JP2002005643A - 稼動中のコークス炉炭化室炉壁の変位測定方法 - Google Patents

稼動中のコークス炉炭化室炉壁の変位測定方法

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JP2002005643A JP2000187439A JP2000187439A JP2002005643A JP 2002005643 A JP2002005643 A JP 2002005643A JP 2000187439 A JP2000187439 A JP 2000187439A JP 2000187439 A JP2000187439 A JP 2000187439A JP 2002005643 A JP2002005643 A JP 2002005643A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象炭化室に隣接する炭化室を空室と
し、その空室の炉壁の変位を測定することにより、稼動
中(コークス窯出し中または石炭乾留中)のコークス炉
炭化室の炉壁の変位ないし動きを、炉上からの操作によ
って容易かつ精度良く測定する方法を提供すること、お
よびそのための装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 コークス窯出し中または石炭乾留中の炭
化室の炉壁の変位を測定する方法であって、稼動中の炭
化室である測定対象炭化室(1) に隣接する隣接炭化室
(2) を空室とし、その隣接炭化室(2) の測定対象炭化室
(1) 側の炉壁(4Y)の変位を光学的または直接接触的手段
により測定することにより、測定対象炭化室(1) の炉壁
(4X)の変位を知るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、稼動中、つまりコ
ークス窯出し中または石炭乾留中のコークス炉炭化室の
炉壁の変位ないし動きを、容易かつ精度良く測定する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コークス炉寿命の判断指標の一つとし
て、炭化室の壁(炉壁)の煉瓦の損傷状態を目安とする
ことがある。炉壁の損傷には煉瓦の摩耗、亀裂、角欠け
などがあるが、これらの損傷の進行により、炉壁を押す
力がかかったときに炉壁を構成する煉瓦の破孔が発生す
る。
【0003】この破孔の原因として、コークス押出時
(窯出し中)に炉壁にかかる圧力や、石炭乾留に際して
石炭がコークス化するときの膨張圧などがあげられる。
それらの圧力が加わった際に炉壁がどのように変形する
かを知ることは、炉壁の損傷状態把握および長寿命化の
ためのダメージ低減対策において重要である。
【0004】コークス炉炭化室の炉壁の損傷状態を知る
方法として、(イ)炭化室形状を測定する方法、(ロ)
炉体の膨張を測定する方法、(ハ)炉壁の観察(撮影)
などにつき、多数の出願がなされている。
【0005】上記(イ)の炭化室形状を測定する方法に
属するものとして、まず接触式の炭化室幅測長装置とし
て、たとえば特開昭57−53612号公報(本体、炭
化室の巾方向に延びる変位体、変位検出手段などを備え
たもの)がある。窯口から挿入する非接触式の炭化室幅
測定方法および装置としては、たとえば、特開昭62−
293112号公報(押出機のラムまたはラムビームに
非接触式距離計を設ける)、特開平3−269209号
公報(押出機のラムまたはラムビームに非接触式距離セ
ンサを設ける)、特開平5−180623号公報(窯口
からゾンデを挿入し、光源から光を投射し、両壁間の距
離を検出)、実開昭63−145840号公報(実公平
4−54208号公報に相当、押出機の作動部に光源を
設置し、炭化室壁面に投射し、撮像)がある。炉上から
の非接触式の炭化室幅測定方法および装置としては、た
とえば、特開昭63−191005号公報(光源から光
を出射し、反射させて炭化室壁面に投射)がある。
【0006】上記(ロ)の炉体の膨張または変形を測定
する方法に属する出願としては、たとえば、特開平9−
26309号公報(コークス炉の炉体膨張をマーカー間
の相対的位置関係で計測)がある。
【0007】上記(ハ)の炉壁の観察(撮影)に属する
ものとしては、たとえば、特開平9−273995号公
報(CCDカメラを用いた構造物壁面の観察装置)、特
開平11−106755号公報(カメラを用いた炭化室
の内壁観察方法および装置)、特開平11−25616
7号公報(CCDカメラを用いた炭化室壁面観察装
