JP4196483B2 - 投影用スクリーンとそれを用いた投射型画像表示装置 - Google Patents

投影用スクリーンとそれを用いた投射型画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光散乱特性に指向性を持つと共に、光の入射角度に応じて散乱性が異なる(あるいは、入射角度選択性を持つ)投影用スクリーンと、それを用いて表示画像の視認性(明るさやコントラストなど)を向上した投射型画像表示装置に関する。
【0002】
上記の投射型画像表示装置としては、投影機器(プロジェクター)からの投影画像を、透過型スクリーンで散乱透過させて観察者に視覚させるタイプの透過型の表示装置や、反射型スクリーンで散乱反射させて観察者に視覚させるタイプの反射型の表示装置が含まれる。
【0003】
【従来の技術】
投射型画像表示装置では、投射する表示画像を拡大投影するための、透過型あるいは反射型のスクリーンを備えている。
従来の透過型スクリーンとしては、表面をマット状に加工した樹脂シートや、内部に拡散材を包含した樹脂シート、あるいはレンズシートなどを組み合わせた光散乱シートが用いられている。
反射型スクリーンとしては、上記の光散乱シートの表面(あるいは、裏面)に光反射層を設けた構成の光散乱反射シートなどが用いられている。
【0004】
表面をマット状に加工した樹脂シートや、内部に拡散材を含有する光散乱シートを用いたスクリーンの場合、光散乱の指向性(散乱出射光の範囲/方向に係る特性。以後、「散乱指向性」と称する)を制御する機能を持たせることは原理上困難であり、現実的にそのような機能は持ち合わせていない。
このため、不必要な方向への表示画像の散乱光が生じ、結果として表示輝度を低下させるという問題点がある。
【0005】
また、レンズシートを組み合わせたスクリーンにおいては、散乱指向性はシート材料の屈折率やレンズ形状などを最適化することで制御でき、表示輝度を向上させることは可能であるが、レンズシート端面からの不要光や周辺光の散乱反射により表示画像のコントラストを低下させるという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、散乱指向性を制御すると共に、不要な散乱透過(または、散乱反射)による表示輝度とコントラストの低下を解消する投影用スクリーン(および、それを用いた投射型画像表示装置)を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の投影用スクリーンは、
透明支持基板の片面に、透明樹脂層からなる光散乱層が形成され、前記光散乱層が形成されていない側の前記透明支持基板上、あるいは前記透明支持基板と前記光散乱層との間に、光反射層が形成された投影用スクリーンであって、
樹脂層の内部で、屈折率の異なる部分が、形状・サイズは不規則でランダムに分散され、
屈折率の高低からなる濃淡模様となった構造であり、前記部分が、
スクリーン表面では、縦長あるいは横長の形状で露出しており、
スクリーン断面では、特定の角度に傾斜して分布しており、
特定範囲の角度で入射する光については、範囲/方向が制御されて散乱反射し、それ以外の角度で入射する光は散乱せずに反射するように、反射型として機能することを特徴とする。
【0009】
<作用>
本発明の投影用スクリーンは、散乱指向性を制御することが容易であり、表示画像の観察範囲(視域)を適切に設定することができ、設定範囲での表示輝度を向上させることができる。
また、入射角度選択性を併せ持つため、プロジェクターから投影される画像光は適切な範囲に散乱するが、それ以外の方向から入射する光(たとえば周辺光)は散乱せずに直接透過するため、表示画像光以外の光によるコントラストの低下を招くことがない。
これらは、スクリーンのタイプ(透過型/反射型)に関わらず共通する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。
<実施形態1>
図1は、請求項1記載の透過型スクリーンに係る説明図であり、左が平面図,右が断面図である。
【0011】
スクリーン1を構成するのは、透明支持基板3とその上に形成された光散乱層2であり、光散乱層2の内部に、形状・サイズは不規則な屈折率の異なる部分(同図で黒く示す部分)が、表面では、横長の形状で露出しており、深さ(厚さ)方向では、特定の角度に傾斜して分布していることにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成された構造となっている。
図1の断面図では、屈折率の異なる部分の分布する方向については、屈折率は一様(傾斜方向では、色が変化していない)である。
【0012】
