JP2002018392A - 焼却灰の処理方法及びエージング施設 - Google Patents

焼却灰の処理方法及びエージング施設

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JP2002018392A
JP2002018392A JP2000201359A JP2000201359A JP2002018392A JP 2002018392 A JP2002018392 A JP 2002018392A JP 2000201359 A JP2000201359 A JP 2000201359A JP 2000201359 A JP2000201359 A JP 2000201359A JP 2002018392 A JP2002018392 A JP 2002018392A
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incinerated ash
carbon dioxide
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JP2000201359A
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English (en)
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Hirohiko Shibata
浩彦 柴田
Tatsuji Maemura
辰二 前村
Yutaka Shinoda
豊 信太
Akio Tango
堯雄 反後
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Shinroku Seiki KK
Yoyu Shigen KK
Kumagai Gumi Co Ltd
Original Assignee
Shinroku Seiki KK
Yoyu Shigen KK
Kumagai Gumi Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却灰中の粒状体を効率よく無害化して再利
用可能とすることのできる焼却灰の処理方法と重金属類
の溶出防止を効率的にかつ安定して行うことのできるエ
ージング施設を提供する。 【解決手段】 焼却灰を磨砕処理装置30,50に投入
して加水し、粒状体相互間の擦り合わせの力を作用させ
て、上記粒状体を細粒化するとともに、上記粒状体表面
から重金属類やダイオキシン等の有害物質を多く含む微
粒分を分離した後、振動スクリーン60で上記焼却灰中
の細粒不燃物を抽出し、これをエージング施設80に供
給し、上記粒状体に適量の水分を与えつつ二酸化炭素を
供給し、上記粒状体を二酸化炭素に接触させるようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重金属類を含む焼
却炉の焼却残渣を無害化して再利用可能とする方法と、
重金属類の溶出を防止するためのエージング施設に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、リサイクルができない生ゴミ等の
可燃物は、主に、ストーカ式焼却炉あるいは流動床式焼
却炉において焼却され、焼却炉の焼却残渣は焼却灰とし
て廃棄物処分場に搬出されて埋設される。上記焼却残渣
(以下、焼却灰という)には、上記可燃物に混って焼却
された金属屑やガラスあるいは陶器類の欠片や土砂等も
含まれているので、焼却灰の成分としては、各種金属や
シリカ,アルミナ,石灰等が混ざっている。このような
焼却灰は、廃棄量が多いことや、重金属類や焼却過程で
生じたダイオキシン等の有害物質が焼却灰に付着してい
ることから、焼却灰の減量化及び無害化の方法あるいは
再利用の技術の確立が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、焼却灰は多
くの場合、燃焼時に生じた塩化水素を除去するために消
石灰(Ca(0H))が混入されているため、水と接
触するとpHが高くなり、鉛等の重金属類が溶出しやす
くなる。そのため、上記焼却灰を無害化して再利用する
場合には、従来より、屋外堆積(エージング処理)が行
われている。上記エージング処理は、上記焼却灰に適度
の水分を与えつつ数週間、例えば野外のストックヤード
等に静置し、空気中の二酸化炭素と接触させて、中和反
応によるアルカリ度の低下や、CaCO生成に伴う鉛
取り込み等の化学反応を促進することで、重金属類の溶
出を防止するものである。しかしながら、上記エージン
グ処理が終了するには数週間という膨大な時間がかかる
だけでなく、多量の焼却灰を処理するためには、広大な
ストックヤードを必要としていた。更に、エージング処
理そのものが、自然に進行する化学反応に頼っているた
め、重金属類の溶出防止効果が不安定であるといった問
題点があった。
【0004】一方、焼却炉で発生し電気集塵器等で回収
された、カドミウム,鉛,六化クロム等の重金属類を多
量に含んだ飛灰に重金属類固形化剤を添加して混練した
後、二酸化炭素を含む気体を接触させて炭酸ガス重金属
類の溶出を防止して埋立等に利用する方法が提案されて
いる(特開平11−188331号公報)。これは、重
金属含有飛灰中のアルカリ分を二酸化炭素と反応させて
中和し、pHを下げて重金属類の溶出を防止するととも
に、上記飛灰中の重金属類を難溶性の炭酸塩にすること
によって、重金属類固形化剤による重金属類の溶出防止
