JP2001518883A - ポリハロゲン化モノヘテロボランアニオン組成物 - Google Patents

ポリハロゲン化モノヘテロボランアニオン組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、式RaZBbcde(OR")f -1で表されるポリハロゲン化ヘテロボランアニオンを含む化合物及びその製造法を提供する。本発明は特にポリフルオロモノカルボランアニオンを含む化合物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリハロゲン化モノヘテロボランアニオン組成物 発明の分野 本発明は、式RaZBbcde(OR")f -1で表されるポリハロゲン化モノ ヘテロボランアニオンを含む化合物及びその製造方法に関する。 発明の背景 弱配位性アニオン(カチオンに弱く配位するアニオン)は電解質や触媒などの 多くの用途において有用である。新しい弱配位性アニオンの開発を促進するため 、反応性が非常に高い金属及び非金属カチオンの研究が続けられている(参照Boc hmann,Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.,1992,31,1181;Strauss,Chem.Rev.1993,93,927 ,Strauss,Chemtracts-Inorganic Chem.1994,6,1:and Seppelt,Angew.Chem.,Int. Ed.Engl.,1993,32,1025)。弱配位性アニオンの最も重要な用途の一つとして金属 カチオンの触媒活性を高めることがある。近年大きな注目を集めている2つの例 としてメタロセン触媒によるオレフィン重合とリチウム触媒によるディールスア ルダー反応及び1,4−共役付加反応とがあげられる(参照Turner,欧州特許出願 第277,004号1998年出願;Pellecchia et al,Makromol.Chem.,Rapid C ommun.1992,13,265;DuBay et al.,J.Org.Chem.,1994,59,6898;Saldi et al,Chem .Ber.1994,127,1761;Kobayashl et al,Chem.Lett.1995,307;and Arai et al.,An gew.Chem.,Int.Ed.Engl.,1996,15,3776)。 有用なアニオンは弱い配位性を有することばかりでなく、求電子性の高いカチ オンの存在下での酸化及び/または断片化に対して安定でなくてはならない。更 に理想的な弱配位性アニオンでは、水素やハロゲンなどの弱塩基性原子に対する 比較的非極性の結合からなる大きな表面にわたって1価のマイナス電荷が広がっ て分布していなければならない。これらの基準の、全てではないが多くに適合す る弱配位性アニオンとしては、B(Arf)4 -(Arf=C6F5または3,5−C6H3(CF3)2)、 CB11H12-nXn -(X=HまたはI)、CB9H10-nXn -(X=H、Cl、BrまたはM(OTeF5)n(n=4,M -B;n=6,M=Nb,Sb))がある。 上記のアニオンの全ては制約を伴う。あるものは特定の用途に対して配位性が 強すぎる。また別のものはアニオンが用いられる過酷な化学的条件下では不安定 である。例として、BPh4 -のフッ素化誘導体は求電子性の強いカチオンと反応し て、(i)C−F結合が開裂し、フッ素原子とカチオンとの間に結合が形成され 、(ii)フルオロアリル基がカチオンに転移される。いずれの場合においても カチオンは反応性すなわち触媒活性を失う。 塩素、臭素、またはヨウ素含有カルボランモノアニオン(例CB11H6Br6 -及びCB9 H5Br5 -)の使用は幾つかの理由により制限される。第1に、重いハロゲンを含 有するカルボランはフッ素原子を含むカルボランよりもカチオンに対して強く配 位する。HCB11H5X6 -で表されるイオンの、求電子性Si(i-Pr)3 +カチオンに対する 配位性の強さの順序は、HCB11H5Cl6 -<HCB11H5Br6 -<HCB11H5I6 -である。したが ってフッ素化誘導体CB11H12-nF6 -は公知のハロカルボランのいずれよりも配位性 は小さいものと考えられる。別の制約としては、HCB11H5Br6 -や類似のアニオン は金属ナトリウム(Na)などの強力な還元剤と反応する点がある。更なる制約と して重いハロゲン基を含むカルボランはフッ素を含むカルボランよりも酸化され やすい点がある。例としてHCB11H5Br6 -はフッ素元素で処理すると酸化的に分解 される。 CB11(Me)12 -は強酸中では安定でなく、アセトニトリル溶液中では1.6Vで 容易に酸化される。最も求電子性の大きいカチオン、すなわち、新規かつより配 位性の弱いアニオンは極めて酸化性が強い。したがって酸化電位が低すぎる条件 で の弱配位性アニオンの酸化はその有用性において大きな制約を有する。 多くのビス(ジカルボリド)錯体アニオンはこれまでにハロゲン化されておら ずフッ素化されたものはない。更に、ビス(ジカルボリド)錯体アニオンは多く の用途において配位性が強すぎ、極めて酸化を受けやすい。ビス(ジカルボリド )錯体アニオンは3価の金属イオンM+3を囲むジアニオン(例C2B9H12 2-)からな るため、強酸の存在下における安定性は低いものと考えられる。一般的にジアニ オンはモノアニオンと比較して酸に対してより容易かつ速やかに反応する。 CIO4 -、BF4 -、PF6 -、SbF6 -、AL(OC(Ph)(CF3)2)4 -、Nb(OCH(Ph)(CF3)2)6 -、B(O TeF5)4 -、及びNb(OTeF56 -などの他の弱配位性モノアニオンは熱及び/または 加水分解に対して安定的でない。 ホウ素を含有する他のアニオン、及び、カルボラン(例CB5、CB9、CB11)など の炭素原子とホウ素原子のクラスターとを含有する他のアニオンは、それらの塩 が、ホウ素原子に結合するフッ素原子を最大で1個しか含まないため、それほど 安定ではなく、また弱配位性でもない。現在のところ2個以上のフッ素原子を有 するカルボランを与える合成法は存在しない。 7,8,9,10,11,12−CB11H6F6 -などの、部分的にフッ素化されたカルボラン (全てではないが2以上のホウ素原子がフッ素化されたカルボラン)は、所望の 部分フッ素化カルボランと共に分子式CB11H6F6 -の他の異性体が生成し、ほぼ純 粋な7,8,9,10,11,12−CB11H6F6 -などの異性体を得るためにコスト及び時間 のかかる単離を行わなければならないため、商業的な制約を伴う。 したがって弱配位性であり、かつ熱や加水分解に対して安定なポリフルオロカ ルボランアニオンが求められている。更に、特定の異性体を多く含むか、あるい は純粋なポリフルオロカルボランアニオンを含む塩の製造方法が求められている 。 発明の概要 本発明は、弱配位性アニオンに関する。特に、本発明は、式RaZBbcde (OR”)f -1で表されるポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを含む化合 物に関する。 ここで、 Rは、ポリマー、水素、ハロゲン化物、C1−C10アルキル、C1−C10シクロ アルキル、C1−C10アルケニル、C1−C10アルキニル、及びC4−C20アリル から成る群より選択され、 Zは、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb、及びBiから成る 群より選択され、 Xは各々、独立したハロゲン化物であり、 R"は、ポリマー、水素、C1−C10アルキル、C1−C10シクロアルキル、C1 −C10アルケニル、C1−C10アルキニル、及びC4−C20アリルから成る群より 選択され、 aは0又は1、 bは5から13までの整数、 cは0から12までの整数、 dは2から13までの整数、 eは0から11までの整数、及び fは0から5までの整数である。 bが9である場合、Rはポリマー、ハロゲン化物、C1−C10アルキル、C1− C10シクロアルキル、C1−C10アルケニル、C1−C10アルキニル、及びC4− C20アリルから成る群より選択される。 bが11であり、Rが水素である場合、d>6である。 本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンは、ホウ素−水素結合(B −H)、ホウ素−フッ素結合(B−F)、ホウ素−ハロゲン結合(B−X)、及びホ ウ素−ヒドロキシル基(B−OH)の混合のうち、いかなる組合せを有してもよ い。しかしながら、結合が混合することにより、可能な異性体が多く存在する。 従って、大多数のホウ素原子が、同様の官能基を有することが好ましい。例えば 、bが9又は11である場合、dはそれぞれ9又は11であることが好ましい。 しかしながら、結晶構造において異種原子と向かい合うホウ素原子(一般的に、 最後に番号を付したホウ素原子)上の置換基は、異なる置換基と容易に置換可能 であるため、d=b−1であれば、同様に、生成する異性体はただ一つとなるこ とが理解される。 本発明の別の特定の実施形態において、ポリハロゲン化モノヘテロボランアニ オンは、ポリフルオロカルボランアニオンである。 本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランは弱配位性であり、様々な条件下で 安定であるため、種々の形態に調製することが可能である。例えば、本発明の化 合物を、様々な溶媒に溶かして、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニ オンを含有する溶液を提供することが可能である。