JP2002009590A - デジタルフィルタ処理システム - Google Patents

デジタルフィルタ処理システム

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JP2002009590A
JP2002009590A JP2000184920A JP2000184920A JP2002009590A JP 2002009590 A JP2002009590 A JP 2002009590A JP 2000184920 A JP2000184920 A JP 2000184920A JP 2000184920 A JP2000184920 A JP 2000184920A JP 2002009590 A JP2002009590 A JP 2002009590A
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processing
interpolation
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Masaaki Moriya
政明 守屋
Minoru Kosaka
稔 小坂
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像または音声情報のレート変更処理を行な
うデジタルフィルタ処理において、原情報のエッジ部な
どの重要情報を保存させ、フィルタ処理後も忠実な画像
または音声情報を再現できる。 【解決手段】 入力デジタル信号に対し演算処理する積
和演算部110およびフィルタ処理制御部100を有す
るデジタルフィルタ処理システムにおいて、該入力デジ
タル信号のエッジ部を抽出するエッジ抽出手段120
と、抽出した複数の該エッジ部の組合わせに基づいてエ
ッジパターンを抽出するエッジパターン抽出手段130
と、該エッジパターンに基づいて、ライン部を判定する
ライン判定部141と、該エッジパターンと該ライン部
とに基づいて、フィルタ処理変更データベース143に
記憶されているフィルタ係数変更情報を参照して、補間
信号位置をシフトさせるためのフィルタ係数の変更を行
わせるシフト判定部142とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報に関する
画素密度の変換処理や拡大・縮小変換処理あるいは音声
情報に関する圧縮・伸長変換処理等のデジタル信号のレ
ート変換処理を行なうデジタルフィルタ処理システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】画像情報を画素密度変換や拡大・縮小変
換処理等のレート変換処理を行なう場合、一般的に画像
信号の垂直および/または水平方向に補間信号(補間画
素)を挿入させる補間処理が施される。かかる場合にお
いて、たとえば、画像情報の拡大処理において補間処理
がなされた際、原画像情報において隣接する画素間で階
調が大きく変化しているときにおいても、通常のレート
変換処理では、原画像情報のエッジ部が保存されずに、
拡大率に応じた位置で補間処理がなされてしまうので、
拡大処理後の画像情報は、階調の変化が単調変化となる
画像情報に変換されてしまう。
【0003】つまり、一般的に、レート変換時の補間処
理として、補間信号の位置にある情報を隣接する入力デ
ジタル画像信号(原画素)の情報の一次関数として近似
させて変換させる処理が用いられているため、原画像情
報のエッジ部分の先鋭さが失われてしまい、拡大処理後
の画像全体はぼやけた画像となってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のデジタルフィル
タ処理においては、前述のように、画像情報に関する画
素密度の変換処理や拡大・縮小処理あるいは音声情報に
関する圧縮・伸長処理等の変換処理(以下、レート変換
処理と記す)における補間処理を施された結果、該デジ
タルフィルタ処理部への入力デジタル信号のデータが一
部失われてしまうことがあるため、たとえば、画像情報
では、デジタルフィルタ処理後の再生画像に画像ボケや
画像ムラが生じてしまう。
【0005】かかる画像ボケや画像ムラを削減させるた
めの方策として、従来のデジタルフィルタ処理において
は、レート変換処理後の出力デジタル信号に対して輪郭
強調等の処理を施して解決せんとしていた。しかしなが
ら、該レート変換処理によって一旦喪失された情報がか
かる輪郭強調等の処理の対象とならないために、入力デ
ジタル信号に忠実な画像を復元させることができない欠
点を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる問題に
鑑みてなされたものであり、デジタルフィルタ処理部へ
の入力デジタル信号における特徴的な信号情報を保存さ
せながらレート変換処理を行なわせんとするものであ
る。
【0007】本発明にかかるデジタルフィルタ処理シス
テムは、前記入力デジタル信号の隣接信号間の差分値
(たとえば、画像情報の場合、隣接する画像信号(画
素)間の輝度差分値、音声情報の場合、隣接する音声信
号(音素)間の強度差分値)を演算する手段と、該輝度
/強度差分値を任意の個数まとめることによって生成さ
れるエッジパターンを抽出する手段と、前記エッジパタ
ーンの組合せとフィルタ処理(レート変換処理等)の種
類とに対応してあらかじめ用意されているデジタルフィ
