JP2002010829A - 液体塗布具 - Google Patents
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Abstract
動によるキャップ内への塗布液体の漏れ出しを防止する
ことができると共に、供給量の微妙な調整が可能とな
り、塗布作業を適正かつ容易に行うことができる液体口
紅、マニキュア液などの塗布液体を内蔵し、液体押圧機
構によって適宜塗布体へと供給する液体塗布具を提供す
る。 【解決手段】 筒状をなす本体部2の先端に所定の塗布
体3aを設け、前記本体部2内方に収納した粘度が50
0mPa・s以下の塗布液体Lを、前記本体部2に取り
付けた液体押圧機構によって前方へと押圧し、塗布体3
aへと供給するようにした液体塗布具であって、塗布体
3aと本体部2の間に、液漏れ抑制機構を兼ねる塗布液
供給体3cを有することを特徴とする液体塗布具。
Description
ュア液などの塗布液体を内蔵し、液体押圧機構によって
適宜塗布体へと供給する液体塗布具に関する。
えば、図20又は図21に示すものが知られている。図
20に示す液体塗布具Xは、係止爪40aとラチエット
歯40bとにより構成されるラチエット機構40によっ
て回転操作部材41となる外筒部材41aが本体部42
に対して一方向へのみ回転可能となっており、外筒部材
41aを本体部42に対して回転させると、外筒部材4
1aに伴って内筒部材41bが回転し、このとき、ねじ
棒43はその回転を挿通孔44に阻止されるため、ねじ
棒43と回転操作部材41とは相対的に回転し、ねじ棒
43は雌ねじ部45との螺合によって前方へと移動し、
ピストン46を前方へと移動させ、その結果、本体部4
2の塗布液貯留部42aに貯留された塗布液体Lは、こ
のピストン46に押されてパイプ状の供給体47を通っ
て塗布体48へと押し出され、塗布体48に含浸されて
塗布可能となるものである。なお、図20中、49はキ
ャップ体である。
部材50を回転させると、これと共に雄ねじ杆51が回
転し、これに螺合する押圧筒52が溝53に沿って前方
へと移動し、その先端部に位置するピストン54が前方
へと移動し、本体部55の内方に貯留された塗布液体L
をパイプ状の供給体56を通って塗布体57へと押し出
し、塗布体57に含浸させて塗布可能とする。このよう
に、従来の液体塗布具X,Yでは、回転操作部材41,
50の回転をピストン46,54の直線運動に変換して
塗布液体Lの供給を行うようになっているため、供給量
の微妙な調整が可能となり、塗布作業を適正かつ容易に
行うことができる。なお、図21中、58はキャップ体
である。
いて、本体部42,55に収納する塗布液体の粘度が5
00mPa・s以下の場合、塗布具の輸送時、使用時等
に加わる外力、例えば、落下や振動により、キャップ4
9,58内に塗布液体が容易に漏れ出してしまうという
課題がある。
は、図22に示すように、内部に塗布液収容室60とな
した押圧変形及び復元可能な可撓性材料等からなる軸筒
の開口部前方に塗布体61を取り付け、塗布液収容室6
0内部を押圧により加圧することで、内部の塗布液体L
を塗布体へ供給する塗布具Zにおいて、塗布体61と塗
布液収容室60との間に、繊維体や長手方向に貫通孔を
設けた成型形などからなる塗布液供給量規制部材62を
介在させることにより、後軸となる塗布液収容室60へ
の押圧変形(加圧)に強弱があって加圧量が変化して
も、当該塗布液供給量規制部材によって圧力の干渉作用
が働き、塗布液体の吐出量が変化し難く、使用者の熟練
なしでも使用できる塗布具が知られている(特開平11
−20375号公報)。なお、図22中、63は塗布液
吸蔵体であり、64はキャップ体である。しかしなが
ら、この塗布具Zにおける塗布液供給量規制部材62
は、押圧変形(加圧)の強弱による加圧量の変化を当該
塗布液供給量規制部材によって規制しているものである