置)、特開平8−218071号公報(炭化室の炉壁状
態を画像処理により診断)などがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
多数引用した出願の方法または装置によっては、稼動
中、つまりコークス押出時(窯出し中)や石炭乾留時
に、コークス炉炭化室の炉壁がどのようにまたはどの程
度にダイナミックに変位するのかを知ることができな
い。
【0009】本発明者らは、稼動中(コークス窯出し中
および石炭乾留時)のコークス炉炭化室の炉壁の変位を
測定する方法として、測定対象炭化室の測定対象炉壁側
の燃焼室の壁の動きを測定する方法を考えたが、燃焼室
の壁の動きを測定しようとすることは、非常に小さいフ
リュー穴から測定する必要があるため、実際的であると
は言い難かった。
【0010】そこで本発明者らは、測定対象化室に隣
接する燃焼室を介してさらに隣接する炭化室(つまり隣
窯、以下単に隣接炭化室と呼ぶ)を利用することに思い
至った。すなわち、後述の図1のように仕切り煉瓦によ
り測定対象炉壁と一体となって動く測定対象炭化室に隣
接する炭化室の炉壁の変位を測定することにより、測定
対象炭化室の炉壁の変位を把握しようとする着想であ
る。
【0011】本発明は、このような背景下において、測
定対象炭化室に隣接する炭化室を空室とし、その空室の
炉壁の変位を測定することにより、稼動中(コークス窯
出し中または石炭乾留中)のコークス炉炭化室の炉壁の
変位ないし動きを、炉上からの操作によって容易かつ精
度良く測定する方法を提供すること、およびそのための
装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の稼動中のコーク
ス炉炭化室炉壁の変位測定方法は、コークス窯出し中ま
たは石炭乾留中の炭化室の炉壁の変位を測定する方法で
あって、稼動中の炭化室である測定対象炭化室(1) に隣
接する隣接炭化室(2) を空室とし、その隣接炭化室(2)
の測定対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)の変位を光学的また
は直接接触的手段により測定することにより、測定対象
炭化室(1) の炉壁(4X)の変位を知るようにしたことを特
徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】〈炭化室、燃焼室〉現在広く普及している
室炉式コークス炉にあっては、炭化室と燃焼室とが交互
に多数並列に設けられている。炭化室に装入孔から装入
された石炭は、その両側に位置する燃焼室から炉壁を介
して熱を得て乾留される。乾留終了後のコークスは、押
出機により炭化室から押し出されて(窯出しされて)消
火され、製品コークスとなる。
【0015】炭化室の炉壁には、コークス押し出し中に
圧力が加わり、石炭乾留中には石炭がコークス化する際
の膨張圧が加わる。本発明は、それらの圧力が加わった
際に炭化室炉壁がどのように変形するかを正確に把握し
ようとするものである。
【0016】〈空室の利用〉本発明においては、稼動中
の炭化室である測定対象炭化室(1) に隣接する隣接炭化
室(2) を空室とし、その隣接炭化室(2) の測定対象炭化
室(1) 側の炉壁(4Y)の変位を光学的または直接接触的手
段により測定することにより、測定対象炭化室(1) の炉
壁(4X)の変位を知るようにする。
【0017】コークス炉の炉上には装入車(装炭車)が
走っており、多数の炭化室のうち乾留が終了しかつコー
クスが押し出された後の炭化室に装入孔から石炭の装入
が行われ、乾留がなされる。すなわち、多数の炭化室に
は、種々の乾留進行度合のものがあり、コークス押出状
態のものもあり、空室となって石炭装入を待っているも
のもある。本発明においては、測定対象炭化室(1) に隣
接する隣接炭化室(2)を空室とし、その空室を測定に利
用するのである。
【0018】〈具体的方法〉本発明に従って測定対象炭
化室(1) の炉壁(4X)の変位をその測定対象炭化室(1) に
隣接する隣接炭化室(2) の測定対象炭化室(1) 側の炉壁
(4Y)の動きを測定することにより知るようにするにあた
っては、具体的には、次の3つの方法が好適に採用され
る。
【0019】〈第1の方法〉第1の方法は、測定対象炭
化室(1) の炉壁(4X)の変位を、隣接炭化室(2) の装入孔
(2a)から炉内を覗くように炉上に設置した光学距離計
(5) から、隣接炭化室(2) の測定対象炭化室(1) 側の炉
壁(4Y)に向けて測距光を照射してその炉壁(4Y)の変位を
測定することにより知るようにするものである。