ルタ係数の変更判定用のフィルタ処理変更データベース
と、該データベースの情報に基づいてフィルタ係数を変
更してデジタルフィルタ処理を実行させるフィルタ処理
制御手段とを有している。具体的には、以下の各技術手
段を有する。
【0008】本発明にかかるデジタルフィルタ処理シス
テムにおける第1の技術手段は、入力デジタル信号に対
するフィルタ処理手段を有するデジタルフィルタ処理シ
ステムにおいて、該入力デジタル信号のエッジ部を判定
し抽出させるエッジ抽出手段と、抽出された複数の該エ
ッジ部の組合せに基づいてエッジパターンを抽出させる
エッジパターン抽出手段と、抽出された該エッジパター
ンに基づいて、前記フィルタ処理手段のフィルタ係数を
変更させるフィルタ係数変更手段とを具備していること
を特徴としたものである。
【0009】本発明にかかるデジタルフィルタ処理シス
テムにおける第2の技術手段は、第1の技術手段におい
て、前記フィルタ係数変更手段が、抽出された複数の前
記エッジパターンに基づいて、フィルタ処理に用いられ
る補間信号の時間軸上の位置のシフト判定を行うシフト
判定手段を有することを特徴としたものである。
【0010】本発明にかかるデジタルフィルタ処理シス
テムにおける第3の技術手段は、第1の技術手段におい
て、前記フィルタ係数変更手段が、抽出された前記エッ
ジパターンの種類と該種類の抽出回数とに応じて前記入
力デジタル信号のライン部を判定するライン判定手段
と、前記エッジパターンと前記ライン部の判定結果とに
基づいて、フィルタ処理に用いられる補間信号の時間軸
上の位置のシフト判定を行うシフト判定手段とを有する
ことを特徴としたものである。
【0011】本発明にかかるデジタルフィルタ処理シス
テムにおける第4の技術手段は、第1乃至第3のいずれ
かの技術手段において、抽出された前記エッジパターン
と前記ライン部の判定結果を有する際には該ライン部の
判定結果とに基づいて、前記フィルタ係数変換手段が、
抽出された前記エッジ部の情報を有する前記入力デジタ
ル信号の時間軸上の位置に、前記エッジ部の直近に位置
する補間信号の時間軸上の位置をシフトせしめることを
特徴としたものである。
【0012】本発明にかかるデジタルフィルタ処理シス
テムにおける第5の技術手段は、第1乃至第4のいずれ
かの技術手段において、前記エッジパターン抽出手段
が、複数のエッジ部の組合せを記憶させるエッジパター
ンデータベースを有することを特徴としたものである。
【0013】本発明にかかるデジタルフィルタ処理シス
テムにおける第6の技術手段は、第3乃至第5のいずれ
かの技術手段において、前記ライン判定手段が、抽出さ
れた前記エッジパターンの種類と前記抽出回数とを記憶
させるライン判定用データベースを有することを特徴と
したものである。
【0014】本発明にかかるデジタルフィルタ処理シス
テムにおける第7の技術手段は、第1乃至第6のいずれ
かの技術手段において、前記フィルタ係数変更手段が、
フィルタ処理の種類と前記エッジパターンと、さらに
は、前記ライン部の判定結果を有する際には該ライン部
の判定結果とに応じたフィルタ係数の変更情報をあらか
じめ記憶させているフィルタ処理変更データベースを有
することを特徴としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、デジタルフィルタ処理
システムへの入力デジタル信号に対して積和演算処理を
施してデジタルフィルタ処理を行なう際に、前述のごと
く、該入力デジタル信号の特徴を示すエッジパターンと
フィルタ処理の内容(レート変換処理など)とに応じ
て、適応的にフィルタ係数を変更して適切なフィルタ処
理を行なうものである。以下に、本発明にかかるデジタ
ルフィルタ処理システムの実施形態について、図を用い
て説明する。なお、本発明にかかるデジタル処理システ
ムは画像情報の場合に限らず、音声情報の場合について
も全く同様に適用可能であるが、以下の説明において
は、画像情報の場合を例にとって、該実施形態を説明す
る。
【0016】まず、図1は本発明にかかるデジタルフィ
ルタ処理システムの機能ブロック図を示している。図1
において、100はフィルタ処理制御部であり、フィル
タ係数の指定をはじめ、積和演算部110の各種演算動
作を制御する。積和演算部110は、該フィルタ係数に
応じて、必要により、補間信号等を用いて、入力デジタ
ル信号との演算を行ない、信号変換を施して出力デジタ
ル信号を生成する。また、120はエッジ抽出部であ
り、前記入力デジタル信号のエッジ情報を抽出する。エ
ッジ抽出部120は輝度差分演算部121とエッジ判定
部122とを有する。
【0017】輝度差分演算部121は前記入力デジタル
信号において隣接する前後の画像信号の輝度情報に関す
る差分を演算するものであり、エッジ判定部122は前
記輝度差分演算部121で得られた輝度差分値により、
エッジの種類を判定する。130はエッジパターン抽出
部であり、前記エッジ判定部122からのエッジの種類
の情報を順次蓄積し、任意の個数からなるエッジの組み
合わせ(以下、エッジパターンと記す)を生成するエッ
ジパターン生成部131と該エッジパターンを保存する
エッジパターンデータベース132とからなる。
【0018】140はフィルタ係数変更部であり、エッ
ジパターン抽出部130で抽出されたエッジパターンに
基づいてデジタルフィルタ処理に用いられるフィルタ係
数の変更を判定し、フィルタ処理制御部100にフィル