また、本発明の化合物を加熱 して、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを含有する溶融塩又は 液体を提供することが可能である。あるいは、本発明の化合物を適当なポリマー と混合するか、又は重合反応を行う前に本発明の化合物をポリマーの前駆物質と 混合することにより、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを含有 するゲルを調製することが可能である。 本発明の別の実施形態は、式RaZBbcde(OR")f -1で表されるポリ ハロゲン化モノヘテロボランアニオンの製造方法であり、該方法は、式M[R'a ZBbghi(OR")jkで表される化合物を、X'2及びHX'を含有する 混合物と接触させる工程を含む。 ここで、 Mは、1から4までの原子価を有するカチオンであり、 Zは、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb、及びBiから成る 群より選択され、 R及びR'は、水素、ハロゲン化物、C1−C10アルキル、及びC4−C20アリ ルから成る群より選択され、 Xは各々、独立したハロゲン化物であり、 X'2はハロゲン、 X'はハロゲン化物、 gは1から13までの整数、 hは0から12までの整数、 iは0から13までの整数、 jは0から5までの整数、及び kは1から4までの整数であり、 d>hであるとする。 このように、本発明の方法は、少なくとも一つの非フッ素置換基をフッ素と置 換する。 本発明の化合物は、種々の温度条件又は化学的条件下での安定性を含めた、多 くの利点を提供する。また、本発明の化合物は弱配位性である。従って、本発明 の化合物は、触媒の活性化剤としての用途を含めて、様々な用途に使用すること が可能である。これらの及び他の利点は、本明細書に含まれた開示に基づいて、 当業者には容易に理解されよう。 図面の簡単な説明 図1は分子式CH3CB11F11 -及びHCB11HF10 -を有する化合物の結晶構造を示す 概略図である。 図2は分子式HCB11F11 -及びHCB9F9 -を有する化合物の結晶構造を示す概略図で ある。 図3は[ClCuCB11F11]-2のX線結晶構造である。 発明の詳細な説明 本発明は、式RaZBbcde(OR")f -のポリハロゲン化モノヘテロボラ ンアニオンを提供するものである。「モノヘテロボラン」という用語は、中核と なる構造がホウ素原子に結合したホウ素以外の原子1個を有する化合物または部 分を指す。本発明のアニオン自体は、必ずしも化学的な化合物を構成するとは限 らない。実際、単離可能な化合物では、アニオンはカチオンと対になって、電気 的中性を維持していなければならない。そこで本発明の化合物は、式M[RaZ Bbcde(OR")fkの形となる。 Mは、1〜4価のカチオンである。Mとしては、アルカリ金属;アルカリ土類 金属;Ag、Zn、Cu、Co、Fe、Mn、Cr、V、Ti、Zr、Rh、P d、Cd、Hg、Os、Pt、Y、NbおよびMoなどの遷移金属;ランタン系 列およびアクチニド系列の金属;アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、 トリアルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウムおよびイミニウム基などの 窒素部分;テトラアルキルホスホニウムおよびテトラアリールホスホニウムなど のリン部分から誘導されるカチオンなどのカチオンがあり得る。さらにMは、ト リチル部分および関連のカルボカチオン類(例:R3+)などの比較的安定なカ ルボカチオン類;ならびにヒドロニウム(H3+)、H52 +、(Et2O)H+、 H94 +、ホルミリウム(HCO+)などの他の公知のカチオン類であることがで き、それらカチオンは、カルボランアニオンと配位結合することが知られている 。好ましくは該カチオンは、アルカリ金属カチオン類、アルカリ土類金属カチオ ン類、遷移金属カチオン類、アンモニウム、モノヒドロカルビルアンモニウム、 ジ ヒドロカルビルアンモニウム、トリヒドロカルビルアンモニウム、テトラヒドロ カルビルアンモニウム、テトラヒドロカルビルホスホニウム、ヒドロニウム、ホ ルミリウムならびにトリチルおよび関連するカルボカチオン類からなる群から選 択され;より好ましくは、トリチルおよび関連するカルボカチオン類、アルカリ 金属カチオン類、遷移金属カチオン類、モノヒドロカルビルアンモニウム、ジヒ ドロカルビルアンモニウム、トリヒドロカルビルアンモニウムおよびテトラヒド ロカルビルアンモニウムからなる群から選択され;最も好ましくは、トリチル, Li+、Ag+、Tl+、Cs+、Cu+、Cu+2およびMe2PhNH+からなる群 から選択される。本発明で使用する場合、「ヒドロカルビル」という用語は、1 個以上の炭素原子を有する化合物を指す。そのような化合物には、アリール、ア ルキル、アルケニルおよびアルキニルなどがある。さらに、ヒドロカルビルは、 直鎖、分岐または環状であることができる。ヒドロカルビルはさらに、ハロゲン 化物、酸素、硫黄、窒素もしくはリンなどの水素や炭素原子以外のもので置換さ れていても良い。 Mは、クロライド、ブロマイド、イオダイドなどのハロゲン化物;カルボニル (CO);シクロペンタジエニル(Cp)およびそれの誘導体;トリヒドロカルビ ルホスフィンなどのリン配位子;ならびに他の公知の金属配位子などの1以上の 配位子(L)を有することができる。好ましくは配位子は、ハライド類、ハイド ライド、カルボニル、シクロペンタジエニルおよびそれの誘導体、トリヒドロカ ルビルホスフィン、ヒドロカルビル、ニトロシル、アルコキシド類、カルボキシ レート類、シアニド、シアナート、チオシアニド、チオシアナートおよびアジド 類からなる群から選択され;より好ましくは、カルボニル、ハライド類、ハイド ライド、シクロペンタジエニルおよびそれの誘導体、アンモニウム、モノヒドロ カルビルアンモニウム、ジヒドロカルビルアンモニウムおよびトリヒドロカルビ ルアンモニウム、ならびにトリヒドロカルビルホスホニウムからなる群から選択 され;最も好ましくは、カルボニル、ハライド類、シクロペンタジエニルおよび それの誘導体、アンモニウム、モノヒドロカルビルアンモニウム、ジヒドロカル ビルアンモニウムおよびトリヒドロカルビルアンモニウムからなる群から選択さ れる。 本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンに対するカチオンのモル比 は、カチオンの価数によって決まることは明らかであろう。それは、kの値に反 映されており、例えば、カチオンが1価の場合(例:セシウムまたはリチウム) 、kは1であり、カチオンと本発明のポリハロゲン化ヘテロボランアニオンとの 間のモル比は1:1となる。カチオンが2価の場合(例:カルシウムまたはマグ ネシウム)、kは2であり、カチオンと本発明のポリハロゲン化ヘテロボランア ニオンとの間のモル比は1:2となる。好ましくはkは、1〜4の整数であり、 より好ましくは1〜3であり、さらにより好ましくはkは1または2であり、最 も好ましくは1である。 理解しておくべき点として、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオ ンは、弱会合性アニオンであることから、該ポリハロゲン化モノヘテロボランア ニオンと会合したカチオンは、イオン交換クロマトグラフィーおよび他のイオン 交換方法などの公知の方法によって、別のカチオンと容易に交換することができ る。 本発明によれば、Rは金属、水素、ポリマー、ハライド、C1〜C10アルキル 、C1〜C10アルケニル、C1〜C10シクロアルキル、C1〜C10アルキニルまた はC4〜C20アリールである。Rが金属の場合の例としては、銅、タリウム、リ チウムおよび銀、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムなどがある。本発明に 有用なポリマーは、ポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンのヘテロ原子が共 有結合によって結合することができるポリマーである。本発明に有用なポリマー の例としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび ポ リスチレンなどがある。本発明で使用する場合、「ポリマー」には、ポリハロゲ ン化モノヘテロボランアニオンをポリマー構造に連結するリンカーが含まれ得る 。 本発明によるアルキル基には、直鎖基または分岐基であることができる脂肪族 炭化水素がある。アルキル基は、ハロゲン、アルケニル、アルキニル、アリール 、水酸基、アルコキシ、カルボキシ、オキソまたはシクロアルキルなどの1以上 の置換基で置換されていても良い。該アルキル基と並んで、1以上の酸素、硫黄 または置換もしくは未置換の窒素原子が挿入されていても良い。アルキル基の例 としては、メチル、エチル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、フルオロ メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、トリクロロメ チルおよびペンタフルオロエチルなどがある。アリール基は、炭素環式または複 素環式の環部分である。アリール基は、ハロゲン、アルケニル、アルキル、アル キニル、水酸基、アルコキシまたはシクロアルキルなどの1以上の置換基で置換 されていても良い。アルケニル基は、隣接する炭素間に1以上の二重結合を有す る脂肪族炭化水素である。アルケニル基は、直鎖基または分岐鎖基であることが できる。アルケニル基の例としては、ビニル、1,3−ブタジエニル、2−プロ ペニル、クロロビニル、フルオロエテニルおよびテトラフルオロエテニルなどが ある。