JP2002001654A - 鋸歯自動研削盤 - Google Patents

鋸歯自動研削盤

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JP2002001654A
JP2002001654A JP2000185514A JP2000185514A JP2002001654A JP 2002001654 A JP2002001654 A JP 2002001654A JP 2000185514 A JP2000185514 A JP 2000185514A JP 2000185514 A JP2000185514 A JP 2000185514A JP 2002001654 A JP2002001654 A JP 2002001654A
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saw
tooth
grindstone
saw tooth
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JP2000185514A
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Yoshihisa Fujii
義久 藤井
Yutaka Sawada
豊 澤田
Hitoshi Kitamura
均 北村
Jun Murabayashi
順 村林
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Original Assignee
OHMI KINZOKU KOGYO CO Ltd
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熟練工の存在を必要とすることなしに、高能
率、高精度及び高品位の鋸歯研削を可能とする鋸歯自動
研削盤を提供する。 【解決手段】 帯鋸2の鋸歯を研削する鋸歯自動研削盤
1において、鋸歯研削時に発生する振動を振動センサに
よって検出する。この検出された振動パターンに基づい
て、砥石67の鋸歯に対する接触、鋸歯形状、研削周回
の終了を認識する。これら認識により、砥石67の移動
軌跡の変更または調整を行うことで、鋸歯の形状に適合
した鋸歯研削作業が自動的に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯鋸や丸鋸等の鋸
歯を研削するための鋸歯自動研削盤に係る。特に、本発
明は、熟練工の存在を必要とすることなしに、高能率、
高精度及び高品位の鋸歯研削を可能とするための対策に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平5−17743
2号公報に開示されているように、使用後の帯鋸や丸鋸
等の鋸歯を研削して再生するための鋸歯研削盤が知られ
ている。この種の鋸歯研削盤の一般的な研削動作につい
て説明すると、鋸歯が上側を向くように鋸がセットさ
れ、その上方から砥石が鋸歯に近づいて研削を行うよう
になっている。この砥石は、砥石駆動機構に取り付けら
れており、高速回転すると共に、鋸歯の形状に沿った所
定の軌跡上を移動する。これにより、砥石が鋸歯の端縁
を予め設定された研削量だけ研削することによって鋭利
な歯先が得られるようになっている。
【0003】また、一歯の研削が終了すると、次の鋸歯
を研削すべく歯の送り動作が行われる。一般には、この
歯の送り動作と砥石の研削動作とはカム機構によって連
繋されている。つまり、研削動作が終了した後に、一定
量(鋸歯の1ピッチ分)だけ歯を送って、次の歯が砥石
に対向するようにしている。この研削動作と送り動作と
が交互に行われ、これら動作が鋸の歯数だけ繰り返され
ると一周回の研削動作が終了する。このような研削動作
を複数周回(例えば3周回または4周回)行うことによ
り、所定の研削量だけ研削が行われて鋭利な歯型が得ら
れ、鋸歯が再生される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現在、鋸歯
研削の作業現場では、経験豊かで、高い技能をもつ所謂
熟練工(目立て士)が、鋸歯の歯型や摩耗状態を把握し
た上で、これまでの経験や勘に基づいて鋸歯研削盤を使
用した鋸歯の研削作業を行っている。つまり、鋸歯の研
削の良し悪しは熟練工の技能に委ねられているのが実状
である。
【0005】ところが、近年、これら熟練工の高齢化と
後継者不足は深刻になりつつあり、木材加工機械メー
カ、工具刃物の製造業者や研磨業者にあっては、熟練工
の引退と共に廃業・転業を余儀なく迫られるケースも少
なくない。
【0006】この状況に鑑みて、本発明の発明者らは、
熟練工の技術保存やデータベース化、体系化と伝承や、
熟練技能を制御技術に移植した機械開発の必要性を見出
した。
【0007】具体的には、日進月歩する人工知能の一端
をなす高度な情報処理技術を、これら熟練工の技能の保
存、汎用化および普及に役立てることに着目した。
【0008】特に、多様で複雑な性質を持つ木材を、常
に最適な条件のもとで加工する必要がある木材加工関連
の分野にあっては、このような、いわばエキスパートの
五感をコンピュータ及びプログラムの形式で昇華させる
ことへの期待は大きく、今後、鋸歯研削の作業現場での
技能レベルの維持と向上とを図るためには、熟練工の技
術保存やデータベース化等を行うことは不可欠なもので
あることを本発明の発明者らは見出したのである。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、熟練工の存在を必要
とすることなしに、高能率、高精度及び高品位の鋸歯研
削を可能とする鋸歯自動研削盤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】−発明の概要− 上記の目的を達成するために、本発明は、砥石による鋸
歯の研削時に発生する振動または音を検出して、そのパ
ターン認識による加工状態の自動認識機能を備えさせ、
この加工状態に応じて研削条件の最適化を図ることがで
きるようにした鋸歯自動研削盤を実現したものである。