効果を高めるようにしたものである。しかしながら、減
量化あるいは無害化の対象となる焼却炉の焼却残渣は、
上記飛灰とは異なり粒径の大きな粒状体を多く含んでお
り、かつ上記粒状体同士が固着した団粒状になっている
ため、そのままの状態では、重金属類固形化剤や二酸化
炭素との化学反応がなかなか進行せず、重金属類の溶出
を十分に防止することができなかった。そこで、上記焼
却残渣を例えば約100μm以下の粒状体に破砕して、
重金属類固形化剤や二酸化炭素との接触面積を大きくす
るような前処理を行った後、上記飛灰の場合と同様の不
溶化処理を行うことも考えられるが、この方法では、焼
却残渣を減量化することができないだけでなく、焼却灰
の処理効率も低下してしまうという欠点がある。更に
は、破砕処理を行うため、焼却灰中の粒径の大きな粒状
体を、例えば、コンクリート用の骨材などに再利用する
ことができなくなってしまうという問題点がある。
【0005】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、焼却灰中の粒状体を効率よく無害化して再利用
可能とすることのできる焼却灰の処理方法と重金属類の
溶出防止を効率的にかつ安定して行うことのできるエー
ジング施設を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の焼却灰の処理方法は、焼却灰から所定の粒径以上の粒
状体を抽出し、上記粒状体に適量の水分を与えつつ大気
に触れさせ、上記粒状体を大気中の二酸化炭素に接触さ
せるようにしたことを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の焼却灰の処理方法は、焼
却灰から所定の粒径以上の粒状体を抽出し、上記粒状体
に適量の水分を与えつつ二酸化炭素を含む気体を供給
し、上記粒状体を二酸化炭素に接触させるようにしたこ
とを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の焼却灰の処理方法は、焼
却灰中の粒状体同士を、加水下で擦り合わせて細粒化す
る磨砕処理工程を経た後、この細粒化された粒状体を分
級工程に供給して、所定の粒径以上の粒状体を抽出する
ようにしたことを特徴とする。
【0009】請求項4に記載の焼却灰の処理方法は、上
記磨砕処理工程で細粒化された粒状体を分級工程に供給
して、粒径の大きな粗粒不燃物を分級して抽出した後、
上記粗粒不燃物が除去された残りの粒状体を微粒子分離
装置に供給することにより、粗粒不燃物よりも粒径が小
さく、かつ微粒分が分離された所定の粒径以上の粒状体
を抽出するようにしたものである。
【0010】請求項5に記載の焼却灰の処理方法は、上
記磨砕処理工程で細粒化された粒状体を微粒子分離装置
に供給して微粒分を分離し、上記微粒分が分離された所
定の粒径以上の粒状体を抽出するようにしたものであ
る。
【0011】請求項6に記載の焼却灰の処理方法は、上
記微粒子分離装置で微粒分が除去された粒状体から粒径
の大きな粗粒不燃物を除去して、残りの粒状体、すなわ
ち粗粒不燃物よりも粒径が小さく、かつ微粒分が分離さ
れた所定の粒径以上の粒状体を抽出し、この粒状体に二
酸化炭素を接触させるようにしたものである。
【0012】請求項7に記載のエージング施設は、焼却
灰から抽出された所定の粒径以上の粒状体を搭載するた
めの多数の孔を有する搭載板を有するステージと、上記
ステージの下方に配設された、二酸化炭素を含む気体を
上記粒状体に供給する気体供給管とを備えるとともに、
上記搭載板と気体供給管との間に空隙層を設け、上記粒
状体に適量の水分を与えつつ、上記空隙層を介して、二
酸化炭素を供給し、上記粒状体に二酸化炭素を接触させ
るように構成したものである。
【0013】請求項8に記載のエージング施設は、上記
空隙層を、粒径の大きな砂礫で構成したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形
態に係わる焼却灰の処理システムの処理フローを示す図
で、この処理システムは、焼却炉の焼却残渣(以下、焼
却灰という)に対して磨砕処理を施し、上記細粒化され
た焼却灰から重金属類やダイオキシン等の有害物質を多
く含む微粒分を分離して所定粒径以上の粒状体を抽出す
るとともに、上記粒状体を二酸化炭素と接触させるため
のエージング施設に送って、重金属類の不溶化処理を行
い、上記粒状体を再利用可能とするものである。同図に
おいて、30は一次磨砕処理装置で、焼却灰に加水し、
上記焼却灰中の粒状体に圧縮応力を作用させ、粒状体同
士が固着している団粒状の粒状体を、上記粒状体を破壊
することなくほぼ独立した粒状体に分離して細粒化する
とともに、上記粒状体相互間の擦り合わせの力を作用さ
せて、粒状体同士の摩擦による相互研磨を行わせ、上記
粒状体の表面に付着している重金属類やダイオキシン等
の有害物質を上記粒状体表面から分離する処理(以下、
磨砕処理という)とを行うもので、この一次磨砕処理装
置30は、後述するように、細粒化を主とした磨砕処理
を行う。40は振動ふるいで、上記磨砕処理装置30で
細粒化された粒状体を含んだスラリーの中から粒径が5
mm以上の粗粒不燃物を選別し分離する。50は、上記
一次磨砕処理装置30と同様に、粒状体の解砕処理と解
膠処理とを行う二次磨砕処理装置で、この二次磨砕処理
装置50は、後述するように、粒状体同士の摩擦による
相互研磨を主体とした磨砕処理を行う。
【0015】60は、上記二次磨砕処理装置50で細粒
化された粒状体を含んだスラリーの中から、粒径が0.
