JP2002003608A - 樹脂組成物の製造法 - Google Patents

樹脂組成物の製造法

Info

Publication number
JP2002003608A
JP2002003608A JP2000189472A JP2000189472A JP2002003608A JP 2002003608 A JP2002003608 A JP 2002003608A JP 2000189472 A JP2000189472 A JP 2000189472A JP 2000189472 A JP2000189472 A JP 2000189472A JP 2002003608 A JP2002003608 A JP 2002003608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
water content
weight
evoh
inorganic compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000189472A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5110743B2 (ja
Inventor
Shinji Noma
信司 野馬
Kaoru Inoue
馨 井上
Takamasa Moriyama
隆雅 守山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2000189472A priority Critical patent/JP5110743B2/ja
Publication of JP2002003608A publication Critical patent/JP2002003608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5110743B2 publication Critical patent/JP5110743B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性及び外観特性に優れ、更には熱
安定性にも優れた樹脂組成物の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(A)と層状無機化合物を含有してなる樹脂組成物を製
造するにあたり、含水率50重量%以下のエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物(A)と有機物を含有した層
状無機化合物(B)とを溶融混合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(A)及び層状無機化合物からな
る樹脂組成物の製造方法に関し、更に詳しくは、ガスバ
リア性や外観特性に優れ、更にはリサイクル時等におけ
る熱安定性にも優れた樹脂組成物の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物(以下、EVOHと略記する)は、透明性、帯
電防止性、耐油性、耐溶剤性、ガスバリア性、保香性等
に優れており、又、溶融成形可能な熱可塑性樹脂であ
り、食品包装等、種々の包装材料用途に用いられてい
る。そして、ガスバリア性の更なる改善を目指して、E
VOHに無機物を配合することが試みられている。例え
ば、特開平5−39392号公報には、水の存在下にE
VOHと水膨潤性フィロケイ酸塩を混合することが記載
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、本発
明者等が上記公報に記載の開示技術について詳細に検討
した結果、該技術では、水の存在下に水膨潤性フィロケ
イ酸塩を投入し、更にEVOHの水/アルコール溶液を
加えるため、いわゆるママコが発生しやすく、そのため
に水膨潤性フィロケイ酸塩を均一に分散することが困難
で、均一分散させようとするとかなりの時間を必要とす
ることが判明した。また、ガスバリア性においても、該
技術では内外層にポリプロピレンを積層した積層体のバ
リア性評価のみであり、単層で、かつ高湿度下において
まだまだ改善の余地があると思われ、更に最近の技術の
高度化を考慮すれば、ガスバリア性やリサイクル時等に
おける熱安定性の更なる改善が望まれるところである。
【0004】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明者等は
上記の事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、EVOH
(A)と層状無機化合物を含有してなる樹脂組成物を製
造するにあたり、含水率50重量%以下のEVOH
(A)と有機物を含有した層状無機化合物(B)とを溶
融混合することにより上記の課題を解決することができ
ることを見出して本発明を完成するに至った。
【0005】更に、本発明においては、下記(1)式を
満足する含水率50重量%以下のEVOH(A)を用い
ることにより、発明の作用効果を顕著に得ることができ
る。 60≦(0.173×Sv−20.111)×W+0.2184 ×(Sv−100)2+6.5356×(Sv−100) +230.67×exp(−0.0074×Et)≦120 ・・・(1) 但し、Etはエチレン含有量(モル%)、Svはケン化
度(モル%)、Wは含水率(重量%)を表す。
【0006】尚、本発明で言うEVOH或いは樹脂組成
物の含水率については、以下の方法により測定・算出さ
れるものである。 [含水率の測定方法]EVOH或いは樹脂組成物を電子
天秤にて秤量(W1:単位g)後、150℃に維持され
た熱風オーブン型乾燥器に入れ、5時間乾燥させてか
ら、さらにデシケーター中で30分間放冷させた後の重
量を同様に秤量(W2:単位g)して、以下の(2)式
から算出する。 含水率(%)={(W1−W2)/W1}×100 ・・・(2)
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明に用いるEVOH(A)としては、特に限定
されないが、エチレン含有量は5〜60モル%(更には
10〜60モル%、特には20〜55モル%、殊に25
〜50モル%)が好ましく、かかるエチレン含有量が5
モル%未満では耐水性が不十分となり、逆に60モル%
を越えるとガスバリア性が低下して好ましくない。
【0008】また、酢酸ビニル成分のケン化度は90モ
ル%以上(更には95モル%以上、特には99モル%以
上、殊に99.5モル%以上)が好ましく、かかるケン
化度が90モル%未満ではガスバリア性や耐熱性が不十
分となって好ましくない。
【0009】上記のEVOH(A)は、本発明の効果を
阻害しない範囲(10モル%程度以下)で共重合可能な
エチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、かか
る単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテ
ン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無
水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは
炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、ア
クリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリル
アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリ
ルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリル
アミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるい
はその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリルアミ
ド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、
N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルア
ミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルア
ミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいは
その4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミ
ド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタク
リルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18の
アルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエ
ーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニル
エーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニ
ル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、
酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチル
アリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド
−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げ
られる。又、本発明の趣旨を損なわない範囲で、ウレタ
ン化、アセタール化、シアノエチル化等、後変性されて
も差し支えない。
【0010】本発明では、目的とする樹脂組成物を製造
するにあたってEVOH(A)の含水率を50重量%以
下に調製しておくことが必要で、かかる含水率が50重
量%を超えると溶融混合時にEVOH(A)から多量の
水が吹き出し加工できなくなり本発明の効果を発揮しな
い。かかる含水率の下限は特に限定されないが10重量
%とすることが好ましく、かかる含水率が10重量%未
満ではEVOH(A)の見掛け上の融点が高くなって、
押出機の設定温度を高くする必要があり、その結果樹脂
組成物が発泡して好ましくない。また、EVOH(A)
の含水率の上限は更に35重量%とすることが好まし
く、逆に下限は更に12.5重量%、特に15重量%と
することが好ましい。
【0011】EVOH(A)に水を含有させる方法とし
ては、特に制限されないが、EVOH(A)中に水を均
一に含有させることが好ましく、かかる方法としては、
EVOH(A)の溶液を水中で析出させ充分に水洗して
溶剤を除去し水を含有させる方法、加圧熱水中でEVO
H(A)を1〜3時間程度処理する方法、EVOH
(A)の製造時にエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン
化後のペーストを水中で析出させて水を含有させる方法
等が挙げられる。上記の中でも特にEVOH(A)製造
時にエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化後のペース
トを水中で析出させる方法が好ましく用いられる。尚、
EVOHと水を単に混合しただけでは、EVOH中に水
が均一に含まれないため、本発明の効果を発揮すること
はできない。
【0012】本発明に用いる有機物を含有した層状無機
化合物(B)とは、層状無機化合物の層間に有機物を含
有させたものである。かかる層状無機化合物としては、
特に限定されることなく、スメクタイトやバーミキュラ
イト等の粘土鉱物、更には合成マイカ等が挙げられ、前
者のスメクタイトの具体例としてはモンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトラ
イト、ソーコナイト、スチブンサイト等が挙げられる。
これらは天然のものであっても、合成されたものでもよ
い。これらの中でもスメクタイト、特にその中でもモン
モリロナイトが有機物を無機層状化合物の層間に挿入さ
せやすい点で好ましい。又、Na型フッ素四ケイ素雲
母、Na型テニオライト、Li型テニオライト、Na型
ヘクトライト等の水膨潤性フッ素雲母系鉱物等も同様に
好ましく用いられる。また、層状無機化合物のアスペク
ト比は特に限定されないが、500以上であることが好
ましい。
【0013】層状無機化合物に含有される有機物として
は、特に限定されないが、層状無機化合物(B)への挿
入性を考慮すれば、有機オニウムイオンを持つ化合物が
好ましく、かかる有機オニウムイオンを持つ化合物を含
有させるに当たっては、具体的には、水酸基を有する有
機オニウムイオンからなる有機化剤を層状無機化合物に
添加し処理することにより行われる。上記有機オニウム
イオンについては特に限定されるものではないが、モノ
アルキルの1級〜4級のアンモニウムイオン、ジアルキ
ルの2級〜3級のアンモニウムイオン、トリアルキルの
3級〜4級のアンモニウムイオン、テトラアルキルアン
モニウムイオン等を挙げることができ、アルキル鎖長と
しては炭素数が4〜30のものが好ましく、更には6〜
20、特には8〜18が好ましい。アルキル鎖以外に
も、エチレンオキサイドを構成単位とする、ポリエチレ
ングリコール鎖を持つ1級〜4級のアンモニウムイオン
(モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコールのア
ンモニウムイオンでもよい。)でもよく、或いは高級脂
肪酸の1〜4級のアンモニウムイオン、高級脂肪酸エス
テルの1〜4級のアンモニウムイオン、高級アルコール
の1〜4級のアンモニウムイオンでもよい。又、これら
の複数種の分子鎖を持つものでもよい。更には脂肪酸ア
シドにこれらの分子鎖を付加させた2〜4級のアンモニ
ウムイオンでもよい。
