JP2002001668A - メタルボンド砥石 - Google Patents

メタルボンド砥石

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JP2002001668A JP2000183824A JP2000183824A JP2002001668A JP 2002001668 A JP2002001668 A JP 2002001668A JP 2000183824 A JP2000183824 A JP 2000183824A JP 2000183824 A JP2000183824 A JP 2000183824A JP 2002001668 A JP2002001668 A JP 2002001668A
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Tsutomu Takahashi
務 高橋
Masaharu Oku
雅治 尾久
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 研削抵抗を減らして摩擦熱の発生を抑制し、
耐摩耗性を向上する。 【解決手段】 メタルボンド砥石1の砥粒層2は、Cu
とSnの粉末を混合焼結した金属結合相4にダイヤモン
ドまたはCBN等の超砥粒6を分散混合している。金属
結合相4中には球状のグラッシーカーボン10を潤滑成
分として分散配置する。更に金属結合相4中に耐摩耗性
成分としてNi、Co、Fe、Tiの1種以上を添加混
合する。更にフィラーとして耐摩耗性フィラー8である
SiO2等または潤滑成分としてグラファイトを金属結
合相4中に分散配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメタルボンド砥石に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なメタルボンド砥石は、Cu、S
n、Ni等の金属または合金粉末にダイヤモンドまたは
CBN等の超砥粒を均一に混合し、この混合粉末を台金
とともに型込めした後、これらをプレス成形及び焼結し
て製造される。このようなメタルボンド砥石の特殊な例
として特開昭63−295180号公報に開示されたも
のがある。このメタルボンド砥石ではアモルファスカー
ボン粉末が反応しやすい活性を有する性能を備えたこと
に着目して鉄粉末にアモルファスカーボン粉末を添加混
合してダイヤモンド砥粒と混合して焼結している。焼結
により生成した発生期状態の鉄アモルファスカーボン焼
結組織がダイヤモンド粉末に対して反応しやすい活性状
態にあるために超砥粒に対しても強い結合状態を生成す
ることができ、機械的強度や超砥粒に対する把持力や耐
熱性を高めることができるとしている。
【0003】しかしながら、このようにしてメタルボン
ド砥石の機械的強度や超砥粒把持力等を高めると、研削
加工時に摩擦熱のために被削材にダメージを与えるおそ
れがあり、更には自生発刃作用が低下して超砥粒の切れ
味が低下して研削精度や研削効率が低下するという問題
が発生する。一般的なメタルボンド砥石では、研削抵抗
により発生する摩擦熱を抑制するためにメタルボンド砥
石の金属結合相中に例えば黒鉛(グラファイト)やCa
2(フッ化カルシウム)等の固体潤滑剤をフィラーと
して分散添加することによって、研削時に金属結合相中
の固体潤滑剤が金属結合相や超砥粒と共に逐次脱落する
際、その潤滑作用によって超砥粒による研削を円滑に行
うと共に砥粒層や被削材の摩擦熱を抑制するよう図られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
なメタルボンド砥石ではフィラーとしての固体潤滑剤を
含まない場合は金属結合相自体の機械的強度や弾性率が
高く研削時に被削材を傷つけ易くなるという問題が生じ
る。一方、フィラーとして分散配置された固体潤滑剤を