アルキニル基は、隣接する炭素間に1以上の三重結合を有する脂肪族炭化 水素であろ。アルキニル基はさらに、直鎖基または分岐鎖基を有することができ る。アルキニル基の例としては、エチニル、2−プロピニルおよび1−プロピニ ルなどがある。 特に好ましい実施態様では、Rは好ましくは、水素、ハライド、C1〜C10ア ルキルまたはC4〜C20アルキルであり;より好ましくはRは、水素、フッ素、 メチル、トリフルオロメチル、ビニル、エチル、ブチル、フルオロメチル、ジフ ルオロメチルおよびプロピルからなる群から選択され;最も好ましくはRは、水 素、フッ素、メチル、トリフルオロメチル、エチルおよびビニルからなる群から 選択される。 各種R置換を有する可能性は、本明細書に開示の説明および実施態様を考慮す れば、当業者には明らかであろう。例えば、アニオンCH3CB1111 -は、大型 のアニオンの1種である。有機または無機の基が、CH3基に代わって炭素原子 に自由に置換および結合することができる。実際、ビニル、アリルなどの有機基 の置換により、触媒、導電体ならびにアニオンおよび/または分子の分離用の材 料として商業上重要な利用分野を有するポリマーに、該アニオンを組み入れるこ とができる。HCB1111−およびCH結合を有する関連するアニオンなどのポ リハロゲン化モノヘテロボランアニオンは、炭素原子を介して金属イオンに結合 するCB1111 2-などのジアニオンを容易に形成することができる。そのような ジアニオンは、一方の「等価な」アニオン電荷が配位しており、第2の等価なア ニオン電荷が弱く配位しているという点で有用である。そのような形で配位して いる金属錯体は、本発明の範囲に含まれる。 本発明によれば、ZはC、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sbおよ びBiからなる群から選択される。好ましくはZは、C、Si、NおよびPから なる群から選択され;より好ましくはC、NおよびPからなる群から選択され; 最も好ましくは、ZはCである(すなわちカルボラン)。Zが炭素またはケイ素な どのIV族元素の場合、各Zは、相当するR基によって置換されている。ZがV 族元素の場合、Zは相当するR基を有する場合も、有しない場合もある。ZがV 族元素であって、R基を有する場合、Zはa+1の電荷を有し、全体の部分Ra ZBbcde(OR")fは中性であること、すなわち両性イオンとなることは 明らかであろう。そのような場合、RaZBbcde(OR")f部分は、カチ オン部位および/またはアニオン部位付近に存在する他の対イオンを有し得る。 本明細書に記載の式に関して: 各Xは独立にハライドである。好ましくはXは、クロライド、イオダイドおよ びブロマイドからなる群から選択され;より好ましくはXは、クロライドおよび ブロマイドからなる群から選択され;最も好ましくはXは、クロライドである。 R"は、ポリマー、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C10シクロアルキル、C1 〜C10アルケニル、C1〜C10アルキニルおよびC4〜C20アリールからなる群か ら選択される。より好ましくはR"は、水素、ポリマー、C1〜C10アルケニルお よびC1〜C10アルキルからなる群から選択される。 好ましくはaは、0または1である。 bは5〜13の整数であり、好ましくはbは5〜11である。より好ましくは bは、5、9または11であり、さらに好ましくはbは9または11であり、最 も好ましくはbは11である。 cは0〜12の整数である。好ましくはcは、0〜7の整数、より好ましくは 0〜5の整数、最も好ましくは0である。 dは1〜13、好ましくは2〜13、より好ましくは2〜11の整数である。 さらに好ましくはdは、5、9または11であり、さらに好ましくはdは9また は11であり、最も好ましくはdは11である。 eは0〜13の整数である。好ましくはeは0〜11の整数、より好ましくは 0〜5の整数である。最も好ましくはeは0である。 好ましくはfは0〜5の整数であり、より好ましくは0〜4の整数であり、最 も好ましくは0〜3の整数である。bが9の場合、Rはポリマー、ハライド、C1 〜C10アルキル、C1〜C10シクロアルキル、C1〜C10アルケニル、C1〜C10 アルキニルおよびC4〜C20アリールからなる群から選択される。 bが11の場合、Rは水素であり、d>6である。 本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンの各ホウ素原子は1個の置 換基を有することから、置換基の総数(すなわちc+d+e+f)は、ホウ素の 総数に等しい。すなわちc+d+e+f=bである。 本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを有する化合物は、安定お よび/または弱配位性アニオンが必要な工業的利用分野で使用することが可能で ある。例えば、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンは、触媒の活 性化剤として、さらには電池における電解質として使用することができる。例え ば、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランモノアニオン類のリチウム塩は、 電気自動車、携帯電話およびラップトップコンピュータなどの利用分野で有用な リチウムに基づく電池用の電解質として使用することが可能である。該ポリハロ ゲン化モノヘテロボランアニオンを有する化合物は、遷移金属触媒オレフィン重 合用の優れた助触媒(活性化剤)である。有機反応用触媒の対イオンから重合お よび光重合開始剤用の対イオンに至る多くの他の用途もある。 本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンは、20%HCl溶液中お よび50%H2SO4溶液中などの酸性条件下で安定である。さらに、本発明のポ リハロゲン化モノヘテロボランアニオンは、ZnCl2、Et3AlおよびSnC l2などのルイス酸存在下でも安定である。実際、本発明のポリハロゲン化モノ ヘテロボランアニオンは、水に溶かすとわずかに酸性を示すことから(例えば、 CB11HF11 -は約13のpKaを有する)、当業者に公知の各種用途での使用に 有利となる。該新規アニオンには、他にも多くの商業的用途が可能であり、例え ば、ディールス−アルダー反応および1,4−共役付加反応用の触媒などの化学 反応における触媒としての使用が可能である。 本発明の特に好ましい実施態様では、該ポリハロゲン化モノヘテロボランアニ オンは、正電荷対イオンと強く結合および会合しない高度にフッ素化されたカル ボランである(すなわち、弱配位性アニオン)。特定の理論に拘束されるものでは ないが、その弱配位効果は、多くのフッ素原子が存在することで、特に誘導効果 により、効果的なアニオン特性が低下するためであると考えられている。本発明 のアニオンの具体的な例としては、1−CH3−2,3,4,5,6,7,8, 9,10,11,12−CB1111 -(CH3CB1111 -)および1,2−H2− 3,4,5,6,7,8,9,10,11−CB1110 -(HCB1110 -)など がある。これらアニオンの可能な構造を図1に示してある。これらのアニオンは いずれも、炭素1個およびホウ素原子11個の正二十面体を構成していると考え られる。炭素原子はさらに、メチル基(CH3)または水素原子に末端で結合し ていると考えられ、各ホウ素原子は、フッ素原子またはHCB11HF10 -でのB 12の場合には水素原子に末端で結合していると考えられる。 本発明のアニオンの他の具体例を2種類挙げると、2,3,4,5,6,7, 8,9,10,11,12−HCB1111 -(HCB1111 -)および2,3,4 ,5,6,7,8,9,10−HCB99 -(HCB99 -)である。それらのポ リフッ素化モノカルボランアニオンは図2に示した構造を有すると考えられる。 本発明のポリハロゲン化ヘテロボランモノアニオンは弱配位性であり、本発明 のポリハロゲン化ヘテロボランアニオンを有する化合物自体は、各種溶媒中で容 易に解離する。そこで、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを含 む溶液は、本発明の化合物を適切な溶媒に溶かすことで容易に調製することがで きる。溶液を調製することができる溶媒には、水系溶媒;ペキサン、ペンタン、 クロロホルム、トルエン、ベンゼン、キシレン、エーテル、塩化メチレン、酢酸 エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アルコール類(例:メタノール およびエタノール)、グリコール類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア ミド、ジメトキシエタンおよび炭酸エステル類(例:炭酸プロピレンおよび炭酸 エチレン)などの極性有機溶媒および非極性有機溶媒;ならびにそれらの組み合 わせなどがある。 本発明の化合物の別の利点は、それが弱塩基性溶媒中で高い溶解度を有すると いう点である。従って、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンと会 合しているカチオンの反応性は、他のアニオンを有する化合物と比較して高い。 本発明のポリハロゲン化ヘテロボランモノアニオンは、公知のポリマーゲル調 製法を用いて、該本発明の化合物と適切なポリマーとを混合することで、ゲルと して製剤することができる。例えば、ポリマーおよび本発明の化合物を含む溶媒 から、ほとんどの溶媒を除去することで、本発明のポリハロゲン化ヘテロボラン アニオンを含む溶媒膨潤ゲル組成物を得ることができる。