JP2001521551A - インスリン非依存性糖尿病の治療のためのレチノイド関連分子 - Google Patents
インスリン非依存性糖尿病の治療のためのレチノイド関連分子Info
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Abstract
(57)【要約】
前脂肪細胞(preadipocyte)の脂肪細胞への分化を誘導する、9−cisレチノイン酸に構造上関連する特定のレチノイド化合物を用いて、NIDDM患者またはNIDDMを引き起こす実質的な危険性のある患者において、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を治療および/または予防する方法が記載されている。これらの化合物は、単独もしくはチアゾリジンジオンのような他の抗糖尿病誘発性剤と組み合わせて投与されてもよい。
Description
【発明の詳細な説明】
インスリン非依存性糖尿病の治療のためのレチノイド関連分子
発明の属する技術分野
本発明は、9−cisレチノイン酸に構造上関連する特定のレチノイド関連化合
物が、前脂肪細胞(preadipocyte)の脂肪細胞への分化を効果的に促進することの
知見に関する。これらの化合物、およびそれを含有する組成物は、インスリン非
依存性糖尿病(NIDDM)の治療および/または予防に使用することができる
。
発明の背景
約100人に3人が糖尿病を患っている。その大半、すなわち米国で糖尿病と
診断された約600万人中の約90−95%が、インスリン非依存性糖尿病(N
IDDM)またはII型糖尿病を有する。
NIDDMは、インスリン耐性、およびインスリンの分泌および作用に関連す
る異常によって特徴付けされる。特に、NIDDMは、末梢組織におけるインス
リン耐性の結果(骨格筋および脂肪組織)である高血糖症によって特徴付けされ
、それは、インスリンが刺激したグルコースの取り込み/利用がそこで鈍るため
に生じ;かつ、肝臓においては、グルコース放出のインスリン抑制が不十分であ
るために生じる。インスリンの作用におけるこのような障害は、空腹時血中グル
コースの増大およびグルコース不耐症の進行に重要な役割を演じる。
現在、NIDDM治療および予防の方法は、食事と運動を含む(NIDDMと
インスリン耐性は肥満症と強力に関連しているため)。また、血中グルコースレ
ベルを調節するための低血糖薬の経口投与も、NIDDMを治療するための別の
手段である。このような低血糖剤は、インスリンとスルホニル尿素含有製剤を含
む。しかしながら、これらの治療は、特に、高インスリン血症に至る命を脅かし
得る低血糖症の発症といった重大な不利益をもたらしてしまう。低血糖症は糖尿
病の主な死因である心臓血管疾患の危険性の増大と関連するので、この方法には
問題がある。それゆえ、循環インスリン濃度を増大させない糖尿病の治療方法を
提供することは、高い利益をもたらす。
近年、新規のクラスの合成剤、チアゾリジンジオン(thiazolidinediones)(T
ZD)が同定され、この薬剤はインスリン耐性の患者におけるインスリンに対す
る感度を増大することが示された。チアゾリジンジオンは、インスリン耐性を改
善し、非常に高い投与量で投与した場合であっても、低血糖症を引き起こすこと
なく、血漿グルコースおよびインスリン(上昇した)を正常化する。TZDイン
スリン増感剤、例えば、シグリタゾン(ciglitazone)、エングリタゾン(englitaz
one)、ピオグリタゾン(pioglitazone)、BRL49653(5−[(4−(2−
(メチル−2−ピリジニルアミノ)−エトキシ]フェニル]メチル]−2,4−
チアゾリジンジオン)およびトログリタゾン(troglitazone)は、肝のグルコース
放出のインスリン媒介抑制、並びに、インスリンにより刺激されたグルコース取
り込みおよび脂肪組織による利用を増強する。また、TZDは、増大したインス
リン応答に寄与する、グルコース輸送体(例えばGlut 4)の発現を変化させるこ
とが報告されている。
特定のTZDメンバーであるトログリタゾンは、第三相臨床試験においてNI
DDMに対して有効であることが最近報告された(Nolanら,N.Engl.J.Med.,33
1:1188-1193,1994)。有効な抗糖尿病剤としてのTZDの能力は、脂質生成作
用、すなわち前脂肪細胞を脂肪細胞に分化させる能力と密接に適合する(Harris
とKletzien,Mol.Pharmacol.,45:439-445,1994;Wilsonら,J.Hed.Chem.,39:66
5-668,1996)。また、TZDは、筋原性細胞を脂肪様細胞に変換することが報
告された(Teboulら,J.Biol.Chem.,270:28183-28187,1995)。
分子レベルで、TZDは、核レセプターPPARγのレギュレーターとして機
能することが示され(Lehmannら,J.Biol.Chem.,270:12953-12956,1995)、こ
れは脂質生成において重要な役割を演じることが知られている(SpiegelmanとFl
ier,Cell,87:377-389,1996;TontonozとSpiegelman,Cell,79:1147-1156,1
994)。しかしながら、NIDDMにおいてTZDがインスリン感度を増大する
正確な細胞メカニズムは完全には理解されていない。さらに、TZDの主要な問
題はインビボにおける毒性の副作用である。
最近、PCT出願WO97/10819(本願の優先日よりも後の1997年