タ係数の変更を指示する。フィルタ係数変更部140は
エッジパターンの種類と該種類の発生個数の計数により
ライン部の判定を行なうライン判定部141と、該ライ
ン部判定用のエッジパターンの情報(すなわち、抽出さ
れた複数のエッジパターンの組合せと該組合せの抽出回
数との情報)を蓄積するライン判定用データベース14
4と、エッジパターン生成部131で得られたエッジパ
ターン情報およびライン判定部141で得られたライン
部判定情報とに基づいてフィルタ処理の種類に応じたフ
ィルタ係数の変更情報を記憶しているフィルタ処理変更
データベース143を参照して、フィルタ処理制御部1
00にフィルタ係数の変更を指示するシフト判定部14
2とを有する。
【0019】すなわち、本発明にかかるデジタルフィル
タ処理システムは入力デジタル信号の特徴であるエッジ
パターンを抽出する第一ステップ、該エッジパターンか
らライン部を判定する第二ステップおよび前記第一ステ
ップと第二ステップとで得られたエッジパターン情報と
ライン部判定情報とに基づいてフィルタ処理の種類に応
じたフィルタ係数の変更を行ない、デジタルフィルタ処
理を実行する第三ステップの3つのステップから構成さ
れている。
【0020】次に、本発明にかかるデジタルフィルタ処
理システムの構成要素である各回路部位すなわち図1の
エッジ抽出部120、エッジパターン抽出部130およ
びフィルタ係数変更部140の各回路部位の動作を詳細
に説明する。まず、デジタル入力信号からエッジパター
ンを抽出するまでの第一ステップについて、図2を用い
て説明する。
【0021】ここに、図2は時系列的に入力されてくる
入力デジタル信号の輝度情報の大きさの一例を模式的に
示す図であり、隣接する2つの入力デジタル信号のエッ
ジ情報を判定するまでの動作を説明している図である。
図2において、記号INは入力デジタル信号Y0,Y1
2,Y3,Y4,Y5を示し、白丸付きの縦の実線は入力
デジタル信号IN系列Y0,Y1,Y2,Y3,Y4,Y5
それぞれの輝度情報値B0,B1,B2,B3,B4,B5
示す。
【0022】また、記号DBiは互いに隣接する前後の
入力デジタル信号INに関する輝度情報値の差分すなわ
ち輝度差分値を示している。輝度差分値DBiは、入力
デジタル信号INの信号Y0→Y1,Y1→Y2,Y2
3,Y3→Y4およびY4→Y5における各輝度情報値の
差分、すなわち、それぞれDB0=B1−B0,DB1=B
2−B1,DB2=B3−B2,DB3=B4−B3およびDB
4=B5−B4を意味する。また、BSは各入力デジタル信
号INのエッジ部を判定する輝度差分値DBiの閾値を
示し、輝度差分値DBiがBSを越えている場合をエッジ
部と判定する。たとえば、図2において、入力デジタル
信号IN系列の中で、信号Y1→Y2,Y2→Y3,Y4
5におけるそれぞれの輝度差分値DB1=B2−B1,D
2=B 3−B2,DB4=B5−B4が閾値BSを越えてお
り、信号Y0→Y1,Y3→Y4におけるそれぞれの輝度差
分値DB0=B1−B0,DB3=B4−B3は閾値BSの範
囲内である場合を示している。
【0023】図1に示すごとく、入力デジタル信号IN
はフィルタ処理を施すために積和演算部110に入力さ
れると同時に、該フィルタ処理におけるフィルタ係数の
変更の要否を判定させるために、エッジ抽出部120の
輝度差分演算部121にも入力される。
【0024】輝度差分演算部121は、入力デジタル信
号INにおいて隣接する前後の2つの信号の輝度情報値
の差分値すなわち輝度差分値DBiを演算する。すなわ
ち、図2のDBiに示すごとく、入力デジタル信号系列
0,Y1,Y2,Y3,Y4,Y5のそれぞれに対して輝度
差分値DB0=B1−B0,DB1=B2−B 1,DB2=B3
−B2,DB3=B4−B3およびDB4=B5−B4の演算
を行ない、エッジ判定部122へ入力する。
【0025】エッジ判定部122は入力デジタル信号I
N系列に関する輝度差分値DBiと予め設定されている
閾値BSとを比較することにより、入力デジタル信号の
エッジ部の種類を判定する。たとえば、閾値BSを越え
て輝度差分値DBiが増加している場合は“+”を示す
コード“1”をエッジ判定値とし、逆に、閾値BSを越
えて輝度差分値DBiが減少している場合は“−”を示
すコード“2”をエッジ判定値とし、また、閾値BS
範囲内で輝度差分値DBiが増減している場合は“変化
なし”を示すコード“0”をエッジ判定値とする。たと
えば、図2に示す入力デジタル信号IN系列において
は、−BS≦DB0≦BS,DB1>BS,−BS>DB2
−BS≦DB3≦BS,−BS>DB4の関係にあるので、
該エッジ判定値は“0”,“1”,“2”,“0”,
“2”となる。ここで、輝度差分値DBiのエッジ判定
値として“1”(すなわち“+”)と“2”(すなわち
“−”)とを区別しているのは、エッジ部が上っている
か、下っているかにより、適用されるフィルタ処理が異
なるためである。
【0026】該エッジ判定値は順次エッジパターン抽出
部130のエッジパターン生成部131に入力される。
エッジパターン生成部131は任意の個数からなる連続
するエッジ判定値を組み合わせて、入力デジタル信号の
特徴を示すエッジパターンを抽出して、エッジパターン
データベース132に蓄積させるとともに、該エッジパ
ターンをフィルタ係数変更部140に出力させる。たと
えば、図2においては、“01202”あるいは“12