【0020】〈第2の方法〉第2の方法は、測定対象炭
化室(1) の炉壁(4X)の変位を、隣接炭化室(2) の装入孔
(2a)よりその隣接炭化室(2) 内に装入して固定した光学
距離計(5) から、隣接炭化室(2) の測定対象炭化室(1)
側の炉壁(4Y)に向けて測距光を照射してその炉壁(4Y)の
変位を測定することにより知るようにするものである。
【0021】〈第3の方法〉第3の方法は、測定対象炭
化室(1) の炉壁(4X)の変位を、隣接炭化室(2) の装入孔
(2a)よりその隣接炭化室(2) 内に装入した棒体(6) を隣
接炭化室(2) の測定対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)に接触
させることにより、その棒体(6) に伝わる炉壁(4Y)の変
位を測定することにより知るようにするものである。
【0022】〈光学距離計(5) 〉上記第1および第2の
方法にあっては、光学距離計(5) を用いて隣接炭化室
(2) の測定対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)に向けて測距光
を照射することにより、その炉壁(4Y)の動きを測定す
る。
【0023】光学距離計(5) は、測定環境に耐えうるも
のであれば種々の種類または機構のものを用いることが
できるが、レーザ距離計を用いるのが実際的である。レ
ーザ距離計は、鋭い指向性を持ちかつ測定精度が極めて
すぐれているからである。
【0024】第1の方法にあっては、空室である隣接炭
化室(2) の装入孔(2a)から内部を覗くように炉上に設置
した光学距離計(5) から、その隣接炭化室(2) の測定対
象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)に向けて測距光を照射する。
このときには、炉壁(4Y)には斜めから測距光が当たるの
で若干の測定誤差を生ずることがあるが、光学距離計
(5) は炉上にあるので熱の影響を受けにくいという利点
を有する。
【0025】第2の方法にあっては、空室である隣接炭
化室(2) の装入孔(2a)より隣接炭化室(2) 内に装入して
固定したレーザ距離計(5) から、その隣接炭化室(2) の
測定対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)に向けて測距光を照射
する。このときには、炉壁(4Y)には直角方向から測距光
を照射することができるため測定誤差を生じにくいが、
光学距離計(5) は隣接炭化室(2) の内部に挿入されるの
で高温にさらされることになること、距離計挿入装置や
距離計冷却のための装置を要するため測定装置が全体と
して大きくなると共に測定操作も大がかりになること、
などの不利がある。
【0026】第1の方法および第2の方法はいずれも採
用しうるが、上記のようにそれぞれ長所短所があるの
で、状況に応じてあるいはデータの蓄積度合に応じて有
利な方を採用すればよい。強いて両者を対比すれば、第
1の方法の方が、定常的に測定を実施するときには実際
的な方法であるということができる。というのは、第1
の方法にあっては、炉内に測定装置を挿入するという複
雑な作業を要せず、耐熱材料の使用や装置の冷却部材も
必要ではなく、また、データの集積により、斜め方向か
ら測距光を照射することによる誤差を支障のない程度に
まで減ずることができるからである。
【0027】第1の方法を実施するときは、光学距離計
(5) を移動することができ、かつ光学距離計(5) の測距
光照射角度を調節、固定することのできる機構とする。
測定に際しては、装入孔(2a)周囲よりエアをスカーフィ
ングするなど何らかの手段を講じて、隣接炭化室(2) 内
からの熱を遮断することが望ましい。
【0028】第2の方法を実施するときは、光学距離計
(5) を冷却するための水冷ランスを兼ねた挿入器具や、
光学距離計(5) を隣接炭化室(2) 内で固定する器具を設
けるようにする。
【0029】〈棒体(6) 〉一方、第3の方法にあって
は、棒体(6) を隣接炭化室(2) の装入孔(2a)よりその隣
接炭化室(2) 内に装入して、その隣接炭化室(2) の測定
対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)に接触させることにより、
その棒体(6) に伝わる炉壁(4Y)の動きを測定する。
【0030】そのため、炉上には、棒体(6) の支持およ
び運搬、棒体(6) の挿し込み、引き上げおよび揺動を図
ることのできる機構とすると共に、棒体(6) の動きを伝