【0011】−解決手段− 具体的に、第1の解決手段は、鋸歯研削用の砥石を備
え、鋸上の複数の鋸歯をこの砥石によって順に研削して
いく鋸歯自動研削盤を前提とする。この鋸歯自動研削盤
に対し、検出手段、研削状態認識手段及び制御手段を備
えさせている。検出手段は、鋸歯研削時に発生する振動
または音を検出するものである。研削状態認識手段は、
検出手段の出力を受けて、砥石による鋸歯の研削状態を
認識するものである。制御手段は、研削状態認識手段の
出力を受け、その出力に基づいて砥石の鋸歯研削動作を
制御するものである。
【0012】この特定事項により、砥石によって鋸歯を
研削する際、この両者の接触により振動及び音が発生す
る。この振動や音は鋸歯の研削状態によって異なったも
のとなる。つまり、この振動や音は鋸歯の研削状態を反
映したものとなる。例えば、鋸歯に対する砥石の当たり
が強すぎる場合には、比較的大きな振動や音が発生し、
鋸歯に対する砥石の当たりが弱すぎる場合には、比較的
小さな振動や音が発生するなどといった状況になる。こ
のため、検出手段によって鋸歯研削時に発生する振動ま
たは音を検出することで、砥石による鋸歯の研削状態を
研削状態認識手段によって認識することが可能となる。
そして、この認識された鋸歯の研削状態に基づいて制御
手段が砥石の鋸歯研削動作を制御することにより、鋸歯
の形状や摩耗の程度に応じた最適な鋸歯研削動作を行わ
せることが可能となる。このようにして、熟練工の存在
を必要とすることなしに、高能率、高精度及び高品位の
鋸歯研削を行うことが可能となる。
【0013】第2の解決手段は、振動または音を検出す
ることによる鋸歯の研削状態の認識動作の一例である。
つまり、上記第1の解決手段に係る鋸歯自動研削盤にお
いて、鋸歯の研削開始時に、砥石が鋸歯に相対的に近接
していくようにする一方、砥石が鋸歯に接触した際に発
生する振動または音を検出手段が検出し、その検出信号
を研削状態認識手段が受けて鋸歯の位置を認識するよう
にしている。また、上記研削状態認識手段が検出信号を
受信した際の砥石の位置を研削開始位置として制御手段
が砥石の鋸歯研削動作を制御する構成としている。
【0014】この特定事項により、鋸歯の研削開始時
に、砥石が鋸歯に相対的に近接していき、この砥石が鋸
歯に接触した瞬間に、その接触に起因する振動または音
が発生する。検出手段は、この振動または音を検出した
際に検出信号を研削状態認識手段に出力する。この検出
信号を受けた研削状態認識手段は、その信号を受けた時
点での砥石の位置を確認し、それに基づいて鋸歯の位置
を認識する。これにより、鋸歯の位置に適合した砥石の
移動軌跡を制御手段によって設定することができ、良好
な鋸歯の研削動作を行うことができる。
【0015】第3の解決手段は、振動または音を検出す
ることによる鋸歯の研削状態の認識動作の他の一例であ
る。つまり、上記第1の解決手段に係る鋸歯自動研削盤
において、鋸上の全ての鋸歯の研削が一通り行われる研
削周回動作を複数周回行うようにする。また、研削状態
認識手段が、振動検出手段からの出力変化によって各研
削周回動作の終了を認識する一方、制御手段が、研削周
回動作の終了後、次の研削周回動作において、砥石を鋸
歯に近づけるよう砥石の移動軌跡を制御する構成として
いる。
【0016】この特定事項により、砥石による第1周回
目の研削動作が終了すると、再び、第1番目の鋸歯に対
して、それまでと同一の移動軌跡上を鋸歯が移動して研
削を行おうとする。ところが、この第1番目の鋸歯は既
に第1周回目の研削が行われているため、砥石による研
削は殆ど行われず、それに伴って振動や音も殆ど発生し
ない。この振動や音の変化を検出手段が検出し、その検
出信号によって研削状態認識手段は、第1周回目の研削
動作が終了したことを認識する。これにより、制御手段
は、第2周回目の研削動作を行わせるべく、砥石を鋸歯
に近づけるよう砥石の移動軌跡を制御することになる。
これにより、各研削周回においてその開始時に砥石の移
動軌跡が適切に制御され、自動的に各研削周回毎に砥石
の移動軌跡が更新されて所定の研削量ずつ鋸歯の研削が
行われていく。
【0017】第4の解決手段は、振動または音を検出す
ることによる鋸歯の研削状態の認識動作の更なる他の一
例である。つまり、上記第1の解決手段に係る鋸歯自動
研削盤において、研削状態認識手段が、鋸歯研削時の検
出手段の出力を受けて砥石と鋸歯との接触状態を認識し
て鋸歯の歯形状を確認するようにする。また、制御手段
が、鋸歯の歯形状に沿うように砥石の移動軌跡を制御す
るようにしている。
【0018】この特定事項により、ある特定の鋸歯に対
して研削動作を行った際、検出手段によって検出された
振動や音のパターンに基づいて、鋸歯の形状を確認する
ことになる。つまり、上述した如く、例えば、鋸歯に対
する砥石の当たりが強すぎる場合には、比較的大きな振
動や音が発生する。従って、この部分での鋸歯形状は、
砥石の移動軌跡とのラップ寸法(この寸法が実際の研削
量となる)がかなり大きい位置にあることが認識でき
る。一方、鋸歯に対する砥石の当たりが弱すぎる場合に
は、比較的小さな振動や音が発生する。従って、この部
分での鋸歯形状は、砥石の移動軌跡とのラップ寸法がか
なり小さい位置にあることが認識できる。このようにし
て、鋸歯の形状を認識し、それに基づいて、制御手段
が、砥石の移動軌跡を鋸歯形状に沿うように制御して、
鋸歯全体を適切な研削量だけ研削することが可能にな
る。
【0019】第5の解決手段は、上記第1〜第4のうち
何れか一つの解決手段において、砥石を、砥石移動機構
によって所定の移動軌跡を移動可能にする。また、制御
手段が、砥石移動機構をNC制御によって制御すること
により砥石の移動軌跡を制御する構成としている。
【0020】従来の鋸歯研削盤は、砥石回転軸と連動し
て動く機械式カムによって、砥石と鋸歯の相対運動が連
繋されていた。このため、砥石と鋸歯送りとの相対運動
の微調整が困難で、熟練を要するものであった。また、
精度の高い位置制御を行うことも困難であった。本解決
手段では、砥石の位置制御をNC制御によって行ってい
るため、機械式カムを使用した場合のこれら不具合を解