3月27日に公開)は、あるタイプのレチノイド、すなわちRXRアゴニストが
、単独もしくはチアゾリジンジオン化合物のようなPPARγアゴニストと組み
合わせて投与された場合に、NIDDMを治療するために使用できることを開示
した。しかしながら、本発明の特定のレチノイドについては記載されていない。
発明の簡単な説明
本発明は、典型的なレチノイド活性を示さない特定のレチノイド関連分子が治
療上用いられ得ることの知見に関する。これらの化合物は、通常のレチノイドと
は異なり、F9奇形癌細胞またはP12多能性奇形癌細胞の分化を誘導する能力
が低減されているか、またはこの能力が欠如している。しかしながら、これらの
化合物は、前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を強く誘導し得る。この特性は、これ
らの分子がインビボでよく寛容されるという事実、すなわち典型的なレチノイド
毒性を示さないという事実と併せて、これらの分子をNIDDMの治療および/
または予防における使用によく適したものとする。
図面の簡単な説明
図1は、種々の濃度における、前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を誘導する本発
明に係る種々のレチノイドの能力を比較したものである。
図2は、7日間にわたる前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を誘導する本発明に係
る種々のレチノイドの能力を比較したものである。
発明の目的
本発明の目的は、NIDDMを治療および/または予防するための新規かつ改
善された方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、NIDDMの治療および/または予防のために、前
脂肪細胞の脂肪細胞への分化を誘導する、9−cisレチノイン酸に構造上関連す
る特定のレチノイド関連分子を用いることである。
本発明の他の目的は、前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を誘導する、9−cisレ
チノイン酸に構造上関連する少なくとも一つのレチノイド関連分子と、少なくと
も一つのチアゾリジンジオン(TZD)化合物との組み合わせを含む、NIDD
Mの治療または予防のために用いられる新規組成物を提供することである。
発明の詳細な説明
本発明は、典型的なレチノイド活性を示さず、前脂肪細胞の脂肪細胞への分化
を誘導する能力を示す、特定のレチノイド型分子を見出したことに基づく。また
、これらの分子は、インビボにおいて不利な副作用を示さない。この脂質生成作
用により、これらの化合物、および異性体または薬学的に許容できるこれらの塩
がNIDDMの治療または予防によく適したものとされる。特に、これらの化合
物は、TZDと同様に、その脂質生成活性に基づいて効果的な抗糖尿病誘発作用
を示す。しかしながら、TZDとは異なり、これらのレチノイド化合物は、典型
的なレチノイド毒性を示さず、また、動物においてよく寛容されることが証明さ
れているので、インビボ投与において毒性の副作用を示さない。
ここに報告されているレチノイド様分子は、現在許可されている1995年4
月26日に出願された米国シリアル番号08/429,0096に開示されてい
る。この出願は、これらの合成方法についてさらに記述している。
特に、以下のレチノイド化合物が、前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を効果的に
誘導することが驚くべきことに見出された:
6−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2
−ナフチルチオ)ニコチン酸(実施例においてC1と称される)(化合物1);
4−(3−エチル−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒ
ドロ−2−ナフチルオキシ)安息香酸(実施例においてC2と称される)(化合
物2);
4−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2
−ナフチルチオ)安息香酸(実施例においてC3と称される)(化合物3);4
−(3−イソプロビル−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テト
ラヒドロ−2−ナフチルオキシ)安息香酸(化合物4);
4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナ
フチルチオ)安息香酸(化合物5);
4−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2
−ナフチルオキシ)安息香酸(化合物6);
4−(3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメ
チル−2−ナフチルオキシ)安息香酸(化合物7);
3−メチル−4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメ
チル−2−ナフチルチオ)安息香酸(化合物8);および
3−メチル−4−(3−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,
8−テトラメチル−2−ナフチルオキシ)安息香酸(化合物9)。