達して変位量を測定・記録する機構ないし手段を設け
る。
【0031】〈炉壁(4Y)の測定位置〉空室である隣接炭
化室(2) の測定対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)の測定位置
は任意であり、たとえば、一つの炭化室の装入孔が炉長
方向に5個あるときは、1または2以上の適当な装入孔
を利用する。測定装置を複数台用意しておけば、同時に
複数個の装入孔からの測定ができる。炉壁全体の変位を
知るには、できるだけ多くの装入孔、理想的には全ての
装入孔から同時測定を行うことが望ましい。また、炉高
方向についても、適当な高さの部位についての測定を行
えばよい。
【0032】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。実施例1は第3の方法、実施例2は第1の方法、実
施例3は第2の方法に対応している。
【0033】実施例1 図1は、コークス炉の炭化室の構造およびその炉壁変動
状態を模式的に示した説明図であり、測定対象炭化室
(1) の隣にある隣接炭化室(2) が空室になっている場合
を示してある。測定対象炭化室(1) の(4X)と隣接炭化室
(2) の炉壁(4Y)との間には、仕切り煉瓦(B) が設けられ
ている。
【0034】図2は、本発明の炭化室炉壁の変位測定方
法の一例を示した説明図である。図3は、支点(7) 回り
の棒体(6) の動きから炉壁(4Y)の変位量を求める方法を
示した説明図である。
【0035】図2,3において、(1) は稼動中の炭化室
であって、これが測定対象炭化室となる。(1a)はその測
定対象炭化室(1) の装入孔、(1b)はその装入孔(1a)に設
けられた装入蓋である。図2には、測定対象炭化室(1)
内のコークスケーキ(C) も描いてある。
【0036】(2) は、上記の測定対象炭化室(1) に隣接
する隣接炭化室であり、空室となっている。(2a)はその
隣接炭化室(2) の装入孔である。(2b)はその装入孔(2a)
に設けられた装入蓋であるが、図2では取り外されてい
る。
【0037】(3) は、上記の測定対象炭化室(1) と隣接
炭化室(2) とで挟まれた燃焼室である。
【0038】(4X)は、測定対象炭化室(1) と燃焼室(3)
との間の炉壁である。(4Y)は、燃焼室(3) と隣接炭化室
(2) との間の炉壁である。本発明においては、測定対象
炭化室(1) の炉壁(4X)の変位を直接測定するのではな
く、隣接炭化室(2) の炉壁(4Y)の変位を測定することに
なる。
【0039】(6) は、支点(7) 回りに回動する測定棒と
しての棒体である。棒体(6) を支える枠体には、棒体
(6) の炉上側となる部分の上端付近に目盛りを付してあ
る。この棒体(6) は、隣接炭化室(2) の装入孔(2a)から
その隣接炭化室(2) 内に挿入され、隣接炭化室(2) の測
定対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)に接触させられる。
【0040】棒体(6) の下端を隣接炭化室(2) の測定対
象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)に接触させておくと、稼動時
の測定対象炭化室(1) の(4X)の変位はこの炉壁(4Y)に伝
わって炉壁(4Y)が変位し、その変位が棒体(6) に伝わる
ので、支点(7) 回りに揺動する棒体(6) の上端の動きを
目盛(8) で読むことができる。
【0041】今、棒体(6) の支点(7) −下端間距離を
L1、支点(7) −上端間距離をL2、炉壁(4Y)の変位量をΔ
a、目盛(8) で読まれる棒体(6) の上端の移動量をΔb
とすると、 Δa:L1=Δb:L2、つまり、Δa・L2=Δb・L1 の関係があるので、Δbの読みからΔaを求めることが
できる。
【0042】実炉である測定対象炭化室(1) にて、乾留
後のコークスケーキ(C) の押し出しを行い、そのときの
押出開始より押出終了までの炉壁の変位の度合を、隣接
する隣接炭化室(2) の炉壁(4Y)の変位を棒体(6) を用い
て測定することにより求め、その変位の最大値を記録し
た。なお棒体(6) は、5つの装入孔(2a)のうちの3番装
入孔に挿入した。同様の測定を、測定対象炭化室(1) に
別ロットの石炭を装入して乾留し、乾留後のコークスケ
ーキの押し出しを行うときについても3回実施した。ロ
ット数は計4回、測定回数は各ロットにつき1回で、計
4回である。各回の測定時の隣接炭化室(2) の対象装入
