JP2002003694A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物

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JP2002003694A JP2000188714A JP2000188714A JP2002003694A JP 2002003694 A JP2002003694 A JP 2002003694A JP 2000188714 A JP2000188714 A JP 2000188714A JP 2000188714 A JP2000188714 A JP 2000188714A JP 2002003694 A JP2002003694 A JP 2002003694A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高剛性で、表面硬度、摺動特性にも優れたポ
リアセタール樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ポリアセタール樹脂(A)100 重量部に
対して、トリオキサン(a)100 重量部、1分子中に環
状エーテル単位を2個以上有する化合物(b)0.0005〜
2重量部及び1分子中に環状エーテル単位を1個有する
化合物(c)0〜20重量部を共重合して得られ、総末端
基量が15〜150mmol/kgであるポリアセタール共重合体
(B)0.01〜100 重量部を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剛性が高く、更に
は表面硬度が高く摺動特性にも優れたポリアセタール樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は、機械的特性、熱
的特性、電気的特性、摺動性、成形性等において優れた
特性を持っており、主に構造材料や機構部品等として電
気機器、自動車部品、精密機械部品等に広く使用されて
いる。しかし、ポリアセタール樹脂が利用される分野の
拡大に伴い、要求特性は益々高度化、複合化、特殊化す
る傾向にある。その一例として、ポリアセタール樹脂が
本来有する優れた成形性や表面状態等を維持しつつ、剛
性、表面硬度、摺動特性等を一層向上させた材料の要求
がある。このような要求に対し、剛性を向上させるため
の手段として、ポリアセタール樹脂に繊維状フィラーを
充填する方法が一般的であるが、この方法では成形品の
外観不良や摺動特性の低下等の問題がある。また、ポリ
アセタールコポリマーにおいては、共重合させるコモノ
マー量を減少させることにより剛性等が向上することが
知られているが、この方法による剛性の向上は僅かであ
り、摺動特性については損なわれないまでも何ら改善さ
れない一方で、ポリマーの熱安定性低下等の問題が生
じ、必ずしも要求に応え得るものではなかった。
【0003】このような従来技術の問題点に鑑み、本発
明者は全く発想を変えて、ポリアセタール共重合体のポ
リマー骨格自体の変性とかかるポリマーを利用した樹脂
組成物による剛性、表面硬度、摺動特性の改善に着目し
た。従来、ポリアセタール樹脂のポリマー骨格の変性に
関する文献はいくつか見られるものの(例えば、特開平
3−170526号公報)、上記のような発想に基づく
ポリアセタール樹脂の剛性、摺動特性の改善に関する知
見は、殆ど存在しなかったと言っても過言ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の如き課題を解決し、高剛性で、表面硬度、摺動特性に
も優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために、ポリアセタール樹脂を基体とし、こ
れにある種のグリシジル化合物を共重合することによっ
て架橋構造を導入したポリアセタール共重合体を配合す
ることにより、意外にも従来予期されなかったほどの剛
性の向上、表面硬度の向上、摺動特性の改善が可能であ
ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0006】即ち本発明は、ポリアセタール樹脂(A)
100 重量部に対して、トリオキサン(a)100 重量部、
1分子中に環状エーテル単位を2個以上有する化合物
(b)0.0005〜2重量部及び1分子中に環状エーテル単
位を1個有する化合物(c)0〜20重量部を共重合して
得られ、総末端基量が15〜150mmol/kgであるポリアセタ
ール共重合体(B)0.01〜100 重量部を配合してなるポ
リアセタール樹脂組成物である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明において基体樹脂として用いるポリ
アセタール樹脂(A)は、オキシメチレン単位(-CH2O-)
を主たる構成単位とする高分子化合物であり、ポリアセ
タールホモポリマー(例えば、米国デュポン社製、商品
名「デルリン」等)、オキシメチレン基以外に他のコモ
ノマー単位を有するポリアセタールコポリマー(例え
ば、ポリプラスチックス(株)製、商品名「ジュラコ
ン」等)が含まれる。ポリアセタールコポリマーにおい
て、コモノマー単位には炭素数2〜6程度(好ましくは
炭素数2〜4程度)のオキシアルキレン単位(例えば、
オキシエチレン基(-CH2CH2O-) 、オキシプロピレン基、
オキシテトラメチレン基等)が含まれる。また、コモノ
マー単位の含有量は、樹脂の結晶性を大幅に損なわない
程度の量、例えばポリアセタール重合体の構成単位に占
める割合として、一般的には0.01〜20モル%、好ましく
は0.03〜10モル%、更に好ましくは0.1 〜7モル%程度
の範囲から選択できる。ポリアセタールコポリマーは、
2成分で構成されたコポリマー、3成分で構成されたタ