5mm〜5mmの細粒不燃物を分級する振動スクリー
ン、71は上記振動スクリーン60から排出された微粒
分を含むスラリーから脱水ケーキを作製するためのフィ
ルタプレス、72は上記フィルタプレス71の処理水を
浄化する水浄化装置、80は振動スクリーン60で分級
された粒径が0.5mm〜5mmの細粒不燃物中の重金
属類を不溶化処理するためのエージング施設である。ま
た、91は上記振動ふるい40に処理水をジェット流と
して供給するジェットウオータ装置、92は上記振動ス
クリーン60に処理水をジェット流として供給するジェ
ットウオータ装置である。なお、上記水浄化装置72で
浄化された処理水は一次磨砕処理装置30の処理水とし
て使用されるとともに、ジェットウオータ装置91,9
2にも戻され、振動ふるい40及び振動スクリーン60
の処理水としても使用される。
【0016】次に、焼却灰の処理方法について説明す
る。まず、焼却炉の灰ピット10内に収納された焼却灰
を、受け入れホッパ20を介して、磨砕処理装置30に
投入する。なお、受け入れホッパ20の投入口には、約
20mmの分級用の網21が設けられており、大型の挟
雑物は予め捕獲され除去される。一次磨砕処理装置30
では、上記粒状体に処理水を加水しながら上記焼却灰中
の粒状体同士を擦り合わせ細粒化するとともに、上記粒
状体の表面に付着している重金属類やダイオキシン等の
有害物質を剥離して、処理水中に浮遊あるいは溶解させ
て分離する磨砕処理を行う。なお、上記処理水として
は、後述する水浄化装置72で浄化された処理水を用い
ている。
【0017】図2(a)は一次磨砕処理装置30の構成
を示す図で、(b)図はそのA−A断面図である。一次
磨砕処理装置30は、内周面に軸方向に沿って取付けら
れ、中心方向に突出する複数の外羽根31Wを有する円
筒状の回転ドラム31と、外周面に軸方向に沿って取付
けられ、径方向に突出する複数の内羽根32Wを有し、
上記回転ドラム31の内部に偏心して取付けられたロー
タ32とを備え、回転ドラム31の外周に設けられた環
状歯車33をモータ34により駆動し、ロータ32に取
付けられた回転軸35を駆動機構36により駆動して、
回転ドラム31とロータ32とをそれぞれ互いに逆方向
に回転させ、材料投入口37から投入された処理材料で
ある焼却灰に圧縮及びすべり応力を作用させ、塊状とな
った焼却灰を、ほぼ独立した粒状体に分離して細粒化す
るとともに、上記細粒化された粒状体に対して主に粒状
体相互間の擦り合わせの力を作用させて、粒状体同士の
摩擦による相互研磨を行わせ、上記粒状体の表面に付着
している重金属類やダイオキシン等の有害物質を処理水
中に浮遊あるいは溶解させて分離するものである。な
お、振動ふるい40の後段に設けられた二次磨砕処理装
置50は、上記一次磨砕処理装置30と同様の構成であ
る。
【0018】一次磨砕処理装置30及び二次磨砕処理装
置50において、処理材料に作用する応力の大きさは、
主に、ロータ32の径や偏心度によって決まる、回転ド
ラム31とロータ32との間隔Dと、回転ドラム31と
ロータ32との相対的な回転速度とにより調整される
(図2(b)参照)。本実施の形態においては、一次磨
砕処理装置30では、ロータ32の径及び偏心度を小さ
くすることにより回転ドラム31とロータ32との間隔
Dを比較的広くし、焼却灰に対して細粒化を主体とする
磨砕処理を行う。また、二次磨砕処理装置50では、ロ
ータ32の径と偏心度とを大きくして回転ドラム31と
ロータ32との間隔Dを狭くするとともに、回転ドラム
31とロータ32との相対的な回転速度を上記一次磨砕
処理装置30よりも速くして、粒状体同士の摩擦による
相互研磨を主体とした磨砕処理を行う。
【0019】上記一次磨砕処理装置30で磨砕処理され
た粒状体を含んだスラリーは、振動ふるい40に送られ
る。振動ふるい40では、上記粒状体を含んだスラリー
にジェットウオータ装置91からのジェット水を噴射し
て上記粒状体を洗浄しながら、5〜20mmの主に砂礫
分から成る粗粒不燃物を、上記スラリー中に浮遊あるい
は溶解している有害物質から分離して抽出する。なお、
上記振動ふるい40では、まず、水浄化装置72で浄化
された処理水を用いて上記粒状体を洗浄し、次に、新た
