JP2001518809A

JP2001518809A - 調整可能な頸部カラーロック

Info

Publication number: JP2001518809A
Application number: JP50219597A
Authority: JP
Inventors: マーチン・ウイリアム; コーンケ・オーレ
Original assignee: アンブ・インターナショナル・エイ／エス
Priority date: 1995-06-07
Filing date: 1996-06-07
Publication date: 2001-10-16
Also published as: US6036664A; EP0836456A1; EP0836456A4; AU6384396A; WO1996040018A1; AU716686B2

Abstract

(57)【要約】調節可能な頸部カラーロック（８８）を開示する。該ロックまたはロック・ストップ手段（３１０、３１１）が調節可能な頸部カラー（１０）のロック機構（９０）に係合し、調節システム手段のさらなる摺動を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】調整可能な頸部カラーロック技術分野本発明は頸部カラーに関する。さらに具体的には、本発明は調節可能な胸骨・肩支持具付きの頸部カラーのロックに関する。背景技術頸部または脊髄に損傷を受けた人の頭部および頸部の移動を制限するように設計された多数のタイプの頸部カラーがこれまでに開示されている。現に、頸部カラーはいまや多くの所の緊急医療サービス班および救助隊の標準装備である。低コストで、多様な個人に適合する多数のサイズの頸部カラーが入手可能でなければならない。たとえば、小児用の頸部カラーは成人用の頸部カラーより様々なサイズが必要とされる。この問題は、様々な個人のサイズ用に様々なサイズの頸部カラーを提供することによって部分的に対処されている。したがって、安価な頸部カラーを様々なサイズに合わせて調節することができ、しかも患者の頸部を効果的に固定できることが望ましい。望ましい、調節可能な頸部カラーを負傷者に装着するには、これを患者の背後に所定位置に置き、次いで頸部カラーの前面部を調節して患者の頸部を固定する。この個人への装着の手順は患者のサイズと無関係に望ましい手順である。その結果、頸部支持部片または「胸骨・肩支持具」の拡張が可能で患者の頸部支持を向上することができる頸部カラーがいくつか設計されている。それらの頸部カラーの初期のモデルは頸部カラーの頸部支持部片または胸骨・肩支持具を縦方向に拡張することができる。中には、頸部部片の位置を適度に調節できる調節可能な頸部カラーもある。しかし、これらの用具の多くは緊急医療を要する状況において患者に装着する際に容易に適応できない。それらの用具は頸部カラーの背部を患者の頸部に対して所定位置に保持しつつ高さを調節でき、次いでしっかりとロックして患者を輸送できる調節可能な頸部支持部片を備えていない。それらの頸部支持用具もしくは胸骨・肩支持具は頸部支持支持具に対しても胸骨・肩支持具に対しても自動並行調節ができない。当業界には頸部より胸骨部および肩の支持具を容易に調節およびロックできる調節可能な頸部カラーがない。発明の概要本発明は調節可能な頸部カラーのロック手段である。調節可能な頸部カラーは細長頸部包囲バンドと、下顎支持支持具と、調節システム手段を備えた調節可能な胸骨・肩支持具とを有し、調節システム手段によって胸骨・肩支持具の高さを細長頸部包囲バンドに対して調節する。調節可能な胸骨・肩支持具は下顎支持支持具に対して高さを調節することができる。ロック手段は、調節した胸骨・肩支持具を所定ポジションに固定して患者の頸部を支持する。好適なロック手段には、ラチェット歯および爪の調節システム手段に係合し保持する摺動クリップ手段を含む。図面の簡単な説明第１Ａ図は、平坦ポジションの調節可能な頸部カラーの正面図である。第１Ｂ図は、平坦ポジションの調節可能な頸部カラーの縁の図である。第１Ｃ図は、下顎支持支持具を前傾ポジションまたは使用可能ポジションにした、調節可能な頸部カラーの側面の斜視図である。