ーポリマー等であってよい。ポリアセタールコポリマー
は、ランダムコポリマーの他、ブロックコポリマー、グ
ラフトコポリマー等であってよい。また、このようなポ
リアセタール樹脂(A)の重合度も特に制限はなく、溶
融成形可能であればよい。本発明において基体樹脂とし
て使用するポリアセタール樹脂(A)としては、その熱
安定性等の点で特にポリアセタールコポリマーが好まし
い。またポリアセタール共重合体(B)の配合による剛
性改善の効果も、基体樹脂がポリアセタールコポリマー
である場合により顕著である。
【0008】次に、本発明の樹脂組成物において、上記
ポリアセタール樹脂(A)に配合されるポリアセタール
共重合体(B)は、トリオキサン(a)を主成分とし、
1分子中に環状エーテル単位を2個以上有する化合物
(b)、及び、必要に応じ、1分子中に環状エーテル単
位を1個有する化合物を共重合して得られるものであ
る。
【0009】ポリアセタール共重合体(B)の製造に用
いられるトリオキサン(a)とは、ホルムアルデヒドの
環状三量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホル
ムアルデヒド水溶液を反応させることによって得られ、
これを蒸留等の方法で精製して用いられる。重合に用い
るトリオキサン(a)は、水、メタノール、蟻酸などの
不純物を極力含まないものが好ましい。
【0010】次に、ポリアセタール共重合体(B)の製
造に用いられる1分子中に環状エーテル単位を2個以上
有する化合物(b)とは、1分子中に、エポキシ単位、
グリシジル単位、1,3−ジオキソラン単位、1,4−
ブタンジオールホルマール単位、ジエチレングリコール
ホルマール単位及び1,3,6−トリオキセパン単位等
の環状エーテル単位を2個以上有する化合物を総称する
ものである。その中でも、環状エーテル単位を2個〜4
個有する化合物が好ましく、特に好ましくは環状エーテ
ル単位を3個又は4個有する化合物である。また、環状
エーテル単位としてはグリシジル単位が好ましく、ジグ
リシジルエーテル化合物、トリグリシジルエーテル化合
物及びテトラグリシジルエーテル化合物が好ましい化合
物或いは特に好ましい化合物として挙げられる。その例
としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−
ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレン
グリコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
ブチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロー
ルトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグ
リシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロ
ールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリ
シジルエーテル等が挙げられる。
【0011】特に、脂肪族系化合物である、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリ
シジルエーテル、ヘキサメチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタ
エリスリトールテトラグリシジルエーテル等が好まし
い。これらの化合物は単独で又は2種以上を併用してト
リオキサン(a)との共重合に供することができる。
【0012】これらの1分子中に環状エーテル単位を2
個以上有する化合物(b)の共重合量は、トリオキサン
(a)100 重量部に対して0.0005〜2重量部であり、好
ましくは0.001 〜1.5 重量部、特に好ましくは0.005 〜
1重量部である。(b)成分の共重合量がこれより過少
では、目的とする特性を有する樹脂組成物を得るのが難
しく、逆に過大の場合には、得られるポリアセタール共
重合体(B)、さらにはこれを配合した組成物の成形
性、耐衝撃性、表面特性が低下し、好ましくない。
【0013】本発明において用いられるポリアセタール
共重合体(B)は、さらに1分子中に環状エーテル単位
を1個有する化合物(c)を共重合成分として加え、共
重合したものが好ましい。かかる環状エーテル単位1個
の化合物(c)は、本発明の目的である剛性、表面硬
度、摺動特性の改善のためには特に必須とするものでは
ないが、ポリアセタール共重合体(B)を製造する際の
重合反応を安定化させると共に、生成したポリアセター
ル共重合体(B)の熱安定性を高めるためには、かかる
環状エーテル単位1個の化合物(c)を共重合成分とし
て用いるのが極めて有効である。
【0014】1分子中に環状エーテル単位を1個有する
化合物(c)としては、エチレンオキシド、プロピレン
オキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エ
ピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、
3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、テトラヒド
ロフラン、トリオキセパン、1,3−ジオキソラン、エ
チレングリコールホルマール、プロピレングリコールホ
ルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチ
レングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホ
ルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,
6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられる。中で
も、エチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、1,4
−ブタンジオールホルマール、ジエチレングリコールホ
ルマールが好ましい。
【0015】本発明で使用するポリアセタール共重合体
(B)において、環状エーテル単位1個の化合物(c)
の共重合量は、トリオキサン(a)100 重量部に対して
0〜20重量部であり、好ましくは0.05〜15重量部、特に
好ましくは 0.1〜10重量部である。環状エーテル単位1
個の化合物(c)の共重合割合が過少では、共重合反応
が不安定になると共に、生成するポリアセタール共重合
体の熱安定性が劣るものとなり、逆に環状エーテル単位
1個の化合物(c)の共重合割合が過大になると、本発
明の目的特性である剛性、強度等の機械的物性が低下し
不十分なものになる。
【0016】本発明において使用するポリアセタール共
重合体(B)は、基本的には上記のトリオキサン
(a)、1分子中に環状エーテル単位を2個以上有する
化合物(b)、及び、必要に応じ、1分子中に環状エー
テル単位を1個有する化合物(c)を用い、更に一般的
には適量の分子量調整剤を添加して、カチオン重合触媒
を用いて塊状重合を行う等の方法で得られる。
【0017】分子量調整剤としては、メチラール、メト
キシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシ
メチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテル等
のアルコキシ基を有する低分子量アセタール化合物、メ
タノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、
エステル化合物、酸化合物、水などが例示される。その
中でも、アルコキシ基を有する低分子量アセタール化合
物が特に好ましい。また、これらの分子量調整剤の使用
により、本発明で使用するポリアセタール共重合体
(B)の総末端基量を調整することが可能である。一般
的には、分子量調整剤の増加に伴い、得られるポリアセ
タール共重合体の総末端基量は増加する。尚、実際の分
子量調整剤の使用量の決定にあたっては、ポリアセター
ル共重合体の総末端基量に影響を及ぼす他の要因、例え
ば前記(b)成分の量や、モノマー中に含まれる水、メ
タノール等の不純物の量なども加味して、経験的に或い
は予備重合テストにより、所望の総末端基量の範囲とな
るようにその添加量が決められる。
【0018】ここで、本発明で使用するポリアセタール
共重合体(B)は、その重量平均分子量が10000 〜5000
00であることが好ましく、特に好ましくは20000 〜1500
00である。また、本発明で使用するポリアセタール共重
合体(B)は、 1H−NMRにより検出される総末端基
量が15〜150mmol/kgのものである。特に総末端基量は20
〜100mmol/kgが好ましい。総末端基量が過少の場合に
は、流動性が著しく悪く、これを配合した組成物の射出
成形等の加工が非常に困難となり、表面荒れが顕著とな
る。また、総末端基量が過多の場合には、溶融粘度が著
しく低下し、これを配合した組成物の押出し等による製
造工程においてペレット化することが不可能となる場合
もあり、又、著しい靱性の低下が生じ、好ましくない。
また、ポリアセタール共重合体(B)は、そのヘミホル
マール末端基量が4mmol/kg 以下であることが好まし
く、特に好ましくは0〜2mmol/kg である。ヘミホルマ
ール末端基量が4mmol/kg を越える場合には、成形時に
ポリマー分解に伴う発泡等の問題が生じるおそれがあ
る。ヘミホルマール末端基量を上記範囲に制御するため
には、重合に供するモノマー、コモノマー総量中の不純
物、特に水分を20ppm 以下にするのが好ましく、特に好
ましくは10ppm 以下である。
【0019】また、カチオン重合触媒としては、四塩化
鉛、四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、
塩化亜鉛、三塩化バナジウム、三塩化アンチモン、五フ
ッ化リン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三フ
ッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブ
チルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三
フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホ
ウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位
化合物、過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチ
ルパークロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、
トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の無機及
び有機酸、トリエチルオキソニウムテトラフロロボレー
ト、トリフェニルメチルヘキサフロロアンチモネート、
アリルジアゾニウムヘキサフロロホスフェート、アリル
ジアゾニウムテトラフロロボレート等の複合塩化合物、
ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロライド等のアルキル金属塩、ヘテロポリ
