気式接触検出装置などであ
る。電圧検出部21は、電極3と測定子16とが接触し
短絡状態になると、電極測定制御手段15に接触検出信
号を出力する。
【0036】電極交換装置22は、電極3を自動的に交
換する装置である。電極交換装置22は、電極消耗量が
加工精度許容値よりも大きく、かつ、電極残存量が電極
修正を実行した場合に次の加工を行うために必要とされ
る電極必要長さよりも小さいときに、駆動制御装置23
の動作指令に基づいて、電極必要長さに満たない消耗し
た電極3を電極ホルダ7Aに取付けられた新しい電極3
に交換する。
【0037】駆動制御装置23は、X軸駆動部5、Y軸
駆動部6、Z軸駆動部9、C軸回転部10及び電極交換
装置22を駆動制御する装置である。駆動制御装置23
は、図示しない位置検出装置が出力するX軸位置信号、
Y軸位置信号及びZ軸位置信号に基づいて、テーブル4
及び電極3を目標位置まで移動するように、X軸駆動部
5及びY軸駆動部6、Z軸駆動部9に指令する。また、
駆動制御装置23は、電極3の回転や角度割出しをする
ようにC軸回転部10に指令する。
【0038】次に、この発明の実施形態に係る放電加工
装置の動作を説明する。図2は、この発明の実施形態に
係る放電加工装置の動作を説明するフローチャートであ
る。ステップ(以下、Sとする)100において、放電
加工装置1が動作を開始する。加工対象物2がテーブル
4上に搭載されて、電極3が主軸8に装着されると、プ
ログラム実行手段14が機械座標系の原点を調整するよ
うに駆動制御装置23に指令する。
【0039】S200において、設定項目が入力され
る。入力装置11が作業者によって操作されて、初期設
定項目が加工開始前に設定される。ここで、設定項目
は、電極有効長さ、電極必要長さ及び加工精度許容値な
どの初期設定項目であり、NC加工プログラムもこの段
階で入力される。入力装置11は、プログラム実行手段
14に設定項目を出力し、プログラム実行手段14はこ
れらの情報を記憶装置13に記憶させる。
【0040】S300において、加工諸条件に関する設
定項目が入力される。入力装置11が作業者によって操
作されて、加工に関する諸条件設定項目が加工開始前に
設定される。ここで、加工諸条件に関する設定項目は、
加工条件、側面オフセット量、底面オフセット量、深さ
補正の有無、深さ補正量、1回当りの電極修正量などで
あり、複数の加工条件で加工形状を仕上げる場合には各
加工条件毎の側面オフセット量及び底面オフセット量な
ども設定される。これらの諸条件が入力されると、電極
測定制御手段15は、Z軸方向の機械座標系原点を自動
的に設定した後に、現在電極長さを確認するために駆動
制御装置23に測定動作を指令して、機械座標系原点を
基準とする電極先端部の座標位置を電極座標系原点に設
定する。入力装置11は、加工諸条件に関する設定項目
をプログラム実行手段14に出力し、プログラム実行手
段14はこれらの情報を記憶装置13に記憶させる。
【0041】S400において、記憶装置13から設定
項目が読み込まれる。プログラム実行手段14は、記憶
装置13から初期設定項目、加工諸条件設定項目及びN
C加工プログラムを読み出して、このNC加工プログラ
ムに運転パラメータとして読み込む。
【0042】S500において、深さ補正加工か否かが
判断される。深さ補正加工は、諸条件設定項目が入力さ
れる時に、深さ補正加工を行う場合に入力されている。
電極3の先端部全体を使用して放電加工する場合には、
電極3の先端面全体が消耗するために、深さ補正加工に
よって最終加工深さよりも深く底面を加工するおそれが
少なく、また、深さ補正加工が可能であると加工形状が
加工精度許容値で加工されたか否かを判断する頻度を少
なく出来るため加工時間も短くなる。そこで、諸条件設
定項目において深さ補正加工を行うよう入力されている
ときにはS600に進み、深さ補正加工を行うよう入力
されていないときにはS800に進む。ここで、深さ補
正有無の入力の代わりに深さ補正量が入力されているか
否かで判断してもよい。
【0043】S600において、電極最小消耗量が読み
込まれる。プログラム実行手段14は、深さ補正加工を
行うときには加工条件に対応する電極最小消耗量を記憶
装置13から読み出し、入力された深さ補正量と比較し
小さいほうの値を補正量とする。この深さ補正加工で
は、最終加工深さより深く加工しすぎるのを防ぐよう
に、電極最小消耗量以下の補正値を設定する。従って、
実際には電極は電極最小消耗量以上に消耗するので、最