が、未だ塗布液体の供給量の微妙な調整ができず、適正
かつ容易に塗布を行うことができないという課題があ
る。また、この塗布具Zは、押圧変形(加圧)の強弱に
よる塗布液体供給量規制を目的としたものであり、本願
発明の落下や振動による粘度が500mPa・s以下の
塗布液体の漏れを抑制するためのものではなく、しか
も、粘度が200mPa・s以上の塗布液体の場合、塗
布体までの供給が困難であり、容易に塗布を行うことが
できないという課題がある。
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、塗
布液体の粘度が500mPa・s以下の塗布液体の場合
でも、塗布具の輸送時や使用時等における落下や振動に
よるキャップ内への塗布液体の漏れ出しを防止すること
ができると共に、供給量の微妙な調整が可能となり、塗
布作業を適正かつ容易に行うことができる液体塗布具を
提供することを目的とする。
課題等について、鋭意検討した結果、粘度が500mP
a・s以下の塗布液体を収納する本体部を有し、該本体
部に取り付けた液体押圧機構によって塗布体へと塗布液
体を供給するようにした液体塗布具であって、塗布体と
本体部の間に、特定構造の塗布液供給体を設けることに
より、上記目的の液体塗布具を得ることに成功し、本発
明を完成するに至ったのである。すなわち、本発明は、
次の(1)〜(3)に存する。 (1) 筒状をなす本体部の先端に所定の塗布体を設け、前
記本体部内方に収納した粘度が500mPa・s以下の
塗布液体を、前記本体部に取り付けた液体押圧機構によ
って前方へと押圧し、塗布体へと供給するようにした液
体塗布具であって、塗布体と本体部の間に、液漏れ抑制
機構を兼ねる塗布液供給体を有することを特徴とする液
体塗布具。 (2) 塗布液供給体には、横断面形状に内壁面から中心へ
向かって延びる3個以上の突起を有する上記(1)記載の
液体塗布具。 (3) 塗布体は、多数の毛材の一端部を収束させた毛筆状
部材によって構成される上記(1)又は(2)記載の液体塗布
具。
本発明に係る液体塗布具の実施の形態を説明する。図1
は本発明の実施形態における外観構成を示す側面図であ
る。図1に示すように、この実施形態における液体塗布
具1は、中空円筒状をなし内部に粘度(25℃、以下省
略)500mPa・s以下、好ましくは、10〜500
mPa・sの塗布液体Lを貯留する本体部2と、この本
体部2の先端部に装着した塗布体3と、前記塗布液体L
を前方の塗布体3へと押圧する液体押圧機構4と、前記
塗布体3を覆うキャップ5とからなり、前記液体押圧機
構4は、後述する固定筒状体11と、繰出体12と、ね
じ棒13と、ピストン14とを備えるものとなってい
る。
ような形状、構造をなしている。すなわち、本体部2は
筒状に形成されており、その先方部には前記キャップ5
の内径と略同一の外径を有する小径部2aが形成され、
ここに前記キャップ5が嵌合するようになっている。な
お、小径部2aの外周面には、図2に示すように、前記
キャップ5の内面に形成された凹部5aと嵌合する凹部
2a1が形成されており、この凹部5aと凸部2a1と
の嵌合によってキャップ5が小径部2aから不用意に脱
落するのを防止し得るようになっている。また、小径部
2aの内面には後述の先軸6と係合する凸部6aが形成
され、前記本体部2の後方部内周面には、図3及び図4
に示すように、凸部2bが複数本形成されている。各凸
部2bは、図5に示すように、後方から前方にかけて緩
やかに内方へと立ち上がる緩斜面2b1と、この緩斜面
2b1に連続する平坦面2b2と、この平坦部2b2か
ら直角に近い急峻な角度で外方へと立ち下がる急斜面2
b3とからなり、ここに固定筒状体11が圧入係止され
るようになっている。また、図示4のA−A線拡大図で
ある図6に示すように、前記本体部2の内周面には、そ
の後端部から前記凸部2bの前方にかけて長手方向に延
