JP2002014346A - 異方性光散乱フィルムを備えた液晶表示装置およびそれに用いる光学部材 - Google Patents

異方性光散乱フィルムを備えた液晶表示装置およびそれに用いる光学部材

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JP2002014346A
JP2002014346A JP2000198706A JP2000198706A JP2002014346A JP 2002014346 A JP2002014346 A JP 2002014346A JP 2000198706 A JP2000198706 A JP 2000198706A JP 2000198706 A JP2000198706 A JP 2000198706A JP 2002014346 A JP2002014346 A JP 2002014346A
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film
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Hideaki Honma
英明 本間
Atsushi Sato
敦 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、散乱異方性(前方か後方か、および
入射角度の選択性)を持たせ、散乱指向性(縦横の散乱
範囲・方向)までも制御することが容易であると共に、
観察位置によって表示光の色が変化しない特性を有する
偏光フィルムと異方性光散乱フィルムを液晶パネルの前
面に配置するにあたって、表示パターンを規定する液晶
パネルに近づけた構成とすることによって、像のボケを
極端に低減させた液晶表示装置およびそれに用いる偏光
フィルムと異方性光散乱フィルムとが積層されて一体と
なって構成された光学部材を提供することを目的とす
る。 【解決手段】液晶を駆動する電極が光を反射する反射型
液晶表示装置において、液晶パネルの前面の観察者側か
ら順に、少なくとも、偏光フィルム、異方性光散乱フィ
ルムを配置したことを特徴とする液晶表示装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光フィルムと異
方性光散乱フィルムによる表示画像のボケを極端に低減
させた液晶表示装置に係わり、特にバックライトやエッ
ジライトなどの特殊な光源を必要としないタイプの反射
型液晶表示装置およびそれに用いる偏光フィルムと異方
性光散乱フィルムとが積層されて一体となって構成され
た光学部材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示装置では、観察の際の
視野角を確保する(すなわち、表示装置の前面には、明
るく表示画像を見せる)ことや、表示画面の全面に渡っ
て均一な明るさで表示画像を見えるようにする目的で、
装置の前面に光散乱フィルムを配置することが行なわれ
ている。従来の光散乱フィルムとしては、表面をマット
状に加工した樹脂フィルムや、内部に拡散材を包含した
樹脂フィルムなどが用いられている。
【0003】しかし、上記のフィルムの場合、入射光の
入射角度に依存した散乱性の変化といった機能(以後、
散乱異方性と称する)を持たせることは原理上困難であ
り、現実にそのような機能は持ちあわせていないため、
表示装置に使用した際に不要な散乱光が生じ、表示の明
るさやコントラストの低下、あるいは表示画像のぼけを
招くという問題点がある。
【0004】表面をマット状に加工した光散乱フィルム
の場合、フィルム表面をサンドブラスト処理のように物
理的に加工してマット面を形成したり、あるいは酸性ま
たはアルカリ性の溶液による溶解処理により化学的にマ
ット面を形成することが行われていた。マット面(凹凸
の形状など)の制御により、散乱光の出射範囲・方向
(以後、散乱指向性と称する)を制御することは可能で
あるが、散乱異方性までも制御することは、原理的に困
難である。
【0005】また、内部に拡散材を包含した光散乱フィ
ルムにおいても、散乱異方性を制御するために、拡散材
の屈折率,大きさ,形状などを制御する試みも為されて
いるが、技術的に難易度が高く、散乱異方性の制御は実
用上十分であるとは言えないのが現状である。