化合物1−9に同定された上記レチノイド関連分子の構造を、次の頁に記載す
る。 上述したように、そして、以下の実施例に示すように、これらの化合物は脂質
生成を効果的に促進する。それゆえ、これらの化合物または異性体または薬学的
に許容できるこれらの塩を、NIDDMの治療および/または予防のために用い
てもよい。
NIDDMを治療および/または予防するために本発明の化合物を用いる場合
には、治療または予防に有効な量の少なくとも一つの本発明に係る化合物を含む
治療/予防用組成物が、NIDDM患者もしくはその発症の危険性を有する患者
に投与される。
係る薬用/治療用組成物は、薬学的に許容することができ、所定の組成物につ
いて選択された投与形式に適合した賦形剤、キャリヤーまたは希釈剤、および、
治療または予防学的に有効な量の少なくとも一つの本発明に係る化合物、または
薬学的に許容される塩またはそれらの異性体を含む。
本発明に係る化合物の投与は、例えば、全身的、経腸的、非経口的、局所的ま
たは経眼的な、適切なあらゆる方法によって行うことができる。しかしながら、
一般的には経口投与が行われる。
経腸的投与では、医薬/薬学組成物は、錠剤、ゼラチンカプセル、糖衣錠剤、
シロップ剤、懸濁剤、エリキシル剤、溶剤、粉剤、顆粒剤、エマルジョン、ミク
ロスフェアまたはナノスフェア、あるいは放出を調節する脂質小胞またはポリマ
ー性小胞の形態であってもよい。非経口投与では、組成物は、灌流または注射用
の溶剤または懸濁剤の形態であってもよい。
本発明に係る化合物は、一般に、体重に対して約0.1mg/kgから100
mg/kgの日々の投薬量で、1日当たり1から3回の割合で投与される。
局所的投与では、本発明に係る化合物に基づいた薬学的組成物は、軟膏剤、ク
リーム、乳剤、ポマード(pommades)、粉剤、軟膏、含浸パッド、溶剤、ゲル、ス
プレー、ローションまたは懸濁剤の形態で提供されてもよい。これらは、ミクロ
スフェアまたはナノスフェア、あるいは放出を調節する脂質小胞またはポリマー
性小胞またはポリマー性パッチおよびヒドロゲルの形態で提供されてもよい。局
所的適用のためのこれらの組成物は、さらに、無水形態または水性形態のいずれ
かで提供されてもよい。経眼的な投与では、主に点眼剤とされる。
局所的または経眼的適用のための前記組成物は、本発明に係る少なくとも一つ
の化合物またはその塩を、組成物全体の重量に対して好ましくは0.001重量
%から5重量%の範囲の濃度で含む。
本発明に係る薬学組成物は、さらに、不活性または薬力学的に活性な添加物を
含んでもよい。特に、本発明に係る組成物は、NIDDMの治療または予防に適
した他の薬剤を含んでもよい。
好ましい実施態様では、本発明の治療/予防用組成物は、シグリタゾン、エン
グリタゾン、ピオグリタゾン、BRL49653(5−[[4−[2−(メチル
−2−ピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル]メチル]2−4−チアゾリジン
ジオン)およびトログリタゾンのような少なくとも一つのチアゾリジンジオン化
合物と組み合わせて、本発明に係る少なくとも一つのレチノイド化合物を含む。
これらの脂質生成剤の組み合わせは、脂質生成活性に対し、少なくとも加法的か
つ潜在的に共同的な効果を付与する。また、本発明の治療または予防用組成物は
、糖尿病の治療または予防に使用できる他の薬剤をさらに含んでもよい。
上述した本発明のレチノイド化合物は、好ましくは、既にNIDDMと診断さ
れた患者、すなわち、活動性の疾患の症状を示す患者を治療するために用いられ
る。しかしながら、本発明の別の重要な適用は、例えば、遺伝的および/または
他の危険因子のために、糖尿病を引き起こす実質的な危険性のある人においてN
IDDMの予防のために本発明のレチノイド化合物を使用することを含む。この
ような危険因子としては、例えば、肥満、および膵臓移植を含む。また、これら
の化合物または薬学的に許容されるそれらの塩が、初期症状、すなわち症状発現
前のNIDDMの徴候を示す人を治療するために用いられてもよい。NIDDM
の初期の徴候を示す人またはNIDDMを引き起こす実質的な危険性のある大を
調べる方法は、糖尿病の分野において知られており、グルコースレベルを測定す
ることを含む。
本発明およびその利点をさらに例証するために、以下に特定の実施例を挙げる
が、これらは単なる例証であって、限定ではないと解する。
実施例1
脂質生成活性における異なる濃度の本発明の化合物の効果
3T3−L1前脂肪細胞(ATCC)を、24ウェル組織培養プレートにおい
て、DMEMおよび10%子ウシ血清中にウェル当たり5x104細胞となるよ
うに播種した。密集化から二日後、10%の胎児ウシ血清を含むDMEM中の本
発明に係る種々の化合物並びに適切な対照化合物の添加によって、分化が誘導さ
れた。培地および化合物は3日ごとに交換された。細胞を密集化から7日後に固
定し、細胞質における脂質小滴の蓄積をオイルレッドO染色によって調べた。
対照細胞(賦形剤)を含む全ての細胞を、同じ量のジメチルスルホキシド(D
MSO)を用いて、0.2%の最終的な溶媒濃度を越えないレベルで処理した。
オール−trans RA(tRA)および9−cis RA(9cRA)を、対照化合
物として用いた。
オイルレッドO染色:密集化から7日後に、細胞をPBSで2回洗浄し、10
%のホルマリンで固定し、PBSで再び洗浄した。次いで、細胞を、60%のオ
イルレッドO溶液で30分間染色した。細胞を、水でそれぞれ15分間ずつ2回
洗浄した。オイルレッドO貯蔵溶液を、100mlのイソプロパノールに溶けた