別法として、モノマー またはポリマー前駆体と本発明の化合物とを混合し、重合反応条件下に置くこと で、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを有するポリマーを形成 することができる。得られるポリマーが固体の場合、適切な溶媒を加えて、ゼラ チン状の混合物を得ることができる。そのようなポリマーを得る上で必要な重合 条件は、モノマーまたは該ポリマーの前駆体の性質によって決まるものであり、 重合技術における当業者には知られているものである。 本発明のポリハロゲン化ヘテロボランモノアニオンを含む溶融塩は、本発明の 化合物を液体になるまで加熱することで得ることができる。そのようにして、高 い導電性を有する溶融塩を得ることができる。さらに、不純物を加えることで、 本発明の化合物の融点を下げることができることは明らかであろう。不純物が存 在することで、ほとんどの固体の融点が降下することは公知である。従って、適 切な不純物および適切な不純物量を選択することで、本発明の化合物を含む所望 の温度の溶融塩または液体を得ることができる。 本発明の別の実施態様は、本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオン (すなわち、RaZBbcde(OR")f -1の製造方法において、式M[R’a ZBbghi(OR")jkの化合物とX’2およびHX’を含む混合物とを接 触させる工程を有してなることを特徴とする方法を提供するものである。上記 本発明の方法は、原料に1個以上のフッ素を付加させるものである。すなわちd >hとするものである。理解しておくべき点として、各成分を加える順序は、最 終生成物の組成にほとんど影響しない。従って、本発明の方法においては、各成 分の添加順序に関してあらゆる可能な組み合わせがあり、例えば、式M[R’a ZBbghi(OR")jkの化合物にHX’を加えてからX’2を加える方法 、式M[R’aZBbghi(OR")jkの化合物にX’2を加えてからHX ’を加える方法、式M[R’aZBbghi(OR")jkの化合物にX’2お よびHX’を同時に加える方法などがある。 R’は、水素、ポリマー、C1〜C10アルケニル、C1〜C10アルキニル、C1 〜C10シクロアルキル、C4〜C20アリール、ハライドまたはC1〜C10アルキル である。好ましくはR’は水素、ハライドまたはC1〜C10アルキルであり、よ り好ましくはR’は水素またはC1〜C10アルキルである。 X’2はハロゲンである。好ましくはX’2はフッ素である。 X’はハライドである。好ましくはX’はフルオライドである。 gは1〜13、好ましくは4〜13、より好ましくは4〜11の整数である。 さらに好ましくはgは、4、5、8、9、10または11であり、最も好ましく はgは、8、9、10または11である。別の表現ではgは、b−4以上、好ま しくはb−2以上、最も好ましくはbである。 hは0〜12の整数であり、より好ましくはhは約3未満であり、最も好まし くはhは0または1である。 好ましくは、iは0〜13の整数であり、より好ましくは0〜11の整数であ る。より更に好ましくは、iは0、1、9又は11であり、最も好ましくは0で ある。 jは0〜5、好ましくは0〜4、より好ましくは1〜2の整数である。最も好 ましくは、jは0である。 本方法は、熱又は乾燥剤を使用して、式M[R'aZBbHgFhXi(OR")j]kで示される化 合物又は反応容器を乾燥する工程を含みうるものである。乾燥は大気圧の不活性 ガス、例えば窒素、アルゴン又はヘリウム雰囲気で実施可能であり、あるいは真 空下で実施可能である。 本発明の方法は一般には、式M[R'aZBbHgFhXi(OR")j]kで示される化合物を収容 する反応容器を、HX'が凝縮するに十分な温度まで冷却することを含んでなる。 典型的に、反応容器は約−78℃まで冷却される。好ましくは約10乃至約10 00当量のHX'が、反応容器に添加され、より好ましくは約200乃至約700 当量、最も好ましくは約300乃至約500当量のHX'が反応容器に添加される 。必ずしも必要ではないが、凝縮前にモレキュラーシーブのような乾燥剤中を通 過させることによりHX'を乾燥させることも可能である。 また本発明の方法は、ハロゲン(X'2)を反応容器に添加することを含むもの である。必ずしも必要ではないが、反応容器への添加に先立ってハロゲンを乾燥 させることも可能である。ハロゲンは純物質として添加することも可能であり、 希釈気体溶液として添加することも可能である。ハロゲンの希釈気体溶液は、ハ ロゲンを窒素、ヘリウム又はアルゴンのような不活性キャリアガスと混合するこ とにより形成することができる。好ましくは、該キャリアガスは窒素である。小 規模反応の場合には、ハロゲンは希釈気体溶液として添加されることが好ましい 。希釈気体溶液として添加されることにより、反応容器へのハロゲン添加量が良 好に制御される。ハロゲン添加は典型的に、反応容器を約−78℃まで冷却し、 所望量のハロゲンを反応容器内に凝集させることを含むものである。好ましくは 約5乃至約20当量のハロゲンが反応容器に添加され、より好ましくは約10乃 至約16当量、最も好ましくは約13乃至約15当量のハロゲンが添加される。 必須反応物の添加後、反応容器は閉鎖系を形成するように典型的に密閉され、 反応混合物は、反応混合物を攪拌せしめる任意の好適方法、例えば、反応容器の 回転又は振盪、あるいは反応混合物の攪拌により混合される。典型的に、反応混 合物は室温まで戻されて、反応容器が回転(即ちスピン)又は振盪することによ り、反応物が十分に混合し、所望の反応が発生する。正しく認識されることとは 思われるが、反応混合物が室温に戻されるとき、ハロゲン及び/又はHXの再蒸発 に起因して反応容器内部の圧力は顕著に増加する。したがって、反応容器は、圧 力増加に耐え得るように慎重に選択されるべきである。好ましくは、反応時間は 約1乃至約72時間、より好ましくは約5乃至約48時間、最も好ましくは約8 乃至約24時間である。最終反応温度は、約100℃未満、より好ましくは約5 0℃未満である。最も好ましい最終反応温度は、ほぼ室温である。 本発明のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンからなる化合物は、残留気 体反応物、例えばHX'及び/又はハロゲン(X'2)を除去することにより単離され る。 R'が水素であるか、アルキル基又はアリール基のような水素含有部分であると き、R'中に存在する一部又は全部の水素は、反応中、X'で置換することが可能で ある。 本発明の別な一態様は、上記方法の工程を経て製造されたポリハロゲン化モノ ヘテロボランアニオンを提供するものである。 実施例 実施例1 この実施例は、モノカルボランポリヒドリドのセシウム塩を製造すろ方法を示 すものである。 水40mL中の[(CH3)3NH]CB9H10400mgに水酸化ナトリウム89mgを添加した 。得られた溶液を、水吸引装置により発生させた真空下で攪拌して(CH3)3Nガス を除去した。得られた精製溶液をそのpH値が約2となるまで酸性化し、生成した 固体沈殿を濾過により除去した。CsCl約0.5gを該濾液に添加し、得られた固 体沈殿を濾過し、乾燥させてCsCB9H10を白色固体として得た。 実施例2 この実施例は、モノカルボランヒドリドからのポリフッ化モノカルボランアニ オンの製造方法を示すものである。 CsCB11H12約35mgをモネルリアクター内に載置し、真空下で約80℃乃至1 00℃となるまで約0.5時間加熱した。リアクターを冷却し、約−70℃でHF 約20mLをリアクター内に凝縮させた。またN2中で約207kPa(約30ポンド 毎平方インチ)(psi)の10%F2を、−70℃でリアクター内へ凝縮させた。リ アクターが室温に戻るようにし、且つ、リアクターを回転させた。約3日後、反 応混合物を−70℃まで冷却し、気体を真空吸引により除去した。重水素化アセ トン約1.5mLを添加し、得られた溶液を濾過した。11B NMR及び19Fは、主にCB11 F11H-が存在していることを示した。 更にアセトン3mLを添加してリアクターを洗浄した。両アセトン溶液を一緒に 濃縮して褐色油を得た。該褐色油を約15mLの水に溶解させた。該水溶液にCsOH を添加して中和した。沈殿した褐色固体を濾過により除去した。濾液から水を除 去し白色固体を得た。該白色固体をアセトン中に溶解させ濾過した。該濾液から アセトンを除去し、CsCB11F11H27mg(収率47%)を白色固体として得た。(C D3)2CO溶媒を用いた1H NMRにおけるδ値は3.98、11B NMRにおけるδ値は、 −7.8、−15.9及び−17.4であった。19F NMRにおけるδ値は、−2 51.3、−255.0及び−255.7であった。 実施例3 この実施例は、生成物形成時におけるフッ化水素不在効果を示すものである。 反応混合物へHFを一切添加しない点以外は、実施例2に記載したものと同様の 処置を実施した。11B NMRの結果は、極微量のHCB11F11 -が生成していることを示 すものであった。 実施例4 この実施例は、生成物形成時におけるフッ素ガス不在効果を示すものである。 反応混合物にF2を一切添加しない点以外は、実施例2に記載のものと同様の処 置を実施した。HCB11F11 -約15mg(収率25%)が淡紅色を帯びた固体として 得られた。 実施例5 この実施例は、メチル置換基を有するカルボランポリヒドリド類におけるフッ 素化効果を示すものである。 CsCB11H12の代わりにCs(1-CH3CB11H11)37mgを使用した点以外は、実施例2 に記載のものと同様の処置を実施した。