第２図は、調節可能な頸部カラーの細長頸部包囲バンドの図である。第３図は、調節可能な頸部カラーのツーピース下顎支持支持具の側面図である。第４図は、調節可能な頸部カラーのツーピース下顎支持支持具のＪ字形要素の側面図である。第５図は、代替ロック機能を有する調節可能な頸部カラーの、ツーピース下顎支持支持具の側面図である。第６Ａ図は、調節可能な頸部カラーの胸骨・肩支持具の正面図である。第６Ｂ図は、調節可能な頸部カラーの胸骨・肩支持具の端部の図である。第７Ａ図は、胸骨・肩支持具を下向きに移動できるラチェット歯・爪システムを有するロック機構の縁の図である。第７Ｂ図は、胸骨・肩支持具を上向きに移動できるラチェット歯・爪システムを有するロック機構の縁の図である。第７Ｃ図は、胸骨・肩支持具を移動できないラチェット歯・爪システムを有するロック機構の縁の図である。第８Ａ図は、調節可能な頸部カラーのカバー・ピースの正面図である。第８Ｂ図は、調節可能な頸部カラーのカバー・ピースの側面図である。第９図は、調節可能な頸部カラーに使用する爪を含むスライド片の図である。第１０図は、ロッキング・ストップ手段のあるロック機構を有する調節可能な頸部カラーの正面図である。第１１図は、ロック機構の係合が外されて調節可能な頸部カラーが自由に運動でき、かつロッキング・ストップ手段を外したポジションを示す一部側面図である。第１２図は、ロック機構が係合して調節可能な頸部カラーが自由に運動できず、かつロッキング・ストップ手段を「安全」ポジションにロックした状態を示す一部側面図である。第１３図は、ロック機構が係合して調節可能な頸部カラーが自由に運動できず、かつロッキング・ストップ手段を完全にロックしたポジションを示す一部側面図である。第１４図は、ピン・アンド・ラチェット・ロック機構を有する調節可能な頸部カラーのラチェット歯およびロッキング・ティースを示す一部側面図である。発明の詳細な説明第１Ａ図、第１Ｂ図、および第１Ｃ図は、細長頸部包囲バンド（１２）と、下顎支持支持具（１４）と、調節可能な胸骨・肩支持具（１５）とを有し、胸骨・肩支持具の高さを細長頸部包囲バンド（１２）に対して調節する調節システムを伴う調節可能な頸部カラー（１０）を示す。細長頸部包囲バンド（１２）は、高密度ポリエチレン、塩化ビニル等の硬いプラスチックシート材料、その他同様に硬く、丈夫なプラスチック材料により形成する。頸部カラーの諸要素は当業界で従来から行う打ち抜き、押出成形、あるいは型による成形が可能である。快適さを与えるには、軟質フォーム・パッド（１３）を硬いプラスチック内面の様々な箇所に固定することができる。軟質フォーム・パッド（１３）は従来の軟質プラスチック材料から作る。この軟質プラスチック・パッドは硬いプラスチック材料に接着剤またはスナップファスナ等の従来の固定手段により固定する。このフォーム・パッドは接合剤その他の接着剤で固定して頸部カラー（１０）の部品を少なくすることが好適である。第２図は、細長頸部包囲バンド（１２）を示し、前面部（１６）、背部（１８）、背側部（２０）、および前面端部（２２）を有するワンピース構造とすることが望ましい。細長頸部包囲バンド（１２）は非対称に設計し、前面部（１６）を背部（１８）に取り付けてこれと一体化する。前面部（１６）は下顎支持支持具（１４）に取り付け、患者の頸部の前面に対向し患者の下顎の下に置く。頸部カラー（１０）の背部（１８）は概ね患者の頸部の背部に付着させる。背側部（２０）および前面端部（２２）は頸部包囲バンド（１２）の一体要素で各端部に位置し、調整可能な頸部カラーを患者に固定後にともに固定するのが通常である。前面部（１６）は、平坦に置いたときは、概して曲線形状で、下向きに湾曲し、次いで前面端部（２２）から背部（１８）に至るまで概して上向きに湾曲し、前面部の一方の側部から他方の側部に至る長手方向の湾曲した縁に相対する。前面部の下部湾曲縁（２４）は切り欠き部（２６）の部分で中断し、使用中は頸部カラー（１０）と一部重なり合う。前面部（１６）の上部湾曲縁（２８）は下部湾曲縁（２４）にほぼ並行であるが、下部湾曲縁（２４）のように中断しない。