酸、イソポリ酸等が挙げられる。その中でも特に三フッ
化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フ
ッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオ
キサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレー
ト、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フ
ッ化ホウ素配位化合物が好ましい。これらの触媒は有機
溶剤等で予め希釈して用いることもできる。
【0020】本発明で使用するポリアセタール共重合体
(B)を製造するにあたり、重合装置は特に限定される
ものではなく、公知の装置が使用され、バッチ式、連続
式等、いずれの方法も可能である。また、重合温度は65
〜 135℃に保つことが好ましい。重合後の失活は、重合
反応後、重合機より排出される生成反応物、あるいは、
重合機中の反応生成物に塩基性化合物、あるいは、その
水溶液等を加えて行う。
【0021】重合触媒を中和し失活するための塩基性化
合物としては、アンモニア、或いは、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、トリブ
タノールアミン等のアミン類、或いは、アルカリ金属、
アルカリ土類金属の水酸化物塩類、その他公知の触媒失
活剤が用いられる。また、重合反応後、生成物にこれら
の水溶液を速やかに加え、失活させることが好ましい。
かかる重合方法及び失活方法の後、必要に応じて更に、
洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を従来公知の
方法にて行う。
【0022】本発明において、上記ポリアセタール共重
合体(B)の配合量は、ポリアセタール樹脂(A)100
重量部に対して0.01〜100 重量部、好ましくは1〜80重
量部である。
【0023】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて選
択される各種の安定剤を配合するのが好ましい。安定剤
としては、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化
合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無
機塩、カルボン酸塩等のいずれか1種又は2種以上を挙
げることができる。更に、本発明の目的・効果を阻害し
ない限り、必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する一般的
な添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、滑剤、離型
剤、帯電防止剤、界面活性剤、或いは、有機高分子材
料、無機または有機の繊維状、粉体状、板状の充填剤等
を1種又は2種以上添加することができる。
【0024】本発明の組成物の調製は、従来の樹脂組成
物調製法として一般に用いられている公知の方法により
容易に調製される。例えば、各成分を混合した後、押出
機により練り込み押出してペレットを調製し、そのペレ
ットを所定量混合して成形に供し成形後に目的組成の成
形品を得る方法、成形機に各成分の1または2以上を直
接仕込む方法等、何れも使用できる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、
評価は次の方法で行った。 〔曲げ弾性率〕射出成形機を用いて試験片を成形し、I
SO法に準じて測定を行った。 〔引張強度〕射出成形機を用いてダンベル型試験片を成
形し、ISO法に準じて測定を行った。 〔ロックウエル硬度〕射出成形機を用いて試験片を成形
し、ASTM法に準じて測定を行った。 〔摺動性評価〕評価すべき樹脂組成物を用いて、射出成
形により円筒状の鈴木式試験片(外径25.6mm、内径20m
m)2を成形する。次に、鈴木式摩擦摩耗試験機(オリ
エンテック(株)製、EFM−III−EN)を用い、
SUS304製丸棒(φ5mm×5mm)1を相手材とし
て、図1に示す如く、荷重98N、線速度5cm/sec の条
件で円筒状の鈴木式試験片2との摺動を行い、摩擦トル
クが初期トルクの120 %となる時間を検出し、摺動表面
の破壊寿命とした(破壊寿命は、丸棒1と鈴木式試験片
2の繰り返し接触回転に換算して表記した)。 実施例1〜7 外側に熱(冷)媒を通すジャケットが付き、断面が2つ
の円が一部重なる形状を有するバレルと、パドル付き回
転軸で構成される連続式混合反応機を用い、パドルを付
した2本の回転軸をそれぞれ150rpmで回転させながら、
トリオキサン(a)、1分子中に環状エーテル単位を2
個以上有する化合物(b)、1分子中に環状エーテル単
位を1個有する化合物(c)を表1に示す割合で加え、
更に分子量調整剤としてメチラールを連続的に供給し、
触媒の三フッ化ホウ素をトリオキサンに対して0.005 重
量%、連続的に添加供給し塊状重合を行った。重合機か
ら排出された反応生成物は速やかに破砕機に通しなが
ら、トリエチルアミンを0.05重量%含有する60℃の水溶
液に加え触媒を失活した。さらに、分離、洗浄、乾燥
後、粗ポリアセタール共重合体を得た。
【0026】次いで、この粗ポリアセタール共重合体 1
00重量部に対して、トリエチルアミン5重量%水溶液を
4重量%、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕を 0.3重量%添加し、2軸押出機
にて 210℃で溶融混練し不安定部分を除去した。得られ
たポリアセタール共重合体は、ヘキサフルオロイソプロ
パノールd2 を溶媒とする 1H−NMR測定により、そ