出する突条2cが形成されている。
である。この先軸6は前方に向かうに従って縮径する先
細り形状の筒体によって形成され、その後方部外周には
環状の嵌合凹部6aが形成されており、この嵌合凹部6
aが前記本体部2における小径部2aの内面に形成され
た環状の嵌合凸部2a1に圧入嵌合し、先軸6からの抜
脱を防止している。また、前記先軸6の外周部には鍔部
6bが形成され、この鍔部6bが前記小径部の前端面に
当接している。さらに、前記先軸6の内面には、前後方
向に延出するリブ6cが等間隔に複数本(ここでは6
本)形成されており、このリブ6cによって塗布体3
(図8参照)の後方部が挟持されるようになっている。
この実施形態における塗布体3は、図8に示すように、
樹脂製の多数の毛材の後端部を互いに熱溶着して結束さ
せてなる毛筆状部材3aと、前記先軸6の内面に圧入固
定した円環状の保持体3bと、この保持体3bの中央の
貫通孔3b1に嵌挿固定されると共に前記毛筆状部材3
aの後端部中央から中間部(先軸6の先端部)まで挿入
された液漏れ抑制機構を兼ねる塗布液供給体3cとによ
り構成されている。なお、液漏れ抑制機構を兼ねる塗布
液供給体は、毛筆状部材3aに挿入されることは必須で
はないが、塗布液体の諸物性、例えば、粘度や表面張力
によって、0〜15mm、好ましくは、0.5〜10m
m程度挿入されていることが望ましい。
3cは、図9(a)に示す形状を示し、例えば、ポリア
セタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂など
の1種又は2種以上の組み合わせからなる各種のプラス
チック材の軸方向(横断面形状)に内壁面から中心へ向
かって延びる3個以上の突起を有するプラスチック成形
体からなるものが挙げられる。使用する液漏れ抑制機構
を兼ねる塗布液供給体3cの横断面形状の具体的な例と
しては、例えば、図9(b)〜(h)に示される構成の
ものなどが挙げられるが、内壁面から中心に向かって延
びる3個以上の突起を有する形状のものであれば、何等
問題はない。これらの断面形状や寸法は、塗布液体の諸
物性、例えば、粘度や表面張力によって規定される。
に示すような形状に形成されている。すなわち、固定筒
状体11の前半部外周には、前記本体部2の凹凸部2b
に圧入嵌合可能な複数本の凸部11bが形成されてい
る。この凸部11bは、前記本体部2の凸部2bとは逆
に、前方から後方にかけて内方へと突出するよう緩やか
に傾斜する緩斜面11b1と、この緩斜面11b1の頂
部に連続する平坦部11b2と、この平坦部11b2か
ら内方へと略直角に近い角度で急峻に立ち下がる急斜面
11b3とからなり、その急斜面11b3は前記本体部
2の前記凸部11bの急斜面2b3に当接し、本体部2
からの抜脱が阻止されている。
部の形成された外筒部11aの内方に内筒部11cが形
成されて二重筒構造をなしており(図10(b)参
照)、内筒部11cの内面には、図11(a)に示すよ
うに、雌ねじ部11dが形成されている。さらに固定筒
状体11の中間部内面には図11(b)及び図13に示
すように横断面鋸刃状をなす多数のカム溝11eが形成
されている。前記固定筒状体11の後半部は、図11
(b)及び図14に示すように、上下に対向して形成さ
れた一対のスリット11fにより弧面形状をなす一対の
脚部11g,11hによって二股状に形成されており、
各脚部11g,11hの後端部外面には外方へと突出す
る弧状の鍔部11iが形成されると共に、各脚部11
g,11hの内面には円弧状の嵌合突起11g1,11
h1が突設され、この嵌合突起11g1,11h1が前
記本体部2の後端面に当接している。また、固定筒状体
11の外周部には、前記各スリット11fの最奥部から
前端部にかけて回転係止溝11jが刻設されており、こ
の回転係止溝11jに前記本体部2の突条2cが嵌合し