消できる。また、制御のNC化に伴い、研削作業の分
析、標準化を行うことが可能になり、これまで経験と勘
で処理していた鋸歯研削作業を数値化することができ
る。
【0021】第6の解決手段は、上記第1〜第5のうち
何れか一つの解決手段において、研削対象を帯鋸の鋸歯
とする。また、この帯鋸を鋸歯が水平方向を向くように
保持する保持手段を備えさせ、この保持手段に保持され
た鋸歯を砥石によって研削するように、制御手段が水平
面内の移動軌跡上で砥石を移動させる構成としている。
【0022】これまでの鋸歯研削盤は、鋸歯が垂直置き
で重量の大きな砥石が鋸歯に対して間欠的に上下運動す
ることで研削作業を行っていた。このため、機械の振動
が大きいといった課題があると共に、砥石の重量が大き
いために、それを上下運動させる際には重量の影響を大
きく受けて移動軌跡の精度を十分に高めるには限界があ
った。本解決手段では、鋸歯を水平置きとし、砥石を水
平面内で移動させることにより、これら不具合を解消す
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本形態では、帯鋸の鋸歯を研削す
るための鋸歯自動研削盤に本発明を適用した場合につい
て説明する。
【0024】−鋸歯自動研削盤の全体構成説明− 図1は本形態に係る鋸歯自動研削盤1の一部を仮想線で
示す正面図であって、セットされた帯鋸2を一点鎖線で
示している。図2は本鋸歯自動研削盤1の一部を仮想線
で示す平面図である。図3は図2におけるIII矢視図で
ある。
【0025】これら図に示すように、本鋸歯自動研削盤
1は、ベース台3上に、鋸歯クランプユニット4(図1
及び図2では仮想線で示している)、鋸歯送りユニット
5及び研削ユニット6がそれぞれ搭載されて構成されて
いる。以下、各部について説明する。
【0026】−ベース台3の構成説明− ベース台3は、上面が水平に延びる平坦面で形成されて
おり、この上面に上記鋸歯クランプユニット4、鋸歯送
りユニット5及び研削ユニット6が取り付けられてい
る。
【0027】また、このベース台3の前面(図3におけ
る左側面)には、セットされた帯鋸2の一部をガイドす
るための凹陥部31が形成されている。この凹陥部31
の底部には図1の紙面に直交する方向に延びる軸心回り
に回転自在な複数本(本形態では3本)のコンベアロー
ラ32,32,32が設けられている。これらコンベア
ローラ32,32,32上に帯鋸2の一部が支持される
ことにより、この帯鋸2をその長手方向に移動自在にガ
イドするようになっている。
【0028】また、ベース台3の両側には、上記と同様
に図1の紙面に直交する方向に延びる軸心回りに回転自
在なコンベアローラ71,71,…を備えたガイド台
7,7が配設されている。これらガイド台7,7に備え
られたコンベアローラ71,71,…は、上記ベース台
3のコンベアローラ32と同一高さ位置に配置されてお
り、このベース台3のコンベアローラ32と協働して帯
鋸2を移動自在にガイドする構成となっている。尚、図
1における左右両端のコンベアローラ71,71は、帯
鋸2が当接していないが、図1に示すものよりも長尺の
帯鋸がセットされた際には、この帯鋸が当接し、この帯
鋸をガイドすることになる。
【0029】更に、上記各ガイド台7,7の上方には水
平方向に延びる鋸受けレール72,72が配設されてい
る。この鋸受けレール72には複数のガイドタワー7
3,73,…が取り付けられている。これらガイドタワ
ー73,73,…それぞれの上端部には帯鋸2の一部を
上下両側から挟持してガイドするためのガイドローラ対
74が備えられている。
【0030】このような構成により、本鋸歯自動研削盤
1にセットされた帯鋸2は、各コンベアローラ32,3
2,…,71,71,…及びガイドローラ対74,7
4,…によってガイドされ、その長手方向に移動自在
(図1の矢印参照)に支持されている。
【0031】−鋸歯クランプユニット4の構成説明− 鋸歯クランプユニット4は、図3に示すように、鋸受け
台41と、昇降ユニット42とを備えて構成されてい
る。以下、各部について説明する。
【0032】鋸受け台41は、ベース台3の上面におけ
る手前側端(図3の左側端)に載置されている。この鋸
受け台41は、台本体43と、この台本体43上に取り
付けられた鋸歯ガイド44とを備えている。台本体43
には、進退移動用のハンドル43aが設けられている。
つまり、このハンドル43aを操作することにより、台
本体43が図3の左右方向に移動して鋸歯のクランプ位
置を微調整できるようになっている。鋸歯ガイド44
は、鋸歯の下面に当接して、この鋸歯を支持するもので
ある。このため、この鋸歯ガイド44は台本体43の幅
寸法よりも長尺に設定されており(図2に示すように、
ベース台3の幅寸法と略同寸法に設定されており)、鋸
歯を支持する面積が大きく確保できるようになってい
る。
【0033】昇降ユニット42は、上記鋸歯ガイド44
との間で鋸歯をクランプするクランプ板45を備え、こ
のクランプ板45を昇降させることによって鋸歯のクラ
ンプ状態とクランプ解除状態とが切り換えられるように
なっている。具体的には、図4(図4aは昇降ユニット
42の平面図、図4bはその正面図)にも示すように、
左右一対のスライドタワー46,46を備えており、こ
れら各スライドタワー46,46の上端にはエアシリン
ダ46a,46aが取り付けられている。また、各スラ
イドタワー46,46には、昇降フレーム47が架設さ
れている。この昇降フレーム47は、スライドタワー4
6,46に備えられたスライダ46b,46bによって
上下方向への移動が自在に支持されていると共に、上記
エアシリンダ46a,46aから延びるロッド46c,
46cの下端に接続されている。このため、この昇降フ
レーム47はエアシリンダ46a,46aの駆動に伴っ
てスライダ46b,46bに沿って上下移動可能に構成
されている(図4bの矢印参照)。
【0034】昇降フレーム47には連結パネル48が取
り付けられている。この連結パネル48は昇降フレーム
47から垂下するものであって、その下端に上記クラン
プ板45が取り付けられている。これにより、上記昇降
フレーム47の上下移動に伴ってクランプ板45が連結