図2は、請求項1記載の透過型スクリーンについての別の実施形態に係る説明図であり、左が平面図,右が断面図である。
図2の平面図では、スクリーン表面では、屈折率の異なる部分は縦長の形状で露出しており、断面図によると、屈折率の異なる部分の分布する方向は一定であるものの、その方向についても、屈折率は不規則に分布している。
【0013】
図1・図2のスクリーンの光学特性について、まず、平面図で考える。
屈折率の異なる部分の形状が縦長(あるいは、横長)であると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分からの出射光の光散乱特性が、横長(あるいは、縦長)となるような異方性(散乱指向性)を持つ。
【0014】
図1では形状が横長であるから出射光は縦長に散乱し、図2では形状が縦長であるから出射光は横長に散乱することになる。
このことは、スクリーンの作製工程で後述する。
【0015】
次に、断面図で考えると、
屈折率の異なる部分が向いている方向に沿った角度(フィルムの垂線から角度θをなす、図の矢印4の方向)に近傍する角度で入射する光に対しては、光散乱が生じることになる。
上記方向とは垂直な角度(図の矢印5の方向)で入射する光に対しては、単なる透明シートとして機能し、入射光は散乱されずに出射する。
【0016】
図3は、スクリーンの持つ入射角度選択性を示すグラフの一例である。
図中実線6で示すように、ある特定入射角度範囲(図では0度から60度)の光に対してはヘイズ値が80%以上あり、逆にそれとは対称な入射角度(図では−60度から0度)の光に対してのヘイズ値は20%以下となっており、これが光散乱特性の入射角度選択性を指す。
【0017】
同図で示されるように、入射角度選択性には、ある角度幅が存在し、前述のように0度から60度の範囲で入射する光を散乱させ、−60度から0度までの光は直接透過させることが可能である。
この60度という角度幅は、あくまでも一例であり、作製方法や作製媒体によってこの角度幅を制御することが可能である。
【0018】
また、上述したように、屈折率の異なる部分の形状が縦長(あるいは、横長)であると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分からの出射光の光散乱特性が、横長(あるいは、縦長)となるような異方性(散乱指向性)を持つ。
例えば、図1のように形状が横長であると、スクリーンからの散乱出射光は、図4に示すように、縦長の楕円形となるような分布となる。
【0019】
次に、本発明のスクリーン1の構造について詳細に説明する。
本発明のスクリーン1は、透明支持基板3と光散乱層(樹脂層)2との2層構造であり、光散乱層2は樹脂フィルムから成る光散乱層を透明粘着材など(図示せず)によりラミネートしたものである。あるいは、ラミネートに限らず、コーティングその他の方式により透明支持基板3上に本発明の効果を持つ光散乱層2を付与できれば、特にその方式に限定はない。
【0020】
前記樹脂層2内部には、屈折率の異なる部分が形状・サイズは不規則で、表面では縦長あるいは横長の形状で露出しており、深さ(厚さ)方向ではある特定の角度に傾斜して分布していることにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されている。
【0021】
この屈折率の差異は、小さすぎると散乱性が悪くなり、逆に大きすぎるとどのような角度で光が入射しても光散乱が生じてしまうことになり、入射角選択性を持たせることが困難となる。
【0022】
そのため、表面上での屈折率差だけでは光散乱が生じず、光散乱層2に厚みがあることで十分な散乱性を持つような最適な屈折率差である必要がある。
本発明では、上記条件に当てはまるように、屈折率差が0.001から0.2の範囲で適宜選択し、同様に光散乱層2の厚みも前記屈折率差に応じて1000μmから1μmの範囲で適宜選択している。
【0023】
一例として、平均屈折率が1.52で厚みが20μmの光散乱層2中に、屈折率が1.56(屈折率差0.04)の部分を分布させて、濃淡模様を形成することで、十分な散乱性と入射角度選択性を持つスクリーン1を得ることができた。
【0024】
記録できる屈折率差は、作製方法や記録材料などにより制限を受けるため、大きな屈折率差を持つ場合は光散乱層2を薄く、小さな屈折率差を持つ場合は光散乱層2を厚くすることで、本発明のスクリーンを実現することが可能である。
【0025】
屈折率の異なる部分の大きさは、光散乱を生じさせるためにランダムで規則性はないが、必要な散乱性を持たせるために、その平均の大きさは直径で0.1μmから300μmの範囲内で、スクリーンそれぞれの用途での必要な光散乱特性に応じて適宜選択される。
【0026】