粗生成物の分析結果は、次に挙げる三種 の化合物が、ほぼ1:4.5:1.2の割合で生成していることを示すものであ った。 化合物 1-CH3-CB11F11 -: (CD3)2CO溶媒を用いた1H NMRにおけるδ値は1.53であった。11B NMRにおけ るδ値は、−6.9及び−16.1であった。 化合物 1-CH2F-CB11F11 -: (CD3)2CO溶媒を用いた1H NMRにおけるδ値は5.21、スピン結合定数Jは 46Hzであった。19F NMRの場合は、δ=−228.8、J=46Hzであった。1 1 B NMRにおけるδ値は、−6.9及び−16.1であった。 化合物 1-CHF2-CB11F11 -: (CD3)2CO溶媒を用いた1H NMRにおけるδ値は6.76、スピン結合定数Jは52 Hzであった。19F NMRの場合は、δ=−109.4、J−52Hzであった。11B N MRにおけるδ値は、−6.9及び−16.1であった。 更に、極微量のHCB11F11 -が該混合物中に存在していることが判明した。 再結晶化による精製により1-CHF2-CB11F11 -が消失した。 実施例6 この実施例は、CB9HF9 -の合成を示すものである。 CsCB11H12の代わりにCsCB9H10を使用した点以外は、実施例2に記載のものと 同様の処置を実施した。CB9HF9 -と(CB9HF8)2 -2との混合物が得られた。 水溶液にBu4NFを添加して、黄色みを帯びた以下のBu4N+塩を沈殿させた点を除 いては、実施例2に記載の手順と同様に反応を行わせた。 HCB9F9 -との塩:(CD3)2CO溶媒を用いた11B NMRにおけるδ値は9.1、−4.9 及び−5.6であった。19F NMRにおけるδ値は、−225.8、−226.3 及び−230.1であった。 (HCB9F8)2 -2との塩:(CD3)2CO溶媒を用いた11B NMRにおけるδ値は−1.7及び −6.2であった。19F NMRにおけるδ値は、−215及び−222であった。 実施例7 この実施例は、出発物質としてCsHCB1111およびCsHCB1110Fを 用いる生成物の生成の比較を示している。 別々のモネルリアクタ中で出発物質としてCsHCB1111およびCsHCB1110F(約10%〜15%のCsHCB1111を含有する)を用いる並列比較 反応において、実施例2に記載した同じ手順を用いた。 粗生成物の分析によると、CsHCB1110Fの反応は、未反応出発物質の量 がはるかに少なかった。 (Bu4N)HCB1111塩を沈殿除去するためにBu4NFを水溶液に添加した 以外は、実施例2に記載した同じ手順を用いて両方の反応を実施した。 CsHCB1111の反応は、(Bu4N)HCB1111の76%の収率をもた らし、CsHCB1110Fの反応は、(Bu4N)HCB1111の72%の収率 をもたらした。 実施例8 この実施例は、出発物質としてCsHCB1110Fを用いるフッ素化反応にお いて生成される他の異性体が何であるかを示している。 220mgのCsHCB1110F(約10%〜15%のCsHCB1111を含 有する)をCsHCB1111の代わりに用いた以外は、実施例2に記載された同 じ手順を用いた。粗生成物の19F NMR分析によると、その他の異性体と比べ たHCB1111 -1の相対量は>95%であった。粗生成物中で同定されたその他 の異性体には、7,12−HCB1192 -、HCB11HF10 -およびHCB1129 -が挙げられる。 実施例2の方法を用いる精製は、固形物として205mg(収率58%)のC sHCB1111を生成させた。13C NMR[(CD3)2CO,δ]:15.8(J =172Hz)。 実施例9 この実施例は、酸性条件におけるCsHCB1111の安定性を示している。 D2O中に20%DClを含有する約1mLの溶液を約19.8mgのCsH CB1111に添加した。この溶液をNMRによって2週間にわたり監視した。P H4PCl約40mgの水溶液3mlを添加した。得られた沈殿物を濾過し乾燥 して、白色固形物として26mg(92%回収)の(PH4P)HCB1111を 得た。 実施例10 この実施例は、CsHCB1111中の1個以上のフッ化物を水酸化物で置換す る方法を示している。 約1mLの3M KOH溶液を約19.8mgのCsHCB1111に添加し た。この溶液をNMRによって2週間にわたり監視した。PH4PCl約55m gの水溶液5mlを添加した。得られた沈殿物を濾過して、ほとんどHCB1110-およびHCB119F(OH)-からなり、少量のHCB1111 -を伴う約3 mgの白色固形物を得た。濾液をHCLで約1のpHに酸性化し、得られた沈殿 物を濾過し乾燥して、白色固形物として18mgのHCB119(OH)2 -塩を 得た。IR(cm-):3619、3604。NIEMS(m/z):337.3。1 1 B NMR[(CD3)2CO2δ]:−9.4、−18,2および−20.5。19F NMR:−249.7、−252.8、−254.1、−254.8および−2 56.3。 実施例11 この実施例は、CsHCB1111中の1個以上のフッ化物を水素化物で置換す る方法を示している。 反応フラスコにおいて、CsHCB111138.6mgのTHF溶液8mLに 約0.8gのNaを添加した。20時間後、カニューレを介してTHF溶液を5 0mLのシュレンクフラスコに移した。反応フラスコを15mLのTHFでリン スした。それらのTHF溶液を混合し、濃縮して固形物を得た。固形物を約2m LのD2Oに溶解し、Ph4PCl 30.5mgのD2O溶液1mLを添加した 。得られた白色固形沈殿物を濾過し乾燥して、白色固形物としてHCB11HF10 - のPh4P塩35mgを得た。11B NMR:−13.8、−15.9および− 29.8(JB-H=138Hz)。 実施例12 この実施例は、CsHCB1110FからCsHCB1111を分離する方法を示 している。 CsHCB1111およびCsHCB1110Fの約1:1混合物180mgに、 約0.5gのAgNO3を添加した。2時間後、固形物は褐色になった。カニュ ーレを介して約30mLのベンゼンを添加し、混合物を約2時間にわたり攪拌し た。暗色固形物を濾過によって除去し、アセトンで洗浄して、実質的に純粋なH CB1111 -塩を得た。 ベンゼン濾液を濃縮し乾燥して、褐色の固形物を得た。褐色の固形物を2mL のCH2Cl2で処理し、5分にわたり攪拌し、濾過した。濾過された固形物をア セトンに溶解し、それをNMRで分析すると、約2:1の比のHCB1110- 塩およびHCB1111 -塩の存在を示した。CH2Cl2濾液は、約3:1の比の HCB1111 -塩およびFCB1111 -塩の存在を示した。 Ag(C66)HCB111011B NMR[(CD3)2CO,δ]:14.8、−14.2および−18.2。1 9 F NMR:−190.0。 Ag(C66)HCB1111 11B NMR[(CD3)2CO,δ]:−7.8、−15.7および−17.2。1 9 F NMR:−251.2および−255.1。 実施例13 この実施例は、熱水中のCsHCB1111の安定性を示している。 約1.5mLの水を約145mgのCsHCB1111に添加し、得られた溶液 を約80℃に加熱した。その溶液を室温に冷却し、固形物を分離した。液層は、 CsHCB1111およびCsHCB1110(OH)の存在を示した。 実施例14 この実施例は、トリメチルアンモニウム対カチオンを有するHCB1111 -を 調製する方法を示している。 250mgのCsHCB1111を代わりに用いた以外は、実施例2と同じ手順 を用いた。反応器を64時間にわたり回転した(すなわち、スピンさせた)。Me3 NHCl塩を入れるために、水性補助液も修正した。固形沈殿物を真空下で1 日にわたり乾燥して、白色固形物として258mg(収率71%)の(Me3N H)HCB1111を得た。 実施例15 この実施例は、炭素原子に結合された水素原子をフッ素原子で置換する方法を 示している。 N−フルオロ−N−クロロメチル−1,8−ジアザビシクロ[2,2,2]オ クタンビス(テトラフルオロボレート)(「F−TEDA」)約211mgの水溶液 約1.5mLに、CsH13CB111123mgの水溶液約1.5mLを添加した 。混合物を室温で20時間にわたり攪拌した。白色固形沈殿物を濾過によって除 去した。水酸化ナトリウムの溶液を濾液に添加して、pHを約12に調節し、得 られた混合物を約0.5時間にわたり攪拌した。溶液をHClで中和し、Bu4 NCl塩を添加した。若干黄色の固形沈殿物は、FCB1111 -塩を含有してい た。 実施例16 この実施例は、ポリハロゲン化モノカルボランアニオン塩の炭素原子をアルキ ル化する方法を示している。 約0.55gのCsHCB1111を100mLの丸底フラスコに添加し、引き 続いて約30mLの2.5%NaOH溶液を添加した。ロータリーエバポレータ を介して約10〜15分にわたりMe3Nを溶液から除去した。得られた溶液を 50mLのエルレンマイヤーフラスコに移し、水で約40mLに希釈し、約1m Lの硫酸ジメチルを溶液に添加し、約1時間にわたり攪拌した。その溶液を1M HCl溶液で約1のpHに酸性化し、溶液を濾過した。濾液をエーテル(50m Lで3回)で抽出した。有機層を濃縮し、得られた残留物を約20mLの水で希 釈し、Me3NHClを添加した。得られた固形沈殿物を濾過し乾燥して、0. 468g(収率82%)の(Me3NH)CH3CB1111を得た。濾液を更に沈 殿させ、約10mg(収率5%)の(Me3NH)CH3CB1111を得ることが できる。11B NMR(δ):−8.4、−16.3および−17.2。19F N MR:−250.2、−255.4および−256.8。1H NMR:1. 51。 あるいは、セシウム塩を次の通り調製することができる。