パネル48と共に昇降し、下降位置においては、上記鋸
歯ガイド44との間で鋸歯をクランプする一方、上昇位
置においては、このクランプ状態を解除するようになっ
ている。
【0035】また、連結パネル48の中央部には開口4
8aが形成されており、鋸歯の研削時に連結パネル48
が研削ユニット6の砥石67に干渉しないようになって
いる。
【0036】−鋸歯送りユニット5の構成説明− 鋸歯送りユニット5は、1個の鋸歯の研削が終了した後
に、帯鋸2を鋸歯の1ピッチ分だけ送って、次の鋸歯を
研削ユニット6に対向させるためのものである。具体的
には、図2に示すように、鋸歯送り台51上に、水平方
向にスライド移動するスライダ52が取り付けられてお
り、このスライダ52に送り爪ユニット53が支持され
ている。この送り爪ユニット53は、鉛直軸回りに回動
自在に支持されたユニット本体54と、このユニット本
体54から研削ユニット6側に向かって水平方向に延び
るアーム55と、そのアーム55の先端に立設された送
り爪56とを備えている。
【0037】図5に示すように、この送り爪56は鋸歯
21の歯底部分に当接している。また、上記スライダ5
2のスライド移動は図示しないサーボモータによって行
われると共にそのスライド移動量は鋸歯21,21,…
の1ピッチ分に設定されている。このため、このスライ
ダ52がスライド移動すると、送り爪56が鋸歯21の
歯底部分を図5の右方向に押圧して鋸歯21,21,…
の1ピッチ分だけ帯鋸2を送り、次の鋸歯21が研削ユ
ニット6に対向するようになっている。尚、図5に一点
鎖線で示す矢印はユニット本体54のスライド移動方向
を示している。
【0038】また、上記ユニット本体54は、スプリン
グなどの手段によって図5における時計回り方向への付
勢力が付与されている。これにより、送り爪56が鋸歯
21の歯底部分の所定位置に押圧され、送り爪56の鋸
歯21に対する相対位置が位置決めされるようになって
いる。また、帯鋸2の送り動作を行った後に送り爪56
を初期位置に戻す際には、ユニット本体54が、上記付
勢力に抗して図中反時計回り方向に回動することで送り
爪56が鋸歯21に引掛かることなしに初期位置(鋸歯
21の歯底部分に押圧される位置)に戻るようになって
いる。
【0039】−研削ユニット6の構成説明− 図2に示すように、研削ユニット6は、XYテーブル6
1と、このXYテーブル61上に搭載されたスピンドル
モータ62とを備えて構成されている。
【0040】XYテーブル61は、ベース台3の上面に
固定されたX軸ガイド63上にスライド移動自在に載置
されたX軸テーブル64と、このX軸テーブル64の上
面に形成されたY軸ガイド64a上にスライド移動自在
に載置されたY軸テーブル65とを備えている。また、
各テーブル64,65にはサーボモータ66,66から
延びるスライドロッド66a,66aが連結されてお
り、これらサーボモータ66,66の駆動に伴って各テ
ーブル64,65がスライド移動可能となっている。
【0041】スピンドルモータ62は、その回転軸が、
上記各テーブル64,65のスライド方向に対して傾斜
した水平方向に設定されており、その回転軸の先端部分
には鋸歯研削用の砥石67が取り付けられている。つま
り、各サーボモータ66,66の駆動に伴う各テーブル
64,65のスライド移動により、砥石67の鋸歯21
に対する相対位置を制御し、この砥石67を鋸歯21の
歯型に沿った所定の軌跡上を移動させることで鋸歯21
の研削が行われるようになっている。図5の破線の矢印
は、鋸歯研削時における砥石67の移動軌跡を示してい
る。また、この砥石67の回転軸の高さ位置は、上記鋸
歯クランプユニット4によってクランプされた鋸歯21
の高さ位置に一致している。
【0042】−制御系の説明− 本形態の特徴の一つとして、図6(帯鋸2のクランプ状
態を鋸歯21側から見た側面図)に示すように、本鋸歯
自動研削盤1における鋸歯ガイド44の下面には振動セ
ンサ8が設けられている。この振動センサ8は、砥石6
7による鋸歯21の研削作業時に発生する振動を検出
し、その振動信号を発信するものである。
【0043】図7は、本鋸歯自動研削盤1の制御系を示
すブロック図である。上記振動センサ8から出力された
振動信号は研削状態認識手段としてのパターン認識制御
部91に送信される。具体的には、この振動信号は、ア
ンプによる増幅及びノイズフィルタによるフィルタ処理
がなされた後に、A/D変換器によるA/D変換が行わ
れてパターン認識制御部91に送信されるようになって
いる(上記アンプ、ノイズフィルタ及びA/D変換器は
図示省略)。
【0044】このパターン認識制御部91は、上記振動
センサ8からの振動信号を受けて、砥石67による鋸歯
21の研削状態を認識するものである。具体的には、鋸
歯21の研削開始時において、砥石67が鋸歯21に接
触した際に発生する振動に起因する振動信号に基づいて
鋸歯21の位置を認識したり、鋸歯21の研削が複数周
回に亘って行われる際に、上記振動信号に基づいて研削
周回動作の終了及び次の研削周回動作の開始を認識した
り、更には、上記振動信号に基づいて鋸歯21の歯形状
(摩耗状態を含む)を認識するようになっている。
【0045】また、このパターン認識制御部91は、上
記認識に基づく認識信号を制御手段としてのNC制御部
92に出力する。このNC制御部92は、上記パターン
認識制御部91からの認識信号に基づいて砥石67の鋸
歯研削動作を制御するものである。具体的には、上記各
サーボモータ66,66の駆動制御を行って各テーブル
64,65のスライド移動を制御し、これによって砥石
67の移動軌跡を適切に調整する。例えば、各テーブル
64,65のストローク範囲を50mmとし、その位置精
度を0.1〜1μm程度の高い精度でNC制御を行うよ
うになっている。また、各テーブル64,65の最高移
動速度は200mm/sに設定されている。これら数値
は、一例であってこれに限定されるものではない。ま
た、このNC制御部92は、スピンドルモータ62の回
転数制御も行うようになっている。
【0046】また、このNC制御部92は、鋸歯送りユ