一例として、12μmの平均の大きさを持つ屈折率の高低からなる濃淡模様とすることで、約±40度程度の散乱広がりを持つ光散乱特性が実現された。
【0027】
<実施形態2>
図5は、請求項2記載の反射型スクリーンに係る説明図(断面図)である。
反射型スクリーン7は、図1・2に示した透過型スクリーン1に光反射層8を設けることにより構成される。光反射層8の形成箇所は、図5に示すように、光散乱層2と透明支持基板3の間でも良いし、光散乱層2の反対側の透明支持基板3の表面(図示せず)でも良い。
【0028】
光反射層8は、例えば、光反射性金属を樹脂層背面に蒸着加工することにより形成される。また、これに限らず光反射性物質をラミネート,コーティング,スパッタリングなどの手法により樹脂層2背面に付与できれば、本発明の反射型スクリーン7となり得る。
【0029】
図5において、屈折率の異なる部分が向いている方向に沿った角度(フィルムの垂線から角度θをなす、図の矢印4の方向)に近傍する角度での入射光に対しては、光散乱が生じることになる。
【0030】
このため、図示のように入射光が、図中の矢印5の方向から入射する際には、光散乱は生じず樹脂層2を透過するが、背面反射層8で反射した後に再度樹脂層2に入射する際には、図中の矢印4の方向から入射するため光散乱が生じる。
ただし、この散乱光の広がる範囲は、透過型スクリーンの場合と同様に、スクリーン表面で露出する濃淡模様の形状に依存する。
【0031】
あるいは、光散乱層内での屈折率の異なる部分の傾斜角度を変えて、光出射時ではなく、入射時に光散乱が生じても作用効果は(入射光が、矢印4の方向から入射する場合と同様)同様であり、入射時,出射時の双方で光散乱が生じるようにしても良い。
【0032】
<実施形態3>
図6は、投射型画像表示装置の一例について概略を示す説明図である。
投射型画像表示装置(透過型)は、図示のように光源9,画像表示部10,投影レンズ系11および投影スクリーン1とから構成される。
【0033】
本発明の投射型画像表示装置では、前述のようにスクリーン1に特徴があり、光源9や画像表示部10および投影レンズ系11に特に限定はなく、画像表示部10と光源9が図示のように別体となっている所謂「液晶プロジェクター」や「スライドプロジェクター」でも、あるいはそれらが同体となっている「CRT型プロジェクター」でもよい。
【0034】
光源9の光を利用して画像表示部10で表示された小サイズの画像は、投影レンズ系11により拡大投影されてスクリーン1上に大サイズの画像を結像する。スクリーン1で散乱した画像光13が、観察者の目に到達して画像が認識されるわけだが、この際、スクリーン1から散乱する画像光13の範囲は、スクリーン1の散乱指向性により、特定範囲に限定されて出射される。
従って、画像光14の光強度が同じならば、散乱範囲を特定できない従来スクリーンに比べて観察者の眼に入射する光量が増えるため表示輝度が向上する。
【0035】
表示輝度が向上するという点では、レンズシートを用いたスクリーンと同様だが、レンズシートを用いた場合に見られるレンズ端面などから出射する不要散乱光による表示コントラストの低下という現象は、本発明のスクリーンでは起こらない。
【0036】
一方、室内照明光などに代表される周辺光15がスクリーン1に入射すると、従来のスクリーンではレンズシートを用いた場合でも、表面で散乱反射が生じるため表示コントラストの低下を招いてしまうが、本発明では、画像表示光14と周辺光15とではスクリーン1への入射角度が異なるため、スクリーン1の持つ入射角度選択性により、散乱せずに直接透過する。
このため、表示コントラストが周辺光15により低下するということも無く、高コントラストな画像表示が可能となる。
【0037】
<実施形態4>
図7は、投射型画像表示装置の他例(反射型)について概略を示す説明図である。
本実施形態では、スクリーン7が反射型であり、画像表示部10および投影レンズ系11などは観察者側にある。
【0038】
光源9の光を利用して画像表示部10で表示された小サイズの画像は、投影レンズ系11により拡大投影されてスクリーン7上に大サイズの画像を結像する。スクリーン7で散乱反射した画像光13が、観察者の目に到達して画像が認識されるわけだが、この際、スクリーン7から散乱反射する画像光13の範囲は、スクリーン7の散乱指向性により特定範囲に限定されて出射される。
従って、画像光14の光強度が同じならば、散乱範囲を特定できない従来スクリーンに比べて観察者の眼に入射する光量が増えるため表示輝度が向上する。
【0039】
表示輝度が向上するという点では、レンズシートを用いたスクリーンと同様だが、レンズシートを用いた場合に見られるレンズ端面などから出射する不要散乱光による表示コントラストの低下という現象は、本発明のスクリーンでは起こらない。