ている。なお、この回転係止溝11jの前方部11j1
は所定の角度をもって前方に拡開している。このよう
に、この固定筒状体11は、その急斜面11b3と本体
部2の急斜面2b3との係合によって本体部2に対する
後方への移動を阻止され、突条2cと回転係止溝11j
との係合により本体部2に対する回転を阻止され、鍔部
11jと本体部2の後端との当接により本体部2に対す
る前方への移動を阻止されるようになっており、これに
よって本体部2に確固に固定されている。
を示す図である。この繰出体12は、前記本体部2の内
方に挿入される円筒状の突出部12aと、前記本体部2
内に挿入される円筒状の挿入部12bとを一体に形成し
たものとなっており、前記突出部12aには、環状の鍔
部12cが形成され、この鍔部12cの周面には凹弧面
12c1が形成されている。そして、前記挿入部12b
の前端面には、円弧部分12h1と直線部分12h2と
を有する挿通孔12hが形成されると共に、挿入部12
bの前方部周面にはコ字状のスリット12dが形成され
ており、このスリット12dによって囲繞される部分が
片持ちばね状の弾性片12eとなっている。この弾性片
12eの先端部には、図17及び図18に示すように外
方へと突出する鋭角に屈曲した断面形状をなすカム部1
2fが形成されており、このカム部12fは前記カム溝
11eに係合している。また、前記挿入部12bの後方
部には、環状の嵌合凹部12iが形成されており、この
嵌合凹部12iは前記固定筒状体11の脚部11g,1
1hに突設した嵌合突起11g1,11g2に嵌合して
いる。このため、繰出体12は固定筒状体11に対して
前後方向への移動を阻止され、回動は可能となってい
る。
端における外周面には、180度の間隔をもって断面3
角形状の係止突起12jが形成されている。そして、こ
の繰出体12の外周面には、図19に示すような円筒状
の天冠16が嵌着されている。この天冠16はその内面
の前端部近傍に環状突起16aが形成されており、この
環状突起16aが前記繰出体12の鍔部12cの凹弧面
12c1に嵌合し、繰出体12からの抜脱を防止するよ
うになっている。さらに、天冠16の内周面には横断面
三角形状をなす係止突起16bが所定の間隔を介して多
数形成されており、各係止突起16bの間には前記繰出
体12の係止突起12jが挿入され、両係止突起12j
と16bとの当接によって天冠16と繰出体12とが略
一体的に回動するようになっている。なお、この実施の
形態においては、天冠16と繰出体12の突出部12a
とによって回転操作部が構成されている。
れた異形の挿通孔12hには、これと略同形の異形断面
を有するねじ棒13が挿入されている。このねじ棒13
は、円弧状の面に形成された雄ねじ部13aと、両雄ね
じ部13aの間に形成された平面部13bとを有し、前
記挿通孔12hに、長手方向への移動が可能であり、か
つ回動が不能となるよう挿入されている。また、このね
じ棒13の先端部には、ピストン14が嵌着されてい
る。このピストン14は、前記本体部2の内面に液密状
態を維持しつつ摺動可能に設けられている。
る場合には、まず、本体部2の外方において塗布液押圧
機構4の組み立てを次のようにして行う。すなわち、固
定筒状体11の雌ねじ部11dにねじ棒13を所定の位
置まで螺合させ、雌ねじ部11dより前方に突出させた
先端部にピストン14を圧入固定する。次いで、固定筒
状体11より後方に突出するねじ棒13を挿通孔12h
に挿通させながら繰出体12を固定筒状体11の内方に
圧入して行き、最終的に固定筒状体11の各脚部11
g,11hに突設されている嵌合突起11g1,11h
1に嵌合溝を嵌合させる。この後、天冠16を繰出体1
2の突出部12aの外周を覆うよう嵌合させ、天冠16
の環状突起16bを繰出体12の鍔部12cの凹弧面1
2c1に嵌合させて天冠16を繰出体12に固定する。
これにより、塗布液押圧機構4の組み立てが完了する。