に供給された補助水を用いて洗浄する。上記振動ふるい
40を通過した粒径が5mm以下の粒状体を含んだスラ
リーは、二次磨砕処理装置50に送られ、一次磨砕処理
装置30では剥離できなかった粒状体表面に強く付着し
ている重金属類を粒状体表面から離脱させて処理水中に
浮遊あるいは溶解させる磨砕処理を行い、この磨砕処理
された粒状体を含んだスラリーを、振動スクリーン60
に送る。振動スクリーン60では、上記スラリーにジェ
ットウオータ装置92からのジェット水を噴射して上記
粒状体を洗浄しながら、粒径が0.5mm〜5mmの細
粒不燃物を、上記スラリー中に浮遊あるいは溶解してい
る有害物質から分離して抽出する。なお、振動スクリー
ン60においても、はじめに、水浄化装置72で浄化さ
れた処理水を用いて上記粒状体を洗浄し、次に、新たに
供給された補助水を用いて洗浄する。
【0020】上記振動ふるい40で抽出された粒径が5
mmm〜20mmの粗粒不燃物は、重金属類やダイオキ
シン等の有害物質が取り除かれているので、例えば、コ
ンクリート用の骨材などに再利用することができる。し
かしながら、振動スクリーン60で抽出された粒径が
0.5mm〜5mmの細粒不燃物は粒径が小さいため、
水分の吸着量も多く、また、各粒状体の表面、特にその
凹部には重金属類が残留している可能性がある。したが
って、上記細粒不燃物からは重金属類が溶出する可能性
があるので、エージング施設80に送り後述する不溶化
処理を施す。また、振動スクリーン60を通過した、有
害物質の微粒子を多く含むスラリーは、フィルタプレス
71に送って脱水処理を施し、これから脱水ケーキを作
製する。この脱水ケーキは、上記有害物質を多く含んで
いるので、例えば、溶融固化等により無害化した後、廃
棄物処分場に廃棄される。なお、フィルタプレス71の
処理水は、水浄化装置72において、薬剤による重金属
類の不溶化処理を施すなどして浄化されて再利用され
る。
【0021】次に、上記細粒不燃物のエージング処理に
ついて説明する。図3(a)は、本実施の形態に係わる
エージング施設80が設置された細粒不燃物のストック
ヤードの概要を示す平面図である。このストックヤード
の中央には、細粒不燃物80rを野積みするためのステ
ージ81が設置され、上記ステージ81の周囲には、上
記細粒不燃物80rに適度な水分を供給するための散水
機82が設けられている。細粒不燃物80rは、図3
(b)に示すように、ステージの上面を構成する、多数
の孔を有する鉄板から成る搭載板83上に約1m程度の
厚さに搭載されている。ステージ81の底部で上記搭載
板83の下部側には、砂礫84rから成る空隙層84を
隔てて、二酸化炭素を供給するための上記搭載板83方
向に多数の開口部85sを有する気体供給管85が配設
されている。この気体供給管85から送られてきた二酸
化炭素は、上記開口部85sから空隙層84の砂礫84
r内に広がり、搭載板83の多数の孔を通って、細粒不
燃物80r内に吹き込まれる。細粒不燃物80rは、飛
灰や上記振動スクリーン60で分離された微粒分とは異
なり、粒径が0.5mm〜5mmの粒状体であるので、
吹き込まれた二酸化炭素を細粒不燃物80rの表面に十
分に接触させることができるので、重金属類の溶出防止
を効率的に行うことができる。また、砂礫84rからな
る空隙層84を設けて、二酸化炭素が上記細粒不燃物8
0rの搭載面に均一に吹き出すようにしたので、場所に
よる化学反応の進行速度のバラツキをなくすことができ
る。
【0022】このように、上記ステージ81に細粒不燃
物80rを搭載し、散水機82により、上記細粒不燃物
80rの表面が乾燥しない程度に水分を供給しながら、
上記細粒不燃物80rを二酸化炭素に接触させ、中和反
応によるアルカリ度の低下や、CaCO生成に伴う鉛
取り込み等の化学反応を促進することで、重金属類の溶
出防止を短期間で、かつ安定して行うことができる。な
お、1日数回、ホイールローダなどを用いて細粒不燃物
80rの攪拌を行えば、エージング効果を更に促進させ
ることができる。
【0023】図4は、環境基準値を超える鉛の溶出があ
った、粒径が0.5mm〜5mm未満の3種類の細粒物