【0006】一方、後方散乱特性がほとんどなく前方散
乱特性が強い(周辺光が表示装置へ入射する際にのみ光
散乱を生じ、装置から表示光が出射する際には光散乱を
生じない)という散乱異方性をもつ散乱板を用いた反射
型液晶表示装置に関する提案が、特開平8-20180
2号公報に記載されている。
【0007】しかし、散乱板の構成については、「透明
微細粒子を透明な重合性高分子で固めたもの」と記載さ
れているだけで、散乱板の構成の具体的な説明はなされ
ていない。このような散乱板では、上述した「内部に拡
散材を包含した光散乱フィルム」と同様に、散乱異方性
(前方もしくは後方)を制御できたとしても、散乱指向
性までも制御するのは難しい。また、上記提案における
装置の構成は、観察者側から順に、散乱板/偏光フィル
ム/液晶パネルとなっている。
【0008】また、散乱板としてホログラムを用いた透
過型液晶表示装置に係る提案が、特開平9−15260
2号公報に記載されている。上記提案は、バックライト
を有する液晶表示装置からの出射表示光を散乱させるも
のであり、散乱板としてホログラムを採用しているた
め、散乱異方性や散乱指向性を制御することも容易では
ある。液晶パネルにおいて、精細な表示パターンが規定
される場合には、後方散乱特性は、表示画像のボケを招
くことになり好ましくない。また、ホログラムでは必然
的に波長分散を伴い、視点移動に応じた表示画像の変色
の問題を少なからず有することになる。偏光板とガラス
を挟んで、拡散層を配置するため、偏光板により液晶パ
ネルと拡散層からなるディフューザーとの間にギャップ
があるため、液晶表示装置により表示された像がディフ
ューザーの拡散性によりボケを生じてしまうといった問
題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、散乱異方
性と散乱指向性の双方の光散乱性を備えると共に、液晶
の表示画像のボケを極端に低減させたものは、実現でき
ていない。
【0010】本発明は、上記の課題を鑑みてなされたも
ので、散乱異方性(前方か後方か、および入射角度の選
択性)を持たせ、散乱指向性(縦横の散乱範囲・方向)
までも制御することが容易であると共に、観察位置によ
って表示光の色が変化しない特性を有する偏光フィルム
と異方性光散乱フィルムを液晶パネルの前面に配置する
にあたって、表示パターンを規定する液晶パネルに近づ
けた構成とすることによって、像のボケを極端に低減さ
せた液晶表示装置およびそれに用いる偏光フィルムと異
方性光散乱フィルムとが積層されて一体となって構成さ
れた光学部材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、液晶を駆動する電極が光を
反射する反射型液晶表示装置において、液晶パネルの前
面の観察者側から順に、少なくとも、偏光フィルム、異
方性光散乱フィルムを配置したことを特徴とする液晶表
示装置である。
【0012】請求項2記載の発明は、液晶を駆動する電
極が光を反射する反射型液晶表示装置において、液晶パ
ネルの前面の観察者側から順に、少なくとも、偏光フィ
ルム、異方性光散乱フィルム、光学的に等方性のフィル
ムを配置したことを特徴とする液晶表示装置である。
【0013】請求項3記載の発明は、前記光学的に等方
性のフィルムが、テトラアセテートセルロース(TA
C)フィルムであることを特徴とする請求項2記載の液
晶表示装置である。
【0014】請求項4記載の発明は、前記偏光フィルム
と異方性光散乱フィルムとが積層されて一体となってい
ることを特徴とする光学部材である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
例としての実施の形態を詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の液晶表示装置の構成の一
例を示した断面図である。図1に示すように、本発明の
液晶表示装置10は、背面に光を反射する機能を有する
反射電極層11を有する液晶パネル層12上に、光を散
乱する異方性光散乱フィルム14を配置し、さらに、そ
の上に偏光フィルム15を配置した構成からなる。
【0017】また、図2は、本発明の液晶表示装置の構
成の別の例を示した断面図である。図2に示すように、
液晶表示装置20は、背面に光を反射する機能を有する