口部から前記ユニット化した塗布液押圧機構4を、その
前端部に設けられているピストン14から順次挿入させ
て行き、固定筒状体11の回転係止溝11jに本体部2
の突条2cを嵌合させると共に、固定筒状体11の凸部
11bを本体部2の内面の凸部2bに係合させ、固定筒
状体11が本体部2内に完全に挿入された時点で、天冠
16の前方の開口部端縁が本体部2の後方の開口部端縁
に当接し、これにより、本体部2への塗布液押圧機構4
の挿入作業は完了する。なお、この実施形態における回
転係止溝11jの前端部はある程度の幅をもって拡開し
ており、その幅内に突条2cが挿入されるよう両者の位
置を設定すれば、固定筒状体11を挿入することで、突
条2cが係止溝11jの前方部に案内されて係止溝11
j内に確実に挿入される。また、固定筒状体11にはス
リット11fが形成されており、これによって周壁部分
に可撓性をもたせるようになっているため、本体部2へ
の圧入を容易に行うことができる。
ている小径部2aの開口部から塗布液を適量注入し、塗
布体3を挿入した先軸6を前記本体部2の小径部2aの
内面に圧入した後、その内面に形成された嵌合凸部2a
1と先軸6aの嵌合凹部6aとを嵌合させて先軸6を固
定し、キャップ5を小径部2aに嵌合させることによっ
て液体塗布具の組み立ては完了する。なお、この実施形
態においては、天冠16、本体部2、及びキャップ5の
各々の外径が同一寸法に形成されているため、先端から
後端にかけて連続した比較的小径の円筒面を有するスマ
ートな外観を呈するものとなっている。このように、こ
の実施の形態においては、液体押圧機構4をなす全ての
構成部材を本体部2の後方開口部から挿入することで容
易に本体部2に組み込むことができるため、作業が容易
になり、しかも液体押圧機構4は、予め本体部2外で組
み立ててユニット化することができるため、生産工程の
効率化を図ることができる。
の液体塗布具1においては、本体部2より後方に位置す
る天冠16を一定方向(時計方向)へと回転させること
により本体部内の塗布液を塗布体に供給することができ
る。すなわち、本体部2に対して天冠16を時計方向へ
と回転させると、これに伴って繰出体12が同方向へと
回転し、さらにこの繰出体12の異形の挿通孔12hに
挿入されているねじ棒13も共に回転する。このねじ棒
13の雄ねじ部13aは前記固定筒状体11の雌ねじ部
11dに螺合しているため、この螺合によってねじ棒1
3は時計方向へと回転しつつ前方へと移動する。その結
果、ねじ棒13の前端部に連結されているピストン14
は前方へと移動し、これにより、毛筆状部材3aは塗布
可能な状態となる。なお、この実施形態における塗布体
3は毛筆状部材3aを備えたものとなっているため、粘
度が500mPa・s以下の塗布液体、例えば、口紅、
眉墨などのような細部に対する塗布を行う場合に、極め
て有効なものとなっている。本発明の液体塗布具では、
塗布液体の粘度が500mPa・s以下の塗布液体Lの
場合でも、本体部2内に貯留されている塗布液体Lを液
体押圧機構によって前方へと押し出し、先軸6内に嵌着
されている保持体3bの貫通孔3b1から内部に内壁面
から中心へ向かって3個以上の突起を有する液漏れ抑制
機構を兼ねる塗布液供給体3cを介して毛筆状部材3a
へと供給するので、従来のパイプ状の塗布液供給体に較
べて、液体塗布具の輸送時や使用時等における落下や振
動によるキャップ内への塗布液体の漏れ出しを防止する
ことができると共に、液体押圧機構によって塗布液体の
供給量の微妙な調整が可能となり、塗布作業を適正かつ
容易に行うことができることとなる。なお、塗布液体の
粘度が500mPa・sを越える場合は、塗布液体の吐
出遅れが生じるため、好ましくない。
回転操作において、弾性片12eの先端部に形成された
カム部12fが本体部2に形成されている鋸刃状のカム
溝11eに常時圧接するようになっており、天冠16に
