JP2002008935A - 希土類磁石の製造方法 - Google Patents

希土類磁石の製造方法

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JP2002008935A JP2000326482A JP2000326482A JP2002008935A JP 2002008935 A JP2002008935 A JP 2002008935A JP 2000326482 A JP2000326482 A JP 2000326482A JP 2000326482 A JP2000326482 A JP 2000326482A JP 2002008935 A JP2002008935 A JP 2002008935A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料粉末の酸素含有量を低減しながら発熱・
発火の危険を避け、希土類磁石の磁石特性を向上させ
る。 【解決手段】 酸素含有量4000質量ppm以下の希
土類合金粉末を乾式プレス法によって圧縮成形し、それ
によって成形体20を作製するプレス工程と、成形体2
0の表面から有機溶剤21を成形体に含浸させる工程
と、成形体20を焼結させる工程とを包含する。成形体
20の形成後に成形体表面に有機溶剤21を含浸させる
結果、希土類元素の酸化が効率的に抑制され、発火を防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類磁石の製造
方法に関する。より詳細には、酸素含有量を低減した希
土類合金粉末を用いて磁気特性に優れた希土類焼結磁石
を製造する方法に関している。
【0002】
【従来の技術】R−Fe−B系希土類磁石(RはYを含
む希土類元素)は、主にR2Fe14Bの正方晶化合物か
らなる主相、Nd等からなるRリッチ相、およびBリッ
チ相から構成されている。R−Fe−B系希土類磁石で
は、主相であるR2Fe14Bの正方晶化合物の存在比率
を増加させれば、その磁気特性が向上する。
【0003】Rリッチ相は液相焼結させるために最低量
は必要であるが、Rは雰囲気中の酸素と反応し、R23
なる酸化物を作るため、Rの一部は焼結に役立たない部
分に消費されてしまう。このため、酸化によって消費さ
れる分だけ余分のRが必要であった。R23なる酸化物
の生成は、雰囲気中の酸素濃度が高いほど顕著になる。
そのため、これまでにも粉末作製時における雰囲気中の
酸素量を低減させることによってR23の生成を抑制
し、これによって焼結磁石の磁気特性を向上させること
が検討されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、R−Fe
−B系磁石の製造に用いるR−Fe−B系合金粉末の酸
素量は少ないことが好ましい。しかしながら、R−Fe
−B系合金粉末の酸素量を低減することによって磁石特
性を改善する方法は、量産化技術としては実現しなかっ
た。その理由は、酸素濃度を低く管理した環境下でR−
Fe−B系合金粉末を作製し、合金粉末の酸素量を例え
ば4000質量ppm以下に落とすと、粉末が大気中の
酸素と激しく反応し、常温でも数分で発火するおそれが
あったためである。また、水素吸蔵法によって粉砕する
と合金の希土類リッチ部分から割れていくため、粉砕粉
の表面に希土類元素が露出することが多くなる。そのた
め、よりいっそう発火が生じやすくなる。
【0005】従って、磁気特性を向上させるためにはR
−Fe−B系合金粉末中の酸素量を低減することが望ま
しいことが理解されていても、実際には、含有酸素濃度
を低くしたR−Fe−B系合金粉末を工場などの生産現
場で取り扱うことは極めて困難であった。
【0006】特に粉末を圧縮成形するプレス工程におい
ては、圧縮に伴う粉末同士の摩擦熱や、成形体取り出し
時に粉末とキャビティ内壁面との間で生じる摩擦熱によ
って、成形体の温度が上昇するため、発火の危険性が高
い。この発火を防止する目的で、プレス装置の周辺を非
酸素雰囲気とすることも考えられるが、原料の供給や成
形体取り出しが困難となるため実用的でない。また、成
形体をプレス装置から取り出すごとに、個々の成形体を
速やかに焼結すれば、発火の問題は回避できるかもしれ
ないが、それは極めて効率の悪い方法であり、量産化に
は向いていない。また、プレスから焼結工程までの間、
成形体を極低酸素濃度の雰囲気下で管理することも量産
設備では困難である。
【0007】なお、プレス工程前の微粉末に対して脂肪
酸エステルなどの液体潤滑剤を添加し、粉末の圧縮性ま
たは成形性を向上させることが行われている。このよう
な液体潤滑剤の添加によって、粉末粒子の表面には薄い
油性被膜が形成されるが、酸素濃度が4000質量pp
m以下の粉末の酸化を充分に防止することはできなかっ
た。
【0008】以上の理由から、R−Fe−B系合金を粉
砕するとき、意図的に雰囲気中へ微量酸素を導入し、そ
れによって微粉砕粉の表面を薄く酸化し、反応性を低下
させることが行われている。例えば、特公平第6−67
28号公報には、所定量の酸素を含有した超音速不活性
ガス気流によって希土類合金を微粉砕するとともに、粉
砕によって生まれた微粉末の粒子表面に薄く酸化被膜を
形成するという技術が開示されている。この技術によれ
ば、大気中の酸素は粉末粒子表面の酸化被膜によって遮