含むメタルボンド砥石では固体潤滑剤によって研削抵抗
を低減できるが、金属結合相が脆化しやすくなって砥粒
層の耐摩耗性が低下し、砥石寿命が短くなるという問題
も生じる。本発明は、このような事情に鑑みてなされた
もので、砥粒層の弾性率と潤滑性を同時に高めて研削抵
抗を低減すると共に、耐摩耗性を向上させることができ
るメタルボンド砥石を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るメタルボン
ド砥石は、金属結合相中に超砥粒を分散配置してなるメ
タルボンド砥石であって、前記金属結合相は銅及び錫の
合金であって更に金属結合相中に固体潤滑剤としてグラ
ッシーカーボンを分散配置したことを特徴とする。本発
明は、従来認識されていなかったグラッシーカーボンの
潤滑作用を新規に見いだしたことに基づく発明であり、
これをメタルボンド砥石に採用したものである。本発明
ではグラッシーカーボンは粒子状を呈し超砥粒や金属結
合相と反応することなく別個に分散配置されている。そ
のため、金属結合相中のグラッシーカーボンは、研削時
に摩耗して生成される粉状物が潤滑剤として作用して被
削材との間の研削抵抗を低減して研削熱の発生を抑制す
ることができ、更に例えば黒鉛等の固体潤滑剤に比べて
硬さ及び圧縮強度、曲げ強度等が大きいためにメタルボ
ンド砥石が変形したり偏摩耗することをより効果的に抑
制することができる。
【0006】しかもメタルボンド砥石では、グラッシー
カーボン(glassy carbon)は曲げ強度が16kg/m
2程度で黒鉛に対して約5倍大きく、圧縮強度が12
0kg/mm2程度で黒鉛に対して約20倍大きく、弾
性率が3×103kg/mm2程度で黒鉛に対して約3倍
大きく、硬さがショア硬さHs=110程度で黒鉛に対
して約3倍大きいという特性を有している。そしてメタ
ルボンド砥石の金属結合相中にグラッシーカーボンを添
加して分散配置することによって、メタルボンド砥石の
砥粒層の弾性率を、黒鉛を分散配置した場合と比較して
格段に向上させることができる。これにより固体潤滑剤
ととして黒鉛等を用いた場合と比較して、砥粒層の圧縮
剛性を向上させることができ、例えば研削加工時におけ
る研削抵抗により砥粒層が圧縮変形することを防止する
ことができ、超砥粒を保持する砥粒層の機械的強度を向
上させることができる。尚、金属結合相中のSnは、超
砥粒を除く金属結合相中に5〜60wt%含まれており
自生発刃作用を促して切れ味促進成分となる。
【0007】またグラッシーカーボンは球状であっても
よい。球状のグラッシーカーボンにより金属結合相の圧
縮強度を向上させることができ、研削加工時に砥粒層に
作用する応力を緩和することができる。また、砥粒層の
表面上から露出した球状のグラッシーカーボンは被削材
の研削面と点接触するため、被削材との摩擦が生じても
摩擦抵抗は小さく、摩擦熱の発生が小さく抑えられる。
更に、砥粒層の表面上において球状のグラッシーカーボ
ンを保持する金属結合相が摩耗して球状のグラッシーカ
ーボンの全体積のうちの半分以上が失われると、或いは
非常に大きな衝撃が加わると球状のグラッシーカーボン
は破壊されて、グラッシーカーボンは砥粒層の表面上か
ら脱落して、グラッシーカーボンが保持されていた位置
にチップポケットが形成される。この場合、グラッシー
カーボンが球状であることによって、不定形状のグラッ
シーカーボンに比べて、金属結合相による保持力が低下
しており、金属結合相からの脱落が促進される。こうし
て形成されたチップポケットには研削加工時に研削液が
導入されたり研削くず等が入り込むことによって切屑の
排出性が向上される。一方、グラッシーカーボンが球状
であるが故にその圧縮強度は不定形状に比べて高くメタ
ルボンド砥石の圧縮変形を抑制できる。さらに、金属結
合相の原料混合の際には原料の流動性や成形性を向上さ
せることができる。
【0008】金属結合相にはニッケル、コバルト、鉄、