終深さ以上に加工することがない。深さ補正加工を行っ
ても電極修正動作は必要であるが、深さ補正加工を行わ
ない場合に比べて電極修正動作を行う頻度は少なくて済
む。
【0044】S700において、深さオフセット量が設
定される。プログラム実行手段14は、深さオフセット
量を輪郭加工プログラムの変数パラメータ(補正項)と
して取り込む。
【0045】S800において、NC加工プログラム中
の最初の輪郭加工プログラムが実行される。プログラム
実行手段14は、加工対象物2を所定の加工形状に電極
3によって放電加工するための輪郭加工プログラムを実
行する。駆動制御装置23は、プログラム実行手段14
が実行するNC加工プログラムに基づいて、加工形状に
沿って電極3が相対移動するように、X軸駆動部5及び
Y軸駆動部6などを駆動制御する。また、加工電源装置
20は、プログラム実行手段14が実行する加工プログ
ラムに基づいて、加工対象物2と電極3との間に放電を
発生させる。
【0046】図3は、この発明の実施形態に係る放電加
工装置の放電加工動作を説明するための図である。図3
に示すように、加工開始位置P1 において所定の深さま
で電極3をZ軸方向に加工を行うとともに、加工開始位
置P1 から加工終了位置P2 まで電極3を移動させる
と、電極3と加工対象物2との間で放電が発生する。そ
の結果、加工対象物2に加工形状S1 が放電加工される
とともに、電極先端部が放電加工によって電極消耗量C
1 だけ消耗する。
【0047】図2に示すS900において、電極測定・
修正処理Aが実行される。放電加工装置1は、電極測定
修正処理を実行する。
【0048】図4は、この発明の実施形態に係る放電加
工装置の電極測定修正処理のフローチャートである。図
4に示すS910において、電極消耗量の測定処理Bが
実行される。放電加工装置1は、電極消耗量の測定処理
を実行する。
【0049】図5は、この発明の実施形態に係る放電加
工装置における電極消耗量の測定処理のフローチャート
である。図6は、この発明の実施形態に係る放電加工装
置の電極消耗量の測定動作を説明するための図である。
図5に示すS911において、電極の一部を使用して加
工したか否かが判断される。判断手段19は、電極3の
一部を使用して放電加工が行われたか否かを判断する。
この判断は、1輪郭形状の最初の加工であるか、加工対
象物2の表面から加工が行われたか、仕上げ加工ではな
いかなどNC加工プログラムに基づいて、判断手段19
により行われる。図6に示すように、電極3の全部(先
端面全体)を使用して放電加工が行われたときにはS9
12に進み、電極3の一部(先端面周縁部)を使用して
放電加工が行われたときにはS913に進む。
【0050】S912において、電極測定位置PA に電
極3が移動する。電極測定制御手段15は、判断手段1
9の判断結果に基づいて、駆動制御装置23に測定動作
を指令する。その結果、駆動制御装置23は、図3に示
す加工終了位置P2 から図6に示す電極測定位置PA
で電極3を移動させて基準球16aと電極3とが中心線
上に整列するように、X軸駆動部5及びY軸駆動部6な
どを駆動制御する。
【0051】S913において、電極測定位置PB に電
極3が移動する。電極測定制御手段15は、判断手段1
9の判断結果に基づいて、駆動制御装置23に測定動作
を指令する。その結果、駆動制御装置23は、図3に示
す加工終了位置P2 から図6に示す電極測定位置PB
で電極3を移動させて基準針16bと電極3の使用部分
とが整列するように、X軸駆動部5及びY軸駆動部6な
どを駆動制御する。
【0052】S914において、電極測定プログラムが
実行される。プログラム実行手段14は、電極消耗量を
測定するための電極測定プログラムを実行する。プログ
ラム実行手段14は、電極測定プログラムに基づいて駆
動制御装置23に測定動作を指令する。駆動制御装置2
3は、電極先端部が測定子16に上方から接触するよう
にZ軸駆動部9を駆動制御する。電極測定制御手段15
は、電圧検出部21が出力する接触検出信号を受取る
と、プログラム実行手段14にプログラム実行を一時的
に止める信号を出力し、駆動制御装置23からX、Y、
Z軸位置信号を取込むとともにとに、Z軸位置信号に基
づいて、電極座標系原点を基準とする電極先端部の接触
座標位置(以下、座標位置測定値という)を読み取る。
【0053】S915において、座標位置測定値から電
極消耗量が演算される。電極測定制御手段15は、加工
開始前に測定した最初の座標位置測定値(電極座標系原