【0040】
一方、室内照明光などに代表される周辺光がスクリーン7に入射すると、従来スクリーンではレンズシートを用いた場合でも、散乱反射が生じるため表示コントラストの低下を招いてしまうが、本発明では、画像表示光と周辺光とではスクリーン7への入射角度が異なるため、スクリーン7の持つ入射角度選択性により、散乱せずに直接反射する。
この反射光16の方向は、スクリーン7最表面(保護層など)での周辺照明光源(室内灯など)の映り込みと同じ方向に出射するため、観察者の方向とは自ずと異なることになり、表示画像観察に何ら影響を及ぼさない。このため、表示コントラストが周辺光14により低下するということが無く、高コントラストな画像表示が可能となる。
【0041】
以下、本発明のスクリーンを作製する手段について説明する。
本発明のスクリーン1(透過型)は、光散乱層(樹脂層)2を透明支持基板3上に形成することにより作製される。
光散乱層2は、感光性樹脂フィルムに光学的な露光手段により所望の光散乱特性を付与することにより得られる。
【0042】
光散乱層2と透明支持基板3との間の接着は、透明粘着材を用いている。
また、反射型スクリーン7の場合は、光学的露光手段により所望の光散乱特性を付与した感光性樹脂フィルム背面(観察者とは反対側)に、アルミニウム金属を蒸着加工した後、透明支持基板3に粘着材を用いて貼付している。
【0043】
以下、光散乱層(樹脂層)2を作製する手法の一例について説明する。
図8は、散乱したレーザー光が引き起こす複雑な干渉パターンであるスペックルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。
【0044】
レーザー光源17から出たレーザー光で、すりガラス18を照射する。
すりガラス18のレーザー照射側とは反対の面には、所定距離Fをおいて感光材料19を配置し、すりガラス18で透過散乱したレーザー光が作り出す複雑な干渉パターンであるスペックルパターンが感光材料19に露光照射される。
【0045】
この際、図示のように、すりガラス18と感光材料19は所定角度αだけ傾いて配置されているため、スペックルパターンは感光材料19中で、所定角度傾いて露光されることになる。
【0046】
この角度が、本発明のスクリーン1(7)における光散乱層2中の屈折率の異なる部分の傾き(すなわち、入射角度選択性の散乱ピーク角度θ)に相当することになるので、前記角度はスクリーン1(7)への表示画像光の入射角度に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選択される。
【0047】
この時、θ=0度というのは、光散乱層2中の屈折率の異なる部分がスクリーン1(7)の表裏面と垂直な状態を意味し、この場合は、スクリーン1(7)の真後ろ(あるいは、反射型スクリーンの場合は真正面)から来る画像光14を光散乱させて観察可能とし、スクリーン上方(室内なら天井など)あるいは下方(床)から来る周辺光15は直接透過(反射)するという機能を持つ。
【0048】
記録に使用するレーザ光源17は、アルゴンイオンレーザーの514.5nm,488nmまたは457.9nmの波長のうち、感光材料19の感度に応じて適宜選択して使用することができる。
また、アルゴンイオンレーザー以外でもコヒーレント性の良いレーザー光源であれば使用可能であり、例えばヘリウムネオンレーザーやクリプトンイオンレーザーなどが使用できる。
【0049】
スペックルパターンは、コヒーレント性の良い光が粗面で散乱反射または透過した時に生ずる明暗の斑点模様であり、粗面の微小な凹凸で散乱した光が不規則な位相関係で干渉するために生ずるものである。
【0050】
「光測定ハンドブック 朝倉書店 田幸敏治ほか著 1994年11月25日発行」の記述(p.266 〜p.268 )によれば、濃度や位相が位置によってランダムな値を示すようなスペックルパターンでは、
前記パターンの大きさは、感光材料19からすりガラス18を見込む角度に反比例して、パターンの平均径が決定される。
【0051】
従って、すりガラス18の大きさを、水平方向よりも垂直方向で大きくした場合、感光材料19上に記録されるパターンは、水平方向よりも垂直方向が細かいものとなる。
図8の光学系での作製方法によるスペックルパターンでは、使用するレーザー光の波長λおよびすりガラス18の大きさD,すりガラス18と感光材料19との距離Fが、記録されるスペックルパターンの平均サイズdを決定することになり、一般に、dは次式で表される。
d=1.2λF/D
また、このスペックルパターンの奥行き方向の平均の長さtは
t=4.0λ(F/D)2
で表される。
【0052】