【0014】かかる処理により層状無機化合物(B)中
の層状物の平均面間隔を10Å以上にすることが好まし
く、更には10〜100Å、特には12〜40Åが好ま
しく、かかる平均面間隔が10Å未満ではEVOH中で
の分散が十分でないことがあり好ましくない。尚、層状
無機化合物の層状物の平均面間隔については、広角X線
回折(WAXD)装置を用いて、X線の光源としてCu
k−α1を使用し、電圧40kV、電流40mAで発光
させ、発散スリットは1deg、散乱スリットは1de
g、受光スリットは0.3mmを使用し、スキャンスピ
ードは2°/min、スキャンステップは0.02°
で、走査軸2θ/θを測定することにより求めることが
できる。
【0015】本発明においては、上記の如き含水率50
重量%以下のEVOH(A)と有機物を含有した層状無
機化合物(B)とを溶融混合することを最大の特徴とす
るもので、かかる溶融混合について説明する。
【0016】含水率50重量%以下のEVOH(A)と
有機物を含有した層状無機化合物(B)とを溶融混合す
るに当たっては特に制限はなく、例えば溶融押出機、ニ
ーダールーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサ
ー、プラストミルなどの公知の溶融混練(混合)装置を
使用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸の押
出機を用いることが工業上好ましく、特に溶融混練の安
定性の点で二軸押出機が好適に用いられ、かかる二軸押
出機を用いた方法について、更に詳細に説明するが、こ
れに限定されるものではない。用いる二軸押出機として
は、特に限定されないが、内径が20mm以上(更には
30〜150mm)のものが好ましく、かかる内径が2
0mm未満では、生産性に乏しいため好ましくなく、L
/Dは、20〜80(更には30〜60)が好ましく、
かかるL/D径が20未満では、混合の能力が不足する
ことがあり、逆に80を越えると樹脂の押出機内での滞
留時間が必要以上に長くなり、その熱劣化が懸念され好
ましくない。
【0017】含水率50重量%以下のEVOH(A)及
び有機物を含有した層状無機化合物(B)を二軸押出機
に供給するに当たっては特に制限はなく、含水率50
重量%以下のEVOH(A)及び有機物を含有した層状
無機化合物(B)を予めドライブレンドした混合物を該
押出機のホッパーに供給する方法、含水率50重量%
以下のEVOH(A)及び有機物を含有した層状無機化
合物(B)を直接該押出機のホッパーに供給する方法、
含水率50重量%以下のEVOH(A)を該押出機の
ホッパーに供給すると共に有機物を含有した層状無機化
合物(B)を該押出機のバレルの一部から供給する(サ
イドフィード)方法等を挙げることができるが、の方
法が好ましく、かかる方法を行うに当たっては、該層状
無機化合物(B)はベント口から重力を利用して供給す
る。
【0018】尚、本発明においては、含水率50重量%
以下のEVOH(A)と有機物を含有した層状無機化合
物(B)を溶融混合するときに、混合時の樹脂組成物全
体の含水率を10〜50重量%(更には12.5〜40
重量%、特には15〜35重量%)とすることが好まし
く、かかる含水率が10重量%未満では有機物を含有し
た層状無機化合物(B)の分散性が不十分となり、逆に
50重量%を越えるとEVOH(A)と層状無機化合物
(B)が不均一な混合状態となって好ましくない。
【0019】また、溶融混合に供される含水率50重量
%以下のEVOH(A)と有機物を含有した層状無機化
合物(B)の配合割合は、EVOH(A)100重量部
(固形分)に対して、該層状無機化合物(B)が0.1
〜20重量部(固形分)(更には0.5〜15重量部
(同左)、特には1〜10重量部(同左))であること
が好ましく、かかる配合割合が0.1重量部未満ではガ
スバリア性の改善効果が小さく、逆に20重量部を越え
るとフィルム等の成形物の外観が悪化して好ましくな
い。
【0020】本発明においては、含水率50重量%以下
のEVOH(A)と有機物を含有した層状無機化合物
(B)を溶融混合するに当たって、下記(1)式の条件
を満足するようにEVOH(A)を選択することも好ま
しい。EVOH(A)のエチレン含有量、ケン化度及び
含水率が下記(1)式を満足するように調製することに
より、溶融混合時の押出加工性やガスバリア性が良好と
なる。
【0021】即ち、(1)式の値が60未満では、EV
OH(A)と該層状無機化合物(B)が不均一な混合状
態となってガスバリア性が低下し、逆に120を越える
と混合時の押出加工性が低下して好ましくない。 60≦(0.173×Sv−20.111)×W+0.2184 ×(Sv−100)2+6.5356×(Sv−100) +230.67×exp(−0.0074×Et)≦120 ・・・(1) 但し、Etはエチレン含有量(モル%)、Svはケン化
度(モル%)、Wは含水率(重量%)を表す。
【0022】かくして含水率50重量%以下のEVOH
(A)と有機物を含有した層状無機化合物(B)が二軸
押出機に供されて溶融混合されるのであるが、押出機の
出口に設けるダイス孔の形状については、限定されない
が、適度な形状・大きさ[円柱状の場合は径が1〜10
mm、長さ1〜10mmのもの(更にはそれぞれ2〜6
mmのもの)]の樹脂組成物ペレットを得ることを考慮
すれば、直径が1〜7mm(更には2〜5mm)の円形
が好ましく、その孔の数は3〜100個(更には10〜
50個)程度が生産上好ましい。更には、押出機とダイ
ス入り口の間にメッシュ状のスクリーンを1枚以上(特
に2枚以上)設けることも異物除去と樹脂圧力安定化
(押出の安定化)のため好ましく、さらに、押出し安定
性を考慮すれば、同じくギヤポンプや熱交換器等を設け
ることも好ましい。
【0023】溶融混練を実施するに当たって、溶融混合
の温度は特に限定されないが、通常は、押出機内で温度
勾配をつけることが好ましく、ホッパー下直後の温度設
定ゾーンを50〜70℃(更には50〜65℃、特に5
0〜60℃)程度とし、それ以降の中間部の温度設定を
ホッパー下直後のそれより15〜60℃高めにし、ダイ
ス直前の押出機出口部の設定温度を中間部のそれより0
〜40℃低めに設定することが好ましい。また、樹脂組
成物の押出機中での滞留時間は10〜600秒(更には
20〜300秒、特には30〜240秒)の範囲から選
択され、かかる滞留時間が10秒未満では、十分な混合
ができない場合があり、逆に600秒を越えると樹脂組
成物の品質が低下する場合があって好ましくなく、樹脂
組成物にかける圧力(樹脂圧)については5〜300k
g/cm2(更には10〜200kg/cm2)の範囲か
ら選択され、かかる圧力が5kg/cm2未満及び30
0kg/cm2を越えると押出が不安定になることがあ
り好ましくない。また、樹脂組成物の熱劣化を防止する
ためにホッパー内やベント孔周りを窒素シールしておく
ことも好ましい。
【0024】また、スクリュの回転数は50〜500r
pm(更には80〜400rpm)の範囲から選択さ