前面部の上部湾曲縁（２８）には同湾曲縁から離れて上向きに伸びる下顎支持支持具タブ（３０）が固定される。この下顎支持支持具タブ（３０）は下顎支持支持具（１４）を頸部包囲バンド（１２）の前面部（１６）に固定するために使用する。この前面部の一方の側部に頸部カラー（１０）の背部（１８）が固定され、頸部カラーに一体化する。背部（１８）は従来のどんな形状でもよく、概ね方形から概ね楕円形とすることができる。細長頸部包囲バンド（１２）の背部（１８）には、その弾力性を増すため、縦長のスロット（３２）および協働スリット（３４）をいくつか含む。前面部（１６）の末端に位置する背部（１８）と一体の部分は背側部（２０）である。背部（１８）の要部に含むものと同様の細長いスロット（３６）をこの背側部（２０）にいくつか設けることができる。細長頸部包囲バンド（１２）の背側部（２０）の末端は前面部（１６）から延伸する前面端部（２２）である。同端部は頸部カラーを患者の頸部周囲に置くときに背側部（２０）に協調して働く。カラーの維持手段は調節可能な頸部カラー（１０）を整然と維持するストラップまたはファスナであればどれを選んでもよい。たとえば、好適な実施例においては、長いフック・アンド・ループ・ファスナ（４０）を、頸部カラーの背部（１８）および背側部（２０）に、背側部（２０）ならびに背部の要部の、選ばれた細長いスロット（３６）を通して固定する。調節可能な頸部カラーの第二の主要な要素は下顎支持支持具である。先に述べたように、下顎支持支持具は細長頸部包囲バンドから独立した要素でもよく、あるいは細長頸部包囲バンドに永久的に固定した、一体部片の下顎支持支持具として形成することもできる。下顎支持支持具は従来からある、予備成形された、前傾姿勢の下顎支持支持具でもよいし、あるいは代替の実施例としては、調節可能にかつ２つ別々の要素から形成することもできる。第３図および第４図は、下顎支持支持具の２つの部片を示す。第一の部片はＪ字形要素（４４）であり、第二の部片は湾曲要素（４６）である。この２つの部片は細長頸部包囲バンド（１２）と同タイプの硬いプラスチック材料から作られる。簡易性と使いやすさからすれば、単一部片の下顎支持支持具（図示せす）が望ましい。さらに、下顎支持支持具片は調節可能な頸部カラーの実施例次第により頸部包囲バンドか浮動支持具（ｆｌｏａｔｉｎｇｂｒａｃｅ）かいずれかに置くことができる。第５図は、下顎支持支持具の代替の実施例を示す。この下顎支持支持具片にはＪ字形要素（４４）に固定したフック・アンド・タブ部片（６８）があり、湾曲要素（４６）の第二端内のスロット（７０）に嵌合して下顎支持要素を前傾位置に維持する。第６Ａ図および第６Ｂ図は、浮動支持具すなわち胸骨・肩支持具（１５）を示す。胸骨・肩支持具（１５）は細長頸部包囲バンドの前面部に調節可能に固定される。肩支持具（１５）の形状はその切欠部（２６）以外は前面部と同様である。切欠部（２６）には胸骨・肩支持具（１５）の下部湾曲縁（７２）がある。下部湾曲縁（７２）は細長頸部包囲バンドの上部湾曲縁（２８）にほぼ並行であるが、胸骨・肩支持具（１５）の下部湾曲縁に位置する。胸骨・肩支持具の上部湾曲縁（７４）は、胸骨・肩支持具（１５）の上部湾曲縁（２２）が切欠部と会うところで中断している。切欠部（２６）は、細長頸部包囲バンド（２８）から胸骨・肩支持具（１５）まで分断されることなく継続する。この切欠部は、細長頸部包囲バンド（１２）に対する胸骨・肩支持具（１５）の高さ調節と無関係に分断されずに延伸し、したがって少なくとも一つの開口部を与え、胸骨・肩支持具（１５）の高さとの調節とは無関係に喉頭部の高さの頸部筋肉を露出する。第６Ａ図および第６Ｂ図は、切欠部（２６）の各側部縁にある確実整合トラッキング手段（ｐｏｓｉｔｉｖｅａｌｉｇｎｍｅｎｔｔｒａｃｋｉｎｇｍｅａｎｓ）を示す。確実整合トラッキング手段は胸骨・肩支持具の部分重複部（７６）を含む。この部分重複部（７６）は切欠部（２６）を形成する細長頸部包囲バンドの前面部の両側部縁（７８）の上方および周囲に及ぶ。この部分重複部（７６）は、胸骨・肩支持具が上下に動く間に切欠部（２６）の各側部縁（７８）に位置する。