断されるため、酸化による発熱・発火が防止できる。た
だし、粉末粒子の表面に酸化被膜が存在するため、粉末
に含有される酸素量は増大してしまうことになる。従っ
て、焼結後の焼結体が含有する酸素量が増加(すなわ
ち、希土類酸化物の量が増加)し、得られる焼結磁石の
磁気特性が劣化し得る。
【0009】これに対して、特開平10−321451
号公報には、低酸素量のR−Fe−B系合金粉末を鉱物
油等に混合することによってスラリー化し、このスラリ
ーを用いて成形体を作製する技術(湿式成形法)が開示
されている。スラリー中の粉末粒子は大気と接触しない
ため、R−Fe−B系合金粉末の含有酸素量を低くしな
がら、発熱・発火を防止することができる。
【0010】なお、フェライト磁石を作製する場合にお
いても湿式成形法が広く採用されている。フェライト磁
石の製造では、スラリーを作製するために水を用いる。
これに対し、R−Fe−B系磁石では粉末と水とが反応
を起こすため水を用いることが困難であり、このため、
上述のように鉱物油などの油剤が用いられる。R−Fe
−B系磁石では、スラリーにした後、スラリーから揮発
する油剤の量を少なくするために、比較的揮発性の低い
鉱物油等が用いられることが多い。
【0011】しかしながら、上記従来技術によれば、ス
ラリー状のR−Fe−B系合金粉末をプレス装置のキャ
ビティ内に充填した後、油分を絞り出しながらプレス工
程を実行する必要があるため、生産性が低い。
【0012】また、R−Fe−B系焼結磁石では、磁石
中に含まれる炭素量が増加すると磁気特性が低下するこ
とが知られている。従って、焼結後に優れた磁気特性を
有する希土類磁石を得るためには、上記スラリーを形成
するために用いた油剤を揮発させるために高温での脱油
工程を行う必要がある。しかし、上記従来技術では、成
形体作製後、成形体全体にわたって油剤が残存してお
り、その量も多いため、脱油工程に要する時間が長くな
る。このため、生産性が低くなるという問題が生じる。
【0013】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、低酸素濃度の希土類合金粉末
を用いながら安全かつ効率的に希土類磁石を製造する方
法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によるR−Fe−
B系希土類磁石の製造方法は、酸素含有量4000質量
ppm以下の希土類合金粉末を乾式プレス法によって圧
縮成形し、それによって成形体を作製するプレス工程
と、前記成形体の表面から油剤を前記成形体に含浸させ
る工程と、前記成形体を焼結させる工程とを包含する。
【0015】前記希土類合金粉末の平均粒径を10μm
以下とすることが好ましい。
【0016】前記希土類合金粉末は、前記成形体を作製
するためのプレス装置のキャビティに充填されるまで、
酸素濃度5000体積ppm以下の不活性雰囲気ガス中
に置かれることが好ましい。
【0017】前記油剤は、20℃で8Pa以上の蒸気圧
を有することが好ましい。前記油剤は揮発油であっても
よい。
【0018】前記含浸工程の後、前記油剤の揮発によっ
て、前記成形体の温度を少なくとも一時的に低下させる
ようにしてもよい。
【0019】前記油剤は、炭化水素系溶剤から構成され
ていることが好ましい。さらに好ましくは、イソパラフ
ィンなどの飽和炭化水素系溶剤から構成される。
【0020】前記プレス工程前において、前記希土類合
金粉末に潤滑剤が添加されることが好ましい。
【0021】前記成形体を焼結させる前に前記油剤を実
質的に除去する油剤除去工程を行った場合、前記油剤除
去工程の後、焼結までのあいだ、前記成形体を大気に接
触させないことが好ましい。
【0022】前記油剤除去工程は、減圧下で100℃〜
600℃で、0.1〜8.0時間行われることが好まし
い。
【0023】好ましい実施形態では、前記プレス工程の
後、前記成形体の表面温度を測定し、前記表面温度が予
め設定されたレベル以上の場合には前記成形体に油剤を
含浸させず、前記表面温度が予め設定されたレベルを下
回る場合に、前記成形体に油剤を含浸させることが好ま
しい。この場合、赤外線温度測定器を用いて前記成形体
の表面温度を測定することが好ましい。また、前記表面
温度が予め設定されたレベル以上の成形体を密閉可能な
回収箱内に収納することが好ましい。
【0024】好ましい実施形態では、前記成形体を出し
入れするための開口部と前記開口部を閉じる得るシャッ
ターとを備えた含浸槽を用いて含浸工程を実行する。
【0025】前記油剤を蓄える複数の含浸槽を用い、所
定個数の成形体を個々の含浸槽に分けて含浸工程を実行
するようにしてもよい。
【0026】前記含浸槽には前記油剤を冷却する冷却器
が備え付けられていることが好ましい。
【0027】好ましい実施形態では、前記油剤の温度を
測定する温度測定器が前記含浸槽に取り付けられてい
る。
【0028】好ましい実施形態では、前記含浸工程の
後、焼結前に前記成形体を不活性雰囲気中にて焼結台板
上に配置する。このようにする代わりに、前記含浸工程
の後、焼結前に前記成形体を不活性雰囲気中にて焼結ケ
ース内に収納してもよい。
【0029】本明細書において、「油剤」は疎水性の液
体であり、炭化水素系溶剤や潤滑剤などを含む。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明による希土類磁石の