点)と、今回の電極測定動作で電極3が測定子16に接
触した座標位置測定値との差を演算し、図3に示す電極
消耗量C1 を演算する。
【0054】S920において、電極消耗量Cが加工精
度許容値Tよりも大きいか否かが判断される。判断手段
19は、電極測定制御手段15が演算する電極消耗量と
プログラム実行手段14が出力する加工精度許容値とを
比較する。判断手段19は、電極消耗量が加工精度許容
値よりも小さいときには、要求される加工精度で加工形
状が加工されたと判断し、電極消耗量が加工精度許容値
よりも大きいときには、要求される加工精度で加工形状
が加工されていないと判断する。
【0055】図7は、この発明の実施形態に係る放電加
工装置による電極消耗量と加工精度許容値との関係を説
明するための図である。図7に示すように、加工精度許
容値Tは、加工形状S0 に対して所定の範囲内に設定さ
れている。加工開始位置P1 から加工終了位置P2 まで
電極3が移動して加工形状S1 が放電加工されると、電
極測定制御手段15が電極消耗量C1 を演算する。この
場合には、判断手段19は、電極消耗量C1 が加工精度
許容値Tよりも大きいために、加工形状S1 が要求され
る加工精度(最終加工深さ)に達していないと判断す
る。このために、加工開始位置P1 から加工終了位置P
2 まで電極3が再び移動し加工形状S2 が放電加工され
て、電極測定制御手段15が電極消耗量C2 を演算す
る。この場合には、判断手段19は、電極消耗量C2
加工精度許容値Tよりも小さいために、加工形状S2
要求される加工精度(最終加工深さ)に達し加工終了と
判断する。
【0056】図4に示すS930において、電極残存量
が演算される。加工開始前に測定した最初の座標位置測
定値(電極座標系原点)と今回の電極測定動作で電極3
が測定子16に接触した座標位置測定値との差として得
られた電極消耗量C1 に電極修正量△Lを加えた長さ
と、設定された電極有効長さとの差を演算し電極残存量
Lを求める。
【0057】S940において、電極残存量Lが電極必
要長さMLよりも大きいか否かを判断する。判断手段1
9は、電極測定制御手段15が演算した電極残存量Lと
記憶装置13に記憶されている電極必要長さMLあるい
は輪郭加工の最終加工深さとを比較する。判断手段19
は、電極残存量Lが電極必要長さMLよりも大きいとき
には、加工を続行するために最低限必要な長さを電極3
が備えていると判断する。一方、判断手段19は、電極
残存量Lが電極必要長さMLよりも小さいときには、加
工を続行するために最低限必要な長さを電極3が備えて
いないと判断する。電極残存量Lが電極必要長さMLよ
りも大きいときにはS950に進み、電極残存量Lが電
極必要長さMLよりも小さいときにはS960に進む。
【0058】S950において、電極修正処理Cが実行
される。放電加工装置1は、電極修正処理を実行する。
【0059】図8は、この発明の実施形態に係る放電加
工装置の電極修正処理のフローチャートである。図9
は、この発明の実施形態に係る放電加工装置の電極修正
動作を説明するための図である。S951において、電
極修正位置PC1に電極3が移動する。電極修正制御手段
17が電極修正プログラムをプログラム実行手段14に
送り、プログラム実行手段14が実行する。駆動制御装
置23は、図6に示す電極測定位置PA ,PB から図9
に示す電極修正位置PC1まで電極3が移動するように、
X軸駆動部5及びY軸駆動部6などを駆動制御する。
【0060】S952において、電極修正量ΔLが読み
込まれる。プログラム実行手段14は、電極修正時の加
工条件及び電極修正量ΔLを記憶装置13から読み出
す。
【0061】S953において、電極修正プログラムに
基づく加工が実行される。プログラム実行手段14は、
電極3の使用部分を所定量だけ除去するための電極測定
プログラムを実行し、電極測定プログラムに基づいて駆
動制御装置23に修正動作を指令する。駆動制御装置2
3は、X軸駆動部5(Y軸駆動部6)及びZ軸駆動部9
を同時2軸サーボ動作によって駆動制御する。その結
果、電極3は、図9に示すように、電極修正位置PC1
ら電極修正位置PC2まで移動する間に、電極修正量ΔL
だけZ軸方向に送られるとともに、予め設定されている
移動量だけX軸方向又はY軸方向に送られて電極3の使
用部分が電極消耗量ΔLだけ除去される。
【0062】S954において、修正後の電極座標系原
点が設定される。電極測定制御手段15は、駆動制御装