れ、かかる回転数が50rpm未満では、混合の能力が
不十分となることがあり、逆に500rpmを越える
と、樹脂組成物の品質が低下することがあり好ましくな
く、含水率50重量%以下のEVOH(A)の仕込速度
については特に制限はなく、押出機のバレル径等により
任意に決定すれば良い。また、該層状無機化合物(B)
の仕込速度については、目的とする樹脂組成物中の該層
状無機化合物(B)の配合量等に合うように上記のEV
OH(A)に合わせて供給すればよい。溶融混合された
樹脂組成物は、次いでダイスに供給され押出されるので
あるが、ダイス内での樹脂組成物の温度は80〜100
℃(更には85〜100℃)になるように押出条件(設
定温度、スクリュ形状、スクリュ回転数など)を調整す
ることも好ましく、かかる温度が80℃未満では、押出
が不安定になることがあり、逆に100℃を越えると、
樹脂組成物の品質が低下することがあり好ましくない。
【0025】かくして溶融混合された樹脂組成物は、ス
トランドダイから押出されて、冷却・カッティングさ
れ、その後乾燥処理をされて目的とする樹脂組成物(ペ
レット)が得られるのである。かかる乾燥処理として
は、種々の乾燥方法を採用することが可能で、例えば、
流動乾燥や静置乾燥を行うことができ、かかる流動乾燥
としては、実質的に樹脂組成物(ペレット)が機械的に
もしくは熱風により撹拌分散されながら行われる乾燥を
意味し、該乾燥を行うための乾燥器としては、円筒・溝
型撹拌乾燥器、円筒乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥
器、振動流動層乾燥器、円錐回転型乾燥器等が挙げら
れ、また、静置乾燥としては、実質的に樹脂組成物(ペ
レット)が撹拌、分散などの動的な作用を与えられずに
行われる乾燥を意味し、該乾燥を行うための乾燥器とし
て、材料静置型としては回分式箱型乾燥器が、材料移送
型としてはバンド乾燥器、トンネル乾燥器、竪型サイロ
乾燥器等を挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0026】かかる乾燥処理により、樹脂組成物(ペレ
ット)の含水率を0.1〜3重量%(更には0.1〜1
重量%、特には0.1〜0.5重量%)にすることが好
ましく、かかる含水率が0.1重量%未満では耐熱性が
不良となり、逆に3重量%を越えると成形時に脱気不足
となって発泡等の成形不良の原因となって好ましくな
い。その他の乾燥方法としては、樹脂組成物を押出機で
溶融混合するときに、ベントから直接水分を除去するこ
ともできる。
【0027】かくして本発明の製造法で得られた樹脂組
成物(ペレット)は、成形物の用途に多用され、溶融成
形等によりフィルム、シート、容器、繊維、棒、管、各
種成形品等に成形され、又、これらの粉砕品(回収品を
再使用する時など)を用いて再び溶融成形に供すること
もでき、かかる溶融成形方法としては、押出成形法(T
−ダイ押出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融
紡糸、異型押出等)、射出成形法が主として採用され
る。溶融成形温度は、150〜300℃の範囲から選ぶ
ことが多い。
【0028】また、本発明の製造法で得られた樹脂組成
物(ペレット)は、単体の成形物として用いることがで
きるが、特に積層体の成形物に供した時に本発明の作用
効果を十分に発揮することができ、具体的には該樹脂組
成物からなる層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層等を
積層して多層積層体なる成形物として用いることが有用
である。
【0029】該積層体を製造するに当たっては、該樹脂
組成物からなる層の片面又は両面に他の基材を積層する
のであるが、積層方法としては、例えば該樹脂組成物か
らなるフィルムやシートに熱可塑性樹脂を溶融押出する
方法、逆に熱可塑性樹脂等の基材に該樹脂組成物を溶融
押出する方法、該樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共
押出する方法、更には本発明の樹脂組成物からなるフィ
ルムやシートと他の基材のフィルム、シートとを有機チ
タン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化
合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてド
ライラミネートする方法等が挙げられる。また、本発明
の製造法で得られた樹脂組成物(ペレット)は、共押出
成形に供することも好ましい。
【0030】共押出の場合の相手側樹脂としてはポリオ
レフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、共重合ポリアミド、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、
ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポ
リウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン、芳香族および脂肪族ポリケトン、脂肪
族ポリアルコール等が挙げられ、好適にはポリオレフィ
ン系樹脂が用いられる。
【0031】かかるポリオレフィン系樹脂としては、具
体的に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密
度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン
(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高
密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、アイオノマー、エチレン−プロピ
レン(ブロック又はランダム)共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピ
レン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィ
ン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチル
ペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこ
れらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン
酸又はそのエステルでグラフト変性したものやこれらの
ブレンド物などの広義のポリオレフィン系樹脂を挙げる
ことができ、なかでも、直鎖状低密度ポリエチレン(L
LDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密
度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、アイオノマーが、得られる積層包
装材の耐屈曲疲労性、耐振動疲労性等に優れる点で好ま