製造方法の一実施形態を詳細に説明する。
【0031】まず、R(但しRはYを含む希土類元素の
うち、少なくとも1種):10原子%〜30原子%、
B:0.5原子%〜28原子%、残部:Fe、および不
可避的不純物を含有するR−Fe−B系合金の溶湯を作
製する。ただし、Feの1部をCo、Niの1種または
2種にて置換してもよいし、Bの一部をCで置換しても
良い。本発明によれば、酸素含有量を低減し、希土類元
素Rの酸化物生成を抑制できるため、希土類元素Rの量
を必要最小限度に低く抑えることが可能である。なお、
本実施形態で用いるR−Fe−B系合金の組成としては
米国特許第4,770,723号、米国特許第4,79
2,368号に記載のものが適用できる。
【0032】次に、この合金溶湯をストリップキャスト
法(またはメルトスピニング法)などの適切な急冷法に
よって102〜104℃/秒の冷却速度で厚さ0.03m
m〜10mmの薄板状に急冷凝固する。そして、Rリッ
チ相が5μm以下の微細なサイズで分散した組織を有す
る鋳片に鋳造した後、鋳片を容器に収容し、これを吸排
気可能なチャンバ内に収容する。チャンバ内を真空引き
した後、チャンバ内に圧力0.03MPa(メガパスカ
ル)〜1.0MPaのH2ガスを供給し、崩壊合金粉を
形成する。この崩壊合金粉は、脱水素処理後、不活性ガ
ス気流中で微粉砕される。
【0033】本発明で使用する磁石材料の鋳片は、特定
組成の合金溶湯を単ロール法または双ロール法によるス
トリップキャスト法によって急冷することで好適に製造
される。作製する鋳片の板厚に応じて、単ロール法と双
ロール法とを使い分けることができる。鋳片が厚い場合
は双ロール法を用いることが好ましく、薄い場合は単ロ
ール法を用いることが好ましい。また、ストリップキャ
スト法以外の急冷法として、遠心鋳造法も採用できる。
このように急冷法によって作製された合金を使用する
と、主相の粒径が均一で微細となるため、インゴット法
によって作製された同一組成の合金を使用するのに比べ
て得られる永久磁石の保磁力を向上させることができ
る。
【0034】鋳片(フレーク状合金)の厚さが0.03
mm未満になると急冷効果が大きくなるため、結晶粒径
が小さくなりすぎるおそれがある。結晶粒径が小さすぎ
ると、粉末化されたときに粒子個々が多結晶化し、結晶
方位を揃えられなくなるため、磁気特性の劣化を招来す
る。逆に鋳片の厚さが10mmを超えると、冷却速度が
遅くなるため、α−Feが晶出しやすく、Ndリッチ相
の偏在も生じる。
【0035】水素吸蔵処理は、例えば、次のようにして
行われ得る。すなわち、所定の大きさに破断した鋳片を
原料ケース内に挿入した後、原料ケースを密閉可能な水
素炉に装入し、その水素炉を密閉する。次に、その水素
炉内を十分に真空引きした後、圧力が30kPa〜1.
0MPaの水素ガスを炉内に供給し、鋳片に水素を吸蔵
させる。水素吸蔵反応は発熱反応であるため、炉の外周
には冷却水を供給する冷却配管を周設して炉内の昇温を
防止することが好ましい。水素の吸収吸蔵によって鋳片
は自然崩壊して脆化(一部は粉化)する。
【0036】水素吸蔵処理を受けた合金を冷却した後、
真空中で加熱することによって脱水素処理を行う。脱水
素処理によって得られた合金粉末の粒内には微細亀裂が
存在するため、その後に行うボール・ミル、ジェットミ
ル等で短時間で微粉砕され、所定の粒度分布を持った合
金粉末を作製することができる。水素粉砕処理の好まし
い態様については、特開平7−18366号公報に開示
されている。
【0037】上述の微粉砕は、不活性ガス(例えば、N
2やArなど)を用いたジェット・ミルによって行うこ
とが好ましいが、有機溶媒(例えば、ベンゼンやトルエ
ン等)を用いたボールミルやアトライターによって行っ
ても良い。
【0038】以上の粉砕工程に際して、粉末に含有され
る酸素の量が低く抑えられるように雰囲気ガス中の酸素
濃度を低く(例えば5000体積ppm以下)に管理す
ることが好ましい。
【0039】また、原料合金の粉末には脂肪酸エステル
などを主成分とする液体潤滑剤やバインダを添加するこ
とが好ましい。添加量は例えば0.15〜5.0質量%
である。脂肪酸エステルとしては、カプロン酸メチル、
カプリル酸メチル、ラウリン酸メチルなとが挙げられ
る。重要な点は、後の工程で潤滑剤が揮発し、除去され
得ることにある。また、潤滑剤それ自体が合金粉末と均
一に混合しにくい固形状のものである場合は、溶剤で希
釈して用いれば良い。溶剤としては、イソパラフィンに
代表される石油系溶剤やナフテン系溶剤等を用いること
ができる。潤滑剤添加のタイミングは任意であり、微粉
砕前、微粉砕中、微粉砕後の何れであっても良い。液体
潤滑剤は、粉末粒子の表面を被覆し、粒子の酸化防止効
果を発揮するとともに、プレスに際して成形体の密度を
均一化し、配向の乱れを抑制する機能を発揮する。
【0040】次に、図1に示すプレス装置を用いて、磁
界配向と圧縮成形とを行う。図1の装置10は、貫通穴
を有するダイ1と、ダイ1の貫通穴を上下方向から挟み
込むパンチ2および3とを備えている。原料粉末4は、
ダイ1、および下パンチ2によって形成される空間(キ
ャビティ)内に充填され、下パンチ2と上パンチ3との
間隔が減少することによって圧縮成形される(プレス工
程)。図1のプレス装置10は、磁界配向を行うために
コイル5および7を備えている。