置23に測定動作を指令する。その結果、電極3は、図
9に示す電極修正位置PC2 から図6に示す電極測定位
置PA まで移動して基準球16aと接触する。電極測定
制御手段15は、電圧検出部21が出力する接触検出信
号と駆動制御装置23が出力するZ軸位置信号とに基づ
いて、電極修正後の電極座標系原点を再設定する。
【0063】S955において、電極3が加工開始位置
1 に移動する。駆動制御装置23は、図6に示す電極
測定位置PA から図7に示す加工開始位置P1 まで電極
3が移動するように、X軸駆動部5及びY軸駆動部6な
どを駆動制御する。
【0064】図4に示すS960において、電極交換が
実行される。判断手段19の判断結果に基づいて、プロ
グラム実行手段14は、駆動制御装置23に交換動作を
指令し、駆動制御装置23は、電極交換装置22を駆動
制御する。その結果、電極交換装置22は、電極残存量
Lが電極必要長さMLに満たない電極3を新しい電極3
に自動的に交換する。
【0065】図2に示すS1000において、加工精度
許容値以下の消耗であったか否かが判断される。図7に
示すように、電極消耗量C2 が加工精度許容値Tよりも
小さいときには、加工形状S2 が要求される加工精度に
達しているために、S1100に進む。一方、図7に示
すように、電極消耗量C1 が加工精度許容値Tよりも大
きいときには、加工形状S1 が要求される加工精度に達
していない。このために、加工形状S1 を電極3によっ
て再度加工する必要があるために、S800に戻る。
【0066】図10は、この発明の実施形態に係る放電
加工装置の電極長さの変化を説明するための図である。
図10に示すように、加工開始位置P1 から加工終了位
置P2 まで電極3が移動すると、電極消耗量C1 だけ電
極先端部が消耗する。このときに、電極消耗量C1 が加
工精度許容値Tよりも大きいために、加工形状S1 が加
工精度許容値内に達しておらず、電極3の一部が消耗し
ている可能性がある。このために、電極修正位置PC1
ら電極修正位置PC2まで電極3が移動して、電極修正量
ΔLだけ電極先端部が除去される。その後、加工形状S
1 を加工精度許容値内に加工するために、加工開始位置
1 から加工終了位置P2 まで再度移動すると、電極消
耗量C2 だけ電極先端部が消耗する。このときに、電極
消耗量C1 が加工精度許容値Tよりも小さいために、加
工形状S2 が加工精度に達し加工が終了する。
【0067】S1100において、次の輪郭形状加工が
あるか否かが判断される。判断手段19は、プログラム
実行手段14が実行する加工プログラムに基づいて、次
の加工形状があるか否かを判断する。次の加工形状があ
るときにはS400に戻り、電極消耗量が加工精度許容
値になるまで、S400からS1000までの処理が繰
り返される。一方、次の加工形状がないときにはS12
00に進み放電加工装置1が動作を終了する。
【0068】以上の説明では、底面部分を加工する場合
を例に挙げて説明したが、側面部分を加工する場合につ
いても、この発明を適用することができる。この場合に
は、電極先端部の電極消耗量を測定するとともに電極側
面部の電極消耗量を測定して、加工精度を向上させるこ
とができる。すなわち、電極の径方向またはXY方向の
消耗量を基準球で測定して、予め設定された電極径また
はXY方向の加工精度許容値と消耗量を比較することに
より、電極消耗が加工精度許容値以内になったとき所望
の加工精度が得られたものと判断する。
【0069】この発明の実施形態に係る放電加工装置に
は、以下に記載するような効果がある。 (1) この実施形態では、電極消耗量が加工精度許容値よ
りも大きいときには、要求される加工精度で加工形状が
加工されたと判断し、電極消耗量が加工精度許容値より
も小さいときには、要求される加工精度で加工形状が加
工されていないと判断する。このために、電極消耗量と
加工精度許容値とを比較することによって、加工穴を実
際に測定しなくても、加工形状が最終加工深さに達して
いるか否かを電極消耗量に基づいて判断することができ
る。また、従来のミーリング加工や形彫放電加工では加
工が難しかった小物で複雑な形状の加工対象物を任意の
加工形状に、個々の電極消耗量を考慮せずに加工精度許
容値内で容易に加工することができる。
【0070】(2) この実施形態では、電極消耗量が加工
精度許容値よりも大きいときには、電極3の使用部分を
電極修正量だけ除去する。その結果、電極先端部が部分
的に消耗するようなときに、この電極先端部を所定量だ