しい。
【0032】更に、本発明の製造法で得られた樹脂組成
物(ペレット)から一旦フィルムやシート等の成形物を
得、これに他の基材を押出コートしたり、他の基材のフ
ィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートする場
合、前記の熱可塑性樹脂以外に任意の基材(紙、金属
箔、無延伸、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又
はシート及びその無機物蒸着体、織布、不織布、金属綿
状、木質等)が使用可能である。
【0033】積層体の層構成は、本発明の製造法で得ら
れた樹脂組成物(ペレット)からなる層をa(a1
2、・・・)、他の基材、例えば熱可塑性樹脂層をb
(b1、b2、・・・)とするとき、フィルム、シート、
ボトル状であれば、a/bの二層構造のみならず、b/
a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b
2/b1/a/b1/b2、b1/b2/a/b3/b4、a1
/b1/a2/b2等任意の組み合わせが可能であり、フ
ィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯(a)−鞘
(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或いは偏心芯鞘型等
任意の組み合わせが可能である。
【0034】尚、上記の層構成において、それぞれの層
間には、必要に応じて接着性樹脂層を設けることがで
き、かかる接着性樹脂としては、種々のものを使用する
ことができ、bの樹脂の種類によって異なり一概に言え
ないが、不飽和カルボン酸又はその無水物をオレフィン
系重合体(上述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加
反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られ
るカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を
挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフ
ト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリ
プロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プ
ロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、無水マレ
イン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重
合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物
が好適なものとして挙げられる。このときの、オレフィ
ン系重合体に含有される不飽和カルボン酸又はその無水
物の量は、0.001〜3重量%が好ましく、更に好ま
しくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.03〜
0.5重量%である。該変性物中の変性量が少ないと、
接着性が不充分となることがあり、逆に多いと架橋反応
を起こし、成形性が悪くなることがあり好ましくない。
またこれらの接着性樹脂には、本発明の製造法で得られ
た樹脂組成物(ペレット)や他のEVOH、ポリイソブ
チレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラスト
マー成分、更にはb層の樹脂等をブレンドすることも可
能である。特に、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系
樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすること
により、接着性が向上することがあり有用である。
【0035】積層体の各層の厚みは、層構成、bの種
類、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に
言えないが、通常は、a層は5〜500μm(更には1
0〜200μm)、b層は5〜5000μm(更には3
0〜1000μm)、接着性樹脂層は5〜400μm
(更には10〜150μm)程度の範囲から選択され
る。a層が5μm未満ではガスバリア性が不足し、また
その厚み制御が不安定となり、逆に500μmを越える
と耐屈曲疲労性が劣り、かつ経済的でなく好ましくな
く、またb層が5μm未満では剛性が不足し、逆に50
00μmを越えると耐屈曲疲労性が劣り、かつ重量が大
きくなり好ましくなく、接着性樹脂層が5μm未満では
層間接着性が不足し、またその厚み制御が不安定とな
り、逆に400μmを越えると重量が大きくなり、かつ
経済的でなく好ましくない。また、積層体の各層には、
成形加工性や諸物性の向上のために、前述の各種添加剤
や改質剤、充填材、他樹脂等を本発明の効果を阻害しな
い範囲で添加することもできる。
【0036】該積層体は、そのまま各種形状のものに使
用されるが、更に該積層体の物性を改善するためには延
伸処理を施すことも好ましく、かかる延伸については、
一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、できるだ
け高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良好で、延伸時
にピンホールやクラック、延伸ムラ、デラミ等の生じな
い延伸フィルムや延伸シート、延伸容器、延伸ボトル等
の成形物が得られる。
【0037】延伸方法としては、ロール延伸法、テンタ
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法等の他、
深絞成形、真空圧空成形等のうち延伸倍率の高いものも
採用できる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次
二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は
60〜170℃、好ましくは80〜160℃程度の範囲
から選ばれる。
【0038】延伸が終了した後、次いで熱固定を行うこ
とも好ましい。。熱固定は周知の手段で実施可能であ
り、上記延伸フィルムを緊張状態を保ちながら80〜1
70℃、好ましくは100〜160℃で2〜600秒間
程度熱処理を行う。例えば、多層シートや多層フィルム
からカップやトレイ状の多層容器を得る場合は、絞り成
形法が採用され、具体的には真空成形法、圧空成形法、
真空圧空成形法、プラグアシスト式真空圧空成形法等が
挙げられる。
【0039】更に多層パリソン(ブロー前の中空管状の
予備成形物)からチューブやボトル状の多層容器を得る
場合はブロー成形法が採用され、具体的には押出ブロー
成形法(双頭式、金型移動式、パリソンシフト式、ロー