孔(2a)は同一とし、その炉壁(4Y)の測定位置(棒体(6)
の下端の接触位置)も同一(炉上より4500mm下方の
位置)とした。なお、炉上−炉底間距離は6500mmで
ある。
【0043】結果を次の表1に示す。押出開始直前の炉
壁(4Y)の位置をゼロとしてある。表1中、「+」とある
のは炉壁(4Y)が図2の右方に変位した場合(つまり、測
定対象炭化室(1) が膨張する方向に炉壁(4X)が変位した
場合)である。炉壁(4Y)変位量Δaは、 Δa=Δb・L1/L2 の関係式から求めたものである。
【0044】
【表1】 測定 No. 1 2 3 4 炉壁(4Y)変位量 ±0mm +3mm +2.5mm +3mm
【0045】表1から、この測定対象炭化室(1) の炉壁
(4X)は、コークスケーキの押出時には、その押出時の圧
力により押し広げられており、その結果、それに隣接す
る隣接炭化室(2) の炉壁(4Y)が変位を来していることを
示している。なお、上記においては変位の最大値のみを
求めているが、棒体(6) の動きを接触センサを介して把
握しかつ演算処理して出力するようにすれば、押出開始
より押出終了までの炉壁のダイナミックな変位を記録す
ることができる。
【0046】実施例2 図4は、本発明の炭化室炉壁の変位測定方法の他の一例
を示した説明図である。
【0047】測定対象炭化室(1) 、その測定対象炭化室
(1) の装入孔(1a)、その装入孔(1a)に設けられた装入蓋
(1b)、測定対象炭化室(1) 内のコークスケーキ(C) につ
いては、実施例1についての図2の場合と同様である。
隣接炭化室(2) 、その隣接炭化室(2) の装入孔(2a)、そ
の装入孔(2a)に設けられた装入蓋(2b)についても、図2
の場合と同様である(装入蓋(2b)は取り外されてい
る)。燃焼室(3) 、測定対象炭化室(1) −燃焼室(3) 間
の炉壁(4X)、燃焼室(3) −隣接炭化室(2) 間の炉壁(4Y)
も、図2の場合と同様である。
【0048】(5) は、隣接炭化室(2) の装入孔(2a)から
その内部を覗くように設置した光学距離計(5) であり、
この実施例ではドイツのライカ社製のレーザ距離計を用
いている。
【0049】実炉である別の測定対象炭化室(1) にて、
乾留後のコークスケーキの押し出しを行い、そのときの
押出開始より押出終了までの炉壁の変位の度合を、上記
のレーザ距離計を用いて、隣接する隣接炭化室(2) の炉
壁(4Y)の変位を追跡することにより求めた。このとき、
炉壁(4Y)変位量は、押出開始時が0mmで、押出進行から
押出終了までは不規則に変位するものの、最大値は 2.5
mmであった。
【0050】実施例3 図5は、本発明の炭化室炉壁の変位測定方法のさらに他
の一例を示した説明図である。図5の符号の意味は、図
2の場合と同様である。
【0051】(5) は、隣接炭化室(2) の装入孔(2a)より
その隣接炭化室(2) 内に装入して固定した光学距離計
(5) であり、この実施例でもドイツのライカ社製のレー
ザ距離計を用いている。隣接炭化室(2) の炉壁(4Y)に
は、直角方向からレーザ光が照射されることになる。な
おこのレーザ距離計は、図5のように、水冷ランスを兼
ねた挿入器具(9) で保護してある。
【0052】実炉である他のもう一つの測定対象炭化室
(1) にて、乾留後のコークスケーキの押し出しを行い、
そのときの押出開始より押出終了までの炉壁の変位の度
合を、上記のレーザ距離計を用いて、隣接する隣接炭化
室(2) の炉壁(4Y)の変位を追跡することにより求めた。
押出開始から押出終了までの炉壁(4Y)変位量の最大値
は、実施例1の場合と同様に3mmであった。
【0053】
【発明の効果】本発明においては、稼動中の炭化室であ
る測定対象炭化室(1) に隣接する隣接炭化室(2) を空室
とし、その測定対象炭化室(1) の炉壁(4X)の変位を、前
記隣接炭化室(2) の測定対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)の
変位を光学的または直接接触的手段により測定すること
により知るようにしている。
【0054】これにより、コークス窯出し中または石炭
乾留中の炭化室(測定対象炭化室(1) )の炉壁(4X)の動
きを定量的に知ることができるので、稼動中に炉壁に与
えられたダメージを定量的に把握することができる。
【0055】そして、このようにして変位量の大きい炭
化室や異常な変位を起こす炭化室を発見することができ
るので、補修を行うべき炭化室を効果的に選定すること
ができる。
【0056】また、炉壁にダメージを与えないコークス