反射電極層21を有する液晶パネル層22上に、光学的
に等方的なフィルムであるTACフィルム23を設け、
その上に異方性光散乱フィルム24を形成し、さらに、
その上に偏光フィルム25を配置した構成でもよい。偏
光フィルムの厚みは、120μm〜650μmが一般的
で、 TACフィルムの厚みは、10μm〜100μm
が一般的であるが、異方性光散乱フィルムとTACフィ
ルムの厚みを合わせても、偏光フィルムの厚みを下回る
ことが本発明の利点を説明する上で有効である。
【0018】図3に示すように、上記異方性光散乱フィ
ルム30は、屈折率の異なる部分が不規則な形状や厚さ
で分布し、屈折率の高い部分30aと低い部分30bか
らなる帯状の濃淡(同図では、白黒で表現してある)を
形成している。
【0019】上記異方性光散乱フィルム30は、スペッ
クルパターンを利用した光散乱フィルムに係る提案とし
て、本出願人は、特願平10−346743号を出願し
ている。スペックルパターンとは、「コヒーレント性の
良い光が粗面または光拡散体で散乱反射または透過した
時に生ずる明暗の斑点模様」のことであり、以下の通り
である。
【0020】フィルム内で、屈折率の異なる部分が不規
則な形状や厚さで分布して、屈折率の高低からなる濃淡
模様が形成された構成であり、屈折率のほぼ等しい屈折
率の高い部分30aからなる第1の領域と、それとは異
なる屈折率のほぼ等しい屈折率の低い部分30bからな
る第2の領域とから形成される。第1および第2の領域
は、不規則ではあるがおよそ帯状の形状であり、フィル
ム表面に露出する形状や分布により散乱指向性が決定さ
れ、フィルムの面での分布形態により散乱異方性が決定
される。
【0021】すなわち、第1および第2の領域がフィル
ム表面に露出する形状はおよそ帯状であるが、入射光は
その短軸方向に散乱されることになり、また、それらの
分布が密であるほど散乱の度合いが大きくなる。フィル
ムの断面では、第1および第2の領域はおよそ層状にな
るが、入射光層に平行に近い角度で入射すると光散乱を
生じるが、層に垂直に近い角度で入射すると光散乱を生
じず単純に透過する。
【0022】上記のようなスペックルパターンによって
記録された屈折率の異なる異方性光散乱フィルムを用い
ることによって、適切な拡散性を有し、液晶に入射する
光に対してのみ、拡散性を有することができる。偏光フ
ィルムと液晶パネル層との間に配置し、しかも液晶表示
装置に近い位置に配置することによって、液晶に表示さ
れている画像のボケを抑制することができる。
【0023】以下、異方性光散乱フィルムの光学特性に
ついて、図4に基づいて詳細に説明する。異方性光散乱
フィルム40は、屈折率の異なる部分が不規則な形状や
厚さで分布し、屈折率の高い部分40aと低い部分40
bからなる帯状の濃淡が傾斜して伸びる方向に概ね沿っ
た角度(フィルムの垂線から角度θをなす)で入射する
入射光Aに対しては、光散乱が生じることになる。
【0024】上記方向とは異なる(概ね垂直な)角度で
入射する入射光Bに対しては、単なる透明フィルムとし
て機能し、入射光はほとんど散乱されずに出射する。
【0025】液晶表示装置からの射出する光は、概ね垂
直な角度で入射するため、この光散乱フィルムはほとん
ど、光を散乱しない。液晶表示装置からの射出光は、画
像のボケとなるが、このような異方性光散乱フィルムを
用いることにより、このような画像のボケを抑制するこ
とができる。本発明では、異方性光散乱フィルムを液晶
パネル前面の観察側のガラスの上面に直接配置すること
により、ボケを最小限に抑えることができる。また、構
成では、異方性光散乱フィルムの液晶パネル側に、TA
Cのような光学的に等方性のフィルムを補助的に用いる
ことにより、異方性光散乱フィルムの作成、および貼り
合わせ等の工程における損傷などを防止することがで
き、生産性を向上させることが可能である。一方、この
ようなフィルムとして、光学的に等方性の薄いフィルム
を用いても、フィルムを光が透過する際に、光の偏光方
向を乱すことがなく、偏光フィルムに対して、十分薄い
ため、液晶パネルに表示される像のコントラストを劣化
させることがなく、また異方性光散乱フィルムによる像
のボケの影響を抑制することが可能である。
【0026】上記フィルム内の屈折率の異なる部分の形
状が縦長(あるいは横長)であると、その部分に入射す