0.5gのオイルレッドOから調製し、濾過後に、60%オイルレッドO溶液と
なるようにPBSに希釈した。
これらの実験結果は図1に記載されている。これらの結果は、本発明に係る化
合物が、前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を誘導したことを立証する。対照的に、
対照化合物は、同様の活性を示さなかった。さらに、この結果は、このような分
化が濃度依存形式で誘導されたことを示す。
実施例2
本発明の化合物の脂肪生成に与える経時的効果
3T3−L1前脂肪細胞(ATCC)を、24ウェル組織培養プレートにおい
て、DMEMおよび10%子ウシ血清中にウェル当たり5x104細胞となるよ
うに播種した。密集化から二日後、10%の胎児ウシ血清を含むDMEM中の本
発明に係る種々の化合物の添加によって、分化が誘導された(0日目)。培地お
よび化合物は3日ごとに交換した。細胞を表示の日に固定し、実施例1で説明し
た
ように処理した。
対照細胞(賦形剤)を含む全ての細胞を、同じ量のジメチルスルホキシド(D
MSO)を用いて、0.2%の最終的な溶媒濃度を越えないように処理した。
分化の正の対照として、細胞を、1ml当たり10μgのインスリンと1μM
のデキサメタゾン(Ins/Dex)を用いて処理した。1μMのオール−tran
s RA(tRA)および2μMの9−cis RA(9cRA)を、さらに別の対照
として用いた。
C1、C2およびC3は、1μMの終濃度で用いられた。
これらの実験結果は、図2に記載されている。これらの結果は、本発明に係る
化合物が、時間依存形式で前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を誘導することを示す
。対照的に、対照化合物、インスリン、デキサメタゾン、オール−trans RAお
よび9−cis RAは、同様の活性を示さなかった。
それゆえ、得られた結果は、本発明の化合物が、時間および濃度依存形式で脂
質生成を効果的に誘導することを実証している。従って、これらの化合物は、処
置を必要とする患者における、NIDDMの治療および/または予防に効果的な
治療および/または予防薬を提供する。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 9/12 A61K 9/12
9/20 9/20
9/48 9/48
9/70 9/70
31/425 31/425
31/455 31/455
45/06 45/06
A61P 3/10 A61P 3/10
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M
W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY
,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM
,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E
S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID
,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M
G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT
,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,
TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V
N,YU,ZW
(72)発明者 ラーンハルト,ヴァルデマー
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92122
サン ディエゴ チャーマント ドライ
ヴ 7215 アパートメント 934
(72)発明者 ファニョル,アンドレア
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92075
ソラナ ビーチ スティーヴンス アヴ
ェニュ #3316 873
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 予防または治療に有効な量の、 6−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2 −ナフチルチオ)ニコチン酸; 4−(3−エチル−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒ ドロ−2−ナフチルオキシ)安息香酸; 4−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2 −ナフチルチオ)安息香酸; 4−(3−イソプロピル−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テ トラヒドロ−2−ナフチルオキシ)安息香酸; 4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナ フチルチオ)安息香酸; 4−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2 −ナフチルオキシ)安息香酸; 