部分重複部（７６）は細長頸部包囲バンド（１２）の前面部（１６）の両側部縁（７８）に安定している。胸骨・肩支持具が下がっても部分重複部は切欠部にしっかりと安定している。この構造によって、胸骨・肩支持具（１５）が下がっても細長頸部包囲バンド（１２）はねじれることなく平行な整合を保つ。胸骨・肩支持具の一方の側部が下向きに移動すれば、胸骨・肩支持具（１５）の相対する側部が自動的に対応して平行に下向き移動する。この構造により、胸骨・肩支持具は左右両側とも自動的に等しく支持されることが保証される。本実施例の細長頸部包囲バンドの背部（１８）は患者の頸部に置くことができ、かつ胸骨・肩支持具（１５）は細長頸部包囲バンド（１２）の背部（１８）を移動せずに調節することができる。胸骨・肩支持具（１５）は、細長頸部包囲バンドの前面部（１６）の要部内または胸骨・肩支持具（１５）の要部内またはその両方の逆滑動手段またはスロット（８２）内を摺動あるいは進む複数の滑動手段またはポスト（８０）に接する細長頸部包囲バンドの前面部（１６）の背後で上下に摺動する。胸骨・肩支持具（１５）の切欠部（２６）の両側に一対のスロット（８２）を設けることが望ましく、同スロットは細長頸部包囲バンドの前面部（１６）に固定した一対のポスト（８０）と相俟って切欠部（２６）の両側で機能する。胸骨・肩支持具（１５）を所定位置に保持しつつしかも摺動させるため、ポスト用の適当なリベットまたはヘッドを使用する。第二の対の縦方向スロット（８４）を細長頸部包囲バンドの、第一の対のスロットより切欠部（２６）に近いところに形成することが望ましい。リベットおよびヘッド付きの適当なポストはこれらのスロットと相俟って機能し、それによって胸骨・肩支持具（１５）が細長頸部包囲バンドの前面部（１６）に対して縦方向に移動することができる。この４つのスロットおよびポストとの組合せが部分重複部（７６）と相俟って機能することにより、胸骨・肩支持具（１５）が細長頸部包囲バンドの前面部（１６）に対して滑らかにかつ縦方向に移動することができる。この調節機構により、患者の胸骨および肩と顎の下側との間の適切な距離を維持して患者の顎を支えることが可能になる。胸骨・肩支持具（１５）の位置を患者に装着した細長頸部包囲バンド（１２）に対して変更することにより、患者の頸部を支えることができる。胸骨・肩支持具（１５）の位置はこのスロットおよびポストのシステムによって縦方向に調節できるが、胸骨・肩支持具（１５）の、細長頸部包囲バンド（１２）の前面部（１６）に対する正確な位置はロック機構によって固定することが必要であり、同機構は患者の圧力による胸骨・肩支持具（１５）の崩れを防止する。この確実ロック機構は既存のいくつかのシステムのどれでも使用できる。しかし、新規なラチェット歯システム（８６）を利用してこの確実ロック機構を設けることが望ましい。これに代わる実施例としては、摩擦摺動する（ｓｌｉｄｅｓｗｉｔｈｆｒｉｃｔｉｏｎ）グルーブ・アンド・スロット・システム（図示せず）がよい。第７Ａ図、第７Ｂ図、および第７Ｃ図は、ラチェット歯システム（８６）の一実施例を示す。この実施例では、頸部カラーの胸骨・肩支持具（１５）を下げることができるが、下げた後にこれを上げることはできない。このタイプの確実ロックシステムはすばやく使用することができかつ患者にも安全である。このシステムは、細長頸部包囲バンドの外面に固定した一列のラチェット歯（８８）、または好ましくは一対のラチェット歯列（８８）を有する。この歯列の対の片方は細長頸部包囲バンド（１２）の前面部（１６）にある第二の組のスロット（８４）の片側に位置することが望ましい。これらのラチェット歯列（８８）は、カバー・ピース（９２）にあってラチェット歯に重なる爪（９０）によって胸骨・肩支持具（１５）が下向きの移動のみ可能となるようにカットされている。胸骨・肩支持具（１５）の上向きの移動は爪（９０）とラチェット歯との相互作用によって防止される。爪を被覆しかつ保持するカバー・ピース（９２）は従来設計の、胸骨・肩支持具自体の移動に伴ってラチェット歯に対して線形移動するものであればよい。