の共重合組成を確認し、又、各末端に対応するピーク面
積より定量し、総末端基量及びヘミホルマール末端基量
を求めた。
【0027】次に、ポリアセタール樹脂(A)(ポリプ
ラスチックス(株)製、ジュラコンM90)に、上記の
方法で得たポリアセタール共重合体(B)を表1に示す
割合で配合し、2軸押出機にて210 ℃で溶融混練し、ペ
レット状のポリアセタール樹脂組成物を得た。前述の方
法で物性を評価した結果を表1に示す。 比較例1〜5 ポリアセタール共重合体(B)を配合しない場合、1分
子中に環状エーテル単位を2個以上有する化合物(b)
を使用せずに調製されたポリアセタール共重合体(B)
を配合した場合等について、実施例と同様にしてペレッ
ト状の組成物を調製し評価した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】(b)成分 BDGE:ブタンジオールジグリシジルエーテル TMPTGE:トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル GTGE:グリセロールトリグリシジルエーテル PETGE:ペンタエリスリトールテトラグリシジルエ
ーテル (c)成分 DO:1,3−ジオキソラン EO:エチレンオキシド
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例における摺動性評価の試験状況を示す
図である。
【符号の説明】
1 SUS304製丸棒 2 鈴木式試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 義久 静岡県富士市宮島973番地 ポリプラスチ ックス株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CB001 CB002

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアセタール樹脂(A)100 重量部に
    対して、トリオキサン(a)100 重量部、1分子中に環
    状エーテル単位を2個以上有する化合物(b)0.0005〜
    2重量部及び1分子中に環状エーテル単位を1個有する
    化合物(c)0〜20重量部を共重合して得られ、総末端
    基量が15〜150mmol/kgであるポリアセタール共重合体
    (B)0.01〜100 重量部を配合してなるポリアセタール
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 1分子中に環状エーテル単位を2個以上
    有する化合物(b)が、ジグリシジルエーテル化合物、
    トリグリシジルエーテル化合物及びテトラグリシジルエ
    ーテル化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上
    である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 1分子中に環状エーテル単位を2個以上
    有する化合物(b)が、エチレングリコールジグリシジ
    ルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
    ル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘ
    キサメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセ
    ロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
    ントリグリシジルエーテル及びペンタエリスリトールテ
    トラグリシジルエーテルからなる群から選ばれる1種又
    は2種以上である請求項2記載のポリアセタール樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 1分子中に環状エーテル単位を1個有す
    る化合物(c)の共重合割合が0.05〜15重量部である請
    求項1〜3の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 1分子中に環状エーテル単位を1個有す
    る化合物(c)が、エチレンオキシド、1,3−ジオキ
    ソラン、1,4−ブタンジオールホルマール及びジエチ
    レングリコールホルマールからなる群から選ばれる1種
    又は2種以上である請求項1〜4の何れか1項記載のポ
    リアセタール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリアセタール共重合体(B)の総末端
    基量が20〜100mmol/kgである請求項1〜5の何れか1項
    記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ポリアセタール共重合体(B)が、4mm
    ol/kg 以下のヘミホルマール末端基量を有するものであ
    る請求項1〜6の何れか1項記載のポリアセタール樹脂
    組成物。
  8. 【請求項8】 ポリアセタール樹脂(A)が、ポリアセ
    タールコポリマーである請求項1〜7の何れか1項記載
    のポリアセタール樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 ポリアセタール共重合体(B)の配合量
    が1〜80重量部である請求項1〜8の何れか1項記載の
    ポリアセタール樹脂組成物。
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