よる回転操作時には、カム部12fがカム溝11eの傾
斜面の後端部に乗り上げた後、次の傾斜面の前端部に落
下して当接するという動作を所定の回転ピッチ毎に繰り
返す。この際、弾性片の弾性力は増大、解放を繰り返す
ため、これが操作者にはクリック感として伝わると共
に、解放時にカム部12fと傾斜面11e1の前端部と
の当接によってクリック音が発生する。このため、この
クリック感またはクリック音の数によって操作者は、天
冠の回転角度、つまり塗布液Lの供給量を認識すること
ができ、供給量の調整を容易に行い得るようになってい
る。また、前記傾斜面11e1の前端部は曲面(Rを付
けている)に形成しているので、天冠16の回転操作に
おいて、カム部12fが傾斜面11e1の前端部から中
央部に乗り上げるときにスムースな乗り上げ感が得られ
る。
は、常には前記カム溝11eの固定筒状体11の係止面
11e2に当接しているため、回転操作において、天冠
16を反時計方向へと回転させたようとしても、カム部
12fと係止面11e2との当接によって反時計方向へ
の回転は阻止される。このため、ねじ棒13が反時計方
向へと回転することもなくなり、ねじ棒13及びピスト
ン14が後方へと移動することもない。従って、一旦外
部空間へと吐出された液体塗料Lが再び塗布体3のパイ
プ3cあるいは本体2内へと逆流することはなく、本体
2内への雑菌などの混入を防止することができる。な
お、係止面11e2には、ほぼ直線的に立ち上がってい
るため、反時計方向への回転させようとしたときには、
カム部12fは係止面11e2に確実に引っ掛かり、し
っかりした回転阻止感が得られる。
的に嵌合せず、本体部2内に固定される固定筒状体11
の環状の嵌合突起11g1,11g2と嵌合するものと
なっている。このため、固定筒状体11と繰出体12と
の嵌合構造を必要とする強度に応じて自在に設定するこ
とができ、しかも本体部2の形状、構造にはなんら影響
を与えることがない。従って、本体部2は軽量化を図る
上で薄肉構造をなすものを用いることができ、素材とし
てもポリプロピレンなどの安価で柔軟性を有するものを
使用することができる。また、固定筒状体11において
は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン)、ポリカーボネート、ポリアセタール、PBT(ポ
リブチレン・テレフタレート)などの硬度が高い物質を
使用して比較的大きな突出量の嵌合凸部11g1,11
h1を形成し、繰出体12としても前記嵌合凸部11g
1,11h1に嵌合する比較的深い嵌合凹部12iを形
成することで、固定筒状体11と繰出体12とを確固に
嵌合させることができ、液体塗布具1の強度を十分に得
ることができる。この場合、固定筒状体11には嵌合凸
部11g1,11h1の形成位置においてヒケが発生す
る可能性もがあるが、固定筒状体11は外部に表出する
ものではないため、ここに生じるヒケが外観的に問題に
なることはない。なお、繰出体12の材質としては、バ
ネ弾性、耐クリープ性、耐疲労特性の面から、ポリアセ
タールが最も望ましい。なお、本実施形態の液体塗布具
は、本体部内に貯留された液体塗料を先軸側へと押圧す
る液体押圧機構における回転操作部を本体部とは直接的
に嵌合させず、本体部内に挿入される固定筒状体の環状
の嵌合部分と嵌合させるようにしたため、本体部の形
状、構造に拘わりなく固定筒状体と回転操作部との嵌合
構造を必要とする強度に応じて自在に設定することがで
きる。さらに、液体押圧機構は、固定筒状体、繰出体、
ねじ棒及びピストンなどの各構成部材を、全て軸体後方
から挿入することが可能であるため、極めて容易に組み
立てを行うことができる。従って、例えば、各構成部材
を軸体の外部で予め組み立てておき、そのユニット化し
た液体押圧機構を軸体の後部から同時に挿入するように
することも可能であり、組立工程の効率化を図ることが