以上より、λおよびF/Dの値を最適化することで、所望の散乱性を持つように所望の3次元的な屈折率分布を持つ光散乱層2を得ることが出来る。
一例として、λ=0.5μmで、F/D=2とすると、d=1.2μm,t=8μmとなり、光散乱層2表面上の濃淡模様は平均1.2μmで分布し、光散乱層2の厚み方向には、前記傾斜角度に従った方向に平均8μmの大きさで分布することになる。
【0053】
ただし、これらの大きさはあくまでも平均の大きさであり、実際にはこれらの大きさを中心に大小様々な大きさで、屈折率の異なる部分が表面上および奥行き方向に傾斜して分布することになり、図1や図2に示すような本発明のスクリーン1(7)を構成する光散乱層2となる。
【0054】
光散乱に散乱指向性を持たせるためには、すりガラス18の大きさを縦横で異ならせ、長方形あるいは楕円形とすることで、図8の光学系で作製できる。
一例を挙げると、すりガラス18の大きさDが縦(y)方向と横(x)方向で異なり、前記(F/Dx)=2,(F/Dy)=20で、他の条件が前記と同じだとすると、スペックルパターンの横方向の平均サイズdx=1.2μmで、縦方向の平均サイズdy=12μmとなり、縦横比1:10の平均サイズのスペックルパターンが得られる。
【0055】
これを露光することで、縦横方向の散乱性が異なる散乱指向性を持つ光散乱層2が得られ、透明支持基板3上にラミネートすることで本発明のスクリーン1(7)を得ることができる。
【0056】
上述の作製手段は、あくまで一例であり、本発明はこれに限るものではなく、光学的な露光手段でない作製方法においても、本発明のスクリーンは実現される可能性がある。例えば、透明樹脂中に、大きさがランダムなラグビーボール形状をした透明拡散材を、所定角度で不規則に多数埋め込むことによっても作製できる可能性がある。
【0057】
【発明の効果】
スクリーンに表示画像光が入射した際に、その表示散乱光の広がりが、縦横で異なるような散乱指向性を持つため、必要な方向にのみ表示画像光を出射することが出来、結果として、不必要な散乱を生じることなく表示の明るさを向上させる効果がある。
また、スクリーンに入射する表示画像光に対しては光散乱が生じることで画像観察視域を広げ、表示画像光とは異なる角度で入射する周辺光などには光散乱が生じずに直接透過あるいは反射する光散乱性に入射角度選択性を持つため、表示のコントラストが向上する。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透過型スクリーンの一例を示す説明図であり、左が平面図,右が断面図。
【図2】本発明による透過型スクリーンの他例を示す説明図であり、左が平面図,右が断面図。
【図3】本発明のスクリーンの持つ入射角度選択性の一例を示すグラフ。
【図4】本発明のスクリーンが持つ光散乱の指向性についての説明図。
【図5】本発明の反射スクリーンを示す断面概略図。
【図6】本発明の投射型画像表示装置(透過型)について、要部を概念的に示す説明図。
【図7】本発明の別の投射型画像表示装置(反射型)について、要部を概念的に示す説明図。
【図8】図2に示す構造の光散乱フィルムを、スペックルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1…光散乱フィルム
2…光散乱層
3…透過支持基板
4…散乱方向から入射する光
5…透過方向から入射する光
6…実測したヘイズ値のプロット
7…反射スクリーン
8…反射層
9…光源
10…画像表示部
11…投影レンズ系
12…コリメーターレンズ
13…散乱表示画像光
14…表示画像光
15…周辺光
16…直接反射光
17…レーザー光源
18…すりガラス
19…感光材料
20…レーザー光
21…ビームエキスパンダー
22…コリメーターレンズ

Claims (1)

  1. 透明支持基板の片面に、透明樹脂層からなる光散乱層が形成され、前記光散乱層が形成されていない側の前記透明支持基板上、あるいは前記透明支持基板と前記光散乱層との間に、光反射層が形成された投影用スクリーンであって、
    樹脂層の内部で、屈折率の異なる部分が、形状・サイズは不規則でランダムに分散され、
    屈折率の高低からなる濃淡模様となった構造であり、前記部分が、
    スクリーン表面では、縦長あるいは横長の形状で露出しており、
    スクリーン断面では、特定の角度に傾斜して分布しており、
    特定範囲の角度で入射する光については、範囲/方向が制御されて散乱反射し、それ以外の角度で入射する光は散乱せずに反射するように、反射型として機能することを特徴とする投影用スクリーン。
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