ニット5のサーボモータ57及び鋸歯クランプユニット
4のエアシリンダ46a,46aの制御も同時に行うよ
うになっている。つまり、1個の鋸歯21の研削が終了
した時点で鋸歯送りユニット5のサーボモータ57を駆
動させて、帯鋸2を鋸歯21,21,…の1ピッチ分だ
け送って、次の鋸歯21を研削ユニット6に対向させ
る。また、この帯鋸2の送り動作時には、鋸歯クランプ
ユニット4のエアシリンダ46a,46aを駆動させて
昇降フレーム47を上昇させ、鋸歯21のクランプ状態
を解除する一方、次の鋸歯21が研削ユニット6に対向
する位置まで送られた際には、再び、鋸歯クランプユニ
ット4のエアシリンダ46a,46aを駆動させて昇降
フレーム47を下降させ、鋸歯21をクランプするよう
になっている。
【0047】更に、上記パターン認識制御部91及びN
C制御部92は、外部入力手段であるプログラム編集装
置93からの編集信号を受信可能であり、その編集信号
に基づいて各ユニット5〜7における制御量の変更な
ど、研削動作プログラムの書き換えが可能となってい
る。また、NC制御部92にはタッチパネルディスプレ
イ94が接続されており、現在の鋸歯研削状態の表示や
異常発生の表示、更には各ユニット5〜7の制御量のマ
ニュアル設定等が可能となっている。
【0048】−鋸歯研削動作の説明− 次に、上述の如く構成された鋸歯自動研削盤1による鋸
歯21の研削動作について説明する。本研削動作では、
帯鋸2のセッティング動作、パターン設定動作、初動動
作、研削動作、終了動作が順に行われる。以下、各動作
について、図8のフローチャートを用いて説明する。
【0049】(セッティング動作)セッティング動作
は、本鋸歯自動研削盤1に帯鋸2をセットする動作であ
って、作業者によって行われる。図1に示すように、帯
鋸2の各部を、コンベアローラ32,32,…,71,
71,…に載置すると共に、ガイドローラ対74,7
4,…に挟持させる。これにより帯鋸2は、コンベアロ
ーラ32,32,…,71,71,…及びガイドローラ
対74,74,…によってガイドされ、その長手方向に
移動自在(図1の矢印参照)に支持される(ステップS
T1)。この帯鋸2のセットの後、鋸歯送りユニット5
の送り爪56を鋸歯21の歯底部分に掛ける。この際、
上述した如く鋸歯送りユニット5のユニット本体54に
は、送り爪56が鋸歯21の歯底部分を押圧する方向の
付勢力が与えられているため、この送り爪56は、鋸歯
の所定位置に当接することになる(ステップST2)。
【0050】その後、本鋸歯自動研削盤1の電源スイッ
チをONし、システムを起動させる(ステップST
3)。また、必要に応じて、鋸歯クランプユニット4の
ハンドル43aを操作して鋸受け台41の台本体43を
移動させ、鋸歯21のクランプすべき位置を微調整する
(ステップST4)。
【0051】(パターン設定動作)パターン設定動作
は、タッチパネルディスプレイ94を作業者が操作する
ことにより、以下の各研削情報が入力されNC制御部9
2に教示される(ステップST5)。
【0052】・帯鋸2の長さ寸法 ・鋸歯のピッチ ・歯型データ番号 ・研削周回数 ・研削の程度(研削量) ここで、歯型データ番号の教示動作は、複数種類の歯型
のデータが図示しないメモリ内に予め格納されており、
今回セットされた帯鋸2の鋸歯のタイプをその中から選
出するものである。
【0053】また、上記メモリ内に複数の研削パターン
を格納しておき、今回セットされた帯鋸2の鋸歯21の
歯型や摩耗の程度に応じて研削パターンを選出するよう
にしてもよい。例えば、図9に示すように、予め用意さ
れた4つの研削パターンから一つを選出するようにす
る。この図9に示す各パターンは、実線で示す研削前の
鋸歯21の形状に対して、破線で示すような研削動作を
行うことを示している。パターンAは歯底部分の研削量
を他の分よりも多くするものである。パターンBは歯喉
部分の研削量を他の分よりも多くするものである。パタ
ーンCは歯背部分の研削量を他の分よりも多くするもの
である。パターンDは歯先部分の研削量を他の分よりも
多くするものである。
【0054】(初動動作)初動動作では、本研削盤1の
研削開始スイッチがONされることにより行われる。こ
の動作の開始時には、鋸歯送りユニット5が起動し、サ
ーボモータ57の駆動に伴って鋸歯の1ピッチ分だけス
ライダ52がスライド移動する(ステップST6)。こ
れにより、送り爪56が鋸歯21の歯底部分を押圧して
鋸歯の1ピッチ分だけ帯鋸2を送り、次の鋸歯21が研
削ユニット6に対向する。
【0055】その後、鋸歯クランプユニット4のエアシ
リンダ46a,46aの駆動に伴ってクランプ板45が
下降し、このクランプ板45と鋸歯ガイド44との間で
鋸歯21がクランプされる。
【0056】このようにして鋸歯21が位置決めされた
状態でスピンドルモータ62が起動して砥石67が回転
する(ステップST7)。これに伴い、研削ユニット6
のサーボモータ66,66が駆動して、砥石67が鋸歯
21の歯型の形状と同一の軌跡上を移動しながら鋸歯に
徐々に近付いていく(ステップST8)。そして、ステ
ップST9では、振動センサ8による振動発生の検出動
作が開始される。つまり、砥石67が鋸歯21に接触し
た際に発生する振動を振動センサ8によって検出可能な
状態にする。砥石67が、鋸歯21に次第に近付き、鋸
歯21に接触した時点で、その接触に伴う振動が発生す
る(ステップST10で振動有りと判定)。振動センサ
8は、この振動を検出し、パターン認識制御部91に検
出信号を送信する。この検出信号を受けたパターン認識
制御部91は、この振動の発生時点での砥石67の位置
を鋸歯研削動作の開始点として認識する(ステップST
11)。尚、この場合、異常な振動が発生し、それが振
動センサ8によって検出された場合には、本研削盤1を
直ちに停止して(ステップST26)、タッチパネルデ
ィスプレイ94等の表示部分に異常発生の警報を行う。
【0057】(研削動作)研削動作では、上記初動動作
で認識された開始点を基準にして鋸歯21の歯型に沿う
ように砥石67が所定の軌跡上を移動しながら鋸歯2
1,21,…を順に研削していく(図5に破線で示す矢