できると共に、本体部の先端形状をピストンなどに拘わ
りなく設定することができ、設計の自由度も大幅に向上
することとなる。
00mPa・s以下、好ましくは、10〜500mPa
・sの塗布液体からなる口紅、眉墨あるいは頭髪染料な
どの化粧料に限らず、粘度が500mPa・s以下の塗
布液体からなる筆跡用修正液、接着剤、墨液、絵の具、
筆記具用インキ等の塗布液体の塗布にも適用可能であ
り、塗布体の形状、構造などにあっても用途に応じて適
宜変更可能できるものである。
更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるもの
ではない。
示す構成の液体塗布具を使用した。ただし、実施例に用
いた液漏れ抑制機構を兼ねる塗布液供給体は、図9
(e)に示す断面形状を有する外径1.5mm×長さ2
1mm、材質はポリアセタールのものを用い、比較例と
して、従来のパイプ状の流通路となる塗布液供給体(内
径1.2mm×長さ21mm、材質:ステンレス)を用
いた。また、これらの各塗布液供給体は、毛筆状部材3
aの後端部中央から中間部(先軸6の先端、図8参照)
まで挿入されている。塗布液体(液体塗料)として、下
記表1に示すように、粘度を30mPa・s〜300m
Pa・sの各粘度となる6種類の塗布液体200mlを
調製して、本体部(内容量2ml)に充填して下記評価
法により評価した。 (評価法)上記で作製した実施例及び比較例のキャップ
を装着した液体塗布具を高さ1mmから塗布体側を下に
して、杉板上(30cm×30cm)に落下させて、液
体塗料がキャップ内に漏れ出すまでの落下させた回数を
測定した。これらの結果を下記表1に示す。
明の液漏れ抑制機構を兼ねる塗布液供給体を用いた液体
塗布具は、従来のパイプ状の塗布液供給体を用いた液体
塗布具に較べ、落下などの外力があっても、キャップ内
への塗布液体の漏れ出しを防止することができることが
判明した。
0mPa・s以下の塗布液体を用いる場合でも、本体部
内に貯留されている塗布液体を液体押圧機構によって前
方へと押し出し、液漏れ抑制機構を兼ねる塗布液供給体
を介して塗布体へと供給するので、従来のパイプ状の塗
布液供給体に較べて、液体塗布具の輸送時や使用時等に
おける落下や振動によるキャップ内への塗布液体の漏れ
出しを防止することができると共に、液体押圧機構によ
って塗布液体の供給量の微妙な調整が可能となり、塗布
作業を適正かつ容易に行うことができる液体塗布具が提
供される。
体構造を示す側面図である。
ある。
ある。
る。
(b)は(a)に示したものの背面図である。
である。
体の側面図であり、(b)〜(h)は、それぞれ具体的
な態様を示す断面図である。
(a)は平面図、(b)は同図(a)の正面図である。
(b)は図7に示したものの背面図である。
(a)は側面図、(b)はの正面図、(c)は背面図、
(d)は底面図である。
る。
る。
である。
(b)は(a)の正面図である。
ある。
である。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 筒状をなす本体部の先端に所定の塗布体
を設け、前記本体部内方に収納した粘度が500mPa
・s以下の塗布液体を、前記本体部に取り付けた液体押
圧機構によって前方へと押圧し、塗布体へと供給するよ
うにした液体塗布具であって、塗布体と本体部の間に、
液漏れ抑制機構を兼ねる塗布液供給体を有することを特
徴とする液体塗布具。 - 【請求項2】 塗布液供給体には、横断面形状に内壁面
から中心へ向かって延びる3個以上の突起を有する請求
項1記載の液体塗布具。 - 【請求項3】 塗布体は、多数の毛材の一端部を収束さ
せた毛筆状部材によって構成される請求項1又は2記載
の液体塗布具。
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