約200mgの(M e3NH)HCB1111を50mLの丸底フラスコに添加し、引き続いて約10 mLの5%NaOH溶液を添加した。ロータリーエバポレータを介して約10分 にわたりMe3Nを溶液から除去した。反応混合物を濾過し、濾液を水で30m Lに希釈した。約0.45mLの硫酸ジメチルを水溶液に添加し、約0.5時間 にわたり攪拌した。水溶液を1M HCl溶液で約1〜2のpHに酸性化した。 水層をエーテル(50mLで3回)で抽出した。有機層を濃縮し、得られた残留 物を約5mLの水で希釈し、約1mLのCsCl(約0.25g)溶液を添加し た。混合物を約4℃に冷却し、濾過した。固形沈殿物を約0℃の水約4mLで2 回洗浄した。固形物を真空下で乾燥し、アセトンおよび水から再結晶化して、1 65mg(収率68%)のCsCH3CB1111を得た。濾液を更に沈殿させて 、約10mg(収率5%)の(Me3NH)CH3CB1111を得ることができる 。 実施例17 この実施例は、CsCH3CB1111中の1個以上のフッ化物を水素化物で置 換する方法を示している。 0.2gのNaを含むヤング管に、CsCH3CB111117mgのTHF溶 液5mLを添加した。混合物を25時間にわたり攪拌した。その後、カニューレ を介して溶液をシュレンクフラスコに移し濃縮した。得られた白色固形沈殿物は 、CsCH3CB1111のCsCH3CB11HF10への41%転化率を示した。19 F NMR:−244.0および−252.9。11B NMR:−14.0、−1 5.8および−29.6(JB-H=138Hz)。 実施例18 この実施例は、ポリフッ化モノカルボランアニオン塩の他の異性体を合成する 方法を示している。 約100mgのCsH13CB1111とボンベ装置中の約10mLのHFとの混 合物を約370℃で約90時間にわたり加熱した。反応混合物を冷却し、未反応 のHFを除去した。約10mLのアセトンを用いて、得られた残留物を丸底フラ スコに移した。得られた溶液を濃縮し、残留物を約20mLの水で希釈し、Cs OHで中和した。水性混合物を濃縮し、残留物を約5mLのアセトンで希釈し、 濾過した。濾液を濃縮して、CsHCB1111-x、Fx(式中、xは6〜9の整 数である)を含む化合物の混合物を得た。異性体の相対比は、それぞれx=6、 x=7、x−8およびx=9の場合に6:14:4:1であった。 実施例19 この実施例は、トリチル対カチオンを有するポリハロゲン化ヘテロボランアニ オン塩を製造する方法を示している。 AgCH3CB1111約300mgおよびPh3CCl約182mgのCH2C l2溶液約30mLを1時間にわたり攪拌した。AgClの白色沈殿物を濾過に よって除去し、濾液を濃縮し、真空下で約20時間にわたり乾燥して、Ph3C (CH3)CB1111とPh3CClとの混合物を得た。イソオクタンで混合物を 洗浄することにより、Ph3CClを除去し、約190mgのPh3C(CH3) CB1111を得た。CD2Cl2中の−CH3基に対する1H NMR: AgCH3CB1111:δ=1.545 Ph3C(CH3)CB1111:δ=1.49 実施例20 この実施例は、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオン塩のリチウム塩を調製す る方法を示している。 Li2CO39.3mgの水溶液30mlを100mgの(Me2NH)CH2C B1111に添加した。その溶液をロータリーエバポレータで濃縮した。追加の3 0mLの水を添加し、得られた溶液を再びロータリーエバポレータで再び濃縮し た。約30mLの水および2mgのLi2CO3を添加し、得られた溶液をもう一 度ロータリーエバポレータで濃縮した。得られた残留物を乾燥すると、白色固形 物として78mgの水素化LiCH3CB1111を得た。 実施例21 この実施例は、(H2O)nLiCH3CB1111 -1塩の加熱によって乾燥Li CH3CB1111 -1塩を得ることができることを示している。 実施例20で得られた9.9mgの固形物でDSCを行った。 ラン#1:最後のエンド効果(last endoeffect)、170℃ ラン#2:最後のエンド効果、155℃ ラン#3:最後のエンド効果、146℃ 実施例22 この実施例は、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオンのプロトン−スポンジ( Proton−Sponge)(登録商標)塩の調製を示している。 約100mgの(Me3NH)HCB1111を100mLの丸底フラスコに添 加し、引き続いてLi2CO320mgの水溶液40mLを添加した。ロータリー エバポレータを介して得られた溶液を濃縮した。得られた固形残留物を30mL の水に溶解し、約2mLの1M HClを添加した。得られた水層を1回分50 mLのエーテルで2回抽出した。有機層を混合し、約5mLの体積に濃縮し、2 5 mLのシュレンク(Shelenk)フラスコに移し、真空下で0.5時間にわ たり乾燥して、ピンク−赤の油を得た。プロトン−スポンジ(Proton−S ponge)(登録商標)約101.2mgのCD2Cl2溶液1mLをこの油に添 加した。20分後、CD2Cl2を真空下で除去した。得られた黄色固形物を真空 下で更に乾燥し、20mLのヘキサンで洗浄し、もう一度真空下で乾燥して、黄 色固形物として96mgの[C106(NMe22H]+HCB1111 +を得た。 実施例23 この実施例は、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオン塩のMe3NHf対カチオ ンをCs+対カチオンに転化する方法を示している。 約368mgの(Me3NH)CH3CB1111とNaOH60mgの水溶液1 5mLを50mLの丸底フラスコに添加する。Me3Nを真空下で除去し、溶液 を1M HClで中和した。250mgのCsClの溶液を得られた混合物に添 加し、固形沈殿物を濾過し乾燥して、白色固形物として392mg(収率90% )のCsCH3CB1111を得た。 実施例24 この実施例は、ポリハロゲン化ヘテロボランアニオン塩のCs+対カチオンを Ag+対カチオンに転化する方法を示している。 CsCH3CB1111約425mgおよびAgNO3約1.2gのベンゼン溶液 150mLを70℃で24時間にわたり攪拌した。溶液を室温に冷却し濾過した 。濾液を濃縮し、真空下で乾燥して、白色固形物を得た。白色固形物を約20m Lの塩化メチレンに溶解し、約15分にわたり攪拌し、濾過した。塩化メチレン 濾液を濃縮し乾燥して、黄色−白色固形物として約410mg(収率87%)の A gCH3CB1111・C66を得た。 (C66)AgCH3CB1111の溶解度は、CH2CL2中で0.2g/mL 、ベンゼン中で約1〜2mg/mLである。 (C66)AgCH3CB1111 1H NMR[CD2Cl2,δ]:1.58。19F NMR:−253.5、−2 57.7および−259.5。11B NMR:−11.8および−20.2。 実施例25 この実施例は、ポリハロゲン化ヘテロボランジアニオンのジリチウム塩を製造 する方法を示している。 (Me3NH)HCB1111約0.2gの2℃THF溶液約25mLに、ヘキ サン中の約0.33mLの0.3M nBuLiを添加した。得られた反応混合 物を室温で約1時間にわたり攪拌し濃縮し、真空下で乾燥して、若干黄色−白色 の固形物として約180mgのLi2CB1111・THFを得た。 LiCB1111 19F NMR[CD3CN,δ]:−231.0、−235.6および−271. 2。 実施例26 この実施例は、ポリハロゲン化ヘテロボランジアニオンのジリチウム塩をフッ 素化する方法を示している。 約0.6mLのCH3CN中のF−TEDA約25mgの懸濁液に、Li2CB1111約20mgのCD3CN溶液1mLを添加し、室温で攪拌した。19F NM Rは、LiFCB1111の生成を示した。19F NMR(δ):−243.3、 −248.7、−255.8および−265.0。NIEMS(m/z):359 .2。 実施例27 約50mLの0.5M NaOH溶液を約0.60gの[(CH3)3NH]HCB1 111に添加した。約10mLの水を真空下で除去した。得られた溶液に約0. 5mLの硫酸ジエチルを添加し、室温で約40分にわたり攪拌した。約3mLの エタノールを溶液に添加し、更に1時間にわたり攪拌した。その溶液を約3のp HにHClで酸性化し、約20mLの体積に濃縮した。得られた溶液を水中の約 0.34gのCsClで処理すると、白色固形物が沈殿した。その固形物を濾過 し、2mLの冷水で洗浄し、真空下で乾燥して、0.51g(67%)のCs( CH3CH2CB1111)を得た。19F NMR(アセトン−d6,δ):−249. 4、−253.7および−256.6。1H NMR:1.23(3H)および2 .33(2H)。 実施例28 実験24の手順を用いて、84%の収率で(C66)AgEtCB1111を調 製した(Et=CH3CH2)。 実施例29 (C66)AgEtCB1111のフルオロルーブ・マル(fluorolube mull) 10mgに約952トルのCOを添加した。IRスペクトルは、(C66)(C O)AgEtCB1111(λ=2199cm-1)の生成を示した。サンプルを真 空下で48時間にわたり放置すると、COは除去され、出発物質(C66)Ag EtCB1111が生成した。 実施例30 (Me3NH)HCB11110.46gのTHF溶液30mLに、ヘキサン溶 液中のn−BuLiの2.5M溶液0.92mlを添加した。得られた混合物を 3時間にわたり攪拌し、真空下で1分にわたり放置して、トリメチルアミンを除 去した。その後、溶液を0.25mLのnBuBrで処理し、18時間にわたり 攪拌した。THFを真空下で除去し、15mLの水を添加した。得られた溶液を 濾過して固形物を除去した。