02”などのエッジパターンが生成される。
【0027】次に、ライン部の判定を行なう第二ステッ
プについて説明する。フィルタ係数変更部140のライ
ン判定部141においては、エッジパターン生成部13
1で抽出されたエッジパターンの種類と該種類の抽出回
数とを計数することにより、ラインを生成する入力デジ
タル信号系列であるか否かを判定する。すなわち、エッ
ジパターン生成部131から入力されるエッジパターン
をライン判定用データベース144に逐次保存させ、該
当ライン内に含まれているエッジパターンの種類と該エ
ッジパターンの種類の存在個数を逐次計数することによ
り、該存在個数がある定められた閾値以上であれば、ラ
イン部と判定する。たとえば、二次元の画像信号などに
おいて、画像のラインを形成するためのエッジパターン
であると判定される。なお、本発明においては、場合に
よっては、該ライン判定処理を行なわなくても良い。
【0028】次に、フィルタ処理の種類に応じたフィル
タ係数の変更を行い、適応式にフィルタ処理を施す第三
ステップのうち、本発明にかかるシフト判定部142の
動作について説明する。フィルタ係数変更部140のシ
フト判定部142においては、エッジパターン生成部1
31より入力されたエッジパターンとライン生成部14
1より入力されたライン部の判定結果とに基づいて、フ
ィルタ処理の種類に応じたフィルタ係数の変更情報をあ
らかじめ記憶しているフィルタ処理変更データベース1
43を参照することにより、フィルタ処理時における補
間画素(すなわち、補間処理を施す対象である補間信
号)の時間的な位置を前後に「シフト」させる(すなわ
ち、「ずらす」)判定を行なう。
【0029】たとえば、レート変換処理として画像の縮
小処理を行なうフィルタ処理の場合、補間処理が施され
たフィルタ処理後の出力デジタル信号は縮小率に応じた
時間間隔で出力されることになる。従来のデジタルフィ
ルタ処理においては、該補間処理時の補間画素(すなわ
ち補間信号)の時間的位置が出力デジタル信号の時間的
位置をずらすことなく補間処理がなされるので、該補間
画素の輝度情報値は該補間画素の時刻の前後に位置する
入力デジタル信号の一次関数として内挿された輝度情報
値が用いられて補間処理が施される。なお、補間画素と
は、レート変換処理後の画像情報の各画素に対応させた
原画像情報上における仮想的な画素を意味している。し
たがって、該補間処理のままでは、原画像情報のエッジ
部(あるいは、ライン部位)の情報が失われ、原画像の
先鋭さを喪失してしまう結果となる。
【0030】本発明では、かかるエッジ部における補間
処理を施す場合においては、前記補間処理時刻の時間的
位置すなわち補間画素の時間的位置を「シフト」させる
処理(「ずらす」処理、以下、補間画素ずらし処理と記
す)を行わしめることにより、原画像情報のエッジ部の
情報を保存させることとするものである。
【0031】かかる補間画素ずらし処理を施された補間
画素を生成すべき旨がシフト判定部142からフィルタ
処理制御部100に出力されることにより、フィルタ処
理制御部100は適切な補間画素ずらし処理に対応する
フィルタ係数を積和演算部110に出力させる。したが
って、積和演算部110では、指示されたフィルタ係数
に基づく補間画素ずらし処理を施された時刻の補間画素
を用いて、入力デジタル信号の補間処理がなされて、該
補間画素に対応させた出力デジタル信号が出力される。
かかる補間画素ずらし処理が施されることによって、フ
ィルタ処理内容に応じて、入力デジタル信号の特徴を保
存させた適応的なフィルタ処理が実現されている。
【0032】次に、前述の補間画素ずらし処理によっ
て、画像情報の先鋭化を図る処理手順を図3を用いてさ
らに詳細に説明する。従来のデジタルフィルタ処理のご
とく、単に、有理数倍のレート変換処理を施すのみで
は、前述のように、原画像情報のエッジ部を示す重要情
報を消失させてしまう可能性があり、画像ボケや画像ム
ラが生じるおそれがある。本発明は、原画像情報のエッ
ジ部においては、補間処理を行う際に補間画素の時間的
な位置ずらし処理すなわち補間画素ずらし処理を施すこ
とにより、原画像情報のエッジ部の重要情報を保存さ
せ、画像情報の先鋭化を図り、高画質化を実現してい
る。
【0033】図3は画像情報の縮小処理(すなわち、入
力デジタル信号を間引きする処理)の場合における上述
の補間画素ずらし処理の原理を示すものであり、補間処
理時における補間画素の時間的配置関係を示すものであ
る。図3において、記号INは、入力デジタル信号すな
わちY0,Y1,Y2,Y3,Y4,Y5を示す。記号OUT
1は、補間画素ずらし処理前の補間画素すなわちy0,y
1,y2,y3,y4を示し、時間的に等間隔の位置(フィ
ルタ処理後の出力デジタル信号と同じ間隔の配置)であ
る。一方、記号OUT2は、補間画素ずらし処理後の補
間画素すなわちy0,y1′,y2′,y3,y4を示し、
各補間画素の時間的間隔は補間画素ずらし処理により異
なる間隔の配置となっている。
【0034】また、白丸付きの縦の実線は入力デジタル
信号IN系列Y0,Y1,Y2,Y3,Y4,Y5それぞれの
輝度情報値B0,B1,B2,B3,B4,B5を示し、黒丸
付きの縦の一点鎖線は補間画素ずらし処理前における補
間処理時の補間画素OUT1系列y0,y1,y2,y3
4それぞれの輝度情報値B0,b1,b2,b3,B5を示
すものである。また、罰点(×)印付きの縦の鎖線は補