る光が散乱出射する場合には、それぞれの部分からの出
射光の光散乱特性が、横長(あるいは、縦長)となるよ
うな指向性を持つ。このことは、異方性光散乱フィルム
の作製工程で後述する。
【0027】また、上述したように、屈折率の異なる部
分のフィルム表面上の形状が横長(あるいは縦長)であ
ると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、
それぞれの部分からの出射光の光散乱特性が、縦長(あ
るいは、横長)となるような指向性を持つ。例えば、形
状が横長であると、異方性光散乱フィルムからの散乱出
射光は、縦長の楕円形となるような分布となる。
【0028】次ぎに、図5に基づいて、このうような液
晶表示装置で画像を観察する方法について説明する。
【0029】本発明の液晶表示装置50は、背面に光を
反射する機能を有する反射電極層51を有する液晶パネ
ル層52上に、異方性光散乱フィルム54を配置し、さ
らに、その上に偏光フィルム55を配置した構成からな
り、観察する際は、液晶パネル上に配置されている異方
性光散乱性フィルム側から観察することになる。
【0030】反射板は、液晶パネルと別体でも、液晶パ
ネル中に、液晶の駆動電極を兼ねる反射体(反射電極と
称する)として内在したタイプでも良い。また、反射板
が半透過性(反射と透過の双方の機能)であり、反射板
のさらに背面(非観察者側)にバックライトを要する場
合は、反射および透過型液晶表示装置としての適用も可
能である。
【0031】本発明で用いる液晶パネルは、一般的な構
造のものであって、印加電圧の有無に応じて入射光を変
調し、白/黒(透過/非透過)の切り替え表示を行な
う。
【0032】本発明で用いる異方性光散乱フィルムは、
図4に示したように、入射光Cが液晶表示装置の前面側
から入射する際に光散乱が生じる。散乱光は、液晶パネ
ルの背面側の反射板で反射し、光散乱性を有する異方性
光散乱フィルムを透過して前面に出射する。この際、光
散乱性を有する異方性光散乱フィルムは、出射する散乱
光をほとんど散乱させずにそのまま透過させる。
【0033】さらに、本発明では、偏光板の下層に異方
性光散乱フィルム配置する構成とすることによって、液
晶表示装置から射出する光の2次散乱による表示像のぼ
けを軽減させることが実現できる。加えて、散乱指向性
により、不要な散乱を軽減し、表示装置の正面での表示
の明るさやコントラストを向上させることが実現でき
る。
【0034】液晶表示装置の液晶表示パネルには、R,
G,B画素に対応してカラーフィルタを搭載したカラー
表示用パネルまたはモノクロ表示用パネルのいずれを使
用しても良い。また、液晶表示装置は、TN方式,ST
N方式,ゲストホスト方式,ポリマー分散型など、液晶
の駆動方式には制約を受けるものではない。
【0035】次に、本発明で用いられる望ましい異方性
光散乱フィルムについて、さらに詳細に説明する。上述
したように、本発明の異方性光散乱フィルムの内部に
は、屈折率の異なる部分が不規則な形状や厚さで分布す
ることにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成さ
れている。
【0036】この屈折率の差異は、小さ過ぎると散乱性
が悪くなり、逆に大き過ぎるとどのような角度で光が入
射しても光散乱が生じてしまうことになり、入射角選択
性の特性を持たせることが困難となる。そのため、表面
上の屈折率差だけでは光散乱が生ぜず、異方性光散乱フ
ィルムに厚みがあることで十分な散乱性を持つような最
適な屈折率差である必要がある。
【0037】本発明では、上記条件に適合するように、
屈折率差は0.001〜0.2の範囲で適宜選択し、フ
ィルム層の厚みは屈折率差に応じて1000〜1μmの
範囲で適宜選択している。
【0038】記録できる屈折率差は、フィルムの作製方
法や記録材料などにより制限を受けるため、大きな屈折
率差を持つ場合はフィルムを薄く、小さな屈折率差を持
つ場合はフィルムを厚くすることで、本発明の異方性光
散乱フィルムを実現することが可能である。一例を挙げ
ると、平均屈折率が1.52で厚みが20μmのフィル
ム中に、屈折率が1.56(屈折率差0.04)の部分
を分布させて、濃淡模様を形成することで、十分な散乱
性と入射角度選択性を持つ光散乱フィルムを得ることが
できた。