(A,B,C)の試料を選び出して鉛溶出試験を行うと
ともに、上記試料と同一の試料を、湿潤状態で3〜10
週間静置するエージング処理を行った後に鉛溶出試験を
行った結果を示す図である。同図から明らかなように、
エージング処理した細粒物の鉛の溶出濃度は、A,B,
Cのいずれの試料においても、環境基準値である0.01mg
/lを大きく下回っており、従来の焼却灰全体を静置処理
した場合に比較して短時間で鉛の溶出を防ぐことができ
ることが確認された。また、図5は、上記細粒物(A,
B,C)を、本実施の形態のエージング施設80で空気
及び二酸化炭素をそれぞれ吹き込んでエージング処理し
た結果を示す図である。同図において、□は初期値、●
は1日経過した時点の、▲は3日経過した時点の鉛溶出
試験結果で、同図から明らかなように、供給する気体が
空気であっても二酸化炭素であっても、エージング処理
後に検出された鉛溶出濃度は、1日経過した時点で既に
0.001mg/l以下と検出基準値である0.01mg/lを大きく下
回っており、極めて短時間で鉛の不溶化処理がなされた
ことが確認された。
【0024】このように、本実施の形態によれば、焼却
灰を磨砕処理装置30,50に投入して加水し、粒状体
相互間の擦り合わせの力を作用させて、上記粒状体を細
粒化するとともに、上記粒状体表面から重金属類やダイ
オキシン等の有害物質を多く含む微粒分を分離した後、
振動スクリーン60で上記焼却灰中の細粒不燃物を抽出
し、これをエージング施設80に供給し、上記粒状体に
適量の水分を与えつつ二酸化炭素を供給し、上記粒状体
を二酸化炭素に接触させるようにしたので、短期間でか
つ安定して、重金属類の溶出防止を行うことができ、再
利用可能な粒状体を得ることができる。すなわち、上記
エージングする細粒不燃物は、粒状体表面から重金属類
やダイオキシン等の有害物質を多く含む微粒分の大部分
が既に分離されていること、及び、飛灰や粉砕された焼
却灰などとは異なり、粒径が0.5mm〜5mmの粒状
体であるために、吹き込まれた二酸化炭素と細粒不燃物
80rとの接触がよく反応が促進されやすいことから、
重金属類の溶出防止を確実に行うことができるととも
に、エージング時間を大幅に短縮することができる。し
たがって、廃棄する焼却灰を著しく減量化できるととも
に、予め振動ふるいで分級した粗粒不燃物や上記細粒不
燃物からなる粒状体を、例えば、コンクリート用の骨材
などに再利用することができる。
【0025】なお、上記実施の形態では、振動ふるい4
0と振動スクリーン60とを用いて、エージング処理す
る粒径が0.5mm〜5mmの細粒不燃物を抽出した
が、他の方法により、細粒不燃物を抽出してもよい。例
えば、液体供給槽を備えた、液体サイクロン等の微粒子
分離装置を設け、二次磨砕処理装置50からのスラリー
を、上記液体供給槽を介して、上記微粒子分離装置に送
り、例えば、約75μmあるいは50μm未満の微粒分
と、上記磨砕処理装置30,50で分離され処理水中に
浮遊している有害物質の微粒子とを上記細粒かされた粒
状体から分離するとともに、上記微粒分及び微粒子が分
離された粒径の大きな粒状体を、振動ふるいあるいは振
動スクリーンなどの分級手段に供給して細粒不燃物を抽
出するようにしてもよい。これにより、重金属類等の有
害物質を更に確実に分離できるので、エージング施設8
0での細粒不燃物の不溶化処理が容易となり、エージン
グ処理を更に安定して行うことができるとともに、処理
時間を更に短縮することができる。また、上記例では、
2台の磨砕処理装置を用いて、焼却灰の解砕・解膠処理
を行ったが、1台の磨砕処理装置であっても、実用上は
問題がなく、粒状体表面から重金属類やダイオキシン等
の有害物質を十分剥離することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、焼却灰から所定の粒径以上の粒状体を抽
出し、上記粒状体に適量の水分を与えつつ大気中に静置
させるようにしたので、空気中の二酸化炭素との反応が
促進されやすくなり、焼却灰のエージングを効率的にか
つ安定して行うことができる。また、上記粒状体は、重
金属類の不溶化処理がなされているので再利用可能であ
り、また、これにより、廃棄する焼却灰を著しく減量化