押し出し方法や、石炭の配合、操業方法などを検討する
際に、評価指標としてこの変位量を用いることができ
る。
【0057】加えて、隣接炭化室(2) において、レーザ
距離計等の光学距離計(5) や棒体(6) を使用して炉上か
らの操作により測定を行うものであるため、従来のよう
に測定器を押出ラムなどに設置して移動させて測定する
方法に比し、移動の際の進路のずれや振動に起因する誤
差が小さくなるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】コークス炉の炭化室の構造およびその炉壁変動
状態を模式的に示した説明図である。
【図2】本発明の炭化室炉壁の変位測定方法の一例を示
した説明図である。
【図3】支点(7) 回りの棒体(6) の動きから炉壁(4Y)の
変位量を求める方法を示した説明図である。
【図4】本発明の炭化室炉壁の変位測定方法の他の一例
を示した説明図である。
【図5】本発明の炭化室炉壁の変位測定方法のさらに他
の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
(1) …測定対象炭化室、(1a)…装入孔、(1b)…装入蓋、
(2) …隣接炭化室、(2a)…装入孔、(2b)…装入蓋、(3)
…燃焼室、(4X)…(測定対象炭化室(1) −燃焼室(3) 間
の)炉壁、(4Y)…(燃焼室(3) −隣接炭化室(2) 間の)
炉壁、(5) …光学距離計、(6) …棒体、(7) …支点、
(8) …目盛、(9) …挿入器具、(B) …仕切り煉瓦、(C)
…コークスケーキ
フロントページの続き Fターム(参考) 2F062 AA02 BB14 BC80 EE01 FF13 GG41 GG90 LL03 2F065 AA02 AA06 AA09 AA65 BB05 DD00 FF23 GG04 HH12 HH13 PP22 RR06 UU03 2F069 AA06 BB40 DD16 DD25 GG01 GG07 GG15 GG21 GG35 GG39 GG51 GG56 GG62 HH01 JJ02 JJ19 JJ25 KK03 LL07 MM04 MM11 QQ05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コークス窯出し中または石炭乾留中の炭化
    室の炉壁の変位を測定する方法であって、 稼動中の炭化室である測定対象炭化室(1) に隣接する隣
    接炭化室(2) を空室とし、その隣接炭化室(2) の測定対
    象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)の変位を光学的または直接接
    触的手段により測定することにより、測定対象炭化室
    (1) の炉壁(4X)の変位を知るようにしたことを特徴とす
    る稼動中のコークス炉炭化室炉壁の変位測定方法。
  2. 【請求項2】測定対象炭化室(1) の炉壁(4X)の変位を、
    隣接炭化室(2) の装入孔(2a)から炉内を覗くように炉上
    に設置した光学距離計(5) から、隣接炭化室(2) の測定
    対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)に向けて測距光を照射して
    その炉壁(4Y)の変位を測定することにより知るようにし
    たことを特徴とする請求項1記載の変位測定方法。
  3. 【請求項3】測定対象炭化室(1) の炉壁(4X)の変位を、
    隣接炭化室(2) の装入孔(2a)よりその隣接炭化室(2) 内
    に装入して固定した光学距離計(5) から、隣接炭化室
    (2) の測定対象炭化室(1) 側の炉壁(4Y)に向けて測距光
    を照射してその炉壁(4Y)の変位を測定することにより知
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の変位測定
    方法。
  4. 【請求項4】測定対象炭化室(1) の炉壁(4X)の変位を、
    隣接炭化室(2) の装入孔(2a)よりの隣接炭化室(2) 内
    に装入した棒体(6) を隣接炭化室(2) の測定対象炭化室
    (1)側の炉壁(4Y)に接触させることにより、その棒体(6)
    に伝わる炉壁(4Y)の変位を測定することにより知るよ
    うにしたことを特徴とする請求項1記載の変位測定方
    法。
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