【0039】フィルム内の濃淡の分布(特定断面での、
帯状の濃淡が傾斜して伸びる方向)は、異方性光散乱フ
ィルムのアプリケーション毎に異なるが、反射型液晶表
示装置用の前面散乱板を例にとると、表示装置に対する
垂線方向(0°方向)から60°方向(装置正面より上
方)までから入射する光を散乱させ、逆に垂線方向から
60°方向(装置正面より下方)までの光に対しては散
乱を生じない機能が、実用上では望ましい。このため、
角度30°(斜め上方)での入射光に対して最も効率的
に光散乱を生じさせる必要があり、この例では、フィル
ム界面での光の屈折を考慮して、フィルム前側の表面周
辺では、上記濃淡の分布は、フィルム垂線方向から約1
9°傾いた状態で分布する。
【0040】屈折率の異なる部分の大きさは、光散乱を
生じさせるためにランダムで規則性はないが、必要な散
乱性を持たせるために、その平均の大きさは直径で0.
1〜300μmの範囲内で、それぞれの用途での必要な
散乱性に応じて適宜選択される。一例として、12μm
の平均の大きさを持つ屈折率の高低からなる濃淡模様と
することで、約±40°程度の散乱広がりをもつ散乱性
が得られた。
【0041】また、光散乱に指向性を持たせるために、
異方性光散乱フィルムの縦方向と横方向とでは、屈折率
の異なる部分の平均の大きさを異ならせている。一例と
して、縦方向に伸びた楕円状に光散乱を生じさせるため
に、縦方向での平均サイズは12μmであるが、横方向
での平均サイズは50μmという横長の形状とすること
で、縦方向に約±40°,横方向には約±10°という
散乱指向性を持つ異方性光散乱フィルムが得られた。
【0042】本発明では、液晶表示装置において、異方
性光散乱フィルムは、液晶パネル前面の観察側のガラス
の上に直接配置されており、光散乱層による像のボケを
抑えることができる。
【0043】以下、本発明で用いる異方性光散乱フィル
ムを作製する方法の一例について説明する。本発明で用
いる異方性光散乱フィルムは、光学的な露光手段により
作製することができる。
【0044】図6は、光散乱性のある異方性光散乱フィ
ルムを、スペックルパターンを利用して作製する光学系
の一例を示した説明図である。レーザー光源から出たコ
ヒーレント光ですりガラスを照射する。すりガラスのレ
ーザー照射側とは反対の面には、所定距離をおいて感光
材料を配置し、すりガラスで透過散乱したコヒーレント
光が作り出す複雑な干渉パターンであるスペックルパタ
ーンが感光材料に露光記録される。
【0045】この際、図示のようにコヒーレント光と感
光材料は所定角度αだけ傾いて配置されているため、ス
ペックルパターンは感光材料中で、所定角度だけ傾いて
露光記録されることになる。
【0046】この角度が、異方性光散乱フィルム中の屈
折率の異なる部分の傾きに相当することになるので、前
記、角度は用途に応じて0から60°程度の範囲内で適
宜選択される。当然のことながら、異方性光散乱フィル
ム中の屈折率の異なる部分の傾きと、入射角度選択性の
散乱ピーク角度θとは、フィルム界面での光の屈折現象
が介在するため、異なる角度である。
【0047】また、コヒーレント光と感光材料との傾き
角度αと、入射角度選択性の散乱ピーク角度θとも、使
用する感光材料によっては、記録,現像などの処理工程
によって異なる場合もある。
【0048】露光記録に使用するレーザ光源14は、ア
ルゴンイオンレーザーの514.5nm,488nmま
たは457.9nmの波長のうち、感光材料の感度に応
じて適宜選択して使用することができる。また、アルゴ
ンイオンレーザー以外でも、コヒーレント性の良いレー
ザー光源であれば使用可能であり、例えば、ヘリウムネ
オンレーザーやクリプトンイオンレーザーなどが使用で
きる。
【0049】また、ここで使用する感光材料は、レーザ
ー光による露光部と未露光部との屈折率の変化の形態を
記録できる感光材料であり、記録しようとする濃淡模様
より高い解像力を持ち、その厚みの方向にもパターンを
記録できるような材料である必要がある。
【0050】このような記録材料としては、体積型ホロ
グラム用感光材料が利用でき、アグファ社製ホログラム
用銀塩感光材料8E56乾板,デュポン社製ホログラム
用感光材料HRFフィルムあるいは重クロム酸ゼラチ
ン,ポラロイド社製DMP 128記録材料などが使用
可能である。
【0051】「光測定ハンドブック 朝倉書店 田幸敏