間画素ずらし処理後における補間処理時の補間画素OU
2系列y0,y1′,y2′,y3,y4のそれぞれの輝度
情報値B0,B1,B2,b3,B5を示す。たとえば、図
3に示すごとく、入力デジタル信号Y2が輝度情報値B2
を有するエッジ部であった場合、通常の画像縮小処理に
おいては、出力デジタル信号が補間画素y1,y2の二つ
の点の輝度情報値b1,b2に変換されてしまい、輝度情
報値B2は失われて、エッジ部が強調されないぼやけた
画像情報となってしまう。
【0035】したがって、本発明においては、エッジ部
と判定された場合に、図3の矢印で示すごとく、補間画
素の位置(すなわち、補間処理を施す時間的位置)をず
らす補間画素ずらし処理を施すことにより、原画像情報
の入力デジタル信号の画素位置に近づける処置を行な
う。たとえば、図3の補間画素y2の時間的位置を、直
前にある入力デジタル信号Y2の位置に、すなわち、遷
移量が左方向に2に相当する位置(図3において、遷移
量をs=2と記している量に相当する位置)までずらす
ことにより、補間処理時の補間画素y2′の輝度情報値
がb2→B2となり、原画像のエッジ部である入力デジタ
ル信号Y2の輝度情報値B2に一致させることができる。
【0036】また、同様に、エッジパターンとライン部
の判定結果とに基づいて、補間画素y1に対しても、遷
移量s=1だけ補間画素ずらし処理を施せば、補間処理
時の補間画素系列y1,y2はy1′,y2′の位置にずら
され、それぞれの輝度情報値がb1→B1,b2→B2と変
更され、原画像のエッジ部の入力デジタル信号Y1,Y2
の輝度情報値B1,B2に一致させることができる。した
がって、該補間画素ずらし処理を行なった場合、補間処
理時の補間画素系列(y0,y1′,y2′,y3,y4
の輝度情報値は(B0,B1,B2,b3,B5)となり、
原画像の入力デジタル信号系列(Y0,Y1,Y2,Y3
4,Y5)の輝度情報値(B0,B1,B2,B3,B4
5)に、より忠実な輝度情報値とすることができ、入
力デジタル信号のエッジ部の先鋭度が保たれた高画質の
画像とすることができる。
【0037】さらに、前記補間画素ずらし処理の動作に
ついて、図4乃至図8を用いて説明する。ここに、図4
乃至図6は、レート変換処理において、画像情報の縮小
処理を施す場合における補間画素ずらし処理の動作を示
し、図7および図8は画像情報の拡大処理を施す場合に
おける補間画素ずらし処理の動作を示す。まず、画像情
報の縮小処理を施す場合の補間画素ずらし処理の動作を
図4乃至図6を用いて説明する。
【0038】図4乃至図6において、記号INは入力デ
ジタル信号すなわちY0,Y1,Y2i(Y20,Y21
22),Y3,Y4,Y5を示す。記号OUT1は、補間画
素ずらし処理なしの場合(あるいは補間画素ずらし処理
前)における補間処理時の補間画素すなわちy0,y1
2i(y20,y21,y22),y3,y4を示す。また、記
号OUT2は、補間画素ずらし処理後における補間処理
時の補間画素すなわちy0,y1,y20またはy2i′(y
21′,y22′),y3,y4(補間画素ずらしありの補間
画素のみダッシュマーク(′)を付与して表示してい
る)を示す。ここに、OUT1の各補間画素の時間的間
隔は出力デジタル信号と同じ間隔の配置であり、等間隔
であるが、OUT2の場合は補間画素ずらし処理を施す
ことにより異なる時間間隔となる。
【0039】また、白丸付きの縦の実線は入力デジタル
信号IN系列Y0,Y1,Y2i(Y20,Y21,Y22),Y
3,Y4,Y5それぞれの輝度情報値B0,B1,B2i(B
20,B21,B22),B3,B4,B5を示し、黒丸付きの
縦の一点鎖線は補間画素ずらし処理前の補間処理時の補
間画素OUT1系列y0,y1,y2i(y20,y21
2 2),y3,y4それぞれの輝度情報値B0,b1,b2i
(b20,b21,b22),b3,B5を示す。また、罰点
(×)印付きの縦の鎖線は補間画素ずらし後における補
間処理時の補間画素OUT2系列y0,y1,y20または
2i′(y21′,y22′)y3,y4それぞれの輝度情報
値B0,b1,b20またはB21(y21′の場合)またはB
3(y22′の場合),b3,B5を示す。
【0040】また、図4は補間画素ずらし処理がない場
合の例を示し、図5は時間的に前方向に(すなわち図面
上の左方向に遷移量s=2だけ)補間画素ずらし処理を
行ない、入力デジタル信号Y21の輝度情報値B21を補間
画素y21′の輝度情報値とする場合の例を示す。また、
図6は時間的に後方向に(すなわち図面上の右方向に遷
移量s=−2だけ)補間画素ずらし処理を行ない、入力
デジタル信号Y3の輝度情報値B3を補間画素y22′の輝
度情報値とする場合の例を示している。
【0041】画像信号のエッジ部分を検出した場合に、
前記三つのいずれの処理(すなわち、補間画素ずらし処
理なし、左方向ずらし、右方向ずらしのいずれの処理)
を実行させるかはフィルタ処理の種類とエッジパターン
とライン部の判定結果とに基づいて、フィルタ処理変更
データベース143に記憶させているフィルタ係数の変
更情報を参照して、シフト判定部142において決定さ
れる。
【0042】図4乃至図6は、入力デジタル信号系列の
各信号のうちエッジ部またはエッジ近傍を示すY2i(i
=0,1,2)の輝度情報値B2i(i=0,1,2)の
みが異なる場合を例示している。図4はシフト判定部1