タリー式、アキュムレーター式、水平パリソン式等)、
コールドパリソン式ブロー成形法、射出ブロー成形法、
二軸延伸ブロー成形法(押出式コールドパリソン二軸延
伸ブロー成形法、射出式コールドパリソン二軸延伸ブロ
ー成形法、射出成形インライン式二軸延伸ブロー成形法
等)などが挙げられる。
【0040】また、生肉、加工肉、チーズ等の熱収縮包
装用途に用いる場合には、延伸後の熱固定は行わずに製
品フィルムとし、上記の生肉、加工肉、チーズ等を該フ
ィルムに収納した後、50〜130℃、好ましくは70
〜120℃で、2〜300秒程度の熱処理を行って、該
フィルムを熱収縮させて密着包装をする。
【0041】かくして得られた積層体の形状としては任
意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボ
トル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示
される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷
却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、
溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加
工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができ
る。
【0042】上記の如く得られたカップ、トレイ、チュ
ーブ、ボトル等からなる容器や延伸フィルムからなる袋
や蓋材は一般的な食品の他、マヨネーズ、ドレッシング
等の調味料、味噌等の発酵食品、サラダ油等の油脂食
品、飲料、化粧品、医薬品、洗剤、香粧品、工業薬品、
農薬、燃料等各種の容器として有用であるが、本発明の
積層体は、特に、燃料等の容器に有用である。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。
【0044】実施例1 [層状無機化合物(B)の調製−有機化処理−]Nan
ocor社製の天然モンモリロナイト『AMS』5gを
蒸留水100mlに添加し、よく攪拌して均一なモンモ
リロナイトの水散液を得た。そこへ、アミノプロパノー
ル5gを添加し、よく攪拌して、モンモリロナイトを凝
集させた。次いで、アセトン100mlを添加し、吸引
ろ過後、80℃真空下で乾燥させ、オニウムイオンを持
つ化合物を含有する層状無機化合物を得た。
【0045】尚、層状無機化合物の有機分はTGA測定
により25wt%で、層間隔は広角X線回析(WAX
D)測定により15Åであることが確認された。WAX
D測定に当たっては、理学電気工業社製のX線回析装置
『RINT1200』を使用し、光源は電圧40kV、
電流40mAでCuk−α1を使用し、発散スリット1
deg、散乱スリット1deg、受光スリット0.3m
mでスキャンスピードは2/min、スキャンステップ
は0.02で測定し、走査軸2θ/θでのピークから層
間隔を算出した。
【0046】[樹脂組成物の製造]含水率28%のEV
OH(A)[エチレン含有量32モル%、ケン化度9
9.8モル%]を132部/分[EVOH95部(固形
分)]の割合でホッパーから二軸押出機(L/D=42
の30mmφ)に投入し、上記で得られた有機物を含有
した天然モンモリロナイト(B)を5部/分の割合で、
該押出機のベントから、連続的に供給して、溶融混合を
行った。溶融混合時の樹脂組成物の含水率は27%であ
った。
【0047】尚、ホッパー下直後の温度設定ゾーンを5
0℃、中間部(ベント部)の温度設定を98℃、押出機
出口部の設定温度を90℃に設定した。そして、押出機
の出口に設けられたストランドダイからストランド状に
樹脂組成物を押出して、カッティングして樹脂組成物ペ
レット(含水率23%;直径2.5mm、長さ3mmの
円筒形)を得た。
【0048】尚、樹脂組成物の押出機内での滞留時間は
3分であった。また、本文中の(1)式にEVOH
(A)のエチレン含有量(32モル%)、ケン化度(9
9.8モル%)及び含水率(28%)を代入すると10
1.1となって(1)式を満足するものであった。次い
で、得られたペレットを60℃で真空乾燥を行って目的
とする樹脂組成物のペレット(含水率0.3%)を得
た。
【0049】上記ペレットを単軸押出機に供給し、T−
ダイキャスト法にて、押出機設定温度220℃の条件下
で製膜を行い、30μmのフィルムを得た。得られたフ
ィルムについて、以下の評価を行った。
【0050】(酸素透過度)得られたフィルムを、MO
CON社製『OXTRAN2/20』を用い、等圧法
(MOCON法)により、20℃、80%RHの条件下
で測定した。
【0051】(外観特性)得られたフィルムにおいて、
10cm×10cm中における直径が0.1mm以上の
異物の数を測定し、下記の基準にて評価した。 ◎・・・1個以下 ○・・・2〜5個 ×・・・6個以上 また、上記の樹脂組成物のペレットのリサイクル時の熱
安定性を評価するために、以下の要領で溶融粘度比を測
定した。 (溶融粘度比)該樹脂組成物のペレットを設定温度21
0℃の条件で二軸押出機に通して再ペレット化を行った
ペレットの溶融粘度(η1)と同条件で合計3回再ペレ
ット化を行ったペレットの溶融粘度(η3)を測定して
その比(η3/η1)(1に近い方が熱安定性良好)を求
めた。尚、溶融粘度の測定に当たっては、キャピログラ
フ(東洋精機社製『キャピログラフ1B』)を用いて、
210℃、122sec-1の条件で測定した。
【0052】実施例2 実施例1において、含水率26%でエチレン含有量29
モル%、ケン化度99.7モル%のEVOH(A)を用
いて、投入量を131部/分[EVOH97部(固形
分)]とし、実施例1と同様の有機物を含有した天然モ
ンモリロナイト(B)を3部/分の割合で連続的に供給
し、更に中間部(ベント部)の設定温度を110℃に変
更した以外は同様に行って樹脂組成物のペレット(含水
率0.3%)を得て、実施例1と同様の評価を行った。
尚、混合時の樹脂組成物の含水率は25%で、乾燥前の
ペレットの含水率は21%で、また、本文中の(1)式
にEVOH(A)のエチレン含有量(29モル%)、ケ
ン化度(99.7モル%)及び含水率(26%)を代入
すると109.7となって(1)式を満足するものであ
った。
【0053】実施例3 [層状無機化合物(B)の調製−有機化処理−]Nano
cor社製の天然モンモリロナイト『AMS』5gを蒸
留水100mlに添加し、よく攪拌して均一なモンモリ
ロナイトの水散液を得た。そこへ、アミノヒドロキシメ
チルプロパンジオール5gを添加し、よく攪拌して、モ
ンモリロナイトを凝集させた。次いで、アセトン100
mlを添加し、吸引ろ過後、80℃真空下で乾燥させ、
オニウムイオンを持つ化合物を含有する層状無機化合物
を得た。
【0054】尚、層状無機化合物の有機分はTGA測定
により20wt%で、層間隔は広角X線回析(WAX
D)測定により14Åであることが確認された。WAX
D測定に当たっては、理学電気工業社製のX線回析装置