【0041】粉末4の充填密度は、磁界配向を可能に
し、かつ、磁界除去後に磁粉の配向に乱れが生じにくく
なる範囲内に設定される。本実施形態の場合、充填密度
を真密度の例えば30〜40%とすることが好ましい。
【0042】粉末充填後、粉末4が充填されている空間
に配向磁界を形成し、粉末4の磁界配向を実行する。磁
界の向きとプレス方向とを一致させる平行磁界成形の場
合だけではなく、磁界の向きとプレス方向とを垂直にす
る垂直磁界成形の場合でも効果を奏する。なお、後述す
る油剤含浸工程において油剤を含浸した成形体が十分な
強度を有するように、成形体密度は3.6〜4.8g/
cm3に設定されることが望ましい。
【0043】成形体は、図1のプレス装置10から取り
出された後、速やかに有機溶剤などの油剤による含浸処
理を受ける。図2は含浸処理工程の様子を示す図面であ
る。本実施形態では、成形体20に含浸させる溶剤とし
て、イソパラフィンなどの飽和炭化水素系溶剤を使用す
る。この有機溶剤21を図2に示すような溶剤槽22に
入れ、成形体20を溶剤槽22内の有機溶剤21中に浸
漬する。有機溶剤21は成形体20の表面(成形体の外
形で規定される面(外面))から成形体内に含浸され、
これにより、成形体20が有機溶剤によって実質的に覆
われるため、成形体20が大気中に酸素と直接接触する
ことが抑制される。その結果、成形体20を大気中に放
置しても短時間で発熱・発火するおそれは大きく減じら
れる。
【0044】この含浸工程において、成形体を構成する
粉末粒子の全ての表面が有機溶剤(油剤)によって覆わ
れる必要はない。少なくとも成形体の表面領域における
粉末粒子の表面を油剤によって実質的に覆うことで、成
形体の周囲に存在する酸素と成形体との反応を防止し得
る。
【0045】また、上記含浸工程では、粉末粒子の表面
を実質的に覆えばよく、油剤によって成形体中の気泡を
満たす必要はない。
【0046】成形体20を有機溶剤21中に浸す時間
(浸漬時間)は0.5秒以上であれば十分である。浸漬
時間が長くなると、成形体中に含まれる有機溶剤の量が
増えるが、これによって成形体が崩れるなどの問題は生
じない。従って、焼結工程を開始するまでの間、成形体
を有機溶剤中に浸しつづけても良いし、また、含浸工程
を複数回繰り返しても良い。
【0047】含浸処理に用いる有機溶剤としては、成形
性や配向度の向上を目的として粉末に添加される液体潤
滑剤と同様の材料を用いることができる。ただし、表面
酸化防止機能を持つ有機溶剤であることが必要であるた
め、イソパラフィンに代表される石油系溶剤やナフテン
系溶剤、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、ラウリ
ン酸メチルなどの脂肪酸エステル、高級アルコール、高
級脂肪酸などが特に好ましいと考えられる。
【0048】含浸処理に用いる有機溶剤としては、上述
のような飽和炭化水素系溶剤に限らず、α−ピネン、シ
クロブテン、シクロヘキセン、ジエチルベンゼンなどか
ら形成される不飽和炭化水素系溶剤を用いることもでき
る。ただし、不飽和炭化水素系溶剤は、粉砕工程を経て
活性な表面が露出した状態の粉体と反応する可能性があ
るため、飽和炭化水素系溶剤を用いることが好ましい。
【0049】含浸処理の後、成形体20は、予熱工程
(脱油工程)、焼結工程、時効処理工程などの公知の製
造プロセスを経て最終的に永久磁石製品となる。油剤成
分に含まれる炭素(C)は、希土類磁石の磁気特性を劣
化させるため、成形体20に含浸させる油剤は、予熱工
程および焼結工程に際して成形体から離脱するものが選
択される。そのため、油剤が磁石特性に悪い影響を及ぼ
すことは無い。油剤は、好適には、20℃で8Pa以上
の蒸気圧を有する。焼結前の予熱工程などによって油剤
が揮発した後は、その成形体を大気に接触させることな
く、酸素濃度の低い環境下に置くことが必要である。こ
のため、予熱工程や焼結工程を行う炉は連結し、成形体
が大気と直接に接触しないようにして炉間を移動させる
ことが好ましい。また、連続炉とすることが望ましい。
【0050】なお、上記のような有機溶剤を用いた場
合、これらの有機溶剤中の炭素は比較的除去され易いた
め、炭素の除去を促進する水素などを予熱工程において
用いる必要性がない。従って、鉱物油を使用する場合に
比べて脱油処理を短時間で行うことが可能となり、生産
性が向上する。
【0051】また油剤は、上述のように予熱工程や焼結
工程などにおいて成形体から除去される。油剤の除去の
ためには、減圧下で100〜600℃で0.1〜8.0
時間のあいだ成形体を加熱することが好ましい。
【0052】なお、本実施形態では、原料合金をストリ
ップキャスト法(例えば米国特許第5,383,978
号に記載)によって作製する例を説明したが、他の方法
(例えばインゴット法、直接還元法、アトマイズ法、遠
心鋳造法)によってもよい。
【0053】次に、図5を参照しながら、本発明による
希土類磁石の製造方法の他の実施形態を説明する。図5
は、本実施形態で使用するプレス装置(プレス機)1
0、含浸槽42、焼結ケース58などを示している。本
実施形態において、プレス装置10によって作製された
成形体20は、温度検出部30へと送られる。この温度
検出部30には赤外線温度測定器32が設けられてお
り、この測定器32がプレス後における成形体20の表