42では補間画素ずらし処理不要と判定された場合であ
り、図5はエッジ部として入力デジタル信号Y21の輝度
情報値B21を保存させる補間処理を施すとの判定がなさ
れた場合であり、一方、図6はエッジ部として入力デジ
タル信号Y3の輝度情報値B3を保存させる補間処理を施
すとの判定がなされた場合である。
【0043】なお、Y2i信号に関連する補間画素y2i
みに関して、補間画素ずらし処理を施す場合を示してい
るが、前述したごとく、エッジ部近傍にある他の補間画
素(y1,y3等)に関しても、同時に補間画素ずらし処
理を行ってもよい。また、図4乃至図6に示す入力デジ
タル信号系列の輝度情報値と補間画素ずらし処理との関
係は、本発明を理解するための概念を示すものであり、
図4乃至図6の例に限るものではない。すなわち、補間
画素ずらし処理の要否、補間画素ずらし量すなわち遷移
量s(方向、値)については、前述の通り、あくまで
も、フィルタ処理の種類、エッジパターン、ライン部の
判定結果に基づいて、フィルタ処理変更データベース1
43を参照してシフト判定部142において決定される
ものである。
【0044】次に、補間画素ずらし処理における遷移量
sの値を算出する方法について説明する。図4乃至図6
は画像縮小処理の場合を示しているが、該画像縮小時の
縮小率はM/mで与えられる。ここに、Mは入力デジタ
ル信号(原画素)の隣接信号(原画素)間の間隔(距
離)を示し、mは補間画素ずらし処理前における補間画
素の隣接補間画素間の間隔(距離)を示す。図4乃至図
6の例では、M=4,m=5であり、縮小率は4/5=
0.8となる。
【0045】一方、ある補間画素yjから該補間画素yj
のすぐ左隣(すなわち、時間的に直前の位置)にある入
力デジタル信号Yk(原画素)までの間隔(距離)をw
eightと表現すると、該weightの値は補間画
素ずらし処理前の補間画素y jに関し、次式(1)で表
される。 weight=mod(m×j/M) (1) ここに、jは補間画素yjの番号を示し、modは剰算
演算における余りを求める演算子を示す。したがって、
たとえば、図4乃至図6の補間画素y2iのすぐ左隣の入
力デジタル信号(原画素)Y2iまでの間隔(距離)we
ightは、補間画素の番号jは2であるので、式
(1)より、 weight=mod(m×j/M)=mod(5×2
/4)=2 となる。
【0046】したがって、weightで示す量の遷移
量sだけ左方向(すなわち時間的に前方向)の位置にず
らし処理を施し、該補間画素yj′とすれば該補間画素
jのすぐ左隣の位置にある入力デジタル信号Ykの位置
にずらすことができる。
【0047】まず、図5に示す輝度情報値の変化を伴う
入力デジタル信号に対して画像縮小処理のレート変換処
理が施される場合(すなわち、入力デジタル信号Y21
輝度情報値B21を保存させたい場合)、エッジパターン
とライン部の判定結果とに基づいてフィルタ処理変更デ
ータベース143を参照して、シフト判定部142にお
いて、補間画素の左方向へのずらし(すなわち、時間的
に前方向へのずらし)の判定がなされる。したがって、
前述のごとく、出力デジタル信号y21は左方向へ前記w
eightで示す遷移量sだけすなわち2だけずらし処
理が行なわれる。補間処理時の補間画素y21が入力デジ
タル信号Y21と同じ位置にある補間画素y21′とされる
結果、入力デジタル信号Y21の輝度情報値B21が補間画
素y21′の輝度情報値としてフィルタ処理がなされる。
したがって、入力デジタル信号Y 21のエッジ部の輝度情
報値B21が保存された形でフィルタ処理がなされる。
【0048】一方、図6に示す輝度情報値の変化を伴う
入力デジタル信号に対して画像縮小処理のレート変換処
理が施される場合(すなわち、入力デジタル信号Y3
輝度情報値B3を保存させたい場合)には、エッジパタ
ーンとライン部の判定結果とに基づいてフィルタ処理変
更データベース143を参照して、シフト判定部142
において、補間画素y22の右方向へのずらし(すなわ
ち、時間的に後方向へのずらし)の判定がなされる。右
方向ずらしの場合の遷移量sは(weight−M)で
与えられるので、図6の場合、補間画素y22の遷移量s
は s=weight−M=mod(m×j/M)−M=m
od(5×2/4)−4=−2 となる。
【0049】補間画素y22に関し、該遷移量s=−2に
示す値だけ、右方向すなわち時間的に後方向にずらす補
間画素ずらし処理を施すことにより、補間画素y22のす
ぐ右側にある入力デジタル信号Y3の位置までずらし処
理が行われ、入力デジタル信号Y3の輝度情報値B3が補
間処理時の補間画素y22′の輝度情報値としてフィルタ
処理がなされる。すなわち、入力デジタル信号系列の特
徴を示す入力デジタル信号Y3の輝度情報値B3が保存さ
れ、かつ、入力デジタル信号Y4の輝度情報値B4に近い
輝度情報値b3を用いて、フィルタ処理がなされる。
【0050】なお、図4に示す例は、エッジ部を未検出
の場合のみに限らず、たとえ入力デジタル信号のエッジ
部に相当する輝度差分値を抽出していたとしても、フィ
ルタ処理内容とエッジパターンとライン部の判定結果と
から、フィルタ処理変更データベース143を参照した
際に、シフト判定部142において、いずれの補間画素
jに対してもずらし処理を施す必要がないとの判定が
なされる場合も示している。
【0051】以上に説明したごとく、入力デジタル信号
系列に応じて適切な補間画素ずらし処理を行うことによ