「RINT1200」を使用し、光源は電圧40kV、
電流40mAでCuk−α1を使用し、発散スリット1
deg、散乱スリット1deg、受光スリット0.3m
mでスキャンスピードは2°/min、スキャンステッ
プは0.02で測定し、走査軸2θ/θでのピークから
層間隔を算出した。
【0055】[樹脂組成物の製造]上記の有機物を含有
した天然モンモリロナイト(B)を2部/分の割合で連
続的に供給し、更に中間部(ベント部)の設定温度を9
6℃に変更した以外は実施例1と同様に行って樹脂組成
物のペレット(含水率0.3%)を得て、実施例1と同
様の評価を行った。尚、混合時の樹脂組成物の含水率は
28%で、乾燥前のペレットの含水率は25%であっ
た。
【0056】実施例4 実施例1において、エチレン含有量38モル%のEVO
H(A)を用い、その含水率を25%とし、更に中間部
の設定温度を105℃とした以外は同様に行って樹脂組
成物のペレット(含水率0.3%)を得て、実施例1と
同様の評価を行った。尚、混合時の樹脂組成物の含水率
は24%で、乾燥前のペレットの含水率は21%で、ま
た、本文中の(1)式にEVOH(A)のエチレン含有
量(38モル%)、ケン化度(99.8モル%)及び含
水率(25%)を代入すると101.7となって(1)
式を満足するものであった。
【0057】実施例5 実施例3において、ケン化度98モル%のEVOH
(A)を用いた以外は同様に行って樹脂組成物のペレッ
ト(含水率0.3%)を得て、実施例1と同様の評価を
行った。尚、混合時の樹脂組成物の含水率は28%で、
乾燥前のペレットの含水率は25%で、また、本文中の
(1)式にEVOH(A)のエチレン含有量(32モル
%)、ケン化度(98モル%)及び含水率(28%)を
代入すると81.4となって(1)式を満足するもので
あった。
【0058】比較例1 実施例1において、含水率60%のEVOH(A)を用
いた以外は同様に行って樹脂組成物のペレット(含水率
0.3%)を得て、実施例1と同様の評価を行った。
尚、混合時の樹脂組成物の含水率は59%で、乾燥前の
ペレットの含水率は54%であった。
【0059】比較例2 実施例1において、有機物を含有させない天然モンモリ
ロナイトを用いた以外は同様に行って樹脂組成物のペレ
ット(含水率0.3%)を得て、実施例1と同様の評価
を行った。尚、混合時の樹脂組成物の含水率は27%
で、乾燥前のペレットの含水率は24%であった。
【0060】比較例3 含水率0.3%のEVOHを用いた以外は実施例1に準
じて樹脂組成物のペレット(含水率0.2%)を得て、
実施例1と同様の評価を行った。
【0061】実施例、比較例の結果を表1に示す。
【0062】 〔表1〕 酸素透過度 外観特性 溶融粘度比 (cc・30μm/m2・day・atm) 実施例1 0.1 ◎ 1.2 〃 2 0.1 ◎ 1.4 〃 3 0.2 ◎ 1.3 〃 4 0.3 ◎ 1.4 〃 5 0.3 ◎ 1.5 比較例1 0.8 × 2.3 〃 2 0.4 ◎ 2.1 〃 3 1.1 × 2.5
【0063】
【発明の効果】本発明の製造方法は、EVOH(A)と
層状無機化合物(Β)を含有してなる樹脂組成物を製造
するにあたり、含水率50重量%以下のEVOH(A)
と有機物を含有した層状無機化合物(B)とを溶融混合
しているため、得られた樹脂組成物はガスバリア性や外
観特性に優れ、更には優れた熱安定性を示すものであ
り、これらの樹脂組成物はフィルム、シート或いは容器
等に供せられ、一般食品、レトルト食品、医薬品、工業
薬品、農薬等各種の包装材料として有用であり、各種樹
脂と積層して用いることも有効で、ガソリンタンク、農
薬ボトル等の容器に特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA13 AA28 AB02 AB09 AC11 AC27 AD01 DA12 DC11 FA03 FA06 FB06 4J002 BB221 BE031 DJ006 DJ056 FA016 FB086 GF00 GG01 GG02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (A)と層状無機化合物を含有してなる樹脂組成物を製
    造するにあたり、含水率50重量%以下のエチレン−酢
    酸ビニル共重合体ケン化物(A)と有機物を含有した層
    状無機化合物(B)とを溶融混合してなることを特徴と
    する樹脂組成物の製造法。
  2. 【請求項2】 下記(1)式を満足する含水率50重量
    %以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)
    を用いることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物の
    製造法。 60≦(0.173×Sv−20.111)×W+0.2184 ×(Sv−100)2+6.5356×(Sv−100) +230.67×exp(−0.0074×Et)≦120 ・・・(1) 但し、Etはエチレン含有量(モル%)、Svはケン化
    度(モル%)、Wは含水率(重量%)を表す。
  3. 【請求項3】 溶融混合時の樹脂組成物全体の含水率の
    下限を10重量%にすることを特徴とする請求項1また
    は2記載の樹脂組成物の製造法。
  4. 【請求項4】 含水率50重量%以下のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体ケン化物(A)の含水率の下限が10重
    量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載
    の樹脂組成物の製造法。
  5. 【請求項5】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (A)100重量部に対する有機物を含有した層状無機
    化合物(B)の含有量を0.1〜20重量部とすること
    を特徴とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物の
    製造法。
  6. 【請求項6】 樹脂組成物がペレット状に成形されてな
    ることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の樹脂組
    成物の製造法。
JP2000189472A 2000-06-23 2000-06-23 樹脂組成物の製造法 Expired - Lifetime JP5110743B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000189472A JP5110743B2 (ja) 2000-06-23 2000-06-23 樹脂組成物の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000189472A JP5110743B2 (ja) 2000-06-23 2000-06-23 樹脂組成物の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002003608A true JP2002003608A (ja) 2002-01-09