面温度を測定する。赤外線温度測定器32を用いれば、
成形体20に直接触れることなく迅速容易に温度測定を
行うことができる。
【0054】温度測定器32によって測定された成形体
20の表面温度が予め設定されたレベル(例えば40℃
または45℃)以上の場合、そのような成形体20は、
油剤を含浸させられることなく排除装置(例えば、ロボ
ットアーム)34によって回収箱36へ廃棄される。回
収箱36は、好適には開閉可能な密封容器から構成され
ており、成形体20の搬送経路の近傍に配置されること
が好ましい。このような構成にすれば、例えば廃棄され
た成形体20’が発火した場合でも、その成形体20’
を回収箱36内に密封して周囲の大気(酸素や水蒸気)
から遮断することによって、これを鎮火することができ
る。また、発火した成形体20’の鎮火をさらに容易に
するために、回収箱36の内部を窒素ガスなどの不活性
ガスで満たすようにしてもよい。
【0055】一方、測定された成形体20の表面温度が
設定されたレベルを下回る場合、成形体20は、排除装
置34によって廃棄されることなく、油剤含浸部40へ
送られる。油剤含浸部40には、油剤41を収容した含
浸槽42が設けられている。この含浸槽42の上面にお
ける両端部には、シャッター44によって開閉可能にさ
れた開口部42aが各々設けられている。これにより、
含浸槽42は、その内部に成形体20を出し入れでき、
かつ、槽内を実質的に密閉し得る。含浸槽42の内部に
は、油剤41を冷却するための冷却器48が設けられて
おり、油剤温度が発火の危険性の高いレベルには上昇し
ないよう制御される。また、含浸槽内を不活性雰囲気と
すれば、より安全に作業を行うことができる。
【0056】油剤含浸部40へ送られた成形体20は、
含浸槽42の一端側の開口部42aから槽内へと延びる
下降ベルト46aによって油剤41中に浸漬される。油
剤41中に浸漬された成形体20は、次に並進ベルト4
6bによって油剤41中を移動させられ、この移動中に
おいて表面から油剤41を含浸する。次に、この成形体
20は、槽内から他端側の開口部42aへと延びる上昇
ベルト46cによって油剤41から引き上げられ、槽外
へと取り出される。
【0057】この含浸工程において、含浸槽42内の油
剤41には、約40℃程度の成形体20が順次浸漬され
る。これにより、油剤41の温度は徐々に上昇し、それ
に伴って油剤41の一部は気化するおそれがある。気化
した油剤41が槽外に放出されることを抑止するため、
含浸槽42の開口部42aをシャッター44によって閉
じることができる。また、上述の温度上昇によって油剤
41が発火した場合でも、シャッター44を用いて開口
部42aを閉じるようにすれば、槽内に炎を閉じ込める
ことができるので安全性が高い。また、含浸槽内を不活
性雰囲気とすれば、より効果的に成形体および油剤の発
火を抑制することができる。
【0058】さらに、冷却器48を適切に作動させれ
ば、成形体20によって油剤41の温度が上昇する場合
にも、これを所定の温度(例えば、ほぼ室温程度)に維
持することができる。油剤41の温度をモニタリングす
るためには、含浸槽42の内部に油剤温度を測定する温
度計を備えつけることが好ましい。この温度計によって
測定された油剤温度に基づいて、冷却器48の動作を自
動的に制御するようにしてもよい。
【0059】このような含浸工程を経たあと、油剤41
を含浸した成形体20は、その後の成形体20の焼結工
程の準備を行うための焼結準備部50へ送られる。焼結
準備部50は、好適には囲い(パーティション)52に
よって実質的に外気と遮断された空間内に設けられてい
る。この焼結準備部50において、成形体20は載置装
置(例えばロボットアーム)54によって、焼結台板5
6上に所望の配置で載置される。その後、所定数の成形
体20が載置された焼結台板56は、焼結ケース58内
に収容される。
【0060】この焼結準備工程において、囲い52の内
部には開口部52aを介して例えばアルゴンなどの不活
性ガスが供給されている。焼結台板56や焼結ケース5
8への成形体20の載置を不活性雰囲気中で行えば、成
形体20の酸化を抑制することができる。
【0061】本実施形態によれば、発火した成形体、ま
たは、発火に至る直前の成形体を含浸槽に投入すること
を防止できる。このため、含浸槽内の油剤が過度に熱さ
れることがなく、油剤が引火される危険を避けることが
できる。酸素濃度の低い希土類合金粉末をプレス成形す
る場合は、成形体をプレス装置のダイから抜き出した
後、最も発熱・発火の可能性が強まるが、本実施形態に
よれば、油剤引火を確実に防止し、含浸工程を安全に遂
行することが可能になる。
【0062】次に、図6を参照しながら、本発明による
希土類磁石の製造方法の更に他の実施形態を説明する。
本実施形態でも、図5に示した形態と同様に、赤外線温
度測定器32によって測定された成形体20の表面温度
が予め設定されたレベル(例えば50℃)以上の場合、
成形体20に油剤61を含浸させることなく、その成形
体20を回収箱36へ廃棄し、測定された表面温度が予
め設定されたレベルを下回る場合には、成形体20に油
剤61を含浸させる工程を実行する。ただし、本実施形
態は、油剤含浸部60において複数の含浸槽62を使用
している点で、図5に示した実施形態とは異なる。
【0063】成形体20の回収箱36への廃棄および油