CsCl 0.34gの水溶液を濾液に添加した。 白色沈殿物を濾過によって集め、2mLの冷水で洗浄し、真空下で攪拌して、0 .40g(65%)のCs(1−n−BuCB1111)を得た。19F NMR(ア セトン−d6,δ):−249.3、−253.2および−256.6。1H NM R:0.92(3H)、1.35(2H)、1.69(2H)、2.17(2H)。 実施例31 n−BuLi(0.33mL、3.0M)のヘキサン溶液を(Me3NH)1 −H−CB11110.20gのTHF溶液30mLに添加し、1時間にわたり攪 拌し、その後、真空下に放置し、24時間にわたり乾燥して、180mgの[(T HF)nLi]2CB1111を得た。 実施例32 [(THF)nLi]2CB111126mgのCH3CN溶液1mLを0.6mL のアセトニトリル中のF−TEDA25mgの懸濁液で処理した。19F NMR およびNIEMSは、CB1112 -とHCB1111 -との混合物を示した。アセト ニトリルを真空下で除去し、15mLの水を添加すると、黄色固形物として24 mgの(H−TEDA)(FCB11112が生成された。 実施例33 CsHCB111139mgのTHF溶液10mLをアルゴン雰囲気下で20時 間にわたり1gのNaで処理した。カニューレを用いてTHFを25mLのシ ュレンクフラスコに移し、その他の揮発性化合物を真空下で除去した。残りの固 形物を水に溶解し、Ph4PClの水溶液で処理した。白色沈殿物を濾過し、5 mLの水で洗浄し、真空下で乾燥して、35mg(65%)の(Ph4P)(1, 12−CB11210)を得た。 実施例34 約0.10gのCs(1−Me−CB1111)を50mLの0.1M HCl 溶液に溶解した。その溶液を50mLのエタノールで2回抽出した。有機層を混 合し濃縮し、乾燥して、赤色固形物として52mg(65%)の(H32)(1 −Me−CB1111)を得た。 実施例35 10mLのアセトン中の0.18gのCs(1−Et−CB1111)と0.9 gの[PhN(Me)2H]Clとの混合物を1時間にわたり攪拌した。固形物 を濾過によって除去した。濾液を濃縮し、得られた白色固形物を5mLのCD2 Clから再結晶化して、無色固形物を得た。1H NMR(アセトン−d6、δ): 2.91[PhN(Me)2]、3.20[(PhN(Me)2H)Cl]、3.43 [(PhN(Me)2H)(1−Et−CB1111]。 実施例36 50mLの0.1M HCl溶液中の0.1gのCs(1−Me−CB1111 )の溶液を1回分100mLのエーテルで2回抽出した。有機層を混合し濃縮し 、乾燥して、52mgのピンク色の固形物を得た。CD3CNにおける1H NM Rは、カルボランクラスタ当たり少なくとも6個のプロトン(δ:9.11)の 存在を示した。この固形物の約3mgを1mLの水に溶解した時、得られた溶液 のpHは約1であった。これは、固形物が強酸であり、それは、組成(H73) (1−Me−CB1111)を有するか、または(H52)(1−Me−CB1111 ) と(H73)(1−Me−CB1111)との混合物であり、また(H94)(1− Me−CB1111)である可能性があることを示した。この化合物を真空下で1 60℃において3日にわたり加熱した。乾燥固形物の1H NMRは、カルボラン クラスタ当たり4個のプロトン(δ:10.30)の存在および相対強度が約0 .9の広幅信号(δ:8.8)を示し、それは、固形物が(H52)(1−Me −CB1111)であることを示している。 高圧IRセル中の(H52)(1−Me−CB1111)のフルオロルーブ・マル (fluorolube mull)に1700psiのCOを添加した時、λ=2183cm- 1 の信号を観察した。この伸縮振動の波長は、(HCO)(1−Me−CB1111 )の存在を示すHCO+化学種に対応する。 実施例37 約10mgの(PhAg)(1−Bu−CB1111)を10%H2/N2混合物 中で135℃において加熱した。固形物の色は白色から褐色に変わった。固形物 を1mLのCD2Cl2に溶解し、黒色固形物を濾過した。1Hおよび19F NMR は、アニオンの分解を示さなかった。褐色固形物の分析は、固形物中のAgの存 在を示した。極めて弱い塩基の溶液(約3mgのPh3N、pKa:5まで)を 固形物に添加した時、褐色の溶液を生じた。Ph3Nの芳香族プロトンに対する 広幅信号を1H NMRによって観察した。CD2Cl2を除去し、白色固形物をヘ キサンで洗浄し、ベンゼン−d6に再溶解した。1H NMRは、δが10.6の 酸性プロトンを示した。ベンゼンを除去し、固形物をアセトニトリル−d3に再 溶解した。1H NMRは、(Ph3NH)(1−Bu−CB1111)を示した。酸 性プロトンの1H NMR化学シフトは13.1ppmである。この結果は、13 5℃での(PhAg)(1−Bu−CB1111)と10%H2/N2との反応におけ るAg+の還元によるH+(1−Bu−CB1111)の生成を示している。 実施例38 この実施例は、THF中のポリフッ化カルボランの伝導度を示している。 セル定数k=1.113の目盛り定めしたイエロースプリングNo.3403 伝導度セルおよびモデル31導電ブリッジを用いた。精製された窒素雰囲気のグ ローブボックス中で測定を行った。Cs(1−Me−CB1111)の0.010 0M THF溶液の伝導度を1.47×10-4S/cmと測定した。 実施例39 50mLのHF中の1.00gのCs(HCB1111)の混合物に、実施例2 の手順を用いて300mLモネル反応容器中に300psiの10%F2/N2を 添加した。反応混合物を室温に加温し、24時間にわたり攪拌した。反応混合物 を約−78℃に冷却し、真空下に置いて、290psiの10%F2/N2を添加 した。混合物を再び室温に加温し、24時間にわたり攪拌した。過剰の気体を除 去し、粗固形物を100mLの水に溶解させた。水溶液を濾過し、MeNHCl (0.45g)の水溶液で処理した。白色沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空下 で乾燥して、1.08g(74%)の(Me3NH)(1−H−CB1111)を得 た。 実施例40 Me3NHClの代わりにBu4NClを用いた以外は、実施例39と同じ手 順を用いて(Bu4N)(1−HCB1111)を得た。 実施例41 約0.55gの(Me3NH)(1−H−CB1111)を30mLの0.63M NaOH水溶液に添加した。約10mLの水を真空下で混合物から除去した。こ の手順は、混合物からトリメチルアミンも除去した。約1.0mLの硫酸ジメチ ルを得られた溶液に添加し、混合物を室温で1時間にわたり攪拌した。反応溶液 を1M HCl溶液で約1のpHに酸性化し、濾過した。濾液を1回分50mL のエーテルで2回抽出した。有機層を混合し濃縮して、油性白色残留物を得た。 残留物を20mLの水に溶解し、水中の大過剰のMe3NHClを添加した。白 色沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、0.47g(82%)の( Me3NH)(1−CH3−CB1111)を得た。 実施例42 NaOH0.06gの水溶液15mLを約0.37gの(Me3NH)(1−C H3−CB1111)に添加した。約5mLの水を真空下で混合物から除去した。こ の手順は、混合物からトリメチルアミンも除去した。得られた溶液を1M HC l溶液で約5のpHに酸性化し、CsCl 0.25gの水溶液5mLを添加し た。混合物を0℃に冷却し、白色固形物を濾過し、冷水で洗浄し乾燥して、0. 39g(90%)のCs(1−CH3−CB1111)を得た。 実施例43 150mLのベンゼン中の0.43gのCs(1−CH3−CB1111)と1 .2gのAgNO3との混合物を70℃で24時間にわたり攪拌した。混合物を 室温に冷却し濾過した。濾液を濃縮し、得られた固形物を20mLのジクロロメ タンから再結晶化して、0.42g(87%)の(Ph)Ag(1−CH3−C B1111)を得た。 実施例44 30mLのジクロロメタン中の0.30gの(Ph)Ag(1−CH3−CB1 111)と0.18gのPh.CClとの混合物を室温で1時間にわたり攪拌し た。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、黄色固形物を得た。黄色固形物をイソオ クタンで洗浄して、Ph3CClを除去した。得られた固形物を乾燥して、0. 24 g(77%)の(Ph3C)(1−CH3−CB1111)を得た。 実施例45 ジクロロメタン中の0.1gのCuClと0.035gの(Ph)Ag(1− Et−CB1111)との混合物を室温で1ヶ月にわたり放置した。塩化銀を濾過 によって除去し、濾液を1気圧のCOで処理した。1気圧のCO下でCu(1− Et−CB1111)の飽和溶液を冷却すると、(CO)4Cu(1−Et−CB1 111)の結晶が生成された。 実施例46 0.13gのBu4N(1−H−CB1111)、0.061gのBu4NClおよ びジクロロメタン10mL中の0.041gの[Cu(メシチル)]nの混合物を 室温で0.5時間にわたり攪拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、0.1 7g(85%)の(Bu4N)。(ClCuCB1111)を得た。回折質結晶を アセトニトリルから成長させた。X線結晶構造を図3に示している。 実施例47 (Me3NH)AsB11110.52gのTHF溶液15mLに、ヘキサン 溶液中の4mLの2.0M n−BuLiを添加した。反応混合物を10分にわ たり攪拌し、THFの約1/2を真空下で除去した。残りの黄褐色の混濁した混 合物を0℃に冷却し、3.8mLのBF3・OEt2を添加した。