ある実施例では、カバー・ピース（９２）は、その頂部を胸骨・肩支持具（１５）に、スロット（８４）を通るポストの一要素として固定され、その底部をリベットおよびフック付きの第二のポストにより胸骨・肩支持具（１５）に固定される。その他様々な配置が本発明の範囲内で可能である。このラチェット歯システムには、細長頸部包囲バンド（１２）の前面部（１６）の表面に、第一の組のラチェット歯列（８８）に平行な列にカットした第二のグループのラチェット歯（１０２）を含めることができる。この第二のラチェット歯列（１０２）のカットの方向は先に述べたラチェット歯のカットと逆向きとする。この第二のグループのラチェット歯（１０２）は第一の組のラチェット歯と相対する方向に傾斜している。この配置では、カバー・ピース（９２）には第二の爪（１０４）も含まれ、この爪も第一の爪（９０）と逆向きにカットした歯を有する。この第二の爪（１０４）は移動して第二の組のラチェット歯（１０２）と整合することも外れることもできる。第二の爪（１０４）と第二の組のラチェット歯（１０２）が整合するときは、胸骨・肩支持具（１５）は第一の組のラチェット歯（８８）および第一の爪（９０）によって防止される移動と逆向きの移動ができない。この第二の組のラチェット歯（１０２）と第二の爪（１０４）が係合するときは胸骨・肩支持具（１５）はそれ以上下がらないことが好適である。第一の組のラチェット歯（８８）と第一の爪（９０）も係合すれば、この構造は胸骨・肩支持具（１５）の完全なロック・システムとなり、胸骨・肩支持具（１５）は逆向きの縦方向移動もさらに下向きの移動もともに防止される。この代替実施例では、両組の爪（９０および１０４）とも水平方向に移動可能である。爪は各々適切なラチェット歯と係合して胸骨・肩支持具（１５）の一方向への移動を防止することができ、また爪は各々水平方向に移動して対応するラチェット歯から外れることによって胸骨・肩支持具（１５）の適切な縦方向移動が可能となる。カバー・ピース（９２）内で独自に水平方向に移動可能な爪によって、胸骨・肩支持具（１５）を調節できるゆとりがきわめて大きくなるとともに胸骨・肩支持具（１５）の確実ロックキングが可能となる。この代替実施例の配置を第７Ａ図、第７Ｂ図、および第７Ｃ図に示す。第７Ａ図は第一の爪（９０）と整合した第一の組のラチェット歯列（８８）を示す。爪およびラチェット歯のこの構造では、胸骨・肩支持具（１５）は患者の胸部間近まで下がることができる。逆方向の上向き移動は第一の組のラチェット歯（８８）と第一の爪（９０）との相互作用により防止される。この実施例の第二の爪と第二の組のラチェット歯（１０２）とは整合していない。胸骨・肩支持具を患者に対して適正な位置に置いたら、第二の爪（１０４）を水平方向に、第７Ｃ図に示すように、第二の組のラチェット歯（１０２）に整合するまで移動する。この時点で、胸骨・肩支持具（１５）はこれ以上下向きにも上向きにも動けなくなる。第一の爪（９０）を移動して第一の組のラチェット歯列（８８）との整合を外すことにより、胸骨・肩支持具（１５）を上向きに第７Ｂ図に示すように戻すことができる。胸骨・肩支持具（１５）を細長頸部包囲バンドの前面部（１６）に対して正確な位置に置いたら、両方の爪を各々のラチェット歯に整合させる。この整合により、胸骨・肩支持具は第７Ｃ図に示すようにこれ以上移動しなくなる。爪の組は、爪が各々のラチェット歯に整合するように確実ロック・システムに配置することが望ましい。このシステムの一実施例では、爪の各組（９０および１０４）がその外側縁に取り付けたタブ・システムを有する。タブ・システムは、頸部カラーの胸骨・肩支持具の位置を最終調節した後に爪を所定の高さにロックする際の助けとなる。いくつかの各々異なるタブ・システムを利用することができる。ある実施例では、各爪の外側端がタブ（１０６）に取り付けられ、カバー・ピース（９２）の上方で回転でき、カバー・ピースの頂部表面の所定位置にロックする。これらのタブは胸骨・肩支持具（１５）が上にも下にも移動できないときに限ってカバー・ピースの所定位置にロックする。この実施例では、両組の爪とも両組のラチェット歯列に係合して胸骨・肩支持具（１５）をしっかりと所定位置にロックする。