剤含浸部60へ移送は、ロボットアーム等を用いて構成
された排除/投入装置70によって実行される。排除/
投入装置70は、測定器32によって測定された表面温
度が設定されたレベルを下回る場合のみ、その成形体2
0をいずれかの含浸槽62内に貯められた油剤61中に
浸漬させるように動作する。
【0064】この複数の含浸槽62は、略水平面内を循
環するロータリー形式のコンベア66上に載置されてい
る。また、含浸槽62のそれぞれにはシャッター64が
設けられている。含浸槽62は、シャッター64を開け
た状態で開口部62aから投入された成形体20を収容
する。なお、図6には1個の含浸槽62に対し、1個の
成形体を収容させた例が示されているが、1個の含浸槽
62に対し複数個の成形体を収容させてもよい。また、
成形体20を収容した含浸槽62は、シャッター64を
閉じた状態でコンベア66上を移動させられ、この移動
中において成形体20は油剤61を吸収する。含浸後、
シャッター64を開けて開口部62aから成形体20を
取り出し、焼結台板56上に載置する。この取り出し工
程は、例えば図に示すようなロボットアームを備えた取
り出し/載置装置72によって実行される。焼結台板5
6上に載置された成形体20は焼結ケース58に収納さ
れ、その後、公知の焼結工程が実行されることになる。
【0065】本実施形態によれば、成形体20の出し入
れ時以外、開口部62aをシャッター64によって閉じ
ておくことが可能であるため、気化した油剤が含浸槽6
2の外部に放出されにくく、また、仮に含浸槽62内の
油剤に引火した場合でも槽内に炎を閉じこめることが容
易である。さらに、本実施形態によれば、比較的小さい
寸法で形成された複数の含浸槽62に分割して成形体2
0の含浸工程を行うので、複数の含浸槽62のうちの何
れかの油剤に引火した場合でも、その影響が他の含浸槽
62に及ばず、安全性がいっそう向上することになる。
なお、油剤の温度を安全な範囲内に確実に制御するため
には、各含浸槽61の内側に冷却器(不図示)を設ける
ことが好ましい。
【0066】以上、比較的大型の焼結ケース58内に複
数の成形体20を収納する例について本発明の実施形態
を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。例えば、より小型の箱状焼結パック内に成形体2
0を収納した後、複数の終結パックを重ねた状態で焼結
炉内に搬入するようにしてもよい。また、成形体20を
焼結台板56上に配置した後、特に密閉することなく焼
結炉内に搬入するようにしてもよい。ただし、何れの場
合も、成形体を焼結台板56に搭載する工程は不活性雰
囲気下で行うことが好ましい。
【0067】<実施例>まず、Nd+Pr(30.0質
量%)−Dy(1.0質量%)−B(1.0質量%)−
Al(0.1質量%)−Fe(残部)の組成を有する合
金の溶湯を高周波溶解炉によって作製した。ロール式ス
トリップキャスターを用いて上記溶湯を冷却し、厚さ
0.3〜0.5mm程度の薄板状鋳片(フレーク状合
金)を作製した。このフレーク状合金の含有酸素濃度は
150質量ppmだった。
【0068】次に、フレーク状合金をケース内に収容
し、これを水素炉内に収容した。その炉内を真空引きし
た後、水素脆化を行うために炉内に水素ガスを2時間供
給した。炉内の水素分圧は200kPaとした。フレー
クが水素吸蔵による自然崩壊を起こした後、加熱しなが
ら真空引きし、脱水素処理を施した。そして炉内にアル
ゴンガスを導入し、室温まで冷却した。合金温度が20
℃まで冷却された時点で水素炉から取り出した。この段
階で、合金の酸素含有量は1000質量ppmだった。
【0069】その後、粉砕室内の酸素濃度が0.5体積
%(5000体積ppm)以下となるように管理された
ジェットミルによって粉砕を行い、平均粒径が4.4μ
mの粉末(原料1)と平均粒径が4.0μmの粉末(原料
2)を作製した。本実施形態では、このように酸素濃度
を低く管理した雰囲気中で微粉砕を行うことによって、
表面酸化の抑制された微粉砕粉を作製した。原料1の含
有酸素濃度は約3000質量ppm、原料2の含有酸素
濃度は約2000質量ppmであり、何れも、含有酸素
濃度が3000質量ppm以下となった。なお、本明細
書中における「平均粒径」とは、質量中位径(メジアン
径)を指すものとする。
【0070】次に、ロッキングミキサを用い、上記の微
粉砕粉(原料1および2)に対して0.4質量%の液体
潤滑剤を添加した。この潤滑剤は、カプロン酸メチルを
主成分とするものであった。
【0071】次に、図1に示す装置を用い、乾式プレス
法によって上記粉末から成形体を作製した。ここでいう
「乾式」とは、本実施例のように粉末が比較的少量の潤
滑剤(油剤)を含有する場合をも広く包含し、油剤を搾
り出す工程が不要なものを言う。
【0072】上記の原料1から2個の成形体を作製し、
原料2からは1個の成形体を作成した。成形体のサイズ
は、何れも30mm×50mm×30mmとし、成形体
密度は、4.3〜4.4g/cm3とした。
【0073】次に、成形体の表面から油剤を成形体に含
浸させるための工程を行った。油剤としてはイソパラフ
ィンを用いた。この油剤に成形体の全体を2秒間浸漬し
た。
【0074】液剤から取り出した成形体を室温の大気中
に放置し、成形体の温度を測定した。成形体中の希土類
元素が酸化すると、発熱が生じるため、成形体温度によ