け除去して整えることができるとともに、要求される加
工精度よりも深く電極先端部の非消耗部分が加工してし
まうのを防止することができる。
【0071】この発明は、以上説明した実施形態に限定
するものではなく、以下に記載するように、種々の変形
又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内であ
る。 (1) この実施形態では、初期設定項目を設定した後に諸
条件設定項目を設定しているが、これらの設定順序は逆
であってもよい。また、この実施形態では、一つの加工
形状(輪郭形状)を加工した後に電極消耗量を測定して
いるが、輪郭一周毎、所定長さ加工毎又は所定経路加工
毎に電極消耗量を測定してもよい。
【0072】(2) この実施形態では、電極3を斜め方向
に移動させて電極先端部を除去しているが、X軸方向、
Y軸方向又はZ軸方向のいずれか一方向に電極3を移動
させてもよいし、複数回に分けて電極を修正してもよ
い。また、この実施形態では、修正用電極18の水平な
平坦面を使用して電極先端部を除去しているが、加工対
象物2の製品とはならない水平な平坦面を使用して電極
先端部を除去してもよい。
【0073】(3) この実施形態では、電極修正後に電極
を交換してしまう無駄を省くために、電極修正量を考慮
して電極残存量と電極必要長さとを比較しているが、電
極修正量を考慮せずに比較してもよい。さらに、この実
施形態では、放電加工装置1内で電極修正処理を実行し
ているが、放電加工装置1とは別に電極修正装置を設置
し電極修正処理を実行してもよい。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による
と、加工形状を加工精度の許容値内で確実に加工するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る放電加工装置のブロ
ック図である。
【図2】この発明の実施形態に係る放電加工装置の動作
を説明するフローチャートである。
【図3】この発明の実施形態に係る放電加工装置の放電
加工動作を説明するための図である。
【図4】この発明の実施形態に係る放電加工装置の電極
測定修正処理のフローチャートである。
【図5】この発明の実施形態に係る放電加工装置におけ
る電極消耗量の測定処理のフローチャートである。
【図6】この発明の実施形態に係る放電加工装置の電極
消耗量の測定動作を説明するための図である。
【図7】この発明の実施形態に係る放電加工装置による
電極消耗量と加工精度許容値との関係を説明するための
図である。
【図8】この発明の実施形態に係る放電加工装置の電極
修正処理のフローチャートである。
【図9】この発明の実施形態に係る放電加工装置の電極
修正動作を説明するための図である。
【図10】この発明の実施形態に係る放電加工装置の電
極長さの変化を説明するための図である。
【図11】従来の放電加工装置の放電加工動作を示す断
面図である。
【図12】従来の放電加工装置で電極を回転させた場合
での状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 放電加工装置 2 加工対象物 3 電極 11 入力装置 14 プログラム実行手段 15 電極測定制御手段 16 測定子 17 電極修正制御手段 18 修正用電極 19 判断手段 22 電極交換装置 C1 ,C2 電極消耗量 S0 ,S1 ,S2 加工形状 T 加工精度許容値 L 電極残存量 ΔL 電極修正量 ML 電極必要長さ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工対象物を所定の加工形状に電極によ
    って放電加工する放電加工装置であって、 前記加工形状に要求される加工精度の許容値を設定する
    許容値設定手段と、 前記加工形状を加工するための加工プログラムを実行す
    る実行手段と、 前記加工形状を加工した後に前記電極の消耗量を測定す
    る消耗量測定手段と、 前記許容値と前記消耗量とを比較する消耗量比較手段
    と、 前記消耗量が前記許容値よりも小さいときには、前記加
    工形状が前記加工精度で加工されたと判断し、前記消耗
    量が前記許容値よりも大きいときには、前記加工形状が
    前記加工精度で加工されていないと判断する判断手段
    と、 を含む放電加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の放電加工装置におい