好適なシステムのラチェット歯列の対は縦方向でスロットの一つの両側にある。ポストがカバー・ピース（９２）をロック・システムの上方に保持し、胸骨・肩支持具（１５）の背側に固定される。２組のラチェット歯列はスロット（８４）の片側に位置するのが望ましい。これらのラチェット歯（８８）が対応する爪（９０）とともに働くとき、胸骨・肩支持具（１５）は下がることができるが、上向きに後退することはできない。第三の列のラチェット歯（１０２）が最初の２つのラチェット歯の外側の、切欠部（２６）から離れたところに置かれる。それらのラチェット歯は最初の２列の歯と相対する傾斜を付けてカットされる。この第三の列のラチェット歯（１０２）が逆方向の爪（１０４）と相俟って機能するとき、胸骨・肩支持具が細長頸部包囲バンドを外れて下がることを防止する。第８Ａ図および第８Ｂ図は好適な実施例を示す。爪（９０）はカバー・ピース（９２）のスロット（９６）内に位置するのが望ましい。カバー・ピース（９２）は第一の組のラチェット歯（８８）に対して縦方向に移動する。この構造により、爪の歯（９８）が第一の組のラチェット歯（８８）の上方で摺動することができる。第９図は別個のスライド・ピース（１００）に置きカバー・ピース（９２）内に摺動可能に固定した爪（９０）を示す。爪（９０）は第一の組のラチェット歯（８８）との整合が外れることによって胸骨・肩支持具（１５）の上向きならびに下向きの移動が可能となる。スライド・ピース（１００）は爪（９０）の歯を所定位置にロックし、胸骨・肩支持具（１５）が患者に固定された後の縦方向移動を防止することが望ましい。この実施例は胸骨・肩支持具（１５）を患者から外した後に上向き移動できるように調節することができる。第１０図は、ロッキング・ストップ手段付きのロック機構またはラチェット・アンド・ロッキング・ティース（３０２）付きの爪を有する調節可能な頸部カラーを示す。スロット（３０１）が頸部包囲バンド内に位置している。第１１図は、係合を外した、調節可能な頸部カラーを自由に移動でき、かつロッキング・ストップ手段を外したポジションのロック機構の部分側面図を示す。ラチェット・アンド・ロッキング・ティース（３０２）付きの爪はロック機構のラチェット歯と係合するラチェット・アンド・ロッキング・ティースを有する。案内壁（３０３）が下方表面に２つの歯を有する。スナップ・リッジ（３０４）が爪用に形成されている。胸骨・肩支持具（３０５）および頸部包囲バンド（３０６）がラチェット歯ラック（３０８）およびロッキング・ティース・ラック（３０９）により平行摺動するスロット（３０７）を有する。第１２図は、調節可能な頸部カラーが自由に移動できず、ロッキング・ストップ手段が「安全」ポジションにロックされた、係合したロック機構の一部側面図である。第１３図は、調節可能な頸部カラーが自由に移動できず、ロッキング・ストップ手段を完全にロックしたポジションの、係合したロック機構の一部側面図である。ロッキング・ティース・セグメント（３１０）およびラチェット・ティース・セグメント（３１１）により、ロック・ストップ手段を閉じたときにロック機構に確実ロックを与える。第１４図は、ピン・アンド・ラチェット・ロック機構を有する調節可能な頸部カラーのラチェット歯およびロッキング・ティースを示す一部側面図である。ロッキング・ストップ手段は以下の方法により機能する。ロッキング・ストップ手段は摺動可能なロッキング・ティース・ラックであり、開いたポジションまたはロックを外したポジションから安全ポジションに摺動して***部に嵌合する。この***部嵌合によりロッキング・ストップ手段が保持されロッキング・ストップ手段の偶然の摺動が防止される。このロック機構は以下の任意選択の中間安全ポジションでも閉じられる。ロッキング・ストップ手段のさらなる摺動はロッキング・ストップ手段を完全にロックしたポジションに閉じることによって機能する。このポジションによって調節システム手段のすべての摺動が停止する。