って酸化の進行程度を評価することが可能である。
【0075】図3は、大気中での放置時間と成形体温度
との関係を示すグラフである。大気温度は室温(25
℃)で、湿度は40%だった。図3からわかるように、
成形体温度は含浸処理直後において40℃以下であり6
00秒経過後においても50℃を下回ったままであっ
た。また、成形体温度の上昇は約2000秒経過後に停
止した。成形体温度の最高値は70℃程度に過ぎず、成
形体を大気雰囲気中に長時間放置したとしても発火のお
それは無かった。
【0076】また、含浸処理後、成形体温度が一時的に
(2〜3分間程度)低下していることもわかった。これ
は、成形体から油剤が揮発し、気化熱により成形体が冷
却されたためである。油剤としては、揮発油を用いても
よい。
【0077】次に、油剤で表面が覆われた状態の成形体
に対して、250℃で2時間の予熱工程を行った後、1
040℃で6時間の焼結処理を行った。
【0078】このようにして作製した焼結磁石につき、
種々の磁気特性を評価した。原料1から作製した焼結磁
石の場合、酸素含有量は3100質量ppm、残留磁束
密度Brは1.41T、最大磁気エネルギー積(BH)
maxは380kJ/m、保磁力HcJは1000kA/m
であった。また、原料2から作製した焼結磁石の場合、
酸素含有量は2200質量ppm、残留磁束密度Brは
1.43T、最大磁気エネルギー積(BH)maxは39
7kJ/m、保磁力HcJは1000kA/mであった。
【0079】原料1から作製した焼結磁石と原料2から
作製した焼結磁石について磁気特性を比較すると、酸素
含有量の低減によって磁気特性が向上することがわか
る。
【0080】なお、成形体に油剤を含浸させる方法とし
ては、本実施例の方法に代えて、スプレィ法や刷毛塗り
法などを採用しても同様の効果が発揮される。
【0081】また、本発明で用いる希土類磁石の原料組
成も上記実施例の組成に限定されないことは言うまでも
無く、大気中での酸化反応によって発熱・発火の危険が
ある低酸素濃度希土類合金の粉末に対して本発明は広く
適用可能である。
【0082】<比較例>比較例として、上記実施例と同
様にして原料1と原料2から、それぞれ成形体を作製し
た。図4は、原料1から作成した比較例1と原料2から
作成した比較例2について、放置時間と成形体温度との
関係を示している。
【0083】実施例と比較例との差異は、比較例におい
ては油剤による含浸工程を行わなかった点にある。この
ため、比較例1の場合、図4のグラフに示すように、プ
レス直後から成形体温度は上昇し続け、600秒経過前
に90℃にも達したため、発火の危険が生じた。酸化に
よって発生した熱は周囲の粉末の酸化を促進するため、
いったん酸化が始まり出すと成形体の温度は急激に上昇
し、発火の危険性が著しく高まる。このような成形体
は、酸素濃度を比較的に低くした雰囲気ガスのケース内
に収納した場合でも、ケース内で徐々に酸化されつづ
け、成形体の内部で熱を蓄積してゆくと考えられる。そ
のため、やがては急激に発熱し、発火に至る危険性があ
る。
【0084】酸素濃度が約2000質量ppm以下の比
較例2の場合、成形体はプレス装置から取り出して約2
分経過後に大気中で発火した。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、原料粉末の酸素含有量
を低減しながら発熱・発火の危険を避けることが可能に
なるため、安全かつ実用的に磁石の主相量を増加させ、
希土類磁石の磁石特性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性粉末の成形に好適に用いられるプレス装置
の概略構成を示す、断面図である。
【図2】本発明の一実施形態における含浸工程を示す図
である。
【図3】本発明の実施例について、含浸処理後の経過時
間と成形体温度との関係を示すグラフである。
【図4】比較例について、プレス装置から成形体を取り
出してからの経過時間と成形体温度との関係を示すグラ
フである。
【図5】本発明の他の実施形態で使用するプレス装置、
含浸槽、焼結ケースなどを示す図面である。
【図6】本発明の更に他の実施形態で使用するプレス装
置、含浸槽、焼結ケースなどを示す図面である。
【符号の説明】
1 ダイ 2 下パンチ 3 上パンチ 4 原料粉末 5 コイル 7 コイル 10 プレス装置 20 成形体 21 有機溶剤 22 溶剤槽 30 温度検出部 32 赤外線温度測定器 34 排除装置 36 回収箱 40 油剤含浸部 41 油剤 42 含浸槽 42a 開口部 44 シャッター 46b 並進ベルト 46c 上昇ベルト 48 冷却器 50 焼結準備部 52 囲い 52a 開口部 54 載置装置 56 焼結台板 58 焼結ケース

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素含有量4000質量ppm以下の希
    土類合金粉末を乾式プレス法によって圧縮成形し、それ
    によって成形体を作製するプレス工程と、 前記成形体の表面から油剤を前記成形体に含浸させる工
    程と、 前記成形体を焼結させる工程とを包含するR−Fe−B
    系希土類磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記希土類合金粉末の平均粒径を10μ