印参照)。具体的には、先ず、1周回目の切り込み量を
自動設定する(ステップST12)。この切り込み量
は、例えば上記設定された研削量を研削周回数で除した
値に設定される。
【0058】この切り込み量を設定した後、鋸歯送りユ
ニット5が起動し、サーボモータ57の駆動に伴って鋸
歯21の1ピッチ分だけスライダ52がスライド移動す
る。これにより、送り爪56が鋸歯21の歯底部分を押
圧して鋸歯21の1ピッチ分だけ帯鋸2を送り、次の鋸
歯21が研削ユニット6に対向する(ステップST1
3)。この状態で、上記認識された鋸歯研削動作の開始
点を基準に、砥石67による鋸歯21の研削が行われる
(ステップST14)。
【0059】この1つの鋸歯21を研削している際、そ
の間に発生する振動を振動センサ8が検出し、その振動
パターンをパターン認識部91が記憶して学習する(ス
テップST15)。このような学習動作を所定の歯数
(例えば連続する10個の歯)に対して行う(ステップ
ST13〜16の繰り返し)。
【0060】この学習により、今回設定した砥石67の
移動軌跡が適切であったか否かを判定する。具体的に
は、NC制御部92内のメモリに予め格納されている最
適振動パターンと、実際の各鋸歯研削時の振動パターン
とを比較して、今回設定した砥石67の移動軌跡が適切
であったか否かを判定し、両振動パターンが略一致する
場合には、砥石67の移動軌跡が適切であったと判断し
て、そのまま後続の鋸歯の研削を行っていく。例えば、
帯鋸2の総歯数が200である場合には、上記学習に使
用した第1番目から第10番目までの鋸歯21,21,
…以降の歯である第11番目から第200番目までの鋸
歯21,21,…に対して研削を行っていく。
【0061】一方、今回設定した砥石67の移動軌跡が
適切でないと判断した場合には、鋸歯21の歯型に応じ
た軌跡上を砥石67が移動するように、砥石67の移動
軌跡を変更する。具体的には、例えば上記各学習におい
て発生する振動が大きい部分では、砥石67の鋸歯21
に対する当たりが強すぎる、つまり、研削量が大きすぎ
るとして、この部分での砥石67の送り込み量(鋸歯2
1に向かう方向への移動量)を少なくするよう補正す
る。一方、発生する振動が小さい部分では、砥石67の
鋸歯21に対する当たりが弱すぎる、つまり、研削量が
小さすぎるとして、この部分での砥石67の送り込み量
を多くするよう補正する。このようにして、砥石67の
移動軌跡を自動的に補正した後、後続の鋸歯21の研削
を行っていく。つまり、上記学習時の動作と同様に、鋸
歯21の送り動作と研削動作とを交互に行って各鋸歯2
1,21,…を順に研削していく(ステップST17,
18)。尚、本鋸歯自動研削盤1では、この移動軌跡の
補正をタッチパネルディスプレイ94の操作によって手
動補正することもできるようになっている。
【0062】そして、全ての鋸歯21,21,…の研削
が一通り終わって、第1番目の鋸歯21の研削が行われ
る際、この鋸歯21は既に所定量の研削が終了したもの
であるため、上記軌跡上を移動する砥石67は殆ど鋸歯
21に接触することがない。つまり、この際に発生する
振動は、それまでの鋸歯21の研削時に発生していた振
動とは大きく異なることになる。即ち、振動センサ8で
検出される振動パターンが大きく異なることになり、そ
れをパターン認識部91が認識して、第1周回目の研削
が終了したことを確認する(ステップST19)。
【0063】この確認が行われると、第2周回目の研削
動作が開始される。この第2周回目の研削動作において
も上述と同様のステップST12〜ステップST18の
研削動作が行われる。つまり、鋸歯21に対する切り込
み量を設定した後、所定数の鋸歯21,21,…に対し
て研削を行い、その際の振動パターンを学習し、その学
習結果に基づいて、後続の鋸歯21,21,…の研削を
行っていく。
【0064】このような研削周回動作が所定回数(ステ
ップST5のパターン設定で入力した研削回数)だけ行
われるとステップST20以降の終了動作に移る。
【0065】(終了動作)終了動作では、研削ユニット
6の各テーブル64,65を退避させて初期位置に戻し
(ステップST20)、スピンドルモータ62を停止さ
せて砥石67の回転を停止させる(ステップST2
1)。それに伴い、鋸歯送りユニット5も停止させて、
鋸歯21の送り動作を終了させ(ステップST22)、
本研削盤1の電源スイッチをOFFし(ステップST2
3)、手動操作によって鋸歯21から送り爪56を外す
(ステップST24)。その後に、帯鋸2を本研削盤1
から取り出す(ステップST25)ことにより鋸歯研削
動作が終了する。
【0066】−実施形態の効果− このように、本形態の鋸歯自動研削盤1によれば、振動
センサ8によって鋸歯研削時に発生する振動パターンを
検出することで、鋸歯研削状態を認識し、それに基づい
て砥石67の移動制御等を行っている。このため、鋸歯
21の形状や摩耗の程度に応じた最適な鋸歯研削動作を
行わせることが可能となる。その結果、熟練工の存在を
必要とすることなしに、高能率、高精度及び高品位の鋸
歯研削を行うことができる。
【0067】また、高精度2軸テーブルを用いたNC制
御によって砥石67と鋸歯21との相対運動を行うよう
にしたことにより、位置決め精度を0.1μm程度の高
い精度(従来の研削盤に比べて10倍以上の精度)で研
削動作を行うことが可能である。従来の機械式カムの場
合には研削中の帯鋸2の厚み方向の保持位置の僅かなず
れによって形成される歯型が非対称になってしまう可能
性があったが、本形態によればこれを確実に回避するこ
とができる。また、従来の機械式カムでは、鋸歯の送り
量は一定であったため、ピッチが等間隔の鋸歯を有する
鋸にしか適用できなかった。本形態の研削盤では、この
鋸歯の送り量もNC制御によって自由に変更することが
可能である。このため、ピッチが不等間隔の鋸歯21を
有する鋸2であってもその全ての鋸歯21,21,…の
研削が可能である。更に、制御のNC化に伴い、研削作
業を分析し、標準化することによって制御プログラムの
構築が可能である。その結果、これまで経験と勘で処理
していた作業を数値化することができ、研削作業の標準