得られた混合物 を一晩攪拌した。その混合物を濃縮し、1M NaOHに溶解した。大過剰のM e3NHClを水溶液に添加し、得られた固形沈殿物を濾過し乾燥して、(Me3 NH)(2−F−AsB1110)を得た。11B NMR(アセトン−d6,δ):15 .8(s)、4.6(d)、−6.9(d)、−8.7(d)、−11.3(d)および− 17.8(d)。19F NMR:−192.7(q、JB-F=78Hz)。 実施例48 約20mgのCs(AsB1111)を含むモネル反応容器に約7mLのHFを 添加し、得られた溶液を200℃で64時間にわたり攪拌した。真空移送技術を 介してHFを除去し、サンプルを真空下で乾燥した。NIEMSは、約1:7: 2の比のCs(AsB1111)、Cs(ASB1174)およびCs(AsB1165)の存在をそれぞれ示した。NIEMS(m/z):205.2(F0、10% )、277.2(F4、70%)および295.2(F5、20%)。 実施例49 約18.8mgのCs(SbB1111)を含むモネル反応容器に約9mLの HFを添加し、得られた溶液を室温で44時間にわたり攪拌した。真空移送技術 を介してHFを除去し、サンプルを真空下で乾燥した。NIEMSは、約1:1 :97:1の比のCs(SbB1111)、Cs(SbB1110F)およびCs(S bB1192)およびCs(AsB1183)の存在をそれぞれ示した。 Cs(SbB1192):11B NMR(アセトン−d6,δ):13.1(s)、7. 7(d)、−11.2(d)、−14.1(d)、−17.3(d)および−19.0( d)。19F NMR:−194.1(q)。 NIEMS(m/z):252.2(F0)、269.2(F1)、287.3(F2)お よび305.3(F3)。 実施例50 約22.6mgのCs(BiB1111)を含むモネル反応容器に約9mLのH Fを添加し、得られた溶液を室温で44時間にわたり攪拌した。真空移送技術を 介してHFを除去し、サンプルを真空下で乾燥した。NIEMSは、Cs(Bi B1111)、Cs(BiB1110F)、CS(BiB1192)、Cs(BiB118 3)およびCs(BiB1184)の存在を示した。NIEMS(m/z):3 39.4(F0)、357.5(F1)、375.5(F2)、392.5(F3)、 410.5(F4)および428.4(F5)。 当業者は、本発明の好ましい実施の形態に対して多くの変更および修正をなし 得ると共に、こうした変更および修正を本発明の精神から逸脱せずになし得るこ とを理解するであろう。従って、添付したクレームが、本発明の真の精神と範囲 に入るすべての等価変形物を包含することが意図されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 イバノフ、セルゲイ アメリカ合衆国 80521 コロラド州 フ ォート コリンズ ダブリュ.プラム ス トリート 1600 ナンバー25エー (72)発明者 ルピネッティ、アンソニー ジェイ. アメリカ合衆国 80526 コロラド州 フ ォート コリンズ ダブリュ.プロスペク ト ロード 1225 ナンバージェイ202

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 式RaZBbcde(OR")f -1のポリハロゲン化モノヘテロボランア ニオンを含む化合物であって、 Rは、ポリマー、水素、ハロゲン化物、C1〜C10アルキル、C1〜C10シクロ アルキル、C1〜C10アルケニル、C110アルキニルおよびC4〜C20アリール からなる群から選択され、 Zは、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、SbおよびBiからなる 群から選択され、 各Xは独立にハロゲン化物であり、 R"は、ポリマー、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C10シクロアルキル、C1 〜C10アルケニル、C110アルキニルおよびC4〜C20アリールからなる群から 選択され、 aは0または1であり、 bは5〜13の整数であり、 cは0〜12の整数であり、 dは2〜13の整数であり、 eは0〜11の整数であり、 fは0〜5の整数であり、 bが9である時、Rは、ポリマー、ハロゲン化物、C1〜C10アルキル、C1〜 C10シクロアルキル、C1〜C10アルケニル、C110アルキニルおよびC4〜C2 0 アリールからなる群から選択され、 Bが11でありかつRが水素である時には、d>6である化合物。 2. 前記Xは、塩化物、ヨウ化物および臭化物からなる群から選択される、請 求項1に記載の化合物。 3. 前記Zは、C、Si、PおよびNからなる群から選択される、請求項1に 記載の化合物。 4. 前記ZはCであり、前記R"は水素である、請求項3に記載の化合物。 5. 前記aは1である、請求項4に記載の化合物。 6. 前記Rは、水素、ハロゲンおよびC1〜C10アルキルからなる群から選択 される、請求項5に記載の化合物。 7. 前記Rは、水素、フッ化物、メチル、トリフルオロメチル、ビニル、エチ ル、ブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびプロピルからなる群から 選択される、請求項6に記載の化合物。 8. 前記Rは水素である、請求項7に記載の化合物。 9. 前記bは11であり、前記cおよびeは0である、請求項8に記載の化合 物。 10. 前記dは11であり、前記fは0である、請求項9に記載の化合物。 11. 前記dは10であり、前記fは1である、請求項9に記載の化合物。 12. 前記dは9であり、前記fは2である、請求項9に記載の化合物。 13. 前記bは11であり、前記cは1であり、前記dは10であり、前記e およびfは0である、請求項8に記載の化合物。 14. 前記bおよびdは9であり、前記c、eおよびfは0である、請求項8 に記載の化合物。 15. 前記Rはメチルである、請求項7に記載の化合物。 16. 前記bおよびdは11であり、前記c、eおよびfは0である、請求項 15に記載の化合物。 17. 前記Rはエチルであり、前記bおよびdは11であり、前記c、eおよ びfは0である、請求項7に記載の化合物。 18. 前記Rはトリフルオロメチルであり、前記bおよびdは11であり、前 記c、eおよびfは0である、請求項7に記載の化合物。 19. 前記Rはフッ化物であり、前記bは11であり、前記dは11であり、 前記c、eおよびfは0である、請求項7に記載の化合物。 20. 水素、ナトリウム、アンモニウム、リチウム、セシウム、トリチル、テ トラアルキルアンモニウムおよびテトラフェニルホスホニウムからなる群から選 択される対カチオンを更に含む、請求項1に記載の化合物。 21. 前記対カチオンはリチウムである、請求項20に記載の化合物。 22. 請求項1のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを含む溶液。 23. 請求項1のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを含むゲル。 24. ポリマーを更に含む、請求項23に記載のゲル。 25. 請求項1のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを含む溶融塩。 26. 請求項1のポリハロゲン化モノヘテロボランアニオンを含む液体。 27. 式RaZBbcde(OR")f -1のポリハロゲン化モノヘテロボラン アニオンを製造する方法であって、 式M[R'aZBbghi(OR")jkの化合物をX'2およびHX'を含む混 合物と接触させる工程を含み、 Mは、1〜4の原子価を有するカチオンであり、 Zは、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、SbおよびBiからなる 群から選択され、 RおよびR'は、水素、ハロゲン化物、C1〜C10アルキルおよびC4〜C20ア リールからなる群から選択され、 各Xは独立にハロゲン化物であり、 R"は、ポリマー、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C10シクロアルキル、C1 〜C10アルケニル、C110アルキニルおよびC4〜C20アリールからなる群から 選択され、 X'2はハロゲンであり、 X'はハロゲン化物であり、 aは0または1であり、 bは5〜13の整数であり、 cは0〜13の整数であり、 dは1〜13の整数であり、 eは0〜13の整数であり、 fは0〜5の整数であり、 gは1〜13の整数であり、 hは0〜12の整数であり、 iは0〜13の整数であり、 jは0〜5の整数であり、 kは1〜4の整数であり、 d>hであることを条件とする化合物。 28. 前記Mはセシウムである、請求項27に記載の製造方法。 29. 前記ZはCである、請求項27に記載の方法。 30. 前記X'はフッ化物であり、前記X'2はフッ素である、請求項27に記 載の製造方法。 31. 前記R'は水素である、請求項30に記載の製造方法。 32. 前記Rは、水素およびフッ化物からなる群から選択される、請求項31 に記載の製造方法。 33. 前記R'はメチルである、請求項30に記載の製造方法。 34. 前記Rは、メチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロ メチルおよびそれらの混合成分である、請求項33に記載の製造方法。 35. 接触させる前記ステップを約50℃未満の温度で行う、請求項27に記 載の製造方法。
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