チタンから選択される1種または2種以上の金属成分が
含まれていてもよい。金属結合相中のニッケル、コバル
ト、鉄、チタンは総和で、超砥粒を除く金属結合相中に
3〜70wt%含まれており耐摩耗性成分となる。また
金属結合相には更にSiC、Al23、SiN4等の硬
質耐摩耗性フィラーが含まれていてもよい。硬質フィラ
ーも超砥粒を除く金属結合相中に1〜10wt%含まれ
ていて耐摩耗性成分となる。本発明によるメタルボンド
砥石では、SiC等からなる硬質の耐摩耗性フィラーが
分散配置されることによって砥粒層の摩耗を抑制して砥
石寿命の延命化が図られていると共にグラッシーカーボ
ンが分散配置されることにより、研削比を低下させるこ
となく研削抵抗を低減させることができる。また金属結
合相には更にグラファイト、MoS2、hBNから選択
される1種類以上の潤滑性フィラーが含まれていてもよ
い。グラファイト等による潤滑性フィラーが追加して分
散配置されることによって研削抵抗が更に低減されて、
研削時に超砥粒による被削材の研削をより円滑に行うこ
とができるように図られた切れ味の良いメタルボンド砥
石に対して、更にグラッシーカーボンが分散配置される
ことにより、研削抵抗を増大させることなく研削比を向
上させることができる。
【0009】さらに、グラッシーカーボンは、超砥粒を
除く金属結合相中に体積比で5〜50vol%含まれて
いてもよい。ここでグラッシーカーボンが5vol%未
満になると研削時の研削抵抗を低減して摩擦熱の発生を
抑制したり砥粒層の耐摩耗性を向上する効果が弱く、逆
に50vol%を越えると砥粒層に占める金属結合相の
割合が低下するために砥粒層の強度が低下し砥粒層の耐
摩耗性が低下して経済性が低下する。
【0010】さらに、グラッシーカーボンの硬さがショ
ア硬さでHs=100〜120であってもよい。ここで
グラッシーカーボンはフェノール樹脂を500℃〜30
00℃で焼成して形成されるが、特に600℃以下で焼
成されるとショア硬さHsが100未満となり、グラッ
シーカーボンの硬さが小さいためにメタルボンド砥石が
変形したり偏摩耗することを抑制することができないこ
とに加えて、潤滑性が低いことから被削材との間の研削
抵抗を低減して研削熱の発生を抑制することができな
い。一方、高温で焼成されたものほど、硬さが高く潤滑
性に優れたグラッシーカーボンとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるメタルボンド
砥石の実施形態について添付図面を参照しながら説明す
る。図1は本発明の実施の形態によるメタルボンド砥石
の部分拡大断面図である。本実施の形態によるメタルボ
ンド砥石1は、砥粒層のみにより砥石が形成されていて
もよいし、適当な砥石基体に砥粒層が固定されていても
よい。このメタルボンド砥石1の砥粒層2は焼結された
Cu基の金属結合相4中にダイヤモンドやCBN等の超
砥粒6を分散配置してなるものである。この金属結合相
4はCu−Sn系からなるものであり、Cu粉末とSn
粉末を超砥粒6と共に混合して圧粉成形及び焼結したも
のである。しかもCuは超砥粒6を除く金属結合相中に
30〜95wt%、Snは5〜60wt%の範囲で含ま
れている。特にSnは切れ味促進成分を構成するもの
で、含有量が5wt%より少ないと金属結合相4の強度
が高くなりすぎて自生発刃作用を十分に発揮し得ず超砥
粒6の摩耗の進行によって切れ味が低下し、また60w
t%を越えると脆性が大きくなりすぎて金属結合相強度
が低下して寿命を低下させることになる。
【0012】ダイヤモンド等の超砥粒6は、砥粒層2の
体積に対して例えば3.5〜37.5vol%程度含まれ
ており、好ましくは5〜25vol%含まれている。また
超砥粒6の平均粒径は特に限定されないが、一般には3
〜250μm程度が好適である。また金属結合相4中に
はNi、Co、Feから選択される1種または2種以上
の金属が総和で、超砥粒6を除く金属結合相4の3〜7