化を促進することができる。一方、研削条件の設定やパ
ターン認識の学習条件を熟練工が設定するようにした場
合には、その熟練工の技能を機械制御に転嫁・移植する
ことが可能となる。また、機械操作や研削条件の設定は
タッチパネルディスプレイ94によって行うが、操作及
び条件設定は、研削の基本を修得すれば、未熟練工でも
容易に技術修得することが可能である。更には、砥石6
7の移動速度を最大毎秒200mm(研削時)としたた
め、比較的短時間で高精度の研削が可能になり、鋸歯研
削作業の高効率化を図ることができる。
【0068】加えて、帯鋸2を水平置きとし、砥石67
の移動を水平面内で行えるようにしたため、従来機に比
べて振動の低減を図ることができると共に、砥石67の
重量の影響を大きく受けることのない高い精度で砥石6
7を所定の軌跡上で移動させることができ、これによっ
ても高精度及び高品位の鋸歯研削を行うことができる。
また、このように帯鋸2を水平置きにしたことで、作業
者は、研削状態を監視したり砥石の調整作業を行う際に
深く屈むといった動作は必要なくなる。このため、作業
性が良好になり、使い勝手の良い鋸歯自動研削盤1を提
供することができる。更に、この水平置きに伴い、従来
機に比べて作業者は砥石から離れた位置での上記作業を
行うことが可能になり、安全性の向上を図ることもでき
る。
【0069】−その他の実施形態− 上述した実施形態では、帯鋸2の鋸歯21を研削するた
めの鋸歯自動研削盤1に本発明を適用した場合について
説明した。本発明は、これに限らず、丸鋸等、その他の
鋸の鋸歯を研削するための鋸歯自動研削盤に適用するこ
とも可能である。
【0070】また、上記実施形態では、振動センサ8を
鋸歯ガイド44の下面に取り付けていた。本発明は、こ
れに限らず、砥石67による鋸歯21の研削作業時に発
生する振動を検出可能な箇所であれば如何なる箇所に配
置してもよい。但し、振動の検出精度を高めるためには
できるだけ砥石67と鋸歯21との接触点に近い位置に
配置することが好ましい。また、場合によっては、振動
センサ8を研削盤1に配置するのではなく、帯鋸2に直
接取り付けて、この帯鋸2に発生する振動を検出するよ
うにしてもよい。更に、本発明は、振動の検出によって
鋸歯研削状態を認識するものに限らず、この研削時の音
を検出することによって鋸歯研削状態を認識するように
してもよい。この場合、砥石67と鋸歯21との接触点
付近にマイクロフォンを設置し、このマイクロフォンに
よって研削音を検出することによって研削状態を認識す
ることになる。
【0071】更に、本鋸歯自動研削盤1にはドレッシン
グ装置を装備させることも可能である。そして、このド
レッシング装置の制御をもNC化すれば、ドレッシング
作業の標準化及び自動化を図ることができる。
【0072】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下の
ような効果が発揮される。
【0073】請求項1記載の発明では、鋸歯研削時に発
生する振動または音を検出することで鋸歯の研削状態を
認識し、それに基づいて砥石の鋸歯研削動作を制御する
ようにしている。このため、鋸歯の形状や摩耗の程度に
応じた最適な鋸歯研削動作を行わせることが可能とな
り、熟練工の存在を必要とすることなしに、高能率、高
精度及び高品位の鋸歯研削を行うことができる。つま
り、従来の帯鋸歯研削盤では、主軸である砥石回転軸と
連動して動く機械式カムによって、砥石と鋸歯の相対運
動が連繋されるようになっていたため、カムの調整には
熟練を要していた。さらに研削状態の監視や砥石の動き
の微調整にも熟練が必要で、かつ砥石が高速回転するた
め、作業の安全性確保のためには特別の注意力が要求さ
れていた。従って、熟練工でなければ良好な鋸歯研削作
業を行うことができなかった。本発明では、これらの課
題を解消することができ、従来の機械カム式では実現で
きなかった歯型のバリエーションや高品質研削仕上げ
を、熟練工の存在を必要とすることなしに実現すること
ができる。また、形状精度の高い歯先を再生することが
可能となるため、工具寿命が向上し、工具交換の回数が
減少して、生産コストの削減及び能率の向上を図ること
もできる。
【0074】請求項2記載の発明では、鋸歯の研削開始
時に、砥石が鋸歯に接触した際に発生する振動または音
を検出し、これによって鋸歯の位置を認識するようにし
ている。このため、鋸歯の位置に適合した砥石の移動軌
跡を設定することが可能となり、良好な鋸歯の研削動作
と研削条件の自動調整が可能となって研削加工の能率を
飛躍的に向上させることができる。
【0075】請求項3記載の発明では、鋸歯の研削周回
動作を複数周回行う場合において、振動または音の変化
によって各研削周回動作の終了を認識するようにしてい
る。このため、各研削周回においてその開始時に砥石の
移動軌跡が適切に制御され、自動的に各研削周回毎に砥
石の移動軌跡が更新されて所定の研削量ずつ鋸歯の研削
を行わせることが可能になる。
【0076】請求項4記載の発明では、研削時の振動ま
たは音の検出によって砥石と鋸歯との接触状態を認識し
て鋸歯の歯形状を確認するようにしている。このため、
砥石の移動軌跡を鋸歯形状に適合させることができ、高
能率、高精度及び高品位の鋸歯研削を確実に行うことが
できる。
【0077】請求項5記載の発明では、砥石の移動機構
の制御をNC化している。従来の鋸歯研削盤は、砥石回
転軸と連動して動く機械式カムによって、砥石と鋸歯の
相対運動が連繋されていた。このため、砥石と鋸歯送り
との相対運動の微調整が困難で、熟練を要するものであ
った。また、精度の高い位置制御を行うことも困難であ
った。本発明では、機械式カムを使用した場合のこれら
不具合を解消できる。また、制御のNC化に伴い、研削
作業の分析、標準化を行うことが可能になり、これまで
経験と勘で処理していた鋸歯研削作業を数値化すること
ができる。更に、制御のNC化に伴い、研削作業を分析
し、標準化することによって制御プログラムの構築が可
能となる。また、このNC化によって多様な歯型に対応
した研削動作を得ることができ、簡単なプログラム変更
で容易に多様な歯型を創り出すことが可能になる。更