することができる。
【0027】請求項2に記載の発明によれば、上記粒状
体に適量の水分を与えつつ二酸化炭素を含む気体を供給
し、上記粒状体に二酸化炭素を接触させるようにしたの
で、大気中に静置した場合に比べて、処理時間を著しく
短縮することができる。
【0028】請求項3に記載の発明によれば、焼却灰中
の粒状体同士を、加水下で擦り合わせて細粒化する磨砕
処理工程を経た後、この細粒化された粒状体を分級工程
に供給して、所定の粒径以上の粒状体を抽出するように
したので、焼却灰の粒状体表面に付着している重金属類
やダイオキシン等の有害物質を予め分離することができ
る。したがって、エージングが容易となり、重金属類の
不溶化処理を効率よくかつ確実に行うことができる。
【0029】請求項4に記載の発明によれば、上記磨砕
処理工程で細粒化された粒状体を分級工程に供給して、
粒径の大きな粗粒不燃物を分級して抽出した後、上記粗
粒不燃物が除去された残りの粒状体を微粒子分離装置に
供給することにより、粗粒不燃物よりも粒径が小さく、
かつ微粒分が分離された所定の粒径以上の粒状体を抽出
し、この粒状体のみをエージングするようにしたので、
処理効率を更に向上させることができる。
【0030】請求項5に記載の発明によれば、上記磨砕
処理工程で細粒化された粒状体を微粒子分離装置に供給
し、重金属類やダイオキシン等の有害物質を多く含む微
粒分を分離し、上記微粒分が分離された所定の粒径以上
の粒状体を抽出するようにしたので、重金属類の不溶化
処理を効率よく行うことができる。
【0031】請求項6に記載の発明によれば、上記微粒
子分離装置で微粒分が除去された粒状体から粒径の大き
な粗粒不燃物を抽出して除去して、残りの粒状体、すな
わち粗粒不燃物よりも粒径が小さく、かつ微粒分が分離
された所定の粒径以上の粒状体を抽出し、この粒状体の
みをエージングするようにしたので、処理効率を更に向
上させることができる。
【0032】また、請求項7に記載の発明によれば、多
数の孔を有する搭載板を有するステージと、上記ステー
ジの下方に配設された、二酸化炭素を含む気体を上記粒
状体に供給する気体供給管とを備えるとともに、上記搭
載板と気体供給管との間に空隙層を設け、焼却灰から抽
出された所定の粒径以上の粒状体に適量の水分を与えつ
つ、上記空隙層を介して、上記粒状体に二酸化炭素を接
触させるようにしたので、上記粒状体に二酸化炭素と効
率よくかつ均一に接触させることができ、エージングを
安定して行うことができるとともに、エージング時間を
大幅に短縮することができる。
【0033】請求項8に記載の発明によれば、上記空隙
層を、粒径の大きな砂礫で構成したので、簡単な構成で
二酸化炭素の拡散経路を形成することができ、エージン
グを安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わる焼却灰の処理装
置の構成を示す図である。
【図2】 本実施の形態に係わる磨砕処理装置の構成を
示す図である。
【図3】 本実施の形態に係わるエージング施設の構成
を示す図である。
【図4】 エージング処理による鉛溶出防止効果を示す
図である。
【図5】 エージング促進実験の結果を示す図である。
【符号の説明】
10 灰ピット、20 受け入れホッパ、30 一次磨
砕処理装置、40 振動ふるい、50 二次磨砕処理装
置、60 振動スクリーン、71 フィルタプレス、7
2 水浄化装置、80 エージング施設、80r 細粒
不燃物、81ステージ、82 散水機、83 搭載板、
84 空隙層、84r 砂礫、85気体供給管、85s
開口部、91,92 ジェットウオータ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 浩彦 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 前村 辰二 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 信太 豊 埼玉県大里郡寄居町桜沢265番地 新六精 機株式会社内 (72)発明者 反後 堯雄 東京都新宿区新宿2丁目3番13号 溶融資 源株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA36 AB03 CA04 CA10 CA34 CB13 CC01 CC03 4D021 AA01 CA07 4D063 EE06 EE11 GA10 GC17 GC40 GD02 GD12 GD19 GD27