4−(3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメ チル−2−ナフチルオキシ)安息香酸; 3−メチル−4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメ チル−2−ナフチルチオ)安息香酸; 3−メチル−4−(3−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8, 8−テトラメチル−2−ナフチルオキシ)安息香酸;または 薬学的に許容できる上記化合物の塩からなる群から選択された少なくとも一つの 化合物を投与することを含む、 NIDDM患者またはNIDDMを引き起こす実質的な危険性のある患者におけ る、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)の治療および/または予防方法。 2. 少なくとも一つの別の抗糖尿病誘発性剤を投与することをさらに含む、請 求項1記載の方法。 3. 前記別の抗糖尿病誘発性剤がチアゾリジンジオンである、請求項2記載の 方法。 4. 化合物が、シグリタゾン、エングリタゾン、ビオグリタゾン、(5−[[ 4−[2−(メチル−2−ピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル]メチル]− 2,4−チアゾリジンジオン)およびトログリタゾンからなる群から選択される 、請求項3記載の方法。 5. 化合物が、全身的、経腸的、非経口的、局所的または経眼的に投与される 、請求項1記載の方法。 6. 化合物が経口投与される、請求項1記載の方法。 7. 化合物が、錠剤、ゼラチンカプセル、糖衣錠剤、シロップ剤、エリキシル 剤、溶剤、粉剤、顆粒剤、エマルジョン、ミクロスフェア、ナノスフェア、調節 された放出を提供する脂質小胞またはポリマー性小胞、軟膏剤、クリーム、乳剤 、ポマード、粉剤、軟膏、含浸パッド、ゲル、スプレー、ローションおよび懸濁 剤からなる群から選択された薬学的に許容できる形態に含まれる、請求項1記載 の方法。 8. 化合物が、体重に対して約0.01mg/kgから100mg/kgの投 薬量で、1日当たり1から3回の割合で毎日投与される、請求項1記載の方法。 9. 遺伝的および/または他の危険因子のために、NIDDMを引き起こす実 質的な危険性のある患者に投与される、請求項1記載の方法。 10. 患者が、再発性II型糖尿病を引き起こす危険性を有する、請求項9記載 の方法。 11. 化合物が注射によって投与される、請求項1記載の方法。 12. (i)6−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テ トラヒドロ−2−ナフチルチオ)ニコチン酸; 4−(3−エチル−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒ ドロ−2−ナフチルオキシ)安息香酸; 4−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2 −ナフチルチオ)安息香酸; 4−(3−イソプロピル−5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テ トラヒドロ−2−ナフチルオキシ)安息香酸; 4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナ フチルチオ)安息香酸; 4−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2 −ナフチルオキシ)安息香酸; 4−(3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメ チル−2−ナフチルオキシ)安息香酸; 3−メチル−4−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメ チル−2−ナフチルチオ)安息香酸; 3−メチル−4−(3−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8, 8−テトラメチル−2−ナフチルオキシ)安息香酸;または 薬学的に許容できる上記化合物の塩からなる群から選択された少なくとも一つの レチノイド関連化合物; (ii)少なくとも一つのチアゾリジンジオン化合物;および (iii)薬学的に許容できるキャリアまたは賦形剤の組み合わせを含む、インス リン非依存性糖尿病(NIDDM)の治療および/または予防のために用いられ る組成物。 13. チアゾリジンジオン化合物が、シグリタゾン、エングリタゾン、ピオグ リタゾン、(5−[4−[2−(メチル−2−ピリジニルアミノ)エトキシ]フ ェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオン)およびトログリタゾンからな る群から選択される、請求項12記載の組成物。 14. 経口投与に用いられる請求項12記載の組成物。 15. 錠剤、ゼラチンカプセル、糖衣錠剤、シロップ剤、エリキシル剤、溶剤 、粉剤、顆粒剤、エマルジョン、ミクロスフェア、ナノスフェア、調節された放 出を提供する脂質小胞またはポリマー性小胞、軟膏剤、クリーム、乳剤、ポマー ド、粉剤、軟膏、含浸パッド、ゲル、スプレー、ローションおよび懸濁剤からな る群から選択された形態である、請求項14記載の組成物。
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