治ほか著 1994年11月255日発行」の記述
(p.266、 p.268 )によれば、濃度や位相が
位置によってランダムな値を示すようなスペックルパタ
ーンでは、 前記パターンの大きさは、感光材料から拡
散板を見込む角度に反比例して、パターンの平均径が決
定される。従って、拡散板の大きさを、水平方向よりも
垂直方向で大きくした場合、感光材料上に記録されるパ
ターンは、水平方向よりも垂直方向が細かいものとな
る。
【0052】図6に示した光学系での作製方法によるス
ペックルパターンでは、使用するレーザー光の波長λお
よびすりガラスの大きさD,すりガラスと感光材料との
距離Fが、記録されるスペックルパターンの平均サイズ
dを決定することになり、一般に、dは次式で表され
る。d=1.2λF/D
【0053】また、このスペックルパターンの奥行き方
向の平均長さtは t=4.0λ(F/D)2 で表される。
【0054】以上より、λおよびF/Dの値を最適化す
ることで、所望の散乱性を持つように所望の3次元的な
屈折率分布を持つ光散乱層を得ることが出来る。一例と
して、λ=0.5μmで、F/D=2とすると、d=
1.2μm,t=8μmとなり、フィルム表面上の濃淡
模様は平均1.2μmで分布し、フィルムの厚み方向に
は、前記傾斜角度に従った方向に平均8μmの大きさで
分布することになる。
【0055】ただし、これらの大きさはあくまでも平均
の大きさであり、実際にはこれらの大きさを中心に大小
様々な大きさで、屈折率の異なる部分が表面上および奥
行き方向に傾斜して分布することになる。
【0056】上述の手段により作製された異方性光散乱
フィルムは、そのままでは、原理的にフィルムの厚み方
向に渡って、変化のない同じ傾斜角度θで、屈折率の異
なる部分が分布することになる。
【0057】異方性光散乱フィルムに散乱指向性を付与
するには、図6に示した光学系で用いるすりガラスの大
きさを縦横で異ならせて、長方形あるいは楕円形とした
すりガラスを光学系に配置することにより実現できる。
【0058】一例を挙げると、すりガラスの大きさDが
縦(y)方向と横(x)方向で異なり、前記(F/D
x)=2,(F/Dy)=20で、他の条件が上記と同
じだとすると、スペックルパターンの横方向の平均サイ
ズdx=1.2μmで、縦方向の平均サイズdy=12
μmとなり、縦横比1:10の平均サイズのスペックル
パターンが得られる。
【0059】このように露光記録することで、縦横方向
の散乱性が異なる散乱異方性を持つ異方性光散乱フィル
ムが得られることになる。
【0060】上述の作製手段は、あくまで一例であり、
本発明はこれに限るものではなく、あるいは光学的な露
光手段でない作製方法でもよい。
【0061】本発明は、液晶を駆動する電極が光を反射
する反射型液晶表示装置において、液晶パネルの前面の
観察者側から順に、少なくとも、偏光フィルム、異方性
光散乱フィルムを配置したことを特徴とするものである
が、その偏光フィルムと異方性光散乱フィルムとを、光
学部材として予め積層して一体となし、前記液晶表示装
置に装着することが望ましい。その積層方法は、積層す
ることによって光学的機能を阻害しない方法であれば、
特に限定されるものではない。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明によって、散乱異
方性(前方か後方か、および入射角度の選択性)を持た
せ、散乱指向性(縦横の散乱範囲あるいは方向)までも
制御することが容易であると共に、観察位置によって表
示光の色が変化しない特性を有する偏光フィルムと異方
性光散乱フィルムを液晶パネルの前面の観察側に配置す
るにあたって、表示パターンを規定する液晶パネルに近
づけた構成とすることによって、像のボケを極端に低減
させた液晶表示装置およびそれに用いる偏光フィルムと
異方性光散乱フィルムとが積層されて一体となって構成
された光学部材を提供することが可能となった。
【0063】すなわち、本発明では、異方性光散乱フィ
ルムに対して所定範囲の角度で入射する光については光
散乱が生じ、それとは異なる角度で入射する光について
は単なる透明フィルムとして機能するため、光散乱性を
有する異方性光散乱フィルムを液晶パネルの前面の観察
側に配置することによって、液晶パネルから射出する光