JP5110743B2 JP5110743B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=18689097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000189472A Expired - Lifetime JP5110743B2 (ja) 2000-06-23 2000-06-23 樹脂組成物の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5110743B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10180867A (ja) * 1996-11-08 1998-07-07 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物延伸フィルムの製造法
WO2000034378A1 (en) * 1998-12-07 2000-06-15 Eastman Chemical Company Polymer/clay nanocomposite and process for making same
WO2000034180A1 (en) * 1998-12-07 2000-06-15 Eastman Chemical Company A polymer/clay nanocomposite having improved gas barrier comprising a clay material with a mixture of two or more organic cations and a process for preparing same
WO2000034376A1 (en) * 1998-12-07 2000-06-15 Eastman Chemical Company A polymer/clay nanocomposite comprising a clay mixture and a process for making same

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10180867A (ja) * 1996-11-08 1998-07-07 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物延伸フィルムの製造法
WO2000034378A1 (en) * 1998-12-07 2000-06-15 Eastman Chemical Company Polymer/clay nanocomposite and process for making same
WO2000034180A1 (en) * 1998-12-07 2000-06-15 Eastman Chemical Company A polymer/clay nanocomposite having improved gas barrier comprising a clay material with a mixture of two or more organic cations and a process for preparing same
WO2000034376A1 (en) * 1998-12-07 2000-06-15 Eastman Chemical Company A polymer/clay nanocomposite comprising a clay mixture and a process for making same

Also Published As

Publication number Publication date
JP5110743B2 (ja) 2012-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8722785B2 (en) Process for producing EVOH composite
JP6746911B2 (ja) エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物組成物ペレットおよびその製造方法
WO2015087980A1 (ja) Evoh樹脂を用いた溶融成形材料
JP2000136281A (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP4642195B2 (ja) 樹脂組成物ペレットおよび成形物
JP4707783B2 (ja) 水酸基含有熱可塑性樹脂改質用の樹脂組成物およびその使用法
JP2000044756A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物組成物の製造法
JP2002003609A (ja) 樹脂組成物の製造法
JP5153029B2 (ja) 樹脂組成物の製造法
JP4627354B2 (ja) 樹脂組成物の製造法
JP2000043040A (ja) エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物組成物ペレットの製造法
JP5110742B2 (ja) 樹脂組成物の製造法
JP4704708B2 (ja) 樹脂組成物及びその製造方法
JP2004315793A (ja) 樹脂組成物及び積層体
JP2000001591A (ja) 樹脂組成物及びその用途
JP4017275B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
CN110382616B (zh) 树脂组合物和由其构成的成型材料以及多层结构体
JP2001081262A (ja) 樹脂組成物および積層体
JP5110743B2 (ja) 樹脂組成物の製造法
JP4869120B2 (ja) 多層延伸フィルム
JP5388429B2 (ja) 樹脂複合体およびその製造方法
JP2001288323A (ja) 樹脂組成物ペレットおよびその用途
JP2002060497A (ja) 樹脂組成物ペレットおよび成形物
JP2001302710A (ja) 樹脂組成物および積層体
JP2004244451A (ja) 樹脂組成物およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100914

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121009

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5110743

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term