    て、 前記消耗量が前記許容値よりも大きいときには、前記電
    極を交換する電極交換手段を備えること、を特徴とする
    放電加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の放電加工
    装置において、 前記消耗量が前記許容値よりも大きいときには、前記電
    極の使用部分を所定量だけ除去する電極除去手段を備え
    ること、 を特徴とする放電加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の放電加工装置におい
    て、 前記加工形状の加工に必要な前記電極の必要長さを設定
    する長さ設定手段と、 前記加工形状を加工した後に前記電極の残存量を測定す
    る残存量測定手段と、 前記必要長さと前記残存量とを比較する残存量比較手段
    と、 前記消耗量が前記許容値よりも大きく、かつ、前記残存
    量が前記必要長さよりも小さいときには、前記電極を交
    換する電極交換手段と、 前記消耗量が前記許容値よりも大きく、かつ、前記残存
    量が前記必要長さよりも大きいときには、前記電極の使
    用部分を所定量だけ除去する電極除去手段と、 を含む放電加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載の放電加工装置において、 前記実行手段は、前記消耗量が前記許容値よりも大きい
    ときには、前記加工プログラムを繰り返し実行するこ
    と、 を特徴とする放電加工装置。
  6. 【請求項6】 加工対象物に所定の加工形状を電極によ
    って放電加工する放電加工方法であって、 前記加工形状に要求される加工精度の許容値を設定する
    許容値設定工程と、 前記加工形状を加工するための加工プログラムを実行す
    る実行工程と、 前記加工形状を加工した後に前記電極の消耗量を測定す
    る消耗量測定工程と、 前記許容値と前記消耗量とを比較する消耗量比較工程
    と、 前記消耗量が前記許容値よりも小さいときには、前記加
    工形状が前記加工精度で加工されたと判断し、前記消耗
    量が前記許容値よりも大きいときには、前記加工形状が
    前記加工精度で加工されていないと判断する判断工程
    と、 を含む放電加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の放電加工方法におい
    て、 前記消耗量が前記許容値よりも大きいときには、前記電
    極を交換する電極交換工程を含むこと、 を特徴とする放電加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載の放電加工
    方法において、 前記消耗量が前記許容値よりも大きいときには、前記電
    極の使用部分を所定量だけ除去する電極除去工程を含む
    こと、 を特徴とする放電加工方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の放電加工方法におい
    て、 前記加工形状の加工に必要な前記電極の必要長さを設定
    する長さ設定工程と、 前記加工形状を加工した後に前記電極の残存量を測定す
    る残存量測定工程と、 前記必要長さと前記残存量とを比較する残存量比較工程
    と、 前記消耗量が前記許容値よりも多く、前記残存量が前記
    必要長さよりも少ないときには、前記電極を交換する電
    極交換工程と、 前記消耗量が前記許容値よりも大きく、かつ、前記残存
    量が前記必要長さよりも大きいときには、前記電極の使
    用部分を所定量だけ除去する電極除去工程と、 を含む放電加工方法。
  10. 【請求項10】 請求項6から請求項9までのいずれか
    1項に記載の放電加工方法において、 前記実行工程は、前記消耗量が前記許容値よりも大きい
    ときには、前記加工プログラムを繰り返し実行する工程
    を含むこと、 を特徴とする放電加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017104970A (ja) * 2015-12-10 2017-06-15 ナショナル ガオション ユニヴァーシティ オブ アプライド サイエンシーズ 放電加工機

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