ロッキング・ストップ手段は、ロック機構のラチェット歯により歯を所定のポジションへと摺動させ、ピンをレール・アンド・チャンネル・ロック機構（図示せず）の穴内に摺動させることにより、レール・アンド・チャンネル・ロック機構（図示せず）を締め付けもしくは押し込むことにより、またはこれらと同様の手段により機能する。この摺動可能なロッキング・ストップ手段は、３つのポジション間で摺動する、摺動可能なロッキング・ティース・ラックとすることができる。３つのポジションには、胸骨・肩支持具を２つの相対する方向の片方に移動できる第一のポジションが含まれる。第一の方向では胸骨・肩支持具の高さが細長頸部バンドに対して増加し、第二の方向では胸骨・肩支持具の高さが細長頸部バンドに対して減少する。第二のポジションでは胸骨・肩支持具が第一の方向に限り移動できる。第三のポジションでは胸骨・肩支持具の移動が防止される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)，ＡＭ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ

Claims

【特許請求の範囲】１．（ａ）細長頸部包囲バンドと、（ｂ）該細長頸部包囲バンドに調節可能に固定した浮動支持具と、（ｃ）該細長頸部包囲バンドと浮動支持具との組合せに固定した下顎支持支持具と、（ｄ）該細長頸部包囲バンドと浮動支持具とに調節可能に固定して該浮動支持具の高さを該細長頸部包囲バンドに対して調節する調節システム手段と、（ｅ）ロッキング・ストップ手段を有する、該調節システム手段のためのロック機構と、（ｆ）該浮動支持具の高さを細長頸部包囲バンドに対して調節する時に該浮動支持具を該細長頸部包囲バンドに平行な位置に維持する確実整合手段とを含む調節可能な頸部カラー。２．該調節システム手段にラチェット歯・爪システムを含む請求の範囲第１項の調節可能な頸部カラー。３．該調節システム手段が一対のラチェット歯列および該ラチェット歯列と相俟って働く一対の爪である請求の範囲第１項の調節可能な頸部カラー。４．該調節システム手段に一組の逆方向ラチェット歯および逆方向爪をも含む請求の範囲第２項の調節可能な頸部カラー。５．該逆方向爪を該逆方向ラチェット歯上方のポジションにロックして胸骨・肩支持具の下向き移動を防止できる請求の範囲第４項の調節可能な頸部カラー。６．該下顎支持支持具が単一の予備成形部片である請求の範囲第１項の調節可能な頸部カラー。７．該細長頸部包囲バンドを前面部と、背部と、前面端部と背側部とにより構成し、該胸骨・肩支持具を該頸部包囲バンドの該前面部に調節可能に固定し、かつ該浮動支持具を胸骨・肩支持具とし、該胸骨・肩支持具を該前面部背後に調節可能に固定する請求の範囲第１項の調節可能な頸部カラー。８．該調節ロックシステムがラチェット歯列と、該胸骨・肩支持具に固定したカバー・ピースに調節可能に固定した爪と、一組の逆方向歯と、該カバー・ピースに調節可能に固定した逆方向爪とにより構成する請求の範囲第７項の調節可能な頸部カラー。９．該爪および逆方向爪をタブに別々に固定し、その各々を別々に所定ポジションにカバー・ピースにロックし、該タブを所定ポジションにロックして該胸骨・肩支持具の細長頸部包囲バンドに対する縦方向移動を防止する請求の範囲第８項の調節可能な頸部カラー。１０．該ラチェット歯および爪システムの該ロック機構に摺動可能なロッキング・ティース・ラックを含む請求の範囲第９項の調節可能な頸部カラー。１１．該摺動可能なロッキング・ティース・ラックが３つのポジション間で摺動し、該３つのポジションが、該胸骨・肩支持具を２つの相対する方向の片方に移動可能とする、第一の方向は該胸骨・肩支持具の高さを該細長頸部包囲バンドに対して増加し、第二の方向は該胸骨・肩支持具の高さを該細長頸部包囲バンドに対して減少する第一のポジションと、該胸骨・肩支持具を該第一の方向に限り移動可能とする第二のポジションと、該胸骨・肩支持具の移動を防止する第三のポジションと、である請求の範囲第１０項の調節可能な頸部カラー。１２．該摺動可能なロッキング・ティース・ラックが可撓性の部分重複部に係合可能な手段を有し、該摺動可能なロッキング・ティース・ラックを該３つのポジションに各々移動可能にロックする請求の範囲第１１項の調節可能な頸部カラー。