0wt%含まれており、これらがCu粉末及びSn粉末
と共に混合されて圧粉成形及び焼結されることになる。
このNi、Co、Feは耐摩耗性成分となる。ここで添
加量が3wt%より少ないと砥石1の耐摩耗性向上に寄
与せず、70wt%より多いと金属結合相4の強度が高
すぎて切れ味低下を来すという欠点がある。また金属結
合相4にはフィラーとしてグラッシーカーボン10が含
まれている。またこれ以外にフィラーとして例えばSi
C、Al23、Si34、SiN4等の硬質の耐摩耗性
フィラー8が含まれていても良い。硬質耐摩耗性フィラ
ー8は超砥粒6を除く金属結合相4中に1〜10wt%
含まれていて耐摩耗性成分となる。SiC等からなる硬
質の耐摩耗性フィラー8が分散配置されることによって
砥粒層2の摩耗を抑制して砥石寿命の延命化が図られて
いる。
【0013】またグラッシーカーボン10は潤滑性成分
として添加したものであって粒子状、好ましくは球状を
呈しており、超砥粒6を除く金属結合相4中に体積比で
5〜50vol%含まれている。これにより砥粒層2の
研削抵抗を増大させることなく研削比を向上させること
ができる。尚、本発明ではグラッシーカーボン10は焼
結等によっても超砥粒6や金属結合相4と反応すること
なく別個に分散配置されている。ここでグラッシーカー
ボン10が5vol%未満になると、研削時の研削抵抗
を低減して摩擦熱の発生を抑制したり砥粒層の耐摩耗性
を向上する効果が弱く、逆に50vol%を越えると、
砥粒層に占める金属結合相4の割合が低下するため砥粒
層2の強度が低下し砥粒層2の耐摩耗性が低下して経済
性が低下する。球状をなすグラッシーカーボン10の粒
径は、特に限定されるものではないが、好ましくは超砥
粒6の粒径の1/10〜2倍の範囲とされている。ここ
で、グラッシーカーボン10の粒径が超砥粒6の粒径の
1/10未満であると、研削抵抗を低減して研削熱の発
生を抑制する効果と耐摩耗性を向上させる潤滑成分とし
ての効果が弱く、逆に超砥粒6の粒径の2倍を越える
と、グラッシーカーボン10の分散ピッチが伸びて被削
材と金属結合相4との接触長さが増えて研削抵抗の増大
がもたらされる。
【0014】さらに、グラッシーカーボン10のショア
硬さHsはHs=100〜120に設定されており、こ
こでショア硬さHsが100未満になるとグラッシーカ
ーボン10の硬さが小さいためにメタルボンド砥石1が
変形したり偏摩耗することを抑制することができず、ま
た潤滑性が低いことから被削材との間の研削抵抗を低減
して研削熱の発生を抑制することができない。なお、グ
ラッシーカーボン10はフェノール樹脂を500℃〜3
000℃で焼成して形成されるが、特に600℃以下で
焼成されるとショア硬さHsが100未満となり、高温
で焼成されたグラッシーカーボン10ほど硬さが高く潤
滑性に優れており、好ましくは700℃以上で焼成され
ることでショア硬さHsが100〜120のグラッシー
カーボン10を得ることができる。
【0015】またグラッシーカーボン10を球状とする
ことで、金属結合相4の圧縮強度を向上させることがで
きて研削時に砥粒層2に作用する応力を緩和させること
ができる。また砥粒層2の表面から露出する球状のグラ
ッシーカーボン10は被削材の研削面と点接触するため
に被削材との摩擦抵抗が小さく摩擦熱の発生が小さく抑
えられる。しかも表面から露出するグラッシーカーボン
が被削材と接触したり脱落して粉砕されたりして摩耗す
ると、その粉状物にはグラファイト並の潤滑作用があり
研削時の摩擦熱の発生を効果的に抑制できる。そしてグ
ラッシーカーボン10が脱落してできた砥粒層2の表面
に略半球状の凹部が形成されてチップポケット10aと
して機能する。
【0016】また金属結合相4には更にグラファイトが
含まれていてもよい。グラファイトによる潤滑性フィラ
ーが分散配置されることによって更に研削抵抗が低減さ
れて、研削時に超砥粒6による被削材の研削を円滑に行
うことができる。