り、画像縮小のレート変換処理後の画像においても、画
像ボケ、画像ムラを伴わなずに、エッジ部分の先鋭さが
保存された鮮明な画像を得ることができる。なお、補間
画素ずらし処理の条件はエッジパターン、ライン部の判
定結果に基づいて適宜設定されるが、補間画素ずらし処
理のパターンは前述の3つのパターン、すなわち、ずら
しなし、左方向ずらし、右方向ずらしのいずれかであ
り、かつ、エッジ部におけるそれぞれの補間画素ずらし
処理時における遷移量(s)も自動生成できるので、エ
ッジパターン等により、直接補間画素ずらしの遷移量
(方向、値)を取捨選択させることも可能である。
【0052】次に、図7および図8を用いて、画像情報
の拡大処理を施す場合における補間処理時の補間画素ず
らし処理の動作について説明する。図7および図8にお
いて、記号IN,OUT1およびOUT2は、図4乃至図
6の場合と同様、それぞれ入力デジタル信号系列Yi
補間画素ずらしなしの場合の補間画素系列yiおよび補
間画素ずらし後の補間画素系列yjまたはyj′(補間画
素ずらし有りの補間画素のみダッシュマーク(′)を付
与)を示す。また、白丸付きの縦の実線、黒丸付きの縦
の一点鎖線および罰点(×)印付きの縦の鎖線は、図4
乃至図6の場合と同様、それぞれ入力デジタル信号系列
iの輝度情報値Bi,補間画素ずらしなしの場合の補間
画素yjの輝度情報値bjおよび補間画素ずらし処理後の
補間画素yj,yj′の輝度情報値bj,bj′を示す。
【0053】また、図7および図8は、画像拡大処理時
の拡大率M/mが8/5の場合の例を示すものである。
ここで、図7はエッジパターンとライン部の判定結果と
に基づいて、フィルタ処理変更データベース143によ
り補間画素ずらし処理を行なわない場合の補間画素の配
置を示し、一方、図8はエッジパターンとライン部の判
定結果とに基づいて、フィルタ処理変換データベース1
43を参照した結果、補間画素ずらし処理を行なった後
の補間画素の配置を示す。
【0054】図8に示すごとく、原画像情報のエッジ部
に相当する入力デジタル信号Y2の輝度情報値B2を保存
させるために、右方向ずらし処理を施す旨の判定がシフ
ト判定部142でなされた場合、入力デジタル信号Y2
のすぐ左隣に配置されている補間画素y3が補間画素ず
らしの対象とされる。補間画素y3の遷移量sは s=weight−M=mod(m×j/M)−M=m
od(5×3/8)−8=−1 となる。
【0055】したがって、出力補間画素y3に関し、該
遷移量s=−1に示す値だけ右方向すなわち時間的に後
方向に補間画素ずらし処理を施して、補間画素y3′と
する。該補間画素y3′は入力デジタル信号Y2と同じ位
置となるので、入力デジタル信号Y2の輝度情報値B
2が、補間画素y3′の輝度情報値となる。したがって、
該補間画素ずらし処理の結果、入力デジタル信号Y2
エッジ部の輝度情報値B2が保存され、フィルタ処理が
なされる。
【0056】さらに、エッジ部における該補間画素右方
向ずらし処理を行った場合、該エッジ部の近傍にある補
間画素に対しても同様の補間画素ずらし処理を施せば、
エッジ部近傍の画像情報を原画像情報と左右対称の位置
の輝度情報とすることができ、原画像により忠実な画像
を再生させることができる。すなわち、該エッジ部の近
傍にある補間画素(図8においては、エッジ部に対応す
る補間画素y3に隣接する前後双方の補間画素y2および
4)に関しても、エッジ部対応の補間画素y 3に対する
遷移量(s=−1)と同じ量だけずらして、y2′およ
びy4′とする。該補間画素ずらし処理の結果、補間画
素y2→y2′およびy4→y4′の位置で補間処理がなさ
れることとなり、該補間画素の輝度情報値がそれぞれb
2→b2′およびb4→b4′に移動して、エッジ部の前後
すなわち左右の輝度情報を対称な位置の輝度情報とする
ことができ、画像ムラの発生を防ぐことができる。も
し、補間画素ずらし処理を行なわない場合、解像度に応
じて中心点がずれた何種類かのエッジ部の線が再生画像
に表示されて、画像ムラを感じさせる結果となる。
【0057】
【発明の効果】デジタルフィルタ処理において、画像情
報の画素密度変換、画像の拡大・縮小処理あるいは音声
の情報圧縮・伸長処理などのレート変換処理を行なう際
に、補間信号の時間的位置を適応的にずらす補間画素ず
らし処理を施すことにより、入力デジタル信号のエッジ
部などの重要情報を消失させることなくフィルタ処理が
なされるので、該フィルタ処理による変換後の画像や音
声情報のエッジやコントラストの強調効果を維持させる
ことができ、たとえば、デジタルフィルタ処理後の画像
情報の画像ボケや画像ムラ等を防止することが可能とな
る。
【0058】さらには、エッジパターン用のデータベー
スやライン判定用のデータベース、あるいは、フィルタ
処理変更用のデータベースを有することにより、処理の
高速化や各種フィルタ処理の変更・バージョンアップへ
の対応の迅速化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるデジタルフィルタ処理システム
の機能ブロック図である。
【図2】本発明にかかる入力デジタル信号のエッジ部判
定の概念を示す模式図である。
【図3】本発明にかかる補間画素ずらし処理の概念を示
す図である。
【図4】本発明にかかる画像情報の縮小処理時における
補間画素ずらし処理なしの場合の補間画素の配置図であ
る。