をほとんど拡散しないことに加えて、像のボケを抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の構成の一例を示した断
面図である。
【図2】本発明の液晶表示装置の構成の他の例を示した
断面図である。
【図3】本発明における異方性光散乱フィルムの構造を
示した断面図である。
【図4】本発明における異方性光散乱フィルムの光学特
性を説明するための説明図である。
【図5】本発明の液晶表示装置を観察する方法を説明す
るための説明図である。
【図6】本発明における異方性光散乱フィルムを作成す
る方法を説明した説明図。
【符号の説明】
10、20、50……液晶表示装置 11、21、51……反射電極層 12、22、52……液晶パネル層 14、24、30、40、54……異方性光散乱フィル
ム 15、25、55……偏向フィルム 23……TACフィルム A、 B、C……入射光 30a、40a……屈折率の高い領域 30b、40b……屈折率の低い領域 α……コヒーレント光と感光材料との傾き角度 θ……入射角度選択性の散乱ピーク角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA06 BA14 BA20 2H049 BA02 BB49 BB63 BC22 2H091 FA08X FA19X FA32X FB04 FC10 FC23 FC29 FC30 FD04 FD12 FD23 GA17 HA07 HA10 KA01 LA11 LA15 LA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶を駆動する電極が光を反射する反射型
    液晶表示装置において、 液晶パネルの前面の観察者側から順に、少なくとも、偏
    光フィルム、異方性光散乱フィルムを配置したことを特
    徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】液晶を駆動する電極が光を反射する反射型
    液晶ディスプレイにおいて、 液晶パネルの前面の観察者側から順に、少なくとも、偏
    光フィルム、異方性光散乱フィルム、光学的に等方性の
    フィルムを配置したことを特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記光学的に等方性のフィルムが、テトラ
    アセテートセルロース(TAC)フィルムであることを
    特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記偏光フィルムと異方性光散乱フィルム
    とが積層されて一体となっていることを特徴とする光学
    部材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7746430B2 (en) 2005-07-08 2010-06-29 Fujitsu Limited Reflective liquid crystal display device of lamination type wherein the difference in orientation regulating force results whether or not the orientation film is present
JP2011090891A (ja) * 2009-10-22 2011-05-06 Toppan Printing Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子

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US7746430B2 (en) 2005-07-08 2010-06-29 Fujitsu Limited Reflective liquid crystal display device of lamination type wherein the difference in orientation regulating force results whether or not the orientation film is present
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