【0017】以上説明したように本実施の形態によるメ
タルボンド砥石1では、グラッシーカーボン10を潤滑
性成分として金属結合相4中に分散配置することによっ
て、砥粒層2の表面から露出する部分が研削時に摩耗し
て潤滑剤として作用して被削材との間の研削抵抗を低減
して研削熱や摩擦熱の発生を抑制することができ、これ
に加えて、例えばグラファイト等の固体潤滑剤に比べ
て、硬さ及び圧縮強度、曲げ強度等が大きいためにメタ
ルボンド砥石1が変形したり偏摩耗することを効果的に
抑制することができる。さらにグラッシーカーボン10
は、金属結合相4を形成するCu−Sn系金属よりも大
きな弾性率を有することから、砥粒層2の弾性率を向上
させることができると共に砥粒層2の圧縮剛性を向上さ
せることができ、超砥粒6を保持する砥粒層4の機械的
強度を向上させることができる。しかもグラッシーカー
ボン10が球状であるため、砥粒層2に作用する応力を
緩和することができる。従って研削加工時の被削材加工
面と砥粒層2の表面との摩擦抵抗を抑制して金属結合相
4の被削材に対する潤滑性を確保することで研削熱の上
昇を抑えることができると共に、砥粒層2の耐摩耗性を
向上させることができる。
【0018】しかも砥粒層2の表面上から露出した球状
のグラッシーカーボン10は被削材の研削面と点接触す
るために被削材との摩擦が生じても摩擦抵抗は小さく摩
擦熱の発生が小さく抑えられる。さらに、例えば外表面
上に凸凹が形成された不定形状の潤滑剤に比べて、金属
結合相4による保持力が低下して金属結合相4からの脱
落が促進されてチップポケット10aが形成され切屑排
出性を向上できる。またグラッシーカーボン10の総量
が、砥粒層2の超砥粒6を除く金属結合相4の体積比で
5〜50vol%の範囲とされていることによって、研
削抵抗による研削熱の低減及び耐摩耗性の向上の効果が
充分でなくなったり砥粒層2の強度が大幅に低下して砥
粒層2の耐摩耗性が低下するという不具合が生じること
を防止することができる。さらに、グラッシーカーボン
10のショア硬さHsがHs=100〜120に設定さ
れていることによって、メタルボンド砥石1が変形した
り偏摩耗することを抑制することができ被削材との間の
研削抵抗を低減して研削熱の発生を抑制することができ
る。
【0019】さらに、金属結合相4中にNi、Co、F
e等の耐摩耗性成分が添加されていたり硬質の耐摩耗性
フィラーであるSiO2等が分散されていることで砥粒
層2の摩耗を抑制して砥石寿命の延命化が図られている
場合に、グラッシーカーボン10が分散配置されること
により、研削比を低下させること無しに研削抵抗を低減
させることができる。また金属結合相4中に気孔(金属
結合相4中に4〜40vol%含む)や中空ガラス等が分
散配置されていても良い。この場合、砥粒層2の弾性を
向上できる上に研削面粗さを改善させることができる。
しかもこれらが砥粒層2の表面に露出すると、気孔によ
って或いは中空ガラスが破壊されることで砥粒層2の表
面上にチップポケットが形成されて切屑排出性が一層向
上する。
【0020】なお、上述した本実施の形態においては、
Cu−Sn系の金属結合相4中に、Ni、Co、Feの
少なくとも1種からなる耐摩耗性成分が添加され、更に
SiO2等の硬質の耐摩耗性フィラーまたはグラファイ
ト等の潤滑性成分がフィラーとして分散配置するとした
が、必ずしもNi、Co、Feの少なくとも1種からな
る耐摩耗性成分は含まれていなくても良く、或いはSi
2等の耐摩耗性成分またはグラファイト等の潤滑性成
分は含まれていなくても良い。或いはこれらの添加成分
はいずれも含まれていなくてもよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るメタ
ルボンド砥石では、金属結合相は銅及び錫の合金であっ
て更に固体潤滑剤としてグラッシーカーボンを金属結合
相中に分散配置したので、グラッシーカーボンが摩耗す