に、このNC化によって鋸の送りと研削プロセスを分離
することができ、鋸歯のピッチに依存せず、砥石のパス
のタイミングや速度を調整することができる。また、鋸
歯に対して複数回の研削動作を行って所定の形状に再生
する場合、従来の機械式カムでは各周回毎に各鋸歯を1
回ずつの研削することになる。つまり、研削回数だけ鋸
を周回させる必要があった。本発明では、制御をNC化
しているため、1つの鋸歯に対して連続して複数回の研
削を行うことが可能であり、1周回で、それぞれの鋸歯
に対して複数回の研削を行って所定形状の鋸歯を再生す
るといった動作を実現することが可能であり、研削動作
の効率化を図って研削時間を短縮化することができる。
【0078】請求項6記載の発明では、帯鋸を鋸歯が水
平方向を向くように保持すると共に、水平面内の移動軌
跡上で砥石を移動させて鋸歯を研削するようにしてい
る。これまでの鋸歯研削盤は、鋸歯が垂直置きで重量の
大きな砥石が鋸歯に対して間欠的に上下運動することで
研削作業を行っていた。このため、機械の振動が大きい
といった課題があると共に、砥石の重量が大きいため
に、それを上下運動させる際には重量の影響を大きく受
けて移動軌跡の精度を十分に高めるには限界があった。
本発明では、鋸歯を水平置きとし、砥石を水平面内で移
動させることにより、これら不具合を解消することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る鋸歯自動研削盤の一部を仮想線
で示す正面図である。
【図2】鋸歯自動研削盤の一部を仮想線で示す平面図で
ある。
【図3】図2におけるIII矢視図である。
【図4】(a)は昇降ユニットの平面図、(b)はその
正面図である。
【図5】砥石及び送り爪の動作を説明するための鋸歯ク
ランプ部分の平面図である。
【図6】帯鋸のクランプ状態を鋸歯側から見た側面図で
ある。
【図7】鋸歯自動研削盤の制御系を示すブロック図であ
る。
【図8】鋸歯研削動作を説明するためのフローチャート
図である。
【図9】メモリに格納された研削パターンを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 鋸歯自動研削盤 2 帯鋸 21 鋸歯 8 振動センサ(検出手段) 91 パターン認識部(研削状態認識手段) 92 NC制御部(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村林 順 滋賀県彦根市西沼波町308 近江金属工業 株式会社内 Fターム(参考) 3C034 AA11 BB92 CA24 CB01 DD07 3C058 AA03 AA11 AA13 AA16 AC02 BA09 BB06 CB01 CB03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋸歯研削用の砥石を備え、鋸上の複数の
    鋸歯をこの砥石によって順に研削していく鋸歯自動研削
    盤において、 鋸歯研削時に発生する振動または音を検出する検出手段
    と、 この検出手段の出力を受けて、砥石による鋸歯の研削状
    態を認識する研削状態認識手段と、 この研削状態認識手段の出力を受け、その出力に基づい
    て砥石の鋸歯研削動作を制御する制御手段とを備えてい
    ることを特徴とする鋸歯自動研削盤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鋸歯自動研削盤におい
    て、 鋸歯の研削開始時には、砥石が鋸歯に相対的に近接して
    いくようになっている一方、 砥石が鋸歯に接触した際に発生する振動または音を検出
    手段が検出し、その検出信号を研削状態認識手段が受け
    て鋸歯の位置を認識し、 制御手段は、上記研削状態認識手段が検出信号を受信し
    た際の砥石の位置を研削開始位置として砥石の鋸歯研削
    動作を制御する構成とされていることを特徴とする鋸歯
    自動研削盤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の鋸歯自動研削盤におい
    て、 鋸上の全ての鋸歯の研削が一通り行われる研削周回動作
    が複数周回行われるようになっており、 研削状態認識手段は、振動検出手段からの出力変化によ
    って各研削周回動作の終了を認識する一方、 制御手段は、研削周回動作の終了後、次の研削周回動作
    において、砥石を鋸歯に近づけるよう砥石の移動軌跡を
    制御する構成とされていることを特徴とする鋸歯自動研
    削盤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の鋸歯自動研削盤におい
    て、 研削状態認識手段は、鋸歯研削時の検出手段の出力を受
    けて砥石と鋸歯との接触状態を認識して鋸歯の歯形状を
    確認するようになっており、 制御手段は、鋸歯の歯形状に沿うように砥石の移動軌跡
    を制御する構成とされていることを特徴とする鋸歯自動
    研削盤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のうち何れか一つに
    記載の鋸歯自動研削盤において、 砥石は、砥石移動機構によって所定の移動軌跡を移動可
    能となっており、 制御手段は、砥石移動機構をNC制御によって制御する
    ことにより砥石の移動軌跡を制御する構成とされている
    ことを特徴とする鋸歯自動研削盤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のうち何れか一つに
    記載の鋸歯自動研削盤において、 研削対象は帯鋸の鋸歯であって、 この帯鋸を鋸歯が水平方向を向くように保持する保持手
    段を備えており、この保持手段に保持された鋸歯を砥石
    によって研削するように、制御手段は水平面内の移動軌
    跡上で砥石を移動させる構成となっていることを特徴と
    する鋸歯自動研削盤。
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