    m以下とする請求項1に記載のR−Fe−B系希土類磁
    石の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記希土類合金粉末は、前記成形体を作
    製するためのプレス装置のキャビティに充填されるま
    で、酸素濃度5000体積ppm以下の不活性雰囲気ガ
    ス中に置かれる請求項1に記載のR−Fe−B系希土類
    磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記油剤は、20℃で8Pa以上の蒸気
    圧を有する請求項1に記載のR−Fe−B系希土類磁石
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記含浸工程の後、前記油剤の揮発によ
    って、前記成形体の温度を少なくとも一時的に低下させ
    る請求項4に記載のR−Fe−B系希土類磁石の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記油剤は、炭化水素系溶剤から構成さ
    れている請求項1に記載のR−Fe−B系希土類磁石の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記油剤は、飽和炭化水素系溶剤から構
    成されている請求項6に記載のR−Fe−B系希土類磁
    石の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記プレス工程前において、前記希土類
    合金粉末に潤滑剤が添加される請求項1に記載のR−F
    e−B系希土類磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記成形体を焼結させる前に前記油剤を
    実質的に除去する油剤除去工程を行い、前記油剤除去工
    程の後、焼結までのあいだ、前記成形体を大気に接触さ
    せない請求項1から8の何れかに記載のR−Fe−B系
    希土類磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記油剤除去工程は、減圧下におい
    て、100℃〜600℃の温度範囲内で0.1〜8.0
    時間行われる請求項9に記載のR−Fe−B系希土類磁
    石の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記プレス工程の後、前記成形体の表
    面温度を測定し、前記表面温度が予め設定されたレベル
    以上の場合には前記成形体に油剤を含浸させず、前記表
    面温度が予め設定されたレベルを下回る場合には前記成
    形体に油剤を含浸させることを特徴とする請求項1から
    10の何れかに記載のR−Fe−B系希土類磁石の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 赤外線温度測定器を用いて前記成形体
    の表面温度を測定する請求項11に記載のR−Fe−B
    系希土類磁石の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記表面温度が予め設定されたレベル
    以上の成形体を密閉可能な回収箱内に収納することを特
    徴とする請求項11に記載のR−Fe−B系希土類磁石
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記成形体を出し入れするための開口
    部と前記開口部を閉じる得るシャッターとを備えた含浸
    槽を用いて含浸工程を実行することを特徴とする請求項
    1から13の何れかに記載のR−Fe−B系希土類磁石
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記油剤を蓄える複数の含浸槽を用
    い、所定個数の成形体を個々の含浸槽に分けて含浸工程
    を実行することを特徴とする請求項1から13の何れか
    に記載のR−Fe−B系希土類磁石の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記含浸槽には前記油剤を冷却する冷
    却器が備え付けられている請求項14または15に記載
    のR−Fe−B系希土類磁石の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記油剤の温度を測定する温度測定器
    が前記含浸槽に取り付けられている請求項14から16
    の何れかに記載のR−Fe−B系希土類磁石の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 前記含浸工程の後、焼結前に前記成形
    体を不活性雰囲気中にて焼結台板上に配置する請求項1
    から17の何れかに記載のR−Fe−B系希土類磁石の
    製造方法。
  19. 【請求項19】 前記含浸工程の後、焼結前に前記成形
    体を不活性雰囲気中にて焼結ケース内に収納する請求項
    1から18の何れかに記載のR−Fe−B系希土類磁石
    の製造方法。
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