る際にその粉状物が潤滑作用を発揮して被削材との間の
研削抵抗を低減して研削熱、摩擦熱の発生を抑制でき
る。しかも砥粒層の弾性率を向上させることができて圧
縮剛性を向上させ超砥粒を保持する砥粒層の機械的強度
を向上させることができると共に硬さ及び圧縮強度、曲
げ強度等が大きいために偏摩耗することをより効果的に
抑制することができる。
【0022】またグラッシーカーボンは球状であるか
ら、金属結合相の圧縮強度を向上させることができ、研
削加工時に砥粒層に作用する応力を緩和することができ
る。また、砥粒層の表面上から露出したグラッシーカー
ボンは被削材と点接触するために被削材との摩擦抵抗が
小さく摩擦熱の発生が抑えられる。更に、砥粒層の表面
上からグラッシーカーボンが脱落するとチップポケット
が形成され、研削液が導入されたり研削くず等が入り込
むことによって切屑の排出性を向上できる。しかもグラ
ッシーカーボンは球状であるために不定形状のものに比
べて金属結合相による保持力が低下しており脱落を促進
できる。またグラッシーカーボンが球状であるが故にそ
の圧縮強度は不定形状に比べて高くメタルボンド砥石の
研削負荷を抑制でき、さらに砥粒層原料の混合段階では
原料の流動性や成形性を向上させることができる。
【0023】金属結合相にはニッケル、コバルト、鉄、
チタンから選択される1種または2種以上の金属成分が
含まれているから、金属結合相の耐摩耗性を向上できて
砥石寿命の延命化を図ることができ、更にグラッシーカ
ーボンにより研削比を低下させることなく研削抵抗を低
減させることができる。また金属結合相には更にSiC
等の硬質の耐摩耗性フィラーが含まれているから、砥粒
層の摩耗を抑制して砥石寿命の延命化を図り、更にグラ
ッシーカーボンによって研削比を低下させることなく研
削抵抗を低減できる。また金属結合相には更にグラファ
イト等の潤滑性フィラーが含まれているから、一層研削
抵抗が低減されて被削材の研削を円滑に行うことがで
き、グラッシーカーボンにより研削抵抗を増大させるこ
となく研削比を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるメタルボンド砥石
の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1 メタルボンド砥石 2 砥粒層 4 金属結合相 6 超砥粒 8 硬質耐摩耗性フィラー 10 グラッシーカーボン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属結合相中に超砥粒を分散配置してな
    るメタルボンド砥石であって、前記金属結合相は銅及び
    錫の合金であって更に金属結合相中に固体潤滑剤として
    グラッシーカーボンを分散配置したことを特徴とするメ
    タルボンド砥石。
  2. 【請求項2】 前記グラッシーカーボンは球状であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のメタルボンド砥石。
  3. 【請求項3】 前記金属結合相にはニッケル、コバル
    ト、鉄、チタンから選択される1種または2種以上の金
    属が含まれていることを特徴とする請求項1または2に
    記載のメタルボンド砥石。
  4. 【請求項4】 前記金属結合相には更にSiC、Al2
    3、SiN4等の硬質耐摩耗性フィラーが含まれている
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のメ
    タルボンド砥石。
  5. 【請求項5】 前記金属結合相には更にグラファイト、
    MoS2、hBNから選択される1種類以上の潤滑性フ
    ィラーが含まれていることを特徴とする請求項1から3
    のいずれかに記載のメタルボンド砥石。
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