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却灰から所定の粒径以上の粒状体を抽
    出し、上記粒状体に適量の水分を与えつつ大気に触れさ
    せたことを特徴とする焼却灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 焼却灰から所定の粒径以上の粒状体を抽
    出し、上記粒状体に適量の水分を与えつつ二酸化炭素を
    含む気体を供給し、上記粒状体を二酸化炭素に接触させ
    るようにしたことを特徴とする焼却灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 焼却灰中の粒状体同士を、加水下で擦り
    合わせて細粒化する磨砕処理工程を経た後、この細粒化
    された粒状体を分級工程に供給して、所定の粒径以上の
    粒状体を抽出するようにしたことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の焼却灰の処理方法。
  4. 【請求項4】 上記細粒化された粒状体から粒径の大き
    な粗粒不燃物を分離した後、上記粗粒不燃物が除去され
    た残りの粒状体を分級工程に供給して、所定の粒径以上
    の粒状体を抽出するようにしたことを特徴とする請求項
    3に記載の焼却灰の処理方法。
  5. 【請求項5】 上記細粒化された粒状体を微粒子分離装
    置に供給して、微粒分を分離して、所定の粒径以上の粒
    状体を抽出するようにしたことを特徴とする請求項3に
    記載の焼却灰の処理方法。
  6. 【請求項6】 微粒子分離装置で微粒分が除去された粒
    状体から粒径の大きな粗粒不燃物を除去して、残りの所
    定粒径以上の粒状体を抽出し、この粒状体に二酸化炭素
    を接触させるようにしたことを特徴とする請求項5に記
    載の焼却灰の処理方法。
  7. 【請求項7】 焼却灰から抽出された所定の粒径以上の
    粒状体を搭載するための多数の孔を有する搭載板を有す
    るステージと、上記ステージの下方に配設された、二酸
    化炭素を含む気体を上記粒状体に供給する気体供給管と
    を備え、上記粒状体に適量の水分を与えつつ二酸化炭素
    と接触させるエージング処理を行う施設であって、上記
    搭載板と気体供給管との間に空隙層を設けたことを特徴
    とするエージング施設。
  8. 【請求項8】 上記空隙層を、粒径の大きな砂礫で構成
    したことを特徴とする請求項7に記載のエージング施
    設。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011200794A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Mitsubishi Heavy Industries Environmental & Chemical Engineering Co Ltd 焼却灰処理システム
JP2012166170A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Mitsubishi Materials Corp 焼却灰の洗浄方法及びセメント原料化方法
JP2013202593A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Osaka Gas Co Ltd 焼却灰の処理方法と処理装置
JP2018008195A (ja) * 2016-07-12 2018-01-18 株式会社フジタ 廃棄物の前処理装置及び前処理方法

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