【図5】本発明にかかる画像情報の縮小処理時における
左方向への補間画素ずらし処理を施した場合の補間画素
の配置図である。
【図6】本発明にかかる画像情報の縮小処理時における
右方向への補間画素ずらし処理を施した場合の補間画素
の配置図である。
【図7】本発明にかかる画像情報の拡大処理時における
補間画素ずらし処理なしの場合の補間画素の配置図であ
る。
【図8】本発明にかかる画像情報の拡大処理時における
右方向への補間画素ずらし処理を施した場合の補間画素
の配置図である。
【符号の説明】
100…フィルタ処理制御部、110…積和演算部、1
20…エッジ抽出部、121…輝度差分演算部、122
…エッジ判定部、130…エッジパターン抽出部、13
1…エッジパターン生成部、132…エッジパターンデ
ータベース、140…フィルタ係数変更部、141…ラ
イン判定部、142…シフト判定部、143…フィルタ
処理変更データベース、144…ライン判定用データベ
ース。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力デジタル信号に対するフィルタ処理
    手段を有するデジタルフィルタ処理システムにおいて、
    該入力デジタル信号のエッジ部を判定し抽出させるエッ
    ジ抽出手段と、抽出された複数の該エッジ部の組合せに
    基づいてエッジパターンを抽出させるエッジパターン抽
    出手段と、抽出された該エッジパターンに基づいて、前
    記フィルタ処理手段のフィルタ係数を変更させるフィル
    タ係数変更手段とを具備していることを特徴とするデジ
    タルフィルタ処理システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のデジタルフィルタ処理
    システムにおいて、前記フィルタ係数変更手段が、抽出
    された複数の前記エッジパターンに基づいて、フィルタ
    処理に用いられる補間信号の時間軸上の位置のシフト判
    定を行うシフト判定手段を有することを特徴とするデジ
    タルフィルタ処理システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のデジタルフィルタ処理
    システムにおいて、前記フィルタ係数変更手段が、抽出
    された前記エッジパターンの種類と該種類の抽出回数と
    に応じて前記入力デジタル信号のライン部を判定するラ
    イン判定手段と、前記エッジパターンと前記ライン部の
    判定結果とに基づいて、フィルタ処理に用いられる補間
    信号の時間軸上の位置のシフト判定を行うシフト判定手
    段とを有することを特徴とするデジタルフィルタ処理シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のデジ
    タルフィルタ処理システムにおいて、抽出された前記エ
    ッジパターンと前記ライン部の判定結果を有する際には
    該ライン部の判定結果とに基づいて、前記フィルタ係数
    変換手段が、抽出された前記エッジ部の情報を有する前
    記入力デジタル信号の時間軸上の位置に、前記エッジ部
    の直近に位置する補間信号の時間軸上の位置をシフトせ
    しめることを特徴とするデジタルフィルタ処理システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のデジ
    タルフィルタ処理システムにおいて、前記エッジパター
    ン抽出手段が、複数のエッジ部の組合せを記憶させるエ
    ッジパターンデータベースを有することを特徴とするデ
    ジタルフィルタ処理システム。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれかに記載のデジ
    タルフィルタ処理システムにおいて、前記ライン判定手
    段が、抽出された前記エッジパターンの種類と前記抽出
    回数とを記憶させるライン判定用データベースを有する
    ことを特徴とするデジタルフィルタ処理システム。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のデジ
    タルフィルタ処理システムにおいて、前記フィルタ係数
    変更手段が、フィルタ処理の種類と前記エッジパターン
    と、さらには、前記ライン部の判定結果を有する際には
    該ライン部の判定結果とに応じたフィルタ係数の変更情
    報をあらかじめ記憶させているフィルタ処理変更データ
    ベースを有することを特徴とするデジタルフィルタ処理
    システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008511202A (ja) * 2004-08-20 2008-04-10 シリコン オプティックス インコーポレイテッド エッジ適応画像拡大強化システム及び方法
US8655061B2 (en) 2011-08-15 2014-02-18 Fuji Xerox Co., Ltd. Image processing apparatus and image processing method for performing a convolution operation

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